模型にかぎらずホビーユースとしてめざましく普及しているのがエアーブラシです。
とくにアネスト岩田製のエアーブラシはその性能、耐久性、ユース性ともにトップクラスで、
国内はもとより海外でも有名アーティストがフェイバリッドモデルとして挙げています。
本書ではそのアネスト岩田製エアーブラシのメンテナンス方法を中心に、エアーブラシの
楽しみ方をお届けします。 ぜひご自身のエアーブラシライフの糧にしてください。
T a b l e o f C o n t e n t s
エアーブラシの仕組み
アネスト岩田エアーブラシガイド
エアーブラシ塗装の基本とお手入れ
アネスト岩田エアーブラシ メンテナンスガイド
HP-THのメンテナンス方法
アネスト岩田から専用メンテナンスツールが発売!?
HP-TRのメンテナンス方法
HP-CPのメンテナンス方法
アネスト岩田ユーザーインタビュー
#001 空山基
CM-CP2のメンテナンス方法
ガイアノーツ インタビュー エアーブラシ用の塗料って販売しないんですか?
HP-SARのメンテナンス方法
アネスト岩田ユーザーインタビュー
#002 中村哲也
HP-SBSのメンテナンス方法
アネスト岩田ユーザーインタビュー
#003 タナベ シン
HP-G5のメンテナンス方法
タナベ シン エアーブラシフィギュア塗装講座
アネスト岩田エアーブラシ&周辺機器カタログ2017
004
008
010
016
018
025
026
028
034
036
044
046
052
054
060
062
068
075
は じ め に ……
国内に工場を構えるアネスト岩田では 敷地内にショールームを併設し、多彩な ジャンルでの展開製品を展示している
アネスト岩田
当 社は2 0 1 6 年 度 に創 業 9 0 周 年を迎えた日本 の 産 業 機 械メーカです。 創業以来の社是である「誠心(まことのこころ)」を守り続け、日本、ひいては世 界のものづくりを支える最高の品質・技術・サービスをお届けするために全世界で 40を超えるグループ会社全従業員が一丸となって日々業務に励んでおります。 アネスト岩田の「アネスト」には「Active and Newest Technology=常にいきいき とした活力と新規性のある技術力を持った開発型企業であることを目指す」という 思いが込められており、90年以上の歴史の中で数多くの国内初・世界初の製品 を生み出してまいりました。 1927年 国産第1号のスプレーガンの製造・販売を開始 1969年 国産初の空冷二段・中形コンプレッサを発売 1985年 世界初の多関節電動塗装ロボットを発売 1991年 世界初のオイルフリースクロールコンプレッサ開発 1991年 エアーブラシフラッグシップモデルのカスタムマイクロンシリーズ発売 1993年 世界初のドライ(オイルフリー)スクロール真空ポンプを開発 1995年 世界初の樹脂製ピストンのオイルフリーコンプレッサ開発 1996年 ドロップインノズルを搭載したエアーブラシであるエクリプスシリーズ発売 1999年 世界初のV溝付塗料ノズルを採用した低圧スプレーガンLPH-400発売 2003年 国産初の外部帯電方式の静電ハンドガンを発売 2005年 世界初のオイルフリーブースターコンプレッサ開発 2009年 WS-400スプレーガンが世界大手塗料メーカーのグローバル認証を受ける 2009年 オイルフリーブースターコンプレッサが省エネルギー機器表彰を受賞 2013年 小形バイナリー発電装置を開発し、NEDOの委託・開発テーマに採択 2013年 カスタムマイクロンシリーズを更に進化させるべくモデルチェンジ 2015年 オイルフリースクロールコンプレッサ( 世界最大出力 7.5kW機 )を発売 2017年 オイルフリースクロールコンプレッサ(Fシリーズ)が省エネルギー機器表彰を受賞iwata by ANEST IWATAは世界をリードする霧化技術を有する産業機械メーカであるアネスト岩田のエアーブラシ事業ブランドです。
厳しい仕様・検査基準を設定し、最高品質の製品で「Create a great experience=最高の体験を創造する」ことをモットーにして
おります。世界ネットワークを駆使したマーケティングを実施し、トレンドやアーティスト、プロフェッショナルからの意見を取り入れた「プ
ロが求める信頼性と性能を兼ね備えたエアーブラシ」を届けることで、世界中でご愛顧いただけるトップブランドとなるべく邁進し続けます。
アネスト岩田 伊藤 慈 / ANEST IWATA Megumi ITO
4
A N E S T I WATA A I R B R U S H M A I N T E N A N C E B O O Kノズルつまり
うがい
ニードル曲がり
キャップ内塗料付着
フ レ キ シ ブ ル な 微 調 整 が 可 能 !
