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氷見市島尾海岸の訪花昆虫調査

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Academic year: 2021

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(1)

氷見市島尾海岸の訪花昆虫調査

著者 根来 尚

雑誌名 富山市科学博物館研究報告

31

ページ 73‑83

発行年 2008‑02‑25

URL http://repo.tsm.toyama.toyama.jp/?action=repos itory̲uri&item̲id=873

(2)

氷見市島尾海岸の訪花昆虫調査毒

根 来 尚 富山市科学博物館 939‑8084富山市西中野町1‑8‑3;

ASurveyofFlower‑visitingInsectsattheSeaShoreinHimi−shi・

ToyamaPrefecmre,Hokuriku,Japan

HisashiNegoro ToyamaScienceMuseum

l‑8‑31Nishinakano‑machi,Toyama,939‑8084JAPAN

Thepresentpaperdealswiththeresultofasurveyofflower‑visitinginsectsatthe seashoreinHimi‑shi,ToyamaPrefecmre,Hokuriku,Japanduringtheflowerseasonln

2006.Atotalof2196individualsin6ordersofinsectswereobservedonthenowers

Hymenopterawaspredominantinthenumberofindividuals(about50%oftotalindi viduals)andfbllowedbyDiptera(about35%),Coleoptera(about5%),Lepidoptera (about5%),andotherorderswereafewindividuals・Thenumberofindividualspeaked inJuneandSeptember.About20%ofthetotalindividualswereobservedon Composltae,15%onRosaceaeandaboutlO%onApiaceae.

Keywords:insects,nower‑visiting,seashore,Himi‑shi キ ー ワ ー ド : 昆 虫 、 訪 花 、 海 浜 、 氷 見 市

は じ め に

富山県内の訪花昆虫の概要を知る目的で、

筆者は、富山県内の訪花昆虫の概要を知る目的で、

1997年以降各地で訪花昆虫の調査を行っている(根来;

1998,2002,2003,2004,2005a,2005b,2008)。

今回の調査は、富山県西部の氷見市から高岡市にか けての砂浜海岸で行ったものである。

月に1度のみの調査であり、且つ全て目筆によるも のであって昆虫の同定も科、もしくは目どまりの個体 も多く、概要にふれるのみであるが、富山県の海岸に おける訪花昆虫の現状の一端を示すものである。

調査場所・調査方法・調査時期

調査地である氷見市島尾から高岡市太田に至る海岸 は、図lのように、富山県西部にある砂浜海岸であり、

夏は海水浴場として利用されておりキャンプ場が整備 さ れ 、 ま た 海 岸 侵 食 防 止 の た め 護 岸 工 事 が な さ れ て い る。砂浜はさほど広く無く海浜植物も見られるがさほ

図 1 調 査 地 調 査 ル ー ト を 太 い 実 線 で 示 す

*富山市科学博物館研究業績第347号

ワー

(3)

根 来

ど多くない。車の乗り入れなども見られる。背後は主 に防風防砂用黒松林であるが、公園や人家も一部に存 在する 。ま た 、近年 海 浜植物 保 護 のた め の施 設も設置 された。本調査地は上述のように氷見・高岡両市にま たがる地区であるが、ここでは氷見市島尾で代表させ ることにする。

調査場所は、黒松林の前面からキャンプ場、砂浜で あり、氷見市島尾キャンプ場(図1,A地点)を起点 に、約15km東方高岡市太田の雨晴キャンプ場を折 返地点(図1,B地点)とし、同一ルートを戻り起点 を終点とした。

4月から10月の間、毎月1回、ほぼ一定の速度で3 時間かけ遊歩道上・砂浜上を歩行し、その間目撃した 開花植物への訪花昆虫をカウントした。訪花昆虫はす べて目視による確認であり、微少な昆虫は見逃された 物も多いと思われ、また種までの確認ができず目や科

どまりの個体も多い。

調査時間は、A地点を10時に出発し、B地点に12時 に到着約30分の休息をとった後12時30分に出発、C地 点に13時30分に到着の3時間である。調査期間を通し ての総調査時間は21時間である。

