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電源平滑回路の近似的解析 W 一近似的解析の誤差について一

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(1)

電源平滑回路の近似的解析 W

一近似的解析の誤差について一

技術科研究室新 妻 陸 利

(1970年10月31日受理)

1 緒    言

複雑,難解な第1図のような電源平滑回路を,できるだけかんたんに解析しようと思い        (2),(3),(4),(5)

謔R図のような等価矩形波を考えて,第2図のような直流過渡回路として扱ってきた。

すなわち,第3図(a)のような正弦整流波を第3図(c)のようなパルス的直流に置換 し,それによる充放電を考えて,近似的解析としたのである。この方法によると,はるか にかんたんに数値計算ができるし,ふだん使用されている状態では,あまり誤差も多くは

(2),(3),(4),(5),(6)

ない。

しかし,近似的解析であるため,広範囲な使用状態にすぺて対応できるわけにはいかず,

(6)

負荷電流が多過ぎたり,少なかったりすれば,誤差も増大する。

今回は,これらの誤差について検討し,この解析方法の適用範囲を明らかにしておきた

い。

第1図 電源平滑回路       第2図 直流過渡回路

R8       島  鳥

工s

eo 動 & q

L Cf C2 馬.

q

α

(半波整流・π形回路) R。=ア。+アρ L。は省略

第3図 等 価 矩 形 波

ハ%

1

島卿 Az

瑞一一追∫1蜘4(ω彦)一臨

0 π 0

τ

π  0 τ

π3 一浩一1≒号囮〕

(a) (1〕) (c)

(2)

220       茨城大学教育学部紀要 第20号

H 負荷電流の大小と誤差

電源平滑回路を構成するRやCを広範囲に変化させ,負荷電流を増減してみると,

半波整流でも両波整流の場合でも,ほぼ一様に誤差が増減した。計算結果ムと実験結果 盈とを比較して誤差εoを求めてみると,第1表,第2表のようになる。ここで,

① εo=・ E −Ed

Er xlOO〔%〕

② 1〜o は, プPが負荷電流4に対応して変化するため一定値では扱えない。筍は一定。

Ro=7。+7P〔ρ〕

③瓦の欄の中で,2つの数値が示してあるのは,充・放電が異なる値になったもので,

上の値が充電値で,下の値が放電値を示しており,ε・の計算には平均値を用いた。

なお,実験値はすぺて平均値である。

さらに負荷電流ゐに対する誤差ε。の関係をはっきりさせるため,第4図,第5図の グラフを添えておく。

第1表 計算値と実験値の比較(半波整流)

整流管5ルfK9 65〃2A 電源トランスTγ50辮A

一一一一一一一r−一

u C 一一一一一一@   R 一@〔々ρ〕 …実験一一一一一一一一@値 1計算値 誤  差

i

No. (C、,C2)

kμF〕 一一一@      I@Ro   1〜3 酬〔剃1〔傷 1〔各 k%〕ε0

11 50

0.75   i5  1 30 8.2 …  234  1 294 12.8     1

@  2      5

0.75   i

T     30  嗜

&5[236  し

{ lll 12.1

3     50 0.75 α5130 9.5i 271 301 11.1

 i4     20

0.75   1Q 30   1

X.2    262 290 10.7

5… 5 1

0.75 0.5

@ 旨

30 9.5 i  273  5 { lll 8.8

6 i   20 1

0.7 3  1  10 19.7 191 205 7.3 7     20 0.65 5     5    24.5  …    1 120 127 5.8 8     50 0.65

  l      I

Q     5 32.0 156 162 3.8

i g   20

P

0.65 2  1  5  1 31.8 156 161 3.2

1 10   50 0.65 5 1 1 36.0 35 36 2.9

11     20 0.65 0.5 1  5

@ …

3乳7 1 184 { i§1 0.3

1 12   5i   l

0.65   1Q     5

@ 1

31.0 151 一2.6

1  13 1   20 0.6 2  1  1  1 57.5 56 52 一一V.1

  :P4     50 0.6 0.5 1[ 76.5 74 68 一8.1

  15      5

P 0.6@ [   I       ln.5  1    1  1   74.5

@     1      i

72 1{  ll 一16.7        一一山

̀一一一

(3)

