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018.p _05_原著_石黒先生_抜校.smd

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(1)

緒 言

近年,パーキンソン病やレヴィー小体型認知症など の鑑別診断に N- -フルオロプロピル-2 -カルボメトキ シ-3 -(4-123I-ヨードフェニル)ノルトロパン(123I-イオフ

ルパン:以下123I-FP-CIT)を使用した線条体のドパミ

ントランスポータ(dopamine transporter: DAT)単一

光 子 放 射 断 層 像 (single photon emission computed tomography: SPECT)が利用されるようになった. SPECT は人体の内部に分布した放射性医薬品から放 出されるガンマ線を画像化する検査である.体外へ放 出されるガンマ線は,放射性医薬品の集積している正 確な位置情報を含んだプライマリー光子以外に散乱線 123

I-FP-CIT(イオフルパン)定量評価ファントムの作成

石黒雅伸

1, 2

宇野正樹

1

宮崎巧麻

2

片岡由美

1, 2

外山 宏

3

市原 隆

2, 4 1藤田保健衛生大学病院放射線部 2藤田保健衛生大学大学院保健学研究科医療科学専攻医用量子科学分野 3藤田保健衛生大学医学部放射線医学教室 4藤田保健衛生大学医療科学部放射線学科 論文受付 2017 年 5 月 2 日 論文受理 2017 年 11 月 8 日 Code No. 261

Development of a Striatal and Skull Phantom for Quantitative

123

I-FP-CIT SPECT

Masanobu Ishiguro,1, 2Masaki Uno,1Takuma Miyazaki,2Yumi Kataoka,1, 2Hiroshi Toyama,3and

Takashi Ichihara2, 4

1Section of Radiology, Fujita Health University Hospital 2Graduate School of Health Sciences, Fujita Health University

3Department of Radiology, School of Medicine, Fujita Health University 4School of Health Sciences, Fujita Health University

Received May 2, 2017; Revision accepted November 8, 2017

Code No. 261 Summary

Background:123Iodine-labelled N- (3-fluoropropyl) -2 -carbomethoxy-3 - (4-iodophenyl) nortropane (123

I-FP-CIT) single photon emission computerized tomography (SPECT) images are used for differential diagnosis such as Parkinsonʼs disease (PD). Specific binding ratio (SBR) is affected by scattering and attenuation in SPECT imaging, because gender and age lead to changes in skull density. It is necessary to clarify and correct the influence of the phantom simulating the the skull. Purpose: The purpose of this study was to develop phantoms that can evaluate scattering and attenuation correction. Methods: Skull phantoms were prepared based on the measuring the results of the average computed tomography (CT) value, average skull thickness of 12 males and 16 females. 123I-FP-CIT

SPECT imaging of striatal phantom was performed with these skull phantoms,which reproduced normal and PD. SPECT images, were reconstructed with scattering and attenuation correction. SBR with partial volume effect corrected (SBRact) and conventional SBR (SBRBolt) were measured and compared. Results: The striatum and the

skull phantoms along with123I-FP-CIT were able to reproduce the normal accumulation and disease state of PD and

further those reproduced the influence of skull density on SPECT imaging. The error rate with the true SBR, SBRact

was much smaller than SBRBolt. Conclusion: The effect on SBR could be corrected by scattering and attenuation

correction even if the skull density changes with123I-FP-CIT on SPECT imaging. The combination of triple energy

window method and CT-attenuation correction method would be the best correction method for SBRact.

Key words:123Iodine-labelled N-(3-fluoropropyl)-2 -carbomethoxy-3 -(4-iodophenyl) nortropane (123I-FP-CIT),

triple energy window (TEW), computed tomography attenuation correction (CT-AC), specific binding ratio (SBR), dopamine transporter single photon emission computed tomography (DAT SPECT)

*Proceeding author

(2)

を含んでいる.この散乱線を除去する方法として tri-ple energy window(TEW)法1)

による散乱補正(scat-ter correction: SC)法が確立され広く使用されている. また,体内でのガンマ線の減弱を補正する手法として Chang 法2)が用いられるが,昨今では X 線コンピュー タ断層(computed tomography: CT)像から得た画像を 用いた CT 減弱補正(attenuation correction: CT-AC)法が有効であることが報告されている3) DAT SPECT では定量的指標として,線条体の DAT への特異的な集積量と脳内線条体以外の非特異 的な集積量の比:specific binding ratio(SBR)が用いら