調査日と調査時の天候、調査時の最低・最高気温お よび主要な開花植物を記す。

2 0 0 6 年 4 月 1 9 日 曇 り l 4 − 2 1 5 o C オオイヌノフグリ、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、

ハマダイコンなど開花。

2006年5月16日薄曇り後晴れ18‑22℃

ハ マ ナ ス 、 ハ ル ジ オ ン 、 ハ マ エ ン ド ウ 、 カ タ ノ 青 ミなど開花。

2006年6月13日晴時々薄曇り21‑23℃

ハマヒルガオ、ハマボウフウ、メノマンネングサ、

スイカズラなど開花。

2006年7月20日曇り後晴235‑26℃

ヒメジョオン、ハマニガナ、ウンラン、ノブド ウなど開花。

2006年8月23日晴時々曇り29‑30℃

ハ マ ゴ ウ 、 ク ズ 、 ツ ユ ク サ 、 ア キ ノ ノ ゲ シ な ど 開花。

2 0 0 6 年 9 月 2 1 日 晴 2 4 ‑ 2 7 ℃ ハ マ ゴ ウ 、 ハ マ ナ ス 、 ウ ン ラ ン 、 ハ マ ニ ガ ナ な ど開花。

2006年10月15日晴時々曇20−225℃

ウンラン、セイタカアワダチソウ、カタバミ、

ヨメナなど開花。

74

1I

調 査 結 果

表1に調査日ごとに訪花植物ごとの訪花昆虫個体数 を示し、表2に各科各植物ごとに調査日ごとの訪花昆 虫個体数を示した。また、図2に訪花昆虫個体数およ び各調査日ごとの個体数の割合の季節変動を示した。

目撃昆虫は全て種まで同定し得たわけではないので種 数については不明である。

1.結果概要

7日間の調査の結果、膜迩目・双迩目・甲虫目・鱗 迩目・半迩目・直通目の6目にわたる2196個体の昆虫 の訪花が確認された。最も多かったのは膜迩目で全個 体数の52%1149個体、次いで双迩目の37%801個体、

この2目で全体の約90%の個体数となる。甲虫目4%

94個体、鱗迩目4%78個体、半迩目2%50個体、直通 目1%24個体と続きこれら4目はたいへん少なかった。

膜迩目が最も多く訪花した目であり、双迩目がそれ に次ぐことは、丘陵地(富山市ファミリーパーク、富 山市三熊)での調査結果と同一であるが、平野の農耕 地 の 調 査 結 果 ( 平 野 の 農 耕 地 で は 双 迩 目 が 多 い ) と は 異なっている(根来;2008)。甲虫目鱗迩目が第三 位、第四位であるが、平野農耕地では鱗迩目が第三位 で丘陵地ではその順位が逆転することもある。

膜 迩 目 双 迩 目 の 各 目 中 で は 各 々 、 ハ ナ バ チ 類 ( 膜 迩目中の71%812個体)、ハナアブ類(双迩目中の29%

235個体)が多く、特にハナバチ類、ハナアブ類では 全体の37%、11%と訪花昆虫の大きな部分を占める。

ハナバチ類・ハナアブ類が多くを占めることは他の調 査地と同様である。また、ハナバチ類がハナアブ類よ り多いのは丘陵地、農耕地と同一であるが、カリバチ 類の割合が比較的多く(全体の10%)ハナアブ類に近 いのは他所と異なるところである。

昆虫の訪花が確認された植物は25科46種である。こ れは、丘陵地(40科100種前後)と比べるとたいへん 少ない数であり、農耕地(27科60種)と比べても多少 少なくなっている。

キ ク 科 が 最 も 多 く 9 種 、 マ メ 科 が 5 種 、 ゴ マ ノ ハ グ サ科・バラ科・ブドウ科が各々3種、アカバナ科・カ タバミ科、タデ科が各2種であり、他の科は全て1種 である。

