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(1)

タックスプランニング

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(2)

(1)国税と地方税

国が課す税金を「国税」、地方公共団体が課す税金を「地方税」という。 国税 所得税、法人税、相続税、登録免許税、消費税 など 地方税 個人住民税、不動産取得税、固定資産税、地方消費税 など

(2)直接税と間接税

納税者と負担者が同じである税金を「直接税」、納税者と負担者が異なる税金 を「間接税」という。 直接税 所得税、法人税、相続税、登録免許税、固定資産税 など 間接税 消費税 など

(3)申告納税方式と賦課課税方式

納税者自ら税額計算を行い、申告納付する方式を「申告納税方式」、徴税側が 税額計算を行い、納税者に納税額を告知する方式を「賦課課税方式」という。 申告納税方式 所得税、法人税、相続税、消費税 など 賦課課税方式 個人住民税、不動産取得税、固定資産税 など

練習問題

□□□ 第1問

相続税や登録免許税は国税、個人住民税や固定資産税は地方税である。

□□□ 第2問

所得税は直接税、消費税は間接税である。

□□□ 第3問

所得税および個人住民税は、いずれも申告納税方式である。

タックスプランニングの概要

1

第1問○ 第2問○ 第3問×

(3)

211 タックスプランニング

4

(1)所得税の特徴

①個人単位課税

日本の所得税は、個人ごとの所得に対して課される税金である。

②暦年単位課税

所得税は、個人の1年間(1月1日から12月31日まで)の所得に対して課さ れる。

③主な非課税所得

・遺族年金、障害年金 ・給与所得者が受ける通勤手当(1ヵ月当たり15万円が限度) ・生活用動産を譲渡した場合の所得 ・身体の傷害、疾病により重度障害の状態になったことに基づいて支払を 受ける保険金および給付金(死亡保険金を除く) ・雇用保険の失業給付金 ・宝くじの当選金品

④超過累進課税

所得税は、所得の低い部分には低い税率が、所得の高い部分には高い税率が 適用される。

⑤総合課税と分離課税

a. 所得を10種類に分類し、それぞれの所得金額を求めた後、すべての所得を 合計し、超過累進税率により課税する「総合課税」が原則 b. 山林所得、退職所得、土地等・建物の譲渡所得、上場株式等に係る譲渡所 得等、一般株式等に係る譲渡所得等、先物取引に係る雑所得等は「分離課 税」

所得税の基本的な仕組み

2

(4)

所得税の

(注1) 昭和63年4月1日以後は、原則として源泉分離課税。 (注2) 一定の要件を満たした所有期間5年超の居住用財産の譲渡による損失は損 益通算が可能。 (注3) 一定の要件を満たした所有期間5年超の居住用財産の譲渡による損失は繰 越控除が可能。 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8)

(5)

213

タックスプランニング

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8)

(6)

(2)所得税の納税義務者

区分 定義 課税所得の範囲 居住者 非永住者 以外の 居住者 国内に住所を有し、または現在ま で引き続いて1年以上居所を有す る個人のうち、非永住者以外の者 をいう 国内源泉所得 国外源泉所得 非永住者 居住者のうち、日本の国籍を有し ておらず、かつ、過去10年以内に おいて国内に住所または居所を有 していた期間の合計が5年以下で ある個人をいう 国内源泉所得 国外源泉所得の一部 非居住者 居住者以外の個人をいう 国内源泉所得

(3)源泉徴収制度

給料や報酬などの支払者が、その支払の際、所定の所得税を徴収し、これを法 定納期限までに国に納める制度をいう。

(4)計算体系の主なポイント

①総所得金額

総合課税される所得を合計したものである。

②課税総所得金額

a. 総所得金額から所得控除額を差し引いたもの b. 総所得金額から所得控除額を引ききれない場合には、その引ききれなかっ た部分の金額は、分離課税の所得から差し引く

③申告納税額

算出税額から税額控除額および源泉徴収税額を差し引いた金額である。 よく 出る

(7)

215 タックスプランニング

4

練習問題

□□□ 第1問

所得税は、個人の1年間(1月1日から12月31日まで)の所得に対して課される。

□□□ 第2問

遺族年金は非課税所得である。

□□□ 第3問

雇用保険の失業給付金は非課税所得である。

□□□ 第4問

所得税は、超過累進課税が採用されている。

□□□ 第5問

所得税は総合課税が原則となっているが、山林所得、退職所得、 土地等・建物の譲渡所得、上場株式等に係る譲渡所得等、一般株 式等に係る譲渡所得等、先物取引に係る雑所得等は、分離課税扱 いとなる。

□□□ 第6問

非永住者以外の居住者は、国内源泉所得、国外源泉所得のいずれも課税の対象となる。

□□□ 第7問

非永住者は、国内源泉所得のみ課税の対象となる。

□□□ 第8問

非居住者には、所得税は課されない。

□□□ 第9問

総所得金額とは、総合課税される所得と分離課税される所得を合計したものをいう。

□□□ 第10問

課税総所得金額とは、総所得金額から所得控除額を差し引いたものである。

□□□ 第11問

総所得金額から所得控除額を引ききれない場合には、その引きき れなかった部分の金額は、分離課税される所得金額から差し引く ことができる。 第1問○ 第2問○ 第3問○ 第4問○ 第5問○ 第6問○ 第7問× 第8問×  第9問× 第10問○ 第11問○

(8)

(1)利子所得

①範囲

・公社債の利子 ・預貯金の利子 ・合同運用信託(貸付信託や金銭信託など)の収益配当金 ・公社債投資信託(MMFやMRFなど)の収益分配金 など

②計算

利子所得の金額=収入金額<税込金額>

(2)配当所得

①範囲

・法人から支払を受ける剰余金の配当(株式保有により受ける決算配当や 中間配当など) ・出資に係る剰余金の分配(農業協同組合などに対する出資により受ける もの) ・公社債投資信託以外の証券投資信託(上場投資信託(ETF)を含む) の収益分配金 ・上場不動産投資信託(J-REIT)の収益分配金 など

②計算

配当所得の金額=収入金額<税込金額>-株式等を取得するための借入 金の利子

(3)不動産所得

①範囲

不動産の貸付による所得および船舶または航空機の貸付による所得をいう。 なお、不動産の貸付は、事業的規模で行われている場合であっても、事業所 得とはならず、不動産所得となる。

②計算

不動産所得の金額=総収入金額-必要経費 よく 出る

10 種類の所得〈利子所得 ・ 配当所得 ・ 不動産所得〉

3

(9)

217 タックスプランニング

4

③収入

その年に受け取るべき家賃、地代、名義書換料、更新料、敷金または保証金 (返還を要しないものに限る)、礼金など

④必要経費

賃貸している土地・建物の固定資産税、修繕費、火災保険料、賃貸不動産 (土地・建物)を購入するために借り入れた資金の利子、賃貸用土地・建物 の取得に伴い課された登録免許税や不動産取得税、減価償却費など

