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宇都宮大学 国際学部国際社会学科

2012 年度 卒業論文

中間支援センターの役割と可能性

中間支援センターの役割と可能性

中間支援センターの役割と可能性

中間支援センターの役割と可能性

~とちぎボランティア NPO センター「ぽ・ぽ・ら」を中心に~

指導教官名 中村祐司

学籍番号 080154C

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本論文では、ボランティア団体や NPO の活動を支える「中間支援センター」に注目し、 その役割及び機能を明らかにする。また、栃木県における協働推進の流れと現状に触れ、 その施策の中で重要な役割が期待される中間支援センター「とちぎボランティア NPO セン ター『ぽ・ぽ・ら』」に焦点を当てる。 第 1 章では、NPO の定義とその特徴について調べた。法制度が整備され、またその活動 は多岐にわたる。公共との繋がりをもち、新たなサービス提供者として活躍が期待される 一方で、抱える課題も多い。そんな NPO の実態と支援の必要性について論じる。 第 2 章では、NPO やボランティア活動を支える中間支援センターの定義について検討し た。設立運営主体の多様性に触れた後、備える機能についてまとめた。現在と今後の中核 事業から、設置運営のタイプ別に傾向を分析した。そして中間支援センターに求められる 姿勢について述べた。 第 3 章では、栃木県の社会貢献活動及び協働の推進について論じた。県内の NPO 法人の 増加と、顕著となっているその重要性から、県政における各種施策や条例策定の流れを追 った。県域の中間支援センター設置に向けた提案を基に、掲げられたコンセプト及び機能 について述べた。また栃木県内の基礎自治体が設置する中間支援センターの実情について、 インタビューによりまとめた。 第 4 章では「とちぎボランティア NPO センター『ぽ・ぽ・ら』」に焦点を当て、提供し ているサービスについて整理した。ハード・ソフト両面からの支援について述べ、特に情 報収集・提供機能について詳細にまとめた。また、管理運営を受託している民間団体「と ちぎ協働デザインリーグ」の組織形態や特性を調べ、「ぽ・ぽ・ら」の基本コンセプトとの 比較を行った。 第 5 章では、栃木県唯一の県域センターである「ぽ・ぽ・ら」の役割について考察した。 はじめに世論調査や NPO 等実態調査を基に、その認知度及び利用度の分析を行った。そし て県内の市町センターの意見を集約したアンケートを参考に、市町センターと「ぽ・ぽ・ ら」の関係性を検討した。また、栃木県県民生活部県民文化課と「ぽ・ぽ・ら」スタッフ へのインタビューにより、現在「ぽ・ぽ・ら」が担っている役割と将来への期待をまとめ た。そしてこれらを参考に、県域の中間支援センターとしての役割と、今後の可能性につ いて論じた。

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目次

目次

目次

目次

要約・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ⅰ 目次・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ⅱ 図表一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ⅳ はじめに はじめに はじめに はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 第 第 第 第 111 章1章章 章 「公」をめぐる新たな担い手「公」をめぐる新たな担い手「公」をめぐる新たな担い手「公」をめぐる新たな担い手・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 第 1 節 NPO とは (1) NPO という言葉 (2) 法制度の誕生と NPO 法人 第 2 節 NPO の特徴 (1) サービス提供者として (2) NPO と「公」 (3) 繋がりゆえの課題 第 第 第 第 22 章22章章 章 中間支援センター中間支援センターの中間支援センター中間支援センターのの機能と課題の機能と課題機能と課題機能と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 第 1 節 中間支援センターとは 第 2 節 役割と機能 (1) 期待された 8 つの機能 (2) トランザクション・コストの軽減効果 第 3 節 中間支援センターの設置と運営 (1) 多様な設置運営形態 (2) 設置への足掛かり 第 4 節 現状と課題、求められるもの (1) 中核事業からみる現状と今後 (2) 設置運営主体別の課題 (3) 仲介機能と独立性 第 第 第 第 33 章33章章 章 栃木県における栃木県における栃木県における栃木県における「「多様な主体「「多様な主体多様な主体」多様な主体」」とその支援」とその支援とその支援・・・・・・・・・・・・・・・・16 とその支援 第 1 節 社会貢献活動への関心

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iii 第 2 節 栃木県における社会貢献活動及び協働推進の流れ (1) サポートセンターの設置に向けて (2) 協働推進と「多様な主体」 (3) 5 つの重点プロジェクト 第 3 節 市町域の中間支援センター (1) 那須町、佐野市の例 (2) 野木町ボランティア支援センター「きらり館」 第 第 第

第 44 章44章章 章 とちぎボランティアとちぎボランティア NPOとちぎボランティアとちぎボランティアNPONPONPO センター「ぽ・ぽ・ら」センター「ぽ・ぽ・ら」センター「ぽ・ぽ・ら」センター「ぽ・ぽ・ら」・・・・・・・・・・・・・24 第 1 節 「ぽ・ぽ・ら」とは (1) ボランティア・NPO 活動の場の提供 (2) 情報の中枢 (3) 相談、学び、そして出会いの場として (4) Web 上のプラットフォーム 第 2 節 とちぎ協働デザインリーグ 第 第 第 第 555 章5章章 章 県域中間支援センターとしての役割と可能性県域中間支援センターとしての役割と可能性県域中間支援センターとしての役割と可能性県域中間支援センターとしての役割と可能性・・・・・・・・・・・・・・・31 第 1 節 「ぽ・ぽ・ら」の認知度と利用度 (1) 県民にとっての「ぽ・ぽ・ら」 (2) NPO・ボランティア団体の認識 第 2 節 市町センターから見た「ぽ・ぽ・ら」 第 3 節 栃木県の期待を背負う「ぽ・ぽ・ら」 (1) プロジェクトから見る「ぽ・ぽ・ら」への期待 (2) とちぎ協働デザインリーグへの期待 第 4 節 将来を見据える中間支援センターとして 第 5 節 「ぽ・ぽ・ら」の役割とは おわりに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42 あとがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44 参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45 参考資料・参考 URL・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46 インタビュー協力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47

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図表一覧

図表一覧

図表一覧

図表一覧

図表 1 特定非営利活動における 20 の分野・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 図表 2 中間支援センターの取引負担軽減機能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 図表 3 中間支援センターの設置運営主体区分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 図表 4 地域別・設置運営主体別にみた中間支援センター数・・・・・・・・・・・・・12 図表 5 中間支援センターにおける主な事業の現状と今後・・・・・・・・・・・・・・13 図表 6 栃木県認証 NPO 法人数の推移・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 図表 7 とちぎボランティア NPO センター「ぽ・ぽ・ら」の認知度・・・・・・・・・32 図表 8 栃木県における中間支援センター設置市町・・・・・・・・・・・・・・・・・33