全訪花昆虫中、キク科を訪れた昆虫は19%6目414 個体で最も多く、次いでバラ科15%4目330個体、セ

リ科13%5目287個体、ブドウ科13%4目274個体、ヒ ルガオ科11%4目250個体であり、この5科で全体の7 1%を占める。以下アブラナ科6%5目126個体、ゴマ ノハグサ科4%5目91個体と続く。

(4)

皿蛎鵡耐鵡郡蛾郷小脳砿

7

11

5 m

4叩

KIO

2

10 調査月

図2−2訪花昆虫の季節消長(各調査日ごとの各目の割合;

10 調 査 月

図2−1訪花昆虫の季節消長(昆虫各目の個体数)

1叩%

90%

80%

7帆

60%

韻 5 照 700

I

皿】

4

3 イダ 032外眺眠醗畔

マ〃

10

調査月

図2−4訪花昆虫の季節消長(各調査日ごとの各科の割合う

調 査 月

図2−3訪花昆虫の季節消長(植物各科の個体数:

2.季節消長概要

6月と9月に訪花個体数のピークがあり、6月が全 個体の28%618個体で最も多い。9月は17%362個体で ある。

4月はバラ科、5月はバラ科・アブラナ科、6月セ リ科・ヒルガオ科、7月8月はブドウ科、9月10月は キク科が多くの個体を集め、各月ごとに訪花される優 勢な科が明瞭に変化する。

6月9月のピークともに双迩目によるところが大き い。膜迩目は5月に最も多くなり、その後徐々に減少 するが5月7月8月では最も多く訪花した目である。

双迩目は4月6月9月10月で最も多い目となっている。

甲虫目、鱗迩目とも個体数は多くはないがシーズン全 般にわたって訪花した。半迩目、直通目ともに6月に 多かった。

初夏と秋にピークがあるのは丘陵と同じだが、6月 が最多月であることは丘陵と異なる。また、平野の農 耕地では、夏期7月が最多となっている。

最も訪花個体の多かった植物は、ハマボウフウで (13%5目287個体)、次いでノブドウ(12%4目258個 体)、ハマヒルガオ(11%4目250個体)、ハマナス (9%4目198個体)、ハマニガナ(8%3目183個体)、

ハマダイコン(6%5目126個体)、ソメイヨシノ(5

%4目102個体)でありこれらには100個体を越える昆 虫の訪花があり、次いでハルジオン(4%4目87個体)、

ハマゴウ(4%5目85個体)、ウンラン(4%5目80 個体)であり、以上上位10種で全個体数の75%を占め

キク科が最多であるのは丘陵地・農耕地と同一だが、

割合においてキク科が圧倒的に多いというわけではな く、10%を越える科が5科もありバラ、セリ、ブドウ、

ヒルガオの各科が多いのは丘陵・農耕地とは異なると ころであり、バラ科、セリ科が多いのは高山域と類似

している。

ワI

(5)

根 来

キク科は9月10月には最も多く訪花された科であり 7月にはブドウ科に次いで二位となっている。バラ科 は4月5月に一位であり(5月はアブラナ科と同数であ る。)、ブドウ科は7月8月に、セリ科は6月に最も多 い科となっている。

また、ヒルガオ科は6月に二位、クマツヅラ科は8 月に二位、ゴマノハグサ科は10月に二位となっている。

l調査日において最も訪花昆虫を集めた植物は、ノミ マボウフウで6月13日276個体、次いでハマヒルガオ (6月13日249個体)、ノブドウ(7月20日129個体)、

ハマナス・ハマダイコン(5月16日121個体)、ハマニ ガナ(9月21日117個体)、ソメイヨシノ(5月16日 102個体)となっており、各調査日で多くの個体を集 め た 花 は 各 々 別 の 科 で あ り 、 こ れ が 、 丘 陵 地 や 農 耕 地 とは異なり、1,2の科に集中すること無く多くの科 が 優 勢 と な っ て い る 理 由 で あ る 。 こ れ は 、 砂 浜 が 丘 陵 地 等 と は 異 な り 環 境 が 単 調 で 、 開 花 す る 植 物 も よ り 少 なく時期により特定の種に偏ることに依るのであろう。

