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編集方針 日本製紙グループでは CSR( 企業の社会的責任 ) に関 わる取り組みについて広くステークホルダーの皆さまに報 告するために CSR 報告書を発行しています 発行にあたっ ては 充実した情報開示を目指して網羅的な報告に努めた 本誌 CSR 報告書 ( 詳細版 ) と 報告事項を重要性の高

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(1)

日本製紙グループ

CSR報告書

2009

CSR報告書 2009︵詳細版︶株式会社日本製紙

詳細版

(2)

日本製紙グループでは、CSR(企業の社会的責任)に関 わる取り組みについて広くステークホルダーの皆さまに報 告するためにCSR報告書を発行しています。発行にあたっ ては、充実した情報開示を目指して網羅的な報告に努めた 本誌「CSR報告書(詳細版)」と、報告事項を重要性の高い 項目に絞り込んで読みやすい報告書を目指した「CSR報告 書(ハイライト版)」という2種類の冊子を発行しています。

2008年4月1日~2009年3月31日

持株会社である当社、(株)日本製紙グループ本社を報告主 体とし、当社および主要事業会社9社を主な報告対象としてい ます。

(株)日本製紙グループ本社、日本製紙(株)、日本大昭和板紙

(株)、日本製紙クレシア(株)、日本製紙パピリア(株)、日本紙 パック(株)、日本製紙ケミカル(株)、日本製紙木材(株)、日本 紙通商(株)、日本製紙総合開発(株)

[連結売上高構成比 88%]

環境関連の基本方針、体制、環境会計、環境パフォーマンス データの集計対象などについては、主要製造拠点すべてを含 む、以下の18社を報告対象としています。

(株)日本製紙グループ本社、日本製紙(株)、日本大昭和板紙

(株)、日本製紙クレシア(株)、日本製紙パピリア(株)、日本紙 パック(株)、日本製紙ケミカル(株)、日本製紙木材(株)、日本紙通 商(株)、日本製紙総合開発(株)、興陽製紙(株)、北上製紙(株)、日 本製紙USA、日本製袋(株)、秋田十條化成(株)(非連結)、(株)パ ル、大昭和ユニボード(株)、四国コカ・コーラボトリング(株)

[連結売上高構成比 96%]

本報告書の中では、上記のグループ会社を指して「当社グ ループ」と記載し、報告対象外の組織を含めた「日本製紙グルー プ」という名称と区別しています。日本製紙グループ全体の組織 概要については、「事業概要」(P4–7)に記載しています。

ただし、以上それぞれに関して、本報告書の項目によって報 告の対象組織が異なる場合があるため、そうした場合に該当す る項目で対象組織がわかるよう記載しています。

環境省「環境報告ガイドライン」(2007年版)

Global Reporting Initiative(GRI)「サステナビリティ・

レポーティング・ガイドライン」(第3版)

「国連グローバル・コンパクト」 ほか

※ 一部に2008年4月1日よりも前、または2009年4月以降の情報を含め ています

免責事項

本報告書には、日本製紙グループの過去と現在の事実だけでなく、発行日時点における計画や見通し、経営計画・経営方針に基づいた将来予測が含まれています。

この将来予測は、記述した時点で入手できた情報に基づいた仮定ないし判断であり、諸与件の変化によって、将来の事業活動の結果や事象が予測とは異なったも のとなる可能性があります。読者の皆さまには、以上をご了解いただきますようお願い申し上げます。

当社が重要と 考えること

注目

重要度・注目度の 高い取り組み

CSRに関わる 主要な取り組み

CSR報告書 ハイライト版

(CSR報告書 詳細版)

( 編集方針

報告の対象期間

報告の対象組織 

参考にしたガイドラインなど

資料請求先

過去の報告書のほか、環境・社会コミュニケーション誌「紙季折々」、会社案 内、アニュアルレポートのご請求を受け付けています。なお、有価証券報告書 および事業報告書については、IRサイト(http://www.np-g.com/ir/)から ダウンロードいただけます

ウェブサイト

http://www.np-g.com/

CSRサイト

http://www.np-g.com/csr/

(3)

編集方針

P 2

事業概要

P 4

トップメッセージ

P 8

特集

P 10

1 生物多様性保全への取り組み

P 10

2 地域と連携して「間伐に寄与する紙」を生産

P 14

報告

P 16

古紙パルプ配合率等不当表示問題の再発防止策の進捗

P 16

経営に関わる責任 P 20

グループガバナンス

P 22

CSRマネジメント

P 24

ステークホルダーとの対話

P 27

情報開示とIR活動、株主への利益還元

P 30

コンプライアンス

P 34

環境に対する責任 P 36

マテリアルバランス

P 38

環境マネジメント

P 40

気候変動問題への取り組み

P 46

古紙の利用推進

P 54

廃棄物の発生・排出抑制

P 56

環境汚染防止への取り組み

P 58

環境保全活動の目標と実績

P 62

環境会計

P 63

原材料調達にともなう責任 P 64

原材料調達の現状

P 66

方針とマネジメント

P 67

サプライチェーンにおける取り組み

P 68

古紙の安定調達への取り組み

P 69

海外植林事業の推進

P 70

国内社有林の保護・育成

P 72

植林地の概況——オーストラリア

P 74

植林地の概況——南アフリカ

P 79

植林地の概況——チリ

P 80

植林地の概況——ブラジル

P 82

ステークホルダーへの責任 P 84

お客さまへの責任

P 86

従業員への責任

P 104

地域社会への責任

P 114

「環境省 環境報告ガイドライン(2007年版)」

GRI「サステナビリティ・レポーティング・ガイドライン2006(G3)」

「国連グローバル・コンパクト」との対照表

P 122

目次

(4)

商号 株式会社日本製紙グループ本社 Nippon Paper Group, Inc.

