• 検索結果がありません。

経済研究所 / Institute of Developing

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "経済研究所 / Institute of Developing"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

横浜市の「公民連携による国際技術協力(Y‑PORT事 業)」 (特集 地方自治体による国際環境協力)

著者 橋本 徹, 河上 留美

権利 Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization (IDE‑JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名 アジ研ワールド・トレンド

巻 235

ページ 15‑16

発行年 2015‑04

出版者 日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL http://hdl.handle.net/2344/00003226

(2)

15

  アジ研ワールド・トレンド No.235(2015. 5)

  横浜市 「公民連携 国際   技術協力 事業)

橋本 徹、河上 留美

●はじめに

  横浜市は、二〇一一年一月に「横浜の資源・技術を活用した公民連携による国際技術協力(Y―PORT事業:Yokohama Partnershipof Resources and Technologies )」をスタートさせた。本事業では、横浜が都市開発の過程で培った経験、例えば一九六〇年代から八〇 年代の人口急増や環境汚染等の課題を克服してきたノウハウ等を活用するとともに、海外事業の実績が豊富な市内の大手インフラ関連企業や海外に通用する優れた技術を有する市内中小企業と連携し、新興国等の都市課題解決の支援と市内経済の活性化に取り組んでいる。二〇一四年度に策定された現行の「横浜市中期四か年計画二〇一四~二〇一七」においても、横浜経済の活性化に向けた主要施策に「市内企業の海外インフラビジネス支援」を掲げ、その目標実現のための戦略としてY―PORT事業は位置付けられている。

●都市間協力と企業の海外展開支援

  Y―PORT事業の特色として、海外都市と二都市間の協力関係を構築したうえで、国際協力機構 (JICA)等と連携しながら都市づくりの上流計画から参画し、企業による事業形成の道筋を創出するアプローチをとっている。その第一弾として、二〇一二年三月、横浜市はフィリピン国セブ市と「持続可能な都市の発展に向けた技術協力に関する覚書」を交わした。この覚書には協力項目として、横浜市がセブ市の持続的な都市開発の推進における技術的な助言を行うこと、両市が民間および学術機関の参加を働きかけること、両市が両国政府および国際機関等の協力を得るための活動を行うことを取り決めた。  二〇一二年度にJICAは横浜市と連携して、セブ都市圏を対象とした都市開発ビジョンMEGA CEBU VISION 2050の策定支援を行った。この策定過程において横浜市は、本市の高度成長期の長 期構想や数十年に渡る都市づくりの経験をセブ関係者と共有するなど、自治体が持つ経験を活かした協力を行った。セブ都市圏への技術協力を行っている副次的効果として、横浜市が同地で広く認知されるとともに、横浜市は同地の開発ニーズをより的確に把握できるようになった。このような海外都市との信頼関係の構築は、企業が横浜市と連携して同地で事業形成するにあたり、大きな効果をもたらしている。なお、横浜市は現在、JICAが実施する同ビジョンを実現するためのロードマップの策定支援を引き続き進めている。  これらの活動をベースに、二〇一二年一二月には、外務省の「O

セブ市における萬世リサイクルシステムズ株式会社による ごみ最終処分場の廃プラスチックを石油由来燃料の代替燃 料にリサイクルする事業(提供:横浜市)

図1 都市間協力からの公民連携事業の形成イメージ(セブのケース)

(出所) 横浜市。

フィリピン

共和国 国家間の協力関係 日本国 JICA

連携 横浜市

横浜市内を中心 とする企業・学術 機関など 都市の協力関係構築

企業・学術機関の関係

公民連携でセブの都市発展を支援 セブ市

セブ市の現地 企業など メトロセブ開発

調整委員会

地方自治体による

国際環境協力

(3)

アジ研ワールド・トレンド No.235(2015. 5)  

16

DAを活用した中小企業等の海外展開支援に係る委託事業(案件化調査、途上国政府への普及事業)」に市内中小企業による調査提案三件が採択された。このうち、廃棄物リサイクルや汚泥脱水処理の提案は、現在、セブ市に資機材を輸送して実稼働を行う実証事業の段階に進んでいる。

