Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011 www.beTheSignal.com
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S
パラメータ
ブラック・ボックス・モデルであるSパラメータ
の中に埋め込まれた情報を引き出す
Dr. Eric Bogatin, Signal Integrity
Evangelist, Bogatin Enterprises a LeCroy
Company
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Fall 2011
Bogatin Enterprises and
LeCroy Corp
No Myths Allowed Webinar
始める前に:
Slide -2 Data Mining S-Parameters
概要
• Sパラメータは、”ブラックボックス”のビヘイビア・モデル
• 原因探査: 強力な方法論
• 4つの一般的なパターンとそれらの想定される根本原因
• ポップクイズ
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My Blog: 今月学んだこと
セミナースケジュール
ボストン: 9月 28日-29日
ハイデラバード: 10月 10日-11日
バンガロール: 10月 13日-14日
シンガポール: 10月 18日
ペナン: 10月 20日
シャー・アラム: 10月 21日
サンノゼ: 11月 8日-10日
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Slide -4 Data Mining S-Parameters全てのボガティン博士のセミナーで
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(シミュレーション・ソフトと演習が提供されます。)
• Quite Universal
Circuit Simulator
(QUCS)
回路シミュレータ:過渡 応答、周波数軸解析、Sパ ラメータ• テレダイン・レクロ
イの
SI Studio
パラメータ・ビューワー チャンネルのSパラメータ を用いたアイパターンの シミュレーション シリアル・データ解析 Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011 www.beTheSignal.com
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Slide -6 Data Mining S-Parameters現実世界では:
インタコネクトは完全な伝送線路ではない
ドライバ パッケージ 基板 バックプレーン 基板 パッケージ レシーバTX
RX
1.
S
パラメータを使ってインターコネクトと振る舞いを説明します。
2.
S
パラメータからいくつかの「何故?」に答えることができます。
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“高精度”のリファレンス信号が DUTでどのように散乱
するかを見て、インターコネクトの特性評価を行う
S11
S21
入力波
伝送波
TDR
TDT
t
時間軸 t 周波数軸f
パラメータ= ポートからの出力波 ポートへの入力波 Slide -8 Data Mining S-ParametersS
パラメータとは
?
• (各周波数における)散乱応答の集まり :
反射サイン波
伝達サイン波
• 独自のフォーマットで保存: タッチストーンファイル
.s1p: 1ポートデバイスの散乱データ
.s2p: 2ポートデバイスの散乱データ
…
周波数の単位はMHz SパラメータはdBと度で表示 リファレンス・インピーダンスは 50 Ω強度と位相
または
実部と虚部
S
11=
ポート1から出力されるサイン波
ポート1に入力するサイン波
S
12=
ポート2から出力されるサイン波
ポート1に入力するサイン波
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S
パラメータ・ビヘイビア・
”
ブラックボックス
”
モデルを使ったシステム・シミュレーション
123456789 0 10 -30 -20 -10 -40 0 freq, GHz D iff erent ia l R es pons e 5 Gbps @ RX U1 CMOS,3.3V,FAST 2 1 V1 TOP BO... TL1 83.5 ohms 447.547 ps 3.000 in Stackup TL2 83.5 ohms 447.547 ps 3.000 in Stackup J2 m1_1234.s4p Port1 Port2 Port3 Port4 J3 m1_1234.s4p Port1 Port2 Port3 Port4 U2 CMOS,3.3V,FAST 2 1 TL3 83.5 ohms 447.547 ps 3.000 in Coupled Stackup TL4 83.5 ohms 447.547 ps 3.000 in Stackup TL5 83.5 ohms 447.547 ps 3.000 in Stackup TL6 83.5 ohms 447.547 ps 3.000 in Stackup J4 m1_1234.s4p Port1 Port2 Port3 Port4 123456789 0 10 -30 -20 -10 -40 0 freq, GHz D iff er en tia l Re sp on se , dB 123456789 0 10 -30 -20 -10 -40 0 freq, GHz D iff er en tia l Re sp on se , dBSパラメータのポール・ゼロ・モデルを用いて、Sパラ
