新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 改訂のポイント①
現時点の情報をわかりやすくまとめ、医療従事者等の参考とするためのもの
1 病原体・臨床像
コロナウイルスについて/臨床像/重症化マーカー/画像所見2 症例定義・診断・届出
症例定義/病原体診断/抗原検査/抗体検査/届出3 重症度分類とマネジメント COVID-19
患者の重症度分類/軽症/中等症/重症○ 重症化マーカー主要項目を記載。臨床判断の一部として活用。総合的に病態評価を行う。
(
D
ダイマーの上昇、CRP
の上昇、LDH
の上昇、フェリチンの上昇、リンパ球の低下、クレアチニンの上昇)○
COVID-19
患者においては血栓症のリスクとなる(3で治療法を記載)。○ 欧米で川崎病様症状が報告されている情報を周知。
○ 診断基準に抗原検査キット追記
・陽性の時は確定診断。陰性の時は医師の判断で
PCR
を行うこと。※疑似症の定義の見直し、届出基準の見直しも記載
○ 重症度分類を作成し、重症度に応じた診療方法を推奨
軽症: 経過観察のみで軽快することが多い。重症化リスクが高い場合 、病状の進行の 可能性を想定。宿泊療養等の場合は、体調不良等の際の説明をする。
中等症: 入院加療を行う。重症化防止、重症化早期対応を行う。
重症: 人工呼吸器管理の観点から肺炎を
2
つに分類し、効果的に管理する○ 血栓症リスクが高い(
D
ダイマーが正常上限を超える)場合には、抗凝固療法の実施を推奨○
ECMO
ネットの比較的良好な実績を明示・中国
ECMO
:6
例 (離脱0
例(0%)、死亡5
例(83
%) 治療継続中1
例(17
%))・日本
ECMO
:155
例(離脱87
例(56
%)、死亡28
例(18
%)、治療継続中40
例(26
%))※症例の蓄積、病態の理解、診断・治療分野の進歩を踏まえて改訂
1
参考1
新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 改訂のポイント②
4 薬物療法
5 院内感染防止
個人防護具/換気/環境整備/廃棄物/患者寝具類の洗濯/食器の取 扱い/死後のケア/職員の健康管理/非常事態におけるN95
マスクの例外的取扱い/非常 事態におけるサージカルマスク、長袖ガウン、ゴーグル及びフェースシールドの例外的取扱い6 退院・生活指導
退院等基準/生活指導○ レムデシビルの使用上の注意、投与方法等を追記
・小児と成人の投与量、方法、投与時の注意点
・起こりうる副作用
・適格基準、除外基準
○ 適用外使用の薬剤を提示
(ネルフィナビル、ザリルマブ、トシリズマブ、アジスロマイシン、イベルメクチン、ナファモス タット、カモスタット、血漿療法)
○
N95
マスク、サージカルマスク、長袖ガウン、ゴーグル、フェースシールドの効率的利用、代 替品について追記※
日本呼吸器内科学会、日本集中治療医学会、日本感染症学会の支援を受けて、厚生労働行政推進調査事業費補 助金 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業で作成2
○ 重症度分類(医療従事者が評価し、利用する基準)
重症度 酸素飽和度 臨床状態 診療のポイント
軽症
SpO2 ≧ 96
% 呼吸器症状なし 咳のみで息切れなし多くが自然軽快する
急速に病状が進行することがある
体調不良になったときに受診する医療機関を事前に決めておく 中等症
I
呼吸不全なし
93
%<SpO2
<96
% 息切れ、肺炎所見 安静にし、栄養、水分管理に留意する バイタルサインを3
回/日程度測定する低酸素血症を来していても呼吸困難を訴えないことがある 中等症
II
呼吸不全あり
SpO2 ≦ 93
% 酸素投与が必要 動脈血液ガスを測定し、呼吸不全の原因を推定する 人工呼吸器、ECMO
が使える施設への転院を検討するナーザルハイフロー、
CPAP
などの使用を避け、エアロゾル発生を抑制 する重症
ICUに入室 or
人工呼吸器が必要
人工呼吸器管理に基づく、重症肺炎の2分類(L型、H型)
L
型からH
型への移行があり、判定が難しいL
型: 肺はやわらかく、換気量が増加しているH
型: 高度な肺水腫で、ECMO
の導入を検討する。タイプ 病態 治療法
L 型
(比較的軽症)
•肺内含気は正常でコンプライアンスも正常 (Low elastance)
•肺循環障害のために低酸素血症 (Low V/Q ratio)
• 肺水腫を生じていない (Low lung weight)
• リクルートする無気肺なし (Low lung recruitability)
•1回換気量制限は必須ではない
•腹臥位療法は人工呼吸抵抗性の場合に実行する
•換気量が多すぎると、肺障害が起こるため、換気量を抑えるために 鎮静薬や筋弛緩剤の使用を検討する
H 型
(重症)
•肺水腫で含気が減少し, コンプライアスも減少(High elastance)
• シャン ト血流の増加による低酸素血症(High right-to-left shunt)
• 肺水腫のために重症ARDS並みの肺重量(High lung weight)
• 含気のない肺組織はリクルート可能(High lung recruitability)
•1回換気量制限は必須
•腹臥位療法の効果あり
•治療抵抗性である場合は、ECMO-net等の専門施設へ紹介
○ 人工呼吸器管理の観点から肺炎を