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そのためには 市が 厳しい行財政環境のなかでまちづくりをリードできる総合力を備える べく 行財政運営のあり方を根本から見直し 新しい時代にふさわしい市政の仕組みづくり をめざした自己革新に挑戦していくことが強く求められている 2. 今後の行財政改革の基本的な考え方 2-1. 行財政改革大綱の見直し

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Academic year: 2021

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地方自治・新時代に対応した行財政運営のあり方のついて −答申− [平成 10 年 11 月 20 日]地方自治・新時代に対応した行財政懇談会 第 1 章 行財政改革の必要性 第 2 章 今後の行財政改革の基本的な考え方 第 3 章 行財政改革大綱の見直しに向けた検討の方向 第 4 章 改革の推進に向けて まとめ 1.行財政改革の必要性 21世紀を間近に控え、量から質への価値観の変化、少子・高齢化社会の進展、情報通 信技術の高度化等が急速に進むとともに、行政においては、地方分権推進計画の策定や国 の省庁再編のための基本法の制定など、行政全体のあり方を変革するための見直しが具 体的な形として現れようとしている。これら社会経済の様々な分野における変化は、市民や それぞれの地域の考え方が大切にされ、生かされるという、個性や創造性を尊重する成熟 した社会への方向を示すものである。 市では、こうした新たな時代の流れや社会経済環境の変化、市政の課題等に的確に対応 しながら、市民が真に豊かさとゆとりを実感できる都市像の実現をめざし、将来のまちづくり の指針となる「岡山市第四次総合計画」を平成10年3月に策定したところである。 一方、右肩上がりの成長経済が終わり、景気の低迷が長期化するなかで、経済環境は一 段と厳しさを増しており、その先行きが懸念される。経済情勢がこのまま推移すれば、税収 の落ち込み等により、市財政においても大幅な財源不足等の厳しい局面に立たされること が考えられる。 しかし、こうしたなかにあっても、豊かな地域社会の実現に大きな責任を負う自治体として、 社会経済の構造的な変化に的確に対応しながら、市民の期待と信頼に応え、基本構想に掲 げた将来都市像「グリーンシティ・おかやま∼人と環境にやさしい中枢拠点都市∼」の確実 な実現を図り、活力あるまちを創りあげていかなければならない。

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そのためには、市が、厳しい行財政環境のなかでまちづくりをリードできる総合力を備える べく、行財政運営のあり方を根本から見直し、新しい時代にふさわしい市政の仕組みづくり をめざした自己革新に挑戦していくことが強く求められている。 2.今後の行財政改革の基本的な考え方 2-1.行財政改革大綱の見直し 行財政改革は、様々な社会経済環境の変化に行政が適応できているか、また予測しうる 将来の変化にも対応できるかという観点から、組織、制度、施策など行財政運営全般のあり 方を見直していくものである。 一方、急速に進みつつある社会経済の構造的な変化は、これまでにない活動形態や地域 社会の発展の機会をもたらす可能性を有しているが、従来の行財政改革では、その時々の 社会経済環境の変化に対し、主に組織、事業の減量による簡素効率化を目的とした、量的 な行財政改革に主眼を置いてきた。 社会経済環境を大きく変えながら急速に進む新たな時代への転換期を前に、市がより一 層自立した地域経営の主体として、行政の役割を的確に果たしていくためには、これまでの 量的な行財政改革にとどまらず、将来のまちづくりの指針となる総合計画の基本的な方向に 沿って、市政のあらゆる場面で質的な行財政改革に取り組み、時代の要請等に応えうる新 たな行政スタイルを確立していかなければならない。 こうした考え方のもと、新たな大綱においては、現在の行財政改革大綱の目的である「豊 かで活力ある地域社会の実現と簡素で効率的な行財政運営」の推進とともに、市の組織、 権限、予算等を最大限に生かしながら、市民・企業・行政の役割分担、協働と連携により、人 と環境にやさしいまちを創りあげることを今後の行財政運営の出発点とし、 「市民の視点で考え、経営感覚で行動する行政への変革」 を基本理念とする行財政改革大綱の策定を求める。 2-2.行財政改革の具体化

