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ASEAN 10 カ国アセアン工学系高等教育ネットワークプロジェクトフェーズ 4 詳細計画策定調査報告書 平成 30 年 2 月 (2018 年 ) 独立行政法人国際協力機構 人間開発部 人間 JR

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束幅変更済 4mm 平成 30年 2月   独立行政法人国際協力機構 ASEAN 10カ国アセアン工学系高等教育ネットワークプロジェクト フェーズ 4詳細計画策定調査報告書

ASEAN 10カ国

アセアン工学系高等教育ネットワーク

プロジェクト フェーズ 4

詳細計画策定調査報告書

平成 30 年 2 月

(2018 年)

独立行政法人国際協力機構

人間開発部

人 間

JR

18-038

(2)

ASEAN10 カ国

アセアン工学系高等教育ネットワーク

プロジェクト フェーズ4

詳細計画策定調査報告書

平成 30 年 2 月

(2018 年)

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目 次

地 図 略語表 事業事前評価表 第1章 調査の概要 ··· 1 1-1 調査の背景と目的 ··· 1 1-2 調査方針及び内容 ··· 2 1-3 調査の団員構成 ··· 2 1-4 調査日程 ··· 2 1-5 主要面談者 ··· 2 第2章 技術協力プロジェクトの基本計画 ··· 6 2-1 上位目標 ··· 6 2-2 プロジェクト目標 ··· 7 2-3 成果と活動 ··· 7 2-4 外部条件 ···11 2-5 プロジェクトの投入 ···11 2-5-1 日本側の投入 ···11 2-5-2 メンバー国・メンバー大学側の投入 ··· 12 2-5-3 ASEAN 関係機関 ··· 12 2-6 実施体制 ··· 12 2-6-1 メンバー大学・本邦支援大学の構成 ··· 12 2-6-2 ホスト大学と受入分野 ··· 13 2-6-3 運 営 ··· 14 2-7 ターゲットグループ ··· 14 2-8 プロジェクト期間 ··· 15 2-9 プロジェクト実施上の留意点 ··· 15 2-10 他プロジェクトとの関連 ··· 17 2-10-1 日本の援助関連事業 ··· 17 2-10-2 その他 ··· 17 第3章 プロジェクト実施の妥当性 ··· 20 3-1 妥当性 ··· 20 3-1-1 フェーズ 4 実施の妥当性 ··· 20 3-1-2 政策面での妥当性 ··· 20 3-2 有効性 ··· 22 3-3 効率性 ··· 23

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3-4 インパクト ··· 23 3-4-1 上位目標の達成見込み ··· 23 3-4-2 その他のインパクト ··· 24 3-5 持続性 ··· 24 3-5-1 政策・制度面 ··· 24 3-6 結 論 ··· 25 3-7 貧困・ジェンダー、環境への配慮 ··· 26 3-8 過去の類似案件からの教訓の活用 ··· 26 3-9 今後の評価計画 ··· 26 付属資料 討議議事録 ··· 29

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地 図

※域内メンバー大学の略語は略語表を参照 日本 ・ 北海道大学 ・ 東京大学 ・ 東京工業大学 ・ 政策研究大学院大学 ・ 豊橋技術科学大学 ・ 京都大学 ・ 九州大学 ・ 慶應義塾大学 ・ 早稲田大学 ・ 芝浦工業大学 ・ 東海大学 ・ 大阪大学 ・ 東北大学 ・ 名古屋大学 ベトナム ・ HUST ・ HCMUT フィリピン ・ UP ・ DLSU ・ MSU-IIT ブルネイ ・ ITB (BRU) ・ UBD インドネシア ・ UGM ・ ITB (INA) ・ UI ・ SIT シンガポール ・ NUS ・ NTU マレーシア ・ UM ・ USM ・ UTM ・ UPM カンボジア ・ ITC タイ ・ CU ・ KMITL ・ BUU ・ TU ・ KU ミャンマー ・ YU ・ YTU ラオス ・ NUOL

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略 語 表

略語 英文表記/現地語表記 和文表記 ASEAN Association of Southeast Asian Nations 東南アジア諸国連合 AUN ASEAN University Network ASEAN 大学ネットワーク AUN/

SEED-Net

ASEAN University Network/Southeast Asia Engineering Education Development Network

アセアン工学系高等教育ネットワ ーク

CI Co-Investigator 共同研究者 CRC Collaborative Research Program for Common

Regional Issues

域内共通課題解決に向けた共同研 究

CRI Collaborative Research Program with Industry 産業界との共同研究 JSU Japanese Supporting University 国内支援大学 MI Member Institutions メンバー大学 MOU Memorandum of Understanding 覚書

PI Principal Investigator 代表研究者

メンバー大学

BUU Burapha University ブラパ大学(タイ)

CU Chulalongkorn University チュラロンコン大学(タイ) DLSU De La Salle University デラサール大学(フィリピン) HCMUT Ho Chi Minh City University of Technology ホーチミン市工科大学(ベトナム) HUST Hanoi University of Science and Technology ハノイ科学技術大学(ベトナム) ITB(BRU) Institut Teknnologi Brunei ブルネイ工科大学(ブルネイ) ITB(INA) Institut Teknologi Bandung バンドン工科大学(インドネシア) ITC Institute of Technology of Cambodia カンボジア工科大学(カンボジア) KMITL King Mongkut’s Institute of Technology

Ladkrabang

モンクット王工科大学ラカバン校 (タイ)

KU Kasetsart University カセサート大学(タイ) MSU-IIT Mindanao State University-Iligan Institute of

Technology

ミンダナオ州立大学-イリガン工科 大学(フィリピン)

NTU Nanyang Technological University ナンヤン工科大学(シンガポール) NUOL National University of Laos ラオス国立大学(ラオス)

NUS National University of Singapore シンガポール国立大学(シンガポー ル)

SIT Institut Teknologi Sepuluh Nopember スラバヤ工科大学(インドネシア) TU Thammasat University タマサート大学(タイ)

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UBD Universiti Brunei Darussalam ブルネイ大学(ブルネイ) UGM Universitas Gadjah Mada ガジャマダ大学(インドネシア) UI Universitas Indonesia インドネシア大学(インドネシア) UM Universiti Malaya マラヤ大学(マレーシア)

UP University of the Philippines-Diliman フィリピン大学ディリマン校(フィ リピン)

UPM Universiti Putra Malaysia マレーシア・プトラ大学(マレーシ ア)

USM Universiti Sains Malaysia マレーシア科学大学(マレーシア) UTN Universiti Teknologi Malaysia マレーシア工科大学(マレーシア) YTU Yangon Technological University ヤンゴン工科大学(ミャンマー) YU Yangon University ヤンゴン大学(ミャンマー)

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事業事前評価表

1.案件名

国 名:インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレ ーシア、ミャンマー、ラオス

案件名:和名 アセアン工学系高等教育ネットワークプロジェクト フェーズ 4

英名 ASEAN University Network/Southeast Asia Engineering Education Development Network (AUN/SEED-Net)Project Phase 4

