自宅で始める応力解析
-SalomeMeca2019 で始める孔あき板の応力解析-
著:しょちょー
自宅で始める応力解析
— SalomeMeca2019 で始める孔あき板の応力解析 —
[著]しょちょー
技術書典 11 ( 2021 年春)新刊
2021 年 7 月 10 日 ver 1.0 (技術書典 11 )
本書の内容を実行・適用・運用したことで何が起きようとも、それは実行・適用・運用した人 自身の責任であり、著者や関係者はいかなる責任も負いません。
まえがき / はじめに
本書を手に取っていただき、ありがとうございます。
近年パソコンの処理能力が向上し、市販のノートパソコンでも簡単な応力解析であ ればできるようになりました。本書は、OpenCAE:SalomeMecaの導入から孔あき 板の応力解析事例を説明しています。
本書の目的
解析事例を通してSalomeMecaの基礎的な使い方を身につけることです。本書で は、孔あき板の応力計算を例にSalomeMecaの操作を説明します。この本を読めば
SalomeMecaを使って自宅で応力解析などの構造解析ができるようになります。
本書の対象読者
本書では次のような人を対象としています。
• SalomeMecaをインストールしようとして挫折した人
• 応力解析などの構造解析を自宅で勉強したい人
• Windowsパソコンでお金をかけずに構造解析を使いたい人
本書の使用環境
• OS:Windows10(バージョン1909,2004)
• 仮想マシンソフト/仮想マシンOS上:VirtualBox6.0.4/CAELinux2020Lite
• 構造解析ソフト:SalomeMeca 2019.1 問い合わせ先
本書に関する質問やお問い合わせは、次のページまでお願いします。
サポートサイトhttps://aytechlab.com/pr/202107bookfem/
また、本書の正誤表は次のサイトに載っており、解析データもダウンロードでき ます。
謝辞
本書は、ゆうげんさん(@tkoyama010)にレビューしていただきました。この場を 借りて感謝します。ありがとうございました。
目次
まえがき/はじめに i
第1章 CAELinux2020のインストール 1
1.1 CAELinux2020とは? . . . 1
1.2 使用環境例 . . . 2
1.3 事前準備 . . . 2
1.4 VirtualBox上へのインストール . . . 4
1.4.1 VirtulBoxの設定. . . 4
1.4.2 VirtulBoxへCAELinuxをインストール . . . 12
1.4.3 GuestAdditionsの設定 . . . 22
1.4.4 CAELinux2020Liteの注意点 . . . 27
1.5 CAELinux2020の起動と終了 . . . 28
あとがき/おわりに 30
第 1 章
CAELinux2020 のインストール
この章では、SalomeMecaを使うために必要となるCAELinux2020Liteのイ ンストール説明を行います。
本書では、Windows上のVirtulaBoxにCAELinux2020Liteをインストールす る方法を説明します。
1.1 CAELinux2020 とは?
オープンソースのソフトで、Linuxにフリーウェアの科学技術計算ソフトが予め組 み込まれており、インストール後すぐに利用できます。
• OS:Xubuntu18.04
• インストールソフト(例):SalomeMeca、FreeCAD、Calculix、Gmsh
• トップページ:https://www.caelinux.com/CMS3/
• リリース日:2020.8.11(サイトのpublishedより)
インストールソフト詳細は、以下URLのFeaturesをご確認ください。
URL:https://www.caelinux.com/CMS3/index.php/download/62-caelinux-2020 CAELinux2020は、CAELinux2020とその軽量版のCAELinux2020Liteの2種 類があります。本書では後者を使用し、本文中のCAELinux2020は後者を指します。
1.2 使用環境例
著者は、以下ノートパソコンへCAELinux2020Liteをインストールしました。
Windows10版
• 画面サイズ/解像度:15.6インチ(解像度:1920x1080)
• CPU: intel iCore5(第8世代)
• グラフィックコントローラ:インテルUHDグラフィックス620
• メモリ:16GB(購入時8GB、メモリを8GB追加)
• 空き容量:60GB(CAELinux2020の使用量は、25GBでした) Linux版
• 画面サイズ/解像度:13.3インチ(解像度:1366x768)
• CPU:Intel Core i5-4200M
• メモリ:8GB
• グラフィックコントローラ:インテルHDグラフィクス4600
• SSD:128GB
• DVDドライブ等:なし
• ネットワーク:LAN/Wireless LAN/bluetooth
ノートパソコンの解像度について
SalomeMecaを使う場合は、ノートパソコン画面の解像度が1920x1080未満 だと解像度が不足して使えません。最大解像度1366×768がノートパソコン の場合は、解像度が1920x1080以上のモニタへHDMI等での接続が必須です。
1.3 事前準備
(1)以下URLからVirtulBox6.0.4をダウンロードして、インストールします。
URL:https://download.virtualbox.org/virtualbox/6.0.4/VirtualBo x-6.0.4-128413-Win.exe