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はじめに

はじめに

はじめに

はじめに

2010 年、民間が担う公共という考えを全国に広めようと、民主党政権は「新しい公共」 という概念を打ち出した。しかし、民間のみで行うには効率の悪いものもある、というの が現状である。そこで、多様な利害関係者が関与して協働し、効率的に課題を解決してい くことが期待された。この協働推進にはふたつの目的がある。ひとつは行政が独占してき た「公共」という領域を開くこと、もうひとつは NPO 等の自立を後押しすることである。 即ち新しい公共の目指すものは、行政だけではなく民間、つまり企業や NPO 等の団体も一 緒になって公共というものに取り組んでいくことである。 しかし、新たな「公」の担い手としてその可能性に期待が寄せられた NPO だが、その活 動基盤は、法制度が整備された現在でも、安定しているとは言い切れない。そこで本稿で は NPO を支援するための場、中間支援センターに焦点を当てる。NPO、企業、行政、地 域住民などあらゆる組織や個人をネットワークの中に有し、様々な機能が備わっている中 間支援センターの実態に触れ、明らかにしていきたい。 また、後半では栃木県の NPO セクター及び中間支援センターに焦点を当てる。栃木県が 認証する NPO 法人数は年々増加しており、また県民の社会貢献活動への関心も高い。目指 すべき将来像として「多様な主体が協働・創造するとちぎ」を掲げ、住民自治による地域 づくりの推進を図っている。その実現に向けて活躍が期待される、NPO 活動の基盤整備に も力を注ぎ、栃木県は県域の中間支援センターを設置し、2003 年に「とちぎボランティア NPO センター『ぽ・ぽ・ら』」がオープンした。 栃木県内の社会貢献活動を広く支援する「ぽ・ぽ・ら」は、基礎自治体設置のセンター に比べて、地域課題に当たる機会が乏しい。また、市町センターと異なり、調査研究とい う事業を中核として遂行しているという特徴がある。企業との繋がりも深い。 中間支援センターについての概要を整理した後、栃木県における重点施策と目標につい てまとめる。そして県域センターである「ぽ・ぽ・ら」がどのような場であるのか、また どのような役割を果たしているのか、整理し検討する。そして、今後「ぽ・ぽ・ら」は栃 木県における NPO セクターの発展にどのように寄与していくのか、考察する。

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第 1

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1 章

「公」をめぐる新たな担い手

「公」をめぐる新たな担い手

「公」をめぐる新たな担い手

「公」をめぐる新たな担い手

本章では、中間支援センターの主な支援対象である NPO について、その定義や法制度に ついて触れる。また、NPO の特徴と公共との結びつきから、サービス提供者としての可能 性を探る。そして、発展途上である NPO の抱える課題を明らかにし、中間支援センターが 必要とされる理由を見出していく。 第 第 第

第 111 節1節節 節 NPONPONPONPO とはとはとは とは 「NPO」という言葉は、どのような組織を示しているのか。「非営利」というひとつの 特徴があるが、非営利組織には社団法人や医療法人なども含まれる。NPO という言葉のも つ「4 つの意味」について触れ、さらには NPO 法を参考に「特定非営利活動」とは何を指 すのか詳しく見ていく。 (1) NPO (1) NPO (1) NPO (1) NPO という言葉という言葉という言葉という言葉

NPO は Nonprofit Organization の略称で、特定非営利活動法人と訳される。「民間非営 利組織」と説明される場合もあり、民間とは「政府の支配に属さないこと」、非営利とは 「利益があがっても構成員に分配しないで、団体の活動目的を達成するための費用に充て ること」、組織とは「社会に対して責任ある体制で継続的に存在する人の集まり」である1 ただし、非営利とは利益を上げてはいけないという意味ではない。利益を上げる取組みは 認められており、その利益は使命実現に向けた活動に使われる2 上記に加え、NPO の説明について 2 点補足する。ひとつは無給の役員が組織運営に参画 すること、もうひとつは、利益が出てもそれを役員や職員その他関係者等の構成員で分配 せず、全額を次年度以降の事業資金に活用することである。株式会社のような配当はなく、 組織を解散する際に残った資産は活動を続ける他の NPO などに託すもの、とされている3 ひとくちに NPO と言っても、その言葉がどのような組織を指し示しているのかを捉える のは難しい。NPO という言葉には以下の 4 通りの意味がある4 「最狭義の意味」では特定非営利活動促進法、通称 NPO 法に基づき法人格をもった「NPO 法人」を指している。もう少し意味を広げ「狭義の意味」では、法人化していない市民活 動やボランティア団体なども含み、NPO という。「広義の意味」では、宗教法人・社団法 人・財団法人・社会福祉法人・私立学校法人・医療法人など、「非営利で公益目的の団体」 を指す。「最広義の意味」では、公益目的だけでなく、共益目的も合わせて非営利団体を 1 日本 NPO センター「NPO の基礎知識」より一部引用。 http://www.jnpoc.ne.jp/?page_id=134#a01 (2012/10/01 現在) 2 早瀬・松原、2004、pp.4-5 3 同上書、pp.4-5 4 同上書、pp.10-11

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3 すべて含む。この場合、例えば農協・生協・共済組合・町内会/自治会・労働組合なども NPO とされる。 現在の日本では 2 番目の定義である「狭義の意味」、すなわち NPO 法人・ボランティア 団体・市民活動団体を NPO とするのが一般的である。政府や自治体の文書の多くがこの定 義を採用しており5、基本的に「非営利」の組織の中でも、市民による自発的な市民活動団 体を指している6。本稿においても「狭義の意味」を採用するが、場合に応じて法人格をも

った NPO は NPO 法人、ボランティアや市民活動団体などは任意団体、NPO 法人と任意 団体を表す場合は NPO 等と記す。

(2) (2) (2)

(2) 法制度の誕生と法制度の誕生と法制度の誕生と法制度の誕生と NPONPONPO 法人NPO法人法人法人

特定非営利活動促進法(NPO 法)は、「特定非営利活動を行う団体に法人格を付与する こと等により、ボランティアをはじめとする市民の自由な社会貢献活動としての特定非営 利活動の健全な発展を促進することを目的として」7、1998 年 3 月 19 日に成立、1998 年 12 月 1 日に施行された8。「民間の非営利団体が、簡易な手続きで法人格を取得する道を開 くための法人格付与制度」9である。法人格を持たない任意の団体として活動する場合、そ の団体の名で法律行為10を行うことが出来ないといった不都合が生じることがあり、それを 回避するためにつくられた11 それまでは、法制度上の基盤がなかったため、市民活動が、団体として契約や所有の主 体となることが困難であった。「何らかの契約行為を行う際には、個人にリスクが集中し、 また、行政からの事業委託を団体として受ける際にも信用が得られにくい状況」12であった。 こうした中、1995 年 1 月に発生した阪神・淡路大震災を契機として、法制度上の基盤が整 備されたのである13 この法において NPO 法人とは、「特定非営利活動を行うことを主たる目的とし」ている 団体で、「この法の定めるところにより設立された法人」である14。「特定非営利活動」と は、NPO 法別表(図表 1)に掲げられた 20 の分野に該当し、不特定かつ多数のものの利益に 寄与することを目的とする活動である。各法人は、その 20 の分野のどの号に該当する活動 5 早瀬・松原、前掲書、pp.10-11 6 原田・藤井・松井、2010、p.4 7 内閣府大臣官房市民活動推進課(2012)「特定非営利活動法人制度のしくみ」より引用。 8 新田、2011、p.42 9 内閣府「NPO ホームページ 特定非営利活動推進法 FAQ」 https://www.npo-homepage.go.jp/about/new_npo/doc_faq_2.html (2012/10/01 現在) 10 法律行為とは、銀行口座の開設、事務所の借用、不動産登記、電話の設置など。 11 内閣府「NPO ホームページ 特定非営利活動推進法 FAQ」 https://www.npo-homepage.go.jp/about/new_npo/doc_faq_2.html (2012/10/01 現在) 12 早瀬、2011、p.11 より引用。 13 原田・藤井・松井、上掲書、p.3 14 特定非営利活動推進法第二条より一部引用。 NPO の認証については他にもいくつか要件を満たす必要があるが、ここでは割愛する。

