主論文 参考論文一覧表 主論文 1. E f f e c t s o f K ( r i p a s u d i l ), a n o v e l R O C K i n h i b i t o r, o n t r a b e c u l a r m e s h w o r k a

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全文

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新 規 緑 内 障 治 療 薬 の 開 発 に 向 け た R h o キ ナ ー ゼ 阻 害 薬 リ パ ス ジ ル の 応 用 薬 理 A p p l i e d P h a r m a c o l o g y o f a R h o - k i n a s e I n h i b i t o r R i p a s u d i l f o r D e v e l o p m e n t o f a N o v e l T h e r a p e u t i c A g e n t f o r G l a u c o m a 平 成 2 9 年 度 論 文 博 士 申 請 者 金 児 佳 生 (K a n e k o , Y o s h i o ) 指 導 教 員 菱 沼 滋

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主 論 文 ・ 参 考 論 文 一 覧 表 主 論 文 1 . E f f e c t s o f K - 1 1 5 ( r i p a s u d i l ) , a n o v e l R O C K i n h i b i t o r , o n t r a b e c u l a r m e s h w o r k a n d S c h l e m m ' s c a n a l e n d o t h e l i a l c e l l s . K a n e k o Y. , O h t a M . , I n o u e T . , M i z u n o K . , I s o b e T . , T a n a b e S . , T a n i h a r a H . , S c i . R e p . , 6 , 1 9 6 4 0 ( 2 0 1 6 ) . 2 . A d d i t i v e i n t r a o c u l a r p r e s s u r e - l o w e r i n g e f f e c t s o f r i p a s u d i l w i t h g l a u c o m a t h e r a p e u t i c a g e n t s i n r a b b i t s a n d m o n k e y s . K a n e k o Y. , O h t a M . , I s o b e T . , N a k a m u r a Y. , M i z u n o K . , J . O p h t h a l m o l . , 7 0 7 9 6 4 5 ( 2 0 1 7 ) . 参 考 論 文 1 . E f f e c t s o f K - 1 1 5 , a R h o - k i n a s e i n h i b i t o r , o n a q u e o u s h u m o r d y n a m i c s i n r a b b i t s . I s o b e T . , M i z u n o K . , K a n e k o Y . , O h t a M . , K o i d e T . , T a n a b e S . , C u r r . E y e R e s . , 3 9 , 8 1 3 - 8 2 2 ( 2 0 1 4 ) . 2 . N o n c l i n i c a l s a f e t y a s s e s s m e n t f o r t h e s e n s i t i z i n g p o t e n t i a l o f K - 1 1 5 . O m i c h i K . , W a t o E . , K a n e k o Y. , Y o n e y a m a S . , M a t s u d a A . , S a s a k i M . , B u l l A . , C o l e m a n D . , K a g a w a M . , A m a n o Y. , F u n d a m . T o x i c o l . S c i . , 1 , 1 9 -2 7 ( -2 0 1 4 ) . 3 . S p e c i e s d i f f e r e n c e s i n m e t a b o l i s m o f r i p a s u d i l ( K -1 -1 5 ) a r e a t t r i b u t e d t o a l d e h y d e o x i d a s e . I s o b e T . , O h t a M . , K a n e k o Y. , K a w a i H . , X e n o b i o t i c a , 4 6 , 5 7 9 - 5 9 0 ( 2 0 1 6 ) . 4 . R O C K 阻 害 薬 の 緑 内 障 治 療 へ の 期 待 - リ パ ス ジ ル の 眼 圧 下 降 作 用 機 序 -. 金 児 佳 生, M e d . S c i . D i g e s t , 4 2 , 2 7 2 - 2 7 5 ( 2 0 1 6 ) . 5 . V a s c u l a r n o r m a l i z a t i o n b y R O C K i n h i b i t o r : t h e r a p e u t i c p o t e n t i a l o f r i p a s u d i l ( K - 1 1 5 ) e y e d r o p i n r e t i n a l a n g i o g e n e s i s a n d h y p o x i a . Y a m a g u c h i M . , N a k a o S . , A r i t a R . , K a i z u Y. , A r i m a M . , Z h o u Y. , K i t a T . , Y o s h i d a S . , K i m u r a K . , I s o b e T . , K a n e k o Y. , S o n o d a K . H . , I s h i b a s h i T . , I n v e s t . O p h t h a l m o l . V i s . S c i . , 5 7 , 2 2 6 4 - 2 2 7 6 ( 2 0 1 6 ) .

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本 論 文 で 使 用 し た 略 語 を 以 下 に 示 す 。 C A I C a r b o n i c a n h y d r a s e i n h i b i t o r D U E S D e e p e n i n g o f u p p e r e y e l i d s u l c u s E C M E x t r a c e l l u l a r m a t r i x F I T C F l u o r e s c e i n i s o t h i o c y a n a t e F - a c t i n F i l a m e n t o u s a c t i n G O N G l a u c o m a t o u s o p t i c n e u r o p a t h y G T P G u a n o s i n e - 5 ' - t r i p h o s p h a t e I C5 0 H a l f m a x i m a l i n h i b i t o r y c o n c e n t r a t i o n I O P I n t r a o c u l a r p r e s s u r e M L C M y o s i n l i g h t c h a i n N T G N o r m a l t e n s i o n g l a u c o m a O H O c u l a r h y p e r t e n s i o n P B S P h o s p h a t e b u f f e r e d s a l i n e P G P r o s t a g l a n d i n P O A G P r i m a r y o p e n a n g l e g l a u c o m a R O C K R h o - a s s o c i a t e d c o i l e d - c o i l c o n t a i n i n g p r o t e i n k i n a s e S C E S c h l e m m ’ s c a n a l e n d o t h e l i a l T E E R T r a n s e n d o t h e l i a l e l e c t r i c a l r e s i s t a n c e T M T r a b e c u l a r m e s h w o r k Z O - 1 Z o n u l a o c c l u d e n s - 1

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目 次

第 一 章 要 約 . . . 1 第 二 章 序 論 . . . 5 第 一 節 緑 内 障 の 分 類 . . . 5 第 二 節 緑 内 障 の 治 療 . . . 7 第 三 節 房 水 動 態 と 緑 内 障 治 療 薬 の 作 用 機 序 . . . 9 第 四 節 R O C K 阻 害 薬 リ パ ス ジ ル の 開 発 . . . 1 0 第 三 章 リ パ ス ジ ル の 眼 圧 下 降 作 用 . . . 1 2 第 一 節 背 景 及 び 目 的 . . . 1 2 第 二 節 実 験 方 法 . . . 1 2 第 三 節 実 験 結 果 . . . 1 4 第 四 節 考 察 . . . 1 5 第 四 章 リ パ ス ジ ル の 眼 圧 下 降 機 序 . . . 1 7 第 一 節 背 景 及 び 目 的 . . . 1 7 第 二 節 実 験 方 法 . . . 1 7 第 三 節 実 験 結 果 . . . 2 3 第 四 節 考 察 . . . 2 4 第 五 章 リ パ ス ジ ル と 緑 内 障 治 療 薬 の 併 用 効 果 . . . 2 8 第 一 節 背 景 及 び 目 的 . . . 2 8 第 二 節 実 験 方 法 . . . 2 8 第 三 節 実 験 結 果 . . . 3 0 第 四 節 考 察 . . . 3 3 第 六 章 総 括 . . . 3 5 第 一 節 本 研 究 結 果 の 総 括 . . . 3 5 第 二 節 緑 内 障 治 療 に お け る R O C K 阻 害 薬 の 意 義 . . . 3 5

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第 三 節 R O C K 阻 害 薬 の 多 面 的 な 緑 内 障 治 療 効 果 . . . 3 6

第 四 節 新 規 緑 内 障 治 療 薬 グ ラ ナ テ ッ ク® 点 眼 液 の 創 製 お よ び

眼 科 疾 患 へ の 貢 献 . . . 3 8 謝 辞 . . . 3 9 参 考 文 献 . . . 4 0

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第 一 章 要 約

本 研 究 で は 、 眼 房 水 主 流 出 路 に 作 用 す る 新 規 緑 内 障 治 療 薬 の 創 製 を 目 的 と し て 、R O C K 阻 害 薬 リ パ ス ジ ル の 眼 圧 下 降 作 用 と そ の 機 序 及 び 緑 内 障 治 療 に お け る 有 用 性 を 解 析 し た 。 緑 内 障 は 、 世 界 的 に 失 明 原 因 の 上 位 を 占 め る 進 行 性 且 つ 慢 性 的 な 眼 疾 患 で あ り 、 種 々 の 病 因 に よ り 眼 圧 が 上 昇 し て 視 神 経 が 障 害 さ れ 、 視 野 欠 損 が 進 行 す る 。 現 在 、 エ ビ デ ン ス に 基 づ い た 唯 一 確 実 な 緑 内 障 治 療 は 眼 圧 を 下 降 さ せ る こ と の み で あ り 、 眼 圧 下 降 薬 に よ る 薬 物 治 療 が 第 一 選 択 と し て 用 い ら れ る 。 緑 内 障 治 療 の 第 一 選 択 薬 と し て 、 副 流 出 路 促 進 薬 で あ る プ ロ ス タ グ ラ ン ジ ン (P G ) 関 連 薬 、 房 水 産 生 抑 制 薬 で あ る 交 感 神 経 β 受 容 体 遮 断 薬 ( β 遮 断 薬 ) の 単 剤 投 与 が 推 奨 さ れ て い る が 、 単 剤 は も と よ り 、 複 数 の 薬 剤 を 併 用 投 与 し て も 目 標 眼 圧 ま で 到 達 で き な い こ と が 多 い の が 現 状 で あ る 。 一 方 、 緑 内 障 治 療 薬 に は そ れ ぞ れ の 作 用 機 序 に 基 づ い た 副 作 用 が 存 在 し 、 例 え ば 、P G 関 連 薬 で は 、 目 の 周 り が 窪 む 上 眼 瞼 溝 深 化 (D U E S ) や 色 素 沈 着 、 β 遮 断 薬 で は 、 徐 脈 ・ 血 圧 低 下 や 気 管 支 収 縮 な ど の 副 作 用 に よ り 、 薬 物 の 選 択 に 制 限 が か か る 場 合 が あ る 。 そ こ で 、 有 効 性 ・ 安 全 性 に 優 れ た 新 規 緑 内 障 治 療 薬 、 特 に 、 ヒ ト に お い て 主 要 な 房 水 流 出 経 路 で あ る 主 流 出 路 に 直 接 作 用 す る 薬 物 の 創 出 が 強 く 求 め ら れ て い る 。 本 研 究 で は 、 主 流 出 路 を 介 し た 房 水 流 出 促 進 作 用 を も つ 新 規 緑 内 障 治 療 薬 の 標 的 分 子 と し て R h o キ ナ ー ゼ ( R O C K ) に 着 目 し た 。 新 規 R O C K 阻 害 薬 リ パ ス ジ ル は 、 既 存 の R O C K 阻 害 薬 で あ る フ ァ ス ジ ル や Y - 2 7 6 3 2 よ り も 強 力 な ヒ ト R O C K - 1 お よ び