3.膜遡目

全訪花昆虫の52%1149個体が膜迩目であり、その約 70%812個体がハナバチ類である。またその7%57個 体 が マ ル ハ ナ バ チ 類 で あ る 。 ク ロ マ ル ハ ナ バ チ 、 コ マ ルハナバチ、トラマルハナバチの訪花が確認された。

ミツバチは37個体(セイヨウミツバチ1頭、ニホンミ ツバチ36頭)であった。

ハナバチ以外ではカリバチ類が多く膜迩目の20%

227個体、アリ類が6%71個体、その他(ヒメバチ類・

ハバチ類)が39個体となっている。

膜迩目は21科37種の花を訪れた。膜迩目の内20%

227個体がバラ科植物に訪花し、ブドウ科には18%203 個体、キク科12%141個体、セリ科11%121個体、アブ ラナ科8%88個体と続き、以上5科で68%を占める。

クマツヅラ科68個体、ヒルガオ科61個体、マメ科55個 体と続く。

ハナバチ類では、ハナバチ類のうち24%191個体が バラ科を訪花し、キク科14%114個体、セリ科12%93 個体、アブラナ科10%84個体、ヒルガオ科7%56個体 であり、クマツヅラ科55個体、マメ科54個体と続く。

マルハナバチ類では、ユキノシタ科(24個体)、バラ 科(12個体)、ヒルガオ科(10個体)に多く訪花した。

ミツバチ類では、バラ科(23個体)が多かった。

カリバチ類では、カリバチ類のうち58%131個体が ブドウ科を訪れ、キク科11%25個体、セリ科11%25個 体、タデ科10%23個体と続く。

膜 迩 目 の 個 体 数 の 季 節 消 長 は 、 5 月 に ピ ー ク が あ る

76

(膜迩目個体の28%318個体)が、その後徐々に減少し 9月に少し増加する。5月、7月、8月にはその月最 も多く訪花した目であり、4月、6月、9月、10月に は双迩目に次いで二番目に多く訪花した目である。

ハナバチ類の季節消長は、ほぼ膜迩目の季節消長に 平行し、各調査日のハナバチ類の膜迩目に対する割合 は5月6月を除いて50%前後である。5月6月には90

%前後と多くなる(5月ではハマナスに116個体ハマ ダイコンに81個体が、6月にはハマボウフウに86個体 が訪花した。)。4月にはハバチ類(49%)、7月には アリ類(22%)とカリバチ類(30%)、8月と9月に はカリバチ類が各々56%、34%と多かった。マルハナ バチ類は7月に多い。

4 双 遡 目

全訪花昆虫の37%801個体が双迩目であり、その29

%235個体がハナアブ類である。クロバエ類64個体、

ヤドリバエ類・オドリバエ類・ツリアブ類などが90個 体 、 ま た 特 に ハ モ グ リ バ エ 類 な ど の 小 型 の 双 迩 類 が 345個体であった。これらの小型双迩目の訪花がたい へ ん 多 い の は 、 平 地 の 農 耕 地 と 類 似 し 丘 陵 地 と は 異 な

双迩目は20科34種の花を訪れた。双迩目の30%243 個体がキク科を訪花し、次いでヒルガオ科20%158個 体、セリ科14%110個体、バラ科11%88個体の順であ り以上の4科で75%となる。膜迩目とは、ブドウ科・

バラ科が少ないこと、キク科、ヒルガオ科が相対的に 多いことで異なっている。

ハナアブ類では、ハナアブ類中26%62個体がキク科 を、14%34個体がセリ科(6月ハマボウフウに34個体)

を、29個体がカタバミ科を25個体がブドウ科を訪花し た。オドリバエ類は36個体すべてがバラ科を、クロバ エ類の44%26個体がセリ科(6月ハマボウフウに25個 体)を訪れた。小型双迩類のうち49%170個体がキク 科、41%140個体がヒルガオ科を訪花した。