本社所在地 東京都千代田区一ツ橋1丁目2番2号 資本金 557億3千万円

設立年月日 2001年3月30日

上場取引所 東京証券取引所、大阪証券取引所、

名古屋証券取引所

(証券コード 3893)

代表電話番号 03-6665-1000

事業概要

会社概要

グループ会社の内訳(2009年3月末現在)

連結子会社 非連結子会社 関連会社

36社 95社 50社

区分別

区分 日本 米国 カナダ オーストラリア 合計

連結子会社 33社 1社 1社 1社 36社

持分法適用

関連会社 6社 1社 1社 1社 9社

地域別

1,200,000 900,000 600,000

(百万円)

(年度)

紙・パルプ事業

0 300,000

紙関連事業 木材・建材・土木関連事業 その他の事業

2007

2004 2005 2006

82,099 102,125

950,171 1,500,000

1,211,682 95,236

87,506

870,360 1,179,696

94,041 86,781

860,993 1,152,166

100,48983,449

889,866 1,175,264 110,350

126,592 101,459

77,286

2008 70,064 92,647

940,297 1,188,136

85,126

連結売上高の推移 主要経営指標の推移

60,000 40,000

(百万円)

(年度)

紙・パルプ事業

0 20,000

紙関連事業 木材・建材・土木関連事業 その他の事業

2007

2004 2005 2006

2,337 5,801 4,321 80,000

2,339 8,286

47,269 65,231

6,404 6,181

33,197 48,391

2,993 6,112 4,898

30,650 44,655 7,336

2,607 32,834

20,374 2008

4,034 2,165 19,951

12,673 1,078

連結営業利益の推移

80,000

40,000 20,000 60,000

0

47,088 62,801

49,403

(百万円)

2008

(年度)

2007

2004 2005 2006

17,944 32,800

連結経常利益の推移

25,000

-5,000 -15,000 -25,000 5,000 15,000 0

5,661 24,350

(百万円)

2007

(年度)

2004 2005 2006 2008

17,192 30,000

10,000 20,000

0

22,952

5,661 24,350

2007

(年度)

2004 2005 2006

0000 2008 17,192

22,952

-23,330

連結当期純利益の推移

2,000,000

500,000 1,000,000 1,500,000

0

1,565,978 1,625,571 1,529,975

(百万円)

2007

(年度)

2004 2005 2006

1,492,427 1,492,027

2008

総資産の推移

1,000,000

400,000 600,000

800,000 766,139

(百万円)

692,078 738,230 785,322 784,333

有利子負債残高の推移

15,000 10,000

(人) 紙・パルプ事業

5,000

紙関連事業

木材・建材・土木関連事業 その他の事業 全社(共通)※2

20,000

2,487211 1,327 1,174

1,747

8,722

1,995 1,196

8,148 12,798

1,885 1,200

8,040 12,584 1,917

13,666

8,383

203 205

214

1,256 1,254

13,774

1,258 2,445

221

1,281 13,088

7,865 1,276

連結従業員数の推移※1 

(5)

紙メディア分野 製品用途

新聞、書籍、雑誌、チラシ、

はがき、ノート、プリン ター用紙、各種伝票など 対象顧客

新聞社・出版社、印刷会社、文具メーカー、

一般企業、官公庁など 紙・パルプ事業

紙、板紙、家庭紙、パルプの製造・販売 連結子会社

日本製紙(株)、日本大昭和板紙(株)※2、日 本製紙クレシア(株)、日本製紙パピリア

(株)※3、北上製紙(株)、興陽製紙(株)、大 昭和北米コーポレーション、日本製紙USA、

日本紙通商(株)、国永紙業(株)

主要製品

新聞用紙、印刷出版用紙、情報用紙など   特殊紙(薄葉紙、機能紙)

段ボール原紙、白板紙、紙管原紙、

包装用紙、各種原紙など

家 庭 紙( ティシュー 、トイレットティ シュー、キッチンタオル、失禁用保護製 品など)

紙関連事業

容器・包装分野 製品用途

飲料容器、段ボール、紙 箱、封筒、紙袋、包装紙など 対象顧客

飲料メーカー、各種紙加工メーカーなど

食品・化学品分野 製品用途

塗料、レーヨン繊維、調味 料、医薬品など 対象顧客

飲料・食品・化学品・その他メーカーなど 木材・建材・土木関連事業

木材の仕入・販売、建材の製造・販売、

土木事業 連結子会社

日本製紙木材(株)、サウス・イースト・ファイ バー・エクスポーツ、日本製紙ユニテック

(株)、国策機工(株)、(株)パル、エヌ・アンド・

イー(株)、大昭和ユニボード(株)、(株)国木 ハウス

主要製品/事業

各種木材・建材(柱材、床材、ドア材など)

住宅

木材チップ・古紙

その他の事業

清涼飲料事業、レジャー事業、

物流事業、電気供給事業 連結子会社

日本製紙総合開発(株)、(株)ジーエーシー、

日本製紙物流(株)※4、旭新運輸(株)、南光 運輸(株)、(株)豊徳、四国コカ・コーラボト リング(株)※5、四国さわやかサービス(株)、

四国キヤンテイーン(株)、四国コカ・コーラ ベンディング(株)四国カスタマー・サービス

(株)、四国コカ・コーラプロダクツ(株)、(株)

ダイナフロー

主要製品/事業 印刷 清涼飲料

スポーツ・レジャー施設 保険・リース

不動産 緑化・造園工事 物流 電気供給 紙加工品、化成品の製造・販売

連結子会社

日本紙パック(株)、日本製紙ケミカル(株)、

日本製袋(株)、(株)フローリック、桜井(株)

主要製品

液体用紙容器、紙製包装容器 重包装袋(紙袋、樹脂袋)

機能性フィルム(液晶関連材料など)

溶解パルプ、機能性化成品(甘味料、

調味料・医薬品原料、塗料など)

食品用ラップ

住宅・建築分野 製品用途

住宅、家具など 対象顧客

建材・住宅メーカー、施工会社、一般消費者など

製造分野 対象顧客 製造業各社など

製紙分野 対象顧客 製紙会社など

土木分野 対象顧客 行政機関など

日用品・食品・

サービス分野 対象顧客 一般消費者など

※1 各事業と事業会社に関する記述は、2009年3月末現在を基準としています

※2 2008年4月1日付で、日本大昭和板紙(株)は、日本大昭和板紙東北(株)、日本 大昭和板紙関東(株)、日本大昭和板紙吉永(株)、日本大昭和板紙西日本(株)を 吸収合併しました

※3 2008年4月1日付で、日本製紙パピリア(株)は商号を三島製紙(株)から変更し ました

※4 2008年4月1日付で、岩国海運(株)を吸収分割によって日本製紙物流(株)に統 合しました

※5 2009年10月1日付で、(株)日本製紙グループ本社は株式交換によって四国コ カ・コーラボトリング(株)を完全子会社としました

日本製紙グループの事業と対象顧客・対象市場※1

(6)