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4 を行っているか、示さなければならない。ただしひとつに限定する必要はなく、活動が複 数の分野にあたる法人が多い。 NPO 法人を設立するためには、法律に定められた書類を添付した申請書を所轄庁15に提 出し、認証を受ける必要がある。提出された書類の一部は、受理された日から 2 ヶ月縦覧 し、市民の目からも点検される。所轄庁は、申請が設立基準に適合すると認めるときには 設立を認証しなければならず、その確認は書面審査によって行うことが原則とされている。 設立の認証後は登記することにより、法人として成立する16。現在全国の NPO 法人数は 46,000 を超えており、約 2,000 団体が認証の申請中である17 図表 図表 図表 図表 111 特定非営利活動における1 特定非営利活動における特定非営利活動における特定非営利活動における 20202020 の分野の分野の分野 の分野 一 保健、医療又は福祉の増進を図る活動 二 社会教育の推進を図る活動 三 まちづくりの推進を図る活動 四 観光の振興を図る活動 五 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動 六 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動 七 環境の保全を図る活動 八 災害救援活動 九 地域安全活動 十 人権の擁護又は平和の推進を図る活動 十一 国際協力の活動 十二 男女共同参画社会の形成を図る活動 十三 子どもの健全育成を図る活動 十四 情報化社会の発展を図る活動 十五 科学技術の振興を図る活動 十六 経済活動の活性化を図る活動 十七 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動 十八 消費者の保護を図る活動 十九 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動 二十 前各号に掲げる活動に殉ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動 出典:総務省「特定非営利活動促進法別表(第二条関係)」より 15 所轄庁は、その主たる事務所がある都道府県の知事。その事務所が指定都市区域内のみ に所在する場合は、当該指定都市の長。(内閣府「NPO ホームページ NPO の基礎知識」 より。https://www.npo-homepage.go.jp/about/npo.html#nposeido) 16 内閣府大臣官房市民活動推進課(2012)「特定非営利活動法人制度のしくみ」p.4 17 内閣府、「NPO ホームページ特定非営利活動促進法に基づく申請受理数および認証数、 不認証数等」https://www.npo-homepage.go.jp/data/pref.html (2012/12/15 現在)

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5 第

第 第

第 222 節2節節 節 NPONPONPONPO の特徴の特徴の特徴 の特徴 NPO がどのように定義された組織なのか見てきたが、本節では NPO のもつサービス提 供者としての特徴とその公益性について見ていく。そして NPO がなぜ「公」の担い手と成 り得るのか、その理由を検討した上で、障壁となっている NPO の課題を把握する。 (1) (1) (1) (1) サービス提供者としてサービス提供者としてサービス提供者としてサービス提供者として 行政、すなわち公共セクター(第 1 セクター)、企業などの民間営利セクター(第 2 セクタ ー)、また第 4 セクターとされる地域コミュニティがあるが、NPO は各セクターの短所をカ バーする第 3 セクター18で、サービス提供者である。行政の提供するサービスは、公平で安 定していると言えるが、柔軟性に欠ける。サービス受給者の基準を設定し援助を行う、と いう面もある。また、企業の提供するサービスは実に多様であり、受給者は選択を行うこ とができる。お金を払うことで求めるサービスを得られるが、これはお金がない人にはサ ービスを提供しない、という短所でもある。コミュニティセクターは、近隣に住む顔の見 知った人同士で、親密なサービス提供がなされる。しかし、提供者、受給者共に専門的な 知識があるわけでない。これら各セクターの短所をカバーするのが NPO だと考えられる。 NPO は民間組織の持つ柔軟性を備えており、必要とする人に応じて必要なサービスを提 供することができる。また、営利を目的としていないことから、サービスと貨幣の交換自 体が活動の中心ではない。加えて、NPO はその分野に精通する人が多いことから、専門性 も高いと言える。NPO の欠点は、非営利ゆえに資金調達の方法に課題を抱えていることと、 サービスの提供に安定性があまりないことである。 (2) (2) (2)

(2) NPONPONPO と「公」NPOと「公」と「公」と「公」

ボランティアと NPO の違いは、前者は無償性19、後者は非営利性を特性としている点で ある20。NPO における非営利性は、「nonprofit」と「not-for-profit」の 2 種類あると考え られる。「nonprofit」は利益の非分配を表す一方で、「not-for-profit」は利益を追求しな い、「目標としての非営利」を表している21。NPO は、社会的或いは公益的な目標を追求 しており、「そうした NPO が掲げる社会的な目標を指し示す言葉として、ドラッカー等に より、使命(mission)、あるいは、社会的使命といった言葉が用いられてきた」22のである。 この社会的使命は活動の原動力であり、NPO の極めて重要な要素である。また、それらは 今後公共的課題として構築される可能性を有しており、ここに NPO と公共性との接点が生 18 「民間非営利の組織など、社会的な目的を持つ主体の集まり」を表す。(雨森、2012、p18) 19 無償性とはボランティアにおける重要な概念のひとつで、金銭的な利益を目的としたり、 サービスに対する報酬を求めたりしないことを意味している。 20 栃木県 NPO 等活動推進懇談会、2002、pp.4-5 21 原田・藤井・松井、前掲書、p.5 22 同上書、p.5 より引用。

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6 じるのである23 (3) (3) (3) (3) 繋がりゆえの繋がりゆえの繋がりゆえの繋がりゆえの課題課題課題課題 先ほど NPO の短所について触れたが、NPO は様々な資源を外部環境から調達している こと24もあり、課題が多い。例えば、NPO のサービスを受給する人が、その対価を十分に 支払えない場合、NPO は第三者からの資金調達を行わなければならない。NPO の収入源 は、会員からの会費や一般市民や企業からの寄付、民間助成団体からの助成金、補助金や 事業委託による公的資金など多様である。資金以外にも、ボランティアといった人的資源、 パソコンなどの物的資源、経営ノウハウといった知的資源など、外部から得るものが多い。 このため、NPO は行政、企業、地域、他の NPO とのネットワークを基盤に存立している と言える25 現状として、NPO は行政や企業、他の NPO 等との交流機会を求めている26。また財源 不足に悩んでいる団体も多いことから、資金援助を望んでいる実態がある27。会員・ボラン ティアが集まらないという悩みもある28。メンバーの固定化や他団体との交流刺激の不足は、 活動のマンネリ化へ繋がる。また、専任のスタッフや後継者、ボランティアの不足は、活 動の継続や発展を阻害する。活動場所の確保に悩む団体もある。組織の財務、労務管理な ど専門的な知識技能に不安を抱えている NPO 法人もある。そもそも NPO の概念や活動が、 市民や行政に十分に理解されていないことも課題として挙げられる29。資源や人材、活動内 容に関する情報を受発信する仕組みが充実しておらず30、社会的認知度の低さを感じている 団体もある31。NPO が発展し、第 3 セクターとしての力を発揮するためには、「NPO を支 える制度基盤、並びに社会的基盤について、考えていく必要がある」32 そこで、NPO の抱える課題をカバーしうる存在である、中間支援センターについて注目 する。 23 原田・藤井・松井、前掲書、p.5 24 同上書、p.15 25 同上書、p.15 26 栃木県・とちぎ協働デザインリーグ、2010、pp.12,24,29 27 同上書、pp.12,29 28 同上書、p.10 29 栃木県(2002)「栃木県 NPO 等活動促進に関する基本方針」pp.5-6 30 同上資料、p.6 31 栃木県・とちぎ協働デザインリーグ、上掲書、p.10 32 原田・藤井・松井、上掲書、p.15 より引用。

