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ドイツにおける法学教育(二・完)

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ドイツにおける法学教育(二・完)

― 近年の動向を中心に ―

折 登 美 紀

一 はじめに

二 ドイツにおける法学教育改革

(一)ドイツの高等教育制度

(二)高等教育改革

(三) 年の法曹養成改革(以上、第 巻第 号)

三 ボローニャ・プロセスと法学教育

(一)ボローニャ・プロセス

(二)ボローニャ・プロセスの法学教育への適用問題 四 おわりに ―若干の考察― (以上、本号)

三 ボローニャ・プロセスと法学教育

(一)ボローニャ・プロセス

ドイツの大学は、現在、ボローニャ・プロセス実施の途上にある。ボロー ニャ・プロセス(以下、プロセスと略す)とは、 年イタリアのボローニャ で採択されたボローニャ宣言(Bologna Declaration “The European Higher

福岡大学法学部教授

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Education Area”)に基づく高等教育改革のプロセスのことをいう。このプ ロセスについては、教育学の研究者を中心として、既に数多くの先行論文が ある。以下、これらの記述に基づき概要を紹介する。

)ボローニャ・プロセスの概要

このプロセスは、学生、教員、研究者等のヨーロッパの大学間での自由な 移動を推進することにより、 年までに高等教育におけるヨーロッパ圏

(European Higher Education Area 以下、EHEA という)を構築し、世界 に通用する質の高い高等教育のための制度の確立を目指そうとするものであ る。ヨーロッパを一つの単位として、高等教育機関間での学生移動をスムー ズにするためには、国ごとに異なる、学修期間、学修過程、学修期間修了 の証明、教育の水準等をこの圏域内にある大学間で、標準化し、統一する必 要がある。これらを標準化することを主な内容として、この宣言は、 年、

EU か国を含むヨーロッパ か国の高等教育を担当する大臣の署名により 発効した。宣言は、政治的宣言であり、条約ではないため法的拘束力はな い。

このプロセスへの参加国は増えていき、ほぼヨーロッパ全域を包括するほ どとなり、EHEA 構築に相応しい空間的条件は整い、現在、このプロセス が示した行動指針に沿った作業が進められている。

この宣言発効時点の行動指針は次の 項目に纏められる。

① 理解しやすく比較可能な学位制度の採用:取得学位・資格の内容、学位 授与機関、成績等の記載された、ディプロマ・サプリメント(Diploma Sup- plement)を発行すること。このサプリメントはわかりやすく、特に、労 働市場からみて、理解しやすいものとすること。

② 大学と大学院という 段階構造の採用:高等教育を大学(undergradu-

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ate)と大学院(graduate)の 段階の構造とし、大学の学修年限を最低 年とすること、大学修了を大学院への進学要件とすること。大学修了者 に与えられる学位は「学士」(Bachelor)とし、大学院修了者に与えられ る学位を「修士」(Master)とすること。

③ 単位互換制度(European Credit Transfer System:ECTS)の導入:合 理的で換算可能な単位互換システム、ECTS を導入し、その普及を図るこ とにより、ヨーロッパ圏域間における学生の移動をスムーズにすること。

④ ヨーロッパ域内での学生、教員、研究者の移動の促進:修学や職業訓練 の機会を与える等の措置により、学生、教員、研究者等の移動を困難にし ている要素を取り除き、移動促進を図ること。

⑤ ヨーロッパレベルでの教育の質の保証システムの開発:高等教育の質確 保のための評価基準及び評価方法を開発すること。

⑥ ヨーロッパ次元(European Dimension)に立った高等教育の促進:カ リキュラム開発、研究プログラムの開発、移動をスムーズにするための計 画開発等を通して、ヨーロッパ次元での高等教育の一体化を図ること。

行動方針はその後増え、現在では以下の 項目となっている

① 理解しやすく比較可能な学位システムを導入(「学士」Bachelor と「修 士」Master)すること。

段階の学習システム(undergraduate と graduate)の導入すること。

③ クレジットポイントとディプロマ・サプリメントによる学習コンテンツ の透明性を確保すること。

④ 学修期間と学位を承認すること。

⑤ 学生及び研究者の移動の促進すること。

⑥ 国家的及びヨーロッパ的レベルでの教育水準の質保証すること。

⑦ EHEA のための資格付与フレームワークを実施すること。

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⑧ EU 圏域外も含めた EHEA の魅力を増進させること。