練習問題

□□□ 第1問

公社債や預貯金の利子は、利子所得として扱われる。

□□□ 第2問

MMFやMRFの収益分配金は、利子所得として扱われる。

□□□ 第3問

公社債投資信託以外の証券投資信託の収益分配金は、利子所得として扱われる。

□□□ 第4問

配当所得の金額は、「収入金額<税込金額>-株式等を取得するための借入金の利子」で計算する。

□□□ 第5問

上場不動産投資信託(J-REIT)の収益分配に係る配当等は、配当所得ではなく、不動産所得として扱われる。

□□□ 第6問

土地や建物の貸付による所得は、不動産所得として扱われる。

□□□ 第7問

不動産の貸付は、それが事業的規模で行われている場合は事業所得として扱われる。

□□□ 第8問

家賃や地代、礼金、更新料、返還を要する敷金および保証金は不動産所得の総収入金額に計上する。

□□□ 第9問

賃貸している土地・建物の固定資産税、修繕費、火災保険料、賃 貸不動産(土地・建物)を購入するために借り入れた資金の利子 などは、不動産所得の必要経費となる。 第1問○ 第2問○ 第3問× 第4問○ 第5問× 第6問○ 第7問× 第8問× 第9問○

(10)

計算問題

減価償却費

実技 試験 対策

〈ポイント〉

・平成10年4月1日以後に取得した建物については、定率法を選択すること はできない(定額法により計算する) ・平成19年3月31日以前に取得した建物と平成19年4月1日以後に取得し た建物の減価償却費の計算方法は異なる

取得時期

計算方法

平成19年3月31日 以前 取得価額×0.9×法定耐用年数に基づく旧定額法の 償却率×その年に事業の用に供していた月数/12月 平成19年4月1日 以後 取得価額×法定耐用年数に基づく定額法の償却率× その年に事業の用に供していた月数/12月

<例題>

平成28年5月に3,000万円で取得した建物について、減価償却費を計算しなさ い(建物は取得後すぐに貸付の用に供している)。なお、建物の耐用年数は47 年、償却率は0.022とする。

<解答>

3,000万円×0.022×8月/12月=44万円

(11)

219 タックスプランニング

4

(1)事業所得

①範囲

農業や漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で、対価を 得て継続的に行う事業に係る所得をいう。

②計算

事業所得の金額=総収入金額-必要経費

(2)給与所得

①範囲

給料や賃金、賞与など、これらの性質を有する給与に係る所得をいう。

②計算

給与所得の金額=給与収入金額<税込金額>-給与所得控除額 <給与所得控除額> 収入金額 給与所得控除額 180万円以下 収入金額×40% (65万円に満たない場合は65万円) 180万円超 360万円以下 収入金額×30%+ 18万円 360万円超 660万円以下 収入金額×20%+ 54万円 660万円超 1,000万円以下 収入金額×10%+120万円 1,000万円超 1,200万円以下 収入金額×5%+170万円 1,200万円超 230万円(上限) (注) 平成29年分以後の所得税および平成30年度分以後の個人住民税から、 収入金額が1,000万円を超える場合の給与所得控除額については、220 万円が上限となる。 よく 出る

10種類の所得〈事業所得・給与所得・一時所得・雑所得〉

4

(12)

(3)一時所得

①範囲

・生命保険の満期保険金・解約返戻金 ・クイズ・懸賞の賞金 ・競馬・競輪の払戻金 など

②計算

一時所得の金額=総収入金額-その収入を得るために支出した金額 -特別控除<最高50万円> なお、一時所得の金額については、その1/2が他の所得と合算されて総所 得金額となる。

(4)雑所得

①範囲

・公的年金 ・個人年金 ・著述業以外の者の原稿料収入 ・友人に対して貸し付けた貸付金の利子 など

②公的年金等(国民年金や厚生年金など)の雑所得の金額の計算

公的年金等の収入金額-公的年金等控除額 <公的年金等控除額> 受給者の 年齢 収入金額の合計額 公的年金等控除額 65歳 以上の者 330万円未満 330万円以上 410万円未満 410万円以上 770万円未満 770万円以上 120万円 収入金額×25%+ 37.5万円 収入金額×15%+ 78.5万円 収入金額×5%+155.5万円 65歳 未満の者 130万円未満 130万円以上 410万円未満 410万円以上 770万円未満 770万円以上 70万円 収入金額×25%+ 37.5万円 収入金額×15%+ 78.5万円 収入金額×5%+155.5万円

③公的年金等以外(個人年金など)の雑所得の金額の計算

公的年金等以外の総収入金額-必要経費 よく 出る よく 出る

(13)

221 タックスプランニング

4

練習問題

□□□ 第1問

事業所得は、農業や漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業 その他の事業で、対価を得て継続的に行う事業に係る所得をい う。

□□□ 第2問

事業所得の金額は、「総収入金額-必要経費」で計算する。

□□□ 第3問

給与所得とは、給料や賃金、賞与など、これらの性質を有する給与に係る所得をいう。

□□□ 第4問

給与所得の金額は、「給与収入金額<税込金額>-給与所得控除額」で計算する。

□□□ 第5問

平成28年分の所得税および平成29年分の個人住民税について は、収入金額が1,200万円を超える場合の給与所得控除額 は、170万円が上限となる。

□□□ 第6問

クイズ・懸賞の賞金、競馬・競輪の払戻金は、一時所得として扱われる。

□□□ 第7問

一時所得の金額は、「{総収入金額-その収入を得るために支出した金額-特別控除<最高50万円>}×1/2」で計算する。

□□□ 第8問

公的年金や友人に対して貸し付けた貸付金の利子などは、雑所得として扱われる。

□□□ 第9問

個人年金に係る所得は雑所得に該当し、必要経費として公的年金等控除額を差し引いて計算する。

□□□ 第10問

公的年金等控除額は、受給者の年齢に関係なく、公的年金等の収入金額のみによって計算する。 第1問○ 第2問○ 第3問○ 第4問○ 第5問× 第6問○ 第7問× 第8問○  第9問× 第10問×

(14)

計算問題

総所得金額

実技 試験 対策

〈ポイント〉

・総所得金額とは、総合課税の所得を合計したものである ・給与所得と一時所得は、いずれも総合課税の所得に該当する ・給与所得の金額は、「給与収入金額<税込金額>-給与所得控除額」で計 算する ・一時所得の金額は、「総収入金額-その収入を得るために支出した金額- 特別控除<最高50万円>」で計算する ・一時所得の金額については、その1/2が他の所得と合算されて総所得金 額となる

<例題>

柴田さんの毎年の収入金額は90万円のパート収入のみであるが、平成28年に おいては、柴田さんが契約していた養老保険(保険期間20年)から満期保険金 を500万円(既払込保険料400万円)受け取った。柴田さんの平成28年分の 総所得金額はいくらか。 なお、養老保険の配当金は考慮しないものとする。 <給与所得控除額>