メータ・ビヘイビア・モデルをSPICE準拠のデモルに
適用
“broad band SPICE”: Simbeor, HyperLynx, ADS,
Sigrity, SiSoft …などのSPICEベースのシミュレーシ
ョン・ソフトでも使用可能
Slide -10 Data Mining S-Parameters
ブラックボックスを開ける
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根本原因の特定こそ
問題解決の近道
根本原因の特定を間違え
ば、問題の解決は運にま
かせるしかなくなる。
スタン、ほんとうにこれで大丈夫かい? とんがった頭と長い嘴があるから奴らが飛 べるっていうのはおかしいと思うんだ。 Slide -12 Data Mining S-Parameters周波数軸か時間軸かの片側だけを考えずに
周波数軸と時間軸を同時に考える
シングルエンドSパラメータ 差動Sパラメータ 差動Tパラメータ シングルエンドTparame-ta周波数軸
時間軸
回路シミュレーション
電磁界シミュレーション
計測
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2
ポートの
S
パラメータ
• S11: リターン・ロス 反射特性 インターコネクト全体の50Ωからのインピー ダンスミスマッチ 減衰は大きくない • S21: 挿入損失(インサーション・ロス) 伝送特性 インターコネクト全体のインピーダンス・ミ スマッチ 大きな減衰DUT
Magnitude/ phase detectorZ
0=50
50
Z
0=50
V
SOURCE Magnitude/ phase detector理想的なインターコネクト
: S11:大きな負の
dB値
S21:小さな負の
dB値
シングル・エンドSパラメータでも差動Sパラメータでも同じように適用
Slide -14 Data Mining S-ParametersS11
と
S21
の重要な
4
つのパターン
• S11におけるリップル、時にはS21にもリップル:反射
• S21の単調な減衰: 損失
• 幅広い落ち込み: ¼ 波長スタブの共振
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反射によってリターン・ロスと挿入
損失でリップルを生じるメカニズム
• Len<<1/4の場合
入口と出口で起きる反射波は、180
度位相が反転している
合成された反射ははゼロ、全ての伝
送波は同位相で足し合わされる。
S11は非常に大きな負のdB値, S21は
ほとんど
0 db
Z0<5050
50
Len << 1/4の場合 1/2S21が最大
S11が最小
0 0 0 0 0低い周波数では、インタ
ーコネクトは、のふるまい
は、理想的
S21
S11
Slide -16 Data Mining S-Parameters長さが
1/4λ
の場合:
S11
が最高値、
S21
が最低値
• Len = (½ x n + ¼ ) の場合
S11が最大、S21が最小
Z0<5050
50
Len << 1/4の場合 1/2S21が最大
S11が最小
0 0 0 0 0 Len =1/4の場合 1/2S11が最大
0 ¼+0 ½+0 1/4 1/2 3/4S21
S11
S21が最小
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Z0≠50
の時、多重反射がリップル
の原因となる
•
Len = n x ½ の場合
入り口と出口の反射波は相殺される 反射波は最小 伝送波は、全て同相、S21が最大•
周波数が増加すると、挿入損失、リター
ン・ロスが増加
反射の間隔が長くなると、周波数軸でのリップ ルの間隔が短くなる インピーダンスの不整合gあ大きくなると、リッ プルの振幅が大きくなる。 Z0<5050
50
Len << 1/4の場合 1/2S21が最大
S11が最小
0 0 0 0 0 Len =1/4の場合 1/2S11が最大
¼+0 ½+0 1/4 1/2 3/4S21
S11
Len =1/2の場合 1/2S11が最小
½+0 1+0 1 1/2S21が最小
S21が最大
11/2 Slide -18 Data Mining S-Parameters減衰と挿入損失
実際の挿入損失では
、振幅は距離とともに指数
関数的に減少する。
S21=
V
outV
inV
out(d)=V
ine
- d=V
in10
- d終端のインピーダンス整合がとれていて、伝送線には何もカップリングされてい