第4図 半波整流における1 一ε。の関係

20 Tr:50mA

10

、\M   、、   1・k

\    ・ m,

εo−0

o%〕

@ 一一10

゜呵

@      M \1   \       m \     ・

\. \   ・

一20

第2表 計箕値と実験値の比較(両波整流)

整流管6×475撚A        電源トランス丁営120耀!1 1

一一一一i c i R〔拗  i実験値 1計算値 誤  差

No. (C C2)i

kμF〕i 瓦…副品脇〕協w〔弓㌔ k%〕εo

「      1

11 5 0.9 5 3・ig・ 258i 281{ &9  {

    1…  2     20 1

0.9 2   iR0   10.0 288  1    306  1      6.3

13 ・1αgiα・i   」R0   10.5 3・31{1摺 1   4.8

… 4  501α9・        1

      [

O.51 30 10.5 300 i  313 4.3

旨 51 201a8 3 i 10 23.0 220 1  229 4.1

6 1   20 0.8 5 5 27.3

138i 142  1

2.9

7     50 0.9 5

  [30 1  8.8

253    260 2.8

18  2・ 0.75 2

513軌。 1

190 ,  191 0.5 0.75 2

列39°t19°』191

0.5

i  10  50io・75 5 1i44.5… 43  43      1

0.0 一i1・  51α75旨       [   r      l      :

Qi513a・i 1881{}器 一・O.3

  12        20  1   0.751酬・・…7 a・ P・i・乳51232 2271−22

Q、1随・1鴨・6gi峨2

1、4i 5。 ヨ  0.6 0.5 1{剛12・ 聯 司α3

    ヨ1  15     5ト         1

0.5 11・2α・1・161{1超   一14.7

P

i

(4)

222       茨城大学教育学部紀要 第20号

第5図 両波整流における1 ε。の関係 20

Tr:120mA

6×4: 75mA   10

テo−−0

〔%〕

@−10

0    20\

@   ml

@   mチ\斐    \つ\        n \        2

\      ●

、\

一20

これからわかることは,R, Cを広範囲に変化しても,誤差εoには直接の影響を与え ないが,負荷電流乃を変化させると,それに伴ってεoが一様な変化を示すことである。

ムが小さくなると計算値瓦の方が大きくなって,εoは+の値を取り,石が大きくなる とE の方が小さくなってε。は一になってくる。これは,電源平滑回路をできるだけか んたんに解析しようと思って考え出した等価矩形波の影響が出てくるためである。

皿 等価矩形波の補正

誤差をより少なくするため,等価矩形波を補正して扱ってみることにする。今まで考え てきた第3図(c)のような等価矩形波のパルス幅τを,負荷電流ムの大小によって変 化させて使用する。石が大きければτも大きくし,ムが小さければτも小さくして,

第6図 τの変化によるε。の変化

島2。 ε。飼20

(室2亟,一←     10    _   一  一  _ 一◎レ岬,㌣互5旧へ)   節/1

    _ 一印●黶@_−dひ一一

@   _一一●一 _ 一 一●一一

@  1−一一一●ノ

      (勉但一』       ●冒一   /       (&8・A)一一__−4      ,一∂一一

___.←一一一一の

@   _ 一 一●Q 一 一 一●一 一

C_一を一一 諾 でτ斡へ)

⑦一 o獲,7   

@    ζ1か

@     1

@    ノ

! 〆/→Xτ

@ ノ@ノ

@1^

       一ヰ壬一一一

リンィ1

@       旺諏鎌つ

^    (12げメ              ●ゴ            ノ

 ,  f  LO5  み1

wτ一1   辱●ρノ

    ノ

ナ仏諮「2° ・て1至5諭一20

(a)半波整流      (b)両波整流

(5)

等価矩形波の最大値E伽は変えずに使用するのである。今まで使用してきたパルス幅τ を1の大きさとみなし,それの1.1倍〜0.9倍まで5段階に変化させ,ゐが小さくε。が+

の値の場合,乃が整流管の定格値の姥位でεoが小さい場合,乃が大きくεoが一の値の 場合・のそれぞれ代表的な2組ずつ,計6組を選んで同じ計算をしてみると,ε。は第6 図(a),(b)のように変化する。このことから,等価矩形波のパルス幅τを変化させて