収入金額

給与所得控除額

         180万円以下   180万円超  360万円以下   360万円超  660万円以下   660万円超 1,000万円以下  1,000万円超 1,200万円以下  1,200万円超          収入金額×40% (65万円に満たない場合は65万円)  収入金額×30%+ 18万円  収入金額×20%+ 54万円  収入金額×10%+120万円  収入金額× 5 %+170万円  230万円(上限)

<解答>

給与所得の金額=90万円-65万円=25万円 一時所得の金額=500万円-400万円-50万円=50万円 総 所 得 金 額=25万円+50万円×1/2=50万円

(15)

223 タックスプランニング

4

(1)譲渡所得

①ゴルフ会員権、美術品、事業用車両などの譲渡・・・総合課税

譲渡所得の金額=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除 <最高50万円> a. 取得日から譲渡日までの所有期間が5年超の場合は長期譲渡、5年以下の 場合は短期譲渡となる b. 長期譲渡所得の金額については、その1/2が他の所得と合算されて総所 得金額となる

②土地等・建物の譲渡・・・分離課税

譲渡所得の金額=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用) a. 取得日の翌日から譲渡した年の1月1日における所有期間が5年超の場合 は長期譲渡となり、5年以下の場合は短期譲渡となる b. 取得費は「譲渡収入金額×5%(概算取得費)」と「実際の取得費」のい ずれか多いほうの金額を選択できる c. 税率 長期譲渡所得 20%(所得税15%、住民税5%) 短期譲渡所得 39%(所得税30%、住民税9%) (注) 震災復興財源確保法により、平成49年分までの所得税については、基 準所得税額に2.1%の復興特別所得税が課される。

③上場株式等・一般株式等の譲渡・・・分離課税

譲渡所得の金額=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用+譲渡年分の借入 金利子)

(2)山林所得(分離課税)

山林の伐採または譲渡による所得をいう。ただし、取得日以後5年以内に伐採 し、譲渡する場合には、事業所得(または雑所得)として扱われる。

10 種類の所得〈譲渡所得 ・ 山林所得 ・ 退職所得〉

5

(16)

(3)退職所得(分離課税)

①範囲

a. 退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与に係る所得をい う b. 死亡退職を原因として支給された退職金は、相続税の対象となる。ただ し、死亡後3年を超えてから支給が確定した死亡退職金は、その死亡退職 金を受け取った人の一時所得として扱われる

②計算(原則)

退職所得の金額=(収入金額-退職所得控除額)×1/2 <退職所得控除額> 勤続年数20年以下 40万円×勤続年数 ※最低80万円 勤続年数20年超 800万円+70万円×(勤続年数-20年) (注)勤続年数の1年未満の端数部分は切り上げる。

練習問題

□□□ 第1問

ゴルフ会員権の譲渡益は、総合課税される。

□□□ 第2問

ゴルフ会員権や美術品は、取得日から譲渡日までの所有期間が5年超の場合は長期譲渡、5年以下の場合は短期譲渡となる。

□□□ 第3問

総合課税される長期譲渡所得の金額については、その1/2が他の所得と合算されて総所得金額となる。

□□□ 第4問

実際の取得費が不明な場合には、「譲渡収入金額×5%(概算取得費)」を適用することができる。

□□□ 第5問

退職所得の金額は、原則として「収入金額-退職所得控除額×1/2」で計算する。

□□□ 第6問

勤続年数20年超の場合の退職所得控除額は、「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」で計算する。

□□□ 第7問

退職所得控除額の計算における勤続年数の1年未満の端数部分は、切捨てとなる。 よく 出る 第1問○ 第2問○ 第3問○ 第4問○ 第5問× 第6問○ 第7問×

(17)

225 タックスプランニング

4

計算問題

退職金にかかる所得税額

実技 試験 対策

〈ポイント〉

・退職所得の金額は、「(収入金額-退職所得控除額)×1/2」で計算する ・退職所得控除額は、①勤続年数が20年以下の場合は「40万円×勤続年 数※最低80万円」、②勤続年数が20年超の場合は「800万円+70万円× (勤続年数-20年)」で計算する(ただし、勤続年数の1年未満は切上げ) ・「退職所得の受給に関する申告書」を提出した場合、退職所得の金額に超 過累進税率を適用した所得税額が源泉徴収される。

<例題>

平成28年に定年退職する場合において、退職金から源泉徴収される所得税額を 求めなさい。なお、会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出するもの とする。また、復興特別所得税は考慮しないものとする。  退職金支給額:2,500万円、勤続年数:37年9ヵ月 <所得税額速算表>

課税退職所得金額

税率

控除額

195万円以下 5% - 195万円超 330万円以下 10% 9.75万円 330万円超 695万円以下 20% 42.75万円 695万円超 900万円以下 23% 63.6万円 900万円超 1,800万円以下 33% 153.6万円 1,800万円超 4,000万円以下 40% 279.6万円 4,000万円超 45% 479.6万円

<解答>

退職所得控除額=800万円+70万円×(38年-20年)=2,060万円 退職所得の金額=(2,500万円-2,060万円)×1/2=220万円 所 得 税 額=220万円×10%-9.75万円=12.25万円

(18)

(1)損益通算の概要

①損益通算できる損失

・不動産所得の損失(土地等の取得に係る借入金利子部分を除く) ・事業所得の損失 ・譲渡所得の損失(生活に通常必要でない資産の譲渡による損失、上場株 式等の譲渡による損失、一般株式等の譲渡による損失、土地等・建物の 譲渡による損失(注)を除く) ・山林所得の損失 (注)一定の要件を満たした所有期間5年超の居住用財産の譲渡による損失 は損益通算が可能。 ※1  上場株式の譲渡損失についての上場株式等の配当所得(申告分離課税 を選択したものに限る)との損益通算のほか、平成28年1月1日以後 は、上場株式等の配当・分配金・譲渡損益と、特定公社債等の利子・ 譲渡損益・償還差損益との損益通算が認められている。 ※2  ゴルフ会員権の譲渡による損失については、他の所得と損益通算がで きない。

②適用が受けられる人

青色申告者、白色申告者を問わず、適用を受けることができる。

(2)不動産所得の損益通算規制

不動産所得の計算上生じた損失がある場合、必要経費のうちに「土地等の取得 に係る借入金利子」があるときは、他の所得の黒字と損益通算できる不動産所 得の損失は、下記の区分に応じてそれぞれ次のとおりとなる。 不動産所得の損失≦ 土地等の取得に係る 借入金利子 不動産所得の損失は全額切り捨てられて、ゼロとなる (他の所得の黒字と損益通算できない)。 不動産所得の損失> 土地等の取得に係る 借入金利子 不動産所得の損失のうち、土地等の取得に係る借入金 利子相当額が切り捨てられ、残った不動産所得の損失 と他の所得の黒字が損益通算できる。 よく 出る よく 出る

