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2019女子世界フロアボール選手権大会出場報告 2019 Reports at Women Floorball World Championships
和 田 菜 緒 Nao WADA
国士舘大学体育学部(Faculty of Physical Education, Kokushikan University)
報 告
1.はじめに
フロアボール(Floorball) とは、 アイスホッ ケーから発祥した室内ホッケー競技でありス ティックを使ってプラスチック製のボールを相手 チームのゴールに入れて得点を競う団体競技であ る。スウェーデン語ではInnebandy、ドイツ語で は Unihockey という名称である。フロアボール は主にヨーロッパで盛んなスポーツであり、 ス ウェーデン、フィンランド、スイス、チェコなど では、プロリーグも存在する。また、シンガポー ル、日本、オーストラリア、ニュージーランド、
韓国、アメリカなどでも行われている。現在、国 際フロアボール連盟(International Floorball Federation)を中心にオリンピックの正式種目と しての認可を目標として、世界的に競技の拡大、
発展をしている。日本は、1983年から競技を始め、
1995 年に IFF に加盟し、 世界で2番目の加盟国 となった。1998 年に第1回世界選手権大会が開 催され、日本は第1回大会から出場している。現 在、 日本フロアボール連盟(Japan Floorball Federation) には 85 のクラブが加盟している。
試合は1チーム6人で行われ、 通常1ピリオド 20 分間で第3ピリオドまで行う。コートは 40 m
×20 mの広さを持ち、周囲を高さ 50cm のフェン
スで囲みコーナーフェンスには丸みを持たせてい る。
ルールはアイスホッケーに似ているがフロア ボールは防具を付けずに(ゴールキーパーは着用 する)サッカーのようなユニフォームで競技をす るため、 アイスホッケーのように相手に強く当 たってはならない。アイスホッケーのように選手 の交代は自由にでき1チーム最大 20 人で構成さ れる。ゴールキーパー以外のフィールド選手は、
短時間において1回の出場に約1分~1分 30 秒 で交代する。1回の出場で選手は激しい攻防を常 に続けていていくため運動量は非常に多いといえ る。 運動量はゲームの勝敗に関係してくるが、
ゲームの戦術や技術などによって差が生じる。
KOKUSHIKAN SOCIETY OF SPORT SCIENCE
No.20, 65-68, 2020
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和田ゴールキーパーはシュートを止めることが基本と なり、縦4m×横5mゴールエリア内に体の一部
(手や足等)が残っていれば手を使うことやスラ イディングでボールを止めることが可能である。
ゴールキーパーはスティックを持ってはいけない ポジションのためスローを行うことができるが、
投げたボールはセンターラインよりも自陣内で フェンスや床などに当てなければならない。日本 は、国際試合に初期の頃から出場している。
2.2019女子世界フロアボール選手権大会/
戦績
世界フロアボール選手権大会は、 国際フロア ボール連盟(IFF)が主催する大会で男女ともに 試合があり、私はスイスのヌーシャテルで開催さ れた“2019 女子世界フロアボール選手権大会”
に出場した。(表1)それぞれの地域から世界大 会の予選大会を勝ち抜いた 16 カ国が出場してい る。日本はアジアオセアニア予選で準優勝して世 界大会へのチケットを獲得した。アジアオセアニ ア予選大会からは日本・シンガポール・オースト ラリア・タイが勝ち抜き世界大会に出場した。
世界フロアボール選手権大会の予選は各ブロッ クの総当たりで1ブロック4カ国である。またA とBの2つのデヴィジョン(division)がある。 (表 2)
今回の日本代表の目標は一つ前の世界大会であ るスロバキアでの第 11 回大会の順位から1つ順 位を上げることだった。日本は、予選はデンマー
ク、ノルウェー、エストニアに惜しくも敗退して しまい Play-Off を迎えた。 また、 2つのデヴィ ジョンに分かれているため日本は A デヴィジョ ンの国と戦えなくなり、13-16位の決定戦となっ た。Play-Off初戦はタイと戦い6-3で勝利を収 め、13 位決定戦に進んだ。13 位決定戦では1度 敗退したエストニアに4-3で勝利し、今大会は 13 位で終えた。 アジアの国がヨーロッパの国に 勝ったのは 10 年ぶりの事で快挙であり、1つ順 位を上げるという目標も達成して良い結果だっ た。また、今大会のベスト4はスウェーデン・ス イス・フィンランド・チェコの順であった。3位 決定戦も決勝戦もとても良い戦いで延長戦にもつ れこむ白熱した試合だった。日本は世界のトップ の国と比べると技術の差や国の中での認知度の差 など劣っているところがあるが、今大会では順位 を上げることができ、ヨーロッパ勢に勝利を収め ることが出来たので結果残せた大会だっただろ う。また、同じアジアであるタイやシンガポール は、国でフロアボールに力を入れていることなど から、ここ数年で力をつけてきている。アジアは 世界のトップと比べると劣っているところはたく さんあるが、伸びしろを感じた大会であった。
3.状 況
日本のフロアボールは厳しい状況にある。私の
定期的に行える練習は週に2 ~ 3日ほどしかな
い。そのほかは、ほかのチームの練習に参加する
ことや、不定期に取ることができる体育館で自主
2019 女子世界フロアボール選手権大会出場報告
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練習をするというような形で日々練習を重ねてい る。競技人口が少なく、マイナースポーツである ため、フェンスを置いた正式な広さのリンクでの 練習はほとんどなく、クラブのリンクはもちろん ない。クラブチームになると社会人や学生がほと んどで練習に人数が集まらないというような、充 実した練習は数少ない。また、コーチは経験があ る現役選手や、現役から離れた選手などに指導し てもらっているため現役選手はさらに練習時間が 削られている現状である。現に、国士舘大学では、
学生選手権の際などに大学のOG・OBの方にコー チを依頼している。
日本代表として国際大会に出場しているが、遠 征費は選手の実費である。また、代表の合同練習 は週に2回程度のため世界との差を縮めるのはな かなか厳しいと思われる。しかし、各地でミニフ
ロアボール大会や講習会などの普及活動が定期的 に行われている。国士舘大学フロアボールチーム も、小学校へ出向きフロアボール体験会を指導者 として行った。日本のフロアボールは着実に成長 しているといえるだろう。
4.今大会での国士舘大学の代表選手
今大会では、国士舘大学の在学生からも卒業生 からも代表に選ばれた人がいる。(表3)
5.最後に
私は、世界学生選手権・WFC アジアオセアニ ア予選大会・世界選手権と3つの国際大会に出場 した。A代表として世界大会に行くのは初めてで 日本と世界各国の差や違いを実際に肌で感じた。
今大会を通して、個人としても知識・基礎力・
表1 歴代 WFCQ 結果等
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和田技術・認知度の差を改めて実感した。しかし、役 割を全うすること、チーム一丸となり得点をする こと、守りきること、勝利をすることの難しさや 重要さ楽しさを学び知ることが出来た。今後は、
この経験を活かし、日々の努力を惜しまず精進し たい。普及活動などにも取り組み、経験を役立て ていくことで、日本のフロアボールに貢献してい
きたいと思った。
参考資料
国際フロアボール連盟ホームページ https://floorball.sport/
日本フロアボール連盟ホームページ https://www.floorball.jp/
表3 国士舘大学生 日本代表選手「世界選手権出場選手一覧」
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