2.事業の背景と必要性

(1)当該国における高等教育セクターの現状と課題

アセアン工学系高等教育ネットワーク(以下、「AUN/SEED-Net」と記す)は、2001 年に ASEAN 大学ネットワーク(ASEAN University Network:AUN)のサブネットワークとして設立され、現 在は26 のメンバー大学と日本の 14 の支援大学で構成されている。2003 年 3 月に開始された本ネ ットワークを支援するJICA 技術協力プロジェクトは、現在、フェーズ 3(2013 年 3 月~2018 年 3 月)を実施中であり、東南アジア諸国連合(ASEAN)の持続的発展のために必要な高度人材の 育成のため、ASEAN 域内の工学系大学の教育・研究能力の向上を図り、ASEAN と日本の学術的 ネットワークの構築・拡充を目的とした活動を実施中である。フェーズ3 における主な成果は以 下のとおりである。 • メンバー大学教員の教育・研究能力向上のため406 名の将来の教員のための奨学金支援。113 件以上のリサーチプロジェクトの実施 • ASEAN メンバー大学、本邦大学、企業との学術ネットワークの形成・強化のため、工学学術 会議の開催、ジャーナル発行、産学連携セミナーを実施 • 地域共通課題解決のため環境、温暖化対策、自然災害分野などで45 件の研究プロジェクトを 実施。具体的な活用が進みつつある。 • 東南アジア地域の産業の発展への研究を通じた貢献として企業と連携した47 件の研究プロジ ェクトを実施。成果の商品化、現地適用化、生産性の向上など活用が進みつつある。具体的 には、インドネシアにおける現地に適した技術レベルと費用で開発された地滑り早期警報シ ステム、ベトナムにおける、現地の素材を活用した同国の気候に適した河岸工事用の素材開 発等が挙げられる。 こうしたフェーズ3 の成果に基づき、 フェーズ 4 の協力計画案を検討し事前評価を行うために 詳細計画策定調査を実施し、必要な情報を収集・分析することとなった。本調査の結果、高い妥当 性、有効性が認められ、プロジェクト終了後に日本企業への貢献を含め多くのインパクト発現が 期待されることが確認された。一方、財政面については現状の規模・活動レベル維持のために外 部資金の確保が不可欠である旨が指摘された。また、2015 年 8 月に実施したフェーズ 1、フェー ズ2 の事後評価においても、財政面での自立継続性が低い点が指摘されている1。 これまでの実績の更なる発展、持続発展性強化、日本企業との更なる連携強化の観点からフェ 1 同事後評価報告書によると、政策面・技術面の高い持続性が認められている。課題となっている財政面では、メンバー大学の財 政負担はフェーズ2 の年平均額 73 万米ドルから 2014 年には 126 万米ドルへと大幅に増加している。フェーズ 4 では授業料、入 学金は各メンバー大学による全額負担となるため、財政面での自立継続性の更なる向上が期待される。

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ーズ4 では以下の取り組みを行う。 • これまでに構築したネットワークの強化拡大 →奨学金プログラムでのメンバー大学の更なる経費負担増(授業料、入学金等) →非メンバー大学、他の本邦大学も含めた柔軟な共同教育プログラムへの支援と、参加大学 が自立発展させるコンソーシアムの構築支援 →奨学金修了生へのフォローアップ強化(同窓会支援) →教員人材育成からトップ人材育成への転換(修士から博士へシフト) • 持続発展性強化に向け、事務局中心の事業実施から分散型/分権型事業実施への転換(共同教 育プログラム、同窓会プログラム) • 日本企業を含めた産業界との連携強化 →共同教育プログラムに日本企業が参画することにより、企業側も ASEAN の優秀な学生の 採用可能性を拡大 →産学連携共同研究に日本企業が参画することにより、製品の現地化、技術の適応化も視野 に入れた人的・技術的交流に貢献 (2)当該地域における高等教育分野の開発政策と本事業の位置づけ

ASEAN は、「ASEAN+3 協力ワークプラン(2007~2017 年)」や「ASEAN+3 教育行動計画(2010 ~2017 年)」で、ASEAN の大学ネットワークである AUN を通した高等教育の強化を打ち出して いる。AUN/SEED-Net は AUN のサブネットとして位置づけられており、ASEAN の政策に合致し ている。さらに「ASEAN Socio-Cultural Community Blueprint 2025」では「創造的で革新的で対応 力のあるASEAN」をめざして、「高等教育機関の質と競争力向上にあたり ASEAN 域内及び国際 的な協調を強化する」ことが目標として掲げられており、本事業はこの目標に貢献することがで きる。 メンバー国の政策については、先発 ASEAN 諸国の大学は国際的な競争力の向上を重視してお り、本事業による大学の国際化・高度化推進はこのニーズに応えている。具体的には、2007 年に マレーシア政府が発表した「高等教育戦略計画(2007~2020)」では国際化の重視、研究改革の推 進、国際的競争力の向上が重視されている。メンバー大学工学部長への聞き取り調査の結果、先 発 ASEAN 諸国では、大学の国際的な競争力向上、産業人材育成、産業生産性向上、留学生受入 促進等が重要課題となっている。後発 ASEAN 諸国は、まずは大学教育の質の向上をめざしてい る。カンボジアでは ASEAN の基準に沿った科学技術・工学プログラムの強化と産業のニーズに 沿った人材開発を目的とし、ラオスでは ASEAN やその他の国との国際共同研究の増加、労働市 場の要求に応える高等教育の発展をめざしている。ミャンマーでも国際基準を満たす教育環境の 整備と大学教育の質の向上を目標に掲げている。ベトナムも同様に、大学教育の質の向上を重視 している。したがって、大学の教育の質向上をめざす本事業は後発ASEAN 諸国のニーズとも一 致している。 メンバー大学のニーズについては、先発 ASEAN のメンバー大学のニーズは国ごとに多少の焦 点の違いはあるものの、主に国際化と産学連携の促進を重要課題としており、本事業との整合性 は高い。マレーシアは留学生の増加による国際化と、産学連携の促進による研究費の確保が大き

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なニーズとなっている。タイは留学生や国際プログラムの増加による国際化と産学連携による産 業人材育成をめざしている。フィリピン・インドネシアは国際(共同)プログラムの推進による 国際化と産学連携促進を目標に掲げている。またほとんどのメンバー大学は国際的な大学ランキ ングの向上をめざしている。また、後発 ASEAN については、ミャンマー・ラオス・カンボジア では高位学位を取得している教員の割合は高まっているが、分野によっては依然教員の高位学位 取得に関するニーズが大きく、教育能力の向上が最優先課題となっている。一方、ベトナムでは 博士号を取得した教員が増加してきていることから、産学連携の促進や研究能力の向上、国際的 な研究社会への参加をニーズとして挙げている。したがって、本事業は後発 ASEAN 諸国におけ るメンバー大学のニーズとの整合性も高い。 (3)高等教育分野に対するわが国及び JICA の援助方針と実績 日本政府の平成29 年度の 3 つの開発協力重点方針の一つである「途上国とともに質の高い成長 をめざす経済外交・地方創生への貢献」という重点方針の中で「日本型工学教育をはじめとする 日本の強みを発展途上国に普及させるとともに、これを活かしながら発展途上国の人材育成に重 層的に貢献する」ことを掲げている。特に、アジアにおいては産業人材育成イニシアティブ(留 学等を通して4 万人の産業人材育成を行う)に沿った協力の促進を求めている。産業人材を供給 する ASEAN の大学の能力強化と産学連携を通した産業人材育成という点から、本事業は日本政 府の方針に合致したものといえる。日本は ASEAN の高等教育分野で豊富な協力経験があり実績 を上げているため、日本政府と日本の大学がAUN/SEED-Net を支援することも妥当性が高い。 JICA は本邦大学の協力を得ながら、途上国における大学の教育・研究能力の向上を通して、当 該国の人材育成と当該国・地域が抱える開発課題の解決に貢献していくことを方針としている。 この方針のもと、本事業の過去フェーズ及び過去5 年間に ASEAN 諸国で実施された高等教育分 野の主な協力案件は以下のとおりである。 <主な実績> 【技術協力プロジェクト】 • AUN/SEED-Net プロジェクトフェーズ 1 (2003 年 3 月~2008 年 3 月) • AUN/SEED-Net プロジェクトフェーズ 2 (2008 年 3 月~2013 年 3 月) • AUN/SEED-Net プロジェクトフェーズ 3 (2013 年 3 月~2018 年 3 月) • ラオス国立大学IT サービス産業人材育成プロジェクト(2008 年 12 月~2012 年 11 月) • ベトナム・ホーチミン市工科大学地域連携機能強化プロジェクトフェーズ2(2009 年 3 月~2012 年9 月) • カンボジア工科大学教育能力向上プロジェクト(2011 年 10 月~2015 年 10 月) • ミャンマー工学教育拡充プロジェクト(2013 年 10 月~2018 年 10 月) • マレーシア日本国際工科院整備事業(2013 年 7 月~2018 年 7 月) 【有償資金協力】 • インドネシア・バンドン工科大学整備事業(2009 年 1 月~2015 年 9 月) • マレーシア日本国際工科院整備事業(2011 年 12 月~2018 年 6 月) • ガジャマダ大学産学連携施設整備事業(2017 年 11 月~2022 年 12 月)

