第
4
章 関数と平面図形電気電子工学の現象を式で取り扱ったり,それを図形で表現すると,現象を理解 したり応用する際に便利である.その場合の式はいろいろな関数を用いて表す.本 章では,関数について述べるとともに,それを図形として表すことにより関数への 理解を深める.
4.1
関数の種類2
つの集合の間の関係を決める規則を関数というが,我々が学ぶ初等関数は次の ように,整式関数,分数関数,無理関数などの代数関数と指数関数,対数関数,三 角算数などの超越関数に分類できる.初等関数
—
代数関数—
整式関数有理関数
(
分数関数)
無理関数—
超越関数—
指数関数対数関数
三角関数,逆三角関数
4.2
定義域と値域y = f(x)
の変数x
の取り得る範囲を定義域という.定義域x
に対してy
の取り 得る範囲を値域という.[
例1] y = x + 3
x + 2
の定義域と値域は,y = x + 3
x + 2 = 1 + 1
x + 2
より,それぞれ,
−∞ < x < ∞ (x ̸ = − 2)
,−∞ < y < ∞ (y ̸ = 1)
となる.また,こ のグラフは図4.1
のようになる.-2 1
x y
図
4.1:
例1
のグラフ4.3
関数とグラフ平面上に原点
O
と,O
で垂直に交わるx
軸,y
軸を定めたとき,この平面を座 標平面という. 座標平面は,座標軸によって4
つの部分に分けられ,それぞれを 図4.2
のように,反時計回りに第1
象限,第2
象限,第3
象限,第4
象限という.図
4.3
は,方程式y = f (x)
を満たす関数のグラフである.O x y
第1象限 第2象限
第3象限 第4象限
図
4.2:
座標平面x y
O
y=f(x)
t f(t)
図
4.3:
関数のグラフ
(1) 1
次関数
1
次関数y = ax + b
のグラフは傾きがa
,y
切片がb
の直線であり,y
軸と座標(0, b)
で交わる.図4.4(a)
は,傾きが正のグラフ,図4.4(b)
は傾きが負のグラフで ある.また,図4.5
にように,点(b, 0)
を通り,y
軸に平行な直線の方程式はx = b
となり,図4.6
のように,点(0, b)
を通り,x
軸に平行な直線の方程式はy = b
と なる.x y
O
y=ax+b b
a > 0
x y
O y=ax+b
b a < 0
(a)
傾きが正のグラフ(b)
傾きが負ののグラフ 図4.4: 1
次関数のグラフx y
O
x=b
b
図
4.5: x = b
のグラフx y
O b y=b
図
4.6: y = b
のグラフ
これらの直線の方程式は一般に次の形で表される.
ax + by + c = 0
ただし,
a ̸ = 0
または,b ̸ = 0
である.また,点
(x
1, y
1)
を通り,傾きがa
である直線の方程式は次式となる.y − y
1= a(x − x
1) (4.1)
2
点を通る直線の方程式は次式となる.x
1̸ = x
2のときy − y
1= y
2− y
1x
2− x
1(x − x
1) (4.2)
x
1= x
2のときx = x
1(4.3)
2
直線y = a
1x + b
1,y = a
2x + b
2の位置関係は次の通りである.交差 :
a
1̸ = a
2 直交 :a
1a
2= − 1
平行 :
a
1= a
2,b
1̸ = b
2x y
O
a = a
1 21
2
a
a
x y
O a a
1 21
2
a
a
= −1
x y
O
a =a
1 21 2
a a b =b
1 2x y
O
a =a
1 2b =b
1 2(a)
交差(b)
直交(c)
平行(d)
一致図
4.7: 2
直線の傾きと位置[
例2](1)
原点を通って,直線y = 3x − 1
に平行な直線はy = 3x.
(2)
点(2,1)
を通って,直線2x + 3y = 2
に垂直な直線は次のように求める.y = − 2 3 x + 2
3
より,元の直線の傾きは− 2
3
だから,この直線と垂直な傾きは3 2
で ある.したがって,y − 1 = 3
2 (x − 2)
より,y = 3
2 x − 2
となる.(2) 2
次関数y = ax
2+ bx + c (a ̸= 0)
のように,y
がx
の2
次式で表される関数を2
次関数 といい,2
次関数のグラフを放物線という.放物線は,次のような性質がある.⃝ 1 a > 0
のとき,下に凸(図4.8(a))
.a < 0
のとき,上に凸(図4.8(b))
. 第13
章 微分の応用(
その1)
参照.⃝ 2 D = b
2− 4ac
とおくと,D > 0
のとき,x
軸と2
点で交わる(図4.9(a))
.D = 0
のとき,x
軸と1
点で交わる(図4.9(b))
.D < 0
のとき,x
軸と交わらない(図4.9(c))
.⃝ 3 y = ax
2+ bx + c = a
x + b 2a
2− b
2− 4ac
4a
より,頂点は点
− b
2a , − b
2− 4ac 4a
!