損益通算と損失の繰越控除

6

(19)

227 タックスプランニング

4

(3)損失の繰越控除

①純損失の繰越控除

青色申告を選択していた年分に生じた損失で、損益通算してもなお控除しき れない損失は、一定の要件のもとに損失が生じた年の翌年以後3年間繰越控 除できる。

②雑損失の繰越控除

その年の所得金額から雑損控除を差し引くと赤字になる場合は、一定の要件 のもとに損失が生じた年の翌年以後3年間繰越控除できる。

練習問題

□□□ 第1問

損益通算ができるのは、不動産所得・事業所得・山林所得の3つの損失である。

□□□ 第2問

上場株式等の譲渡損失については、上場株式等の配当所得(総合課税を選択したもの)との損益通算が認められている。

□□□ 第3問

ゴルフ会員権の譲渡による損失については、他の所得と損益通算ができない。

□□□ 第4問

損益通算は、青色申告者しか適用を受けることができない。

□□□ 第5問

不動産所得の損失が土地等の取得に係る借入金利子よりも小さい場合には、損益通算できない。

□□□ 第6問

不動産所得の損失が土地等の取得に係る借入金利子よりも大きい 場合には、土地等の取得に係る借入金利子相当額についてのみ損 益通算できない。

□□□ 第7問

純損失の繰越控除および雑損失の繰越控除は、いずれも損失が生じた年の翌年以後3年間繰越控除することができる。 第1問× 第2問× 第3問○ 第4問× 第5問○ 第6問○ 第7問○

(20)

(1)雑損控除

①適用が受けられる場合

災害、盗難または横領(詐欺は対象外)により資産の損害を受けた場合や、 災害に関連してやむを得ない支出をした場合。

②対象となる資産

原則として納税者本人または本人と生計を一にする配偶者その他の親族(その 年の総所得金額等が38万円以下の者に限る)が所有する生活に通常必要な資 産(自宅や家財など)が対象。

(2)医療費控除

①適用が受けられる場合

納税者本人または本人と生計を一にする配偶者その他の親族のために年間に 一定額以上の医療費を支払った場合。

②医療費控除の対象となるものとならないもの

医療費控除の対象となるもの 医療費控除の対象とならないもの ・診療、治療の対価 ・医師の診療を受けるための通常必 要な医療用器具 ・薬事法に規定する医薬品 ・妊娠と診断されてからの定期検診 や検査費用 ・通院にかかる電車代やバス代、緊急 時および病状等からみてタクシーを 利用しなければ通院できない状態に ある場合のタクシー代 など ・ 人 間 ド ッ ク や 健 康 診 断 の 費 用 (注) ・美容整形費用 ・健康増進のためのビタミン剤 ・病気やケガの予防のために購入し た医薬品 ・通院のための自家用車のガソリン 代や駐車料金 など (注) 人間ドックや健康診断の費用は、その診断の結果、重大な疾病が発見 され、引き続きその疾病の治療をした場合には、医療費控除の対象と なる。 よく 出る

主な所得控除

7

(21)

229 タックスプランニング

4

③控除額

医療費控除=(その年中に支払った医療費の総額-給付金等で補てんさ れる金額)-「10万円」または「総所得金額等×5%」の いずれか少ないほう (注)ただし、年間200万円が限度である。

④セルフメディケーション(自主服薬)推進のためのスイッチOTC薬控

セルフメディケーション(自 主服薬)推進のためのスイッ チOTC薬控除 その年中に支払ったスイッチOTC 薬購入費の総額(年間10万円が上 限)-12,000円 (注1) 現行の医療費控除とあわせて適用を受けることはできない。 (注2) 平成29年1月1日から平成33年12月31日までの支出について適用さ れる。

(3)社会保険料控除

①適用が受けられる場合

納税者本人または本人と生計を一にする配偶者その他の親族に係る社会保険料 (健康保険料、厚生年金保険料、国民年金保険料、雇用保険料など)を支払った 場合。

②控除額

社会保険料控除=社会保険料の支払額全額

(4)生命保険料控除

①平成24年1月1日以後に締結した保険契約等(新契約)に係る控除

一般生命保険料控除(生存死亡部分) 最高4万円 個人年金保険料控除 最高4万円 介護医療保険料控除(介護(費用)保障または医療(費用) 保障を内容とする主契約または特約に係る支払保険料等をい う) 最高4万円 ※上記3つの合計で最高12万円。 よく 出る よく 出る

(22)

②平成23年12月31日以前に締結した保険契約等(旧契約)に係る控除

一般生命保険料控除(介護(費用)保障または医療(費用) 保障を内容とする支払保険料等を含む) 最高5万円 個人年金保険料控除 最高5万円 ※上記2つの合計で最高10万円。 (注) 上記の「①平成24年1月1日以後に締結した保険契約等」と「②平成 23年12月31日以前に締結した保険契約等」の双方の支払保険料等につ いて生命保険料控除の適用を受ける場合は、合計で最高12万円となる。

(5)地震保険料控除

①適用が受けられる場合

本人が本人または配偶者、生計一親族所有の自宅または家財等を補償する保 険契約に係る地震保険料を支払った場合。

②控除額

地震保険料控除=地震保険料の支払額全額(最高5万円)

(6)配偶者控除

①適用が受けられる場合

配偶者のその年の合計所得金額が38万円以下(給与収入で103万円以下) である場合。

②控除額

38万円(老人控除対象配偶者の場合は48万円)

(7)配偶者特別控除

①適用が受けられる場合

納税者本人のその年の合計所得金額が1,000万円以下で、かつ、配偶者のそ の年の合計所得金額が38万円超76万円未満(給与収入が103万円超141 万円未満)である場合。

②控除額

配偶者の合計所得金額により段階的に異なる。 よく 出る よく 出る

(23)

231 タックスプランニング

4

(8)扶養控除

①適用が受けられる場合

納税者本人に控除対象扶養親族がいる場合。控除対象扶養親族とは、「納税 者と生計を一にする配偶者以外の親族等(16歳以上)であること」「その年 の合計所得金額が38万円以下であること」の要件をすべて満たす人をいう。

②控除額

16歳未満 なし 16歳以上19歳未満および23歳以上70歳未満の一般の控除対象 扶養親族 38万円 19歳以上23歳未満の控除対象扶養親族(特定扶養親族) 63万円 70歳以上の控除対象扶養親族(老人扶養親族) 48万円 納税者本人または配偶者の直系尊属で同居している老人扶養 親族(同居老親等) 58万円 (注)年齢は原則としてその年の12月31日における現況により判定する。

(9)基礎控除

納税者の収入にかかわらず、一律38万円の控除が受けられる。 よく 出る よく 出る

(24)