日本製紙(株)※1 釧路工場

新聞用紙、印刷用紙、製紙用パルプ 旭川工場

印刷用紙、情報用紙、産業用紙、板紙、製紙用パルプ 勇払工場

新聞用紙、印刷用紙、情報用紙、産業用紙 白老工場

印刷用紙、産業用紙 石巻工場

新聞用紙、印刷用紙、情報用紙 岩沼工場

新聞用紙、印刷用紙 勿来工場

情報用紙 富士工場

新聞用紙、印刷用紙、情報用紙、産業用紙、

製紙用パルプ 岩国工場

印刷用紙、情報用紙、産業用紙、製紙用パルプ 八代工場

新聞用紙、印刷用紙、情報用紙 日本大昭和板紙(株)※2

秋田工場

段ボール原紙、印刷用紙、製紙用パルプ 草加工場

段ボール原紙、紙器用板紙、紙管原紙、石膏ボード原紙 足利工場

段ボール原紙、紙管原紙、貼合原紙 吉永工場

段ボール原紙、白板紙、印刷用紙、情報用紙 大竹工場

段ボール原紙、白板紙、印刷用紙、

製紙用パルプ、包装用紙 日本製紙クレシア(株)

東京工場

ティシュー、トイレットティシュー、

ハンドタオル、産業用製品 開成工場

ティシュー、トイレットティシュー、

キッチンタオル、ハンドタオル、産業用製品 京都工場

ティシュー、トイレットティシュー、

キッチンタオル、紙おむつ、失禁用保護製品 岩国工場

ティシュー、トイレットティシュー、

キッチンタオル

日本製紙パピリア(株)

原田工場 薄葉紙、特殊紙 吹田工場 特殊紙 高知工場 特殊紙 北上製紙(株)

一関工場

新聞用紙、産業用紙、段ボール原紙 興陽製紙(株)

本社工場

印刷出版用紙、白板紙、トイレットティシュー 日本製紙USA

ポートアンジェルス工場 印刷出版用紙

日本紙パック(株)

草加紙パック(株)

液体用紙容器、紙製容器 江川紙パック(株)

液体用紙容器 三木紙パック(株)

液体用紙容器 石岡加工(株)

液体用紙容器、紙製容器、紙カップ 勿来フィルム(株)

家庭用ラップフィルム、クッキングシート、

ストレッチフィルム 日本製紙ケミカル(株)※3

江津事業所

溶解用パルプ、CMC、酵母・核酸、リグニン、

セルロースパウダー、甘味料・化粧品原料 岩国事業所

合成有機高分子、合成分散剤、リグニン製品 東松山事業所

液晶関連材料、記録材料、製版材料 勇払製造所

セルロースパウダー 主要事業会社の生産拠点と生産品目(2009年4月1日現在)

紙・パルプ事業

紙関連事業

16 10 9 8 7 6 1

11 1 1 1 1

1

6

7 8 9 17

18

19

0 1

※1 日本製紙(株)は、2008年9月に伏木工場での製造を停止しました。また、

2008年9月に小松島工場での紙事業から撤退しました

※2 日本大昭和板紙(株)は、2008年9月に大竹工場和木事業所での製造を停 止しました

事業概要

(7)

日本製袋(株)

旭川工場 クラフト紙袋 前橋工場 合成樹脂袋 埼玉工場 クラフト紙袋 新潟工場 クラフト紙袋 京都工場 クラフト紙袋 九州工場

クラフト紙袋、合成樹脂袋 秋田十條化成(株)

本社工場

製紙薬品、発酵栄養源、食用担子菌(まいたけ)、

食品添加物

(株)パル※4 パルテック(株)

建材

エヌ・アンド・イー(株)

建材

大昭和ユニボード(株)

宮城工場 建材

四国コカ・コーラボトリング(株)

四国コカ・コーラプロダクツ(株) 小松工場 清涼飲料

25

1 2

4 9 3 10

5

7

8 9

18 17

19 16

14 15

13

12 6 11

24

1 4 5

6 3

7 8

13

1112 14

15 2

3

2 1 1

23 16 16

11

21 1020

拠点所在地

その他の事業

木材・建材・土木関連事業

1

1

1 10

11 1 1 1

16

(8)

厳しい状況においてこそ、

危機を乗り越える強い意志を持って、未来を切り拓いていきます

株式会社 日本製紙グループ本社 代表取締役社長

「成長する経営」を掲げ、

社会の要請と期待に応えていきます

米国のサブプライムローン問題に端を発した金融危機は 全世界に押し寄せ、その大津波は大きな傷跡を世界中に残 しました。また少子高齢化、電子媒体の伸張など、日本社会 の構造的な変化によって国内の紙の市場についても大き な成長は望めない厳しい状況となっております。日本製紙 グループでは「国内事業基盤の強化」と「海外本格展開の

基礎固め」を基本テーマとした第2次中期経営計画のもと、

国内生産設備のスクラップ・アンド・ビルド、グループ事業の 再編、植林を含む海外事業の買収などの取り組みを実施し ました。過去に例をみないコスト・インフレの影響で収益環 境は厳しい状況ですが、2009年度から新たに第3次中期 経営計画を策定して「グループビジョン 2015」の実現に 向けた取り組みを進めてまいります。

私は、このような厳しい状況こそ、危機を乗り越える強い 意志を持って力を蓄え、未来を切り拓いていくチャンスであ ると考えます。2008年6月の就任以来「成長する経営」を 掲げ、社会の要請と期待に応えながら企業価値の向上に努 めてまいりました。常に前向きにあらゆる可能性を追求し、

積極的にチャンスをつかみ、的確な経営の舵取りを実践し てまいります。

また、広く社会の皆さまにご迷惑をおかけすることとなっ た古紙パルプ配合率等の不当表示問題とばい煙問題につ いては、失われた信頼を取り戻すことを引き続き経営の最 優先事項のひとつとし、再発防止策の実施とその継続的な 改善に努めています。

トップメッセージ

(9)

地球環境問題への対応を進めています

企業活動と環境問題は切っても切れない関係です。特 に、人々の暮らしを支え、文化の発展に寄与してきた紙の供 給を事業活動の基盤としている日本製紙グループは、森林 を通して地球環境と深く結びついているところが特徴とな ります。

日本製紙グループでは2007年3月に環境憲章を改定し ました。「生物多様性に配慮した企業活動を基本とし、長期 的な視野に立って、地球規模での環境保全に取り組み、循 環型社会の形成に貢献する」ことを理念に掲げ、環境に関 する取り組みを進めています。