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第 2

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2 章

中間支援センターの機能と課題

中間支援センターの機能と課題

中間支援センターの機能と課題

中間支援センターの機能と課題

第 2 章では、中間支援センターの一般的な条件に触れた後、本稿における中間支援セン ターの定義を述べる。そして、センターが兼ね備える様々な役割・機能とその管理運営に 焦点を当て、現状や課題について考察する。 第 第 第 第 111 節1節節 節 中間支援センターとは中間支援センターとは中間支援センターとは中間支援センターとは 一般的に、「NPO や市民活動、ボランティアなどの NPO 等を支援したりコーディネー トする組織の総称」として「中間支援組織」と呼ぶことが多い33。この支援やコーディネー トは中間支援センターのひとつの特徴と言えるが、分野・領域において多様な広がりを見 せており、一言で表すのは難しい34。そもそも、団体としての「中間支援組織」と施設とし ての中間支援センターを混同してしまっている場合が多い。加えて、中間支援センターは NPO 支援センターや、ボランティア NPO 支援センター、市民活動推進センターなど様々 な名称が用いられている。 日本 NPO センターは、中間支援センターの条件として、①NPO 支援(主に団体・組織 の支援)を行っており、②分野を特定せず、③常設の事務所があり、④日常的に NPO に関 する相談に応じることが出来る職員がいる、という 4 つを挙げている。その全ての条件に 当てはまる、約 335 施設35を同センターの HP に一覧で掲載している36 ここでは NPO に限定せず、社会貢献活動に取り組んだり、興味関心を抱くあらゆる団体 や個人を支援する施設に注目したい。またそのセンターの持つ仲介機能も考慮し、「中間 支援センター」という表現を採用する。よって、本稿における「中間支援センター」とは 「分野を特定せず、社会貢献活動に携わる或いは関心のある団体や個人を、ハード・ソフ トの両面から支援する施設」とする。 33 新田、2011、p.42 より一部引用。 34 全国の中間支援組織の支援を行っている日本 NPO センターでは、社会福祉協議会のボ ランティアセンター、公民館、児童館、女性センター、商工会議所、YMCA、青年会議 所なども利害調整やコーディネートをする「中間支援組織」として認識しているが、本 稿ではこれらは除く。 35 日本 NPO センターではこの条件に当てはまると判断した組織に連絡をもらい追加や削 除をしており、登録制度があるわけではない(新田、2011、p.42)。またこの数には注 7 にある社会福祉協議会が設置する支援センターなども含まれている。本稿における中間 支援センターの枠にとどまらず、多様な組織が設置・運営に携わっていることがわかる。 36 日本 NPO センター「NPO 支援センター一覧」 http://www.jnpoc.ne.jp/?page_id=757 (2012/10/01 現在)

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8 第 第 第 第 222 節2節節 節 役割と機能役割と機能役割と機能役割と機能 内閣府は 10 年前に、アメリカにおける NPO セクターの動向を踏まえ、中間支援組織に 求められる 7 つの機能を挙げている。これは、将来的にどのような機能を備えていくのか 想定されたものであるが、これらの機能を基に、中間支援センターの機能及び役割が整備 されていると考える。そこで、本節では中間支援センターの機能について、内閣府の報告 に加えて、トランザクション・コスト(取引負担)の軽減に注目する。 (1) (1) (1) (1) 期待された期待された期待された期待された 8888 つの機能つの機能つの機能つの機能 2002 年、「NPO 活動が草創期の段階」とされる当時の内閣府による報告の中で、中間支 援組織は「多元社会における共生と協働という目標に向かって、地域社会と NPO 等の変化 やニーズを把握し、人材、資金、情報などの資源提供者と NPO の仲立ちをしたり、また広 義の意味では各種サービスの需要と供給をコーディネートする組織」と定義されている37 NPO 先進国とされるアメリカの動向を踏まえ、中間支援組織には以下 7 つの機能と役割 が想定されている38 「①情報提供機能」は支援の中でも最も基本とされるもので、NPO 等の抱える問題を解 決するために必要となる各種情報を提供する。「②資源提供機能」は、NPO 等のニーズを 把握し、「支援者」と NPO 等を仲介・斡旋をする機能である。ここで言う「支援者」とは NPO 等に対し資金や人材、活動に必要となる情報等を提供してくれる個人や団体を指す。 「③人材育成機能」は NPO 等として活動する人材を養成する機能で、組織が自立するため に必要となる組織運営や資金確保などに対応できるよう、講座などを通して育成する。「④ マネジメント能力の向上機能」は③と似ているが、組織運営、資金、人材確保などのマネ ジメント能力の向上を支援するため、そのノウハウについて、相談に乗ったりコンサルテ ィングなどを通じて提供する機能である。「⑤ネットワーク・コーディネート機能」は、 様々な形態や価値観を持った多様な NPO 等をネットワーク化したり、個々の NPO 等が持 つ資源の有効活用、そして目的達成までをコーディネートする機能である。また、協働相 手を探す行政や、社会貢献活動をしたい企業、そして NPO 等を繋ぐ役割もこの機能に含ま れる。「⑥NPO 評価機能」は「支援者」に対して NPO 等の活動についての情報を提供し、 支援先、即ち支援をする NPO 等を選ぶための指標や判断基準を示していく役割を持つ。最 後は「⑦価値創出機能」である。NPO 等が発掘した社会的課題について社会全体に訴え共 有化したり、新たな問題解決の方法を創出する機能である。NPO 等の活動が持つ特徴39 生かしつつ、社会的なコンセンサスを獲得しながら社会的な価値にまで高めていくことが 37 内閣府国民生活局市民活動推進課(2002)「中間支援組織の現状と課題に関する調査報告」 https://www.npo-homepage.go.jp/data/report11_7_2.html (2012/12/16) 38 同上ホームページ、「役割・機能」より要約。 39 例えば、自主性、公益性、先駆性、多様性、国際性、非営利性など。(栃木県 NPO 等活 動促進懇談会、2002、pp.3-4)

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9 求められる。 ただし、これらは「中間支援組織」の機能であることに留意したい。「中間支援センタ ー」はリソースセンター40としての役割も大きいと考える。そのため、上記に加え「⑧施設・ 設備提供機能」というハード面による支援も、機能のひとつとする。 (2) (2) (2) (2) トランザクション・コストの軽減効果トランザクション・コストの軽減効果トランザクション・コストの軽減効果トランザクション・コストの軽減効果 中間支援センターのもつ仲介機能にはトランザクション・コストの軽減効果があるとい う。ボランティアや寄付者などの支援者と、外部からの資源を必要とする NPO 等との関係 を取り結ぶにあたって生じる、問い合わせや調整にかかる「コスト」を軽減させる効果で ある41。図表 2 を見ると、中間支援センターの関与によって、本来かかるはずのエネルギー が軽減されていることがわかる。 図表 図表 図表 図表 222 中間支援センターの取引負担軽減機能2 中間支援センターの取引負担軽減機能中間支援センターの取引負担軽減機能中間支援センターの取引負担軽減機能 出典:田中弥生(2005)『NPO と社会をつなぐ』 早瀬昇(2011)「日本のボランティアセンター・市民活動センターは、今後どうなるの か」より筆者作成 40 施設・設備を提供する場所。施設・設備とは談話室、会議室、印刷機や紙折り機などの サービスを指す。(原田・藤井・松井、2010、pp.282-283) 41 早瀬、2011、p.11 中間支援センターがない場合 中間支援センターがない場合中間支援センターがない場合 中間支援センターがない場合 問合せと調整に膨大なエネルギーがかかる 中間支援センターがある場合 中間支援センターがある場合 中間支援センターがある場合 中間支援センターがある場合 問合せ、調整コストの軽減ができる 中間支援センター <資源提供者> <NPO> <資源提供者> <NPO> 【 直線は資源提供者から NPO に資源がわたるまでに必要なコストを表す 】