ハンドピースの種類のなかで、最も操作の自由度の高いタイプがこのダブルアクション
式だ。塗料の量とエアーの量を個別かつ瞬時に調整することが可能。他のタイプに比
べると操作がややテクニカルで慣れを要するが、一本で広く対応できることから愛用す
るモデラーが多い。「とりあえず一本持っておけ」的オススメのハンドピースである。
カップ
ノズルキャップ
ニードルキャップ
ニードル
ニードルパッキンネジ
エアパッキン
バルブ
ニードルスプリング
ニードルチャック
ハンドル
押しボタン
●たとえ吹き付けの最中であっても、
指一本でエアーと塗料の量を個別か
つ無段階に操作することができる。
●おおよそ「エアブラシでできる塗
装」のほぼすべてを一本で行なうこ
とが可能。
●操作がやや難しい
●エアーと塗料の調整を同時に行な
うので、長時間の操作は疲れやすい。
●別方式のハンドピースと比べると、
同クラスであってもやや高価。
▲トリガーを下に押すことでエアーのみがノズルから吹き出す。 もちろん押し込む量によりエアー量の調整が可能。エアーのみ開 放することでブロアーとして使うこともできる➡
▲トリガーを手前に引くことで内部のニードルが下がり、塗料の 通り道であるカップからノズルへの道が開かれる。この塗料の操 作と右記のエアーの操作が同時にできることが最大の長所なのだ➡
キャップ
ニードル止めネジ
ノズル
ダ ブ ル ア ク シ ョ ン 式
メ リ ッ ト デメリット ダブルアクション 式: ハイパ フォーマ ンス H P-C Pエアブラシ塗装に必要不可欠なもの、それがハンドピースだ。ここ
ではその構造とメカニズムをイラストを使った図解とともに紹介。
ベテランモデラーでも意外と知らない、その内部がまるわかり!
エアブラシ
の
しくみ
イラスト・解説/二宮茂樹
A N E S T I WATA A I R B R U S H M A I N T E N A N C E B O O K
5
ノズル
ノズル
▲トリガー式は拳銃の引き金のような形状のトリガーを 引くことでニードルの後退とバルブの開閉を同時に行な う。トリガーの引き具合で塗料とエアーの量が調整でき るが、ダブルアクションのように個別での調整はできない。 ▲ダブルアクション式とは違い引くことがで きないので、押しボタンを使ったニードル の操作はできない。ここを押すことバルブ が開き、エアーがノズルより噴出する。➡
ダブルアクション式以外にもエアブラシにはさまざまな種類がある。塗料とエ
アーの放出量調整はダブルアクション式ほど繊細には行なえないが、利便性や
安定性に優れたタイプも存在する。ダブルアクションの複雑な操作に自信がな
い人は、ここで紹介するハンドピースを使うのも選択肢のひとつだ。
●ニードルの位置が固定でき
るので、つねに同じ量の塗料
を吹くことが可能。
●塗装中はボタンを押すだけ
なので疲れにくい。
●なにより操作が簡単。
●塗装をしながら塗料の量
を調整することができない。
●ニードルを下げた状 態で
ノズルを下へ向けると塗料
が垂れてくる。
●トリガーの引き具合で塗
料とエアーの調整ができる。
●グリップ付きのものは、
握りやすく長時間使っても
疲れにくい。
●ほかのタイプとは異なり、ペン
を持つような持ち方ではないため、
繊細な取り回しがやりづらい。
●ニードルとバルブが同時に動く
ので片方だけの動作ができない。
➡
カップ
ノズルキャップ
ニードルキャップ
ニードル
ニードルパッキンネジ
押しボタン
バルブ
エア
パッキン
調整ダイヤル
ニードル止めネジ
ニードルストッパー
ニードルスプリング
エア
パッキン
トリガー
カップ
ニードルパッキンネジ
ニードル
ノズルキャップ
ニードル
キャップ
ニードルチャック
キャップ
キャップ
安 定 し た 塗 装 が 手 軽 に で き る !
シ ン グ ル ア ク シ ョ ン 式
メ リ ッ ト メ リ ッ ト デメリット デメリット シングルアクション 式: レボリューション H P - S A R トリガー 式: ハイライン H P -T H引 く だ け だ け ど 調 節 も 可 能 !