本誌「CSR報告書2009 詳細版」では、土地本来の森づ くりをはじめとした「生物多様性の保全」と間伐の促進を目 指した「ふじのくに森の町内会」を特集しています。また「環 境に対する責任」と「原材料調達にともなう責任」という章 において、気候変動問題や持続可能な原材料調達など、ス テークホルダーの皆さまからも注目度の高い社会的課題 への対応について詳しく報告しています。

対話を大切にしています

このような環境に対する取り組みをはじめとして、社会が 抱えるさまざまな課題への取り組みを進める上で重視して いるのは、ステークホルダーの皆さまとの対話です。当社 に対する関心や期待されることを把握し、その変化を敏感 に感じ取りながら期待に応え、企業価値の向上を図ってい ます。2009年5月には、グループ各社の本社を移転し集 約いたしました。グループ内の円滑なコミュニケーションを 図り、全体最適を追求した上で、グループ力を発揮しながら CSRへの取り組みを推進してまいります。

また、気候変動問題をはじめとした、世界規模で深刻化す るさまざまな社会的課題に対しては、より広い視野を持ち、

社会と協力しながら克服していくことが重要です。私たちは

「人権・労働基準・環境・腐敗防止」についての原則を掲げて いる国連グローバル・コンパクトを支持し、参加しています。

日本製紙グループは、今後も皆さまと対話を重ね、社会 の持続的発展を目指してまいります。本報告書をご高覧い ただき、率直なご意見とともに、いっそうのご指導・ご支援を 賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

(10)

生物多様性

保全への取り組み

日本製紙グループでは「生物多様性に配慮した企業活動を基本とする」ことを 環境憲章の理念の冒頭に掲げて、積極的な取り組みを進めています。

ここでは、最新の活動事例を中心に、生物多様性の保全への取り組みを報告します。

「土地本来の森づくり」へ

向けて 絶滅の恐れがある

植物の保全 貴重な植物の遺伝子の

継承

生物多様性の保全に向けた日本製紙グループの取り組み

生物多様性

保全への取り組み

日本製紙グループでは「生物多様性に配慮した企業活動を基本とする」ことを 環境憲章の理念の冒頭に掲げて、積極的な取り組みを進めています。

ここでは、最新の活動事例を中心に、生物多様性の保全への取り組みを報告します。

P11 P12 P13

生物多様性の保全

現在、地球上では多くの生物が絶滅の危機に瀕しており、生物多様性の保全が求められています。日本製 紙グループでは、森林経営をはじめとする本業での取り組みに加えて、国内社有林のさらなる活用や社会 貢献にも資する独自技術の活用など、さまざまな分野で生物多様性の保全に向けた新たな取り組みをグ ループ一丸となって続けていきます。

本業を通した取り組み

生物多様性に配慮した森林経営 サプライチェーンでの取り組み 生産活動における環境負荷低減

(          )

排水や排出ガスをできるだけきれいにして 自然に返すこと、CO2の削減による地球温暖 化対策など

自社の資源や技術を活かす取り組み

日本製紙グループでは、培ってきた独自技術 を活用するなど生物多様性の保全に向けた さまざまな取り組みを推進しています。本特 集でそれぞれの取り組みを報告します。

P67-73

P67-73

(11)

1928年岡山県生まれ。広島文理科大学生物学科卒業。ドイツ国立植生図 研究所で潜在自然植生理論を学び、横浜国立大学教授、国際生態学会会長 などを経て、現在は横浜国立大学名誉教授、財団法人地球環境戦略研究機 関国際生態学センター長

Profi le 宮脇 昭(みやわき あきら)

生物多様性に配慮した新たな取り組みとして 新しい森づくりをスタート

宮脇昭先生講演会「経済と共生する未来志向のいのちの森づくり」を開催

「土地本来の森づくり」へ向けて

人間活動の影響を全て停止したと仮定した場合に、その土地 の自然環境の総和が支えると判定された森(潜在自然植生)。

宮脇先生の調べで、日本人の90%以上が住んでいる常緑広 葉樹林帯では、その土地本来の森は0.06%しか残っていない ことが明らかになっています。

「土地本来の森」とは 用語解説

日本製紙グループでは「生物多様性に配慮した企業活動 を基本とする」ことを環境憲章に掲げ、特に森林経営におい ては、森林認証の取得をはじめ生物多様性の保全に対する 配慮に最大限努めてきました。

2009年7月、森林生態学の世界的第一人者である宮脇 先生をお招きし、第2回地球環境フォーラムを開催しました。

終了後に芳賀社長は宮脇先生と面談し、さまざまな意見交 換を行いました。その中で宮脇先生は「経済と共生する土地 本来の森づくり」を提案。日本製紙グループは、地域社会と 共生しながら生物多様性の保全をさらに進めていく上で、宮 脇先生の理論に基づく森づくりが効果的であると判断し、新 しい森づくりを行うことを決定しました。

日本製紙グループでは、これまで培ってきた森林経営のス ペシャリストとしての経験をもとに、生物多様性を保全する ための新たな森づくりを展開していきます。

日本製紙グループは2009年7月、一般公開の「第2回 地球環境フォーラム」を開催し、宮脇先生に講演をしてい ただきました。

宮脇先生は、国土の約7割を森におおわれている日本に

「その土地本来の森」がほとんど残されておらず、生物多 様性を回復させるためには、潜在自然植生理論に基づく 森づくりが重要であると述べられました。

また、資源として木材を利用することについて「積極的 にその生態系の枠の中で使うべき」との提言をいただき

は、あまりに短絡的ではないか。どちらも人間が、孫の代 まで未来に向かって生き延びるという同じ目標を持って いる」と環境と経済の両立の重要性を訴えられました。

P67-73

面談後に握手を交わす宮脇先生と芳賀社長

社有林で植栽候補地を調査する宮脇先生(2009年10月)

(12)

独自技術を用いて

小笠原諸島の絶滅危惧種を増殖 社有林を活用しながら シラネアオイの保全に貢献

日本製紙(株)は、独自に開発した「容器内挿し木技術」

(P13参照)を用いて、明治以後の乱伐で数が激減して絶 滅危惧種1A類に分類されているオガサワラグワの苗木の 増殖に成功しています。この取り組みは、東京大学付属の 小石川植物園と(社)林木育種協会からの依頼を受けたも ので、シマグワとの交雑によって純粋種の入手が難しく増 殖が困難とされているオガサワラグワの保全を目指したも のです。