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2 R O C K - 2 阻 害 活 性 を 持 ち 、 ウ サ ギ お よ び サ ル に 点 眼 す る こ と に よ り 濃 度 依 存 的 な 眼 圧 下 降 作 用 を 示 す 。 こ の リ パ ス ジ ル の 眼 圧 下 降 作 用 を 詳 細 に 解 析 す る た め に 、 ま ず 、 既 存 の 緑 内 障 症 治 療 薬 と 眼 圧 下 降 作 用 を 比 較 し た 。 そ の 結 果 、 ウ サ ギ お よ び サ ル に リ パ ス ジ ル を 点 眼 す る こ と に よ り 得 ら れ る 眼 圧 下 降 作 用 は 、 他 の 緑 内 障 治 療 薬 と 同 等 か そ れ 以 上 で あ っ た 。 ま た 、 代 表 的 な R O C K 阻 害 薬 で あ る Y - 2 7 6 3 2 や フ ァ ス ジ ル も 、 リ パ ス ジ ル と 同 様 に 強 力 な 眼 圧 下 降 作 用 を 示 し た こ と か ら 、 リ パ ス ジ ル の 眼 圧 下 降 作 用 は 、 R O C K 阻 害 作 用 に よ る こ と が 示 唆 さ れ た 。 そ こ で 次 に 、 リ パ ス ジ ル に よ る 眼 圧 下 降 作 用 の 機 序 を 解 析 し た 。 先 行 研 究 に お い て 、 リ パ ス ジ ル の 眼 圧 下 降 作 用 に は 、 主 流 出 路 か ら の 房 水 流 出 促 進 作 用 が 関 与 し て い る こ と が 強 く 示 唆 さ れ て い る こ と か ら 、 こ の リ パ ス ジ ル に よ る 主 流 出 路 か ら の 房 水 流 出 増 加 の 機 序 を 明 ら か に す る た め 、 主 流 出 路 を 構 成 す る 線 維 柱 帯 細 胞 お よ び シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 を サ ル よ り 単 離 し て 解 析 し た 。 そ の 結 果 、 ま ず 、 リ パ ス ジ ル は 、 初 代 培 養 サ ル ・ 線 維 柱 帯 細 胞 に 対 し て r e t r a c t i o n ( 細 胞 構 造 の 退 縮 ) や r o u n d i n g ( 細 胞 体 の 球 形 化 ) と い っ た 細 胞 形 態 の 変 化 を 誘 発 す る こ と 、 こ れ ら の 細 胞 の 形 態 変 化 に は F - a c t i n の 脱 重 合 が 関 与 す る こ と が 明 ら か と な っ た 。 同 様 の 変 化 は 他 の R O C K 阻 害 薬 に お い て も 認 め ら れ た こ と か ら 、 リ パ ス ジ ル に よ る こ れ ら の 変 化 に は 、R O C K 阻 害 作 用 が 関 与 す る と 考 え ら れ た 。 次 に 、 初 代 培 養 サ ル ・ シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 の 単 層 培 養 系 を 用 い 、 内 皮 細 胞 透 過 性 に 対 す る リ パ ス ジ ル の 作 用 を 解 析 し た 。 そ の 結 果 、 リ パ ス ジ ル は 、 シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 の 膜 電 気 抵 抗 値 を 低 下 さ せ る と と も に 、F I T C - d e x t r a n の 内 皮 細 胞 透 過 性 を 亢 進 さ

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3 せ る こ と が 明 ら か と な っ た 。 さ ら に 、 初 代 培 養 サ ル ・ シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 の 細 胞 接 着 に 対 す る リ パ ス ジ ル の 作 用 を 解 析 し た 結 果 、 ア ド ヘ レ ン ス ジ ャ ン ク シ ョ ン に 関 与 す る β - c a t e n i n や c a d h e r i n の 分 布 に は 変 化 が 認 め ら れ な か っ た が 、 タ イ ト ジ ャ ン ク シ ョ ン に 関 与 す る Z o n u l a o c c l u d e n s - 1 ( Z O - 1 ) の 消 失 が 認 め ら れ た 。 同 様 の 結 果 は 、 他 の R O C K 阻 害 薬 を 用 い た 場 合 に お い て も 認 め ら れ た 。 以 上 の 結 果 か ら 、 リ パ ス ジ ル は 、R O C K 阻 害 作 用 を 介 し て 、 線 維 柱 帯 細 胞 に お け る 細 胞 骨 格 の 変 化 な ら び に シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 に お け る タ イ ト ジ ャ ン ク シ ョ ン の 減 弱 を も た ら し 、 そ の 結 果 、 主 流 出 路 に お け る 房 水 流 出 抵 抗 を 減 少 さ せ て 眼 圧 下 降 作 用 を 発 揮 し て い る こ と が 示 唆 さ れ た 。 緑 内 障 治 療 に は 、 房 水 産 生 抑 制 作 用 や 副 流 出 路 促 進 作 用 を も つ 薬 物 が 用 い ら れ て い る が 、 こ こ に 主 流 出 路 を 介 し た 房 水 流 出 促 進 作 用 を も つ リ パ ス ジ ル が 加 わ る こ と に よ っ て 、 房 水 動 態 に 関 わ る 3 種 の 機 構 を コ ン ト ロ ー ル で き る よ う に な る と 考 え ら れ る 。 し た が っ て 、 こ れ ら の 異 な る 眼 圧 下 降 機 序 を も つ 薬 物 を 併 用 す る こ と で 、 よ り 強 力 な 眼 圧 下 降 作 用 が 期 待 で き る と 考 え ら れ る 。 そ こ で 、 既 存 の 緑 内 障 治 療 薬 と リ パ ス ジ ル と の 併 用 に よ る 眼 圧 下 降 作 用 を 評 価 し た 。 そ の 結 果 、 正 常 眼 圧 白 色 ウ サ ギ に お い て 、 リ パ ス ジ ル と 既 存 の 眼 圧 下 降 薬 (β 遮 断 薬 チ モ ロ ー ル 、 α2 刺 激 薬 ブ リ モ ニ ジ ン 、 炭 酸 脱 水 酵 素 阻 害 薬 ブ リ ン ゾ ラ ミ ド 、α β 遮 断 薬 ニ プ ラ ジ ロ ー ル ) と の 2 剤 併 用 点 眼 に よ り 、 そ れ ぞ れ の 単 剤 点 眼 に 比 べ て 眼 圧 下 降 作 用 が 増 強 さ れ る こ と 、 ま た 、 正 常 眼 圧 サ ル に お い て 、 リ パ ス ジ ル と P G 関 連 薬 ラ タ ノ プ ロ ス ト 、 リ パ ス ジ ル と ラ タ ノ プ ロ ス ト ・ チ モ ロ ー ル 配 合 剤 、 リ パ ス ジ ル と 炭 酸 脱 水 酵 素 阻 害 薬 ド ル ゾ

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4 ラ ミ ド ・ チ モ ロ ー ル 配 合 剤 の 併 用 点 眼 に よ り 、 眼 圧 下 降 作 用 が 増 強 さ れ る こ と が 明 ら か と な っ た 。 以 上 の こ と か ら 、R O C K 阻 害 薬 リ パ ス ジ ル は 、 主 流 出 路 促 進 薬 と し て 緑 内 障 治 療 に 新 た な 選 択 肢 を 提 供 す る と と も に 、 種 々 の 緑 内 障 治 療 薬 と の 併 用 に よ っ て 、 よ り 有 効 な 臨 床 効 果 を も た ら す も の と 期 待 さ れ る 。

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第 二 章 序 論

第 一 節 緑 内 障 の 分 類 緑 内 障 は 、 日 本 の み な ら ず 世 界 的 に 失 明 原 因 の 上 位 を 占 め る 進 行 性 眼 疾 患 で あ り 、「 視 神 経 と 視 野 に 特 徴 的 変 化 を 有 し 、 通 常 、 眼 圧 を 十 分 に 下 降 さ せ る こ と に よ り 視 神 経 障 害 を 改 善 も し く は 抑 制 し う る 眼 の 機 能 的 構 造 的 異 常 を 特 徴 と す る 疾 患 」1 ) と 定 義 さ れ る 。 即 ち 、 緑 内 障 は 種 々 の 病 因 に よ り 眼 圧 が 上 昇 し 、 視 神 経 が 障 害 さ れ 萎 縮 す る こ と に よ り 、 視 野 異 常 を 来 た し 、 視 力 が 低 下 し て い く 疾 患 で あ る 。 一 度 萎 縮 を 起 こ し た 視 神 経 は 回 復 し な い た め 、 適 切 な 治 療 を 施 さ な い と 失 明 に 至 る 。2 ) 進 行 す る 視 神 経 障 害 を 遅 く す る た め に 眼 圧 を 下 降 さ せ る 治 療 が 行 わ れ る が 、 適 切 な 治 療 を 施 し て も 視 機 能 は 現 状 維 持 に と ど ま り 、 回 復 は 望 め な い 難 治 性 の 疾 患 で あ る 。 一 方 で 、 緑 内 障 は 患 者 の 自 覚 な し に 視 神 経 障 害 が 進 行 す る た め 、 そ の 早 期 発 見 と 早 期 治 療 に よ る 視 野 障 害 の 進 行 の 阻 止 あ る い は 抑 制 が 重 要 で あ る 。2 0 0 0 年 か ら 2 0 0 2 年 に 行 わ れ た 緑 内 障 疫 学 調 査 ( 多 治 見 ス タ デ ィ ) に よ れ ば 、 日 本 人 の 4 0 歳 以 上 の 成 人 の 緑 内 障 有 病 率 は 5 . 0 % で あ り 、 そ の 大 部 分 で あ る 約 8 割 ( 3 . 9 % ) は 、 原 発 開 放 隅 角 緑 内 障 [ 高 眼 圧 群 :0 . 3 % 、 正 常 眼 圧 群 : 3 . 6 % ] と 推 定 さ れ た 。 さ ら に 、 緑 内 障 の 新 規 発 見 率 は 8 9 % で あ り 、 潜 在 的 な 緑 内 障 患 者 が 多 数 存 在 し て い る こ と も 明 ら か と な っ た 。 3 , 4 ) ま た 、 世 界 的 な 高 齢 者 人 口 の 増 加 に 伴 い 、 今 後 益 々 緑 内 障 患 者 数 の 増 大 が 懸 念 さ れ て い る 。 緑 内 障 の 本 態 は 、 進 行 性 の 網 膜 神 経 節 細 胞 の 消 失 と そ れ に 対 応 し た 視 野 異 常 で あ る 緑 内 障 性 視 神 経 症 (g l a u c o m a t o u s o p t i c

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6 n e u r o p a t h y : G O N ) で あ る 。 緑 内 障 は 、 隅 角 の 所 見 、 眼 圧 上 昇 お よ び 付 随 す る 要 因 に よ り 、 以 下 の よ う に 3 つ に 分 類 さ れ る 。 即 ち 、 眼 圧 上 昇 や 視 神 経 障 害 の 原 因 が 特 定 で き な い 「 原 発 緑 内 障 」、 外 傷 、 眼 疾 患 、 全 身 疾 患 ま た は 薬 物 使 用 等 の 特 定 さ れ た 原 因 に よ り 眼 圧 上 昇 が 生 じ る 「 続 発 緑 内 障 」、 生 ま れ つ き 隅 角 に 発 育 不 全 が あ り 、 房 水 の 排 出 が 妨 げ ら れ る た め に 起 こ る 「 発 達 緑 内 障 」 の 3 つ で あ る 。 「 原 発 緑 内 障 」 は 、 正 常 開 放 隅 角 を 有 す る 原 発 開 放 隅 角 緑 内 障 (P O A G ) と 、 遺 伝 的 背 景 や 加 齢 に よ る 前 眼 部 形 態 の 変 化 等 で 惹 起 さ れ る 隅 角 閉 塞 に よ り 眼 圧 上 昇 を 来 す 原 発 閉 塞 隅 角 緑 内 障 に 分 類 さ れ る 。P O A G ( 広 義 ) は 、 高 眼 圧 ( I O P > 2 1 m m H g ) を 呈 す る P O A G ( 狭 義 ) と 正 常 眼 圧 ( I O P ≦ 2 1 m m H g ) を 呈 す る N T G に 区 分 さ れ て い る 。1 ) P O A G ( 狭 義 ) は 、 眼 圧 の 異 常 な 上 昇 が 視 神 経 障 害 の 発 展 に 強 く 関 与 し て い る と 考 え ら れ る 。 一 方 、N T G は 、 眼 圧 が 正 常 値 (1 0 - 2 1 m m H g ) に 留 ま り 、 眼 圧 以 外 の 要 因 が G O N の 発 生 に 関 与 し て い る こ と が 推 測 さ れ る が 、 N T G に お い て も 眼 圧 を 下 降 さ せ る こ と で 視 野 障 害 の 伸 展 を 抑 制 で き る こ と か ら 、 眼 圧 の コ ン ト ロ ー ル が 重 要 と な る 。5 , 6 ) ま た 、 高 眼 圧 を 呈 し て い る こ と や 房 水 動 態 に 異 常 が 認 め ら れ る こ と 等 、P O A G ( 狭 義 ) と 共 通 し た 特 徴 を 有 す る も の の 、 視 神 経 の 特 徴 的 形 態 変 化 な ら び に 視 野 異 常 の 存 在 を 欠 く 病 態 は 、 高 眼 圧 症 (O H ) と 呼 ば れ る 。 O H は 視 神 経 症 の 眼 圧 抵 抗 性 の 強 い 症 例 と す る 考 え 方 が あ る 一 方 、 P O A G ( 狭 義 ) の 前 段 階 と も 考 え ら れ 、 後 に 視 神 経 障 害 を 生 じ る 可 能 性 を 孕 ん で い る 。1 ) 「 続 発 緑 内 障 」 は 、 ス テ ロ イ ド 緑 内 障 、 落 屑 緑 内 障 や 色 素 緑 内 障 等 の 房 水 流 出 抵 抗 増 加 に よ っ て 引 き 起 こ