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この基本理念に沿った行財政改革を確実に推進するためには、全庁が次のような共通の 認識に立って、各分野の取り組みを行うことが必要である。 a.重視すべき視点 ◆市民の視点に立った成果重視の行政 これからの行財政運営では、「単に事業やサービスをどれだけしたか」だけでなく、 市民の立場に立ち、様々な行政活動によって「市民サービスの向上にどれだけ貢献 したか」という観点から、行政の様々な活動の成果や効果を重視するとともに、それ らを分かりやすく説明する行政の説明責任が求められる。 このため、次のような施策を重点に取り組むべきである。 1. 公共施設の利用ニーズや迅速な窓口サービスへの対応 2. 市民の知る権利等に立った情報公開条例の見直し 3. 外郭団体の設置・運営のあり方等の再検討 4. 事務事業の効果の明確化など、市民への説明責任の強化 ◆変化に柔軟かつ効率的に対応し、行動する行政 経済や環境分野の急速な国際化、市民の生活圏域の拡大、高度情報ネットワーク 化など、社会のあらゆる場面でボーダーレス化が進むとともに、少子・高齢化社会の 進展、低成長経済への移行、行政システムの変革等社会経済の構造的な変化が進 むなかで、変化に柔軟かつ効率的に対応し、創造的に行動する行政の仕組みづくり が求められる。 このため、次のような施策を重点に取り組むべきである。 1. 経費を圧縮し、財源を有効活用するコスト感覚に立った財政運営への転換 2. 意思決定を素早く展開し、もてる力を最大限に生かす効率的な体制づくり 3. 少数精鋭主義のなかで職員の意欲や能力を引き出す人事管理と職員研修 4. 男女共同参画型の働きやすい職場づくり 5. 事務事業評価システムを中核とする総合的な行政システムの構築 ◆様々な個性のニーズに応じた選択可能性を高める行政 市民の価値観・ニーズの多様化に伴い、様々な選択肢の中から自らの目標やスタ イルを自由に選ぶという社会の方向が現れてきている。

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そのため、今後、行政が計画から実施までを担うという従来の枠組みや方法にと らわれず、市民にとって真に必要なサービスのために行政に課せられた課題は何か を考え、新たな視点に立った手法や民間等との役割分担、協働と連携によって、市 民一人ひとりや地域のニーズに応じた選択の可能性を高める行政の機動力が求め られる。 このため、次のような施策を重点に取り組むべきである。 1. 生活スタイルに合ったいつでも対応可能で、迅速な情報の提供 2. 民間の資金力、ノウハウ等を最大限に生かす行政分野の選択、新たな手法の構築 3. 既存の行政分野の枠を超え、ニーズの特性に応じた組織・機構への再編 4. 環境にやさしい行政をめざしたマネジメントの導入への取り組み b.実効性の確保 行政においては、民間企業のような顧客の厳しい選択や市場の競争原理が働きにくいな かで、行財政改革の基本理念や重視すべき視点に沿った成果を目に見えるものにし、市民 の理解や協力を得ながら、また必要に応じて外部からの意見も取り入れつつ、より実効性の 高いものにしていくためには、行政の一段と厳しい内部努力を促していく実行面のアプロー チが必要である。 今後、こうした観点から、前例や既存の枠組みにとらわれない大胆な思考や工夫を引き 出し、市政変革という目的に向けて果敢に挑戦する姿勢を職員一人ひとりに浸透させるため、 可能な分野から数値目標を掲げ、検証するという取り組みを行うことが、各部門の行財政改 革に向けた行動として求められる。 数値目標としては、効果・効率性の面から、「市民生活の向上という観点で、事務事業の 効果をどこまで高めるか」、「同等以上のサービスを、どこまで少ない時間と経費でめざす か」などを考慮すべきである。 3.行財政改革大綱の見直しに向けた検討の方向 今後、行政の各分野において、行財政改革を具体化する積極的な取り組みが求められる が、市行政は市民生活に関わる非常に幅広い領域で、様々な事業やサービスの提供を行っ ており、市民から行政に寄せられる期待や要望も多岐にわたっている。