また、同様に小笠原諸島の固有種で絶滅危惧種1A類に 分類されているコバトベラ、セキモンノキについても増殖 に成功し、苗木を小笠原諸島に戻しています。

近年、シカの食害によってその数が激減しているシラネア オイは、群馬県のレッドデータブックの準絶滅危惧種に指定 されています。群馬県立尾瀬高等学校と群馬県利根郡片品 村が中心となって設立した「シラネアオイを守る会」は、シラ ネアオイを保護するために活動しています。その取り組み が認められ、同会は2009年6月に「平成21年度環境保全 功労者章」を受賞し環境大臣から表彰されました。

日本製紙(株)は、シラネアオイの苗を植栽する場所とし て菅沼社有林(群馬県利根郡片品村)を同会に提供すると ともに、2002年から日本製紙グループ社員がボランティア として植栽などの 作業活動に参加し ています。

※ 正式名称 国立大学法人東京大学大学院理学系研究科附属植物園

シラネアオイ コバトベラ

セキモンノキ オガサワラグワ

絶滅の恐れがある植物の保全

生物多様性保全への取り組み

特集

(13)

国立遺伝学研究所の桜を 小学校に植樹

①炭酸ガスを容器内に入れ、光合成能力を引き出すために光の波 長を組み合わせて培養

②挿し木では根を出させることが困難だった樹種でも発根

貴重な植物の遺伝子の継承

歴史的価値のある桜の銘木を保護

光合成が旺盛になる環境を特殊な培養室と培養容器でつくり 出すことで、発根を促す技術。従来、挿し木では根が出なかっ た植物でも発根させて苗をつくることができます。

「容器内挿し木技術」とは 用語解説

日本製紙(株)では、大学共同利用機関法人 情報・システ ム研究機構 国立遺伝学研究所の保有する260種類に及ぶ 貴重な桜の遺伝子資源を後世に伝えるために、容器内挿し 木技術を用いて後継木の育成に2006年度から取り組ん でいます。

2008年3月には、静岡県が推進する「日本の桜の郷づく り」の最初の記念植樹において、日本製紙(株)が育成した4 品種の桜の苗木が三島市立北小学校に植えられました。植 樹には、卒業を間近に控えた6年生135人が参加。貴重な 桜の遺伝子資源の保全とともに、子どもたちの思い出づく りの機会にもなりました。

日本各地には、言い伝えが残っているような歴史的な桜や 神社の銘木が存在しますが、寿命などによって枯れかけてい るものもあります。日本製紙(株)では「容器内挿し木技術」を 用いて、このような歴史的・学術的価値の高い桜の保護活動 を行っています。

例えば、宮城県塩釜市の鹽しおがま神社にあり、国の天然記念物 に指定されている鹽竈桜。桜は従来、接ぎ木によって増やされ ていますが、接ぎ木では接合部からの菌の侵入や台木との融 合などの問題によって、寿命 が短くなることが懸念されて いました。日本製紙(株)は鹽 竈桜の保護活動に協力し、挿 し木による直接発根に成功。

これによって、長寿が期待で きるだけでなく、接ぎ木より も母樹の形質を強く引き継 ぐことができます。

桜を植える子どもたち

子どもたちが植えた苗木(江戸彼岸)

炭酸ガス 炭酸ガス 鹽竈桜

(14)

間伐の依頼 支援企業の募集

間伐促進費

日本製紙(株)

富士工場 しずおか 森づくり豊かな 推進会議 支援する企業間伐を

間伐材

「間伐に寄与する紙」

山林所有者

静岡県と連携した地産地消による間伐促進の仕組み

日本製紙(株)は2009年10月19日、静岡県およびしずおか 豊かな森づくり推進会議と「ふじのくに森の町内会」に関する 協定を結びました(於:静岡県庁)

(写真右)しずおか豊かな森づくり推進会議 代表 平野 孝雄 様

(写真中央)静岡県県民部環境局 局長      石野 功 様

(写真左)日本製紙(株)常務取締役 富士工場長 八巻 眞覧

地域と連携して

「間伐に寄与する紙」 を生産

日本製紙グループは、健全な森林の育成に向けた国産材の利用促進、間伐材の積極的な利用

に取り組んでいます。その一環として日本製紙(株)富士工場では2009年10月、静岡県と協

働で間伐促進の新たな取り組み「ふじのくに森の町内会」を開始しました。この取り組みは、日本

国内で荒廃が懸念されている森林の保全と、国内の林産業活性化につながると期待されます。

(15)

社会全体で支える森づくり

石野 功様

日本を代表する富士山をはじめ、大井川源流に広がる 3,000メートル級の山々が連なる南アルプスなど、ふじ のくに静岡県には表情豊かな森林資源があります。県土 の約65%を占める森林は、木材の提供のほかCO2吸収 機能、山地災害防止機能、保健休養機能など数多くの恵 みを私たちに与えてくれます。その一方で、木材価格の 低迷などから伐採木の約半分以上は木材として利用され ず、林内に放置されているのが現状です。

森林資源を最大限に活用していくことが、豊かな森づ くりにつながります。この「間伐に寄与する紙」を使うこと が、社会全体で豊かな森づくりを支えることにつながって いくことを期待しています。

静岡県県民部環境局  環境局長

国産材利用のネットワークを

半谷 栄寿様

「森の町内会」活動の参加企業は、東京を中心に93社 にのぼり、間伐促進費(15円/kg)を付加した印刷用紙 などが年間約500トン使用され、その促進費全額を間 伐費用の不足分に充当することで年間40ヘクタールの 間伐を促進しています。「森の町内会」の意義は、間伐の 規模もさることながら、「国産材を使うことはいいこと!」

という方向に消費者マインドを改革することです。

熱帯雨林の違法伐採の影響で、国内の森林についても

「伐採は悪いこと」という誤ったイメージがあります。「森 の町内会」と「ふじのくに森の町内会」は同じ志のネット ワークを組んで、国産材利用の大切さを広く社会に発信 し、間伐の促進と健全な森づくりに貢献していきます。

環境NPOオフィス町内会  事務局代表

静岡県「ふじのくに森の町内会」への協力

「地産地消」を目指した

静岡県独自の仕組みづくりに参画

森林は、地球温暖化防止に寄与するCO2吸収固定、生態 系の保全、再生可能な木材資源の供給など多様な機能を 持っています。静岡県では従来、森を活かし育てる活動に注 力しており、その中で地域の山林を適切に手入れし、かつ未 利用の森林資源を有効活用していくための方策を模索して いました。これに対して、間伐および間伐材利用の促進を通 じて「地産地消」と森林保全の両方を図ろうとするのが「ふじ のくに森の町内会」です。