練習問題

□□□ 第1問

医療費控除は、納税者本人または本人と生計を一にする配偶者そ の他の親族のために年間に一定額以上の医療費を支払った場合 に、適用を受けることができる。

□□□ 第2問

健康増進のためのビタミン剤の購入費用は、医療費控除の対象となる。

□□□ 第3問

医療費控除は、「(その年中に支払った医療費の総額-給付金等 で補てんされる金額)-『10万円』または『総所得金額等×5 %』のいずれか少ないほう」で計算する。

□□□ 第4問

医療費控除は、年間200万円が限度である。

□□□ 第5問

納税者本人または納税者本人と生計を一にする配偶者その他の親 族に係る社会保険料を支払った場合、その全額を所得控除するこ とができる。

□□□ 第6問

生命保険料控除について、「平成24年1月1日以後に締結した 保険契約等」と「平成23年12月31日以前に締結した保険契約 等」の双方の支払保険料等について生命保険料控除の適用を受け る場合は、合計で最高10万円となる。

□□□ 第7問

配偶者控除とは、配偶者のその年の合計所得金額が103万円以下である場合に適用が受けられる所得控除である。

□□□ 第8問

配偶者特別控除額は、配偶者の合計所得金額により段階的に異なる。

□□□ 第9問

扶養控除額は控除対象扶養親族1人につき原則として38万円で あるが、19歳以上23歳未満の特定扶養親族は1人につき63万 円である。

□□□ 第10問

控除対象扶養親族の年齢は、原則としてその年の1月1日における現況により判定する。

□□□ 第11問

基礎控除は、納税者の収入にかかわらず一律38万円である。 第1問○ 第2問× 第3問○ 第4問○ 第5問○ 第6問× 第7問× 第8問○ 第9問○ 第10問× 第11問○

(25)

233 タックスプランニング

4

計算問題

医療費控除額

実技 試験 対策

〈ポイント〉

・医療費控除額は、「(その年中に支払った医療費の総額-給付金等で補て んされる金額)-『10万円』または『総所得金額等×5%』のいずれか少 ないほう」で計算する。

<例題>

会社員の野本さんは、平成28年中に下記<資料>の医療費等を支払った。野本 さんの平成28年分の所得税の確定申告における医療費控除額はいくらか。 なお、野本さんの総所得金額等は700万円で、給与所得のほかに所得はないも のとし、妻および長女は野本さんと同一生計であるものとする。 <資料>

支払日

医療等を

受けた人

医療機関等

内容

支払金額

10/15 長女 - 病院までのタクシー代 (注1) 3,000円 10/30 長女 A病院 虫垂炎のための手術・入院費 (注2) 165,000円 12/10 妻 B薬局 風邪薬の購入費 2,000円 (注1)腹痛がひどく、電車やバスなどでの移動が困難であったため、タクシ ーを利用した。 (注2)長女の入院に関しては、生命保険契約における医療特約の給付金とし て、51,000円を受け取っている。 

(26)

<解答>

<その年中に支払った医療費> 3,000円(注1) 165,000円 2,000円(注2) (注1)電車やバスなどでの移動が困難な状況であった場合には、タクシー代 も医療費控除の対象となる。 (注2)風邪薬などの一般的な医薬品(健康増進や疾病予防の目的でないも の)の購入費は、医療費控除の対象となる。 <給付金等で補てんされる金額> 51,000円 なお、医療費控除額の計算式の中の「『10万円』または『総所得金額等×5%』 のいずれか少ないほう」については、「10万円<35万円(=700万円×5%)」 となる。 したがって、医療費控除額は、「3,000円+(165,000円-51,000円) +2,000円-100,000円=19,000円」となる。

(27)

235 タックスプランニング

4

(1)配当控除

日本国内に本店がある法人から支払を受けた剰余金の配当または剰余金の分配 に係る配当所得は、配当控除の対象となる。 ただし、外国法人から受ける配当、上場株式等の配当等で確定申告をしないこ とを選択したもの、上場株式等の配当等で確定申告をして申告分離課税を選択 したもの、上場不動産投資信託(J-REIT)から受ける収益分配金などは、配当 控除の対象とならない。

(2)住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)

住宅借入金等特別控除とは、住宅ローン等を利用して居住用財産を新築・購入 等した場合で、一定の要件を満たすときに、その新築・購入等のための借入金 等の年末残高の合計額等を基にして計算した金額を、居住の用に供した年以 後、10年間にわたって各年分の所得税額から控除できる制度をいう。

①適用が受けられる場合

・取得等の日から6ヵ月以内に自己の居住の用に供した場合 ・適用を受ける年の各年の年末まで引き続き居住している場合 ・適用を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること など

②適用対象となる住宅

・床面積の1/2以上が居住の用に供されるもの ・床面積が50㎡以上(登記簿の面積による)であるもの ・中古住宅の場合、その建物が取得の日以前20年以内(耐火建築物は25年 以内)に建築されたものであること、または一定の要件を満たした耐震 住宅であること

③適用対象となる借入金

・償還期間が10年以上 ※借入金を繰上げ返済した場合、その繰上げ返済 により借入金の償還期間(最初に返済等をする日から借入金を完済する 日までの期間)が10年未満となる場合には、それ以後、住宅借入金等特 別控除の適用は受けられない ・金融機関、勤務先等(住宅資金の貸付に係る金利水準を勘案して決めら れた利率で、年1%以上のもの)からの借入金であること よく 出る よく 出る

税額控除

8

(28)

④平成31年6月までに居住を開始した場合の控除額(一般的な住宅)

控除額は「年末借入金残高×控除率」で計算する(その年の所得税額を限度 とする)。 入居年月 控除期間 年末借入金残高 控除率 各年の最高控除額 平成26年1月~ 平成26年3月 10年間 ~2,000万円 1% 20万円 平成26年4月~ 平成31年6月 10年間 ~4,000万円(注) 1% 40万円 (注) 一般住宅の対価の額または費用に含まれる消費税等の税率が8%また は10%である場合の金額であり、それ以外の場合は平成26年1月~平 成26年3月の金額と同じとなる。

⑤その他

a. 住宅借入金等特別控除の適用を受ける場合(入居後、最初に適用を受ける 場合)には、所定の書類(住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 など)を添付して確定申告をしなければならない b. 年末調整で申告・納税が完了する給与所得者の場合、適用を受けた最初の 年分(入居した年分)の翌年分以後については、確定申告をする必要はな く、年末調整によりこの控除の適用を受けることができる(つまり、最初 の年分のみ確定申告をする) c. 勤務先からの転任命令を受けて転居し、その住宅に居住しないこととな り、住宅借入金等特別控除の適用が受けられなくなった場合で、その後、 再びその住宅に居住することとなり、かつ、住宅借入金等特別控除の控除 期間が残っているときは、再居住年(転勤中、その住宅を賃貸していた場 合には再居住年の翌年)以後残存期間にわたり、住宅借入金等特別控除の 適用を受けることができる d. 国内で単身赴任をしている(家族はその住宅に住み続けている)場合に は、単身赴任中も単身赴任終了後も、一定の要件を満たしていれば、住宅 借入金等特別控除の適用を受けることができる(転勤等のやむを得ない事 情が解消された後は、その者がその住宅に再び居住することとなる場合に 限る) e. 非居住者が、非居住者である期間中に住宅の取得等をした場合でも、居住 者と同様の要件を満たす場合には、住宅借入金等特別控除の適用を受ける ことができる。

