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Academic year: 2022

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(1)

フライアッシュと石灰石微粉末を混合したセメント複合体の曲げ強度

山口大学大学院 学生会員○増井陽平 正会員 吉武 勇 前田建設工業(株) 正会員 吉本勝哉

(株)エネルギア・エコ・マテリア 正会員 高橋和之

1. 序論

国内の道路には一般にアスファルト舗装が用いられてきたが,重量車走行による轍掘れなどが少なく,長 い供用期間が可能となるコンクリート舗装が再注目されるようになってきた.本研究では,このコンクリー ト舗装にフライアッシュを多量に有効活用することを主眼とする.フライアッシュを混和したコンクリート は,長期強度が優れるものの,一般に初期強度が小さく,早期供用が求められる道路には不適当である.一 方,石灰石微粉末はコンクリートの初期強度を改善できる材料として知られている.すなわち,両粉体材料 を適切に組み合わせることで初期~長期に至る過程で,適切な強度発現が期待できる舗装材料ができるもの と推察される.さらに骨材も全て石灰石起源のものを使用すれば完全リサイクルも可能となり,補強材等を ほとんど使用しない舗装においては,特に高いリサイクル性も期待される.そこで本研究では,このような 舗装コンクリートの基礎的研究として,フライアッシュと石

灰石微粉末を混合したセメントペースト,モルタルの曲げ強 度を実験的に調べた.

2. 実験概要

本研究では全ての配合において,普通ポルトランドセメン トを使用した.さらに,JIS A 6201の

II

種規格を満足するフ ライアッシュ(島根県三隅産)を使用した.また,石灰石微 粉末は山口県美祢産のものである.本研究で作製したペース トおよびモルタルの配合を

Table 1

に示す.なお,既往の研究 を参考に,無置換ペーストの水粉体比は

43%に設定した.ペ

ーストの実験では,フライアッシュと石灰石微粉末の置換率 はセメント容積に対して,20,30,40,50,60%の

5

水準と した.その各置換率において,フライアッシュと石灰石微粉 末の容積比を

4:0

F4L0,3:1

F3L1,2:2

F2L2,1:3

F1L3, 0:4

F0L4

の各

5

配合とした.またモルタルの実験で はフライアッシュと石灰石微粉末の置換率はセメント容積に 対して,20,40,60%の

3

水準とし,フライアッシュと石灰 石微粉末の混合比を

4:0,2:2,0:4

に変えた配合とした.

本実験は,セメントの物理試験方法(JIS R 5201)に準じ,

各配合について,セメントペーストのフロー試験,曲げ強度 試験を行った.ペースト作製にはモルタル用ミキサー(20 リ ットル)を使用した.フロー試験では

15

打フローをフロー値 として評価を行った.また曲げ強度試験を,材齢

1, 2, 3, 7,

28

日で実施した.試験にはミハエリス試験機を使用し,各材 齢で供試体

3

体の平均値を用いて,曲げ強度を求めた.

3. 試験結果(ペースト)

Fig.1

にペーストの曲げ強度試験の結果を示す.この図は各

Table 1

配合表 I.D. Unit weight (kg/m3

W C FA LP S P-00-F0L0 576 1340 0 0 P-20-F4L0 576 1072 203 0 P-20-F3L1 576 1072 153 57 P-20-F2L2 576 1072 102 114

P-20-F1L3 576 1072 51 172 P-20-F0L4 576 1072 0 229

P-30-F4L0 576 938 305 0 P-30-F3L1 576 938 229 86 P-30-F2L2 576 938 153 172

P-30-F1L3 576 938 76 258 P-30-F0L4 576 938 0 343

P-40-F4L0 576 804 407 0 P-40-F3L1 576 804 305 114

P-40-F2L2 576 804 203 229 P-40-F1L3 576 804 102 343 P-40-F0L4 576 804 0 458

P-50-F4L0 576 670 509 0 P-50-F3L1 576 670 382 143

P-50-F2L2 576 670 254 286 P-50-F1L3 576 670 127 429 P-50-F0L4 576 670 0 572

P-60-F4L0 576 536 610 0 P-60-F3L1 576 536 458 172

P-60-F2L2 576 536 305 343 P-60-F1L3 576 536 153 515 P-60-F0L4 576 536 0 687 M-00-F0L0 312 725 0 0 1234 M-20-F4L0 312 580 110 0 1234 M-20-F2L2 312 580 55 62 1234 M-20-F0L4 312 580 0 124 1234 M-40-F4L0 312 435 220 0 1234 M-40-F2L2 312 435 110 124 1234 M-40-F0L4 312 435 0 248 1234 M-60-F4L0 312 290 330 0 1234 M-60-F2L2 312 290 165 186 1234 M-60-F0L4 312 290 0 372 1234