双 迩 目 の 個 体 数 の 季 節 消 長 は 、 6 月 ( 双 迩 目 個 体 の 35%276個体)9月(22%177個体)にピークがある。

各調査日で占める割合では、4月6月と9月10月に多 く(各月最も多く訪花した目)、5月8月には少なく なる。7月の個体数は多いが、膜迩目の個体数が多く、

双迩目の割合は少なくなる。

ハナアブ類は4月から10月まで平均して見られるが、

9月に多少多く4月、8月には少なくなる。オドリバ エ 類 は 4 月 の み に み ら れ 、 ク ロ バ エ 類 は 6 月 に 、 小 型 の双迩類は特に6月(その月の双迩目中56%154個体、

ハマヒルガオに140個体)と9月(同57%101個体、全

(6)

てハマニガナ)に多くなる。6月と9月に訪花個体数 のピークが現れるのはこの小型双迩類による。

5.甲虫目

全訪花昆虫の4%94個体が甲虫目であり、その55%

52個体がコガネムシ類である。その他ゾウムシ類14個 体、コメツキムシ類12個体である。

甲虫目は15科20種の花を訪れた。セリ科には甲虫目 中18%17個体、ヒルガオ科に15%14個体、マメ科に14

%13個体が訪花した。

甲虫目の訪花は、6月が最も多く、36個体、次いで 7月21個体と初夏から夏に多い。コガネムシ類の訪花 は6月(20個体、うちハマボウフウに15個体)が多かっ

6.鱗趨目

全訪花昆虫の35%78個体が鱗迩目であり、その78

%61個体がチョウ類、のこり17個体がガ類である。

鱗迩目は12科17種の花を訪れた。ゴマノハグサ科 (ウンラン)に鱗迩目中35%27個体が訪花し、キク科 に22%17個体が訪花した。9月に最も多く40個体(ウ ンランに22個体)であった。

7.半遡目

全訪花昆虫の2%50個体が半迩目であり、全てカメ ムシ類である。その多く72%36個体が6月にセリ科 (ハマボウフウ)に訪花し、5月アブラナ科(ハマダ イコン)9個体である。キク科3個体、クマツヅラ科 (ハマゴウ)1個体、ゴマノハグサ科1個体訪花した。

6月が最も多く36個体であった。

8.直通目

全訪花昆虫の1%24個体が直通目であり、ヒルガオ 科(ハマヒルガオ)花上で6月に17個体が観察された。

その他、カタバミ科にl個体、キク科に4個体、マメ 科に2個体訪花した。5.6.7月には、ヒメギス類・

キリギリス・ツユムシ類の幼虫、7月(カタバミ)に オンブバッタ幼虫、10月(セイタカアワダチソウ)に はツユムシ・セスジツユムシ成虫が訪花した。

9 . キ ク 科

キク科で昆虫の訪花した植物は9種。キク科を訪れ た昆虫は全訪花昆虫中19%6目414種である。

最も訪花個体の多かった植物は、ハマニガナで(キ ク科訪花昆虫中44%3目183個体)、次いでハルジオン (21%4目87個体)、ヒメジヨオン(11%6目47個体)、

77

セイタカアワダチソウ(10%4目42個体)であり、以 上4種でキク科訪花昆虫中の87%の個体を占める。

季節消長では、4月から10月まで調査期間を通じて 訪花され、7月と9月に個体数が多く、9月にはキク 科訪花昆虫中29%120個体と最も多く、9月10月には キ ク 科 が 最 も 多 く の 個 体 を 集 め 、 7 月 に は ブ ド ウ 科 に つづき2番目に多い科となっている。

キク科を訪花した昆虫の内最も多いのが双迩目で24 3個体(キク科訪花昆虫中59%)、内ハナアブ類が62個 体(15%)、次いで膜迩目141個体(34%)内ハナバチ 類114個体(28%)でこの2目で93%となる。鱗迩目 17個体、甲虫目6個体で、半迩目3個体・直通目4個 体である。双迩目が最も多く訪花した科であり、また、