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【無償資金協力】 • カンボジア工科大学地圏資源・地質工学部教育機材整備計画(2011 年 8 月~2014 年 6 月) • ミャンマー工科系大学拡充計画(2014 年 8 月~2017 年 6 月) (4)他の援助機関の対応 メンバー大学はそれぞれ欧米・日本・中国・韓国などの大学と協力合意書等を締結して、留学 プログラムや教員・学生交流を実施している。また、ASEAN 地域では、大学間でコンソーシア ムを形成して留学や学術交流を行う取り組みが複数みられる。規模と事業コンポーネントの類似 性という点から、AUN/SEED-Net に近い取り組みとしては、EU による Erasmus Mundus がある が、工学系に絞った支援はAUN/SEED-Net のみである。日本は同分野における比較優位を有して いると考えられ、本案件を実施する意義は高い。また、カンボジア工科大学を対象とした他国に よる支援など多様な形態があり、テーマ・分野によっては協力・連携が可能である。 3.事業概要 (1)事業目的(協力プログラムにおける位置づけを含む) 本事業は、国内大学14 校からの支援を得つつ ASEAN10カ国の中核的な工学系メンバー大学 26 校の教育・研究機能の向上を図ってきた。第4 フェーズにおいては、この大学間ネットワークを 更に強化拡大するため持続発展性及び産業界との連携促進の観点を重視し、ネットワークの財政 面、運営体制面の安定を図ると同時に、高度な研究・教育実施体制整備と産学連携強化を目的と する。それらをもって東南アジア地域において、産業の高度化とグローバル化、並びに地域共通 課題への取り組み促進に寄与するものである。 (2)プロジェクトサイト/対象地域名 1)バンコク(チュラロンコン大学内プロジェクト事務局) 2)ASEAN10 カ国 26 大学 a. タイ: チュラロンコン大学、モンクット王工科大学ラカバン校、ブラパ大学、タマサート大 学、カセサート大学 b. フィリピン:フィリピン大学ディリマン校、デラサール大学、ミンダナオ州立大学・イリガ ン工科大学 c. インドネシア:バンドン工科大学、ガジャマダ大学、インドネシア大学、スラバヤ工科大学 d. マレーシア:マラヤ大学、マレーシア科学大学、マレーシア工科大学、マレーシア・プトラ 大学 e. ブルネイ:ブルネイ大学、ブルネイ工科大学 f. シンガポール:シンガポール国立大学、ナンヤン工科大学 g. ベトナム:ハノイ科学技術大学、ホーチミン市工科大学 h. ラオス:ラオス国立大学 i. カンボジア:カンボジア工科大学 j. ミャンマー:ヤンゴン大学、ヤンゴン工科大学

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(3)本事業の受益者(ターゲットグループ) 1)メンバー大学 26 校で本プロジェクトにより高位学位を取得する教員及び教員候補者(延べ約 600 名) 2)メンバー大学 26 校で本プロジェクト活動(共同研究、共同教育、地域学会等)に関与する教 員(延べ約6,000 名) 3)プロジェクトにより能力強化されたメンバー大学工学部で就学する学生(約 15 万人) (4)事業スケジュール(協力期間) 2018 年 3 月中旬〜2023 年 3 月中旬(計 60 カ月) (5)総事業費(日本側) 約40 億円(暫定) (6)相手国側実施機関 ASEAN10 カ国 26 メンバー大学工学部(学位プログラム、共同研究、共同教育等実施) (7)投入(インプット) 日本側の投入 1)専門家 a) 長期専門家(副チーフアドバイザーと業務調整員で合計約 300MM) • 副チーフアドバイザー • 業務調整員(共同教育、共同研究、域内奨学金プログラム、経理) b) 短期専門家 • チーフアドバイザー • 本邦教員(工学研究指導) 2)プログラム実施予算 ASEAN10カ国域内学位取得プログラム(工学修士、メンバー大学の状況に応じて負担額決定)、 本邦留学プログラム(工学博士、工学博士サンドイッチ)、共同研究、共同教育、地域会合実施 経費等 3)AUN/SEED-Net 事務局運営費(事務局職員の給与等) メンバー国・メンバー大学側の投入 1)事務局管理職員(タイ政府) • 事務局長 • 副事務局長 • 秘書 2)ASEAN 域内学位取得プログラム実施経費(ASEAN メンバー大学) 入学金、授業料についてはメンバー大学が負担することで合意済みである。以下の経費につい ては、各メンバー大学の判断に委ねるものとするが、プロジェクト継続性の観点から、極力、メ ンバー大学に負担を求める。

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a. 生活費 b. 渡航費 c. 研究活動費 d. その他必要経費 3)共同研究に係る経費全額あるいは部分負担(メンバー大学の状況に応じて負担額決定) 4)管理事務職員(メンバー大学) 5)AUN/SEED-Net 事務局運営費(チュラロンコン大学) オフィススペース、光熱水道費の部分負担 (8)環境社会配慮・貧困削減・社会開発 1)環境に対する影響/用地取得・住民移転 ① カテゴリ分類(A、B、C を記載):C ② カテゴリ分類の根拠:本事業は、「国際協力機構環境社会配慮ガイドライン」(2010 年 4 月 公布)上、環境への望ましくない影響は最小限であると判断される。 2)ジェンダー平等推進・平和構築・貧困削減 これまでの活動においても、各メンバー大学からの活動参加者には女性も多く含まれている。 フェーズ4 においても同様に、ジェンダーバランスに配慮するとともにメンバー大学、国内支援 大学の大学教員等関係者とより具体的なジェンダー主流化のための活動について検討する。 3)その他 特になし (9)関連する援助活動 1)わが国の援助活動 「2.(3)高等教育分野対するわが国及び JICA の援助方針と実績」に記載のとおりであり、 これまでに豊富な協力実績がある。特に、ミャンマー工学教育拡充プロジェクト、カンボジア工 科大学教育能力向上プロジェクト、マレーシア日本国際工科院整備事業、ガジャマダ大学産学連 携施設整備事業は、メンバー大学が対象となっているため、双方の連携・協力による相乗効果が 期待される。 また、本邦での留学期間中に、JICA 開発大学院連携(豊橋技術科学大学、北海道大学等)へ の参加を通じ、出身大学に戻ったあとも、本邦大学との関係を継続するとともに、当該国におけ る産業人材育成に貢献する。 2)他ドナー等の援助活動 「2.(4)他の援助機関の対応」に記載のとおりであり、本事業の活動において、適宜情報共 有や意見交換を行い、活動で連携が必要な場合は調整を行う。

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4.協力の枠組み (1)協力概要 1)上位目標と指標 • AUN/SEED-Net による広範な組織的・人的ネットワークが形成される2 • ネットワークが東南アジアの産業と地域共通課題の解決に活用される3 <指標> • AUN/SEED-Net のネットワークを活かして実現したモビリティプログラム(ダブルディグリ ー、ジョイントディグリー等)と卒業生の数 • AUN/SEED-Net のネットワークを活かした研究成果数、共同特許の数 • AUN/SEED-Net のネットワークを活かして形成された国際教育プログラムの卒業生数と技 術者として活躍する人数 2)プロジェクト目標と指標4 AUN/SEED-Net のメンバー大学間のネットワークが維持・拡大される。 <指標> • AUN/SEED-Net を通して形成された組織的・人的なネットワークの形成数、内容、参加人数5 • メンバー大学によるコストシェアの増加率(フェーズ3 実績比)6 • 外部組織による共同研究・教育プログラムへの投入額 3)成果 メンバー大学及び本邦支援大学の連携による高度な研究・教育実施体制構築のため、ASEAN10 カ国の中核的な工学系メンバー大学26 校の教育・研究機能を強化し、研究能力を備えた人材を 育成することを目的とする。そのための成果は以下のとおり。 成果1:メンバー大学と産業界、地域社会との連携が強化される7 <指標> • AUN/SEED-Net の活動を通して実現した企業・地域社会との連携件数(共同研究・教育プロ グラムに参加した企業数) • AUN/SEED-Net の活動を通して実現した企業・地域社会との連携の取り組みに参加した教 員・学生数 2 ASEAN の非メンバー大学、国内支援大学以外の大学も含めた共同教育プログラムにより、これまでに構築したネットワークが強 化拡大されることが見込まれる。 3 人的ネットワーク拡大を通して、①多様なモビリティプログラム実現、②より高位な学位を保持した卒業生増加、③研究成果数、 共同特許数増加が見込まれ、それらを通して地域共通課題解決が期待される。 4 基本的なベンチマークはフェーズ 3 として、具体的な目標値はプロジェクト開始後 6 カ月を目処に設定し、メンバー大学側と合 意する。 5 組織的なネットワークは、国際大学院プログラムや共通国際大学院プログラムなどのモビリティプログラム、学術ネットワーク、 同窓会組織などを指す。人的ネットワークは共同研究件数・参加人数、教員派遣、産学連携、SNS を通したインフォーマルなグ ループ、メンバー大学(MI)、国内支援大学(JSU)、その他の研究者、企業技術者などなんらかの形でネットワークに参加した個 人レベルのネットワークを指す。 6 メンバー大学が授業料免除等のコストシェアを行うことで、予算面からも ASEAN 側によるネットワーク維持につながる。 7 ここでは産業界を広く捉え、本邦企業、外国企業、現地企業、政府機関すべてを含む。

