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学位論文題名Studies on Nutrient Responses R/Iediated byUbiquitin―Proteasome System in Arabidopsis

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Academic year: 2021

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博 士 ( 生 命 科 学 ) 佐 藤 長 緒

     学位論文題名

Studies on Nutrient Responses R/Iediated by Ubiquitin ― Proteasome System in Arabidopsis

(シロイヌナズナにおけるユビキチン・プロテアソームシステムを介した      栄養応答に関する研究)

学位論文内容の要旨

  地 表に 固定 され 動け な ぃ植 物は ,自 ら が生 存し てい る場 所 での 栄養 環境 に適 応 して いか な け れ ぱ な ら な い . 特 に , 炭 素 源(C)で あ る 糖 と 主 要 栄 養 素 で あ る 窒 素(N)の 獲 得 は 植 物 の 発生 ・成 長を 大き く 左右 する .こ れ らは ,タ ンパ ク質 合 成を 代表 とし て, 物 質代 謝の 全 体 にお いて 密接 に関 わ りあ って いる , その ため ,植 物は , 炭素 と窒 素の 代謝 調 節に 関す る 個 別 の シ グ ナ リ ン グ 機 構 に 加 え て , 細 胞 内 の 炭 素 およ ぴ窒 素代 謝 物の 相対 量比(C/Nバ ラ ン ス ) を 感 知 し , 環 境 に適 応す る能 力 ,す なわ ちC/N応 答機 構を 備 えて いる ,こ のよ う な 植 物 のC/N応 答 は , 古 く から , 発芽 後成 長や 花 成と いっ た植 物の 一 生を 左右 する 重要 な 成 長 相を 制御 する 因子 と して 知ら れて い た. その 一方 で, そ のシ グナ リン グ機 構 の分 子実 体 に つ い て は 未 だ に 謎 の まま であ った . 私は ,モ デル 植物 シ ロイ ヌナ ズナ を 用い て,C/N 応 答 を制 御す る分 子機 構 の実 態解 明を 目 指し 研究 を行 った .

1:麺規CfN応筌劃御三ビキチンリガー ゼATL31の単睦

  C/N応答 制御 機構 の実 態 解明 を目 指し , 新規C/N応 答 変異 体の スク リ ーニ ング を進 めた , その結果, 高糖/低窒素というC/Nストレス条件に耐性を示す変異体cnil ‑D (carbon/ f加ぴ insensitivel ‑D)の単離に成功した.cnil ‑Dは,

極 限C/N条 件下 に おい て, 子葉 が 緑色 化し ,

野 生株 が通 常成 長 不能 とな り枯 死す る ような 本 葉の 展開 も観 察 され た。 この 変異 体 の原因 遺伝 子 イTL31は ,RING finger motifを もつ 機能 未 知の ユビ キチ ンリ ガーゼをコードしてお り ,ATL31遺伝 子の 過剰 発 現に より 極限C/N条件 に対 し て耐 性を 示す こ とを 明ら かに した . in vitro解 析 よ り ,ATL31タン パ ク質 はユ ビキ チン リ ガー ゼ活 性を 保 持す るこ とを 確認 し た . ま た ,ATL31遺 伝 子 の 欠 損 変 異 体 で は 過 剰 にC/N応答 する こと も 明ら かに した 。さ ら に , ア ミ ノ 酸 置 換 に よ りE3活 性 を 失 っ た 変 異 型ATL31を 過 剰 発 現 さ せ た 形 質 転換 体は , C/Nスト レス に 而寸J陸 を示 さな かっ た. こ れら の結 果よ り,ATL31は ユビキチンープロテア ソ ー ム シ ス テ ム を 介 し て 植 物 C/N応 答 を 制 御 し て い る こ と が 示 さ れ た .     ‑ 1350―

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≧ : 三 竺 圭 霊 Z 翌 ガ ー ゼ ATL31Q 三 竺 圭 量 Zf ヒ 擾 J 窒 11:: ク 質 14‑3‑3 堕 塋 睡    ユビキチン―プロテアソームシステムでは,ポリユビキチン鎖を付加されたタンパク質 を特異的に分解することで,細胞内の多様な現象を制御している.ユビキチンリガーゼは 特異的タンパク質を直接認識し,ユビキチン化を行うことで標的タンパク質の安定性を制 御する重要な機能を有する.ATL31 によるC/N 応答制御機構の詳細を明らかにするため,