れている.SBR の算出方法4)は以下の(1)式により算 出される. 定量的指標:􀁓􀁂􀁒􀀽 特異的結合による放射能非特異的結合による放射能􀀽􎜀線条体の放射能􂈒参照領域の放射能􎜐 参照領域の放射能 (1) ここで参照領域とは,特異的結合が無視できる脳内 部位を指す.123I-FP-CIT の定量的指標算出のための 参照領域には,DAT の密度が低いとされる後頭葉を 用いる. 本邦では DAT スキャンの定量評価に関して種々の 研究報告5~9)がなされており,亀井山ら6)によれば,散 乱・減弱補正を用いると SBR は上昇し,診断能が向上 すると報告されている.イオフルパン診療ガイドライ ン4)では SPECT の散乱・減弱補正法を行うことが推 奨されている.しかしながら減弱補正法,画像再構成 法の違いなどにより SPECT 値は異なる値となり, SBR は変化することが報告されている9).またこれら の報告で使用されているファントムには K2HPO4 (310.3 ml)が頭蓋部に相当する8)とあるがその密度は 不明で,人の頭蓋骨密度を反映しているかわかってい ない.われわれは頭部 SPECT 検査を行う際は,頭蓋 骨によるガンマ線減弱の影響は無視できず,SBR の測 定精度が低下すると報告している10~12).すなわち,頭 蓋骨の CT 値(骨密度)は年齢や性別で変化するた め13),これを考慮したガンマ線の減弱の影響を把握し て補正する必要がある. イオフルパン診療ガイドラインでは Bolt らが提唱 する左右の線条体を広い関心領域として設定した方 法14, 15)を用いている.一方,パーキンソン病などでは 病態の進行によって尾状核と被殻で集積低下の進行が 異なる.この場合尾状核と被殻別々に集積低下を評価 することができれば,より病態の進行に沿った画像診 断が期待できると考える. 以 上 の こ と か ら,123I-FP-CIT を 使 用 し た DAT SPECT で正確な定量測定を行うには,以下の 2 点が 必要となる. 1)頭蓋骨の減弱の影響を取り除く. 2)頭部線条体の尾状核と被殻それぞれに集積した放射 能を定量する. 今回われわれは線条体の尾状核と被殻それぞれが正 常集積や病態を模擬できる線条体ファントムと人の頭 蓋骨密度の範囲の頭蓋骨ファントムを作成し,頭蓋骨 による減弱の影響の確認と補正効果を評価して,真の 放射能の SBR と SPECT カウントから求める SBR を 比較評価することを目的とした. 1.方 法 本研究は当大学医学研究倫理審査委員会の承認を得 て行われた. 1-1 使用機器

SPECT 装置は 3 検出器型 SPECT 装置 GCA9300R (東芝メディカルシステムズ株式会社)に低エネルギー 用高分解能型ファンビーム(fanbeam high resolution: FANHR)コリメータを装着し使用した.CT 装置は SOMATOM Deffinition AS_mCT(シーメンスヘルス ケア株式会社)を使用した.CT 値の測定は医用画像 管理ソフトウェア:OsiriX ver.7.0.4(OsiriX 財団,以下 OsiriX)を使用し測定した.画像位置合わせソフト ウェアに MIRADA DBx ver.1.1.1(MIRADA Medical, 以下 MIRADA),プログラムは数値解析プログラム言語 MATLAB R2016ba(Math works 社,以下 MATLAB) を使用し作成した. 1-2 ファントムの作成 1-2-1 頭蓋骨 CT 値の測定 頭蓋骨ファントムを作成するために当院において頭 部 CT 検査が施行された患者の中から,年齢 20 歳か ら 39 歳までの男性 12 名,年齢 60 歳から 79 歳までの 高齢女性 16 名を対象にそれぞれ頭蓋骨の平均厚さと 平均 CT 値を,OsiriX を使用し測定した. 1-2-2 頭蓋骨ファントム作成 和田の報告13)では頭蓋骨密度は加齢による変化が あること,女性より男性のほうが高い骨密度を示すこ とから,頭蓋骨密度の上限値と下限値を人の CT 画像 から測定した.1-2-1 の結果から頭蓋骨密度を再現す る頭蓋骨ファントムを男性と高齢女性それぞれ試作し た.作成するにあたり強度を保つために頭蓋骨の厚さ を 1 cm に換算した.骨密度の範囲は女性骨の(平均 CT 値-2SD)と男性骨の(平均 CT 値+2SD)とした.