⑨ 生涯学習を促進すること。

⑩ EHEA とヨーロッパリサーチ圏(European Research Area)を接合さ せること。

このプロセス以前にも、ヨーロッパ圏域において、学生の大学間での自由 な移動を目的とする計画は存在していた。

例えば、 年に開始されたエラスムス計画(ERASMUS Programme)

は、ボローニャ・プロセスに繋がる最初のものと位置づけられる。また、こ の計画は、学生が移動する大学間で学生の受け入れに関する協定が結ばれて いることを前提とし、 年という短期間での学修を認め、修了時に参加資格 を付与するというもので、学生の「短期海外留学」のようなものである。地 域も期間も限定的であることが特徴である。学生の大学間移動をスムーズに するためには、留学先の大学での学修が自国の大学でも認められる仕組みが 必要である。そこで、この計画では、クレジット(Credit)という学修量を 統一的に図る単位を設定し、互換可能なシステムである ECTS を開発した。

ただし、ECTS により、国外の大学で学修する学生は増えたものの、国外で 修得したクレジットが %帰国後の大学で認められるわけではない。した がって、ERASMUS 制度を利用して国外の大学に 年間修学した学生は、

自国の大学に戻ってきてから、卒業が伸びる可能性があることを覚悟しなけ ればならなかった。

年 EU 誕生は、圏域の高等教育機関への移動促進の動きを後押しする ことになったが、社会保障、環境政策、商業等の分野に比べると、教育分野 における人やモノの移動がスムーズに進んできたとは言い難い。その理由は、

イギリスを除くヨーロッパの多くの国では、大学等の高等教育機関は国立(公 立)であり、国家の教育権限が強く及んでいたこと、大学の修了年限が各国

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でそれぞれ異なっていたこと、そもそも修了年限という観念自体存在しない 国々がほとんどであったこと、単位という観念自体一般的でなかったこと、

したがって、単位を互換するという考えに元来馴染みがなかったこと、教育 の水準にもばらつきがあり等価的交換が難しかったこと等にある。

このような中、 年パリにおいて、フランス、イギリス、ドイツ、イタ リアの か国の教育担当大臣が採択したのが、ソルボンヌ宣言(Sorbonnne Declaration “Joint Declaration on Harmonization of the Architecture of the European Higher Education System”, )である。この宣言は、ヨーロッ パ高等教育圏を一つの舞台にその中で学修内容や仕組みを共通化していくこ と、大学と大学院という 段階構造の高等教育システムを設けること、学生 及び教員の流動性を一層促進することを内容とし、翌年のボローニャ宣言に 繋がっていった。ソルボンヌ宣言は、上記の か国のみによる採択ではあっ たが、ヨーロッパの主要 か国による、高等教育のシステムが異なる国々の 共同宣言であった点に重要な意義があった。特に、ドイツやフランスの高等 教育機関は、近年私立大学が増えてきたとはいえ、多くは国立(公立)であ り、授業料もほとんど徴収されないのに対して、イギリスの高等教育機関は 伝統的に私立大学が主であり、授業料も徴収する。イギリスが、授業料収入 を期待できない学生の受け入れを可能にする枠組み作りに、共同して取り組 むこととなったことは、ボローニャに繋がる途を確実にしたといえよう。

ボローニャ宣言後も、参加国は、プロセスの進捗状況を確認し、課題を抽 出し、課題解決に共同で取り組むため、ほぼ 年おきに、プラハ( 年)、

ベルリン( 年)、ベルゲン( 年)、ロンドン( 年)、ルーヴァン

年)、ブダペスト( 年)、ブカレスト/ウィーン( 年)とフォ ローアップ会議を開催している。プロセスの進捗状況の確認をするとともに、

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行動指針に沿った細かな具体的作業を進めている。学修過程の 段階構造の 構築については、参加各国において概ね導入を終え、現在は、より具体的に、

教育の質保証システムの開発と具体的適用方法に取り組んでいる。

)ドイツにおけるプロセス導入状況

ドイツでは、 年第 次大学大綱法の改正により、高等教育の Bachelor- Master という 段階構造が採用され、また、互換可能な単位システムにつ いても規定され、法的基礎が整えられた。この制度を採用するか否かは大 学の裁量的判断によるが、プロセス導入後のドイツの大学の状況は、次のと おりとなっており、 段階構造への移行が相当程度進んでいることがわかる。