4番目に多く膜迩目が訪花した科である。

ハマニガナには、3目183個体が訪花し、双迩目148 個体うち132個体が小型双迩類でありハナアブ類は14 個体、膜迩目32個体うちハナバチ類28個体、鱗迩目3 個体であった。5月から10月まで訪花があり、9月が 最も多く117個体うち101個体が小型双迩類であった。

ハルジオンには、4目87個体が訪花し、膜迩目67個 体ハナバチ類66個体、双迩目15個体ハナアブ類9個体、

甲 虫 目 4 個 体 、 半 迩 目 1 個 体 で あ っ た 。 5 月 と 6 月 に 訪花され各々61個体、26個体であった。

10.バラ科

バラ科で昆虫の訪花した植物は3種。

バラ科を訪れた昆虫は全訪花昆虫中15%4目330個 体であり、ハマナスが多く6目198個体、ソメイヨシ

ノが5目102個体、ヤマザクラが2目30個体である。

バラ科の季節消長では、4月から10月まで調査期間 を 通じて訪 花され 、 4月5 月 には最 も 多く訪 花 された 科で(5月ではアブラナ科と同数一位である)、各々 132個体(バラ科中40%)121個体(37%)である。4 月にはサクラ類2種、5月以降はハマナスへの訪花で ある。

バラ科を訪花した昆虫中最も多いのは膜迩目で227 個体(バラ科中69%)うちハナバチ類は191個体(58

%)、次いで双迩目88個体(27%)、甲虫類12個体、鱗 迩目3個体であった。直通目・半迩目の訪花は無かっ

キ ク 科 に 比 べ 、 膜 迩 目 が 圧 倒 的 に 多 く ( 膜 迩 目 が 最 も多く訪花した科)双迩目が大変少ない。

11.セリ科

セリ科で昆虫の訪花した植物はハマボウフウ1種の み(ハマボウフウは最も多く訪花された植物である)。

(7)

根 来

ナバチ類が84個体、双迩目24個体、甲虫目4個体、半 迩目9個体、鱗迩目l個体であった。5月に121個体 (アブラナ科中96%、5月中の31%でバラ科とともに 5月で最も多く訪花された科)であった。

ゴマノハグサ科(ウンラン、オオイヌノフグリ、夕 チイヌノフグリの3種)は、全訪花昆虫中4%5目9夏 個体が訪花し、膜迩目35個体、鱗迩目27個体、双迩目 22個、甲虫目6個体、直通目1個体であり、鱗迩目か 最も多く訪花した科である。9月に42個体、10月にほ 31個体(10月ではキク科に次いで2番目に多かった。>

であった。ウンランが80個体(ゴマノハグサ科中88%)

であった。

クマツヅラ科(ハマゴウー種のみ。)は、全訪花昆 虫中4%5目85個体が訪花し、膜迩目68個体内ハナノ<

チ類が55個体、双迩目10個体内ハナアブ類が8個体、

鱗迩目5個体、甲虫目l個体、半迩目1個体であった。

7月〜9月に訪花がみられ8月に43個体(クマツヅラ 科中51%、8月中の25%でブドウ科に次いで多く訪花 された科)9月37個体であった。

セリ科を訪れた昆虫は全訪花昆虫中13%5目287個 体であり、セリ科を訪花した昆虫中最も多いのは、膜 迩目で121個体(セリ科訪花昆虫中42%)内ハナバチ 類が93個体(32%)、双迩目110個体(38%)ハナアブ 類34個体(12%)で、半迩目36個体(6月の半迩目の 全個体)、甲虫目(17個体)鱗迩目(3個体)は少な かった。膜迩目と双迩目の訪花はほぼ同数で、半迩目 の約70%がセリ科を訪花した。また、双迩目が3番目 に多く訪花した科である。