(3)

1-2-3 線条体ファントムの作成 線条体ファントムの構成は線条体部 4 室,脳実質部 (back ground 領域,以下 BG 領域)1 室,脳室,頭蓋骨 部である.線条体部は正常ボランティア頭部 MR 画 像の T1強調画像,T2強調画像から線条体の輪郭を尾 状核と被殻に分けて抽出し,そのデータから 3D プリ ンタにて左右線条体の尾状核と被殻の独立した 4 室と した16)(Fig. 1). 1-3 線条体ファントムの収集・撮影条件 1-3-1 線条体ファントムに封入する123I 溶液 線条体ファントムに封入する123I 溶液の放射能濃度 は以下のように設定した.正常ボランティアの DAT SPECT 画像で(右尾状核):(左尾状核):(左被殻): (BG 領域)の最大カウント比は 5.83:5.92:5.10:1.00 であった.右側優位の軽度パーキンソン症候群と診断 された患者の(右尾状核):(左尾状核):(左被殻): (BG 領域)の最大カウント比は 3.40:3.23:2.45:1.00 であった.123I 溶液をファントムに封入した SPECT 画像の尾状核と被殻の平均カウントと BG 比率が右尾 状核と被殻が正常集積,左尾状核と被殻が軽度パーキ ンソン症候群の患者で同様の比率になるように予備実 験を行って検討した結果,封入する123I 溶液の放射能 比は(右尾状核と右被殻):(左尾状核):(左被殻): (BG 領域)=8.53:4.72:3.58:1.00 となった.ファント ムに封入した123I 溶液の放射能濃度は右尾状核と右被 殻が 1.41 MBq/ml,左尾状核が 0.83 MBq/ml,左被殻 が 0.61 MBq/ml,BG 領域が 0.15 MBq/ml であった. 123I 溶液を封入した線条体ファントムは以下の 3 条件 で SPECT と CT を撮像した. ① アクリル容器を装着した頭蓋骨部なし(以下 non bone) ② 高齢女性骨を装着する(以下 female bone) ③ 男性骨を装着する(以下 male bone) 1-3-2 SPECT収集条件と CT 撮影条件 臨床で行われている DAT SPECT と同様に線条体 ファントムの SPECT および CT 撮像を行った. SPECT 収集条件は設定エネルギーウィンドウにメイ ンウィンドウ 159 keV±10%,TEW 法のサブウィンド ウはメインウィンドウの両サイドにそれぞれ 7%を設 定した.マトリクスは 128´128,ピクセルサイズは 1.7 mm,収集角度間隔 4 度,連続収集モードで行った. 収集時間は臨床条件と同等のカウントが得られる時間 とした.CT の撮影条件は管電圧 120 kV,管電流は自 動管電流調整機構を用いた.マトリクスは 512´512, 設定スライス厚 0.6 mm,ピッチ 1.5 mm である. 1-4 SPECTと CT 画像再構成条件 SPECT の画像再構成法はフィルタ補正逆投影(fil-tered back projection: FBP)法を用いた.前処理フィ ルタとして butterworth フィルタ(次数:4,遮断周波 数:0.12 cycles/pixel)を使用した.減弱補正は Chang 法および CT-AC 法を使用した.Chang 法で減弱補正 を行う範囲によって測定値が変化することを確認する ために,2 種類の輪郭を作成した.一つは投影データに 閾値(thresh hold: TH)12%を設定して輪郭を決めた (以下 Chang TH)(Fig. 2a 一点破線).Chang TH はす べて閾値 12%を用いた.もう一つはファントム頭蓋 Left caudate nucleus Right caudate nucleus

Fig. 1 Striatul phantom.