段階構造へと移行した大学の割合は、 冬学期開始の時点で は %、 冬学期開始時点で %の大学である。

② 学 生 数 は、 冬 学 期 で は , , 人、 冬 学 期 に は

, , 人となっている。

③ 学修修了期間は、 年時点では平均で .セメスターかかっていたが、

年には Bachelor 修了で .セメスター、Master 修了で .セメスター。

④ Bachelor 修了後 Master へと進学した者は、 %である。

⑤ Bachelor 修了後の就職に関しては、高等専門大学(Fachhochschule)

修了者の失業率は %、大学(Universität)修了者の失業率は %である。

⑥ ドイツ人学生の海外留学については、海外の大学修了を目指して留学す る者の数は一貫して増加している。 年には , 人にとどまっていた が、 年には , 人と約 倍の増加である。

⑦ 一方海外からドイツの大学で学ぶ外国人学生数は、 年には 人であったが、 冬学期には , 人と大幅に増加した。

⑧ ドイツの大学における外国人研究者は、 年には約 , 人であった

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が、 年には約 , 人の外国人研究者がドイツの大学で研究を進めて いる。

これらの数字を見ると、プロセスの 段階構造が普及し、プロセスが目的 としていた学生及び教員のヨーロッパ教育圏における自由な移動の促進とい う点について、成果を上げていると思われる。ただ、これらの数字の幾つか については、慎重な検討が必要で、必ずしもプロセス導入の成果と判断する ことができないようなものもある。例えば、学修過程修了後の就職先の確保 について、失業率を判断材料としているが、失業率は、その時々の経済情勢 に左右されるところが大きいことや経済情勢以外の事情が影響していること も考えられる。失業率をもって、新たなシステム導入の成果や信頼度を読み 取るのには、慎重でなければならず、他の多くのデータと合わせて検討する べきである。

さらに、人の流動性の促進が目標としているのは、質や水準の高い高等教 育圏の確立である。人の流動性促進によって、ヨーロッパの高等教育は高水 準なものとなってきたのか、これについてはどのような指標で測るのか、検 討されなければならない。人の移動を可能にするために、共通の互換可能な 単位を設けるということは、ある面、相互の教育水準を標準化である。その ため、水準の高かった教育機関が下方に合わされるということがある。標準 化は必ずしも質の向上に結び付くものではなく、その反対も十分に考えられ る。とりわけ、ドイツは圏域内の他国から最も多くの学生を集めているが、

ドイツにおける質の維持ないし向上が、プロセス導入前後でどのように変化 しているのか否かが検討されねばならない。

実際、ドイツにおいて、法学部が 段階構造の導入を拒否した理由も、標 準化による教育の質の低下への懸念があるからである。

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(二)ボローニャ・プロセスの法学教育への適用問題

既述のとおり、ドイツの大学でプロセスが導入されたが、法学部は導入し ていない。この点に関連して、 年 月 日及び 日に開催されたドイツ 司法省会議において、プロセスを法学教育に適用することは明確に拒否され た。その際の主な理由は、プロセス導入はドイツの法学教育の質を低下させ るということであった。

ドイツの法学教育は、すなわち、法曹養成教育と理解されている。法学部 に限らないが、ドイツの大学教育の目標は、職業能力の獲得にあり、職業能 力を実証する試験で修了する。法学部において養成されるべき、職業能力は 法曹として働く際に必要となる能力と考えられている。司法省、弁護士会、

研究者等法曹関係者から、プロセスへの様々な疑問と批判が展開された。

主なものは次のとおりである

① 国際性の確保要求について

まず、プロセスが要求する「人の移動による国際性の確保」に対しての疑 問である。プロセスは、教育機関における国際性の欠如を指摘し、人の移動 により国際的視点を醸成することが必要であり、国際性は、法曹においても 同様に必要な要素であるとする。国際性は、ドイツも EU の中にあることか ら、法学の学習者にとって必要であることは当然である。しかし、教育にお ける国際性の確保要求については、既述のとおり、 年の法曹養成改革で 一定解決済みである。この改革の実施の過程で、多くの大学において、重点 領域科目の中に「ヨーロッパ法」「国際法」等が新設された。