ATL31 によ るユビ キチン化 標的タ ンパク質 について検討した, ATL31 にエピトープタグ を付加し,免疫沈降およびMS 解析を行った結果,ユビキチン化標的候補分子として14‑3‑3 タンパク質群が同定された,14‑3‑3 は多くのりン酸化タンパク質に結合し,その活性を制 御する分子であり,C およびN 代謝に関わる酵素群の活性制御においても重要な役割を担 うことが知られている,めvitro およぴin vivo において ATL31 と14‑3‑3 タシパク質が結合 することが確認された.またATL31 はin vitro において14‑3‑3 タンパク質をユビキチン化 すること が示さ れた.さらに,野生型植物体内ではC/N ストレスにより特異的な 14‑3‑3 タンパク 質が蓄 積し,一方でATL31 過剰発現体ではその蓄積が起こらないことが示され た.これ らの結 果より, ATL31 は C/N 条件 に応じて ,14‑3‑3 タンパク質の分解制御する ことで,植物C/N 応答を制御することが示された,

   上記の研究を通して,私は,植物C/N 応答がユビキチン‐プロテアソームシステムを介 した特異的タンパク質により制御されていることを明らかにした,これは,高等植物では 勿論,先行して研究がなされていた大腸菌や単細胞植物等のC/N 応答解析では得られてい ない初めての知見である,さらに,その制御機構の分子実態として新規ユビキチンリガー ゼATL31 が機能 し,ATL31 により14‑3 − 3 タンパク質の安定性が制御されていることを明 らにした.こうした知見は,14‑3‑3 により制御される既知のC/N 大代謝関連因子と新規の シグナル制御機構を繋ぐユニークな発見である.これを基に,不明な点が多かった植物 C/N 応答制御ネットワークの全容解明が期待される.

‑ 1351

(3)

学位論文審査の要旨

主 査    教 授    山 口 淳 二 副 査    教 授    山 本 興 太 朗 副 査    教 授    内 藤    哲

     学位論文題名

Studies on Nutrient Responses N/Iediated by Ubiquitin ―Proteasome System in Arabidopsis

( シ ロ イ ヌ ナ ズ ナ に お け る ユビキ チン ・プ ロテ アソ ーム シス テム を介 した      栄 養 応 答 に 関 す る 研 究 )

  地表に 固定 され動 けない 植物は ,自ら が生 存して いる場 所での 栄養 環境に 適応し ていかなければなら ない . 特 に , 炭素 源(C)であ る 糖 と 主 要栄 養 素 で あ る窒 素(N)の獲 得 は 植物 の発生 ・成長 を大 きく左 右する .これ らは, タン パク質 合成を 代表と して ,物質 代謝の 全体に おいて 密接 に関わりあっている.

そのた め,植 物は, 炭素 と窒素 の代謝 調節に 関す る個別 のシグ ナリン グ機構 に加 えて,細胞内の炭素お よび 窒 素 代 謝 物の 相 対 量 比(C/Nバ ラ ンス ) を 感 知し ,環境 に適 応する 能力, すなわ ちC/N応答 機構を 備え て いる. このよ うな 植物のC/N応 答は, 古くか ら, 発芽後 成長や 花成と いった 植物 の一生 を左右 す る重要 な成長 相を制 御す る因子 として 知られ てい た.そ のー方 で,そ のシグ ナリ ング機構の分子実体に つい て は未だ に謎の まま であっ た.私 は,モ デル植 物シ ロイヌ ナズナ を用い て,C/N応 答を制 御する 分 子機構 の実態 解明を 目指 し研究 を行っ た,

1.新規C/N応 答制 御ユビ キチン リガー ゼATL31の単 離

  CIN応 答 制 御機 構 の 実 態 解 明を 目 指 し, 新規C/N応答 変具体 のス クリー ニング を進め た,そ の結 果,

高糖 ′低 窒素と いうC/Nスト レス条 件に耐性を示す変異体cnilの(carbon/nitrogen  insensitiveJ ‑D)の単 離 に 成 功し た .cmlの は , 野 生 株が 通 常成 長不 能とな り枯死 するよ うな 極限C/N条件 下にお いて, 子葉 が 緑 色 化し , 本 葉 の 展 開も 観 察 さ れ た。 この変 具体の 原因遺 伝子ATL31は |RING finger motifをもつ 機 能 未 知の ユ ビ キ チ ン リガ ー ゼ を コ ード してお り,ATL31遺伝 子の 過剰発 現によ り極限C/N条 件に 対し て 耐 性 を示 す こ と を 明 らか に し た . 泣vitro解析 より,ATL31タンパ ク質は ユビキ チン リガー ゼ活性 を 保 持 す るこ と を 確 認 し た, ま た ,ATL31遺 伝子の 欠損変 具体で は過 剰にC/N応答 するこ とも明 らか にし た 。 さ ら に , アミ ノ 酸 置 換 によ りE3活 性を 失 っ た 変 異型ATL31を 過 剰 発 現 させ た 形 質 転 換体 はIC/N スト レス に耐性 を示さ なかっ た. これら の結果 より,ATL31はユビ キチン ―プロテアソームシステムを介 して 植物C/N応 答を制 御して いるこ とが 示され た.