The striatum has four chambers separated into left and right caudate nucleus and putamen. Besides, there is brain parenchyma as BG region and ventricle.

(4)

骨部を計測(楕円体長軸=21 cm,単軸=16 cm)して手動 で輪郭を設定した(以下 Chang manual)(Fig. 2b 破線).

TEW 法の散乱補正あり,なしを SC+,SC-とした. Table 1 に示す頭蓋骨ファントムと五つの画像再構成 条件で SPECT 画像再構成を行った.SC-Chang

man-ual ではブロードビーム法として減弱係数 0.07 cm-1 を用いた.CT 画像の画像再構成関数は線質硬化補正 のある H31s を使用した. 1-5 線条体ファントムの測定 1-5-1 SPECTカウント SPECT および CT 撮像を行った画像を,MIRADA を使用し位置合わせを行った.位置合わせを行った CT 画像(512´512 マトリクス)に MATLAB で自作し たプログラムで右尾状核(V1),右被殻(V2),左尾状核 (V3),左被殻(V4)それぞれに関心領域(region of in-terest: ROI)を設定し左右の線条体ごとの体積を求 めた. 左右尾状核と被殻それぞれが存在する画像の左右後 頭部領域に BG 領域として ROI を設定し(V5,V6),そ れぞれの体積を測定した.更に SPECT 画像は部分容 積効果により SPECT 装置(FANHR 使用時)の空間分 解能の 1/10 幅(full width at tenth maximum: FWTM) だけ暈けると考えて,尾状核および被殻のそれぞれの 全カウントが計測できるように左右尾状核と被殻それ

ぞ れ の ROI を FWTM の 1/2 だ け 拡 張 し た. FWTM/2 拡張した左右それぞれの尾状核と被殻の ROI を結合し右線条体 ROI1,左線条体 ROI2,BG 領 域 ROI3,4 とした(Fig. 3).Table 1 の条件で画像再 構成したすべての SPECT 画像に右線条体 ROI1,左 線条体 ROI2,BG 領域の ROI3,4 を設定し,それぞれ の ROI 内のトータルカウントを測定した.得られた トータルカウントは123I 溶液の放射能が male bone の 撮像開始時刻に換算されるように減衰補正を行った. CT 画像で測定した線条体の体積で除し,左右それぞ れ体積あたりの計数値を算出した.体積あたりの non bone の計数値と female bone,male bone の差率を Table 1 の画像再構成条件それぞれで計算した. 1-5-2 SBR DAT SPECT の定量および画像正規化ビューワ: DaT View(日本メジフィジックス株式会社)を用いて SBR を算出する.本ソフトウェアで Bolt の方法14, 15) を用いた SBR(以下 SBRBolt)を求めた.一方で 1-5-1 の 方法で求めた体積あたりの計数値から算出した SBR を SBRactとした.Fig. 3b の ROI1 と ROI2 には脳室が

含まれるので SBRactを算出する際に脳室部分はこの

計算から除外する.SBRactは(2)式で計算した.

􀁓􀁂􀁒􀁡􀁣􀁴􀀽􀁛􀁻􀁎􀁳􀁴􀁯􀁴􀁡􀁬􂈒􀁂􀁇􀃗(􀁓􂈒􀁓􀁎)􀁽􀀯􀁖􀁝􀀯􀁎􀁂􀁇 (2)

Nstotal:線条体 ROI のトータルカウント(counts)

BG:BG 領 域 の ピ ク セ ル あ た り の 平 均 カ ウ ン ト (counts/pixel)

S:線条体 ROI のピクセル数(pixel)

SN:線条体 ROI に含まれる脳室のピクセル数(pixel)

V:線条体の容積(ml)

Fig. 2 Attenuation correction range of Chang method. (a) The outline was determined by setting a threshold

value of 12% to the projection data (Chang TH). (b) The phantom skull part was measured and set with

ellipsoid long axis=21 cm and horizontal axis=16 cm (Chang manual).