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成果2:メンバー大学間の連携を通して研究活動と教育を行う能力が向上する <指標> • AUN/SEED-Net 奨学金が輩出した高位学位者(修士号・博士号)の数・取得率と要した時間 • 国際または国内会議におけるAUN/SEED-Net 留学生と同窓生による研究発表の数 • 国際または国内雑誌に掲出されたAUN/SEED-Net 留学生と同窓生による研究論文の数 • 共同研究(修士・博士論文等)の指導に参画した指導教員(代表研究者/共同研究者:PI/CI) の数 • 国際共同教育プログラム(短期コース・学位プログラム等)の形成数、学生数 成果3:地域共通課題解決に資する共同研究が推進される <指標> • 地域共通課題に関する研究論文の数、研究発表の数、国際会議の開催数 成果4:メンバー大学及び本邦支援大学の組織間及び教員間の学術ネットワークが強化・拡大され る <指標> • 「ASEAN 工学ジャーナル」の発行回数、掲出論文数、学術誌としての認定度 • 形成された同窓会組織数とメンバー数・活動への参加者数、同窓会の活動内容 本プロジェクトの指標のベースラインとなる数値はフェーズ 3 の終了時評価のデータあるい はフェーズ3 完了時に AUN/SEED-Net 事務局で収集したデータとし、目標値はフェーズ 4 開始 6 カ月以内にプロジェクトで決定する必要がある。 5.前提条件・外部条件 (1)前提条件 特になし (2)外部条件(リスクコントロール) • 東南アジア地域における高度産業人材のニーズが拡大する(工学系高等教育人材の需要が高 く、プロジェクトを通して導入されたモビリティプログラムや共同教育プログラムの卒業生 に対するニーズも高いこと) • 共同教育プログラム参加大学間で単位制度等について大きな制度上の障壁が生じない(メン バー国・大学間の制度上の差異がモビリティプログラムの導入の大きな障害とならないこと) • 景気後退等の理由により企業の投資意欲が著しく低下しない(共同教育プログラムや産業界との 共同研究(CRI)など産学連携の取り組みでは、企業による投資・支援を想定しているため) 6.評価結果 本事業は、メンバー国の開発政策、メンバー大学のニーズ、日本の援助政策と十分に合致しており、 また計画の適切性が認められることから、実施の意義は高い。

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7.過去の類似案件の教訓と本事業への活用 • フェーズ 3 において一部のホスト大学では、書類審査だけでなく、スカイプを使った面接など も導入して志願者の選定を行っており、志願者の意欲・研究テーマの妥当性などを検討する一 助として役立っている。他のホスト大学においても、こうした取り組みを参考に、効果的な選 定方法を採用することが望まれる。 • フェーズ 3 詳細計画策定調査報告書で指摘されているとおり各国教育省の巻き込みが弱かった との認識から、年1 回、各国教育省との合同レビューを行うことを提案し、フェーズ 3 におい ては1 回のレビューが実施された。フェーズ 4 においても、合同レビューに限定せず、各国政 府への情報共有を通してAUN/SEED-Net の活動や実績をアピールするとともにプロジェクトの 持続性を高めるための協力を働きかけることが重要である。 • フェーズ 2 終了時評価調査報告書では、メンバー大学の基本データ(教員数、学生数、卒業生 数、論文数、非メンバー大学・機関との共同研究、外部資金獲得等)を年 1 回など定期的に蓄 積することが提言されている。プロジェクト事務局が管理している実績データについては膨大 なデータ管理並びに今後の活用を考え、システムとしてデータベースの構築を今後も継続する ことが望ましい。 • フェーズ3 終了時評価報告書によると、フェーズ 3 から新規に参入した学科はまだ本事業の対 応に慣れておらず、同学科の教員や奨学生の中にはプログラムに対する理解が十分でないこと もあった。これは学内の以前から参加している学科と新規参入学科の間で情報が必ずしも共有 されていないことも一因と考えられる。メンバー大学は限られた人数で本事業を担当しており、 キャパシティ不足となっている。次フェーズにおいて参加学科数が増加すると、十分な対応が 更に難しくなる可能性がある。今後は、専任職員の配置等の大学としての支援体制のあり方に ついて関係者間で協議し、学内支援体制を構築・強化する必要がある。 8.今後の評価計画 (1)今後の評価に用いる主な指標 4.(1)のとおり。 (2)今後の評価計画 事業開始6 カ月:ベースライン調査 事業終了3 年度:事後評価 (3)実施中モニタリング計画 年1 回:相手国実施機関との合同レビュー

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第1章 調査の概要

1-1 調査の背景と目的

アセアン工学系高等教育ネットワーク(ASEAN University Network/Southeast Asia Engineering Education Development Network:AUN/SEED-Net)は、2001 年に ASEAN 大学ネットワーク(ASEAN University Network:AUN)のサブネットワークとして設立され、現在は 26 のメンバー大学(Menber Institutions:MI)と日本の 14 の支援大学で構成されている。2003 年 3 月に開始された本ネットワー クを支援するJICA 技術協力プロジェクトは、現在、フェーズ 3(2013 年 3 月~2018 年 3 月)を実施 中であり、東南アジア諸国連合(Association of South-East Asian Nations:ASEAN)の持続的発展のた めに必要な高度人材の育成のため、ASEAN 域内の工学系大学の教育・研究能力の向上を図り、ASEAN と日本の学術的ネットワークの構築・拡充を目的とした活動を実施中である。フェーズ3 における主 な成果は以下のとおりである。 • メンバー大学教員の教育・研究能力向上のため406 名の将来の教員のための奨学金支援。113 件 以上のリサーチプロジェクトの実施 • ASEAN メンバー大学、本邦大学、企業との学術ネットワークの形成・強化のため、工学学術会 議の開催、ジャーナル発行、産学連携セミナーを実施 • 地域共通課題解決のため環境、温暖化対策、自然災害分野などで 45 件の研究プロジェクトを実 施。具体的な活用が進みつつある。 • 東南アジア地域の産業の発展への研究を通じた貢献として企業と連携した 47 件の研究プロジェ クトを実施。成果の商品化、現地適用化、生産性の向上など、具体的活用が進みつつある。 このようなフェーズ3 の成果を踏まえ、ASEAN 地域への継続的な貢献が期待される本ネットワー クの更なる強化をめざし、2018 年 3 月からフェーズ 4 を立ち上げることが検討されている。これま での議論を踏まえたフェーズ4 の方向性は以下のとおりである。 • 本邦大学との連携による国際競争力のある教育・研究の展開 • 産学連携機能の強化により日系企業をはじめとするASEAN の産業に貢献 • ASEAN と日本の政策課題への貢献 • ネットワークの強化・拡大を通じた国際教育の質の向上 今次調査では、フェーズ3 に係る終了時評価とフェーズ 4 に係る詳細計画策定調査をあわせて実施 する。終了時評価については、本プロジェクトの成果等の達成状況とともに、プロジェクトの残り期 間の課題及び今後の方向性について確認する。また、詳細計画策定調査においては、フェーズ4 の協 力計画案を検討し事前評価を行うために必要な情報を収集・分析する。両調査の結果については、合 同評価報告書に取りまとめ、合意することを目的とする。調査対象はプロジェクト対象国である ASEAN10 カ国のメンバー大学及びわが国の支援大学、その他関係機関となる(なお、現地調査では ブルネイは訪問しない)。