(29)

237 タックスプランニング

4

練習問題

□□□ 第1問

外国法人から受ける配当は、配当控除の対象とならない。

□□□ 第2問

取得等の日から1年以内に自己の居住の用に供することが、住宅借入金等特別控除の適用要件の1つである。

□□□ 第3問

合計所得金額が3,000万円である年は、住宅借入金等特別控除の適用を受けることはできない。

□□□ 第4問

取得する建物の床面積の1/3以上が居住の用に供されていることが、住宅借入金等特別控除の適用要件の1つである。

□□□ 第5問

取得する住宅の床面積が50㎡以上(登記簿の面積)であることが、住宅借入金等特別控除の適用要件の1つである。

□□□ 第6問

繰上げ返済によりその借入金の償還期間が10年未満となった場 合は、以後、住宅借入金等特別控除の適用を受けることはできな い。

□□□ 第7問

住宅借入金等特別控除額は、「年初借入金残高×控除率」で計算する。

□□□ 第8問

年末調整で申告・納税が完了する給与所得者の場合、住宅借入金 等特別控除の適用を受けた最初の年分(入居した年分)の翌年分 以後については、確定申告をする必要はなく、年末調整により住 宅借入金等特別控除の適用を受けることができる。

□□□ 第9問

勤務先からの転任命令を受けて転居し、その住宅に居住しないこ ととなり、住宅借入金等特別控除の適用が受けられなくなった場 合で、その後、再びその住宅に居住することとなり、かつ、住宅 借入金等特別控除の控除期間が残っているときは、再居住年の翌 年(転勤中、その住宅を賃貸していた場合には再居住年の翌々 年)以後残存期間にわたり、住宅借入金等特別控除の適用を受け ることができる。

□□□ 第10問

国内で単身赴任をしている(家族はその住宅に住み続けている) 場合には、単身赴任終了後に限り、一定の要件を満たしていれ ば、住宅借入金等特別控除の適用を受けることが可能である。 第1問○ 第2問× 第3問× 第4問× 第5問○ 第6問○ 第7問× 第8問○ 第9問× 第10問×

(30)

(1)給与所得者で確定申告をしなければならない人

・1年間に支払を受ける給与等の金額が2,000万円を超える人 ・給与所得以外の所得のある人で、給与所得および退職所得以外の所得金額 の合計額(源泉分離課税されているものを除く)が20万円を超える人 な ど

(2)確定申告をすれば税金が還付される人

・給与所得者で雑損控除、医療費控除、寄附金控除の適用を受ける場合(年 末調整で控除が受けられない) ・給与所得者で住宅借入金等特別控除の適用を受ける場合の最初の年(翌年 以後は年末調整で控除が受けられる) など

(3)申告期限

所得税の計算期間の年分の翌年2月16日から3月15日までに、確定申告書を提 出しなければならない。ただし、申告義務のある者の還付申告書は、その年の 翌年1月1日から提出できる。

(4)納付

所得税の確定申告書をその提出期限内に提出することによって納付することと なる所得税は、原則として、所得が生じた年の翌年の3月15日(つまり申告期 限)までに納付しなければならない。

練習問題

□□□ 第1問

1年間に支払を受ける給与等の金額が2,000万円の人は、必ず確定申告をしなければならない。

□□□ 第2問

給与所得者が年末調整によって所得控除できないのは、医療費控除および寄附金控除の2つである。

□□□ 第3問

所得税の申告期限は、原則として、所得が生じた年の翌年の3月15日までである。

確定申告と納付

9

第1問× 第2問× 第3問○

(31)

239 タックスプランニング

4

(1)青色申告者

次の所得を生ずる業務を行う人が、青色申告の承認申請をして承認を受けた場 合、青色申告者となる。 ・不動産所得(事業的規模でなくても可) ・事業所得 ・山林所得

(2)青色申告の承認申請手続

青色申告を選択する場合には、その選択しようとする年の3月15日までに、 「青色申告の承認申請書」を所轄税務署長に提出しなければならない。 ただし、その年の1月16日以後、新たに不動産所得あるいは事業所得などが発 生することとなった場合(新規開業)には、その業務を開始した日から2ヵ月 以内に青色申告の承認申請書を提出すれば、その年から青色申告を選択するこ とができる。

(3)青色申告の特典

①青色事業専従者給与

a. 青色申告を選択している事業者(事業的規模を満たす者)は、「青色事業 専従者給与に関する届出書」を所轄税務署長に提出することにより、届出 書に記載されている金額(相当と認められる金額)の範囲内で、生計を一 にする配偶者その他の親族である青色事業専従者に支払った給与や賞与を 必要経費とすることができる b. 青色事業専従者で給与の支払を受ける人は、配偶者控除や配偶者特別控 除、扶養控除の対象とならない

②純損失の繰越控除

a. 青色申告を選択している人は、その年の所得金額の計算において、損益通 算をしてもなお控除しきれない損失が生じたときは、純損失の金額として 翌年以後3年間繰り越すことができる b. 白色申告者は、原則として純損失の金額を繰り越すことはできない よく 出る

青色申告

10

(32)

③青色申告特別控除

控除額 適用要件 65万円 ・不動産所得(事業的規模で不動産の貸付を行っている場合に限 る)または事業所得がある人 ・その事業につき帳簿書類を備え付けて取引内容を詳細に記録し ている場合 ・確定申告書に、正規の簿記の原則に従った帳簿書類に基づき作 成した貸借対照表や損益計算書などの明細書を添付すること ・確定申告書を提出期限までに提出すること 10万円 65万円の青色申告特別控除を受けない人

練習問題

□□□ 第1問

不動産所得(事業的規模でなくても可)、事業所得、山林所得ま たは譲渡所得を生ずる業務を行う人が、青色申告の承認申請をし て承認を受けた場合は、青色申告者となる。

□□□ 第2問

青色申告を選択する場合には、その選択しようとする年の前年の 12月31日までに、「青色申告の承認申請書」を所轄税務署長に 提出しなければならない。

□□□ 第3問

青色事業専従者で給与の支払を受ける人は、配偶者控除や配偶者特別控除、扶養控除の対象とならない。

□□□ 第4問

不動産所得がある人であれば、その不動産貸付の規模にかかわらず、65万円の青色申告特別控除の適用を受けることができる。

□□□ 第5問

65万円の青色申告特別控除の適用を受けるには、「その事業に つき帳簿書類を備え付けて取引内容を詳細に記録している」「確 定申告書に、正規の簿記の原則に従った帳簿書類に基づき作成し た貸借対照表や損益計算書などの明細書を添付する」などの要件 を満たす必要がある。 よく 出る 第1問× 第2問× 第3問○ 第4問× 第5問○