Table 1 Skull phantoms and image reconstruction conditions of SPECT

Skull phantom Image reconstructioncondition of SPECT Non bone

(with acrylic container) SC+CT-ACSC+Chang TH SC+Chang manual SC-Chang manual

SC-AC-Female bone (with female bone)

Average CT value: 496.03 HU SC+CT-AC SC+Chang TH SC+Chang manual SC-Chang manual SC-AC-Male bone (with male bone)

Average CT value: 728.44 HU SC+CT-AC SC+Chang TH SC+Chang manual SC-Chang manual

(5)

SC-AC-NBG:BG 領 域 の 単 位 体 積 あ た り の 平 均 カ ウ ン ト (counts/ml) 線条体ファントムに封入した123I 溶液の放射能濃度 から求めた SBR を真の SBR として SBRact,SBRBoltの 真の SBR からの誤差率をそれぞれ計算した. 2.結 果 2-1 頭蓋骨 CT 値の測定結果 前頭蓋底より頭頂方向へ,頭頂部ドーム構造を含ま な い 領 域 で の 高 齢 女 性 頭 蓋 骨 の CT 値 の 平 均 は 819.44±56.12 HU,厚さ平均は 7.51±0.60 mm であっ た.一方男性頭蓋骨の CT 値の平均は 845.95±64.11 HU,厚さ平均は 7.72±0.52 mm であった(Table 2). a b

Fig. 3 ROIs of striatum.

(a) ROIs on the CT image.

The CT image and SPECT image (b) were registered via MIRADA. The right caudate nucleus (V1), right putamen (V2), left caudate nucleus (V3), left putamen (V4) and left and

right BG regions (V5, V6) were set on the CT image.

(b) ROIs on the SPECT image.

The right caudate nucleus (V1), right putamen (V2), left caudate nucleus (V3), left putamen

(V4) set in the CT image were expanded by FWTM/2. V1and V2were combined to form

the right striatum (ROI1), V3and V4were combined to form the left striatum (ROI2).

(a)

Case No. Age thickness (mm)Mean skull value (HU)Mean CT 1 38 7.47 820.76 2 22 7.14 867.54 3 23 7.44 757.95 4 22 8.91 709.11 5 23 7.60 939.51 6 25 7.08 817.08 7 28 7.67 881.46 8 21 7.96 895.39 9 23 8.27 883.21 10 23 7.82 822.99 11 39 7.29 891.61 12 24 7.99 864.79 Average 25.9±6.1 7.72±0.52 845.95±64.11 (b)

Case No. Age thickness (mm)Mean skull value (HU)Mean CT 1 72 6.90 829.10 2 67 7.30 765.90 3 75 7.70 792.20 4 68 7.70 862.00 5 71 6.40 772.60 6 75 7.80 911.60 7 74 8.40 824.30 8 76 7.70 842.30 9 68 7.10 847.10 10 60 6.60 861.80 11 70 8.40 940.30 12 72 7.00 775.00 13 77 7.40 745.20 14 78 8.20 786.40 15 66 7.70 752.60 16 73 7.90 802.60 Average 71.4±4.7 7.51±0.60 819.44±56.12 Table 2 Measured results of skull thickness and CT values

(6)

2-2 頭蓋骨ファントムについて Figure. 4 に作成した頭蓋骨ファントムを示す.2-1 の結果から頭蓋骨 CT 値の範囲のうち下限値を高齢女 性頭蓋骨平均 CT 値から 2SD 減じた 707.20 HU,上限 値を男性頭蓋骨の平均 CT 値に 2SD 加算した 974.17 HU にした.ファントム作成時の強度を確保するため に厚さ 1 cm に換算した作成目標 CT 値は,female bone が 531.28 HU,male bone が 752.07 HU となっ た.作成した 2 種類の頭蓋骨ファントムの CT 値測定 結果は,female bone の平均 CT 値が 496.03 HU,male bone が 728.44 HU であった.

2-3 線条体ファントムの測定結果

2-3-1 SPECTカウント

Table 1 の 条 件 で 画 像 再 構 成 し た そ れ ぞ れ の SPECT 画像に 1-5-1 の方法で計測した右線条体の体 積あたりの計数値を Fig. 5a,体積あたりの non bone の計数値と female bone ,male bone それぞれの差率 を Fig. 5b に示す.右線条体の non bone の計数値と female bone,male bone それぞれの差率は SC+CT-AC が最も小さかった.左線条体の体積あたりの計数値を Fig. 5c,体積あたりの non bone の計数値と female bone,male bone それぞれの差率を Fig. 5d に示す. 左線条体も同様に non bone の計数値と female bone, male bone それぞれの差率は SC+CT-AC が最も小さ かった.