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1-2 調査方針及び内容 • 協力の枠組みについて実施機関等と協議、合意すること • 本格協力の実施に必要な関連情報の収集・整理を行うこと • 本格協力の実施方法、留意事項等について確認し、計画策定結果にまとめること 1-3 調査の団員構成 業務 氏名 所属 チーム 1 団長・総括 熊谷 真人 JICA 人間開発部高等教育・社会保障グループ 次長 A 2 工学教育 梅宮 直樹 JICA 人間開発部高等・技術教育チーム 課長 C 3 協力企画 三浦 佳子 JICA 人間開発部高等・技術教育チーム B 4 評価分析 1 井田 光泰 合同会社適材適所 シニアコンサルタント C 5 評価分析 2 南村 亜矢子 合同会社適材適所 コンサルタント A 6 評価分析 3 石飛 愛 合同会社適材適所 コンサルタント B ※ AUN/SEED-Net 事務局、プロジェクト専門家・Program Officer も参加予定

・チームA:インドネシア⇒シンガポール⇒ミャンマー ・チームB:マレーシア⇒カンボジア⇒フィリピン ・チームC:ベトナム⇒ラオス⇒タイ 1-4 調査日程 2017 年 7 月 15 日〜7 月 28 日(現地調査期間) 1-5 主要面談者 調査団は各国において、メンバー大学のマネジメント(学長・学部長など)、学科長、留学生の指 導教員、共同研究を実施した教員、留学中の域内留学生のほか、高等教育担当省、各国のJICA 事務 所と面談を行った。また、タイにおいてはAUN 事務局と面談した。各国における主要な面談者は以 下のとおり。 【メンバー大学】

インドネシア Prof.Dr.Ir. Bambang Riyanto Trilaksono

バンドン工科大学 革新的研究・パートナーシップ担当 副学長

インドネシア Prof. Dr. Andi Isra Mahyuddin

バンドン工科大学 国際協力コーディネーター(機械航 空工学部)

インドネシア Dr. Sugeng Sapto Surjono ガジャマダ大学研究・コミュニティーサービス・協力 副学部長 インドネシア Dr. Moh. Fahrurrozi ガジャマダ大学 工学部化学工学科長 タイ Dr.Supot Teachavorasinskun チュラロンコン大学 工学部学部長 タイ Dr. Komson Petcharaks チュラロンコン大学 工学部電気科長 タイ Dr. Teerapong Senjuntichai チュラロンコン大学 工学部土木科長 タイ Dr. Somnuk Tangtermsirikul スラバヤ工科大学 学長

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タイ Dr. Winyu Rattanapitikon スラバヤ工科大学 土木科長 タイ Dr. Anat Deepatana ブラパ大学工学部 学部長 タイ Dr. Thanongsak Thepsonthi ブラパ大学工学部 副学部長 タイ Dr. Chaiyan Jettanasen キングモンクット王工科大学 ラッカバン校国際担当 副学長 タイ Dr. Taworn Benjanarasuth キングモンクット王工科大学 ラッカバン校工学部 ベトナム Dr. Mai Thanh Phong ホーチミン市工科大学 副学長

ベトナム Dr. Nguyen Danh Thao ホーチミン市工科大学 国際室長

ベトナム Dr. Le Thanh Sach ホーチミン市工科大学 コンピュータサイエンス学科 長

ベトナム Dr. Tran Ngoc Thinh ホーチミン市工科大学 コンピュータエンジニアリン グ学科長

ベトナム Dr. Nguyen Le Duy Khai ホーチミン市工科大学 交通工学 学部長 ベトナム Dr. Tran Tien Anh ホーチミン市工科大学 交通工学 航空工学科長 ベトナム Dr. Pham Hoang Luong ハノイ科学技術大学 副学長

ベトナム Dr. Vu Tuyet Trinh ハノイ科学技術大学 国際室 副室長 ベトナム Dr. Nguyen Huy Phoung ハノイ科学技術大学 電気工学科長 ベトナム Dr. Tran Thu Huong ハノイ科学技術大学 化学工学科 副科長 ベトナム Dr. Le Anh Tuan ハノイ科学技術 交通工学科 学科長

ベトナム Mr. Pham Tuan Hiep BK ホールディング プロジェクトマネージャー ラオス Dr. Boualinh Soyouvanh ラオス国立大学 工学部学部長

ラオス Mr. Chankhachone Sonemanivong

ラオス国立大学 工学部土木学科長

ラオス Mr. Somphone Kanthavong ラオス国立大学 工学部コンピュータ工学&IT 学科長 ラオス Assoc. Prof. Khampha

Sihanakhone

ラオス国立大学 工学部電気工学科長 ラオス Assoc. Prof. Phoumy

Indarak

ラオス国立大学 工学部電子通信工学科長 ラオス Assoc.Prof. Dr Khampasith

Thammathevo

ラオス国立大学 工学部環境水力工学科長 ラオス Assoc. Prof. Korakan

Pasomsouk

ラオス国立大学 工学部機械工学科長 ラオス Assoc. Prof. Nhinxai Visane ラオス国立大学 工学部資源工学科長 ラオス Assoc. Prof. Dr.

Khammoune Sithilath

ラオス国立大学 工学部道路橋梁交通工学科長 ラオス Assoc. Prof. Dr. Bounseng

Khamounty

ラオス国立大学 工学部技術教育工学科長 カンボジア Dr. OM Romny カンボジア工科大学 学長

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【各国政府高等教育担当機関】 インドネシア Mr. Patdono Suwignjo インドネシア研究技術高等教育省 科学技術高等教育 制度部長 タイ Dr. Bundit Thipakorn タイ教育省高等教育局 副局長 タイ Ms Lakhana Dockiao タイ教育省高等教育局国際政策課 ラオス Mr. Khamphao chanphengxay ラオス教育スポーツ省 副局長 カンボジア Mr. Mak Ngoy カンボジア教育・青少年・スポーツ省高等教育局 局長 マレーシア Ms. Anushela A/P Muniandy マレーシア高等教育省 首席参事官

マレーシア Mr. Chua Yong Wei マレーシア高等教育省 参事官 ミャンマー Dr. Aung Aung Min ミャンマー教育省高等教育部 副部長 ミャンマー Ms. New Ni ミャンマー教育省高等教育部 副部長 カンボジア Mr. Sieang Phen カンボジア工科大学 協調・国際関係室長 マレーシア Dr. Noor Azuan Abu Osam マラヤ大学 工学部長

マレーシア Dr. Zuhailawati Hussai マレーシア科学大学 工学部長

マレーシア Dr. Nordin Bin Yahaya マレーシア工科大学 副学長代理(国際関係) マレーシア Dr. Shahrum Shah Abdullah マレーシア日本国際工科院(マレーシア工科大学)

副学部長(研究・イノベーション担当) マレーシア Dr. Mohd Saleh Jaafar マレーシア・プトラ大学 工学部長 マレーシア Dr. Robiah Yunus マレーシア・プトラ大学 大学院学長 マレーシア Dr. Tang Sai Hong マレーシア・プトラ大学 大学院副学長 ミャンマー Dr. Pho Kaung ヤンゴン大学 学長

ミャンマー Dr. Myint Thein ヤンゴン工科大学 学長

シンガポール Prof. Victor Shim シンガポール国立大学 副学部長(渉外担当) シンガポール Prof. Teng Joon Lim シンガポール国立大学 副学部長

(大学院プログラム担当)

シンガポール Er. Prof. Dr. Meng-Hwa Er ナンヤン工科大学 学長室副学長(国際担当) フィリピン Dr. Rizalinda L. De Leon フィリピン大学ディリマン校 工学部長 フィリピン Dr. John Richard E. Hizon フィリピン大学ディリマン校 電気電子工学科長 フィリピン Dr. Jonathan Dungca デラサール大学 工学部長

フィリピン Dr. Natahniel Dugos デラサール大学 化学工学科長 フィリピン Dr. Laurence Gan Lim デラサール大学 機械工学科長