日本製紙(株)は、地元で間伐材を有効利用することので きる企業としてこの取り組みに参画。県内の山林所有者から 間伐材チップを購入し、同県富士市内にある富士工場で紙 の原料として活用していきます。従来、間伐はされても採算 性の問題から市場に出ていない間伐材もありましたが、日本 製紙(株)が安定した購入者になることで、未利用資源の有 効活用が進み、地域経済の活性化にもつながります。

間伐を確実に促進できる 新しい取り組みに協力

静岡県は環境NPOオフィス町内会が始めた「森の町内 会」をベースに、同NPOの指導のもと、地域独自の仕組み「

ふじのくに森の町内会」を構築しました。

「森の町内会」は、間伐材と同じ重量の紙を「間伐に寄与 した紙」として間伐促進費を付加して販売し、その紙を「間 伐を支援する企業」が環境貢献として使うことで間伐を促 進し、森林の育成を支援する仕組みです。

一方、「ふじのくに森の町内会」は先に間伐促進費を付加 した紙を「間伐に寄与する紙」として販売し、紙の販売量と 同じ重量の間伐を行います。従って間伐促進費が先に確保 され、間伐が確実に促進される仕組みとなっています。静岡 県では県内の森づくりを推進する「しずおか豊かな森づくり 推進会議」を事務局に任命し、「ふじのくに森の町内会」を構 築しました。日本製紙(株)は今後、この仕組みへの参画を 通じて地域の取り組みに協力していきます。

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(16)

ステークホルダー・ダイアログ

主要な再発防止策とその検証・改善の経緯

原因の徹底究明と再発防止策の構築

● 「調査委員会」で原因を徹底究明し、再発防止策を検証

● CSR本部の設置によってコンプライアンス体制を強化

● 日本製紙(株)の役員・社員のコンプライアンス教育を実施

● 再発防止手順を構築し、手順を文書化して運用

● 第三者による監査を実施

※ 取り組み内容については「サステナビリティ・レポート2008」、

  日本製紙グループのウェブサイトをご参照ください

再発防止策の検証と見直し

● ステークホルダー・ダイアログを開催

● 再発防止策の継続的改善を進めるプロセスを運用

● 第三者による監査を継続して実施

● 内部監査を実施

● 監査結果に基づき、再発防止手順を逐次見直し

● コンプライアンス教育をグループ会社に展開

※ 今回の報告内容です。今後も継続的改善を進めていきます

事実公表当初の取り組み 構築後からこれまでの取り組み

2008年1月、日本製紙グループは、一部の再生紙製 品を基準を下回る古紙パルプ配合率で製造し、不当な 表示をしていたことを関係官庁に報告するとともに、

その事実について公表しました。日本製紙グループ各 社では原因を徹底的に究明し、その結果に基づく再発 防止策をコンプライアンスおよび業務プロセスの仕 組みの両面から約半年をかけて構築しました。そして、

この再発防止策を形骸化させないよう、内部監査や第 三者監査によって検証しながら継続的に改善していま す。またお客さまをはじめとする社外の方々から再発 防止策の妥当性の評価やご意見を直接いただく機会

(ステークホルダー・ダイアログ)を2009年6月に設 けました。ここでは、ステークホルダー・ダイアログや継 続的改善の内容について報告します。

報告

古紙パルプ配合率等

不当表示問題の再発防止策の進捗

(17)

参加者 主なご意見・ご要望 参加いただいた3人の方のご意見 紙のご利用者・お客さま これからも信頼性を市場に届ける仕

組みを継続的に磨き直す必要がある。

継続的改善においては、社会・市場の ニーズを汲み上げて反映していかなけ ればならない。

市場と社会が十分納得できるような説 明がまだなされていない。

環境のテーマは再生紙だけでは ない。森林認証など他の保証も しっかりやっていることを示して ほしい。また、製紙業界は外部に 対しての情報発信が足りない。

紙は日本を牽引してきた重要な 資材であり、その重要性をもっと 強くアピールするべきだ。

小沢 学 

亀井 一行 

齊藤 透 

佐々木 毅 

田畠 久義 

西尾 元雄 

平松 一平 

キヤノンマーケティング ジャパン(株)

アスクル(株)

東武鉄道(株)

(株)光文社

(株)久栄社

キヤノンマーケティング ジャパン(株)

コクヨS&T(株)

木質資源のご関係者 品質とは、製品を受け取る側の価値観 を総和したもの。

古紙だけでなく、間伐材や輸入木材チッ プの持続可能性についても担保・保証す る仕組みを強化するべき。

国産材の利用や植林については、生態 系サービスや地域経済といった観点が 必要である。

環境保護団体からみれば非常に ショッキングな出来事だった。消 費者は裏切られたという気持ち が大きい。今回の説明を聞いて、

対応策を真剣に考えている様子 が感じられた。今後は、対応策を 厳密に運用し、未来思考で社会 的責任を果たしてほしい。

下田 茂 

栩秋 隆哉 

中澤 健一 

中野 光 

日比 保史 

丸紅(株)

林野庁 FoE Japan

遠野興産(株)

コンサベーション・

インターナショナル・

ジャパン

古紙分別回収のご関係者 製紙業界の再発防止策の内容や実施 状況についての情報提供はほとんど なく、古紙回収の現場ではどう決着し たのかわからないままになっている。

製紙会社は、再生紙のように環境に配慮 すると品質が多少悪くなることもあるこ

自分たちの出した古紙が製品に なって帰ってくるという期待が裏 切られて残念だ、という市民の声 が製紙会社には伝わっていない。

家庭からの古紙は無償の分別に よって出されたものであることを 殖栗 正雄 

江尻 京子 

片岡 繁 

金古 充弘 

(社)日本印刷産業連合会 NPO法人東京・多摩 リサイクル市民連邦 日本再生資源事業 協同組合連合会

(株)エコサポート

ステークホルダー・ダイアログご参加者といただいた主なご意見

昨年の調査委員会からステークホ ルダーとのダイアログへと発展させ ていることは重要です。多くの参加 者から率直な懸念や疑問が出されて いますので、担当者だけでなく、経営 トップも社会の眼に向き合う機会を 持ち続け、こうした意見を事業活動に

取り込んでください。ダイアログでは原料の持続可能性な ど、社会全体での紙をめぐる問題も提起されました。ステー クホルダーとともに社会課題を考える場をつくる点でも意 義があると思います。

