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Gd 系超伝導コート線材の縦磁界下における

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Academic year: 2021

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A-5

学生番号

13674005

氏 名

大橋 愛一郎

論文題目

Gd 系超伝導コート線材の縦磁界下における

臨界電流密度特性と柱状ピン導入による影響

1.はじめに

超伝導線材に電流を通電する場合、自己磁界を含めて電 流に対し垂直磁界下の環境での使用となる。この状態での 臨界電流密度𝐽cは、超伝導体内に侵入した磁束線がローレ ンツ力を受けて動こうとするのをピン止め点(欠陥や不純 物)で動きを止める、磁束ピンニング機構によりもたらさ れる。一方で、超伝導線材の電流通電方向に平行に磁界を 加える縦磁界下では、垂直磁界下に比べて𝐽cが増加するこ とが知られている。この縦磁界下はローレンツ力が磁束線 に作用しないフォースフリーの状態となるが、ピン止め点 の導入により𝐽cが増加することが報告されている[1]。し かし、酸化物超伝導体の縦磁界下で有効なピンが具体的に わかっていない。

本研究では、高い𝐽cを持つ RE 系超伝導コート線材に酸 化物超伝導体で有効なピンとして知られる、重イオン照射 欠陥と超伝導作製時に添加できるナノサイズの欠陥を導 入した試料を準備し、縦磁界下での𝐽c特性を測定し、その 影響について調べた。

2.実験

試料の諸元を表 1 に示す。RE 系超伝導コート線材であ る市販の GdBa2Cu3Ox(#1)に対し、日本原子力機構で重イ オン照射を行ったものが、#2 と#3 である。照射方向はc 軸方向である。また、重イオン照射欠陥と異なるピン導入 試料として、超伝導工学研究所で作製された GdBa2Cu3Ox を用いた。比較のための無添加試料が#4 で、成膜時に BaZrO3(BZO)を添加したものが#5、BaHfO3(BHO)を添加 したものが#6 である。添加によるピンは、ナノサイズの 円柱状欠陥で、BZO は BHO に比べて径が太く、c軸に対し て斜めに成長し、BHO はc軸方向に直線的に成長する。電 流量を抑えるために試料をマイクロブリッジ加工後、液体 窒素温度 77.3 K で直流四端子法を用いて𝐸 − 𝐽特性を測定 し、𝐸c= 1.0 × 10−4[V/m]で𝐽cを決定した。試料に加える 磁界𝐵は、線材の広い面、すなわち ab平面に加え、通電 電流と磁界が平行の状態を縦磁界(𝐵//𝐼)、向きが垂直な 状態を横磁界(𝐵⊥𝐼)とし、0~0.5 Tの範囲で加えた。

表 1 試料諸元

導入したピン 自己磁界𝐽c [GA/m2]

#1 - 37.1

#2 Au+(𝐵𝜑=0.5T) 34.7

#3 Au+(𝐵𝜑=1.0T) 29.7

#4 - 31.3

#5 BZO(3.5mol%) 24.9

#6 BHO(3.5mol%) 27.2

3.結果及び考察

#2、#3 について、重イオン照射後の自己磁界の𝐽cは、照 射量が多いほど減少が大きい。これは照射により超伝導層 が損傷を受けたためである。磁界依存性の変化を見るため に自己磁界𝐽c(s. f. )で規格化を行った#1、#2、#3 の𝐽c− 𝐵特 性を図 1 に示す。縦磁界下の𝐽cは、#1 に比べ#2、#3 は照 射量の増加と共に小さくなっていることがわかる。これは 照射欠陥はピンとなる非超伝導領域を導入することが出 来るが、同時にab平面内に損傷が大きく、電流路の妨げ となるために電流が迂回し、縦磁界状態が低下したと考え られる。

図 2 に自己磁界𝐽c(s. f. )で規格化を行った#4、#5、#6 の 𝐽c− 𝐵特性を示す。縦磁界下の𝐽cは、#4 は0.2 T以降ほとん ど磁界に依存していない。一方で、#5、#6 も#2、#3 と同 様にピンを導入することにより、𝐽cは低下するが、その比 率は小さい。これは、重イオン照射によるダメージの影響 がないためである。但し、ナノロッド状ピンもab平面に 導入された非超伝導相領域であるために、電流路の妨げに なる。特に BZO は太くab平面に対して斜めな欠陥である ために、非超伝導相領域が増加し、縦磁界状態が低下した と考えられる。したがって、横磁界で有効に働く人工ピン であっても縦磁界下では有効に作用せず、電流の流れを阻 害しないピンの導入が望まれる。

図 1 規格化を行った#1、#2、#3 の𝐽c− 𝐵特性

図 2 規格化を行った#4、#5、#6 の𝐽c− 𝐵特性 参考文献

1) Akihiro Tsuruta, et al., Journal of Applied Physics 53, 078003 (2014)

研究業績

74回応用物理学会秋季学術講演会 (2013) 同志社大学 京田辺キャンパス 1

0 0.2 0.4

0.5 1

B [T]

Jc/Jc(s.f.)

#1(Fpure)

B // I B I

B // ab

#2(F0.5T)

#3(F1.0T)  = 77.3 K

0 0.2 0.4

0.5 1

B [T]

Jc/Jc(s.f.)

#4(Ipure)

B // I B I

B // ab

#5(IBZO)

#6(IBHO)  = 77.3 K

九州工業大学大学院情報工学府 情報システム専攻 電子情報工学分野(木内研究室)

参照

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