ト リ ガ ー 式
6
A N E S T I WATA A I R B R U S H M A I N T E N A N C E B O O Kニードルスプリング
エ ア ブ ラ シ に よ る 塗 装 の 仕 組 み
空 気 の 量を 一 定 に保 つエ ア アジャスト
◀塗装直前の状態。ノズルの先端部 まで塗料が充填されている。だが、ニ ードルがノズルに押し当てられフタ をしている状態なので、ハンドピー スを下に向けても塗料が垂れてくる ことはない。ダブルアクション式の 場合、この状態でトリガーを押すこ とで(引いてはいけない)空気のみ が射出される。このことからわかる ように、塗料と空気は別の経路でハ ンドピースの先端まで導かれている。 ▶一部のハンドピースにはカップの 直下にネジ式の調整ツマミがついて いるものがある。このツマミは「エ アアジャスト」と呼ばれ、塗装の際 の風量を調節することができる機能。 圧力調整ができないコンプレッサー を使用するときや細吹きのときなど、 風量を小さくしたい状況で重宝する。 ▶トリガーやボタンを押し下げるこ とによりエアバルブが開いて空気が ハンドピース内に流れ込み先端のノ ズル周りまで導かれノズルキャップ 先端の穴から噴出する。ここでトリ ガーや調整ダイヤルを使ってニード ルを後退させるとノズルとニードル の間に隙間ができ、空気流による負 圧でノズル先端から塗料が吸い出さ れる。吸い出された塗料は表面張力 により瞬時に丸まり霧となる。 ◀エアアジャストの機構としては、 ハンドピース内部でエアーの通り道 の太さを調整し、風量に制限を設け るというもの。閉めれば風量が減少 し、開ければ増量すが、当然コンプ レッサーが生み出す風量以上にはな らない。圧力調整付きのコンプレッ サーと組み合わせれば、かなり繊細 に風量の調整を行なうことも可能な のだ。塗料ビン
ノズルキャップ
ニードルキャップ
ニードル
ニードルパッキン
エアパッキン
バルブ
ニードルチャック
ニードル止めネジ
押しボタン
ハンドル
●カップを交換するだけで簡単に塗料を変更することがで
きる。(ハンドピースの洗浄は必要)
●カップがハンドピースの下部についているため、塗装対
象がよく見える。
●重い塗料ビンが前方についているので重量バランスが悪
く、こまかい取り回しが難しい。
●塗料の希釈がデリケート。塗料の希釈が甘いと、塗料の
粘度に吸い上げる力が負けてしまいうまく吹けないので、
緩めに希釈する必要がある。
キャップ
ノズル
吸 い 上 げ 式
塗 料 の 変 更 が 楽 ち ん !
吸い 上げ 式: H P プラス H P - B C1P メ リ ッ ト デメリットA N E S T I WATA A I R B R U S H M A I N T E N A N C E B O O K
7
コンプレッサーのタイプ別駆動方法
ハンドピースに圧縮空気の供給を行なうのがコンプレッ
サーだ。いくつかの駆動方式がそれぞれ特徴も異なる。
自分の模型ライフに合ったものを選びたいところ。
ピストン式
ダイア
フラム式
リニア式
●シリンダーの中をダイアフラムと呼ば れるゴム膜をモーターでレシプロ運動さ せて空気を圧縮する。擦動部が無いため 摩 擦 熱 が 発 生 し に く く 比 較 的 音 が 静 か。 また、注油がいらない、脈動が少なく空 気にオイルが混じらないなどの利点があ るがあまり高い圧力は作れない。 期的な注油が必要で比較的音がうるさい。 コンプレッサー自体が熱を持ちやすく定 だが、ピストンとシリンダーの摩擦熱で が単純なのでメンテナンスや修理が容易 圧縮する。高い空気圧を生み出せ、構造 クランク軸でレシプロ運動させて空気を ●シリンダー内のピストンをモーターと ●空気の圧縮部の構造はピストン式と変 わらないが駆動にモーターの代わりとし てリニアモーターを使っている。可動部 分が少ないので音が静かで振動も少ない。 また、大幅な小型化軽量化が可能な一方 で、高い圧力を生み出すのは苦手。模型 用には最適かもしれない。ど
う
し
て
?
な
ん
で
?