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10 第 第 第 第 333 節3節節 節 中間支援センターの設置中間支援センターの設置中間支援センターの設置中間支援センターの設置と運営と運営と運営と運営 中間支援センターに明確な定義が存在しないのは、その設置や運営を多様な組織が担っ ていることも要因のひとつであると考える。本節では、多様な設置運営の形態について整 理し、また中間支援センターが全国的に設置された流れについてまとめる。 (1) (1) (1) (1) 多様な設置多様な設置多様な設置多様な設置運営形態運営形態運営形態運営形態 中間支援センターの設置・運営形態は、大きく 3 つにわけられる。NPO や企業といった 民間団体が設置・運営している民設民営系、自治体が設置し、委託や指定管理者として民 間が運営を担う公設民営系、自治体が設置・運営をしている公設公営系である。さらに図 表 3 に見られるように、社会福祉協議会が運営しているものを含め、民設民営系で 2 タイ プ、公設民営系で 4 タイプというようにさらに細かく分類し、多様化する中間支援センタ ーを整理しているものもある42 図表 図表 図表 図表 333 中間支援センターの設置運営主体区分3 中間支援センターの設置運営主体区分中間支援センターの設置運営主体区分中間支援センターの設置運営主体区分 出典:山岡義典(2009)「中間支援組織の現状と役割と課題」より筆者作成 (2 (2 (2 (2) ) ) ) 設置設置設置設置への足への足への足掛かりへの足掛かり掛かり掛かり 中間支援センターのもつ「仲介機能」が広く注目されたのは 1995 年 1 月に発生した阪神・ 淡路大震災の際である。駆けつけたボランティアたちが「何をしたらよいのかわからない」 42 山岡、2009、p.9 【区分】 【内容】 A A A

A:::: 民設民営系民設民営系民設民営系民設民営系 民間団体(民間団体(民間団体(民間団体(NPONPONPO 等)として設立し民間で運営しているものNPO等)として設立し民間で運営しているもの等)として設立し民間で運営しているもの 等)として設立し民間で運営しているもの A-1 純粋民間型 ・民間の施設を使用し、民間の資金で運営 A-2 公的関与型 ・公的な施設を使用しているが有償であり、地方公共団体からの補助金を 受けているがその割合が運営費全体の半分未満 B B B B:公設民営系:公設民営系:公設民営系:公設民営系 地方公共団体の指定管理や業務委託あるいは強い補助のもとに地方公共団体の指定管理や業務委託あるいは強い補助のもとに地方公共団体の指定管理や業務委託あるいは強い補助のもとに地方公共団体の指定管理や業務委託あるいは強い補助のもとに 民間が運営しているもの 民間が運営しているもの 民間が運営しているもの 民間が運営しているもの B-1 既存民間団体型 ・既存の民間団体(NPO 等)が運営を受託 B-2 新設民間団体型 ・設立に伴い運営目的の民間団体を新設し運営を受託 B-3 外郭団体依託型 ・既存の外郭団体(財団法人や社会福祉協議会等)に運営を委託 B-4 公的補助運営型 ・既存の団体が行政施設の無償提供を受け運営費の過半の補助を 受けて運営(社協系以外) C C C C:公設公営系:公設公営系:公設公営系:公設公営系 地方公共団体が設立し地方公共団体が運営するもの地方公共団体が設立し地方公共団体が運営するもの地方公共団体が設立し地方公共団体が運営するもの地方公共団体が設立し地方公共団体が運営するもの D D D D:社協系:社協系:社協系:社協系 地方公共団体の補助によって社会福祉協議会が運営しているもの地方公共団体の補助によって社会福祉協議会が運営しているもの地方公共団体の補助によって社会福祉協議会が運営しているもの地方公共団体の補助によって社会福祉協議会が運営しているもの

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11 という状態で、市役所の周りで指示を待ち続けるという状況が生じた43。「そんな中、ボラ ンティアと被災者を効果的に結びつけたのは、ボランティアコーディネーションを専門と する中間支援組織」44であった。 その後、NPO 法が成立・施行され、市民活動を支えるシステム整備の一環として中間支 援センターに注目が集まった。「1990 年代前半まではボランティアを対象とした支援組織 の開設が多かったが、NPO 法成立以降、各地で NPO を対象とした中間支援センターの創 設」45が続く。1996 年、神奈川県に「県民活動サポートセンター」が設置され、以後、全 国の自治体に公設の中間支援センターが開設される。その多くは民営という形態をとって いるが、その要因には「女性財団による運営支援が活発化したこと」やそれに伴い「協働 のまちづくりを標榜とする自治体による事業委託などが積極的に進められたこと」などが ある46 また NPO 法の立法過程において、地域それぞれにおける市民活動の盛り上がりや、各都 道府県が条例を設置する際の NPO 等との勉強会の開催など、地域において中間支援センタ ー立ち上げへの足掛かりとなる活動が散見されるようになった47ことも、設立へのひとつの きっかけと言える。 日本 NPO センターによると、公設の中間支援センターは、2002 年に設立のピークを迎 えている48。また図表 4 を見ると、全国では都道府県域、市区町村域ともに、公設公営の中 間支援センターが最も多いことがわかる。ただし設立時には公営であっても、後に民営へ 管理運営の切り替えがなされたセンターもある。 43 早瀬、2011、p.11 44 同上書、p.11 より引用。 45 同上書、p.7 より引用。 46 同上書、p.7 より一部引用。 47 新田、2011、p.43 48 同上書、pp.43,45

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12 図表 図表 図表 図表 444 地域別・設置運営主体別にみた中間支援センター数4 地域別・設置運営主体別にみた中間支援センター数地域別・設置運営主体別にみた中間支援センター数地域別・設置運営主体別にみた中間支援センター数49494949(2009 年(2009(2009(2009年 999 月現在9月現在月現在)))) 月現在 出典:新田(2011)「NPO 支援センターの全国調査より」より筆者作成 49 数字上段は主な活動範囲が都道府県域。ただし、一部に都道府県域を超えた広域や複数 市区町村域を対象としたものを含む。下段( )は主な活動範囲が市区町村域。       設置運営主体設置運営主体設置運営主体設置運営主体 地域地域地域地域 民設民営系民設民営系民設民営系民設民営系 公設民営系公設民営系公設民営系公設民営系 公設公営系公設公営系公設公営系公設公営系 合計 北海道・東北 15 (4) 17 (11) 7 (7) 39 (22) 関東 10 (2) 43 (40) 24 (22) 77 (64) 北陸 4 (2) 7 (5) 4 (3) 15 (10) 中部 7 (1) 26 (21) 16 (13) 49 (35) 近畿 14 (5) 18 (16) 4 (3) 36 (24) 中国 14 (13) 9 (6) 4 (4) 27 (23) 四国 1 (0) 8 (7) 1 (1) 10 (8) 九州・沖縄 10 (4) 11 (8) 10 (6) 31 (18) 合計 75 (31) 139 (114) 70 (59) 284 (204)