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【関係機関】

AUN Dr. Nantana Gajaseni 事務局長 AUN/SEED-Net Dr. Kasem Choocharukul 副事務局長

タイ Mr. Pattrapat Sanitburoot タイ国際開発協力機構(TICA) タイ Ms. Subhawee Suwaprichapas タイ国際開発協力機構(TICA) 【JICA 事務所】 【プロジェクト専門家】 インドネシア 高樋 俊介 インドネシア事務所 次長 インドネシア 五十嵐 洋平 インドネシア事務所 企画調査員 タイ 田中 啓生 タイ事務所 所長 タイ 鯉沼 真里 タイ事務所 次長 タイ 三好 克哉 タイ事務所 所員 タイ 澤内 絢子 タイ事務所 所員 ミャンマー 岩井 伸夫 ミャンマー事務所 次長 ミャンマー 岩沢 久美子 ミャンマー事務所 企画調査員

ミャンマー Ms. Thet Su Kyi ミャンマー事務所 Assistant Program Officer ベトナム 柿岡 直樹 ベトナム事務所 次長

ベトナム 小林 龍太郎 ベトナム事務所 次長

ベトナム Ms. Nguyen Thi Thanh Hai ベトナム事務所 プログラムオフィサー ベトナム 藤田 暁子 ベトナム事務所 所員

フィリピン 大島 歩 フィリピン事務所 次長

フィリピン Ms. Gladys Ann Rabacal フィリピン事務所 プログラムオフィサー カンボジア 小島 岳晴 カンボジア事務所 次長 カンボジア 岸田 菜見 カンボジア事務所 所員 村上 雄祐 副チーフアドバイザー 岩館 裕 専門家(業務調整/事業計画/実施) 高島 淳 専門家(業務調整/事業計画/実施) 杉山 千恵 専門家(業務調整)

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第2章 技術協力プロジェクトの基本計画

2-1 上位目標 プロジェクトの上位目標は、プロジェクト目標を達成することで実現することが期待される当該国 の政策や社会経済上の効果である。タイミングとしては、2026 年 3 月〜2028 年 3 月(プロジェクト 終了後3〜5 年)で効果の発現が求められる。 上位目標 指標 指標の入手手段 AUN/SEED-Net による広範な組織 的・人的ネットワークが形成され る ネットワークが東南アジアの産業 と地域共通課題の解決に活用され る • AUN/SEED-Net のネットワークを 活かして実現したモビリティプロ グラム(ダブルディグリー、ジョイ ントディグリー等)と卒業生の数 • AUN/SEED-Net のネットワークを 活かした研究成果数、共同特許の数 • AUN/SEED-Net のネットワークを 活かして形成された国際教育プロ グラムの卒業生数と技術者として 活躍する人数 • 事務局と MI の 記録 • インパクト調査 結果 • メンバー大学の 記録とインパク ト調査結果 本プロジェクトでは「AUN/SEED-Net による広範な組織的・人的ネットワークの形成」と「ネット ワークが東南アジアの産業と地域共通課題の解決への活用」を上位目標として掲げる。前者のネット ワークの到達状況については、AUN/SEED-Net のネットワークを活かして実現したモビリティプログ ラム(ダブルディグリー、ジョイントディグリー等)とそうしたプログラムの卒業生の数を指標とす る。フェーズ4 では、「国際共同教育プログラム」を創出することで、メンバー大学間あるいは本邦 支援大学とのモビリティプログラム導入のきっかけづくりを促す計画である。現時点でも北海道大学 や九州大学とメンバー大学の間でダブルディグリープログラムの導入が進むなど、AUN/SEED-Net プロジェクトがフェーズ2 から掲げるメンバー大学・本邦支援大学が参加する国際的な共同プログラ ムが徐々に形成されつつあるため、フェーズ4 終了後には指標目標が達成される可能性がある8。本 プロジェクトのもう一つの上位目標は、産業界と地域共通課題の解決への貢献を挙げている。産業界 への貢献を測る指標としては、AUN/SEED-Net のネットワークを活かして形成された国際教育プログ ラムの卒業生数と技術者として活躍する人数、及び AUN/SEED-Net を通して実施された社会実装の 件数(プロトタイプ作成、商品化、共同特許、社会問題解決への活用など)を挙げる。これはネット ワークの効用を示す指標となるため極めて重要であるが、メンバー大学の研究実績における AUN/SEED-Net のネットワークの活用の有無を判断する必要がある。また、メンバー大学ではあまり 把握していない卒業生の進路を調査する必要があり9、プロジェクトの既存のデータでは指標データ として活用できず、情報収集の難易度が高い。このため、メンバー大学や同窓会への委託など行い、 特別な調査として取り組む必要がある。 8 フェーズ 2 では、AUN/SEED-Net で形成されたネットワークの制度化・持続性確保を目的として全メンバー大学が参加する「パ ートナー大学」のアイデアが提唱された。フェーズ3 では各国の制度上の違いなどからその実現が困難との判断から、フェーズ 3 では、メンバー大学・本邦支援大学など参加大学間のモビリティプログラムの形成を促進することとなった。 9 メンバー大学では、卒業式に参加者へのアンケート調査を行うことで進路を把握する方法が一般的であるが、その場合、回答者 は式典参加者に限定されること、日本と異なり卒業時点で就職先を決めていない学生が多いこと、転職・離職率が高いことなど の理由により、データの信頼度や精度が低い可能性がある。

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2-2 プロジェクト目標 プロジェクト目標は、プロジェクト期間終了までに達成が求められるターゲットグループへの裨益 効果である。 プロジェクト目標 指標 指標の入手手段 AUN/SEED-Net のメンバー大学間 のネットワークが維持・拡大され る • AUN/SEED-Net を通して形成され た組織的・人的なネットワークの形 成数、内容、参加人数10 • メンバー大学によるコストシェア の増加率(フェーズ3 実績比) • 外部組織による共同研究・教育プロ グラムへの投入額 • 事務局とメンバ ー大学の記録 • メンバー大学の 記録 • 事務局・メンバ ー大学の記録 本プロジェクトの目標は AUN/SEED-Net のメンバー大学間のネットワークが持続的に維持・拡大 されることであり、AUN/SEED-Net を通して形成された組織的・人的なネットワークの規模を主要な 指標とする。組織的なネットワークは、国際大学院プログラムや共通国際大学院プログラムなどのモ ビリティプログラム、学術ネットワーク、正式な同窓会組織などを指す。人的ネットワークは共同研 究件数・参加人数、教員派遣、産学連携、SNS を通したインフォーマルなグループ、メンバー大学、 本邦支援大学、その他の研究者、企業技術者などなんらかの形でネットワークに参加した個人レベル のネットワークを指すものとし、AUN/SEED-Net の緒活動に参加する組織・個人の総数をもってネッ トワークの規模を測ることとする。また、ネットワークの持続性を測る指標としては、メンバー大学 によるコストシェアの増加率(フェーズ3 実績比)と外部組織による共同研究・教育プログラムへの 投入額を設定する。 ネットワークの規模拡大については、フェーズ4 で導入される「国際共同教育プログラム」では、 メンバー以外のASEAN・日本の大学のネットワークへの参加が期待されること、分野別の地域会議 への新たな参加者の増加、同窓会組織を通した AUN/SEED-Net 同窓生の参加促進などにより、ネッ トワークに参加する大学・教員の参加の増加が見込まれる。また、「国際共同教育プログラム」へは 企業による協力(企業技術者や学生への奨学金給付、講師派遣、資機材の提供など)を見込むこと、 コストシェアリングについても、奨学生受入のホスト大学によるコミットメント(修士・博士課程の 学費免除、修学期間延長者の学費免除、事務費用のホスト大学負担引き受けなど)や送り出し大学に よる航空賃やビザ取得費用の負担などについて前向きな意見を得ていることから、フェーズ3 以上に メンバー大学のコスト引き受け率が高まる予定である。 2-3 成果と活動 本プロジェクトでは、プロジェクト目標を達成するために、①産学連携、②研究・教育の能力強化、 ③地域共通課題解決のための共同研究の推進、④学術ネットワークの強化の4 つの成果目標を設定する。 10 組織的なネットワークは、国際大学院プログラムや共通国際大学院プログラムなどのモビリティプログラム、学術ネットワーク、 同窓会組織などを指す。人的ネットワークは共同研究件数・参加人数、教員派遣、産学連携、SNS を通したインフォーマルなグ ループ、メンバー大学、本邦支援大学、その他の研究者、企業技術者などなんらかの形でネットワークに参加した個人レベルの ネットワークを指す。