,
y
軸との交点は,点(0, c)
となる.また,下に凸の グラフは頂点が最小値に,上に凸のグラフは頂点が最大値となる.y
x 2 1
− 27 3−
−
−
図
4.10:
例3
のグラフy
Ο x
y
Ο x
(a)
下に凸の放物線(b)
上に凸の放物線 図4.8:
放物線y
Ο x
y
Ο x
y
Ο x
(a)D > 0 (b)D = 0 (c)D < 0
図4.9: D
とグラフの関係(a > 0
の場合)
[
例3] y = 2x
2+ 6x + 1
のグラフは次のようになる.y = 2(x
2+ 3x) + 1
= 2
x + 3 2
2− 2 × 9 4 + 1
= 2
x + 3 2
2− 7 2
より,頂点の座標は− 3 2 , − 7
2
で
,
下に凸,y
軸と座標(0, 1)
で交わる放物線となる(
図4.10).
[
例4] y = − 3x
2+ 12x − 9
の定義域と値域は次のようになる.y = − 3(x
2− 4x) − 9
= −3(x − 2)
2+ 3 × 4 − 9
= − 3(x − 2)
2+ 3
より,上に凸で
y
の最大値は+3
.したがって,定義域は−∞ < x < ∞
,値域は−∞ < y < 3
となる.x
2+ y
2= 1
(2)
中心が(2, − 1)
,半径が3
の円の方程式は(x − 2)
2+ (y + 1)
2= 9
【例題
1
】 点(2,4)
を中心とし,原点を通る円の方程式を求めよ.【解】図
4.11
より,半径は√
2
2+ 4
2= √
20
.したがって,(x − 2)
2+ (y − 4)
2= 20
【例題
2
】x
2+ y
2− 4x + 10y + 20 = 0
を図示せよ.【解】
(x − 2)
2− 4 + (y + 5)
2− 25 + 20 = 0
より,(x − 2)
2+ (y + 5)
2= 9.
した がって,図4.12
に示すような中心(2, −5)
,半径3
の円となる.y
O
x 2 4
図
4.11:
例題1
の円y
O
x 2
-5 3
図
4.12:
例題2
の円(4)
楕円(だ円)原点を中心とし,
x
軸と±a
で交わり,y
軸と±b
で交わる楕円の方程式は次のよ うになる.x
2a
2+ y
2b
2= 1 (4.5)
この式の表現は楕円の方程式の基本形であり,右辺はいつも
1
である.y
O
x 2
−2
−1 1
図
4.13:
例題3
の楕円【例題
3
】 方程式4x
2+ y
2= 4
を図示せよ.【解】右辺を
1
にするために両辺を4
で割るとx
2+ y
24 = 1 x
2+ y
22
2= 1
となり,図
4.13
に示すようなx
軸と± 1
,y
軸と± 2
で交わる楕円となる.4.4
図形の平行移動x
y
q p y = f (x)
y - q = f (x - p)
O
図
4.14:
図形の平行移動y = f(x)
のグラフをx
軸の正の向きにp
,y
軸の正の向きに
q
だけ平行移動したものは次式 で表される(
図4.14).
y − q = f (x − p) (4.6) [
例6]
直線2x + 3y = 2
をx
軸方向に+2
,y
軸方 向に+1
だけ平行移動した直線の方程式は,元 の式のx
にx − 2
を代入し,y
にy − 1
を代入すればよいから,
2(x − 2) + 3(y − 1) = 2
より,2x + 3y = 9
となる.[
例7]
放物線y = 3x
2+ x
をx
軸方向に+1
,y
軸方向に− 3
だけ平行移動した放 物線の方程式は,元の式のx
にx − 1
を代入し,y
にy + 3
を代入すればよいからy
O
x 2
−4 1 2
−2
−1
図
4.15:
例8
の楕円y − 2
【例題
4
】 方程式4x
2+ 9y
2− 8x − 36y + 4 = 0
を 図示せよ.【解】与式は次のように楕円の方程式に変形できる.
y
O
x 2
3 4
−3 −2 4
図
4.16:
例題4
の図形(
楕円)4(x
2− 2x) + 9(y
2− 4y) + 4 = 0
{ 4(x − 1)
2− 4 } + { 9(y − 2)
2− 36 } + 4 = 0 4(x − 1)
2+ 9(y − 2)
2= 36
(x − 1)
29 + (y − 2)
24 = 1
(x − 1)
23
2+ (y − 2)
22
2= 1
したがって,
x
軸と± 3
で交わり,y
軸と± 2
で交わる楕円をx
軸方向に+1
,y
軸方向に+2
平行移動した楕円となる(図4.16
参照)
.PC(EXCEL)
を使った演習EXCEL
を使って次の関数のグラフを描け.1. y = − 3x
2+ 12x − 9
,z = 3x
2− 12x − 4
( − 1 ≤ x ≤ 5
,0.5
刻み) 2
.x
2+ y
2= 4
(−2 ≤ x ≤ 2
,−2 ≤ y ≤ 2
,0.1
刻み)
解答はホームページ
***
を参照演習問題