2-3-2 SBR

Table 1 の 条 件 で 画 像 再 構 成 し た そ れ ぞ れ の SPECT 画像の右線条体の SBRactを Fig. 6a,SBRBoltを

Fig. 6b に示す.左線条体の SBRactを Fig. 6c,SBRBolt

を Fig. 6d に示す.Figure. 6 中の破線は真の SBR(右 SBR=8.24,左 SBR=3.57)を示す.右線条体の SBRact,

SBRBoltの真の SBR からの誤差率をそれぞれ Fig. 7a,

Fig. 7b に示す.また左線条体の SBRact,SBRBoltの真

の SBR からの誤差率をそれぞれ Fig. 7c,Fig. 7d に示 す.SBRactは Table 1 のほぼすべての条件で SBRBolt

より誤差率が小さい結果となった. 3.考 察 男性骨と高齢女性骨の厚さ 1 cm に換算した作成目 標 CT 値 は,高 齢 女 性 骨 が 531.28 HU,男 性 骨 が 752.07 HU であったが,作成した頭蓋骨ファントムの CT 値測定結果は,female bone の平均 CT 値が 496.03 HU,male bone が 728.44 HU であった.作成目標 CT 値から female bone が 6.63%,male bone が 3.14%の 差であり,十分に男性骨と高齢女性骨の頭蓋骨密度の 影響が反映できると考える.

Figure. 5a,Fig. 5c より SC+CT-AC 以外の容積あ たりのカウントは non bone,female bone,male bone の順で低くなっているので,頭蓋骨の骨密度が高いほ ど減弱の影響が大きいことを示している.一方 SC+ CT-AC は体積あたりの non bone の計数値と female bone,male bone の差率が最も小さく,骨密度の違い による減弱補正の違いが最小であった(Fig. 5).頭部 SPECT の定量には頭蓋骨を含む不均一減弱マップに よる減弱補正が必要であるとの報告17, 18)がある.しか しながら頭蓋骨による減弱の影響を厳密に評価した論 文はない.われわれはこれまで,頭蓋骨の影響は無視 できないことを報告してきた10~12).今回作成した頭蓋 骨ファントムは頭蓋骨の骨密度の違いの影響が評価で きることを示しており,本研究の部分容積効果により 暈けて広がったカウントを含めて測定する方法での骨 密度の違いの影響は,SC+CT-AC でよりよく軽減でき たと考えられる. SBR に関して,松田によると DaT View の解析は部 分容積効果の影響を受けにくいとされているが,部分 a b c

Fig. 4 Skull phantom.

There are holes in the skull phantom, because there are screws for enclosing the123I solution in the striatal phantom.

(a) Female bone (average CT value: 496.03 HU), (b) Male bone (average CT value: 728.44 HU), (c) Acrylic container for non bone

(7)

Counts Counts

Fig. 5 The count value of striatal on SPECT images.

(a) The count value (counts/ml) of the right striatum (ROI1)

(b) The difference with non bone’s count value and female’s and male’s count value in ROI1 (c) The count value (counts/ml) of the left striatum (ROI2)

(d) The difference with non bone’s count value and female’s and male’s count value in ROI2

Fig. 6 SBRactand SBRBolt.

The broken line in the graph shows the true SBR calculated from the enclosed radioactivity concentration. (a) SBRactof right striatum, (b) SBRBoltof right striatum, (c) SBRactof left striatum, (d) SBRBoltof left striatum

a c

b d

a c

(8)