も,負荷電流ムの値が少なかったり,大き過ぎたりすると,補正がきかなくなることが はっきりわかる。

W 近似的解析の適用範囲

等価矩形波のパルス幅τを変えるのは,限界があることがはっきりしたので,とうぜ んこの解析方法にも限界が生じてくる。もう一度,第4図,第5図へ戻って,その適用範 囲を考えてみることにする。ε・が0に最も近いのは,乃の値が整流管定格電流の%位の ところであり,。M一ハ4 の線でそれを示しておく。もし10%位までの誤差を許容するとす れば,半波整流では4の値が,定格電流の翅位から%位までの間である。直線鵬一〃パ から碗一配2 までの範囲ということになる。それに対して,両波整流の場合は,乃の値 を0から定格電流いっぱいまで広げることができ,η、一η1 からη2一ηノまで,半波整流の 場合の倍の範囲まで広げてもよいことになる。

ところで,ここでふだん使用されないR,Cの組合せを作って計算し,実験してみる ことにすると,その結果は,第3表のようになる。1〜,Cの組合せが適当ならば,五=

35.0〔mA〕ないしは乃=44.0〔溜〕という値は,εoが0に近い値を示すはずなのに,

ふだん使用されることのないC=5〔μF〕,R、=5函9〕,1〜Fl〔ん9〕というような値を取 ったために,いずれもε。が増大し,推定できる誤差の範囲である第4図,第5図の巾の 平行四辺形縮一配1ノー加2L偽からはみ出してしまうことになる。

このように考えてくると,とくに極端な組合せの1〜,Cでない限り,半波整流波では 第4図の祝一〃〜1一澱2L加2が適用範囲であるし,両波整流波では第5図のη乙一ηILη2 一η2を適用範囲と考えてよいことになる。

第3表 実用にならない状態での誤差

一一一一一P  一一一一一一一一一一_I  C(C1, C2) R〔姻   実験値 1計髄 1誤 差 1

P〔μ.F〕

凡 樹町〔ItmA〕旨告 轟

k%〕ε0

半灘測  ・     1 0.65 5i 1  [ 1

35.0 34 堰oll 一7.4

i両波整流

m

 1T  0.75 : 5 1

・4・…56i{劃一・巳・       1

V 結    言

誤差を小さくするために等価矩形波のパルス幅を補正することは,予想よりも効果は少 なかった。しかし,この近似的解析法は,とくに極端なR,Cを選ばない限り,霞源・F 滑回路に適用できるし,ふだん使われている範囲での負荷電流であれば,誤差もあまり多

(6)

224       茨城大学教育学部紀要 第20号 くないことがはっきりした。

なお,電子計算機(HIPAC lO3)により計算した資料は,繁雑になるので,ごく一部の 結果だけを表とグラフに示した。

最後に,いろいろとお世話いただいた工学部の秋山さんや電子計算機室の皆様に感謝の 意を表します。

参  考  文  献

(1) 新妻・小室 フーリェ級数による電源平滑回路の解析,日本産業技術教育学会誌,10{ナ

(2)新妻・小室 電源平滑回路の近似的解析 1,日本産業技術教育学会誌,11号

(3)新妻 陸利 電源平滑回路の近似的解析 ∬,茨城大学教育学部紀要,第18号

(4)新妻 陸利 電源平滑回路の近似的解析 皿,日本産業技術教育学会誌,12号

(5)新妻 陸利 電源平滑回路の近似的解析 W,茨城大学教育学部紀要,第19号

(6)新妻陸利 電源平滑回路の近似的解析 V,日本産業技術教育学会誌,13号       ●

Abstract

APPROXIMATE ANALYSIS OF A POWER SUPPLY VI

_about the error of the Approximate Analysis一 Mutsutoshi Niitsuma

With the o切ect of analyzing a power supPly apProximately, I considered the equi・

valent rectangular wave and treated its circuit as the d−c transient circuit. As a result, it

was made clear that the experimental value almost agreed with the calculated one within the bounds in which that circu三t is generally used. But, making C and R change into wider bounds and also change the load current, the error between the calculated value and the experimental one increased when the amount of the Ioad currcnt was small or excessive, so that the equivalent sectangular wave must be cons量dered in a modified fbrm.

But, in this study, it was made clear that there is a bound to the modification;therefbre it would be said that this ApProximate Analysis of a power supPly should be apPlyed to that extent.

参照

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