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Research on impression factors of groove feelings in the session

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Academic year: 2021

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音楽の合奏におけるグルーヴ感の印象要因の研究

Research on impression factors of groove feelings in the session

1w153045-3

北橋 祐貴    指導教員 菅野 由弘 教授

KITAHASHI Yuki

   

Prof. KANNO Yoshihiro

概要

「グルーヴ感」という周期的なリズムのズレや同調、また音量の抑揚など音楽内の諸要素の兼ね合いによって、

完全に均一なリズムより強い心地良さを感じるものと言われる概念がある。しかしグルーヴ感は多次元的な音楽 内要素の複雑な組合せによって得られる心地良さであり、今日においても要因の定量的な特定には至っていない。

本研究では、グルーヴ感の印象要因について、演奏内要素の違う音源による印象評価のアンケート実験によって 分析を行った。その結果、「タイトなノリ/ルーズなノリ」という印象語の尺度はドラム以外の楽器群の音価の長 さに大きく影響を受け、「前ノリ/後ろノリ」という印象語の尺度は、本論文にて定義する「フィール」が印象に 影響を与える事が判明した。

キーワード:グルーヴ感、印象語、前ノリ/後ろノリ、タイトなノリ/ルーズなノリ、フィール

Keywords: groove, impression words, Drive groove/Laidback groove, Tight groove/Loose groove, feeling

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はじめに

人間による音楽の演奏において、「グルーヴ感」と いう概念が重要な要素として存在する。グルーヴ感 は音楽演奏のクオリティを求める中で重要な要素で はあるにも関わらず、一意に定まる正解が無い明確 な定義付けの難しい概念であるが故に、演奏者各個人 による独自の解釈に帰する。その特性からかグルー ヴ感について、いくつかの通説はあるにしろ今日に 至っても定量的に研究を行った例は少なく、先行研 究においてもドラム演奏のみに焦点を当てて解析を 行うものが多い。本研究では、調査の対象をドラム 単体の演奏から他の楽器との合奏に拡大し、演奏内 要素の違う音源による印象評価実験を行う。この結 果に対し演奏内各要素によって分類したデータの比 較検証を行う事によって、グルーヴ感に対する印象 語の当て方についての傾向とその要因、グルーヴ感 と心地良さの関連について分析を行った。

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実験概要

今回は、音源を聞かせた際のグルーヴ感の印象に ついて、評価尺度による主観評価実験を行った。本 実験ではグルーヴ感の印象を大きく左右すると考え られる1.他の楽器群に対してのドラムの演奏タイミ

ング, 2.音量の抑揚, 3.ドラム以外の楽器群の音の長 さ(以下、音価とする)の3つの演奏内要素につい て、各3種類ずつ計27通りの要素を組み合わせた演 奏音源を用い、各音源を聞いた際のグルーヴ感の印 象と心地良さについて、3評価尺度各8段階で評価 してもらい回答とした。回答者は18歳から25歳の 音楽経験者36人(うち男性27人、女性9人)であ る。

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実験の結果と考察

実験によって得られた各音源の回答について、音 源内要素ごとに回答を分けKruskal-Wallis検定を用 い、音源内要素の条件ごとに回答の有意差が得られ るかどうか検証を実施した。

まず「前ノリ/後ろノリ」の尺度においては、音量の 抑揚と音価の差について回答を分けた場合にp<0.01 で回答群の中央値に有意な差が得られた。今回p値 が最も小さかったのは音量の抑揚で、音価に比べ前 ノリ/後ろノリの判断においてより影響を与えていた と言える。

次に「タイトなノリ/ルーズなノリ」の尺度において は、ドラムの演奏タイミングと音価の差について回 答を分けた場合にp<0.01で回答群の中央値に有意な

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差が得られた。しかし今回音価による分類の検定結 果が他2要素に比べ著しく小さいp値を取った。こ の事からタイト/ルーズの判断においては、音価の違 いが顕著に影響を与えていたと言える。ここで音価 の長さによって分けた全回答の分布を図1に示す。

1 音価による回答の分布(タイト/ルーズ)

ここで特に後ろノリの印象を強く与えた音源につ いて考える。今回強拍が強い音源が後ろノリの上位 を占め、Kruskal-Wallis検定においても有意な差が 得られた。しかし先行研究[1]では、ドラム演奏にお いてハイハットに強拍のアクセントを付けると前ノ リの印象を与えると逆の結果を述べている。ここで 今回作成した音源を聴くと、抑揚無しの音源と弱拍 の強い音源が八分音符で拍を取る事を想起させるの に対し、強拍の強い音源のみ八分音符より四分音符 で拍を取る事を想起させていた。結果の要因はこの

「フィール」(音楽聴取時の拍の取りかたを想起させ る印象)が今回抑揚によって生まれた点にあるので ははないかと考え、このフィールについての追加検 証を実施した。

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追加検証

本検証においては、前実験と同様に音源を聞かせ た際のグルーヴ感の印象について、評価尺度による 主観評価実験を行った。音源については、ドラムパ ターンを変化させ、フィールを四分音符、八分音符、

十六分音符に変えた3つの音源を用い、「前ノリ/後 ろノリ」のグルーヴ感の印象について、9段階で評価 してもらい回答とした。回答は18歳から25歳の音 楽経験者12人(うち男性9人、女性3人)から得ら れた。

各音源の回答において、中央値に有意な差があるか を確かめるためKruskal-Wallis検定を実施した。そ

の結果p値は0.00868となった。ここから、母集団

が同じであるという帰無仮説はp<0.01で棄却され、

各音源の回答には有意な差があるという結果となっ た。音源によって分けた全回答の分布を図2に示す。

2 フィールの違う音源ごとの回答分布

この事から、音楽演奏においてこの「フィール」と いう概念が「前ノリ/後ろノリ」というグルーヴ感の 印象に影響を与えていたということが言える。

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結論

本研究では複数の楽器での音楽演奏におけるグ ルーヴ感の印象を左右する要因を調べるため、演奏 音源聴取時の主観評価実験にて印象語に対する演奏 内要素の傾向についての調査を行った。

その結果、「タイトなノリ/ルーズなノリ」の印象は、

ドラム以外の楽器群の音価の長さによって大きく影 響を受ける事が判明した。

「前ノリ/後ろノリ」という印象語による尺度について は、実験1で強拍が強い音源が強く後ろノリの印象を 与える事が示された。この結果の考察から「フィー ル」の概念についての追加検証を実施したところ、

「前ノリ/後ろノリ」という印象語に対してフィール が印象に与える影響が有意に示された。

本研究の結果が、感覚的な理解が難しい音楽演奏初 学者の演奏クオリティ向上の一助となると考えてい る。またDTM等で作成される打ち込みのドラムに おいて、より生演奏に近い心地良い演奏の実現へ向 け応用が期待できる。

*参考文献

[1] 宮丸友輔,江村伯夫,山田真司. ポピュラ音楽のド ラムス演奏におけるグルーヴ感の研究. 日本音響 学会誌, Vol. 73, No. 10, pp. 625–637, 2017.

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参照

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