3)道路・交通のまちづくり方針
(1
)道路・交通の現状
浦安市内の広域幹線道路は、首都高速湾岸線や国道 357 号が市内中央部を横断し、東京湾岸
地域の交通を支える大動脈となっています。また、市内の都市計画道路は、都市計画道路 3・1・
2 号(堀江東野線)や3・1・7 号(明海鉄鋼通り線)が暫定整備となっているものの、概ね整備
が完了しています。
元町地域の生活道路は、土地区画整理事業により新中通りの整備に着手したものの、密集市
街地には防災上・機能上幅員が十分でない道路も多くあります。
工業ゾーンやその周辺の道路では、大型車両が多く通行することから、さらなる安全対策の
推進など、道路・交通環境の整備が求められています。
東日本大震災で液状化により被災した道路は、早期復旧を図るとともに、今後、発生が懸念
される首都直下地震などのさまざまな災害において市民生活に混乱が生じないよう、必要な性
能を満たす液状化対策が求められています。
そして、既存の道路ストックの道路・交通環境を良好な状態で維持していくことが求められ
ています。
公共交通は、東京と千葉を結ぶ東京メトロ東西線と JR 京葉線が通り、市内に浦安駅・新浦
安駅・舞浜駅があります。この3駅を中心とした路線バスやコミュニティバス(おさんぽバス)
がネットワークされ、全般的には交通利便性に優れています。
また、地形が平坦でコンパクトなまちであることから、市内の移動手段として自転車の利用
も高く、さらなる安全対策が求められています。
アーバンリゾートゾーンでは、ディズニーリゾートラインがゾーン内を循環し、地域内の空
間を演出するとともに、来訪者の移動手段として大きな役割を担っています。
また、進展する高齢社会への対応や交通エネルギー消費の削減などの取り組みが求められて
います。
(2)基本方針
安全で身近な暮らしを支える道路網の充実を図るとともに、進展する高齢社会への対応や低
炭素社会の構築に向けた取り組みが必要です。
そのため、地域をつなぐ広域幹線道路、暮らしを支える幹線道路や身近な生活道路が持つ、
それぞれの役割に応じた整備・充実を図ります。また、バス交通をはじめとした公共交通機関
のさらなる充実、歩行者や自転車が安全で快適に移動できる道路・交通環境の整備・充実を図
(
3)整備方針
① 幹線道路、生活道路の整備・充実
暮らしを支える幹線道路や身近な生活道路の整備を進めるとともに、誰もが安全・安心・快
適に移動できるよう、歩行空間のバリアフリー化や交通安全対策などに取り組みます。
また、環境や景観に配慮しつつ、適正な維持管理を図ります。
●幹線道路の整備・充実
・交通の一箇所集中や大型車両の市街地への通行を抑制し、地域間の交通円滑化を図るため、
都市計画道路3・1・7 号(明海鉄鋼通り線)と若潮通りを結ぶ交通動線を整備します。
・被災した主要な幹線道路や橋りょうの復旧を行うとともに、緊急輸送道路である幹線道路に
ついては、緊急車両の通行を確保するための液状化対策に取り組みます。また、市が管理す
る緊急輸送道路に架かる橋りょうや緊急輸送道路を跨ぐ橋りょうについては、耐震対策や橋
りょう取付け部の段差発生防止対策に取り組みます。
・誰もが安全・安心・快適に移動できるよう、歩道整備や歩行空間のバリアフリー化を進める
とともに、電線類の地中化について検討します。
・騒音や振動の発生を低減し沿道環境への影響を緩和するため、舗装の高機能化など、よりよ
い道路環境づくりを推進します。
●生活道路の整備・充実
・元町地域では、新中通りの整備を進めるとともに、地域の特性を活かした道路環境の整備に
取り組みます。また、幅員4m未満の狭あい道路については、沿道の建物の更新時期や密集
市街地の再整備に合わせて拡幅を進めます。
・被災した道路は、道路高について周辺住民との合意形成を図り、段階的に復旧を進めます。
・誰もが安全・安心・快適に移動できるよう、歩道整備や歩行空間のバリアフリー化を進めま
す。
●交通安全対策
・誰もが安全・安心・快適に移動できるよう、関係機関との調整を踏まえ、信号機や横断歩道
などの設置・改善を図ります。特に、身近な交通安全対策として、注意を促す路面標示やガ
ードレールの設置など交通安全施設の充実を図ります。
・地域や関係機関との協働により、総合的な交通安全対策を図ります。
・交通安全の意識の高揚を図るため、引き続き、交通安全の普及啓発活動などを市民や関係機
関とともに取り組みます。
●道路や橋りょうの適正な維持管理
・環境や景観に配慮するとともに道路の安全性を確保するため、舗装長寿命化修繕計画の策定
などにより計画的・効率的な維持管理を図ります。
・橋りょうの安全性を確保するため、橋りょう長寿命化修繕計画に基づく修繕や架け替えの計
画的・効率的な維持管理を図るとともに、耐震対策に取り組みます。
・市民が愛着を持ち誰もが身近に感じられるよう、道路や橋りょうの愛称募集や協働での維持
② 広域幹線道路の整備・促進
暫定整備となっている第二東京湾岸道路や、東京都とつながり広域間の移動や防災面に寄与
する都市計画道路3・1・2 号(堀江東野線)は、引き続き、将来の整備に向け関係機関と協議し
ます。既に整備が完了している道路については、道路・交通環境の維持保全を図ります。
●広域幹線道路の整備・促進
