• 検索結果がありません。

バランス反応に影響を及ぼす諸因子の研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "バランス反応に影響を及ぼす諸因子の研究"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

バランス反応に影響を及ぼす諸因子の研究

大島 吉英1 井口    谷川美保子2

茂1 中野裕之1

鶴崎俊哉1

要 旨  この研究の目的は,バランス反応に影響を及ぼす因子を分析検討すること である.対象は年齢19歳〜75歳の男女26名(男18名,女8名,51.3±7.8歳)とし,

バランスボードを用いたバランス反応テストを行いその個人総得点を目的変数に,年 齢・性別・身長・体重・職業を説明変数にとり多変量解析を行った.分析の結果,年 齢には負の相関が認められたが,その他の項目では認められなかった.

      長大医短紀要3:115−118,1989

Key worbs:バランス反応,多変量解析

はじめに

 バランス反応は神経・筋系の協調によって 調節されている.従って,これに影響を及ぼ す因子は神経・筋系の影響を受ける.

 つまり,系になんらかの変化・相異のあっ た場合,バランス反応に影響のあることが予 想される.よって,年齢,性矧L身長,体重,

職業につきバランスボードを用いたバランス 反応のテスト結果から,これらの因子のかか わりを分析検討した.

対象と方法

 対象は,特に運動器系に既住のない健常人 年齢19歳〜75歳(51.3±17.8歳),身長 142〜184cm(162.5±9.4cm),体重35

〜79kg(57.5±9.3kg)で職種の異なる

(事務,教官,無職)男女26名(男18名,

女8名)とした.バランス反応テストは直径 が30cmで高さの異なる5種類(7.Ocm,5.5

cm,4.Ocm,3.Ocm,1.5cm)のバランスボ ード(パシフィックサプライ社製N型)を用 い,両足立ち,片足立ち,前立ち,後ろ立ち,

側方立ち,回転,跳び降り,跳び乗り,閉眼 両足立ち,閉眼片足立ちの各項目にっき実施

した.

 テストはバランスボードの高いものから順 に3回おこなわせ10秒以上可能であった高 さをその課題の得点(全13項目で各項目最 高7点,計91点満点,不可は0点)とした.

結果を表1に示す.

 目的変数を各個人の総得点,説明変数(定 性的項目は数量化理論により数量化)をその 他の全項目(年齢,性別,身長,体重,職業)

として多変量解析を行った.

結 果

 まずテスト結果を項目別にみると全員が7 点を得点した項目は,両足立ちと前立ちのみ であった.開眼群では両足がバランスボード 1 長崎大学医療技術短期大学部理学療法学科  2 長崎大学医療技術短期大学部看護学科

一115一

(2)

暗 爆 e

ム K

Iト

壇 曝 K

♪、

1『、

大島吉英他

■<↑O↑ O.OoO 鳴00D oooO ooQQ

5

鵠 器 嶋●oりoo ゆoQO 頃①oO

一 σ

頃︐oりoo o︐oQO 5 詔 お o■ooo ゆ目QO ゆゆト oooO o崔 o鳴o ミ き

ト一=Q

頃■ゆ

oゆ oo o鴫 卜 卜 卜 寸 ゆゆゆゆ 頃ゆ 卜 寸 卜 卜 oゆ o 頃頃 頃H o o o o o

↑函=Q

寸 卜 卜 卜 卜 卜 卜 寸 ゆゆ のo 卜 卜 卜 寸 卜 卜 ゆゆ o oう o ゆめ o o o o

■mQ

卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 o頃 卜 卜 卜 のo 卜 卜 ゆo 瞼o 卜 卜 oゆ 卜 oH o目 寸 卜

PうooO

卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 ゆo 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 ゆの 卜 卜 卜 卜 卜 頃嶋 卜 卜

O㌧ooO

卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 ゆ頃 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜

○超的O

卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 ゆ頃 卜 卜 ゆめ 卜 卜 卜 卜 卜 のo 卜 卜

臼口ooO

卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 ゆゆ 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜

←閏mO 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 嶋ゆ 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜

oコ

po

O

ぬゆ 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜

﹄oりO

卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜

↑一=O

卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 頃ゆ ゆゆ 卜 卜 卜 卜 卜 頃頃 卜 卜

↑国=O

卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 卜 σり 卜 卜 卜 卜 卜 ぬ鴎 卜 卜

O

qo 縣響 撫冊 撫蹄 灘蹄 皿麟 畑藩 灘蹄 迦薄 灘蹄 総蹄 灘蹄 灘蹄 迦薄 麺薄 灘冊 灘蹄 響串

1

響崩

i

響聴 響用

i

響嚥 響用

i

響購 響串

i

響串

i

謹嚥 響縣

畑葦

8

8

9 舘 錦 昭 袋 鵠

8 3 3

昭 露 舘

8

8

舘 舘 等 鋸 舘

曜蝋 ①嶋H 寸QQ目 卜〇一

oO oH oO 卜H 嶋〇一 ㎝トー ひり 〇一 σり

トー

σり 〇一 00 ゆ目 ゆ〇一 N嶋目 o卜目 oの一 N寸H おH ゆゆ一

Φり 〇一 嶋ぬ一 oo一 卜oH ooH 卜嶋一 寸〇一 卜oH

遡 』 Σ Σ 署 Σ Σ Σ Σ Σ Σ 国 Σ h Σ h Σ Σ Σ Σ Σ 暑 Σ

騒世

雪 扁 爲 頴

8 8

等 昏

8

認 認 鵠 旨

8

お 紹

8 3 8

9

曽 置 虞

卿固 .客.Q 乞国

一9

←1

一の ト白 >の 国一出 o国㌧ 臼の ΣΣ ・之国 <↑ ↑DΣ トー Σ図 DO卜 缶○ のo↑ ●z< の白

1> 一︒三

のH9>

0Σ d= の自

oz

一 N

oり

o o QO

2

二 雪 雪 コ 雪 雪 雪 脅

8

萬 鵠 鵠

 o  縣 尋る 帽謡

面..

灘P

口自P自 .㌧

P∩○

0

 9 ρ鍾 帽る魯 温謡帽  .暇 出∩士

コ㌧欄

  謳 o雛

尋 帽牌直 製回一

虻・・= 欄畠Q

り。m周

←o ■ 潤

鞠望 心遽 趨蒔

北一卜 棋■函

←oQ .m=

=魯駈、

 糠製 o帽帽

魯奉疸 帽襖瞳

暇..服

陰卜..

的q負m ・国一

oOQ

一116一

(3)

バランス反応に影響を及ぼす諸因子の研究

と接触している後ろ立ち,側方立ち,跳び降 りでは5.5点の者は1名(同一被検者)ずっ であったが,跳び乗りと回転に5.5点の者が それぞれ3名いた.片足立ちでも7点を得点 できなかった者が右片足立ちで2名,左片足 立ちで3名いた.閉眼群になると7点を得点 できた者が両足立ちで17名,右片足立ちで 12名,左片足立ちで6名と高得点者が減少し

た.特にその傾向は60歳代以上で顕著であ ると思われた.次に,多変量解析の結果として は,partial correlationが年齢と一〇.60978

の相関を示したが,性別,身長,体重,職業 とは認められなかった,

考 察

 目的変数(個人の総得点)に対する相関が 認められたのは年齢のみ(負の相関)であっ た(図1).これは,年齢が高いほどバラン ス反応テストの得点が低くなるという傾向を 示唆しており,バランス反応を調節する神経

・筋系の退行性の変化1)が影響を及ぼしてい るものと考えられた.つまり,この一連の系

(謡1

7睡

6B 5臼1

4邑

3融

2の

□  □

口 □

口 口

口 口

□ ロ

ロロ 日ロ

  口   目 □

6融  7臼        8臼     個人総得点(点)

図1 個人総得点と年齢の関係

において,

 ① 刺激の入口である様々な受容器の    1)量的な減少

   2)質的な低下(閾値の上昇)

 ② 求心性及び遠心性神経伝導路における    1)伝導速度の低下

   2)神経線維数の減少    3)シナプス遅延の延長    4)活動電位の振幅の減少  ③ 中枢神経系における

   1)神経細胞数の減少    2)リポフスチンの沈着    3)軸索ジストロフィ

 ④ 効果器である筋の

  1)容積の減少(筋力低下)等,

加齢による個々の変化が相互に連関し,全体 としてのバランス反応を低下させているもの と思われた.