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成果1 指標 指標の入手手段 メンバー大学と産業界、 地 域社 会との 連携 が強 化される • AUN/SEED-Net の活動を 通して実現 した企 業・地域社会との連携件数(共同研究・教育プ ログラムに参加した企業数) • AUN/SEED-Net の活動を 通して実現 した企 業・地域社会との連携の取り組みに参加した教 員・学生数 • 事務局の記録 • 同上 活動 1.1 若手教員用のマネジメントコース実施 1.2 産学連携セミナー開催(マッチメイキング) 1.3 各メンバー大学のダイレクトリーの更新支援 1.4 CRI の実施 1.5 若手教員向けの ASEAN 域内ないしは日本国内での企業研修 1.6 地域会議への企業参加促進 成果1 はメンバー大学と産業界・地域社会との連携強化であり、その達成状況を測る指標は、企業・ 地域社会との連携件数とそうした活動に参加した教員・学生数とする。連携の対象としては、CRI のパートナー企業/自治体/NPO 等、地域会合(Regional Conference:RC)参加企業/自治体/NPO 等、 産学連携セミナー参加企業、若手研究者の研修受入先企業、国際共同教育プログラムの協賛企業を想 定する。 成果1 の活動としては、フェーズ 3 で参加者から好評であった「若手教員用のマネジメントコース」 と、ベトナム等で具体的な連携好事例が生まれた「産学連携セミナー」を引き続き実施する。こうし た活動は有効であるが、対象大学に比べて投入量が限定されるため、効果の最大化や普及を図るため には、AUN/SEED-Net 単独ではなく、できる限りメンバー大学の産学連携担当オフィス(技術移転機 関(Technology Licensing Organization:TLO)、インキュベーションセンター等)と連携することが望 まれる。 AUN/SEED-Net ではフェーズ 2 から国別の研究者・研究テーマについてのダイレクトリーを作成し、 企業へのPR に活用している。ベトナムやインドネシアなど一部のメンバー大学では、プロジェクト で作成したダイレクトリーをベースに大学独自のダイレクトリーを作成・更新するといった取り組み がみられる。フェーズ4 では、そうした取り組みを他のメンバー大学にも広げていくための支援を行 う。CRI は継続プログラムである。今回の調査では、CRI に応募するために本邦大学の研究者・本邦 企業とのマッチメイキングについての要望が強かった。こうした声に応えるためには、産学連携セミ ナー、同窓会等でのマッチメイキングなどで積極的な応募支援を行う必要がある。地域会議も企業と の連携を図る重要な場となることが期待される。 成果2 指標 指標の入手手段 メ ンバ ー大学 間の 連携 を 通し て研究 活動 と教 育 を行 う能力 が向 上す る • AUN/SEED-Net 奨学金が輩出した高位学位者 (修士号・博士号)の数・取得率と要した時 間 • 国際または国内会議におけるAUN/SEED-Net 留学生と同窓生による研究発表の数 • 国際または国内雑誌に掲出された • 事務局とメンバ ー大学の記録 • 同上 • 同上

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AUN/SEED-Net 留学生と同窓生による研究論 文の数 • 共同研究(修士・博士論文等)の指導に参画 した教員〔代表研究者(Principal Investigator: PI)/共同研究者(Co-Investigator:CI)〕の数 • 国際共同教育プログラム(短期コース・学位 プログラム等)の形成数、学生数 • 同上 • 同上 活動 • 域内留学、本邦博士、シンガポール博士、サンドイッチプログラムの実施 • リサーチフェローの実施 • 地域会議の開催 • 共同教育プログラムの実施 成果 2 はメンバー大学の研究・教育能力強化である。留学を通した教員の学位取得状況、 AUN/SEED-Net 奨学生と同窓生による研究発表・論文発表数、論文指導に参加した教員数、国際共同 教育プログラムの形成状況を指標とする。フェーズ3 まで、原則的に AUN/SEED-Net 奨学金はメン バー大学の教員向けに活用されていたが、近年、メンバー大学において高学位を取得した教員が増加 し、学位を取得して帰国しても教員となれないケースが増加している。このため、教員の高学位取得 を目的とした奨学金制度の重要性は低下気味である。他方、まだ教員の高学位取得者が必要な大学・ 分野も依然として存在することと、ネットワークを維持・拡大するためには奨学金制度は一定必要で ある。このため、奨学金制度については、対象国・分野の絞り込みによる規模の縮小、修士学位から よりニーズの高い博士号学位へのシフト等により集中と選択を行う。また、AUN/SEED-Net 奨学金制 度はカンボジア・ラオスにおいては人気の高い制度となっているが、ミャンマー、ベトナムにおいて は競合する奨学金制度が増えていることから相対的な優位性が低下している。また、教員向け奨学金 制度という特徴から応募者が限定される。このため、奨学金応募者の窓口を広げることで、より優秀 な応募者を確保することを予定している(帰国後教員となるという応募条件を緩和する替わりに、企 業に就職しても、講師や学生インターンの指導など、なんらかの形で高等教育分野での貢献を求める など)。また、高学位取得者がメンバー大学の都合でポストがすぐに得られない場合や自身の研究レ ベルアップのための仕組みとして、リサーチフェロー制度を継続する。 地域会議は、フェーズ1 から名称を変えながら、継続開催されている。これは、奨学生が学位取得 に必要な研究発表の機会を提供するだけでなく、ASEAN からの研究成果発信、地域の学術ネットワ ーク強化など多様な目的を有する重要なプログラムとなっている。改善としては、今回の調査では、 地域会議の参加者が固定化傾向にあるという声が聞かれた。地域会議の効果を高めるために、これま で参加していない同窓生、企業・研究機関、他大学などからの参加を積極的に促すことが求められる。 共同教育プログラムはフェーズ4 から導入される。このプログラムは、メンバー大学が主幹大学と なって、他のメンバー大学、本邦支援大学、あるいは非メンバーの大学と共同で修士あるいは博士レ ベルの国際共同教育プログラムを立ち上げることを想定している。また、産学連携を重視する視点か ら、民間企業との協力を推奨する。メンバー大学がこうした共同プログラムを運営することで、パー トナーとなる大学との協力実績を積み上げる過程でカリキュラムの共通化などを進め、将来的には上 位目標で挙げるダブルディグリーやジョイントディグリーなどのモビリティプログラムにつなげる ことを期待している。今回のメンバー大学への調査では高い関心が示された。このプログラムはメン

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バー大学からのプロポーザルをベースに実施されることから、現実性の高いプログラムがメンバー大 学から提案される必要があり、そのために事務局による側面支援が重要となる。 成果3 指標 指標の入手手段 地域共通課題解決に資する共同研 究が推進される 地域共通課題に関する研究論文の数、 研究発表の数、国際会議の開催数 事務局の記録 活動 • CRC の実施 • 地域課題に関する地域会議の開催 成果3 は、地域共通課題解決に資する共同研究の推進である。その指標は主に CRC に関連する地 域共通課題に関する研究論文と研究発表の数、また、AUN/SEED-Net が開催・共催する国際会議の開 催数である。今回のメンバー大学への調査では、CRC への応募意欲が高い教員が多い一方で、共通 テーマを研究する他メンバー大学・本邦支援大学の研究者についての情報や紹介を求める声が上げら れた。研究者間のマッチメイキングなどの支援方法を検討することが有効である。 成果4 指標 指標の入手手段 メンバー大学及び本邦支援大学の 組織間及び教員間の学術ネットワ ークが強化・拡大される • 「ASEAN 工学ジャーナル」の発行 回数、掲出論文数、学術誌としての 認定度 • 形成された同窓会組織数とメンバ ー数・活動への参加者数、同窓会の 活動内容 • 事務局の記録 • 事務局と同窓会 の記録 活動 • 同窓会組織の立ち上げ • 同窓会の開催・同窓会活動の実施 • 同窓生・関係者のデータベース構築 • ASEAN 工学ジャーナルの発行 成果4 はメンバー大学及び本邦支援大学の組織間及び教員間の学術ネットワークの強化・拡大であ る。具体的活動内容は、「ASEAN 工学ジャーナル」の発行と同窓会の立ち上げと活動を通したネッ トワークの強化である。「ASEAN 工学ジャーナル」については、現在、学術誌の国際的なデータベ ースであるScopus に申請中である。この認定が得られると、メンバー大学の研究者から更に積極的 な投稿や地域会議への出席者の増加が期待できる。「ASEAN 工学ジャーナル」については、更に質 を高めるための支援を継続する必要がある。 同窓会組織の立ち上げ・強化は、過去にもテーマとして挙げられたが、フェーズ4 では本格的に活 動として位置づけて取り組む。これまでに SNS を活用したグループがあり、関係者を含め 8,600 名 以上が参加している。また、ヤンゴン工科大学のようにすでに同窓会組織ができて、同窓生の近況調 査などを行うメンバー大学もある。フェーズ4 では更に組織づくりに取り組む。同窓会づくりと強化 の目的は、AUN/SEED-Net 同窓生とその師弟関係の継続性確保、AUN/SEED-Net の活動の将来の受け 皿づくり(例えば、AUN/SEED-Net 同窓生のデータベースの更新、進路調査、同窓生の近況発信、奨