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7 さ れ る 開 放 隅 角 緑 内 障 と 閉 塞 隅 角 緑 内 障 に 大 別 さ れ る 。1 ) 第 二 節 緑 内 障 の 治 療 緑 内 障 治 療 の 目 的 は 患 者 の 視 機 能 を 維 持 す る こ と で あ り 、 現 時 点 で エ ビ デ ン ス に 基 づ い た 唯 一 確 実 な 緑 内 障 の 治 療 法 は 「 眼 圧 を 下 降 す る こ と 」 の み で あ る 。1 ) そ の 治 療 法 に は 、 薬 物 治 療 以 外 に 、 レ ー ザ ー 線 維 柱 帯 形 成 術 、 観 血 的 手 術 ( 濾 過 手 術 、 房 水 流 出 路 再 建 手 術 や 毛 様 体 破 壊 術 ) 等 の 手 術 療 法 が あ る 。 薬 物 で 眼 圧 が 制 御 で き な い 時 や 、 閉 塞 隅 角 緑 内 障 患 者 が 急 性 緑 内 障 発 作 を 起 こ し た 場 合 に は 手 術 療 法 が 行 わ れ る が 、P O A G ( 広 義 )、 落 屑 緑 内 障 、 色 素 緑 内 障 に 対 す る 治 療 で は 薬 物 療 法 が 第 一 選 択 と し て 用 い ら れ る 。 ま た 、 緑 内 障 治 療 に お い て 、 視 神 経 乳 頭 の 血 流 改 善 治 療 や 神 経 保 護 治 療 が 注 目 さ れ て い る 。7 , 8 ) 緑 内 障 診 療 ガ イ ド ラ イ ン で は 、 緑 内 障 の 薬 物 治 療 方 針 と し て 、 多 剤 併 用 は 副 作 用 の 増 加 や ア ド ヒ ア ラ ン ス の 低 下 に 繋 が る こ と も あ る た め 、 原 則 と し て 第 一 選 択 薬 で あ る プ ロ ス タ グ ラ ン ジ ン (P G ) 関 連 薬 ま た は 交 感 神 経 β 受 容 体 遮 断 薬 ( β 遮 断 薬 ) の 単 剤 治 療 よ り 開 始 す る こ と が 望 ま し く 、 単 剤 治 療 に よ り 期 待 し た 効 果 が 得 ら れ な い 場 合 に は 、 眼 圧 下 降 作 用 と 副 作 用 に 留 意 し な が ら 他 剤 を 追 加 し た 併 用 療 法 を 行 う と 記 載 さ れ て い る 。1 ) 現 在 、P G 関 連 薬 、 β 遮 断 薬 の 他 に 、 交 感 神 経 α お よ び β 受 容 体 遮 断 薬 ( α β 遮 断 薬 )、 交 感 神 経 α1 受 容 体 遮 断 薬 (α1 遮 断 薬 )、 炭 酸 脱 水 酵 素 阻 害 薬 (C A I )、 交 感 神 経 α2 受 容 体 刺 激 薬 (α2 刺 激 薬 )、 交 感 神 経 刺 激 薬 、 お よ び 副 交 感 神 経 刺 激 薬 が 緑 内 障 治 療 薬 と し て 使 用 さ れ て い る (T a b l e 1 )。 P G 関 連 薬 の ラ タ ノ プ ロ ス ト で は ノ ン レ ス ポ ン ダ

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8 ー の 存 在 9 ) が 、β 遮 断 薬 の チ モ ロ ー ル で は 長 期 間 の 使 用 で 効 果 が 減 弱 す る こ と (l o n g - t e r m d r i f t )1 0 ) が 報 告 さ れ て い る 。 ま た 、 単 剤 の み で は 眼 圧 を 目 標 値 以 下 に コ ン ト ロ ー ル す る こ と が 困 難 な た め に 複 数 の 薬 剤 を 併 用 す る 患 者 も 多 く 、 緑 内 障 治 療 薬 を 使 用 し て い る 患 者 の 約 半 数 が 複 数 の 薬 剤 を 併 用 し て い る と の 報 告 1 1 , 1 2 ) も あ る 。 さ ら に 3 剤 以 上 を 併 用 し て い る 症 例 も 多 く 、 複 数 の 薬 剤 を 併 用 し て も 十 分 な 治 療 効 果 が 得 ら れ な い 場 合 が あ る の が 現 状 で あ る 。 一 方 、 緑 内 障 治 療 薬 に は そ れ ぞ れ の 作 用 機 序 に 基 づ い た 副 作 用 (T a b l e 2 ) や 禁 忌 ・ 慎 重 投 与 と な る 疾 患 な ら び に 薬 物 相 互 作 用 (T a b l e 3 ) が 存 在 す る 。 P G 関 連 薬 で は メ ラ ニ ン 産 生 増 加 に 伴 う 虹 彩 や 眼 瞼 の 色 素 沈 着 や 睫 毛 の 変 化 、 眼 周 囲 の く ぼ み を 呈 す る 上 眼 瞼 溝 深 化 (D U E S ) 等 の 副 作 用 1 3 , 1 4 ) が 報 告 さ れ て い る 。β 遮 断 薬 で は 徐 脈 ・ 血 圧 低 下 や 気 管 支 収 縮 な ど の 副 作 用 に よ り 、1 5 ) 心 疾 患 や 呼 吸 器 疾 患 を 持 つ 患 者 に 対 す る 使 用 が 制 限 さ れ る 場 合 が あ る 。 ま た 、 第 一 選 択 薬 と 併 用 さ れ る こ と が 多 い C A I や α2 刺 激 薬 で は 、 そ れ ぞ れ 使 用 感 ( 眼 刺 激 感 、 霧 視 )1 6 ) や 皮 膚 感 作 性 1 7 ) が 報 告 さ れ て い る 。 さ ら に 配 合 剤 や 多 剤 併 用 で は 、 そ れ ぞ れ の 作 用 機 序 に 基 づ く 副 作 用 の 増 加 が 懸 念 さ れ る 等 、 現 状 の 緑 内 障 薬 物 治 療 に は 多 く の 問 題 点 が 横 た わ っ て い る 。 近 年 、 医 療 技 術 の 進 歩 に よ り 、 緑 内 障 に 対 す る 新 た な 診 断 お よ び 治 療 手 段 が 多 数 臨 床 導 入 さ れ て い る が 、 上 述 の よ う に 、 多 種 の 薬 剤 を 併 用 し て も 眼 圧 の コ ン ト ロ ー ル や 視 神 経 症 の 進 行 を 阻 止 あ る い は 抑 制 が で き な い 症 例 も 多 く 存 在 し て い る 。 緑 内 障 は 、 視 機 能 を 維 持 す る た め に 生 涯 に わ た る 治 療 が 必 要 な 疾 患 で あ り 、

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9 Q u a l i t y o f L i f e あ る い は Q u a l i t y o f V i s i o n を 考 慮 し た 疾 患 の 管 理 を 長 期 に わ た っ て 行 う こ と は 容 易 で は な い 。 し た が っ て 、 強 力 な 眼 圧 下 降 作 用 を 有 す る 、 も し く は 併 用 効 果 や 副 作 用 の 観 点 で 有 用 性 を 持 つ 新 た な 作 用 機 序 を 有 す る 薬 剤 の 創 出 が 強 く 求 め ら れ て い る 。 第 三 節 房 水 動 態 と 緑 内 障 治 療 薬 の 作 用 機 序 眼 は 他 の 組 織 と 大 き く 異 な り 、 光 を 透 過 さ せ る た め の 構 造 を 有 し て い る 。 そ の た め 水 晶 体 お よ び 角 膜 は 無 血 管 構 造 を 有 す る 。 眼 房 水 は 、 眼 の 前 房 お よ び 後 房 を 満 た す 透 明 な 液 体 で あ り 、 水 晶 体 お よ び 角 膜 に 栄 養 を 提 供 し 、 不 要 な 物 質 を 排 泄 し 、 神 経 伝 達 物 質 を 輸 送 す る た め に 必 要 で あ る 。1 8 ) 眼 房 水 は 、 眼 組 織 の 生 理 的 機 能 の 維 持 の み な ら ず 、 形 態 維 持 の た め に も 必 要 で あ り 、 眼 房 水 に よ っ て 眼 内 圧 を 適 度 に 維 持 ・ 調 節 す る こ と に よ り 、 角 膜 や 目 を 膨 張 さ せ 、 眼 球 の 形 状 お よ び 光 学 特 性 を 調 節 し て い る 。 眼 内 圧 は 、 眼 房 水 の 圧 力 に よ っ て 変 化 し 、 産 生 さ れ る 眼 房 水 量 と 2 つ の 房 水 流 出 経 路 に よ っ て 排 出 さ れ る 眼 房 水 量 と の バ ラ ン ス に よ り 調 整 さ れ て い る (F i g . 1 )。1 8 ) 即 ち 、 眼 房 水 は 毛 様 体 よ り 産 生 さ れ 、 虹 彩 と 水 晶 体 の 間 を 通 り 、 前 房 へ 流 入 す る 。 前 房 に 到 達 し た 眼 房 水 は 、 主 流 出 路 で あ る 線 維 柱 帯 - シ ュ レ ム 管 経 路 と 副 流 出 路 で あ る ぶ ど う 膜 強 膜 流 路 よ り 排 出 さ れ る 。 主 流 出 経 路 で は 、 眼 圧 依 存 的 に 流 量 が 増 減 し 、 眼 圧 が 高 い と き は 多 く 、 眼 圧 が 低 い と き は 少 な く 眼 房 水 を 流 出 さ せ 眼 圧 を 保 つ 働 き を す る 。1 9 ) 特 に 主 流 出 路 は 、 ヒ ト に お い て 房 水 流 出 量 の 8 0 - 9 0 % を 占 め る 主 要 な 流 出 経 路 で あ る 。1 9 ) 副 流 出 路 は 、 眼 圧 非 依 存 的 な 房 水 流 出 を 示 し 、 一 定 量 ( 房