・浦安市内に用地が確保されている第二東京湾岸道路は、引き続き、将来の整備に向け関係機
関に働きかけを行い、暫定整備を図ります。また、未利用となっている部分は、適切な維持
管理を関係機関に要請していくとともに、関係機関と調整し有効活用を図ります。
・都市計画道路3・1・2 号(堀江東野線)は、引き続き、将来の整備に向け関係機関と協議しま
す。
・国道 357 号は、交通の円滑化や沿線の道路環境の向上を図るため、舞浜交差点からの立体整
備について、関係機関と協議し、その整備を促進します。
・誰もが安全・安心・快適に移動できるよう、歩道整備や歩行空間のバリアフリー化を進める
とともに、電線類の地中化について検討します。
・騒音や振動の発生を低減し沿道環境への影響を緩和するため、舗装の高機能化など、よりよ
い道路環境づくりを推進します。
③ 拠点周辺のバリアフリー化の推進
多くの人が集まる駅前広場やシビックセンター地区などの拠点とその周辺では、ユニバーサ
ルデザインに基づくバリアフリー化を重点的に推進します。
●鉄道駅周辺のバリアフリー化の推進
・浦安駅・新浦安駅・舞浜駅では、駅から駅前広場、主要施設までの一連の移動経路について、
引き続きバリアフリー化を進めます。
・浦安駅では、交通結節機能の強化について検討を進めるとともに、駅周辺の再整備にあわせ
て歩行空間の改修や交差点改良など道路空間の改善を図ります。
●各拠点でのバリアフリー化の推進
・行政・文化・福祉の拠点であるシビックセンター地区では、施設の整備・改修にあわせて誰
もが安全で快適に利用できるよう、地区内の歩行空間のバリアフリー化を図ります。
・新町地域センター地区や海辺の交歓エリアでは、ユニバーサルデザインに基づくバリアフリ
ー化を推進します。
④ 歩行空間・自転車空間の整備・拡充
道路や河川・海岸沿いの緑地を利用して、歩行者や自転車で快適に移動できるネットワーク
の整備を図るとともに、自転車駐車場の整備など、自転車利用の利便性の向上を図ります。
●歩行者・自転車ネットワークの整備
・歩道幅員が広い道路では、歩行者と自転車の通行区分の視覚的分離を図る一方、歩道幅員が
狭く、車道に走行空間が確保できる道路では、自転車専用通行帯(自転車レーン)を設置す
るなど、歩行者・自転車が安全で快適に通行できる道路環境の整備に取り組みます。また、
・河川や海岸沿いの緑地を活用し、誰もが快適に利用できる歩行者・自転車ネットワークの形
成を図ります。
・元町地域や中町地域では、散策しながらまちのよさにふれることができる環境の整備に取り
組みます。
●自転車利用の利便性向上
・自転車利用者の利便性や自転車駐車場の利用率向上を図るため、駅周辺での自転車駐車場の
整備や市民ニーズに合わせた自転車駐車場の運営や利用方法の改善に取り組みます。
・商店街など自転車が集中する場所においては、駐車スペースの整備を誘導します。
●放置自転車対策、自転車の共同利用の推進
・駅周辺での放置自転車対策として、関係機関との連携や地域とも協力しながら、自転車利用
者のマナー向上を図り、放置自転車の減少に努めます。
・自動車の利用から自転車や徒歩への転換を促進するとともに、集合住宅などではサイクルシ
ェアリングを促進します。
・自転車駐車場整備や放置自転車などの対策を総合的に推進するため、自転車等駐車対策に関
する総合計画に基づき、適切な自転車利用の推進に取り組みます。
⑤ 公共交通の充実
鉄道・バスなどさまざまな交通手段の特性を活かしながら、相互に連携した利便性の高い交
通体系となるよう取り組みます。
通勤・通学時の重要な足として、また進展する高齢化社会への対応や環境負荷の軽減を図る
ため、鉄道やバス交通などの公共交通の利用を促進するとともに、まちづくりと一体となった
交通環境の整備など総合的に公共交通の充実を図ります。
●鉄道の輸送力の強化・鉄道網の充実
・鉄道を安全で快適に利用できるよう、輸送力の増強や混雑の緩和対策について、鉄道事業者
や関係機関に要請します。
・JR 京葉線と東京臨海高速鉄道りんかい線との相互乗り入れによる鉄道網の充実や、JR 京葉
線の悪天候時における円滑な運行の確保など、鉄道事業者や関係機関に要請します。
●バス交通の充実
・バス事業者や関係機関との協議を踏まえ、拠点間の路線の充実や定時性の確保など、バス利
用者の利便性の向上を図ります。
・市民・事業者・行政がそれぞれ適切な役割を担いながらバス利用を促進し、公共交通の持続
的な運営を図ります。
・拠点間や地域間などの連絡強化や、高齢者や障がい者など市民の移動しやすさの向上を図る
ため、循環型バスやデマンド型交通システムなど新たな交通システムの導入について検討し
⑥ 交通円滑化の推進
快適でスムーズな自動車交通を図るため、駐車場の整備や違法駐車対策などを進めるととも
に、交通渋滞の緩和に向けた取り組みを進めます。
●駐車場の整備、違法駐車対策
・集合住宅や商業施設などの建設時における適正な駐車場の確保を誘導します。
・違法駐車により交通機能が低下しないよう、関係機関と連携し違法駐車の減少に努めます。
●交通渋滞の緩和
・幹線道路などに自動車交通が集中しがちな現在の状況を踏まえ、円滑な自動車交通を確保す
るため、交差点の改良を進めます。
・道路ネットワークの充実を図るとともに、関係機関と連携し、道路交通情報などの提供に努