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13 第 第 第 第 444 節4節節 節 現状と課題、求められるもの現状と課題、求められるもの現状と課題、求められるもの現状と課題、求められるもの 中間支援センターが抱える問題について、設置運営主体別に見ていく。また、中間支援 センターには今後どのような機能が求められているのか、日本 NPO センターの調査等を参 考にし、整理する。 (1) (1) (1) (1) 中核中核中核中核事業からみる現状と今後事業からみる現状と今後事業からみる現状と今後 事業からみる現状と今後 日本 NPO センターによる調査から、民設民営系・公設民営系・公設公営系によって、実 施している中心事業に違いがあることがわかる。図表 5 では、設置運営のタイプ別に、現 在実施している中心事業と、今後中核としたい事業をまとめた。 民設民営系では、組織運営に関する相談と情報収集・発信が主となっているようだ。公 設民営系の場合は、情報収集を中心としながら、ネットワーク形成や施設管理に力を入れ ていることがわかる。公設公営系のセンターは、情報収集・提供と施設管理に加え、行政 との協働や市民参加の促進に取り組んでいる。全てに共通しているのが「市民活動の情報 収集・提供」で、NPO セクターにおける情報の重要性と、その収集や提供を中間支援セン ターが担っている現状が伺える。また、民営系ではその柔軟性を活かした「団体間の交流 促進やネットワーキング」に重点を当てていること、公設では「活動拠点・設備提供・整 備」が中心となってしまっているのが現状である。 今後は、民設民営系においては「行政との協働や市民参加の促進」或いは「企業の社会 貢献活動の促進・支援」に重点が置かれていく。また、公設民営系においては「行政との 協働や市民参加の促進」、公設公営系においてはネットワーク形成に力が注がれると予想 できる。公設系については、現在の中核とされる施設管理の重要性の見直しが考えられる。 図表 図表 図表 図表 555 中間支援センターにおける主な事業の現状と今後5 中間支援センターにおける主な事業の現状と今後中間支援センターにおける主な事業の現状と今後中間支援センターにおける主な事業の現状と今後 設置運営 設置運営設置運営 設置運営 現在実施している中心となる事業現在実施している中心となる事業現在実施している中心となる事業現在実施している中心となる事業 今後中核としたい事業今後中核としたい事業 今後中核としたい事業今後中核としたい事業 民設民営系 ①組織運営に関する相談 ②市民活動の情報収集と発信 ③団体間の交流促進やネットワーキング ①行政との協働や市民参加の促進 ②企業の社会貢献活動の促進・支援 ③市民活動の情報収集と発信 団体間の交流促進やネットワーキング 公設民営系 ①市民活動の情報収集と発信 ②団体間の交流促進やネットワーキング ③活動拠点・設備提供・整備 ①市民活動の情報収集と発信 ②行政との協働や市民参加の促進 ③団体間の交流促進やネットワーキング 公設公営系 ①市民活動の情報提供と発信 ②活動拠点・設備提供・整備 ③行政との協働や市民参加の促進 ①市民活動の情報収集と発信 ②行政との協働や市民参加の促進 ③団体間の交流促進やネットワーキング 出典:新田(2011)「NPO 支援センターの全国調査より」より筆者作成

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14 (2) (2) (2) (2) 設置運営主体別の課題設置運営主体別の課題設置運営主体別の課題設置運営主体別の課題50 まず民設民営系の場合、最も深刻なのが財源の確保である。NPO 等を支援するという活 動内容が形として見えにくく、支援を得にくいためである。また支援対象である NPO 等の 団体にも潤沢な資金があるとは言えず見返りが望めない。活動資金を補うため、即ち組織 を維持するために本来事業ではない事業に手を出してしまうケースもあるという。 公設民営系の場合、企画に関する課題が主である。まず、事業獲得の為にアイディア勝 負に走りがちになってしまうことである。ライバルと差をつけようと提案した事業があま りにも複雑になってしまい、結局実行することが出来ないというケースがある。一方で、 新しくやりたいことができたとしても、仕様書になければ事業を行うことが出来ないとい う問題もある。 公設公営系の中間支援センターは、行政政策の影響を受けやすいという問題がある。特 に人員については、3 年で人事異動があることが障壁となっている。センター利用者である NPO 等と職員の関係がリセットされ続けてしまい、利用者の足が遠ざかってしまう傾向が 強い。また人事定着することがないために、民営センターに比べて新たな事業を開拓しよ うとする意識が弱いと言われている。 公設民営・公設公営系センターの共通課題として、人員が安定せず利用者が定着しない こと、人員不足で研修を行う余裕がなくスタッフの質が向上しないこと、行政に引っ張ら れてしまう体制、などが挙げられる。特に公設民営の場合、利用者の利便性よりも、行政 が提示した契約に縛られがちになってしまい、柔軟な対応が出来るという民間運営のメリ ットを生かしきれないこともある。 (3) (3) (3) (3) 仲介機能と仲介機能と仲介機能と仲介機能と独立性独立性独立性独立性 「中間支援」という言葉のとおり、センターには仲介する機能がある。異質な個人や団 体、資金などを結びつけるコーディネーションないしマッチング、ネットワーク形成とい った機能であるが、その仲介性について、力が注がれていない実態が指摘されている51。社 会貢献活動に関心のある人、ボランティアの応援を求める団体、資金や技術面での支援を 望む NPO、ブランド力の向上を望む企業など、立場や目的の異なる組織・個人が交錯する 中で、中間支援センターに求められるのはそれらを「共感」で結ぶ力である。互いに実現 したい目標の設定に焦点を当て、その共通性から仲介機能を発揮する必要がある52 コーディネーション機関としての「独立性」の確保も求められる。直接的に課題解決に 関わることは避け、多様な社会貢献活動に対して中立的な立場に立たなければならない。 直接取り組んでしまうと、他の社会貢献活動団体との間に競合関係が生じかねないためだ。 また、公設民営系の中間支援センターには、行政施策の改革を通じた活動環境の整備とい 50 田尻、2012、pp.2-3 51 早瀬、2011、p.12 52 同上書、p.13

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15 う重要なミッションがあると言われるが、行政の監督下にあることで、行政施策に批判的 な団体を排除してしまう可能性もある。このことからも、独立性は必須といえる53 「バランス感覚」も求められる性質のひとつである。中間支援センターは、ボランティ アや NPO を擁護するのではなく、その支援者や、行政、企業などいずれも尊重する立場に 立たなければならない。それは同時に、企業や行政の持つ特性や限界を冷静に理解してい く視点であると言え、「非営利セクターの強化を目指しながらも、企業セクター、行政セ クターの必要性も十分にふまえて事業を進める」ことが大切である54 地域の課題に合ったアドボカシー機能が十分に発揮されることも重要である。これは特に 民設民営のセンターに対して求められる。地域に愛される、すなわちセンターが市民や個々 の NPO からの共感によって支えられる仕組みの構築のために、積極的なアドボカシー活動 が必要とされている55 中間支援センターには、リソースセンターとしての施設・設備の貸出しに加えて、支援 者やボランティア等の人材、活動に必要な情報等を仲介する機能がある。また、常駐する スタッフが運営に関する相談に応じたり、イベントの開催を通して NPO 等の活動を広く知 ってもらう取り組みなども行っている。 印刷機や会議室の貸出しといったサービスは、実際に利用者もおり、支援の形が目に見 えやすい。一方で、中間支援センターが中立の立場を維持しつつあらゆる個人や団体を繋 いだり、相談に応じる、情報の収集・提供を行う、という機能を成立させるためには、中 間支援センタースタッフのスキルや意識が重要である。「場」としての中間支援センター がハード・ソフト両面から NPO 等を支えるためには、いかなる設置運営形態であろうとも、 そこで働くスタッフの人間性も大きく関わってくるのではないかと考える。 53 早瀬、前掲書、p.13 54 同上書、p.13 より一部引用。 55 新田、2011、p.46