動
作
不
良
の
仕
組
み
「 水 が 出 た!」
そ ん な と き は……
そもそもなぜ水が出るのかというのはいくつか説が あって、まずコンプレッサーで圧縮され温度が上が った空気がホース内を通る時に結露するという説。 空気に圧力をかけると空気中の水蒸気の飽和量が減 るので水蒸気でいられなくなった分が水滴となると いう説などがあり、どちらにしてもコンプレッサー で空気を圧縮している限り水滴は生じてしまう。対 策には水抜きやドレンなども有効だがそれでも水を 噴いた場合は一旦ハンドピースをはずし、ホースの 口を指でふさいでコンプレッサーを作動、圧が上が った所で指を離して空気流で水滴を吹き飛ばすこと を何回か続ける。エアブラシの構造と動作方法がわかったとこ
ろで、次はエアブラシが正常に行なえない場
合の要因について解説する。「塗料が出な
い!」や「狙ったところに吹けない」など、
各トラブルに対しする代表的な要因をピック
アップしてみた。大抵の場合はメンテナンス
不足や分解洗浄の際の組み立てミスが原因で
起きるが、なかには構造上避けられないもの
も。しかし、そのメカニズムを知ってさえい
れば事前に回避できるものも少なくないのだ。
ノ ズ ル つ まり
キャップ 内 塗 料 付 着
ニ ード ル 曲 が り
ハンドピースのノズルの開口部は直径コンマ数ミリで さらにニードルが差し込まれるので隙間はもっと狭く なる。長時間使っていればどうしてもここに塗料内の ホコリなどがたまり、最悪の場合塗料が出なくなる。 そうなる前に定期的にノズルをはずして掃除しよう。 長時間塗料を吹き続けているとどうしてもニードルキャップの内側に塗料が 付着する。一旦付くと雪だるま式に増え、良き所ではがれて塗装面に飛び散 る場合がある。ノズル内は常にチェックを怠らないようにするしかない。 ニードルはノズルと並びハンドピースの構成パーツの 中でも飛びぬけて精密に作られている。分解掃除など でニードルを抜き差しする際、わずかでも曲げると塗 料が偏って噴出し、あらぬところに吹き付けられる場 合がある。分解掃除の際には充分すぎるほど注意したい。 ▲IS-925HTはハンドル部がエアタンクとなっており、空気の 安定供給が可能で別途エアータンクがなくても脈動が発生しな いに嬉しいさまざまな機能を備えている。詳しくはP20にて! ハンドピース 冷えた外気 ホース 圧縮された熱い空気 コンプレッサー 結露8
A N E S T I WATA A I R B R U S H M A I N T E N A N C E B O O KA
IRBRUSH
小 面 積 タ イ プ
ノズ ル 口 径φ0 . 2 m m 塗 料 カップ 容 量 1 . 5 m l 標準タイプよりノズル口径の塗料 カップ容量も少なく、極細線や小 さなワークの吹き付けにおすすめ標 準 タ イ プ
ノズ ル 口 径φ0 . 3 m m 塗 料 カップ 容 量 7 m l ノズル口径 0.3 ㎜なら細線から グラデーションまでこなせる。は じめて購入するならこのタイプ広 面 積 タ イ プ
ノズ ル 口 径φ0 . 5 m m 塗 料 カップ 容 量 2 8 m l 標準タイプよりさらに広い面積を 塗装するときに使用。平吹きがで きるエアーブラシやボトルタイプ で色替えが容易なモデルもある 多くのモデルが、エアーと塗料量の両方 を同時にコントロールすることができる ダブルアクションを採用している。エアー ブラシで表現できることはすべて可能だダ ブ ル ア ク シ ョン
(カスタムマイクロン CM-CP2) 軽く握るとエアーが噴出し、さらに握り 込むと塗料が出る二段吹き方式。持ち やすく長時間の作業でもつかれにくいト リ ガ ー タ イ プ
(ハイライン HP-TH) シンプルかつ軽量な作りのシングルアク ションモデルは、単純な色付けやボディ アートでの作業に最適。後部の塗料コン トロールツマミで噴出量を調整できるシ ン グ ル ア ク シ ョン
(レボリューションシリーズ HP-M2) 大型のカップを持ち、平吹きが可能なの がガンタイプ。 通常は大口径のものが 多 いが、HP-G3 のように 0.3 ㎜ 口 径 と通常のエアーブラシと同じものもあるガ ン タ イ プ
(エクリプスシリーズ HP-G5)ここでは多彩なラインナップを誇るアネスト岩田の商品を紹介しつつ、基本的な
使い方をおさえてみよう。各モデルそれぞれに特徴があるが、最初にアネスト岩
田製品を選ぶ際のガイドにしてほしい。
A N E S T I W A T A
エ ア ー ブ ラ シ ガ イ ド
プ ロ ダ ク ト ガ イ ド
エ ア ー ブ ラ シ の 種 類
エアーブラシの機種選定は基本的に吹き付け
る物の大きさ(使用する塗料の量)と作業性
で選定するのが良いでしょう
ノ ズ ル の 口 径 選 び
A N E S T I WATA A I R B R U S H M A I N T E N A N C E B O O K
9
C
OMPRESSOR