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こうしたなかで、行財政改革をより確実に推進していくため、以下に今後の検討の方向や 着眼点を示すものである。 3-1.市民サービスの向上 市はこれまでも、市民サービスの向上をめざし、市民の異動期の公益サービスコーナー の設置、施設の利用時間の変更や利用申請の際の押印廃止など、窓口事務の改善等を進 めてきたが、必ずしも市民の立場に立った十分なサービスの提供までには至っていない。 今後の行政サービスに当たっては、「市民に身近な行政」の実現という観点から、様々な 可能性を積極的に探る姿勢のなかで、多面的な方向からの検討を加え、高度情報化等への 新たな対応を含め、市民サービスの一層の向上をめざした取り組みを行っていく必要があ る。 同時に、市民が様々な選択肢の中から自らのスタイルにあったサービスを選ぶという個性 と多様性の視点から、市民ニーズに合ったサービスの提供に当たって、選択の可能性を高 めていく方法等を検討すべきである。 着眼点 ○公共施設の利用ニーズに応じたサービス ・利用しやすい曜日、時間などの利用ニーズへの対応 ○行政サービスの所要時間の短縮等行政スピードの向上 ・自動交付機等情報通信ネットワークを利用した行政サービスの提供 ・総合出先機関など身近な行政機関による行政サービスの提供 ・庁内 LAN の構築、パソコンの配備など、行政内部の情報基盤の整備・情報の共有 による事務処理の効率化 ・下位職や出先機関の決裁権限の拡大等による意思決定の迅速化 ○行政手続きに係る市民負担の軽減 ・押印や添付書類の簡素化等市民の視点に立った事務手続きの見直し ・ワンストップサービスによる迅速で横断的な窓口サービスの提供 ○様々な生活スタイルに柔軟に対応したサービスの提供 ・いつでも対応可能な生活・学習情報や施設等の利用・予約サービスの提供 ・各分野ごとのホーム・ページの作成など、インターネットによる総合的な情報提供

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3-2.分かりやすく、透明度の高い行政 市政を市民にとって身近なものとするためには、何よりも分かりやすく開かれた市政を推 進することが重要であることから、市では昭和62年に「岡山市情報公開及び個人情報保護 に関する条例」を制定し、その運用を重ねているところである。 これに加え、今後は、市民に対し市政の諸活動を説明する責任を積極的に果たし、行政 の公正の確保と透明性の向上を図るための取り組みを進めながら、市政を市民に身近で分 かりやすいものにする努力を全庁で行っていかなければならない。 同時に、厳しい財政環境のなか、限られた資源や地域の特性を生かし、住みよいまちづく りを進めるためには、効率的な行財政運営を行うことはもちろんであるが、民間や市民の一 層の理解、協力も得ながら、市民のニーズに的確に応える市政運営が求められる。 こうしたことから、市民ニーズの的確な把握や行政情報の幅広い提供、行政活動の目標 や手続きの明確化などを積極的に進め、行政と市民が共通の視点で考え、行動するという 地方分権時代の地域経営を念頭に、市政への一層の市民参画を促進すべきである。 着眼点 ○市民への情報提供の充実 ・市民の知る権利等の観点に立った情報公開条例の見直し ・表現の平易・視覚化による分かりやすい広報、多様なメディアの活用など、提供手 段の改善による広報広聴活動の充実 ・市民意識調査の充実による多角的な視点からの市民ニーズの把握と分析 ○行政の説明責任の強化による開かれた市政の推進 ・事務事業評価システムによる行政施策の目標・成果の明確化 ・市政放送の時間帯の変更、インターネットの活用、行政図書の積極的な提供等に よる市民への説明手段の拡充 ・審議会等への市民参画の促進と審議会等の広報手段などの充実 ○適正な行政手続きと行政執行の確保 ・許認可等の基準・標準審査期間の設定の推進による手続きの適正化 ・行政サービスの評価による質の高いサービスの提供 ・地方分権の進展に伴う権限拡大に対応した行政手続きの整備 ・外部監査制度の導入による行政へのチェック機能の強化