紙に関わる各分野の第一線でご活躍の皆さまから、

再発防止策へのさまざまなご意見をいただきました

ステークホルダー・ダイアログに参加して ダイアログには、お客さま、古紙の分別回収や原材料関係

など、直接実務に携わっている18名の方々にご参加いただ きました。日本製紙(株)の役員・社員20名も加わって3つの グループに分かれ、再発防止策や環境に配慮した紙につい てご意見をいただきました。

皆さまには、第三者監査を含む徹底した再発防止策につ いて一定のご理解をいただくことができました。一方で、再 発防止策の継続的な改善、社会のニーズの的確な把握、説 明責任の遂行といったご要望をいただきました。

ご要望を真摯に受け止め、今後も再発防止手順の継続的 な改善に努めていきます。また、CSR報告書で公開するな ど今後も説明責任を果たし、皆さまから信頼されるよう努 力していきます。

キヤノンマーケティング ジャパン(株)

サプライ商品企画課長

小沢 学 様

国際環境NGO  FoE Japan 森林・気象変動担当

中澤 健一 様

NPO法人東京・多摩

(株)創コンサルティング 代表取締役

海野 みづえ 様

※ 社外有識者として「調査委員会」に参加。今回は立会者としてご参加いただきました

ご意見を真摯に聞くダイアログを開催

(18)

Do D

Action A

継続的改善へ

改善策の立案・実施 仕組みの

構築・運用 原因究明と対策立案

原因究明と対策立案

Plan P

C

PDCAサイクルに基づく継続的改善のプロセス

古紙パルプ配合率を遵守徹底するために構築した仕組みの運用状況を 独自の監査システムで検証しています

古紙パルプ配合率の不当表示に至った原因のひとつに、

受注時および生産時の管理体制の不備がありました。その 解決のために、日本製紙グループでは、受注時・生産時の管 理の仕組みを構築し、徹底した監査を実施しています。

受注時・生産時の管理の仕組み

①受注時──保証できる古紙パルプ配合率を全社で検証 再生紙製品の受注の可否については、営業・品質保証・原 材料調達・工場など全ての関係部門で判断します。求められ る古紙パルプ配合率を満たすために「必要な量の古紙パル プを調達できるか」などあらゆる角度から問題点の有無を 検討し、関係全部門が受注可能と判断した場合のみ受注し ています。

②生産時──古紙パルプ配合率の基準を遵守徹底 古紙パルプ配合率を品質基準のひとつとして明確に位置 付けるために、古紙パルプ配合率を保証する製品銘柄の情 報を、工場を含めた全ての関係部門で共有しています。工場 はこの情報をもとに、紙を生産する場合の処方箋である「品 質基準書」に「古紙パルプ配合率保証銘柄」と記載し、生産 現場における配合率管理の徹底を図っています。また、完成 した製品の古紙パルプ配合率を、工場品質管理部門と本社

運用状況の検証

作成した仕組みの運用にあたっては、その手順を文書化 し、その管理・運用状況を確認するための監査を定期的に実

施することで継続的改善につなげていきます。

監査は、パフォーマンス面(手順の妥当性およびその遵守 状況)とシステム面(手順の管理およびその見直し状況)の 両面から実行しています。これによって、片方だけを実施し た場合に陥りがちな形骸化を抑止しています。

さらにそれぞれの監査において、第三者監査と社内監査 の2本立てで運用しています。パフォーマンス面の第三者監 査は、森林認証FSCなどの審査登録機関でもあるSGSジャ パン(株)に委託しています。システム面の監査は、従来運用 している環境マネジメントシステムISO14001に組み込ん で実行しています。

徹底した監査の実施

報告

(19)

社名 事業所名 SGSジャパン(株)による第三者監査 2008年度 2009年度 2010年度 内部監査

日本製紙(株)

本社 不適合なし 不適合なし 実施予定 実施済み

石巻工場 不適合なし 不適合なし 実施済み

岩沼工場 不適合なし 不適合なし 実施済み

富士工場 不適合なし 不適合なし 実施済み

釧路工場 不適合なし 実施予定 実施済み

旭川工場 不適合なし 実施予定 実施済み

八代工場 不適合なし 実施予定 実施済み

日本大昭和板紙(株) 吉永工場 不適合なし 実施予定 実施済み

第三者監査および内部監査の実施状況

SGSジャパン(株)による第三者監査を全工場で実施、

2009年度以降も定期的に継続していきます

日本製紙グループ全社でコンプライアンス教育を実施しています

(株)日本製紙グループ本社では、今回のコンプライアン ス違反を厳しく受け止め、再発防止とコンプライアンス徹底 のために、日本製紙グループ全社(国内連結全社および生産 子会社)に対してコンプライアンス研修を実施しました。また 研修に合わせて、既存のグループ内部通報制度(ヘルプライ

2008年4月以降、計80回以上のコンプライアンス研修 を実施し、2009年10月

で日本製紙グループ全社 での研修を完了しました。

今後も継続してコンプラ 古紙パルプ配合率の管理体制について第三者監査を

導入したのは、製紙業界として初めての取り組みです。

2008年度の導入から1年が経ち、2009年度も引き続 きSGSジャパン(株)に委託して監査を実施しました。

監査の結果、管理体制を定めた手順書は適切に運用さ れており、お客さまに対して保証した古紙パルプ配合率は 遵守されていることが確認されました。またSGSジャパン

(株)から、管理体制をさらに確実なものとするための手 順書改善提案を受けました。この提案を受けて手順書を 修正し、強化した管理体制を運用しています。修正した手 順書の運用状況については、2010年度の第三者監査で SGSジャパン(株)に検証していただく予定です。

今後も継続的に管理体制を向上させ、お客さまをはじ めとするステークホルダーの皆さまに信頼していただける よう努力を続けていきます。

※ 2008年度は対象となる全ての事業所で監査を実施。監査を開始した2008年度は不適合がなかったことを受け、2009年度はSGSジャパン(株)によって サンプリングされた3工場および本社で監査を実施しました。2009年度に監査対象とならなかった工場の監査は、2010年度以降に順次実施する予定です

監査報告書 書類の監査

従業員による管理システムの説明

(20)

経営に関わる責任

日本製紙グループは、持株会社である(株)日本製紙グループ本社のもと 各事業会社が紙・パルプ製造を中心とする多様な事業を営んでいます。

持株会社である当社は、グループ各社の事業活動を監督しながら その健全な成長を図り、企業価値を高めていくことで、

多様なステークホルダーへの責任を果たしていくという役割を担っています。

(21)