セリ科の季節は6月と7月で、6月が276個体、7 月が11個体。6月では最も訪花個体が多い科(6月の 訪花個体の45%)であった。

12.ブドウ科

ブドウ科で昆虫の訪花した植物は3種。ブドウ科を 訪れた昆虫は全訪花昆虫中13%4目274個体であり、

ノブドウが多く4目258個体で、ヤブガラシが3目12 個体、エビズルが3個体である。

ブドウ科を訪花した昆虫中最も多いのが、膜迩目で 203個体(ブドウ科中74%)内カリハチ類が131個体 (ブドウ科中48%)で、双迩目58個体(21%)、甲虫目 11個体、鱗迩目2個体で、膜迩目が圧倒的に多かった (膜迩目が2番目に多く訪花した科、最も多くカリバチ 類が訪花した科である。)。

ブドウ科は、7月から9月に訪花され7月8月には 最も多く訪花された科である。

ノブドウは2番目に多く訪花され、膜迩目、カリノミ チ類が最も多く訪花した植物であり、7月に最も多く 訪花された植物である。

ま と め

4月〜10月間の7日間の調査の結果、6目2196個体 の昆虫の訪花が確認された。内訳は、膜迩目1149個体、

双迩目801個体、甲虫目94個体、鱗迩目78個体、半迩 目50個体、直通目24個体であった。

膜迩目中ではハナバチ類(812個体)、双迩目中で催 ハナアブ類(235個体)、鱗迩目中ではチョウ類(61個 体)、甲虫目ではコガネムシ類(52個体)が多くを占 めた。

25科46種の植物への訪花が確認され、内キク科が9 種で最も多かった。

訪花個体数は、キク科414個体、バラ科330個体、セ リ科287個体、ブドウ科274個体、ヒルガオ科250個体 が多い科であった。ハマボウフウ、ハマヒルガオ、ハ マナス、ハマニガナ、ハマダイコン、ソメイヨシノ、

ハルジオン、ハマゴウ、ウンランが上位十種であった。

6月と9月に訪花個体数のピークが認められ、6月 が618個体で最も多く9月は362個体である。6月9月 と も に ピ ー ク は 主 に 双 迩 目 に よ る 。 全 般 的 な 季 節 消 長 には双迩目と膜迩目の寄与が最も大きい。

13.ヒルガオ科

ヒ ル ガ オ 科 で 昆 虫 の 訪 花 し た 植 物 は ハ マ ヒ ル ガ オ 1 種のみ。

ヒルガオ科を訪れた昆虫は全訪花昆虫中11%4目 250個体であり、双迩目158個体(ヒルガオ科中63%)

内小型双迩類が140個体(56%)、膜迩目61個体 (24%)ハナバチ類56個体(22%)で、甲虫目14個体ミ 直通目17個体(全直通類中71%で6月の全直通類)で あった。2番目に多く双迩目が訪花した科である。

6月には249個体(6月の訪花昆虫618個体中40%)

でセリ科に次ぎ2番目に多く訪花され、7月にはl個

体であった。 文 献

根来尚,199&ファミリーパーク地内の訪花昆虫調 査 . フ ァ ミ リ ー パ ー ク 地 内 自 然 環 境 総 合 調 査 報 告

(富山市ファミリーパーク公社):56‑68.

根来尚,2002.立山高山帯室堂平周辺における訪花 14.その他の科

アブラナ科(ハマダイコンー種のみ。)は、全訪花 昆虫中6%5目126個体が訪花し、膜迩目88個体内ノミ:

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田 村 赤 目 谷 ) に お け る 訪 花 昆 虫 調 査 . 里 山 ( 富 山 県 中 央 部 ) の 自 然 環 境 調 査 報 告 I ( 富 山 市 科 学 文 化センター):75‑106.

根来尚,2005b,富山県立山美女平における訪花昆 虫調査.富山市科学文化センター研究報告,28:

111

根来尚,2008.小矢部市内の農耕地での訪花昆虫調 昆虫調査.富山市科学文化センター研究報告,25:

2339

根来尚,2003.立山高山帯における訪花昆虫調査へ の追加富山市科学文化センター研究報告,26:

73101

根来尚,2004.立山亜高山弥陀ケ原高原における訪 花昆虫調査.富山市科学文化センター研究報告,

27:31‑44.

根来尚,2005a,富山県里山地域(富山市三熊・山

査.富山市科学博物館研究報告,31:59‑71

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参照

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