 性別に関しては,個人の総得点で男性群 84.25±7.57点,女性群83.625±10.46点 と有意な差は認められず(有意水準5彩),目 的変数との相関も見いだせなかった.高柳2)

らは,トラッキング動作に関する性差の検討

を行い,筋活動が生じ体重移動が起こるまで

の時間に有意差はないが,立ち上がり時間や

立ち上がり中期における勾配などには有意差

一117一

(4)

大島吉英他

が認められたと述べている.今回のテストで は可・不可を評価の対象としており,項目内 における質的評価は測定値に表現されなかっ たため,上述のような結果となったのかもし

れない.

身長,体重についてはいずれも相関を示さ なかったが,身体面の特徴等を表現出来なか ったという結果であろう.このテストはいわ ば静的なバランス反応を高く評価しやすい傾 向がある.実際,個人の総得点が満点であっ た二人の女性(52歳と60歳)は,太極拳と 日本舞踊を趣味としており,興味深い因子で あると思われた.このように,趣味・嗜好や 日常の活動量をよく表現するような指標を加 味する必要があると思われた.

職業についても相関はみられなかった.こ れもテスト項目内における質的な検討と職種 に特有な活動量を示す指標が必要であること を示唆する結果ではないかと思われる.また,

テストを実施した時点で定職を持たない例を すべて無職としたため,60才以上の例は同じ カテゴリーに入ってしまうという結果になり,

配慮すべきであったと思われる.

おわりに

められ,加齢による変化を本テストでも捉え 得ることが示唆された.臨床的には,バラン ス反応の低下は老人の易転倒性となって現れ てくる.これは,わずかな外界の変化にも対 応が困難なために転倒→骨折→長期臥床とい う悪循環を形成する原因となることも稀では ない.また,各種の疾患はそれを更に修飾し 容易にこのサイクルに老人を陥れる.そこで,

本テストの有用性に基づきバランス反応を評 価し,学習による神経網の再構築,活動量の 低下や加齢のための筋萎縮などによる筋力低 下の維持・改善を通じバランス反応の再獲得 を目指して運動療法を計画することが重要で

ある.

文 献

1.朝長正徳.神経系の加齢,臨床老年医学  大系,東儀英夫編,情報開発研究所,東

 月支, 1983,8,pp3−29.

2.高柳清美,井原秀俊,中山彰一,提 文  生,浜田哲郎,下畑博正,吉村 理,ト  ラッキング動作の性差に関する検討.九  州地区理学療法士作業療法士合同学会学  会誌,1015−6,1988.

      (1989年12月28日受理)

バランス反応テストに年齢と負の相関が認

一118一

参照

関連したドキュメント

共通点が多い 2 。そのようなことを考えあわせ ると、リードの因果論は結局、・ヒュームの因果

だけでなく, 「家賃だけでなくいろいろな面 に気をつけることが大切」など「生活全体を 考えて住居を選ぶ」ということに気づいた生

委 員:重症心身障害児の実数は、なかなか統計が取れないという特徴があり ます。理由として、出生後

生活環境別の身体的特徴である身長、体重、体

自然言語というのは、生得 な文法 があるということです。 生まれつき に、人 に わっている 力を って乳幼児が獲得できる言語だという え です。 語の それ自 も、 から

都調査において、稲わら等のバイオ燃焼については、検出された元素数が少なか

下山にはいり、ABさんの名案でロープでつ ながれた子供たちには笑ってしまいました。つ

大村 その場合に、なぜ成り立たなくなったのか ということ、つまりあの図式でいうと基本的には S1 という 場