(2)

材齢で曲げ強度の伸び幅を示すため,各材齢の強度 を色で区分し示している.また,この実験では日本 道路協会が設定する設計基準曲げ強度(4.5N/mm2) を

1

つの評価基準とした.置換率

20%の配合につい

ては材齢

3

日と早い段階で設計基準強度を満たす結 果となった.また,置換率

30,40%の配合において

は,材齢

7

日の時点で

P-40-F4L0

以外の配合が設計 基準強度を満たす結果となった.さらに,置換率

50%

60%の配合に着目すると,フライアッシュと石灰

石微粉末を多量に置換したにも拘わらず,置換率

50%の配合では全比率において 4.5N/mm

2を超過し,

置換率

60%の配合では P-60-F3L1, P-60-F1L3

の配合

4.5N/mm

2 を超過する結果となった.また置換率

20%と 30%のフライアッシュと石灰石微粉末の置換

比率が

1:1

F2L2

においては,全材齢で強度の伸び が大きく,高い曲げ強度を示した.これは,石灰石 微粉末による初期強度の増進およびフライアッシュ による長期強度の増進が影響したものと考えられる.

4. 試験結果(モルタル)

Fig.2

にモルタルの曲げ強度試験の結果を示す.こ

Fig.2

においても各材齢における曲げ強度の伸び

幅を示しており,設計基準曲げ強度(4.5N/mm2)を

評価基準として用いている.Fig.2に示すように,置換率

20%の配合では材齢 3

日と早い段階で

4.5N/mm

2を 超過する結果となった.また,置換率

40%では材齢 7

日,置換率

60%では材齢 28

日で

4.5N/mm

2を超過する 結果となった.しかし,フライアッシュと石灰石微粉末の置換比率の変化に着目すると,フライアッシュと 石灰石微粉末を混合させたことによる曲げ強度への影響はあまりみられなかった.この原因としては,フロ ー試験の結果と同様に,ペースト配合と異なり粉体の割合が全体に対して少ないため,フライアッシュと石 灰石微末による影響があまりみられなかったことが考えられる.また,いずれの置換比率においても,細骨 材と粉体の界面が破壊の起点となったことが考えられ,フライアッシュと石灰石微粉末の置換比率による曲 げ強度の差異が小さくなったものと思われる.

5 まとめ

・ペーストの試験結果では,フライアッシュと石灰石微粉末の混合比を変化させることで,初期・長期材齢 において異なる強度発現性状を示した.しかし,モルタルの試験結果ではフライアッシュと石灰石微粉末の 置換比率を変化させることによる顕著な影響はみられなかった.

・本研究で試験した各種ペースト・モルタルについて,以下の

Table 1

に示す材齢で設計基準曲げ強度

4.5N/mm

2 を満足できる結果となった.

Table 1

設計基準曲げ強度

4.5N/mm

2を満たす配合と材齢

ペースト モルタル

材齢

3

日 FA・LP置換率

20% FA・LP

置換率

20%

材齢

7

日 FA・LP置換率

30,40 % FA・LP

置換率

40%

材齢

28

日 FA・LP置換率

50%

FA・LP

置換率

60% (F3L1,F1L3)

FA・LP

置換率

60%

0.0 1.5 3.0 4.5 6.0 7.5 9.0 10.5

P-00-F0L0 P-20-F4L0 P-20-F3L1 P-20-F2L2 P-20-F1L3 P-20-F0L4 P-30-F4L0 P-30-F3L1 P-30-F2L2 P-30-F1L3 P-30-F0L4 P-40-F4L0 P-40-F3L1 P-40-F2L2 P-40-F1L3 P-40-F0L4 P-50-F4L0 P-50-F3L1 P-50-F2L2 P-50-F1L3 P-50-F0L4 P-60-F4L0 P-60-F3L1 P-60-F2L2 P-60-F1L3 P-60-F0L4

B en di ng stre ng th (N /m m

2

)

28 7 3 2 1

Fig.1 ペーストの曲げ強度

0.0 1.5 3.0 4.5 6.0 7.5 9.0 10.5 12.0

M-00-F0L0 M-20-F4L0 M-20-F2L2 M-20-F0L4 M-40-F4L0 M-40-F2L2 M-40-F0L4 M-60-F4L0 M-60-F2L2 M-60-F0L4

Be nd in g st re ng th (N/ mm

2

)

28 7 3 2 1

Fig.2 モルタルの曲げ強度

参照

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