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修 士 論 文 概 要 書

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Academic year: 2021

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修 士 論 文 概 要 書

CD 2008年 2月提出 学籍番号 3606U083 - 0 専攻名(専門

分野) 情報・ネットワーク

氏 名 橋本 弥弦

指 導

村岡 洋一 印

研究指導名 情報構造研究 教 員

研 究

題 目 主観的輪郭のCaptchaへの応用

1. 概要

Captcha

とは、人間とボットを識別するチャレ

ンジレスポンス型の逆チューリングテストであ る。イメージファイルに描かれた文字列を、ユ ーザーにタイピングさせて認証する形式が普及 している。近年の文字認識技術の精度は向上し、

従来の

Captcha

の解析コストは低下している。

そこで本研究では、解析コストの高い主観的輪 郭を利用した

Captcha

(以下、錯視

Captcha

)の生 成手法を確立し実用性を検証した。検証のポイ ントは二つある。一つはそもそも主観的輪郭の 知覚は個人差があるため、Captchaとして応用で きるほど知覚されるものなのかという点。もう 一つは、主観的輪郭の生成エンジンの精度であ る。いずれも、実際にCaptchaを利用してもらっ た結果の正解率から評価を行った。その結果、

生成確率、正答率、回答時間などの点で、錯視

Captcha

が十分実用性を持つほど、主観的輪郭

が知覚され、錯視Captcha生成エンジンも十分な 精度をもつことが分かった。

2. 主観的輪郭とは

私たち人間の視覚系は、点パターンのような離 散的な画像であっても、そこにあたかも線文や 曲線が存在しているかのように知覚することが

でき、明度の差(輪郭)が存在しなくとも、「境 界」「明るさ」「奥行き変位」という3つの現 象特性をそこに認識することがある。この現象 を一般に”主観的輪郭”と呼んでいる。

3. 実験方法

"LabyTex"という名のTexエディタをシェアウェ アとして公開し、その体験版に限り起動ダイア ログに錯視Captchaを表示させ、LabyTexの体験 ユーザーを被験者としてデータを収集した。検 証に費やす期間は2ヶ月である。

4. 結論

全試行回数

974

回中、正解数

867

回という結果 から、錯視

Captcha

の正解率は

89.0%

、平均回答 時間は

5.78

秒だった。

Captcha

を実用的と定め る正解率や回答時間に触れた文献は見当たらな いが、主観的輪郭の解析精度が低い現状から、

文字数を減らしてもある程度の安全性を保持す ることが可能であり、タイピングに付随するタ イピングミスが減って最短回答時間が1~

2

秒 と短く、正解率も高くなったと予測できる。ま た、この正解率から、錯覚として親しまれてい る主観的輪郭が人々に知覚できていることも証 明でき、錯視

Captcha

としての自動生成にも成 功したと言える。

5. 今後の課題

今後の課題は、「錯視

Captcha

の画像サイズの 縮小」と「錯視

Captcha

生成エンジンの複数文 字への対応」が挙げられる。

参照

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