②別のページへ移動しますので、ページ内の「caelinux2020lite.iso」をダウンロー ドし、任意の場所に保存します。
(3)VirtulBox6.0.4を起動させて、VirtualBox上へCAELinux2020のインストール を進めます。
VirtulBoxのバージョンについて
最新バージョンは2021年6月現在6.1ですが、本書では動作確認済みの 6.0.4をインストールします。
1.4 VirtualBox 上へのインストール
♣ 1.4.1 VirtulBox の設定
(1)仮想ディスクの作成
仮想ディスクの作成によりPC上にCAELinuxのインストール領域を確保します。
▲図1.1: 追加前
①VirutalBoxを起動し、新規をクリックします。
(1)仮想ディスクの作成(続き)
▲図1.2: 追加前
②VirtualBoxの名前を入力します。本書では「caelinux」とします。
③フォルダは初期設定でも使用可能です。また、任意の場所への選択ができます。
初期設定は、「C:\Users\ユーザー名\VirtualBox VMs」です。ユーザー名は Windows10上のユーザー名です。
④タイプはLinux、バージョンはUbuntu(64-bit)を選択します。
⑤メモリーサイズは2500を入力します。
⑥仮想ハードディスクを作成するをクリックし、作成をクリックします。
(1)仮想ディスクの作成(続き)
▲図1.3: 仮想ディスク容量の作成
⑦ファイルサイズは、50GBとします。CAELinux2020の推奨容量は50〜70GB と記載がありましたので50GBとします。
⑧ハードディスクはVDIをクリックします。
⑨物理ハードディスクにあるストレージ、可変サイズを選択します。可変サイズに するとパソコンの容量を圧迫しません。
⑩作成をクリックします。
(2)インストールメディアの設定
▲図1.4:設定画面の起動
①使用する設定環境をクリックし、設定をクリックします。
②ダウンロードした「caelinux2020lite.iso」をVirtulaBoxをインストールする フォルダに移動します。
初期設定は、「C:\Users\ユーザー名\VirtualBox VMs」です。ユーザー名は、Win-
dows10でログオンしているユーザー名です。
(2)インストールメディアの設定(続き)
▲図1.5: CAELinux2020のインストールディスクの選択
③コントローラIDE下の空をクリックします。
④光学ドライブはIDEプライマリマスターを選択します。
⑤IDEプライマリマスター右のボタンをクリックし、仮想光学ディスクファイル を選択...を選択します。
⑥ ダ イ ア ロ グ ボ ッ ク ス が 開 く の で 、CAELinux2020Liteの イ メ ー ジ デ ィ ス ク
「caelinux2020lite.iso」を選択し、「開く」をクリックします。
(2)インストールメディアの設定(続き)
▲図1.6: LiveCD/DVDの設定
LiveCD/DVDのチェックボックスをクリックします。
(3)ディスプレイ設定
▲図1.7: ディスプレイ設定
上図のようにビデオメモリーは128MB、Graphics ControllerはVMS_VGA、ア クセラレーションは3Dアクセラレーション有効化をクリックします。
SalomeMecaを使っていて異常終了が起こり再インストールする場合
「♣1.4.4 CAELinux2020Liteの注意点」(p.27)に示す設定にします。
• Graphics Controllerは、VBoxVGAを選択する。
• アクセラレーションは、3Dアクセラレーションを有効化のチェックボ タンを外す。
(4)起動順序設定
▲図1.8:起動順序の設定
上図のように設定して、OKをクリックします。この設定をおこなうことで、イン ストール時はCAELinux2020のインストールディスクが起動し、インストール後は VirtualBoxへインストールされたCAELinux2020が起動します。
♣ 1.4.2 VirtulBox へ CAELinux をインストール
(1)LiveDVDの起動
VirtualBoxの画面から、起動をクリックします。
▲図1.9: 起動
(2)インストールの開始
起動すると下図の画面が出てくるので、InstallCAELinux2020..をダブルクリック すると、インストールを開始します。インストールはインストールプログラムの案内 に沿って進めます。
▲図1.10: 選択
(3)言語設定
言語は、日本語を選択します。
▲図1.11: 言語設定
SalomeMecaを使っていて異常終了が起こり再インストールする場合
「♣1.4.4 CAELinux2020Liteの注意点」(p.27)に示す設定にします。
言語は、Englishを選択します。
(4)キーボード設定
キーボードレイアウトは日本語を選択し、「続ける」をクリックします。
▲図1.12: キーボード設定
(5)追加ソフトウェア
「CAELinux2020のインストール中にアップデートをダウンロードする」のチェッ
クボックスクリックし、「続ける」をクリックします。
▲図1.13: 追加ソフトウェア
(6)インストールの種類
ディスクを削除して「CAELinux2020をインストール」のラジオボタンをクリッ クし、インストールをクリックします。クリック後、ダイアログボックスが表示され ますが「続ける」をクリックします。
▲図1.14: インストール種類
(7)タイムゾーンの設定
Tokyoを選択し、「続ける」をクリックします。
▲図1.15:タイムゾーン
(8)アカウントの設定
任意のユーザー名、コンピュータの名前、パスワードを設定します。「ログオン時に パスワードを要求する」のラジオボタンをクリックし、「続ける」をクリックします。
ユーザー名の例:aytechlab
