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1.数値計算と数値シミュレーション 

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Academic year: 2021

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(1)

地球惑星内部物理学演習B  資料1 

1 I.  数値シミュレーションとその方法   

1.数値計算と数値シミュレーション 

解析的に解けない(微分)方程式を解くため,方程式あるいはその解を近似的な代数計算 に置き換えて,解の数値を求める手法を数値計算とよぶ。 

解けない式の例 

・ 非線型方程式 

・ 偏微分方程式 

・ 積分 

・ 元数の大きな連立方程式 

シミュレーションは自然現象を予測,あるいはそのメカニズムを調べるため,現象の一 部を取り出してあるいは理想化して行う実験のことである。日本語では模擬実験という。

数値シミュレーションは,計算機を使用して現象を記述する方程式を解くことにより行 うシミュレーションのことで,数値実験とも呼ばれる。すなわち,数値シミュレーショ ンはモデル化と数値計算の両方を含んでいる。 

 

2.数値計算の手法:解けない式を解く方法 

数値計算で用いられる次のような方法を用いることによって,方程式を計算機で計算が できるように変える。 

 

2.1  逐次計算(繰り返し) 

近似解を繰り返し代入することにより誤差を少なくして十分な精度の解を得る方法う 反復法とよぶ。非線型方程式の解を求めると連立一次方程式の計算量を少なくするのに 用いられる。反復法の代表的なものに次のような方法がある。 

非線型方程式:二分法、ニュートン法 

連立一次方程式:SOR 法、CG 法、GMRES 法など   

2.2  離散化 

離散化とは,ディジタル計算機では扱えない連続な座標を飛び飛びの不連続な座標で置 き換えることである。物体そのものを離散的に考える方法、実空間を離散化する方法、

スペクトル空間で離散化する方法がある。 

 

(2)

地球惑星内部物理学演習B  資料1 

2 3.離散化の方法 

離散化は,何を離散的に表すかによって方法が分けられる。時間微分はほとんどの場合 差分法に近似して解かれるのに対して,空間座標に関して様々な方法が存在する。どの 離散化法でも最終的に連立一次方程式の計算に帰着する。 

 

3.1  物体の離散化 

(1) 分子動力学  (Molecular Dynamics method, MD)  分子や原子1つ1つの運動方程式を解く方法  (2)  粒子法  (Particle method) 

質量を持つ有限個の粒子の集合で連続体を表し、粒子の運動方程式を解く方法   

3.2  実空間の離散化 

(1) 有限差分法  (Finite Difference Method, FDM)  空間を不連続な点で表す。 

微分を有限差分、微分係数を差分商で置き換える  離散化にテイラー展開を使用する 

元の式は微分方程式 

物体の形状:座標系と同じ、複雑な形を表しにくい  (2) 有限体積法  (Finite Volume Method, FVM) 

空間を有限体積で分け、境界面での物理量の流束から、体積内の物理量の増減を考 える 

積分形で書いた保存の式から出発する  物体の形状:比較的自由に取れる  保存則:離散化した式で成立 

(3) 有限要素法  (Finite Element Method, FEM) 

空間を多面体の有限要素に分け,要素内を比較的簡単な代数式で近似する  微分方程式に代入して直接計算するのではなく,重み付き残差法などで解かれる  物体の形状:複雑な形を表せる 

 

3.3  スペクトル空間の離散化  (1)  スペクトル法 

解の関数をフーリエ級数や球関数など特殊関数で表現し,方程式に代入して計算す る。有限の項数で近似的に解を表せるときに使用できる。 

(3)

地球惑星内部物理学演習B  資料1 

3

変数分離できる場合のみに使用される 

物体の形状:座標系と同じ、複雑な形を表しにくい  無限遠の境界条件を表すことができる 

 

問題 I-1 

シミュレーションの具体例、用いられている計算手法について調べよ 

参照

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