グループガバナンス P 22

基本的な考え方

P 22

ガバナンス体制

P 22

内部統制システム

P 23

役員報酬

P 23

CSRマネジメント P 24

基本的な考え方

P 24

マネジメント体制

P 24

産業・業界団体、国内外の提言団体への参加

P 25

CSRに関わる2008年度の主な活動

P 26

ステークホルダーとの対話 P 27

基本的な考え方

P 27

コミュニケーションツールの活用

P 28

情報開示とIR活動、株主への利益還元 P 30

情報開示

P 30

IR活動

P 30

株主・投資家の声を企業活動に反映する仕組み

P 32

株主への利益還元

P 33

株主利益の保護

P 33

社外の調査・評価機関からの評価

P 33

コンプライアンス P 34

コンプライアンス体制

P 34

個人情報の保護

P 35

インターネットに関わるリスク対策

P 35

(22)

日本製紙グループでは、多様なステークホルダーの信頼 と期待に応えるべく、公正で透明性の高い経営に努めてい ます。純粋持株会社である当社がグループ各社を監督しな がら、企業価値向上を図るとともにステークホルダーへの 説明責任を果たしていくことがコーポレート・ガバナンスの 基本であると認識しています。

こうした認識のもと、当社が経営機能を、グループ各社が 業務執行機能をそれぞれ担うことで両機能を分離し、組織 と役割を明確にしています。当社は、グループ全体の経営 方針や戦略を決定し、成長戦略を推進する司令塔として、グ ループ各社を指導するとともに業務執行状況をモニタリン グ(監査・監督)しています。また、より開かれた目に見える 形でグループの社会的責任を全うするため、当社にCSR本

部を設置しています。

2009年5月、当社は本社を千代田区の竹橋に移転、グ ループ主要各社を新社屋へ集約しました。これを機にグ ループの求心力を高め、強固なガバナンス体制を実現す るとともに、グループ各社の本社機能の集約と効率化を進 め、グループ意思決定システムの共有化・迅速化を進めてい きます。

取締役会

当社は、社内取締役10名(2009年3月末)で取締役 会を構成しています。取締役会は、当社および日本製紙グ ループ経営の基本方針、法令・定款で定められた事項、そ の他経営に関する重要事項を決定するとともに、事業会 社の業務執行状況を監督しています。

株主総会

グループ連結子会社

〔業務執行〕

連携

監査 監査

監督

選任 選任 選任

連携

連携 連携

連携

モニタリング

〔監査・監督〕

グループ経営会議

顧問弁護士 経営監査室

会計監査人

日本製紙グループ 監査役連絡会

(取締役 10名)取締役会

代表取締役 監査役 4名

うち社外監査役 2名 監査役会

CSR本部 コンプライアンス室

グループガバナンス

経営機能を担う持株会社として、

グループ各社の業務執行状況を監査・監督しています

グループ各社の業務執行を 監視・監督しながら

公正で透明性の高い経営に努めています

会社の機関・内部統制の関係 基本的な考え方

取締役会と監査役制度を軸にした

グループガバナンス体制を構築しています

ガバナンス体制 経営に関わる責任

(23)

グループ経営会議

取締役会の下には、会長以下全ての取締役・常勤監査役 で構成するグループ経営会議を置いています。このグルー プ経営会議では、当社およびグループ全体の経営に関する 基本方針や戦略、グループ各社の業務執行に関する重要事 項などについて審議しています。

監査役会

当社は、経営に対する監視機関として、監査役会を設置し ています。監査役会を構成する監査役4名のうち半数の2 名が社外監査役であり、社外からの視点による監視・監査機 能を強化・確保しています。

監査役は、取締役会やグループ経営会議など重要な会議 に出席するほか、取締役の業務執行および会社業務全般が 適法・適正に遂行されているか、監査先に出向いて検証や 調査を行うとともに、取締役や使用人に対し定期的に、また は必要に応じ意見を表明しています。

また、当社の監査役会は、当社および子会社から成る企 業集団における業務の適正を確保するため、適宜、子会社 の監査役と連携を図っています。その一環として、主要グ ループ16社の常勤監査役で組織する「日本製紙グループ 監査役連絡会」を年3回、定期的に開催して、当社監査役会 の基本方針や重点課題を周知するとともに、各社の監査役 から報告を受けて必要な対応を協議し、必要に応じ具体的 な実務要領を提示しています。

経営監査室

経営監査室には、内部監査を担当する監査グループと、

財務報告に係る内部統制報告制度を推進し内部統制の総 合評価を担当する内部統制グループがあります。

監査グループでは、適法性と適正性の観点から公正かつ 独立の立場で内部監査を行っています。当社およびグルー プ会社における諸活動の遂行状況を検討・評価し、助言・勧 告を行うことを通じて、事業目的および経営目標の達成、資 産の保全、企業価値の増大を支援し当社グループ全体の健 全かつ継続的発展の実現を目指しています。

2008年度は、関係会社の通常の監査のほか、法令遵守 の視点から、ばい煙問題および古紙パルプ配合率等の不当 表示問題に関する再発防止策の有効性を確認しました。ま

ました。

財務報告に係る内部統制の評価については、次項「内部 統制システム」に記載のとおりです。

2006年5月1日から施行された会社法および関連法令 に即して、当社は同年5月26日に開催した取締役会で「内 部統制システム構築の基本方針」を決議しました。本方針 に基づき、取締役の業務の執行が法令および定款に適合す ること、また会社の業務が適正であることを確保するため の体制を整備し運用しています。

2008年4月から適用された金融商品取引法における 内部統制報告制度に対応し、企業会計審議会が公表した

「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに 財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基 準の設定について(意見書)」に準拠して、内部統制の整備・

運用状況を評価しました。評価対象として選定した当社の 連結会社23社について全社的な内部統制を評価し、うち 重要な事業会社7社については企業の事業目的に係る勘 定科目として売上高、売掛金および棚卸資産に至る業務プ ロセスを評価しました。その結果、2008年度末日時点に おいて、当社の財務報告に係る内部統制は有効であると判 断しました。

公正で透明性の高い経営を徹底していくために、当社は 取締役・監査役の責任を明確にしたうえで、役員報酬の客観 性を確保するとともに企業業績などとの連動性を高めてい くよう努めています。

WEB

内部統制システム構築の基本方針

http://www.np-g.com/news/news06052602.pdf

法に則った内部統制システムを整備し、

運用しています

役割・責任と業績に応じて 役員報酬を決定しています

役員報酬枠

内部統制システム

役員報酬

経営責任

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