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3-4.事務事業を総合的に実施・評価する仕組みづくり 市では、今年度から新たなまちづくりをめざし第四次総合計画をスタートさせている。この 総合計画に掲げられた将来都市像「グリーンシティ・おかやま」の実現を図り、市民が豊かさ とゆとりを実感できるまちづくりを進めるためには、地域経営を総合的に担う行政の仕組み づくりが求められる。 この仕組みづくりのためには、各分野の行政活動を具体的に方向づける「財政運営・予 算」、「組織管理・運営」、「人事管理・職員研修」について、そのあり方を行財政改革検討の 新たな理念に沿って見直し、様々な変化に柔軟かつ効率的に対応しながら、全庁が共通の 視点に立って行動する、新たな行政システムの構築をめざすべきである。 a.財政運営・予算 厳しい経済環境を反映し、財政運営や予算のあり方に対する縦割りや前例踏襲等につい ての厳しい目が注がれるとともに、国・地方自治体を問わず、社会資本や行政サービスの充 実等を引き続き進めていくうえでの基盤となる財源面の限界も危惧されつつある。 市はこれまで、相対的に安定した財政運営を行うことが可能であったが、地方分権に伴う 行政需要の増大が予想される一方、今後は景気の回復による税収の急増を期待することは できず、従来のように景気の拡大局面の税収増で、増大する行政需要を補うことは不可能と なることが考えられる。 既に、財政運営の硬直化を示す指標が高い水準を示しつつあるものもあり、今後の景気 や税財源の動向によっては、これまでに経験したことのない厳しい舵取りを求められる場面 も視野に入れなければならない。 こうした認識のうえに、限られた行政資源の有効活用を図る観点から、変化を的確に予見 した財政運営、行政ニーズや重点課題に柔軟に対応できる予算編成、歳出構造の弾力化に よる活力ある予算執行など、従来にも増して、より適切な行動を選択する経営感覚に立った 財政運営や予算編成が強く求められる。

着眼点

○横断的な課題や重要施策に対応した予算編成 ・少子、高齢化対策等の部門横断型予算や重点配分予算の編成

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・総合計画の施策体系に沿った予算編成 ○スクラップ・アンド・ビルドによる予算編成 ・予算編成時における事業の目標水準の明確化や終期の設定 ・事務事業の評価と関連づけた予算の編成 ○的確な収支予測に基づく計画的な財政運営 ・財政力指数、起債制限比率等各種指標に基づく計画的な財政運営 ○経費を抑制、活用するコスト感覚に立った効率的な予算執行 ・無駄を省いた効率的な執行により、限られた予算を生かすための取り組み ・企業会計的手法による行政資源の有効配分の検討 ・公共工事のコスト縮減のための取り組み ・事務用品等経常的経費の節減による事務コストの低減 b.組織管理・運営