2. ユ ビ キ チ ン リ ガ ー ゼ ATL31の ユ ビ キ チ ン 化 標 的 タ ン パ ク 質14一 3−3の 単 離   ユビキ チン ープロ テアソ ームシ ステム では ,ポリ ユビキ チン鎖 を付 加され たタン パク質 を特異 的に分 解する ことで ,細胞 内の 多様な 現象を 制御し てい る,ユ ビキチ ンリガ ーゼは 特異 的タン パク質 を直接認 識し , ユ ビ キ チン 化を 行う ことで 標的タ ンパク 質の安 定性 を制御 する重 要な機 能を 有する ,ATL31によ るC/N応 答 制御 機 構 の 詳 細を 明 ら か に する ため,ATL31に よる ユビキ チン化 標的タ ンパク 質に っいて 検 討し た .ATL31に エ ピト ー プ タ グ を 付加 し , 免 疫 沈降 お よ びMS解析 を行 った結 果,ユ ビキチ ン化 標的 候補分 子とし て14‑3‑3タ ンパ ク質群 が同定 された ,14‑3‑3は多く のりン 酸化タ ンパク 質に 結合し ,その 活性 を 制 御 す る分 子 で あ り ,Cお よ びN代謝に 関わる 酵素 群の活 性制御 におい ても重 要な 役割を 担うこ と が 知 ら れて い る , あvitroお よび 血wvoに お い てATL31と14‑3‑3タ ン パ ク 質 が結 合 す る こ と が確 認 され た , ま たATL31は由vitroに お い て14‑3‑3タ ン パ ク 質 を ユビ キ チ ン 化 する こ と が 示され た,さ ら

(4)

にI野 生 型 植 物 体内 で はC/Nス ト レ ス によ り 特 異 的 な14‑3‑3タ ン パ ク 質 が蓄 積 し , ー 方でATL31過 剰 発 現体 で は そ の 蓄積 が 起 こ ら ない こ と が 示 され た . こ れ ら の結 果 よ り,ATL31はC/N条 件に応 じて,

14‑3‑3タ ン パ ク 質 の 分 解 制 御 す る こ と で , 植 物C/N応 答 を 制 御 す る こ と が 示 さ れ た ,   上記 の研究 を通 して, 私は, 植物C/N応答 がユ ビキチ ン―プ ロテア リー ムシス テムを 介した 特異的 タ ンパク 質分解 によ り制御 されて いるこ とを 明らか にした ,これ は,高 等植 物では 勿論,先行して研究が なさ れてい た大腸 菌や 単細胞 植物等 のC/N応答解 析で は得ら れてい ない初 めての 知見 である .さら に,

そ の制 御 機 構 の 分子 実 態 と し て新 規 ユ ビ キ チン リ ガ ー ゼATL31が 機能 し,ATL31に より14‑3‑3タンパ ク質の 安定性 が制 御され ている ことを 明ら にした .こう した知見は,14‑3‑3により制御される既知のC/N 代謝関 連因子 と新 規のシ グナル 制御機 構を 繋ぐユ ニーク な発見 である .こ れを基 に,不明な点が多かっ た植物C/N応 答制 御ネッ トワー クの全 容解明 が期 待され る.

  これを 要する に,著 者は ,植物 のC/N応答に っいてユビキチン・プロテアソームシステムが関与する こ と, ならび にこれ に14‑3‑3タ ンパク 質が 関与す ること 等の新 知見 を得たものであり,今後の植物基 幹 代 謝 制 御 な ら び に 植 物 の 生 産 性 向 上 に 対 し て 貢 献 す る と こ ろ 大 な る も の が あ る 。   よ っ て 著 者 は , 北 海 道 大 学 博 士 ( 生 命 科 学 ) の 学 位 を 授 与さ れ る 資 格 ある も の と 認 める 。

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