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10 水 流 出 量 の 1 0 - 2 0 % ) の 眼 房 水 を 常 に 流 出 す る 働 き が あ る 。1 9 - 2 1 ) F i g . 2 に 、 緑 内 障 治 療 薬 の 作 用 機 序 を 示 す 。2 2 ) 現 在 使 用 さ れ て い る 緑 内 障 治 療 薬 は 全 て 、 房 水 動 態 の 調 節 を 行 う こ と に よ り 眼 房 水 の 減 少 、 即 ち 眼 圧 を 下 降 さ せ る 。 眼 圧 を 下 降 さ せ る 薬 物 は 、 副 流 出 路 で あ る ぶ ど う 膜 強 膜 流 量 を 増 加 さ せ て 眼 圧 を 下 降 さ せ る 薬 物 (P G 関 連 薬 や α1 遮 断 薬 ) と 房 水 産 生 を 抑 制 し て 眼 圧 を 下 降 さ せ る 薬 物 (β 遮 断 薬 や C A I ) の 大 き く 2 つ に 分 け ら れ る 。 ま た 、 こ れ ら の 作 用 を 併 せ 持 つ 薬 物 も 用 い ら れ て い る (α2 刺 激 薬 や α β 遮 断 薬 )。 一 方 、 主 流 出 路 に 作 用 す る 薬 物 と し て 、 交 感 神 経 刺 激 薬 ま た は 副 交 感 神 経 刺 激 薬 が 知 ら れ て い る が 、 こ れ ら は 、 毛 様 体 筋 の 収 縮 に よ り 間 接 的 に 主 流 出 路 を 広 げ る 薬 物 で あ り 、 効 果 が 弱 く 、 副 作 用 が 大 き い た め 、 使 用 は 限 定 的 で あ る 。 第 四 節 R O C K 阻 害 薬 リ パ ス ジ ル の 開 発 P O A G ( 狭 義 ) で 見 ら れ る 眼 圧 上 昇 の 多 く は 、 主 流 出 路 の 障 害 に よ っ て 生 じ る 。 緑 内 障 眼 の 線 維 柱 帯 - シ ュ レ ム 管 組 織 で は 、 線 維 柱 帯 細 胞 の 構 造 変 化 、 細 胞 同 士 の 収 縮 ・ 凝 集 や 傍 シ ュ レ ム 管 結 合 組 織 の 細 胞 外 マ ト リ ッ ク ス (E C M ) の 増 加 に よ り 線 維 柱 帯 の 閉 塞 が 引 き 起 こ さ れ た 結 果 、 房 水 の 流 出 抵 抗 が 増 加 し て 眼 圧 上 昇 が 引 き 起 こ さ れ る (F i g . 3 )。2 2 , 2 3 ) し た が っ て 、 主 流 出 路 に 作 用 す る 緑 内 障 治 療 薬 の 有 効 性 が 期 待 さ れ る も の の 、 上 述 の よ う に 、 主 流 出 路 に 作 用 す る 有 用 な 緑 内 障 治 療 薬 が な い の が 現 状 で あ る 。 そ こ で 本 研 究 で は 、 主 流 出 路 に 直 接 作 用 す る 新 規 緑 内 障 治 療 薬 の 標 的 分 子 と し て R h o キ ナ ー ゼ ( R O C K : R h o - a s s o c i a t e d c o i l e d - c o i l c o n t a i n i n g p r o t e i n k i n a s e ) に 着 目 し た 。 R O C K

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11 は 、 低 分 子 量 G T P 結 合 タ ン パ ク 質 R h o の 標 的 タ ン パ ク 質 と し て 、 1 9 9 6 年 に 同 定 さ れ た セ リ ン ス レ オ ニ ン キ ナ ー ゼ で あ る 。2 4 , 2 5 ) R O C K に は 、 R O C K - 1 お よ び R O C K - 2 の サ ブ タ イ プ が 存 在 し 、 い ず れ も 全 身 に 普 遍 的 に 発 現 し 、 血 管 平 滑 筋 の 収 縮 、 細 胞 の 形 態 変 化 、 細 胞 の 遊 走 や 伸 展 、 神 経 の 成 長 な ら び に 多 く の 遺 伝 子 発 現 制 御 等 の 機 能 に 関 与 す る こ と が 報 告 さ れ て い る 。2 6 ) 眼 部 に お い て も 、R O C K は 、 房 水 流 出 に 関 与 し て い る 虹 彩 毛 様 体 や 線 維 柱 帯 に 分 布 し て お り 、 緑 内 障 や 高 眼 圧 症 に 関 与 し て い る こ と が 示 唆 さ れ て い る 。2 7 - 2 9 ) ま た 、 そ れ 以 外 に 角 膜 や 網 膜 な ど に も 発 現 し て お り 、 網 膜 症 、 加 齢 黄 斑 変 性 症 、 白 内 障 、 角 膜 機 能 不 全 に も 関 与 す る こ と が 示 唆 さ れ て い る 。3 0 - 3 6 ) リ パ ス ジ ル 塩 酸 塩 水 和 物 (4 F l u o r o 5 { [ ( 2 S ) 2 m e t h y l 1 , 4 -d i a z e p a n - 1 - y l ] s u l f o n y l } i s o q u i n o l i n e m o n o h y d r o c h l o r i d e d i h y d r a t e )( 以 下 、 リ パ ス ジ ル ) は 、 よ り 強 力 な R O C K 阻 害 薬 と し て 創 薬 さ れ た (F i g . 4 )。3 7 , 3 8 ) リ パ ス ジ ル は 、 強 力 か つ 選 択 的 R O C K 阻 害 作 用 を 示 し 、 ヒ ト R O C K - 1 お よ び R O C K - 2 に 対 す る I C5 0 値 は 、 そ れ ぞ れ 0 . 0 5 1 µ M お よ び 0 . 0 1 9 µ M で あ る (T a b l e 4 )。3 9 ) 正 常 眼 圧 白 色 ウ サ ギ お よ び 正 常 眼 圧 サ ル に リ パ ス ジ ル を 点 眼 す る と 、 速 や か に 濃 度 依 存 的 か つ 強 力 な 眼 圧 下 降 作 用 を 示 す こ と を 、 著 者 ら は す で に 明 ら か に し て い る (F i g . 5 、 F i g . 6 )。3 9 ) そ こ で 、 新 規 緑 内 障 治 療 薬 の 開 発 に 向 け 、 リ パ ス ジ ル の 眼 圧 下 降 機 序 及 び 緑 内 障 治 療 に お け る 有 用 性 を 解 析 し た 。

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第 三 章 リ パ ス ジ ル の 眼 圧 下 降 作 用

第 一 節 背 景 及 び 目 的 序 論 で 述 べ た 通 り 、 著 者 ら は 、 リ パ ス ジ ル を 正 常 眼 圧 白 色 ウ サ ギ ま た は 正 常 眼 圧 サ ル に 点 眼 す る こ と に よ り 、 濃 度 依 存 的 か つ 強 力 な 眼 圧 下 降 作 用 を 示 す こ と を す で に 明 ら か に し て い る (F i g . 5 、 F i g . 6 )。3 9 ) そ こ で 、 正 常 眼 圧 白 色 ウ サ ギ お よ び 正 常 眼 圧 サ ル を 用 い て 、 リ パ ス ジ ル と 現 在 使 用 さ れ て い る 緑 内 障 治 療 薬 な ら び に 他 の R O C K 阻 害 薬 と の 眼 圧 下 降 作 用 を 比 較 し 、 リ パ ス ジ ル の 緑 内 障 治 療 薬 と し て の 特 性 や 効 力 を 解 析 し た 。4 0 ) 第 二 節 実 験 方 法 2 - 1 ) 実 験 動 物 実 験 に は 、 雄 性 J W ( J a p a n e s e w h i t e ) 系 白 色 ウ サ ギ ( 体 重 約 2 . 0 - 3 . 0 k g ) お よ び 雄 性 カ ニ ク イ ザ ル ( 体 重 約 2 . 5 - 5 . 0 k g ) を 使 用 し た 。 ウ サ ギ は 、 室 温 2 2 2 5 ℃ 、 湿 度 5 0 7 0 % 、 明 期 7 : 0 0 -1 9 : 0 0 の 環 境 で 、 飼 料 お よ び 飲 料 水 を 自 由 摂 取 さ せ て 飼 育 し た 。 サ ル は 、 室 温 2 2 - 2 8 ℃ 、 湿 度 4 0 - 8 0 % 、 明 期 7 : 0 0 - 1 9 : 0 0 の 環 境 で 、1 日 あ た り 1 0 0 g の 飼 料 お よ び 飲 料 水 を 自 由 に 摂 取 さ せ て 飼 育 し た 。 実 験 は 、 興 和 株 式 会 社 東 京 創 薬 研 究 所 動 物 実 験 委 員 会 で 承 認 を 受 け 実 施 し た 。 2 - 2 ) 使 用 薬 物 リ パ ス ジ ル は 、 興 和 株 式 会 社 東 京 創 薬 研 究 所 で 合 成 し た 。 Y - 2 7 6 3 2 お よ び フ ァ ス ジ ル は 、 そ れ ぞ れ C a l b i o c h e m ( S a n

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13 D i e g o 、 C A ) お よ び E n z o L i f e S c i e n c e s ( F a r m i n g d a l e 、 N Y ) よ り 入 手 し た 。 リ パ ス ジ ル 、 Y - 2 7 6 3 2 お よ び フ ァ ス ジ ル は 、 リ パ ス ジ ル の 基 剤 で あ る リ ン 酸 緩 衝 液 に 溶 解 し て 点 眼 液 と し た 。0 . 5 % チ モ ロ ー ル ( チ モ プ ト ー ル ® 点 眼 液 0 . 5 % ; 参 天 製 薬 株 式 会 社 、 大 阪 )、0 . 0 1 % ブ ナ ゾ シ ン ( デ タ ン ト ー ル® 0 . 0 1 % 点 眼 液 ; 参 天 製 薬 株 式 会 社 )、 お よ び 0 . 0 0 5 % ラ タ ノ プ ロ ス ト ( キ サ ラ タ ン® 点 眼 液 0 . 0 0 5 % ; フ ァ イ ザ ー 株 式 会 社 、 東 京 ) は 、 臨 床 製 剤 を 使 用 し た 。 2 - 3 ) 実 験 方 法 ウ サ ギ お よ び サ ル の 眼 圧 は 、 空 圧 圧 平 式 眼 圧 計 (M o d e l 3 0 C l a s s i c P n e u m o t o n o m e t e r ; M e d t r o n i c S o l a n O p h t h a l m i c P r o d u c t s I n c . 、 J a c k s o n v i l l e 、 F L ) を 使 用 し て 測 定 し た 。 測 定 前 に 、0 . 4 % オ キ シ ブ プ ロ カ イ ン ( ベ ノ キ シ ー ル® 点 眼 液 0 . 4 % ; 参 天 製 薬 株 式 会 社 ) を 1 滴 点 眼 し て 表 面 麻 酔 を 施 し た 。 薬 物 点 眼 前 に 、 右 眼 の 初 期 眼 圧 を 2 回 測 定 し 、 2 回 目 の 眼 圧 を 0 時 間 値 と し た 。 ウ サ ギ を 用 い た 実 験 で は 、 点 眼 0 . 5 、 1 、 2 、 3 、 4 お よ び 5 時 間 後 に 、 サ ル の 実 験 で は 、 点 眼 1 、 2 、 4 、 6 お よ び 8 時 間 後 に 眼 圧 を 測 定 し た 。 点 眼 液 は 、 ウ サ ギ の 実 験 で は 5 0 μ L を 、 サ ル の 実 験 で は 2 0 μ L を 片 眼 に 投 与 し た 。 実 験 は 、 全 て の 個 体 に 全 て の 点 眼 液 を 投 与 す る ラ テ ン 方 格 ク ロ ス オ ー バ ー 方 式 で 実 施 し 、 同 一 実 験 日 に 使 用 す る 点 眼 液 が 偏 ら な い よ う に 割 り 付 け た 。 そ れ ぞ れ の 実 験 は 、 点 眼 薬 の ウ ォ ッ シ ュ ア ウ ト の た め 5 日 間 以 上 の 休 薬 期 間 を 設 け て 行 っ た 。