ア.行政組織

今日、社会や経済の様々な分野でボーダーレス化が進んでいる。こうしたなかで、施策や 事務事業がより高い効果を発揮するためには、これを企画・実施する各部門の総合調整、 連携や横断的取り組みを進めるとともに、事務の細分化防止、情報技術の活用による市民 サービスの向上、事務の効率化とニーズに迅速に対応できる簡素で効率的な組織づくりな ど、市民の視点に立った取り組みが求められる。 また、国においては、行政分野の再編による省庁改革が予定されており、市においても、 その動きを踏まえながら、地域の特性を生かした個性的なまちづくりに向け、施策を総合的 に実施できる組織・機構への再編や活力ある組織づくりに早急に取り組むべきである。 着眼点 ○意思決定を素早く、効果的に展開できる組織づくり ・横断的視点に立ち企画・実施できる組織づくり ・連絡調整会議等庁内会議の整理と経営戦略機能の強化 ・既存の行政分野の枠を超え、ニーズの特性に応じた組織・機構への再編 ○市民の利便性の向上をめざした簡素で効率的な組織づくり ・総合的な窓口サービスの提供のための組織の整備 ・情報化による内部管理分野等の簡素効率化

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○権限、予算、職員の能力等を生かす組織づくり ・企画機能の強化や総合支所の整備等地域経営を総合的に担う体制づくり ・担当者等への権限の付与、組織内の情報流通等の円滑化 ・数値目標を掲げた取り組み等を通じた活力ある組織づくり ・職員の能力を最大限に生かす男女共同参画型の働きやすい職場づくり

イ.外郭団体

外郭団体は、行政の補完的機能を果たしながら、複雑・多様化する行政事務への対応や 公共的なサービスの提供を行ってきた。 各団体は、それぞれ時代の要請に応じて設立されたものであるが、年月の経過や社会経 済環境の変化に伴い、事業目的を達成したことや対象事業への民間企業の進出等により役 割が変化したことも考えられる。 このため、団体の役割、運営のあり方や市の出資等について、今日の社会経済情勢に応 じて再検討すべきである。 着眼点 ○団体の役割・事業内容の整理 ・事業目的を達した団体や類似業務を行う団体の見直し、行政との役割分担等の 整理 ○組織体制・事業運営のあり方の再検討 ・市民の立場に立ったサービスが提供できる組織・運営のあり方への誘導 ○団体の特性を生かした活用 ・団体の専門性、効率性等を引き出すための事業再構築の検討 ○団体への出資等行政の関わり方の見直し ・公共性、公益性、財務状況等に基づく出資その他財政援助の必要性の点検 ○団体運営の透明性の向上 ・経営内容の評価や情報提供の充実の促進 c.人事管理・職員研修 地方分権が進展するなか、地域経営においては、政策形成能力や経営能力の優劣が、 まちづくりの差となって現れてくる。

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このため、従来の枠組みや発想にとらわれず、行政課題に果敢に挑戦する姿勢やコスト 意識等をもった職員が求められ、長期的、総合的な視点に立った計画的な人材育成や職員 の意欲・能力を引き出し、自己啓発を促す仕組みが必要となってくる。 同時に、実施段階を迎えた地方分権や国の行政改革に伴う業務の拡大、少子・高齢化へ の対応をはじめとする行政需要の増加、高度・専門化する社会経済活動に的確に対応でき るよう、職員の能力を最大限に発揮させる柔軟で総合的な人事管理や、少数精鋭主義のな かで人的資源を十分に生かす定数管理、社会経済環境の変化を踏まえた諸制度の見直し 等が強く求められる。

着眼点

○能力活用と意欲向上をめざした人事管理 ・行政の高度専門化に応える能力を育てる人事管理 ・立候補制など能力や意欲を高める職務選択型の人事管理 ・管理監督者層へのコストを意識した職場管理の徹底 ○少数精鋭主義での人的資源を生かす総合的な定員管理 ・理業務の省力化と現場部門の市民サービスの向上 ・民間活力の導入、情報化の推進等による柔軟な人員配置 ・目標の効果的な達成へ人員を有効に活用する総合的な定員管理 ○質の高いサービスを支える人材育成や職員の意識改革 ・長期的な指針に基づく人材の育成 ・職員の自己啓発を支援する仕組みや大学等の活用による政策研究機能の強化 ・市民のサービス満足度を高めるための職員の意識改革 ・経営感覚を養成するための職員研修 ○社会経済環境等を踏まえた諸制度の見直し ・諸制度の見直しによる歳出構造の弾力化への対応 d.総合的な行政システムの構築 施策や事務事業の点検・評価については、これまでも、総合計画の策定や各年度の予算 編成のなかで取り組まれてきた。