▲レギュレーターを使ってエア圧を調整す る。 圧力調整ノブをカチっと音がするまで 引き上げ左右に回転させて調整します ▲使用圧力は 0.1 〜 0.2Mpa に調整する のが目安。まずは高めにエア圧を調整します ▲ 次にエアーブラシを吹きエアー 圧が下 がるのを確 認します。 このときに 0.1 〜 0.2Mpa になるように設定します C O M P R E S S O R × A I R B R U S H エアーブラシ カスタム マイクロン CM-B2 CM-SB2 CM-C2 CM-CP2 HP-AH HP-BH HP-CH HP-TH HP-AP HP-BP HP-SBP HP-CP HP-BC1P HP-BS HP-CS HP-SBS HP-BCS HP-G3 HP-G5 HP-G6 HP-AR HP-BR HP-CR HP-BCR HP-SAR HP-TR1 HP-TR2 HP-M1 HP-M2 HP-CN HP-BCN IS-51 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ▲ ● ● ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ● ▲ ● ● IS-800 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● IS-850 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● IS-876 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● IS-925 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● IS-875HT ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● IS-925HT ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● IS-976MB ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ハイライン ハイパフォーマンス プラス エクリプス コンプレッサ形式 レボリューション ネオ ●…最適 ●…適する ▲…0.1MPaを保持、通常の吹付けが可能 ※ エクリプスシリーズは空気量が多いのでIS-51では圧力が下がってしまいお勧めできませんエアーブラシ塗装で重要になるのがコンプ
レッサーの供給するエアーの圧力調整。こ
れが適切でないと充分な吹き付け塗装がで
きません。エアー圧が高いと飛散が多くな
り、低すぎると粒子が粗くなります
エ ア ー の 調 整 方 法
プ ロ ダ ク ト ガ イ ド
コ ン プ レ ッ サ ー の 選 び 方
エアーブラシはノズル口径が大きくなるほどエアーの使用量が多く
なり、組み合わせによっては圧力不足になりきれいな仕上がりにな
りません。相性のよいエアーブラシとコンプレッサーを選びましょう
10
A N E S T I WATA A I R B R U S H M A I N T E N A N C E B O O KA
IRBRUSH
BASIC PAINTINGS &
MAINTENANCE
▲準備するのは塗料と希釈するための皿そ れと撹拌棒。今回は模型で使うことを想定し、 ラッカー系塗料のガイアカラーを準備した ▲まずはエアーブラシ塗装に適切な濃度に 塗料を撹拌する。 皿に塗料を取り出す前に 瓶内で完全に混ざるまで充分撹拌する ▲次に薄め液で塗料を希釈する。ガイアカ ラーの場合、塗料と薄め液を 1:1 で混合 することを基準としている ▲希釈の量はその塗料によって異なるが、写 真のように、水か牛乳程度の薄め具合が目安。 希釈した塗料をエアーブラシのカップに注ぐ ▲エアー圧や吹き出す量を調整したら試し吹 きをする。 まずは高い位置(対象物から離 れて)から吹いて様子をみる ▲次に低い位置(対象物に近づけて)で吹 き、塗料の濃度を確認する。 塗料の吹き出 し量もここで再度調整する ●塗料をいれたまま先端を上に向ける。 エアーブラシは水平から下に向かって吹き 付ける道具。上に向けると塗料が押しボタ ン部などに流れ出る恐れがある ●塗料をいれたままニードルを抜く ニードルは塗料とエアー部を仕切るニード ルパッキンを通っており、抜くとニードルパッ キンの樹脂が塗料に侵され壊れてしまう上で見るとおり、エアーブラシは様々な作法のある塗装道
具だ。そのなかには絶対にやってはいけない行ないもある。
これをやるとエアーブラシの構造上正しく塗装できなかった
り、場合によっては故障するので注意しよう。まずついやり
がちな左記の行為はNGだと覚えよう
「エアーブラシ担当は入社時にまずこの 基本塗装をみっちりと叩き込まれます。」 インストラクター / アネスト岩田 コーティングソリューションズ上 尾 嘉 郁 さ ん
絶 対 に や っ て は
い け な い こ と ! !
ここからはエアーブラシ塗装に関する基本の訓練を実
際にアネスト岩田のインストラクターにレクチャーして
いただく。使う塗料の種類に違いはあっても基本塗装
の方法やマナーは一緒。まずは基本をマスターしよう
エ ア ー ブ ラ シ 塗 装
の 基 本 と お 手 入 れ
塗 料 の 濃 度 の 調 整 と 試 し 吹 き
A N E S T I WATA A I R B R U S H M A I N T E N A N C E B O O K