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14 2 - 4 ) 統 計 解 析 各 測 定 時 に お け る 眼 圧 測 定 値 (i n t r a o c u l a r p r e s s u r e : I O P ) は 、 平 均 値± 標 準 誤 差 で 表 記 し た 。 有 意 差 検 定 は 、 薬 物 点 眼 後 の 各 測 定 時 に お け る I O P に つ い て 、 点 眼 前 ( 0 時 間 値 ) を 対 照 と し て D u n n e t t 型 多 重 比 較 検 定 を 行 っ た 。 な お 、 全 て の 検 定 で 危 険 率 5 % 未 満 を 統 計 学 的 に 有 意 と し た 。 統 計 解 析 に は 、 S A S® I n t e g r a t i o n T e c h n o l o g i e s C l i e n t ( S A S I n s t i t u t e I n c . 、 C a r y 、 N C ) を 使 用 し た 。 第 三 節 実 験 結 果 正 常 眼 圧 白 色 ウ サ ギ を 用 い た リ パ ス ジ ル と 緑 内 障 治 療 薬 の 眼 圧 下 降 作 用 の 比 較 F i g . 7 に 、 0 . 4 % リ パ ス ジ ル 、 0 . 5 % チ モ ロ ー ル ま た は 0 . 0 1 % ブ ナ ゾ シ ン を 正 常 眼 圧 白 色 ウ サ ギ に 単 回 点 眼 し た 際 の I O P を 示 す 。 リ パ ス ジ ル 点 眼 群 は 点 眼 1 、 2 お よ び 3 時 間 後 、 チ モ ロ ー ル 点 眼 群 は 点 眼 0 . 5 お よ び 1 時 間 後 、 ブ ナ ゾ シ ン 点 眼 群 は 点 眼 1 お よ び 2 時 間 後 に 、 点 眼 前 の I O P と 比 較 し て 有 意 な I O P の 下 降 が 認 め ら れ た 。 最 大 眼 圧 下 降 作 用 を 示 し た 際 の I O P は 、 リ パ ス ジ ル で は 1 1 . 7 m m H g 、 チ モ ロ ー ル で は 1 4 . 4 m m H g 、 ブ ナ ゾ シ ン で は 1 3 . 2 m m H g で あ っ た 。 正 常 眼 圧 サ ル を 用 い た リ パ ス ジ ル と 緑 内 障 治 療 薬 の 眼 圧 下 降 作 用 の 比 較 F i g . 8 に 、 0 . 4 % リ パ ス ジ ル 、 0 . 5 % チ モ ロ ー ル ま た は 0 . 0 0 5 % ラ タ ノ プ ロ ス ト を 正 常 眼 圧 サ ル に 単 回 点 眼 し た 際 の I O P

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15 を 示 す 。 リ パ ス ジ ル 点 眼 群 は 、 点 眼 1 、 2 お よ び 4 時 間 後 に 点 眼 前 の I O P と 比 較 し て 有 意 な I O P の 下 降 作 用 を 示 し た 。 チ モ ロ ー ル 点 眼 群 お よ び ラ タ ノ プ ロ ス ト 点 眼 群 は 、 点 眼 後 の I O P に 有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た が 、 そ れ ぞ れ 、 点 眼 1 か ら 2 時 間 後 お よ び 点 眼 4 時 間 後 を ピ ー ク と す る I O P の 下 降 が 認 め ら れ た 。 最 大 眼 圧 下 降 作 用 を 示 し た 際 の I O P は 、 リ パ ス ジ ル で は 1 7 . 9 m m H g 、 チ モ ロ ー ル で は 1 7 . 9 m m H g 、 ラ タ ノ プ ロ ス ト で は 1 8 . 9 m m H g で あ っ た 。 正 常 眼 圧 白 色 ウ サ ギ を 用 い た R O C K 阻 害 薬 の 眼 圧 下 降 作 用 F i g . 9 に 、 0 . 4 % リ パ ス ジ ル 、 0 . 4 % Y - 2 7 6 3 2 ま た は 0 . 4 % フ ァ ス ジ ル を 正 常 眼 圧 白 色 ウ サ ギ に 単 回 点 眼 し た 際 の I O P を 示 す 。 リ パ ス ジ ル 点 眼 群 は 点 眼 1 お よ び 2 時 間 後 に 、 フ ァ ス ジ ル 点 眼 群 は 点 眼 1 、 2 お よ び 3 時 間 後 に 、 点 眼 前 の I O P と 比 較 し て 有 意 な I O P の 下 降 が 認 め ら れ た 。 Y - 2 7 6 3 2 点 眼 群 は 、 点 眼 後 の I O P に 有 意 な 差 が 認 め ら れ な か っ た が 、 点 眼 2 時 間 後 を ピ ー ク と す る I O P の 下 降 が 認 め ら れ た 。 最 大 眼 圧 下 降 作 用 を 示 し た 際 の I O P は 、 リ パ ス ジ ル で は 1 5 . 4 m m H g 、 Y - 2 7 6 3 2 で は 1 6 . 6 m m H g 、 フ ァ ス ジ ル で は 1 5 . 9 m m H g で あ っ た 。 第 四 節 考 察 正 常 眼 圧 ウ サ ギ お よ び 正 常 眼 圧 サ ル に お い て 、0 . 4 % リ パ ス ジ ル は 、 既 存 の 緑 内 障 治 療 薬 と 同 等 か そ れ 以 上 の 眼 圧 下 降 作 用 を 示 し た 。 ま た 、 リ パ ス ジ ル は 、 ウ サ ギ の 上 強 膜 静 脈 圧 に 近 い 眼 圧 に ま で 眼 圧 を 下 降 さ せ た こ と か ら 、 リ パ ス ジ ル は 、 主 流 出 路 を 介 し

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16 た 眼 圧 下 降 の 限 界 値 ま で 作 用 を 発 揮 し て い る と 考 え ら れ る 。4 1 ) さ ら に 、 リ パ ス ジ ル と 同 様 に 、 他 の R O C K 阻 害 薬 ( Y - 2 7 6 3 2 お よ び フ ァ ス ジ ル ) も ウ サ ギ に お い て 強 力 な 眼 圧 下 降 作 用 を 示 し た 。 同 様 の 結 果 は 、 本 研 究 で 用 い た 以 外 の R O C K 阻 害 薬 に お い て も 報 告 さ れ て い る 。4 2 - 4 5 ) 以 上 の こ と か ら 、 リ パ ス ジ ル の 眼 圧 下 降 作 用 は 、R O C K 阻 害 作 用 に 起 因 す る と 考 え ら れ る 。

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第 四 章 リ パ ス ジ ル の 眼 圧 下 降 機 序

第 一 節 背 景 及 び 目 的 正 常 眼 圧 白 色 ウ サ ギ を 用 い た 房 水 動 態 に 関 す る 先 行 研 究 に お い て 、0 . 4 % リ パ ス ジ ル の 点 眼 に よ り 、 前 房 に 一 定 の 圧 力 を 負 荷 し た 際 の 房 水 の 流 出 量 を 評 価 す る t w o - l e v e l c o n s t a n t p r e s s u r e 法 を 用 い た 房 水 流 出 率 (O u t f l o w f a c i l i t y ) の 有 意 な 増 加 が 認 め ら れ た 一 方 で 、 平 均 分 子 量 7 0 , 0 0 0 の F I T C - d e x t r a n の 前 房 か ら ぶ ど う 膜 へ の 移 行 を 評 価 す る F I T C - d e x t r a n 灌 流 法 を 用 い た ぶ ど う 膜 強 膜 流 量 (U v e o s c l e r a l o u t f l o w )、 な ら び に 前 房 中 の F I T C が 房 水 産 生 に よ り 希 釈 さ れ る 割 合 を 評 価 す る フ ル オ ロ フ ォ ト メ ト リ ー 法 を 用 い た 房 水 産 生 量 (A q u e o u s f l o w r a t e ) に 対 し て 変 化 が 認 め ら れ な か っ た (T a b l e 5 )。3 9 , 4 0 ) 房 水 流 出 率 は 主 に 主 流 出 路 か ら の 房 水 流 出 機 能 を 、 ぶ ど う 膜 強 膜 流 量 は 副 流 出 路 か ら の 房 水 流 出 機 能 を 、 房 水 流 量 は 房 水 産 生 能 に つ い て 示 す こ と か ら 、 リ パ ス ジ ル の 眼 圧 下 降 作 用 に は 、 線 維 柱 帯 - シ ュ レ ム 管 を 介 し た 主 流 出 路 か ら の 房 水 流 出 促 進 作 用 が 関 与 し て い る 可 能 性 が 考 え ら れ た 。 し か し な が ら 、 房 水 動 態 の 評 価 に 用 い た こ れ ら の 実 験 系 は 、 他 の 流 出 経 路 の 変 化 に よ る 二 次 的 な 影 響 を 少 な か ら ず 受 け て し ま う こ と か ら 、 リ パ ス ジ ル の 主 流 出 路 に 対 す る 作 用 を 明 確 に す る 目 的 で 、 線 維 柱 帯 細 胞 な ら び に シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 に 対 す る リ パ ス ジ ル の 直 接 作 用 に つ い て 検 討 し た 。4 0 ) 第 二 節 実 験 方 法 2 - 1 ) 使 用 細 胞

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18 カ ニ ク イ ザ ル (6 - 1 2 月 齢 ) の 眼 を 株 式 会 社 新 日 本 科 学 ( 鹿 児 島 ) よ り 入 手 し 、 線 維 柱 帯 お よ び シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 を 単 離 し た 。 顕 微 鏡 観 察 下 で 6 - 0 ナ イ ロ ン 糸 を シ ュ レ ム 管 内 腔 に 挿 入 し 、 シ ュ レ ム 管 組 織 を 単 離 し た 。 線 維 柱 帯 組 織 を ピ ン セ ッ ト で 採 集 し 、 コ ラ ー ゲ ン ゲ ル で コ ー テ ィ ン グ し た プ レ ー ト 上 に 播 種 し 、 初 代 培 養 t r a b e c u l a r m e s h w o r k ( T M ) 細 胞 と し た 。 線 維 柱 帯 組 織 を 完 全 に 除 去 し た 後 、 残 っ た シ ュ レ ム 管 組 織 か ら シ ュ レ ム 管 を 分 離 し 、 コ ラ ー ゲ ン ゲ ル で コ ー テ ィ ン グ し た プ レ ー ト 上 で 培 養 し 、 初 代 培 養 S c h l e m m ’ s c a n a l e n d o t h e l i a l ( S C E ) 細 胞 と し た 。 初 代 培 養 T M 細 胞 お よ び S C E 細 胞 は 、 1 0 % ウ シ 胎 児 血 清 ( f e t a l b o v i n e s e r u m ; F B S 、 H y c l o n e L a b o r a t o r i e s 、 L o g a n 、 U T )、 2 m M g l u t a m i n e 、 1 0 0 U / m L p e n i c i l l i n 、 1 0 0 μ g / m L s t r e p t o m y c i n お よ び 0 . 5 μ g / m L a m p h o t e r i c i n B を 添 加 し た ダ ル ベ ッ コ 改 変 イ ー グ ル 培 地 (D u l b e c c o ' s m o d i f i e d E a g l e ' s m e d i u m ; D M E M 、 和 光 純 薬 工 業 株 式 会 社 ) を 用 い て 、 3 7 ℃ 、 5 % C O2 の 条 件 下 で 培 養 し た 。 実 験 に は 4 継 代 か ら 5 継 代 の T M 細 胞 、 な ら び に 4 継 代 か ら 8 継 代 の S C E 細 胞 を 使 用 し た 。 2 - 2 ) 使 用 薬 物 リ パ ス ジ ル は 、 興 和 株 式 会 社 東 京 創 薬 研 究 所 で 合 成 し た 。 Y - 2 7 6 3 2 お よ び フ ァ ス ジ ル は 、 そ れ ぞ れ C a l b i o c h e m お よ び E n z o L i f e S c i e n c e s よ り 入 手 し た 。 リ パ ス ジ ル 、 Y - 2 7 6 3 2 お よ び フ ァ ス ジ ル は P B S に 溶 解 し た 後 、 培 地 で 1 0 倍 希 釈 し て 使 用 し た 。 な お 、c o n t r o l ( 対 照 群 ) と し て 、 薬 物 を 含 ま な い P B S を 使 用 し た 。