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しかし、市民の視点に立った成果を重視する市政を進めていくためには、「何をどこまでめ ざすか」など、施策や事務事業の目的、目標、コスト等を市民に分かりやすく説明する必要 がある。 同時に、経済環境の変化に伴い、施策や事務事業を従来の拡大基調で進めることが困 難になってきているなか、より確かな選択に基づき、施策や事務事業を展開していくことが求 められる。 今後、「市として実施すべき事業は何か、最少の経費で最大の効果を上げる行政を行うた めの総合的な仕組みをどうつくるか」などの課題に的確に対応するため、これまでモデル的 に取り組んできた事務事業評価システムの本格的導入を早期に図り、総合的な行政システ ムを構築すべきである。

着眼点

○事務事業の検証、評価 ・目標、優先順位、コスト等の明確化による事務事業の的確な選択 ・大規模事業等の投資的経費に対する費用対効果からの再評価 ○事務事業評価システムの導入 ・市民の視点に立った成果を重視する姿勢への職員の意識改革 ・事務事業の効果、効率についての目標の数値化 ・目標の設定と評価のマネジメント・サイクルの確立 ○行政活動をマネジメントする仕組みづくり ・事務事業評価システムを中核とする総合的な行政システムの構築 ・環境にやさしい行政をめざしたマネジメントの導入への取り組み 4.改革の推進に向けて 行財政改革の必要性として示したように、少子・高齢化社会の進展や地方分権の推進等 に伴う今後の行政需要の確実な増加に加え、景気の長期低迷による市財政の緊迫の可能 性も懸念されることから、厳しい行政環境のなか、市の行財政運営のあり方を根本から見直 すための長期的な方向も見すえながら、行政のあり方を一つひとつ見直していくことにより、 市政に寄せられる市民の期待と信頼に応えていくことが求められる。

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そのため、新たな行財政改革大綱を早期に策定し、行政環境の変化に柔軟に対応できる 簡素で効率的な行政の仕組みづくりや取り組みの方策等について、平成13年度までを当面 の目標・スケジュール等の目途として可能な限り盛り込むことを求める。 ○簡素で効率的な行政の仕組みづくり ・事務事業評価システムの導入 ・計画的な財政運営 ・組織、機構の再編 ・仕事量等執行体制の簡素、効率化 ○全庁的な取り組みの方策 ・説明責任を果たす行政の仕組みづくり ・市民サービスの向上のための措置 ・公の施設の設置、運営など民間との役割分担の検討 まとめ 以上、市の行財政改革のあり方に対する基本的な考え方と取り組みの着眼点を示してき たが、これらはいずれも、各部局が一体となった真剣な取り組みを行うことにより初めて、成 果を目に見えるものにすることができるものであるとの認識を改めて示し、行政の厳しい努 力を求めるものである。 同時に、この答申が将来都市像という中期的な展望を踏まえて市政に求めた変革は、当 局の一朝一夕の取り組みのみでなされるものではなく、市議会、市民各層の一層の理解と 協力を得た継続的な取り組みとして進めていかれるべきものである。 当懇談会としても、答申に示した基本的な考え方が実現するよう期待し、今後、改革の具 体化に当たり、必要に応じて個別的、専門的課題に対応する体制を設け、意見、提言等を示 すなど引き続き見守っていくものである。 当局においては、強い意思と熱意をもって地域経営の新たな仕組みづくりをめざした自己 革新に挑戦し、地方自治・新時代にふさわしい行財政運営の基盤確立に向けた確かな道筋 を築いていかれることを強く期待する。

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