ない場合には、
S21
は、 減衰を示す。
nepers/len dB/len20S21[in db]=20 x log =-[dB/in] x d = attenuation
V
out Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011 www.beTheSignal.com
50 Ω
の伝送線の
推定される単位長あたりの減衰
粗い推定だけで設計を
終えてはならない。
単純な推定は測定さ
れた振る舞いにだい
たい合致する。
dB/inch
w = 線幅 (mils)
f in (GHz)
Dk = 誘電率
Df = 誘電正接
二つの伝送ライン
で計測された減衰
w = 5 mils
Dk = 4
Df = 0.02
atten
Len= f + 2.3 x f x Df x Dk
W
1
attenLen-GHz ͠ -(2.3 x f x Df x Dk )͠ 0.1 dB/inch/GHz
Slide -20 Data Mining S-Parameters
The ¼ Wave Stub Resonance
2 x TD = ½ cycleの場合、受信信号は最小になる
TD = ¼ cycleの場合、4分の1波長共振になる。
例: Len = 0.5インチの場合、fres = 3 GHz
TD, Len
stub2 x TD
TD=
Len
6
in nsecTD=
1 1
4 f
res
f
res
= =
1 1
4 TD
1.5
Len
ここで、fはGHz、 Lenはインチ Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011 www.beTheSignal.com
¼ Wave Resonance in the
Frequency Domain
Len
stubf
res
=
1 1
4 TD
=
1.5
Len
スタブ長が
0.5インチの場合
f
res= 3 GHz
共振したエネルギーはど
こで消費されるのか
もしもナイキスト周波数が
3 GHzならば、
ビットレートが6 Gbpsの信号はアイが開かない
Slide -22 Data Mining S-Parameters¼
インチ(6.35mm)厚のバックプレーンで計測した
ビア・スタブ有りとなしの挿入損失の比較
7.5GHz
fres= = 1.5 1.5 Len 0.20 0.2インチのビア・スタブ ビア・スタブのないチャネル Bogatin Enterprises, LLC, a LeCroy Company 2011 www.beTheSignal.com
高い
Q
の共振とのカップリング
• 考えられる高いQの共振
浮いている金属(銅箔)
各層に空いた穴
Slide -24 Data Mining S-Parameters4
層基板におけるビアと
キャビティのカップリング
リターン・ビアなしのS21 3.25インチ 1.187インチ 0.8インチ 0.8インチ層の共振は以下のように推定される
Len = 3.25 インチ
f
res= 0.92 GHz
Len = 1.187 インチ
f
res= 2.5 GHz
Len = 0.8 インチ
f
res= 3.75 GHz
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S11
と
S21
の重要な
4
つのパターン
• S11におけるリップル、時にはS21にもリップル:反射
• S21の単調な減衰: 損失
• 幅広い落ち込み: ¼ 波長スタブの共振
• 幅の狭い 落ち込み (高Q), 共振体とのカップリング
Slide -26 Data Mining S-Parameters大きな損失の原因は
?
下(青)のラインは上(赤)のラインよりも大 きなSDD21を示している。 大きな減衰の原因は? -表面粗さによる導通損? - 低品質の銅メッキ? - 大きな誘電損? - ??? 20GHzまで同じ計測を実施 2本の差動ペアのSDD21を10GHzまで計測 大きなディップの原因は? - モード変換? - スタブの共振 - 他の導体との共振結合? -ブロッホ波とガラス繊維の織り? - 誘電吸収共振? Dip at 14 GHzBob Haller, Enterasys様ご提供データ
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モード変換の可能性
?
SDD21
SDD11
SCD11
SCD21
モード変換の項目
:
SCD11, SCD21
SDD11 は反射エネルギーを示す
SCD11 は反射モード変換を示す
SCD21 は、伝送モード変換を示す
Slide -28 Data Mining S-Parametersまとめ
• Sパラメータの中身をしっかり
見ることを習慣とする
「しっかり見れば、多くのことが見
えてくる。」”, ヨギ ベラ
• 4つのパターンを探す
リップル
単調な減衰
幅広い落ち込み
幅の狭い落ち込み
• Sパラメータを深読みする際の
「氷山の一角」でしかない。
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Slide -30 Data Mining S-Parameters