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19 2 - 3 ) 実 験 方 法 サ ル ・ 線 維 柱 帯 細 胞 の 形 態 変 化 T M 細 胞 を 、 6 ウ ェ ル プ レ ー ト 上 に 1 ウ ェ ル 当 た り 1 × 1 04 個 の 細 胞 密 度 で 播 種 し た 。 一 晩 培 養 し て 細 胞 を 完 全 に プ レ ー ト に 付 着 さ せ 、 細 胞 同 士 が 接 着 し な い 程 度 の 細 胞 密 度 ま で 培 養 し た 後 、 P B S 、 1 μ M も し く は 1 0 μ M リ パ ス ジ ル 、 1 0 μ M Y - 2 7 6 3 2 、 ま た は 1 0 μ M フ ァ ス ジ ル を 培 養 ウ ェ ル に 添 加 し た 。 濃 度 は 培 地 添 加 後 の 最 終 濃 度 を 示 す 。 薬 物 を 添 加 し た 6 0 分 後 に 培 養 ウ ェ ル の 培 地 を 除 去 し 、 薬 物 を 含 ま な い 培 地 に 交 換 し た 。 位 相 差 顕 微 鏡 に よ り 細 胞 の 形 態 を 観 察 し 、 薬 物 添 加 6 0 分 後 お よ び 薬 物 除 去 し 培 地 を 交 換 し た 2 時 間 後 に 写 真 撮 影 し た 。 サ ル ・ 線 維 柱 帯 細 胞 に お け る F - a c t i n 免 疫 組 織 化 学 的 評 価 細 胞 を 培 養 す る 前 に 、8 ウ ェ ル チ ャ ン バ ー ス ラ イ ド に 0 . 1 % ゼ ラ チ ン 溶 液 ( 和 光 純 薬 工 業 株 式 会 社 ) を 1 ウ ェ ル あ た り 5 0 0 μ L ず つ 添 加 し 、 一 晩 静 置 し た 後 、P B S で 洗 浄 す る こ と に よ り ゼ ラ チ ン コ ー テ ィ ン グ を 施 し た 。 チ ャ ン バ ー ス ラ イ ド 上 に 1 ウ ェ ル あ た り 1 × 1 04 個 の T M 細 胞 を 播 種 し 、 一 晩 培 養 し て 細 胞 を 完 全 に プ レ ー ト に 付 着 さ せ た 。 細 胞 同 士 が 接 着 し な い 程 度 の 細 胞 密 度 に 付 着 し た T M 細 胞 に 、 P B S 、 1 μ M も し く は 1 0 μ M リ パ ス ジ ル 、 1 0 μ M Y - 2 7 6 3 2 、 ま た は 1 0 μ M フ ァ ス ジ ル を 培 地 に 添 加 し た 。 濃 度 は 培 地 添 加 後 の 最 終 濃 度 を 示 す 。 薬 物 を 添 加 し た 3 0 分 後 、 6 0 分 後 に 培 地 を 除 去 し 、 培 地 を 4 % パ ラ ホ ル ム ア ル デ ヒ ド - P B S に 交 換 し て 1 5 分 間 固 定 し た 。 ま た 、 薬 物 を 添 加 し た 6 0 分 後 に 薬

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20 物 を 含 ま な い 培 地 に 交 換 し 、 そ の 2 時 間 後 に 培 地 を 4 % パ ラ ホ ル ム ア ル デ ヒ ド - P B S に 交 換 し て 1 5 分 間 固 定 し た 。 次 い で c y t o s k e l e t a l b u f f e r ( 1 0 m M 2 - m o r p h o l i n o e t h a n s u l f o n i c a c i d p o t a s s i u m s a l t ( M E S ) 、 1 5 0 m M N a C l 、 5 m M e t h y l e n e g l y c o l t e t r a a c e t i c a c i d ( E G T A )、 5 m M M g C l2、 5 m M グ ル コ ー ス 、 p H 6 . 1 ) お よ び s e r u m b u f f e r ( 1 0 % F B S を 含 む P B S ) で 洗 浄 し た 。 細 胞 に 0 . 5 % T r i t o n X - 1 0 0 を 室 温 で 1 2 分 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し て 透 過 処 理 を 施 し 、 s e r u m b u f f e r で 洗 浄 後 、 さ ら に s e r u m b u f f e r を 用 い て 4 ℃ で 2 時 間 ブ ロ ッ キ ン グ し た 。F - a c t i n は 0 . 0 5 m g / m L p h a l l o i d i n -t e -t r a m e -t h y l r h o d a m i n e ( T R I T C ) (S i g m a - A l d r i c h 、 S t . L o u i s 、 M O ) を 用 い て 室 温 で 1 時 間 標 識 し た 。 P B S で 洗 浄 し た 後 、4 ’ , 6 - d i a m i d i n o - 2 - p h e n y l i n d o l e ( D A P I ) を 含 む マ ウ ン ト 剤 (V E C T A S H I E L D ; V e c t o r L a b o r a t o r i e s 、 B u r l i n g a m e 、 C A ) を 用 い て 細 胞 を 染 色 ・ 封 入 し 、 蛍 光 顕 微 鏡 ( B X 5 1 ; オ リ ン パ ス 株 式 会 社 、 東 京 ) を 用 い て 撮 影 し た 。P h a l l o i d i n - T R I T C の 画 像 を 撮 る た め の 励 起 波 長 お よ び 蛍 光 波 長 は 、 そ れ ぞ れ 5 4 0 n m お よ び 5 7 0 n m に 設 定 し た 。 D A P I の 画 像 を 撮 る た め の 励 起 波 長 お よ び 蛍 光 波 長 は 、 そ れ ぞ れ 3 6 0 n m お よ び 4 6 0 n m に 設 定 し た 。 サ ル ・ シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 に お け る 細 胞 膜 電 気 抵 抗 の 測 定 単 層 培 養 し た 初 代 培 養 S C E 細 胞 の 細 胞 膜 電 気 抵 抗 ( T E E R ) を 測 定 し た 。 ト ラ ン ス ウ ェ ル 1 2 ウ ェ ル 培 養 プ レ ー ト ( ポ リ エ ス テ ル 膜 、 孔 径 0 . 4 μ m 、 C o r n i n g T r a n s w e l l ; S i g m a - A l d r i c h ) の イ ン サ ー ト ウ ェ ル に 、S C E 細 胞 を 1 ウ ェ ル 当 た り 5 × 1 04 個 の 細 胞 密

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21 度 で 播 種 し 、1 0 % F B S を 含 む D M E M 中 、 3 7 ℃ 、 5 % C O2 の 条 件 で 培 養 し た 。2 週 間 培 養 し 、 コ ン フ ル エ ン ト に 達 し た 後 、 T E E R を 測 定 し た 。 イ ン サ ー ト ウ ェ ル お よ び ボ ト ム ウ ェ ル の 培 地 を 、P B S 、 1 μ M 、 5 μ M も し く は 2 5 μ M の リ パ ス ジ ル 、 Y - 2 7 6 3 2 、 ま た は フ ァ ス ジ ル を 含 む D M E M 培 地 に 交 換 し た 。 培 地 の 交 換 量 は イ ン サ ー ト ウ ェ ル が 0 . 5 m L 、 ボ ト ム ウ ェ ル が 1 . 5 m L と し 、 イ ン サ ー ト ウ ェ ル と ボ ト ム ウ ェ ル の 水 面 の 高 さ を 揃 え た 。T E E R は 、 薬 物 添 加 3 0 分 後 お よ び 6 0 分 後 に 電 気 抵 抗 値 測 定 シ ス テ ム (M i l l i c e l l E R S ; M i l l i p o r e 、 B i l l e r i c a 、 M A ) を 用 い て 測 定 し 、 ネ ッ ト 値 (Ω c m2) を 記 録 し た 。 サ ル ・ シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 に お け る 細 胞 透 過 性 の 測 定 初 代 培 養 S C E 細 胞 は 、 細 胞 膜 電 気 抵 抗 の 測 定 と 同 じ 条 件 で 培 養 し た 。S C E 細 胞 を 単 層 培 養 し た ト ラ ン ス ウ ェ ル の ボ ト ム ウ ェ ル 側 に 5 0 μ M の 平 均 分 子 量 4 , 0 0 0 の F I T C - d e x t r a n (S i g m a - A l d r i c h ) を 含 む P B S ま た は 1 μ M 、 5 μ M も し く は 2 5 μ M の リ パ ス ジ ル 、 Y - 2 7 6 3 2 ま た は フ ァ ス ジ ル 含 有 培 地 に 交 換 し た 。 イ ン サ ー ト ウ ェ ル は F I T C - d e x t r a n を 含 ま な い P B S ま た は 1 μ M 、 5 μ M も し く は 2 5 μ M の リ パ ス ジ ル 、 Y - 2 7 6 3 2 も し く は フ ァ ス ジ ル を 含 む 培 地 に 交 換 し た 。 培 地 の 交 換 量 は イ ン サ ー ト ウ ェ ル が 0 . 5 m L 、 ボ ト ム ウ ェ ル が 1 . 5 m L と し 、 イ ン サ ー ト ウ ェ ル と ボ ト ム ウ ェ ル の 水 面 の 高 さ を 揃 え た 。 薬 物 を 添 加 し た 培 地 に 交 換 し た 6 0 分 後 に イ ン サ ー ト ウ ェ ル か ら 培 地 を 回 収 し 、 蛍 光 プ レ ー ト リ ー ダ ー (G e m i n i X P S ; M o l e c u l a r D e v i c e s , L L C 、 S u n n y v a l e 、 C A ) を 用 い て 4 9 0 n m の 励 起 波 長 お よ び 5 3 0 n m