  また、このような企業の実績や政府等の企業支援策について、情報提供や意見交換を行う場として「共創Y―PORTワーキング」を定期開催しているほか、前述のような外務省委託事業等の受注に向けた支援や、国際会議等において企業が有する環境技術の広報やネットワーク形成を行う機会を設けるなど、市内企業の海外展開を 積極的に支援している。  同様の取り組みをベトナムのダナン市やタイのバンコク都でも展開しており、ダナン市においてはJICAと連携した「ダナン都市開発フォーラム」の実施、バンコク都においては「気候変動マスタープラン策定・実施能力向上プロジェクト(JICA)」および「アジアの低炭素社会実現のためのJCM大規模案件形成可能性調査事業(環境省)」への協力として具体化し、都市課題解決の支援と市内企業の案件受注に向けた取り組みが進められている。●横浜のシティプロモーション

  都市間協力や企業の海外展開支援を効果的に行うには、新興国都市から本市の取り組みを認知してもらうことが重要である。そこで、国際会議等でのPRや世界的な賞の獲得、海外からのインフラ視察の受け入れを積極的に行なっている。横浜市は昨年、住みやすく活気があり持続可能な都市創造に貢献した都市に贈られる「リー・クワンユー世界都市賞二〇一四」において「特別賞」を受賞した。これは、過去四〇年以上にわたり様々な都市課題を解決してきた実 績や、近年の公民連携により新興国都市へ課題解決策を共創する取り組みが評価されたものであり、海外における横浜の認知度向上に大きく寄与している。  さらに二〇一二年度から、横浜市はアジアの市長や国際機関等の代表者による国際会議「アジア・スマートシティ会議」を開催している。過去最多となるアジア二二都市の首長らが参加した昨年の第三回会議では、持続可能な都市発展に向けたビジョンや取り組みを共有するとともに、アジア・スマートシティ・ネットワークの立ち上げが参加者により提唱された。●おわりに

  二〇一五年四月には、横浜市の国際関連事業の総合調整・相互連携を強力に推進し、積極的に自治体外交を展開するため、新たに「国際局」が設置された。国際局の主要な機能のひとつであるY―PORT事業は、前述の三つの要素(都市間協力、企業支援、シティプロモーション)を自治体ならではの強みを活かしつつ、より多角的に国の 支援策も活用して推進するため、横浜市・国際機関・市内企業等が参画して海外プロジェクトや国際会議等の共同事業を実施する「Y―PORTセンター」を構築する。この取り組みにより、都市づくりの上流計画から企業の事業形成までつなげ、「ヨコハマブランド」の価値向上と、市内企業の海外展開支援を、引き続き強力に推進していく。(はしもと  とおる/横浜市政策局共創推進室国際技術協力担当部長、かわかみ  るみ/横浜市政策局共創推進室国際技術協力課担当係長)

第3回アジア・スマートシティ会議(提供:横浜市)

図2 Y - PORT センターにおける連携イメージ

(出所) 横浜市。

新興国諸都市

各都市のニーズ 都市課題解決支援 インフラビジネス展開

(政府開発援助)ODA 等による支援

日本政府JICA JBIC等 Y-PORTセンター

横浜市 CITYNET 横浜プロジェクト

オフィス 市内企業 地球環境戦略

研究機関 都市間連携

における協力 開発銀行アジア

知見の共有

連携・情報共有

経済団体・企業・

その他関連団体等

参照

関連したドキュメント

Synnott)3で、彼は 「CIO とは CEO

中国の食糧生産における環境保全型農業の役割 (特 集 中国農業の持続可能性).

第?部 国際化する中国経済 第3章 地域発展戦略と 外資・外国援助の役割.

第?部 国際化する中国経済 第1章 中国経済の市場 化国際化.

太平洋島嶼地域における産業開発 ‑‑ 経済自立への 挑戦 (特集 太平洋島嶼国の持続的開発と国際関係).

JICA (国際協力事業団) のコンクリート構造物耐久性向

ア Tokyo スイソ推進チームへの加入を条件 とし、都民を対象に実施する水素エネルギ ー普及啓発のための取組(① セミナー、シ

ISSJは、戦後、駐留軍兵士と日本人女性の間に生まれた混血の子ども達の救済のために、国際養子