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「ドレスと私、時々着物」

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Academic year: 2021

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 「着物と私」ということで、今回初めて人生の中 で自分がどれくらい着物と関わってきたかを考え てみた。すると七五三の時と成人式の時のたった 2回しかなかった!(私は五才の時しか七五三を していない。)というのも、シンデレラや白雪姫 が大好きだった私は着物より断然ドレス派だった ので、着物というものに全く興味がなかった。だ から七五三の時も実は着物ではなくひらひらのお 姫様ドレスを着る予定だった。しかし熱を出して しまい結局別の日に嫌々着物を着させられて写真 を撮ったのだ。貴重な晴れ舞台にも拘わらず、レー スいっぱいのドレスを着ることの出来なかった私 の表情は至って不機嫌。そんな初めて着物を着た 私の写真は今でも家のリビングに飾られている。

 突然だが、私にとって大切な宝物がいくつかあ る。大切な人たちから貰った手紙とか、吹奏楽部 時代の真っ黒な楽譜とか尊敬する恩師からの言葉 だとか。もちろんどれも大事で大切で順番なんて 付けることは不可能だが、祖母が成人式のために と買ってくれた綺麗な振袖だけは別。成人式の振 袖にすら興味のなかった私は、適当にレンタルし た着物を着ようとこれまた適当に考えていた。あ る日祖母の家に遊びに行った時、「これ遥香ちゃ んに似合うと思って」と言うと、突然祖母が振袖 を出してきたのだ!なんてサプライズ!立派な箱 に入って畳紙に大事そうに包まれた振袖はとても 繊細そうで素手で触れることさえ何となく躊躇う

程だった。

 十何年振りに着た着物は想像していた通り重い し、帯は苦しいし、草履ははき難いし、絶対結婚 式はウェディングドレスにしよう!と思ったけれ ど、祖母が私の振袖姿を見て「やっぱりこの振袖 遥香ちゃんに似合う。買ってよかった。」なんて 泣きながら言うものだから、これから着物派にな ろうかなって心の中で思った。今、私の家のリビ ングルームには五才の不機嫌な顔で着物を着た私 の写真と二十歳の笑顔で振袖を着た私の写真が隣 合せで並んでいる。

きのした はるか(英米語学科4年次生)

着物と私(12)

「ドレスと私、時々着物」

木下 遥香

22

学生と図書館

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