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22 の 蛍 光 波 長 で 蛍 光 強 度 を 測 定 し 、F I T C - d e x t r a n 透 過 性 と し た 。 サ ル ・ シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 に お け る 免 疫 組 織 化 学 的 評 価 初 代 培 養 S C E 細 胞 を 、 コ ラ ー ゲ ン Ⅰ コ ー テ ィ ン グ 8 ウ ェ ル チ ャ ン バ ー ス ラ イ ド 上 に 1 ウ ェ ル 当 た り 1 × 1 05 個 の 細 胞 密 度 で 播 種 し 、 1 0 % F B S を 含 有 す る D M E M で 培 養 し た 。 コ ン フ ル エ ン ト に 培 養 し た 細 胞 に 、P B S 、 1 μ M 、 5 μ M も し く は 2 5 μ M の リ パ ス ジ ル 、 5 μ M も し く は 2 5 μ M の Y - 2 7 6 3 2 ま た は フ ァ ス ジ ル を 培 地 に 加 え た 。 薬 物 濃 度 は 培 地 添 加 後 の 最 終 濃 度 を 示 す 。 薬 物 を 添 加 し た 3 0 分 後 に 培 地 を 除 去 し 、 4 % パ ラ ホ ル ム ア ル デ ヒ ド - P B S に 交 換 し 1 5 分 間 細 胞 を 固 定 し 、 次 い で c y t o s k e l e t a l b u f f e r お よ び s e r u m b u f f e r で 洗 浄 し た 。 洗 浄 後 、 0 . 5 % T r i t o n X - 1 0 0 を 加 え 、 室 温 で 1 2 分 間 イ ン キ ュ ベ ー ト す る こ と で 細 胞 を 透 過 処 理 し た 。 S e r u m b u f f e r を 用 い て 4 ℃ で 2 時 間 ブ ロ ッ キ ン グ し た 後 、 細 胞 に 1 次 抗 体 と し て 、 ウ サ ギ 抗 Z O - 1 抗 体 ( 1 . 2 5 μ g / m L ; I n v i t r o g e n 、 C a r l s b a d 、 C A )、 ウ サ ギ 抗 β - c a t e n i n 抗 体 ( 1 : 1 0 0 0 希 釈 ; S i g m a - A l d r i c h )、 ま た は ウ サ ギ 抗 p a n - c a d h e r i n 抗 体 (1 : 1 0 0 希 釈 ; S i g m a - A l d r i c h ) を 添 加 し 4 ℃ で 一 晩 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 。 細 胞 を s e r u m b u f f e r で 洗 浄 し 、 次 い で 二 次 抗 体 と し て A l e x a F l u o r® 4 8 8 修 飾 ヤ ギ 抗 ウ サ ギ I g G ( H + L ) (I n v i t r o g e n ) を 添 加 し 、 室 温 で 3 0 分 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 。 P B S で 洗 浄 し た 後 、 D A P I を 含 む マ ウ ン ト 剤 ( V E C T A S H I E L D ) を 用 い て 封 入 し 、 蛍 光 顕 微 鏡 (B X 5 1 ) を 用 い て 観 察 し た 。 Z O - 1 、 β - c a t e n i n お よ び c a d h e r i n は 励 起 波 長 お よ び 蛍 光 波 長 を 、 そ れ ぞ れ 4 8 8 n m お よ び 5 1 9 n m に 設 定 し 画 像 を 撮 影 し た 。 D A P I は

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23 励 起 波 長 お よ び 蛍 光 波 長 を 、 そ れ ぞ れ 3 6 0 n m お よ び 4 6 0 n m に 設 定 し 画 像 を 撮 影 し た 。 2 - 4 ) 統 計 解 析 全 て の デ ー タ は 平 均 値± 標 準 誤 差 で 示 し た 。 S C E 細 胞 に お け る T E E R お よ び F I T C - d e x t r a n 透 過 性 の 実 験 で は 、 c o n t r o l 群 を 対 照 と し て D u n n e t t 型 多 重 比 較 検 定 を 行 っ た 。 な お 、 全 て の 検 定 で 危 険 率 5 % 未 満 を 統 計 学 的 に 有 意 と し た 。 統 計 解 析 に は 、 S A S® I n t e g r a t i o n T e c h n o l o g i e s C l i e n t ( S A S I n s t i t u t e I n c . ) を 使 用 し た 。 第 三 節 実 験 結 果 サ ル ・ 線 維 柱 帯 細 胞 の 形 態 変 化 に 対 す る リ パ ス ジ ル の 作 用 T M 細 胞 に リ パ ス ジ ル を 作 用 さ せ た 6 0 分 後 に 、 r e t r a c t i o n や r o u n d i n g と い っ た 細 胞 の 形 態 変 化 が 認 め ら れ た ( F i g . 1 0 )。 ま た 、 同 様 の 変 化 が Y - 2 7 6 3 2 ま た は フ ァ ス ジ ル に よ っ て も 認 め ら れ た 。 さ ら に 、 薬 物 を 含 ま な い 培 地 に 交 換 し た 2 時 間 後 に は 、 細 胞 形 態 の 変 化 は 消 失 し た (F i g . 1 1 )。 次 に 、 細 胞 の 骨 格 に 関 与 す る F - a c t i n に つ い て 免 疫 染 色 し た と こ ろ 、 1 μ M お よ び 1 0 μ M リ パ ス ジ ル 、1 0 μ M Y - 2 7 6 3 2 、 ま た は 1 0 μ M フ ァ ス ジ ル を 添 加 し た 3 0 分 お よ び 6 0 分 後 に 、 F - a c t i n の 染 色 部 位 の 消 失 が 認 め ら れ た (F i g . 1 2 )。 こ の F - a c t i n の 染 色 部 位 の 消 失 は 、 薬 物 を 含 ま な い 培 地 に 交 換 し た 2 時 間 後 に 回 復 し た 。 サ ル ・ シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 透 過 性 に 対 す る リ パ ス ジ ル の 作 用

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24 S C E 細 胞 透 過 性 を 評 価 す る た め に 、T E E R お よ び F I T C - d e x t r a n 透 過 性 を 測 定 し た ( F i g . 1 3 お よ び F i g . 1 4 )。 薬 物 添 加 3 0 分 後 に お い て 、 リ パ ス ジ ル は 5 μ M 、 Y - 2 7 6 3 2 お よ び フ ァ ス ジ ル は 2 5 μ M の 濃 度 で c o n t r o l と 比 較 し て T E E R の 有 意 な 低 下 を 示 し た 。 薬 物 添 加 6 0 分 後 に お い て 、 リ パ ス ジ ル 、 Y - 2 7 6 3 2 お よ び フ ァ ス ジ ル は 5 μ M 以 上 の 濃 度 で 、 c o n t r o l と 比 較 し て T E E R の 有 意 な 低 下 を 示 し た 。 F I T C - d e x t r a n の 透 過 性 は 、 薬 物 添 加 6 0 分 後 に お い て 、 リ パ ス ジ ル は 5 μ M で 、 Y - 2 7 6 3 2 お よ び フ ァ ス ジ ル は 2 5 μ M の 濃 度 で 、 c o n t r o l と 比 較 し て イ ン サ ー ト ウ ェ ル の F I T C - d e x t r a n の 蛍 光 強 度 の 有 意 な 増 加 を 示 し た 。 サ ル ・ シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 に お け る 細 胞 接 着 に 対 す る リ パ ス ジ ル の 作 用 S C E 細 胞 の 細 胞 接 着 に 対 す る リ パ ス ジ ル の 作 用 を 検 討 す る た め に 、Z O - 1 ( F i g . 1 5 )、 c a d h e r i n ( F i g . 1 6 )、 お よ び β - c a t e n i n (F i g . 1 7 ) を 免 疫 染 色 し た 。 リ パ ス ジ ル を 5 μ M も し く は 2 5 μ M 、 Y - 2 7 6 3 2 お よ び フ ァ ス ジ ル を 2 5 μ M の 濃 度 で 作 用 さ せ る と 、c o n t r o l で 認 め ら れ る 細 胞 間 の Z O - 1 の 染 色 が 消 失 し た 。 一 方 、 い ず れ の R O C K 阻 害 薬 も 、 c a d h e r i n お よ び β - c a t e n i n の 局 在 を 変 化 さ せ な か っ た 。 第 四 節 考 察 線 維 柱 帯 お よ び シ ュ レ ム 管 を 介 す る 主 流 出 路 は 、 霊 長 類 に お け る 房 水 流 出 の 主 要 な 経 路 で あ る 。1 9 , 2 0 ) 正 常 お よ び 緑 内 障 眼 の 両 方 に お い て 、 線 維 柱 帯 、 シ ュ レ ム 管 内 腔 お よ び 傍 シ ュ レ ム 管 結 合

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25 組 織 に 生 じ る 細 胞 の 構 造 変 化 、 細 胞 接 着 、 な ら び に シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 透 過 性 は 房 水 流 出 量 の 調 節 に お い て 重 要 な 役 割 を 果 た す こ と が 示 唆 さ れ て い る 。2 0 ) 本 研 究 で は 、 リ パ ス ジ ル の 主 流 出 路 に 対 す る 作 用 を 明 ら か に す る た め に 、 サ ル 線 維 柱 帯 細 胞 な ら び に サ ル ・ シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 を 用 い て 検 討 し た 。 そ の 結 果 、 線 維 柱 帯 細 胞 に 対 し て リ パ ス ジ ル を 作 用 さ せ る と r e t r a c t i o n や r o u n d i n g と い っ た 細 胞 形 態 の 変 化 が 認 め ら れ 、 同 時 に F - a c t i n の 脱 重 合 が 認 め ら れ た 。 ま た 、 Y - 2 7 6 3 2 や フ ァ ス ジ ル で も 同 様 の 結 果 を 示 し た こ と か ら 、 リ パ ス ジ ル の 線 維 柱 帯 細 胞 形 態 変 化 は R O C K 阻 害 作 用 に よ り 誘 発 さ れ て い る こ と が 示 唆 さ れ た 。R e t r a c t i o n や r o u n d i n g と い っ た 細 胞 形 態 変 化 は 、 線 維 柱 帯 組 織 の 委 縮 や 閉 塞 を 減 少 さ せ 、 細 胞 間 隙 を 広 げ る 作 用 が あ り 、4 6 , 4 7 ) 眼 房 水 の 流 出 抵 抗 を 減 少 さ せ る と 考 え ら れ る 。 一 方 、 シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 に お い て 、 リ パ ス ジ ル は 単 層 培 養 系 で 細 胞 膜 電 気 抵 抗 値 の 減 少 と F I T C - d e x t r a n の 透 過 性 の 亢 進 を 示 し た 。Y - 2 7 6 3 2 や フ ァ ス ジ ル で も 同 様 の 結 果 が 認 め ら れ た こ と か ら 、 こ れ ら の 作 用 は R O C K 阻 害 作 用 に よ り 引 き 起 こ さ れ て い る こ と が 考 え ら れ た 。 さ ら に リ パ ス ジ ル は 、 細 胞 間 の タ イ ト ジ ャ ン ク シ ョ ン に 関 与 す る Z O - 1 を 消 失 さ せ た 一 方 で 、 ア ド ヘ レ ン ス ジ ャ ン ク シ ョ ン に 関 与 す る β - c a t e n i n や c a d h e r i n に 対 し て 影 響 を 及 ぼ さ な か っ た こ と か ら 、 リ パ ス ジ ル は 、 タ イ ト ジ ャ ン ク シ ョ ン が 関 与 す る 細 胞 間 接 着 を 弱 め て 細 胞 透 過 性 を 亢 進 し て い る こ と が 示 唆 さ れ た 。 こ れ ら の 作 用 は Y - 2 7 6 3 2 や フ ァ ス ジ ル で も 同 様 に 認 め ら れ た こ と か ら 、 リ パ ス ジ ル の タ イ ト ジ ャ ン ク シ ョ ン に 対 す る 減 弱 作 用 は 、R O C K 阻 害 作 用 に よ る も の と 考 え ら れ た 。