▲図1.16: アカウント設定
(9)シャットダウン
①インストールが終わると、「試用を続ける」と「今すぐ再起動する」のダイアロ グボックスが出てきますが、「試用を続ける」を選択します。
▲図1.17: シャットダウン
(9)シャットダウン(続き)
②メニューバーから仮想マシン→ACPIシャットダウンを選択します。(1)と同様 の手順で再起動を行います。
▲図1.18: シャットダウン
♣ 1.4.3 GuestAdditions の設定
インストール後のCAELinux2020Liteは、解像度が640x480mmであり、また Windows上でのデータ共有ができず不便です。そこで、GuestAdditionsを用いて、
画面サイズの調整、ドラッグ&ドロップ機能、データの共有の設定を行います。
(1)GuestAdditionsのインストール
メニューバーのデバイスをクリックし、GuestAdditionsのイメージ挿入を選択し ます。
▲図1.19:GuestAdditionsの挿入
(1)GuestAdditionsのインストール(続き)
下図画面のようにVBox_GAs_6.0.4と表示されれば成功です。
続いて、terminalを開き、terminal上から以下のコードを入力します。
▲図1.20: terminalの起動
▼terminal上での入力
sudo ./VBoxLinuxAdditions.run
(2)画面サイズの調整
▲図1.21: 画面サイズの調整
上図のように、画面のリサイズができます。SalomeMecaで使う場合は、仮想スク リーンのサイズを1920x1080より大きいサイズに設定することを推奨します。
(3)windows10とCAELinux2020Lite上での共有フォルダの設定
共有フォルダを設定することで、windows10とCAELinux2020でデータの受け渡 しができます。共有フォルダを wshare で設定したときの事例を示します。
▲図1.22: 共有フォルダの設定
①windows上の受け渡しフォルダを決めます。 (例C:¥data¥wshare)
②CAELinux2020Lite上のhome内フォルダにwshareというフォルダを作成し ます。
③VirtualBox内の共有フォルダー設定を行います。
・フォルダのパス:C:¥data¥wshare(①で決めたフォルダ)
・フォルダー名:wshare(②で決めたフォルダ)
・Mountpoint:/home/ユーザー名/wshare
(ユーザー名は、1.4.2(8)アカウントの設定で登録したユーザー名)
(3)windows10とCAELinux2020Lite上との共有フォルダの設定(続き)
④terminal上から以下のコマンドを入力します。
ユーザー名は、1.4.2(8)アカウントの設定で登録したユーザー名です。
▼terminal上での入力 cd ~/
sudo gpasswd -a ユーザー名 vboxsf
⑤メニューバーの仮想マシン→ACPIシャットダウンを選択し、シャットダウンを 行います。その後、再度起動することで設定が有効になります。
以上でCAELinuxのインストールは終了です。次ページ以降に注意点を書きまし
たのでお読みください。
♣ 1.4.4 CAELinux2020Lite の注意点
(1)SalomeMeca2019での使用上の注意
GeometryやMeshの操作中にエラーが出て異常終了することがあります。下図の
ようにVirtualBox内のディスプレイ設定をすると解消されました。
▲図1.23: ディスプレイ設定
ディスプレイ設定によりGuestAdditionsの設定が無効になる場合 VirtualBox上からCAELinux2020Liteを再インストールをします。言語設 定はEnglishに、ディスプレイ設定は上図にします。
(2)Xubuntuのバージョンアップはしない
CAELinux2020、CAELinux2020LiteともにOSはXubuntu18.04を使用してい ます。2021年6月現在は、Xubuntu20.04が最新OSですが、これにアップデートす るとソフトがいくつか使えなくなる可能性があります。詳細は、CAELinux2020リ
1.5 CAELinux2020 の起動と終了
(1)CAELinux2020の起動
Windows上からVirtualBoxを起動させて、仮想環境(下図の場合caelinux)をク リックし、VirtualBoxの画面から起動をクリックします。
▲図1.24: CAELinux2020の起動
(2)CAELinux2020の終了
メニューバーから仮想マシンを選択し、ACPIシャットダウンを選択します。
▲図1.25: CAELinux2020の終了
あとがき / おわりに
いかがだったでしょうか。感想や質問は随時受けつけています。
本書の正誤表は次のサイトに載っています。解析データもここからダウンロードで きます。
サポートサイトhttps://aytechlab.com/pr/202107bookfem/
♣ 著者紹介
しょちょー(YA2020_PEjp)
機械系技術者です。仕事でCAEを使った製品設計をしていた のですが、最近管理業務が増えてきて技術に触れる時間が減りま した。
管理するにも実際に技術に触れた上での技量維持が必要なた め、以下サイトで記事を書いています。
サイト:https://aytechlab.com/
SalomeMeca2019で始める孔あき板の応力解析
2021年7月10日 ver 1.0(技術書典11)
著 者 しょちょー
連絡先 [email protected] https://aytechlab.com/
@YA2020_PEjp (https://twitter.com/YA2020_PEjp)