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学生の学修・生活支援、学位取得後研究者としてプロポーザルライティングや論文執筆の指導など) にある。また近年、学位取得後、企業に就職する奨学生も増加しているため、産学連携の観点からも 同窓会が重要な役割を果たす可能性が高い。なお、政治的な理由から、ベトナムやラオスなどでは、 正式な同窓会組織を結成することが難しいケースもあるため、インフォーマルな組織として活動する 場合もある(AUN/SEED-Net 全体の同窓会組織としメンバー大学内に支部を置くのか、メンバー大学 別に自主的な組織として設立を支援するのかなど形態については今後検討が必要である。 2-4 外部条件 本プロジェクトでは定期的なモニタリングや政策判断が必要となる外部条件は想定されていない が、以下の3 点を留意すべき外部条件として挙げている。 上位目標を達成するうえで重要となる外部条件 • 東南アジア地域における高度産業人材のニーズが拡大する(工学系高等教育人材の需要が高く、 プロジェクトを通して導入されたモビリティプログラムや共同教育プログラムの卒業生に対す るニーズも高いこと) • 共同教育プログラム参加大学間で単位制度等について大きな制度上の障壁が生じない(メンバー 国・大学間の制度上の差異がモビリティプログラムの導入の大きな障害とならないこと) プロジェクト目標を達成するうえで重要となる外部条件 • 景気後退等の理由により企業の投資意欲が著しく低下しない(共同教育プログラムやCRI など産 学連携の取り組みでは、企業による投資・支援を想定しているため) 2-5 プロジェクトの投入 2-5-1 日本側の投入 (1)専門家 1)長期専門家(副チーフアドバイザーと業務調整員で合計約 300MM) ・副チーフアドバイザー ・業務調整員(共同教育、共同研究、域内奨学金プログラム、経理) 2)短期専門家 ・チーフアドバイザー ・本邦教員(工学研究指導) (2)プログラム実施予算 ASEAN10カ国域内学位取得プログラム(工学修士、メンバー大学の状況に応じて負担額決定)、 本邦留学プログラム(工学博士、工学博士サンドイッチ)、共同研究、共同教育、地域会合実施 経費等。 (3)AUN/SEED-Net 事務局運営費(事務局職員の給与等)

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2-5-2 メンバー国・メンバー大学側の投入 (1)事務局管理職員(タイ政府) ・事務局長 ・副事務局長 ・秘書 (2)ASEAN 域内学位取得プログラム実施経費(ASEAN メンバー大学) 入学金、授業料についてはメンバー大学が負担することで合意済みである。以下の経費につ いては、各メンバー大学の判断に委ねるものとするが、プロジェクト継続性の観点から、極力 メンバー大学に負担を求める。 1)生活費 2)渡航費 3)研究活動費 4)その他必要経費 (3)共同研究に係る経費全額あるいは部分負担(メンバー大学の状況に応じて負担額決定) (4)管理事務職員(メンバー大学) (5)AUN/SEED-Net 事務局運営費(チュラロンコン大学) オフィススペース、光熱水道費の部分負担 2-5-3 ASEAN 関係機関 ASEAN 統合支援の拠出金など各種プログラムの活用可能性を検討する。 2-6 実施体制 2-6-1 メンバー大学・本邦支援大学の構成 フェーズ4 の参加大学の数は基本的にフェーズ 3 を踏襲するが、メンバー国・大学の意向によっ てはメンバー大学の入れ替え等の措置を取る可能性はある。現在想定されているメンバー大学は以 下の26 大学である。 メンバー国(大学数) メンバー大学名 タイ(5) ブラパ大学、チュラロンコン大学、モンクット王工科大学ラカバン校 (フェーズ1 から参加)、タマサート大学(SIT)、カセサート大学(フ ェーズ3 から参加) マレーシア(4) マラヤ大学、マレーシア科学大学(フェーズ1 から参加)、マレーシア・ プトラ大学、マレーシア工科大学(フェーズ3 から参加) フィリピン(3) デラサール大学、フィリピン大学ディリマン校(フェーズ1 から参加)、 イリガン工科大学(フェーズ3 から参加) シンガポール(2) シンガポール国立大学、ナンヤン工科大学(フェーズ1 から参加) ブルネイ(2) ブルネイ大学、ブルネイ工科大学(フェーズ1 から参加)

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ベトナム(2) ホーチミン市工科大学、ハノイ科学技術大学(フェーズ1 から参加) インドネシア(4) ガジャマダ大学、バンドン工科大学(フェーズ1 から参加)、インドネ シア大学、スラバヤ工科大学(フェーズ3 から参加) カンボジア(1) カンボジア工科大学(フェーズ1 から参加) ラオス(1) ラオス国立大学(フェーズ1 から参加) ミャンマー(2) ヤンゴン工科大学、ヤンゴン大学(フェーズ1 から参加) また、AUN/SEED-Net に協力する本邦支援大学は、以下の 14 大学である。 フェーズ1 から参加:北海道大学、東京大学、東京工業大学、豊橋技術科学大学、京都大学、九州 大学、慶應義塾大学、早稲田大学、芝浦工業大学、東海大学、政策研究大学院大学 フェーズ3 から参加:東北大学、名古屋大学、大阪大学 2-6-2 ホスト大学と受入分野 メンバー大学のうちCLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)4 国の大学 6 校は留 学生の送り出し大学、タイ、フィリピン、マレーシア、インドネシア4 カ国の 13 大学は受入(ホ スト)大学となっている。ホスト大学とそのホスト分野は以下のとおりである。(下線で示す分野 はフェーズ4 から新たに担当する分野) 国名 メンバー大学 分野名 インドネシア バンドン工科大学 情報工学、機械製造工学、エネルギー工学、環境工 学、自然災害(5 分野) スラバヤ工科大学 電気電子工学、機械製造工学(2 分野) ガジャマダ大学 化学工学、情報工学、地質資源工学、材料工学、自 然災害(5 分野) マレーシア マラヤ大学 化学工学、土木工学、電気電子工学、材料工学、機 械製造工学(5 分野) マレーシア・プトラ大学 情報工学、機械製造工学(2 分野) マレーシア科学大学 地質資源工学、材料工学、エネルギー工学(3 分野) マレーシア工科大学 土木工学、自然災害(2 分野) フィリピン デラサール大学 化学工学、機械製造工学(2 分野) フィリピン大学 電気電子工学、エネルギー工学、環境工学(3 分野) タイ チュラロンコン大学 土木工学、電気電子工学、地質資源工学、環境工学、 自然災害(5 分野) モンクット王工科大学 ラカバン校 情報工学、エネルギー工学(2 分野) カセサート大学 材料工学、環境工学(2 分野) タマサート大学 化学工学、土木工学(2 分野) なお、ホスト大学、送り出し大学ともに以下の条件に、メンバー大学への要望調査を実施し、合

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