② 教育の質確保要求について

さらに疑問とされたことは、教育の質の向上の必要性という点である。ド イツの法学教育の質は相当高い、国際的に競争能力のあるというのが一般的 評価である。裁判官、弁護士等は、国際的にも非常に高い質をもって活躍し ていると自負しており、質が欠けているとは考えておらず、したがって、そ

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もそも質を向上させる必要性を認めない。それどころか、最低の年限を 年 とする Bachelor では、法曹としての職業能力が修得できるはずはなく、プ ロセスの求める 段階構造を導入すれば、かえって法曹の質が低下するとし て、プロセスに対して批判する。

③ 職業能力の養成について

また、仮に 段階構造を採用した場合には、Bachelor 修了者の就職問題 が生ずるとして批判されている。まず、 年では法曹養成には短すぎ、十分 な能力の修得は難しく、Bachelor 資格への信頼はなくなる。 年を標準的 学修期間とした場合には、法曹にふさわしい能力はつかないと考えられるた め、Master に進学しない Bachelor 修了者は、法曹はもとより、法曹以外の 企業等の労働市場からの需要もないであろうと指摘する。そのような能力の ないことの証明書が Bachelor であるとの認識が定着し、Bachelor は単に形 式的な証明書となってしまう。さらに、仮に、企業等からの需要があったと しても、そもそも法学部にくる学生のほとんどが、結果はともあれ、法学部 進学動機として、裁判官、検察官、上級公務員、公証人になることを挙げて おり、決して企業に就職したいわけではない。

つまり、司法省及び法曹界は次のように考えた。プロセスが目標としてい る、人の自由な移動による「国際性の確保」、「高度な教育の質の確保」等は、

法曹養成改革で十分に考えられ既に措置がとられたことである。逆にプロセ スを導入し、Bachelor 年、Master 年とすることにより質が低下する。

もちろん、Bachelor の学修期間 年に固定することは法令上要求されてお らず、Bachelor を 年と設定してもかまわない。その場合には、Master を 年に設定することになるが、その場合には、Master の存在意義や信頼度 が問われることになる。 年の Master でどのような能力がみにつくであろ うか。

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さらに、Bachelor を 年にしようと、 年にしようと、現行の第 次試 験、第 次試験からなる法曹養成試験を廃することになろう。これは相当ド ラスティックな変化であり、信頼度の高い法曹養成試験をあえて廃する意味 は見出し得ない。

四 おわりに −若干の考察−

ドイツの法学教育に対して、プロセスを導入しない主な理由は、現在の法 曹養成システムに対する信用度・信頼度が高く、高水準を維持しているとい う認識にある。その質の高さに影響を与えているのが、法学教育は法曹養成 教育であるという伝統的位置づけと教育目標設定である。既述の 年の法 曹養成改革で、弁護士業を想定したソフト面での教育や国際化やヨーロッパ 化を意識した教育が新たに展開されることになったが、Volljurist(完全法 曹)という資格を得て、裁判官や検察官といった職業なることを目標とし、

それらの職業に必要とされる能力の育成を目標としている点は基本的に変 わっていない。また、ドイツでは、我が国のように公務員試験と司法試験と に分かれておらず、公務員になる場合にも独自の公務員試験は存在しておら ず、法曹養成試験を受けることとなる。それほど、法曹養成試験に対する信頼 度は高く、法曹養成試験の存在が法学部教育の質の確保を決定づけている。

そこで、次のような検討課題が見えてくる。

・法学教育の質が高いとされているが、それを客観的に証明するものはなに か。

・法学教育を修了した者、あるいは、修了に至らなかった者は、どのような 職にどの程度就いているのか。

・質確保の仕組みとしてどのようなものが有効なものとして機能しているの か。

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大学教育を受ける入口としては、Abitur で担保され、出口としては、法 曹養成試験で担保されているが、その中間の大学教育実施過程における質 確保の仕組みと機能が検討されるべきである。

・公務員試験が法曹養成試験で代替されている理由はどこにあるのか。

・ドイツでは法曹になる場合においても、大学教育期間中においても、実務 教育(Praktikum あるいは Praktische Studienzeit)が重視されているが、