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26 R O C K は ミ オ シ ン フ ォ ス フ ァ タ ー ゼ の 抑 制 に よ り ミ オ シ ン 軽 鎖 (M L C ) の リ ン 酸 化 を 促 進 し F - a c t i n を 重 合 さ せ る こ と や 、 R O C K を 阻 害 す る こ と に よ り ミ オ シ ン 軽 鎖 の 脱 リ ン 酸 化 を 介 し て F - a c t i n の 脱 重 合 を 引 き 起 こ す こ と が 報 告 さ れ て い る 。2 5 ) 一 方 で 、 R O C K は F - a c t i n の 形 成 に 関 与 す る 複 数 の シ グ ナ ル 伝 達 系 に 関 与 し 、 直 接 M L C の リ ン 酸 化 を 引 き 起 こ す こ と や L I M キ ナ ー ゼ の 活 性 化 を 介 し て F - a c t i n の 重 合 を 促 進 す る こ と も 報 告 さ れ て い る こ と か ら 、4 8 ) R O C K 阻 害 薬 に よ っ て 引 き 起 こ さ れ る F - a c t i n の 脱 重 合 に 関 与 す る シ グ ナ ル は ミ オ シ ン フ ォ ス フ ァ タ ー ゼ 以 外 に も 存 在 す る 可 能 性 が あ る 。Z O - 1 の C 末 端 側 の 領 域 は F - a c t i n に 結 合 す る こ と に よ り 、 細 胞 膜 上 で の 局 在 が 維 持 さ れ て い る こ と や 、4 9 ) シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 に お い て も R O C K 阻 害 薬 に よ り F - a c t i n の 脱 重 合 が 誘 発 さ れ る こ と が 報 告 さ れ て い る こ と か ら 、5 0 ) リ パ ス ジ ル は 、R O C K 阻 害 作 用 を 介 し た F - a c t i n の 脱 重 合 に よ り Z O - 1 の 細 胞 膜 で の 局 在 を 消 失 さ せ た と 考 え ら れ る 。 シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 に お け る 細 胞 透 過 性 は 緑 内 障 眼 の み な ら ず 正 常 眼 で も 房 水 流 出 抵 抗 と な る こ と か ら 、5 1 , 5 2 ) 細 胞 透 過 性 の 亢 進 は N T G 等 の 眼 圧 が 正 常 値 の 組 織 に お い て も 房 水 流 出 促 進 作 用 を 強 く 働 き 掛 け る こ と が で き る と 考 え ら れ る 。 加 え て 、 サ ル 線 維 柱 帯 細 胞 に お け る 細 胞 の 形 態 変 化 な ら び に F - a c t i n の 消 失 は 薬 物 の 除 去 に よ り 回 復 し た こ と か ら 、 リ パ ス ジ ル に よ る 細 胞 骨 格 お よ び 形 態 変 化 は 可 逆 的 な 変 化 で あ る と 考 え ら れ る 。 同 様 に 、 シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 に 対 す る R O C K 阻 害 薬 の 透 過 性 亢 進 作 用 も 薬 物 の 除 去 に よ り 回 復 す る こ と が 報 告 さ れ て い る 。5 0 ) 以 上 、 リ パ ス ジ ル は 、R O C K 阻 害 作 用 に よ り 線 維 柱 帯 細 胞 に お

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け る 細 胞 骨 格 の 変 化 な ら び に シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 に お け る タ イ ト ジ ャ ン ク シ ョ ン の 減 弱 を 誘 発 し 、 主 流 出 路 に お け る 房 水 流 出 抵 抗 を 減 少 さ せ る こ と に よ り 房 水 流 出 を 増 加 さ せ 、 眼 圧 下 降 作 用 を 発 揮 し て い る こ と が 示 唆 さ れ た 。

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第 五 章 リ パ ス ジ ル と 緑 内 障 治 療 薬 の 併 用 効 果

第 一 節 背 景 及 び 目 的 前 述 の 通 り 、 リ パ ス ジ ル は 、 線 維 柱 帯 お よ び シ ュ レ ム 管 内 皮 細 胞 に 直 接 作 用 し 、 房 水 流 出 を 促 進 す る こ と が 明 ら か と な っ た 。 緑 内 障 の 薬 物 治 療 で は 、 房 水 産 生 を 抑 制 す る β 遮 断 薬 と 副 流 出 路 を 促 進 す る P G 関 連 薬 が 第 一 選 択 薬 と し て 使 用 さ れ て お り 、 ま た 、 同 様 の 作 用 を 有 す る 薬 物 が 必 要 に 応 じ て 併 用 さ れ て い る 。1 ) 即 ち 、 現 時 点 で 、 線 維 柱 帯 - シ ュ レ ム 管 に 直 接 作 用 し て 房 水 流 出 を 促 進 す る 緑 内 障 治 療 薬 は 無 い た め 、 こ の 主 流 出 路 を 介 し た 房 水 流 出 促 進 作 用 を 示 す リ パ ス ジ ル と 他 の 作 用 機 序 を 有 す る 薬 物 と を 併 用 す る こ と に よ っ て 、 さ ら に 強 い 眼 圧 下 降 効 果 が 得 ら れ る 可 能 性 が あ る (F i g . 1 8 )。 そ こ で 、 リ パ ス ジ ル と 他 の 緑 内 障 治 療 薬 と を 併 用 投 与 し た 際 の 眼 圧 下 降 作 用 を 評 価 し た 。5 3 ) 第 二 節 実 験 方 法 2 - 1 ) 実 験 動 物 実 験 に は 、 雄 性 J W 系 白 色 ウ サ ギ ( 体 重 約 2 . 0 - 3 . 0 k g ) お よ び 雄 性 カ ニ ク イ ザ ル ( 体 重 約 5 . 0 - 8 . 5 k g ) を 使 用 し た 。 ウ サ ギ は 、 室 温 2 2 - 2 5 ℃ 、 湿 度 5 0 - 7 0 % 、 明 期 7 : 0 0 - 1 9 : 0 0 の 環 境 で 、 飼 料 お よ び 飲 料 水 を 自 由 摂 取 さ せ て 飼 育 し た 。 サ ル は 、 室 温 2 2 - 2 8 ℃ 、 湿 度 4 0 - 8 0 % 、 明 期 7 : 0 0 - 1 9 : 0 0 の 環 境 で 、 1 日 あ た り 1 0 0 g の 飼 料 お よ び 飲 料 水 を 自 由 摂 取 さ せ て 飼 育 し た 。 実 験 は 、 興 和 株 式 会 社 東 京 創 薬 研 究 所 動 物 実 験 委 員 会 の 承 認 を 受 け 実 施 し た 。

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29 2 - 2 ) 使 用 薬 物 リ パ ス ジ ル は 、 興 和 株 式 会 社 東 京 創 薬 研 究 所 で 合 成 し 、 リ パ ス ジ ル の 基 剤 で あ る リ ン 酸 緩 衝 液 に 溶 解 し て 点 眼 液 と し た 。0 . 5 % チ モ ロ ー ル ( チ モ プ ト ー ル® 点 眼 液 0 . 5 % ; 参 天 製 薬 株 式 会 社 )、 1 % ブ リ ン ゾ ラ ミ ド ( エ イ ゾ プ ト® 懸 濁 性 点 眼 液 1 % ; 日 本 ア ル コ ン 株 式 会 社 、 大 阪 )、0 . 1 % ブ リ モ ニ ジ ン ( ア イ フ ァ ガ ン® 点 眼 液 0 . 1 % ; 千 寿 製 薬 株 式 会 社 、 大 阪 )、 0 . 2 5 % ニ プ ラ ジ ロ ー ル ( ハ イ パ ジ ー ル コ ー ワ ® 点 眼 液 0 . 2 5 % ; 興 和 創 薬 株 式 会 社 )、 お よ び 0 . 0 0 5 % ラ タ ノ プ ロ ス ト ( キ サ ラ タ ン® 点 眼 液 0 . 0 0 5 % ; フ ァ イ ザ ー 株 式 会 社 )、 ラ タ ノ プ ロ ス ト ・ チ モ ロ ー ル 配 合 剤 ( ザ ラ カ ム® 配 合 点 眼 液 ; フ ァ イ ザ ー 株 式 会 社 )、 ド ル ゾ ラ ミ ド ・ チ モ ロ ー ル 配 合 剤 ( コ ソ プ ト® 配 合 点 眼 液 ; 参 天 製 薬 株 式 会 社 ) は 、 臨 床 製 剤 を 使 用 し た 。 2 - 3 ) 実 験 方 法 ウ サ ギ お よ び サ ル の 眼 圧 は 、 空 圧 圧 平 式 眼 圧 計 (M o d e l 3 0 C l a s s i c P n e u m o t o n o m e t e r ) を 使 用 し て 測 定 し た 。 測 定 前 に 0 . 4 % オ キ シ ブ プ ロ カ イ ン ( ベ ノ キ シ ー ル 点 眼 液 0 . 4 % ) を 1 滴 点 眼 し て 表 面 麻 酔 を 施 し た 。 点 眼 前 に 、 右 眼 の 初 期 眼 圧 を 2 回 測 定 し 、2 回 目 の 眼 圧 を 0 時 間 値 と し た 。 ウ サ ギ を 用 い た 実 験 で は 、 点 眼 0 . 5 、 1 、 2 、 3 、 4 お よ び 5 時 間 後 に 、 サ ル の 実 験 で は 、 点 眼 1 、 2 、 4 お よ び 6 時 間 後 ま た は 点 眼 1 、 2 、 3 、 4 、 6 お よ び 8 時 間 後 に 眼 圧 を 測 定 し た 。 ウ サ ギ の 実 験 で は 5 0 μ L の 点 眼 液 を 、 サ ル の 実 験 で は 2 0 μ L の 点 眼 液 を 片 眼 に 投 与 し た 。 併 用 の 場 合 は 、 0 . 4 % リ パ ス ジ ル を 点 眼 し た 5 分 後 に 併 用 薬 を 点 眼 し た 。 な お 、

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30 リ パ ス ジ ル と 緑 内 障 治 療 薬 を 併 用 し た 際 の 測 定 時 間 は 先 に 投 与 し た リ パ ス ジ ル 点 眼 後 の 時 間 と し た 。 全 て の 実 験 は 、 各 個 体 に 全 て の 点 眼 液 を 投 与 す る ラ テ ン 方 格 ク ロ ス オ ー バ ー 方 式 で 実 施 し 、 同 一 実 験 日 に 使 用 す る 点 眼 液 が 偏 ら な い よ う に 割 り 付 け た 。 実 験 は 点 眼 薬 の ウ ォ ッ シ ュ ア ウ ト の た め 5 日 間 以 上 の 休 薬 期 間 を 設 け て 行 っ た 。 2 - 4 ) 統 計 解 析 全 て の デ ー タ は 平 均 値± 標 準 誤 差 で 示 し た 。 各 測 定 時 に お け る 眼 圧 測 定 値 (I O P ) よ り 、 投 与 前 ( 0 時 間 値 ) か ら の 眼 圧 変 化 値 ( ⊿I O P ) を 算 出 し た 。 ウ サ ギ を 用 い た 検 討 で は 、 各 測 定 時 点 の 基 剤 、 単 剤 点 眼 群 お よ び 併 用 点 眼 群 の ⊿I O P に つ い て T u k e y 型 多 重 比 較 検 定 を 行 っ た 。 サ ル を 用 い た 検 討 で は 、 各 測 定 時 点 の 単 剤 点 眼 群 お よ び 併 用 点 眼 群 の ⊿I O P に つ い て 、 リ パ ス ジ ル と ラ タ ノ プ ロ ス ト を 併 用 点 眼 し た 際 の 眼 圧 下 降 作 用 の 検 討 で は T u k e y 型 多 重 比 較 検 定 を 、 リ パ ス ジ ル と ラ タ ノ プ ロ ス ト ・ チ モ ロ ー ル 配 合 剤 を 併 用 点 眼 し た 際 の 眼 圧 下 降 作 用 の 検 討 お よ び リ パ ス ジ ル と ド ル ゾ ラ ミ ド ・ チ モ ロ ー ル 配 合 剤 を 併 用 点 眼 し た 際 の 眼 圧 下 降 作 用 の 検 討 で は S t u d e n t の t 検 定 を 行 っ た 。 な お 、 全 て の 検 定 で 危 険 率 5 % 未 満 を 統 計 学 的 に 有 意 と し た 。 統 計 解 析 に は 、 S A S® I n t e g r a t i o n T e c h n o l o g i e s C l i e n t ( S A S I n s t i t u t e I n c . ) を 使 用 し た 。 第 三 節 実 験 結 果 リ パ ス ジ ル と チ モ ロ ー ル を 併 用 点 眼 し た 際 の 眼 圧 下 降 作 用

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参照

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