(33)

241 タックスプランニング

4

(1)3,000万円特別控除

①概要

個人が居住の用に供している建物またはその建物とともに敷地を譲渡(居住 の用に供さなくなった日から3年経過する日の属する年の12月31日までの譲渡) した場合には、譲渡所得金額から3,000万円を控除することができる。

②主な適用要件

・前年または前々年にこの特例または特定居住用財産の買換えの特例など の適用を受けていないこと ・譲渡者の配偶者や一定の親族(直系血族や生計を一にする親族など)へ の譲渡でないこと ・同時に特定居住用財産の買換えの特例の適用を受けないこと

③主な特徴

a. 所有期間に関する要件はない b. 3,000万円特別控除の適用を受けることにより課税所得がゼロとなる場合 でも、確定申告が必要である

(2)軽減税率の特例

①概要

個人が居住用財産を譲渡した場合で、建物および敷地の所有期間(譲渡した 年の1月1日における所有期間)がともに10年超である国内にある居住用財 産を譲渡したときには、下記の税率が適用される。 なお、この特例は3,000万円特別控除と併用することができる。 課税所得金額6,000万円以下の部分 所得税10%、住民税4% 課税所得金額6,000万円超の部分 所得税15%、住民税5% (注) 震災復興財源確保法により、平成49年分までの所得税については、基 準所得税額に2.1%の復興特別所得税が課される。

②主な適用要件

・所有期間が10年超である居住用財産を譲渡すること ・譲渡者の配偶者や一定の親族(直系血族や生計を一にする親族など)へ の譲渡でないこと ・同時に特定居住用財産の買換えの特例の適用を受けないこと よく 出る

居住用財産を譲渡した場合の特例

11

(34)

(3)特定居住用財産の買換えの特例

①概要

個人が居住用財産(譲渡した年の1月1日における所有期間が10年を超え、 かつ、国内にあるもの)を譲渡し、一定の期間内に自己の居住用家屋または その敷地で国内にある資産を取得したときは、「譲渡資産の収入金額≦買換 資産の取得価額」である場合にはその譲渡がなかったものとされ、「譲渡資 産の収入金額>買換資産の取得価額」である場合には譲渡資産の収入金額の うち、買換資産の取得価額に充てられる部分以外についてのみ譲渡があった ものとして所得税・住民税を計算することができる。

②主な適用要件

・譲渡者の配偶者や一定の親族(直系血族や生計を一にする親族など)へ の譲渡でないこと ・所有期間が10年超である居住用財産を譲渡すること ・譲渡者がその居住用財産に10年以上居住していること ・買換資産について、譲渡資産を譲渡した年の前年からその年の12月31日 までに取得し、かつ、譲渡した年の翌年12月31日までに居住の用に供す ること(またはその見込みであること)、または譲渡した年の翌年に取 得し、取得した年の翌年12月31日までに居住の用に供する見込みである こと ・買換資産の土地の面積が500㎡以下、建物の床面積が50㎡以上であること ・同時に3,000万円特別控除または軽減税率の特例の適用を受けないこと ・譲渡資産の譲渡価額が1億円以下であること ・平成29年12月31日までに譲渡していること <居住用財産を譲渡した場合の特例の併用の可否> 3,000万円 特別控除 軽減税率の特例 特定居住用財産の 買換えの特例 3,000万円 特別控除 × 軽減税率の 特例 × 特定居住用財産の 買換えの特例 × × (注)○は併用できること、×は併用できないことを表わす。

(35)

243 タックスプランニング

4

練習問題

□□□ 第1問

個人が居住の用に供している建物またはその建物とともに敷地を 譲渡(居住の用に供さなくなった日から3年経過する日の属する 年の12月31日までの譲渡)した場合には、3,000万円特別控 除の適用が受けられる。

□□□ 第2問

3年前に3,000万円特別控除の適用を受けた場合、今年は3,000万円特別控除の適用が受けられない。

□□□ 第3問

譲渡者の配偶者や一定の親族(直系血族や生計一親族など)へ譲渡する場合は、3,000万円特別控除の適用が受けられない。

□□□ 第4問

3,000万円特別控除と特定居住用財産の買換えの特例は、併用することができる。

□□□ 第5問

3,000万円特別控除は、譲渡した年の1月1日における所有期間が10年以上でなければ、適用が受けられない。

□□□ 第6問

3,000万円特別控除を適用することにより計算上の課税所得がゼロとなる場合は、確定申告をする必要はない。

□□□ 第7問

譲渡した年の1月1日における所有期間が10年を超える場合は、3,000万円特別控除と軽減税率の特例を併用できる。

□□□ 第8問

個人が建物および敷地の所有期間がともに10年超である国内に ある居住用財産を譲渡した場合、課税所得金額6,000万円以下 の部分は「所得税10%、住民税4%」、課税所得金額6,000万 円超の部分は「所得税15%、住民税5%」の税率が適用され る。

□□□ 第9問

軽減税率の特例は、取得日の翌日から譲渡した年の1月1日まで の所有期間が10年超である居住用財産について適用が受けられ る。 第1問○ 第2問× 第3問○ 第4問× 第5問× 第6問× 第7問○ 第8問○ 第9問○

(36)

(1)個人住民税の仕組み

①個人住民税の特徴

a. 賦課課税方式(所得税は申告納税方式) b. 前年所得課税(所得税は現年所得課税)

②個人住民税の「所得割」

一律10%(道府県民税4%、市町村民税6%)

(2)個人住民税の納付

事業所得者など (普通徴収) 通常、年税額を4等分して、6月、8月、10月、翌年1 月に納める(一括納付も可) 給与所得者 (特別徴収) 所得税における源泉徴収の方法に準じ、年税額を12回に 分けて、通常その年の6月から翌年5月まで、毎月給与 の支払の際に徴収される

練習問題

□□□ 第1問

所得税が申告納税方式を採用しているのに対し、個人住民税は賦課課税方式を採用している。

□□□ 第2問

所得税は現年所得課税であるのに対し、個人住民税は前年所得課税である。

□□□ 第3問

個人住民税の所得割は、一律20%の税率となっている。

□□□ 第4問

個人住民税の納付について、給与所得者は、所得税における源泉 徴収の方法に準じ、年税額を12回に分けて、通常その年の6月 から翌年5月まで、毎月給与の支払の際に徴収される。

個人住民税

12

第1問○ 第2問○ 第3問× 第4問○

(37)