容積効果により最大カウントが低下しているので SBR は小さくなると報告している19).亀井山らによ ると DaT View で散乱・減弱補正を行うと SBR が上 昇し,診断能が向上することが報告6)されている.ま たコリメータ開口補正を行うと SBR が上昇するので 診断能向上に有効とされているが6),SPECT における コリメータ開口補正により放射能濃度と SPECT 値の 直線性が保たれる報告はなく,単に画像のコントラス トを強調する目的で使用されることが多い.したがっ て今回われわれは厳密なファントム評価を行うためコ リメータ開口補正は行わなかった.また亀井山らの報 告6)と同様に補正なしに比べ SBR は上昇し,Chang 法で減弱補正を行う範囲によって測定値が変化した. Chang 法のうち閾値で設定した Chang TH が真の SBR との誤差率が最も小さい(Fig. 7).しかしながら Fig. 2a に示すように Chang TH の減弱範囲は頭蓋骨 と脳実質の間に設定されている.この減弱範囲は頭部 より小さいので減弱補正が過小評価となっているため SBR が偶然真値に近づいたと考える.また Chang TH と Chang manual の結果に違いが生じており, Chang 法の減弱補正は減弱範囲の設定が結果に大き な影響を与えることを示しており,再現性に問題があ ると考える.一方 Bolt の方法では部分容積効果の影 響で,SBR としては上昇しているが,Fig. 7 に示すよ うに真の SBR との誤差は SBRactより大きく,依然過 小評価されていると考えられる. われわれは始めに CT 画像で尾状核と被殻に ROI 設定し容積を求めた.SPECT 画像の部分容積効果の 影響を補正するために,CT 画像に設定した ROI を FWTM/2 拡張した ROI で線条体全体の123I 溶液のカ ウントを測定し容積あたりの放射能濃度(counts/ml) を算出し SBRactを求めた.SBRactと真の SBR の比較 結果では三つの方法(CT-AC,2 種類の Chang 法)が 真の SBR(右:8.24,左:3.57)に最も近かった(Fig. 6a, Fig. 6c).このとき SBRactを求める(2)式において線 条体部の BG の推定で脳室部のピクセル数(SN)を除外 している.本研究では簡便のため脳室部(コールド部)の 部分容積効果の影響を無視した.この結果三つの方法 の SBRactはどれも過小評価している可能性があり,より 厳密な脳室部除去の方法の検討は今後の課題である. Figure 7a はカウントが多い右線条体での SBRactと 真の SBR の誤差率を表している.減弱補正なしの

SBRactの誤差率は CT-AC と Chang 法の減弱補正に比

べて極めて大きい.CT-AC と Chang 法の減弱補正の

Fig. 7 The error rate with true SBR.

(a) The error rate from true SBR of right striatum SBRact, (b) The error rate from true SBR of right striatum

SBRBolt, (c) The error rate from true SBR of left striatum SBRact, (d) The error rate from true SBR of left

striatum SBRBolt

a c

(9)

算の(2)式で分子,分母のカウントはそれぞれ頭蓋骨 の減弱の影響を受けているので,相殺されると考えら れる.したがって SBRactは本来頭蓋骨の骨密度の影 響を緩和する効果があると考えられる.また SBRact は SBRBoltよりも誤差率が小さく緩和効果を有効に反 映した結果となっている. 今回われわれは線条体を尾状核と被殻に分離した SBR の評価を行っていない.パーキンソン病やレ ヴィー小体型認知症では線条体のうち尾状核と被殻が DAT SPECT で異なる集積低下となることが報告20) されている.部分容積効果の影響が除かれた ROI で 課題である. 4.結 語 われわれは頭蓋骨の影響は無視できないと考え,実 際の骨密度の違いを測定してその骨密度と範囲を再現 した 2 種類の頭蓋骨ファントムを試作した.本ファン トムでは123I-FP-CIT SPECT で頭蓋骨密度が変化して も散乱補正や減弱補正ができ,SBR への影響を評価で きる可能性が示唆された.

TEW 法,CT-AC 法と SBRactの組み合わせが部分

容積効果を最も補正できる可能性が示唆された.

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参考文献

問合先

〒470-1192 豊明市沓掛町田楽ケ窪 1-98 藤田保健衛生大学病院放射線部 石黒雅伸

Fig. 1 Striatul phantom.
Fig. 2 Attenuation correction range of Chang method. (a) The outline was determined by setting a threshold
Fig. 3 ROIs of striatum.
Table 1 の 条 件 で 画 像 再 構 成 し た そ れ ぞ れ の SPECT 画像に 1-5-1 の方法で計測した右線条体の体 積あたりの計数値を Fig. 5a,体積あたりの non bone の計数値と female bone ,male bone それぞれの差率 を Fig
+3

参照

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