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第 3

3

3 章

3

栃木県における

栃木県における

栃木県における「

栃木県における

「多様な主体

多様な主体

多様な主体

多様な主体」

」とその支援

とその支援

とその支援

とその支援

第 3 章では、栃木県における社会貢献活動、行政施策に焦点を当てる。そして県が目指 す将来像とその実現に向けた取り組みから、中間センターが担う役割について考える。基 礎自治体設置の中間支援センターの実情にも触れる。 栃木県内の中間支援センターについては、主に公設のセンターについて扱うこととする。 第 第 第 第 111 節1節節 節 社会貢献活動への関心社会貢献活動への関心社会貢献活動への関心社会貢献活動への関心 栃木県が認証する NPO 法人は現在、551 団体56である。図表 6 のように、この数字は年々 増加している。県内の NPO 法人の特徴として、「保健、医療又は福祉の増進を図る活動」 を活動分野として掲げる団体が最も多く、次いで「社会教育の推進を図る活動」、「子ど もの健全育成を図る活動」となっている57 また、2010 年度の栃木県政世論調査では、ボランティア・NPO 等による社会貢献活動に 関する設問があった。「あなたは社会貢献活動に関心がありますか」という問いに対し、 50%のひとが「関心がある」と答えている。高齢になるほどその割合は高くなったが、20 代においても約 46%が関心を抱いており、県民の社会貢献活動に対する関心の高さがうか がえる58 図表 図表 図表

図表 666 栃木県認証6 栃木県認証栃木県認証栃木県認証 NPONPONPONPO 法人数の推移法人数の推移(2012法人数の推移法人数の推移(2012(2012 年(2012年年年 111111 月末現在11月末現在月末現在月末現在))))

出典:栃木県「栃木県社会貢献活動の促進に関する施策の基本方針」 内閣府「特定非営利活動促進法に基づく申請受理数および認証数、不認証数等」 (https://www.npo-homepage.go.jp/data/pref.html)より筆者作成 56 2012 年 11 月 30 日現在(内閣府「NPO ホームページ 特定非営利活動促進法に基づく申 請受理数および認証数、不認証数等 https://www.npo-homepage.go.jp/data/pref.html) 57 活動分野は、NPO 法人が活動内容として定款に記載しているもので、その分野は複数掲 げることができる。 58 栃木県「平成 22 年度県政世論調査の結果」(2012/12/16 現在) http://www.pref.tochigi.lg.jp/c05/pref/kouhou/iken/yoron22.html 0 100 200 300 400 500 600 99年 00年 01年 02年 03年 04年 05年 06年 07年 08年 09年 10年 11年 12年

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17 第 第 第 第 222 節2節節 節 栃木県にお栃木県にお栃木県にお栃木県における社会貢献活動及び協働推進の流れける社会貢献活動及び協働推進の流れける社会貢献活動及び協働推進の流れける社会貢献活動及び協働推進の流れ 栃木県では、2001 年に「栃木県社会貢献活動団体に関する実態調査」及び県政世論調査 を実施し、NPO 等の課題や県民の社会貢献活動に対する意識の調査を図った。その結果、 県内の NPO 等をとりまく課題として、①行政や企業との接点の拡大、②財政基盤の強化、 ③人材の育成・確保、④活動の活性化、⑤県民の理解促進、⑥活動場所の確保、⑦行政と の相互理解、⑧情報受発信の仕組みの充実、⑨マネジメント能力の強化、⑩第三者からの 評価機会の設定、の以上 10 項目が挙げられた。 こうした状況を踏まえ、2002 年に策定された「栃木県 NPO 等活動促進に関する基本方 針」の中で、NPO 等活動推進策のひとつとして「サポートセンターの設置」を明記してい る。このサポートセンターが、翌年 2003 年 11 月にオープンする「とちぎボランティア・ NPO センター『ぽ・ぽ・ら』59」である。 基本方針の中でサポートセンターは「人と情報のネットワークの構築や各種の推進策を 行うための拠点」とされており、「市民、NPO、ボランティア、行政、企業、研究・教育 機関、労働関係団体、経営者団体、公益法人、共益的団体、地縁型団体等の情報交換や事 業協力を主たる内容とするネットワーク」構築のコアとして位置づけられている。加えて、 「同種の機能をもつ既存施設・機関と連携して、(中略)、NPO 等活動を促進していくため の施設」と記されており、既に中間支援を活動としている他組織との協力についても、こ の時点で触れられていることがわかる。 この「栃木県 NPO 等活動促進に関する基本方針」及び 2003 年に公布された「栃木県社 会貢献活動の促進に関する条例」に基づく社会貢献活動の促進や協働の推進方策の第 2 ス テージとして、2011 年 5 月、「栃木県社会貢献活動促進に関する施策の基本方針」が策定 される。目指すべき将来像として「多様な主体60が協働・創造するとちぎ」が掲げられ、全 ての県民が「新たな“公”」61の担い手として各々の役割を果たせるよう、各種施策の推進 が特記されている。基本方針の第 5 章では 2015 年までに取り組むべき「5 つの重点プロジ ェクト」が掲げられ、多様な主体の関係性が図を基に説明されている。 これらの栃木県における社会貢献活動の充足及び協働推進に係る施策の中で、「ぽ・ぽ・ ら」は、柔軟な立場で多様な主体と繋がりをもつことが求められている。寧ろ、県の方針 を具現化したのものが「ぽ・ぽ・ら」であると言える。協働の総合調整窓口機能やネット 59 「ぽ・ぽ・ら」という名前は、イタリア語で「人々、市民」という意味の「popolo」に 由来する。(とちぎボランティア NPO センター、「ぽ・ぽ・ら利用案内」 http://www.pref.tochigi.lg.jp/josei/challenge/madoguchi/popola.html より) 60 「多様な主体」とは、県民、ボランティア・NPO、各種団体、企業など、地域社会を構 成する様々な主体。「新たな“公”」の担い手として期待されている。(栃木県、2011) 61 栃木県総合計画「とちぎ元気プラン」(2006~2011)において県が提唱した考え方で、行政 のみが公を担うという従来の考え方から脱却し、県民や団体、企業、行政などの担い手 が諸問題の解決に向けて積極的に参画していこうという姿勢を持つ必要があるとされた。

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18 ワークのコア、地域課題解決への「ぽ・ぽ・ら」の参加・支援、情報の中枢等といったあ らゆる角度からの働きかけの、その全てが組み込まれている。 (1) (1) (1) (1) サポートセンターの設置に向けてサポートセンターの設置に向けてサポートセンターの設置に向けてサポートセンターの設置に向けて62626262 2002 年の「栃木県 NPO 等活動促進に関する報告書 参加と協働のとちぎづくりに向けて」 の中で、サポートセンター設置に向けた具体的な提案がなされる。このサポートセンター はこれまでに説明した中間支援センターにあたるものだが、栃木県ではこのサポートセン ターという表現を用いている。NPO 等活動の環境整備にあたり、自立性の尊重、役割分担、 協働の視点に配慮しつつ、組織基盤の強化、活動場所の確保、情報提供、サポートセンタ ーの設置が必要であることが示されている。 設置の基本コンセプトは、①NPO 等が成長し自立することを支援する場、②NPO 等、 行政、企業、各種関連施設、団体が協働を行っていくネットワークの場、③社会貢献活動 参加を希望する県民一人ひとりを支援する場、の 3 つであり、これは後述するとちぎボラ ンティア NPO センター「ぽ・ぽ・ら」の現基本コンセプトに通ずる。また、県が設置する センターは、各市町へのモデルとしての波及効果も想定されている。 期待される機能は、活動場所の提供、各種事業の実施、県内各地からのアクセス性、ネ ットワークのコアの 4 つである。中でも 4 つ目の「ネットワークのコア」については、サ ポートセンターが県内の関連施設63や市町村、民間中間支援団体、企業、NPO 等とのネッ トワークのコアとして、NPO 等の必要とする県内外の情報や国際的な情報まで広く収集し、 発信していく中継基地としての役割を示している。市町村とのネットワークについては、 「NPO やボランティア活動では、市町村を窓口とすることも多く、市町村も、NPO 等と の関係が深い実態がある」とされ、センターを県内複数の地域に設置すること、相互に補 完・協力する関係を構築することが求められている。また、「市町村及び市町村サポート センターと連携し、情報交換や事業協力を行い、市町村の意向に配慮した上で、適切なア ドバイス・支援などもおこなっていく」ことも期待されている。 (2) (2) (2) (2) 協働推進協働推進協働推進と協働推進とと「と「「「多様な主体多様な主体」多様な主体多様な主体」」」64646464 協働とは、「県民、NPO、ボランティア団体などの社会貢献活動団体、企業、地域団体 や市町村等の行政など地域の構成員が、地域における課題解決のために、対等の立場で、 互いの違いを認め補完しあいながら、連携・協力すること」である。しかし、協働は目的 ではなく方法・手段であることから「なぜ行うのか、どうして行う必要があるのか」とい う点を意識することが重要である。行政サービスの全ての分野において協働の取り組みを 62 栃木県 NPO 等活動促進懇談会、2002、pp.43-48 より一部引用。 63 各種施設とは、とちぎ女性センター(現とちぎ男女共同参画センター)、生涯学習ボランテ ィアセンター、とちぎ国際交流センター、とちぎ青少年センターなどをいう。(報告書) 64 栃木県、2011、pp.8-14 より一部引用。