245 タックスプランニング

4

(1)法人の設立

①法人の設立

法人の設立届の提出期限は、設立の日から2ヵ月以内である。

②青色申告承認申請

新設法人の場合で設立第1期から青色申告を選択する場合には、「法人設立 の日以後3ヵ月を経過した日」か「設立後、最初の事業年度終了の日」のい ずれか早い日の前日までに青色申告の承認申請書を納税地の所轄税務署長に 提出する。

③普通法人の法人税の税率(原則)

資本金または出資金 所得金額 税率 1億円超 23.4%(注1) 1億円以下 (中小法人) 年800万円以下の部分 15%(注2) 年800万円超の部分 23.4%(注1) (注1)平成28年4月1日以後に開始する事業年度から適用される。 (注2)平成24年4月1日から平成29年3月31日までに開始する事業年度 に適用される。

(2)決算と申告

①決算書の作成

貸借対照表 決算日における財政状態を示す 損益計算書 その事業年度における法人の経営成績を示す

②確定決算主義

法人税の所得金額は、確定した決算(株主総会で承認を受けたもの)に基づ く企業利益に所定の調整(加算・減算)を加えて計算する。

③申告期限

a. 法人税の申告書は、原則として事業年度終了の日の翌日から2ヵ月以内に 提出しなければならない b. 会計監査人の監査を受けるなどの理由により2ヵ月以内に決算が確定しな い場合は、申告期限を1ヵ月延長することができる

法人税の概要

13

(38)

練習問題

□□□ 第1問

法人の設立届の提出期限は、設立の日から2ヵ月以内である。

□□□ 第2問

新設法人の場合で設立第1期から青色申告を選択する場合には、 「法人設立の日以後3ヵ月を経過した日」か「設立後、最初の事 業年度終了の日」のいずれか早い日の前日までに青色申告の承認 申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

□□□ 第3問

原則として、資本金1億円以下の中小法人については、所得金額のうち、年800万円以下の部分の税率は25%である。

□□□ 第4問

貸借対照表はその事業年度における法人の経営成績を示し、損益計算書は決算日における財政状態を示す。

□□□ 第5問

法人税の所得金額は、確定した決算に基づく企業利益に所定の調整を加えて計算する。

□□□ 第6問

法人税の申告書は、原則として事業年度終了の日の翌日から3ヵ月以内に提出しなければならない。

□□□ 第7問

会計監査人の監査を受けるなどの理由により所定の期間内に決算が確定しない場合、申告期限を1ヵ月延長することができる。 第1問○ 第2問○ 第3問× 第4問× 第5問○ 第6問× 第7問○

(39)

247 タックスプランニング

4

(1)当期純利益と課税所得の違い

①計算方法の違い

当期純利益 収益-費用 課税所得 益金-損金 ※基本的に「収益=益金」「費用=損金」であるが、両者はそれぞれの計算 目的の違いにより、通常は一致しない。

②収益と益金、費用と損金の違い

益金不算入項目 収益に計上されているが、益金とならないもの 益金算入項目 収益に計上されていないが、益金となるもの 損金不算入項目 費用に計上されているが、損金とならないもの 損金算入項目 費用に計上されていないが、損金となるもの

練習問題

□□□ 第1問

当期純利益は「益金-損金」で計算し、課税所得は「収益-費用」で計算する。

□□□ 第2問

基本的に「収益=益金」「費用=損金」であるが、両者はそれぞれの計算目的の違いにより、通常は一致しない。

当期純利益と課税所得

14

第1問× 第2問○

(40)

(1)交際費等

損金算入限度額 中小法人 「年800万円まで」か「飲食費の50%」のいずれかを選択 中小法人以外 飲食費の50% (注1) 中小法人とは、資本金または出資金が1億円以下の法人をいう。ただ し、資本金または出資金が5億円以上の法人等の100%子法人(完全支 配関係がある法人)や100%グループ内の複数の大法人に100%保有さ れている法人を除く。 (注2) 平成26年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する各事業年 度において適用される。

(2)寄附金

a. 法人が支出した国・地方公共団体に対する寄附金や財務大臣が指定した寄附 金については、全額を損金に算入することができる b. 一般の寄附金(政治家・政党・宗教団体に対する寄附金など)や特定公益増 進法人に対する寄附金については、一定の金額を超える部分が損金不算入と なる

(3)役員給与

損金に算入できるもの ・定期同額給与 ・事前確定届出給与 ・一定の要件を満たす利益連動給与 ・役員退職給与 など 損金に算入できないもの ・上記に該当するもの以外の役員給与 ・上記に該当するもののうち不相当に高額な部分

損金

15

(41)

249 タックスプランニング

4

(4)租税公課

税目 損金とならない主なもの 損金となる主なもの 法人税 ・本税 ・延滞税 ・加算税 ・退職年金等積立金に対 する法人税 ・利子税 法人住民税 ・本税 ・延滞金 ・加算金 ・道府県民税の利子割 ・納期限の延長に係る延 滞金 法人事業税 ・延滞金 ・加算金 ・本税 ・納期限の延長に係る延 滞金 その他の租税公課 ・罰金 ・科料 ・過料 ・印紙税 ・登録免許税 ・固定資産税 ・都市計画税 ・不動産取得税 ・自動車税

(5)減価償却費(原則)

取得価額 取扱い 10万円未満のもの、または使用可能 期間が1年未満のもの 即時償却することができる 10万円以上 20万円未満のもの 減価償却資産として資産計上する。た だし、事業年度ごとに一括して3年間 均等償却することができる 20万円以上のもの 減価償却資産として資産計上する なお、法人税上、定められた方法によって計算した償却限度額を超える減価償 却費は、損金不算入となる。 よく 出る

(42)

練習問題

□□□ 第1問

交際費等の損金算入限度額について、中小法人は「年800万円まで」か「飲食費の90%」のいずれかを選択できる。

□□□ 第2問

交際費等の損金算入限度額について、中小法人以外は飲食費の90%である。

□□□ 第3問

法人が支出した国・地方公共団体に対する寄附金は、全額を損金に算入することができる。

□□□ 第4問

政治家・政党・宗教団体に対する寄附金などは、一切損金に算入することができない。

□□□ 第5問

役員給与は、その金額の妥当性にかかわらず、その全額を損金に算入することができる。

□□□ 第6問

法人税や法人住民税の本税は、損金に算入することができない。

□□□ 第7問

利子税・延滞税・加算税(法人税)は、損金に算入することができる。

□□□ 第8問

罰金・科料・過料は、損金に算入することができない。

□□□ 第9問

法人事業税は、損金に算入することができる。

□□□ 第10問

固定資産税・都市計画税は、損金に算入することができる。

□□□ 第11問

10万円未満の減価償却資産、または使用可能期間が1年未満の減価償却資産は、即時償却することができる。

□□□ 第12問

法人税上、定められた方法によって計算した償却限度額を超える減価償却費は、損金不算入となる。 第1問× 第2問× 第3問○ 第4問× 第5問× 第6問○ 第7問× 第8問○ 第9問○ 第10問○ 第11問○ 第12問○

参照

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