その淵源はどこにあるのか。

・実務教育は、質確保にどのように役立っているのか。役立っているか否か はどのように判断されるのか。

法学教育に関する私の研究は緒に就いたばかりであり、今後、これらの検 討課題について、研究を進めていく。

)舘昭「ボローニャ・プロセスの意義に関する考察 −ヨーロッパ高等教育圏形成プロセス の提起するもの−」名古屋高等教育研究第 号 頁、木戸裕「ヨーロッパの高等教育改 革−ボローニャ・プロセスを中心にして−」レファレンス 年 月号 頁、木戸裕「ヨー ロッパ高等教育の課題−ボローニャ・プロセスの進展状況を中心として−」レファレンス 年 月号 頁、田中正弘・森利枝「ボローニャ・プロセスへの対応による新たな学位・

単位の活用と課題−ドイツ・スイスにおける取組から−」 世紀教育フォーラム第 号 頁、吉川裕美子「ヨーロッパ統合と高等教育政策−エラスムス・プログラムからボロー ニャ・プロセスへ」学位研究 号 頁。

)これまで「学習」と「学修」との言葉の使い方が判然としないところがあったが、本稿で は、大学の正課教育のシステムの枠内に係る勉学を意味する用語として、「学習」ではな く「学修」という言葉を用いる。中教審答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転 換に向けて 〜生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ〜」(平成 年 月 日)、また、大学設置基準(第 条、第 条等を参照)においても「学修」という言葉で 統一されている。

)プロセス参加国は、 年までで次の か国となっている。アルバニア、アンドラ、アル メニア、オーストリア、アゼルバイジャン、ベルギー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブル ガリア、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フラ ンス、グルジア、ドイツ、ギリシャ、バチカン市国、ハンガリー、アイスランド、アイル

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ランド、イタリア、カザフスタン、ラトヴィア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルク センブルク、マルタ、モルドバ、モンテネグロ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポ ルトガル、ルーマニア、ロシア、セルビア、スロヴァキア、スロヴェニア、スペイン、ス ウェーデン、スイス、マケドニア、トルコ、ウクライナ、イギリス(下線が引かれている 国は 年当初からの参加国)。

)ドイツ連邦教育省のホームページ「The Bologna Process」を参照。http://www.bmbf.de/

en/3336.php

)吉川前掲注 ) ‐ 頁。この ETCS 制度は後のボローニャ・プロセスに継承されていく。

ただ、単位互換という制度的枠組みは整ったものの、普及度という点では未だ途上にある。

また、プロセスは、高等教育学修過程とそれに連動した学位をバチェラーとマスターとい う 段階にすることに続けて、更にドクターを加えてバチェラー、マスター、ドクターと いう サイクルの学習システムへと発展的に整備することとしているが、ETCS が導入可 能なのは、バチェラーとマスターのみである。

) 段階構造について、HRG§ は次のとおり定める。

同条第 項「高等教育機関は学修過程として、バチェラーあるいはバカロレアに相当する もの、及び、マスターあるいはマギスターに相当するものを設置することができる。」

同条第 項「高等教育機関は、第一段階の職業能力の修得・修了を証明する試験に基づき、

バチェラーあるいはバカロレアの学位を授与することができる。標準学修期間は 年以上 年以内とする。」

同条第 項「高等教育機関は、より高度な職業能力の修得・修了を証明する試験に基づき、

マスターあるいはマギスターの学位を授与することができる。標準学修期間は 年以上 年以内とする。」

同条第 項「第 項及び第 項に相当する学修過程を連続し一貫して行う場合の全学修過 程の標準期間は 年以内とする。」

単位互換性について、HRG§ Abs.は、「成績評価システムは、他の学修過程あるいは 他の高等教育機関においても互換可能な学習及び試験による成績評価で、証明されなけれ ばならない」と定める。

)ドイツ連邦教育省ホームページ、http://www.bmbf.de/de/7222.php

)DRiB, http://www.drb.de/cms/fileadmin/docs/echpunktepapier̲bologna.pdf.

http://www.brak.de.seiten/04̲07̲19.pdf

)Schöbel, Einfürung des Bologna-Modells in der deutschen Juristenausbildung ? in: Bologna und das Rechtsstudium, Hufen, Perspektiven des rechtswissenschaftlichen Studiums, in:

ZDRW S. 5ff.

本稿は、日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究 、課題番号 の助成による研究成果の一部である。

参照

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