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19 進めるのではなく、解決すべき課題が協働に適するかどうかを見極めた上で、互いの主体 性や役割を理解し、地域の課題に取り組むのである。 2011 年の「栃木県社会貢献活動の促進に関する施策の基本方針」において、栃木県では、 目指すべき将来像として「多様な主体が協働・創造するとちぎ」を掲げている。その背景 には住民自治による地域づくりの推進がある。県民ニーズや地域の課題が複雑多様化し、 公平で画一的なサービスを提供する行政では、きめ細やかに対応することが困難になりつ つある。そのため、住民が自分たちの地域の在り方を、行政に一方的に委ねるのではなく、 自らの主体性と責任をもって決めることができる住民主体の地域社会の重要性が謳われて いる。この将来像の実現に向けて、NPO やボランティア活動に対する県民の理解を深める ことや、参加意識の醸成、また NPO 等が抱える問題解決に向けた基盤強化、人材育成など を行うことを示している。加えて、情報の共有、課題解決の手法や対応策の検討・協議と いった、協働の仕組みをつくることも要請されている。 栃木県の各種施策の基本姿勢として、3 つの事項に配慮がされている。1 つ目は、自立性・ 自主性の尊重、2 つ目は「新たな“公”」65の担い手との役割分担、3 つ目は協働の視点で ある。「協働は、課題解決のための方法・手段であって目的ではない」ことから、「相手 方との協働の意義や考え方を相互に理解し、事前の話し合いとともに実施にあたっての役 割やルールを定め、遵守に努める」という姿勢が明記されている。 (3) 5 (3) 5 (3) 5 (3) 5 つの重点プロジェクトつの重点プロジェクトつの重点プロジェクトつの重点プロジェクト 2011 年に策定された「栃木県社会貢献活動の促進に関する施策の基本方針」は、推進期 間が 2011 年度から 2015 年度となっている。この 5 年間で栃木県では以下 5 つのプロジェ クトを重点的に取り組むとしている。 ⅰ)総合調整窓口の設置、ネットワークの強化 総合調整窓口とは、県民への情報提供や相談に対応する窓口である。必要に応じて協働 の取り組みについて、事業担当部署と「新たな“公”」の担い手との連絡・調整を行う。 また、複数の担当部署にまたがる課題の対応についても調整をする。このような機能を担 う窓口を設置し、とちぎボランティア NPO センター「ぽ・ぽ・ら」との連携を軸に、多様 な主体と県との相互理解を深め、信頼関係を築く。加えて、市町村や関係機関、民間中間 支援組織などとの意見交換や、ネットワーク強化を図る。 ⅱ)行政と「新たな“公”」の担い手との出会い、協議の場づくり 課題を解決するための手法や対応策について、課題別に行政と「新たな“公”」の担い 手とが自由に意見交換をする「出会いの場」や、対等な関係のもとで課題解決に向けて対 応策を「検討・協議する場」を設けるなど、多様な主体と行政とが協働の取り組みを「実 65 栃木県総合計画「とちぎ元気プラン」(2006~2011)で県が提唱した考え方。「行政のみが “公”を担う」という従来の考え方から脱却し、郷土が抱える諸課題の解決に向けて積 極的に参画していこうとする主体的な姿勢を持つ必要があるとされた。

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20 践する場」を通して、共通する県政課題や地域課題を解決していく。また、互いの立場や 考えについて理解を深めながら協働の企画等の手段や進め方を決めていくには、相互に遵 守すべき協働のルールが必要となる。その為、栃木県版の「県民協働ルール」を策定し、 積極的に周知していく、としている。 栃木県では、この「検討・協議する場」を「とちぎ地域力創造プラットフォーム」事業 として取り組みを進めている。「とちぎ地域力創造プラットフォーム」には、「テーマ別 プラットフォーム事業」と「地域版プラットフォーム事業」がある。前者は県が運営し、 県政課題について取り組むもので、後者は市町が運営し、地域課題に取り組む。また、後 者は希望する市町に県が事業費を助成する形で実施される。 ⅲ)地域の課題を地域自らが解決する仕組みづくり このプロジェクトは、先述した「地域版プラットフォーム」に関するものである。出会 い、協議の場づくりは、県だけでなく地域とつながりの深い市町においても必要であり、 同時に、市町が抱える特定地域の課題を解決するひとつの手法として、市町のニーズを把 握しながら支援していくことが要請される。 このため、協働の考え方や手法、ルールを理解し実践するための職員研修の実施や、協 議の場である地域版プラットフォームへの県担当職員、中間支援組織等の参加というよう に、連携・解決の手法をモデル的に進めるとしている。 ⅳ)「新たな“公”」の担い手同士が情報共有できる Web サイトの構築 連携・協働による地域課題への対応は、各主体間での情報共有が不可欠である。相互に 連携できる部分を突き詰めていくことが、協働を生み出す基盤である、と考えられている。 このため、県及びとちぎボランティア NPO センター「ぽ・ぽ・ら」において、情報共有 できる場としての「地域・協働・創造 Web サイト」を構築する。行政や多様な主体が個々 に持っている有益な情報が一元的に集約された場であり、また新たな出会いや協働の取り 組みが生まれるようなマッチング機能も備えた、Web 上のプラットフォームとされる。 ⅴ)「新たな“公”」の担い手となる人材の育成や活用 社会貢献活動や地域づくりを担う人材育成のための、研修や相談機能の一層の充実を図 る。同時に、県や市町村、「ぽ・ぽ・ら」や市町の中間支援センター等が蓄積している人 材情報の有効活用を目指し、人と活動をつなぐ人材ネットワークを構築する。

図表 図表 6 6 6     栃木県認証 6 栃木県認証 栃木県認証 栃木県認証 NPO NPO NPO NPO 法人数の推移 法人数の推移(2012 法人数の推移 法人数の推移 (2012 (2012 年 (2012 年 年 年 11 11 11 月末現在 11 月末現在 月末現在 月末現在))))
図表 図表 7 7 7     とちぎボランティア 7 とちぎボランティア とちぎボランティア とちぎボランティア NPO NPO NPO NPO センター「ぽ・ぽ・ら」の認知度 センター「ぽ・ぽ・ら」の認知度 センター「ぽ・ぽ・ら」の認知度 センター「ぽ・ぽ・ら」の認知度

参照

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