第6章
高齢者にやさしいまちづくり
第1節
生活環境のバリアフリー化
第2節
安全・安心の確保
第3節
就業支援
1 建築物等のバリアフリー化
高齢者や障がい者が安心して外出し、在宅で自立した生活を続けていくためには、 建築物はもちろん、道路や歩道など都市空間のバリアフリー化が必要です。
本市においては、平成 12 年 12 月に「宮崎市福祉のまちづくり条例」を制定(平
成 13 年4月1日施行)し、利用しやすい快適な環境づくりを推進しています。
今後も市民に対する意識の啓発や情報誌の発行等によ
る広報活動に努めるとともに、関係機関と連携して高齢
者や障がい者に配慮したまちづくりを推進します。
2 市営住宅・公営賃貸住宅等の整備
平成 4 年度以降に建設された市営住宅については、一定のバリアフリー性能を有
しており、今後も建替事業に併せたバリアフリー化を推進していくとともに、既存の
市営住宅については、本市の財政事情や既存ストックの有効活用の観点から、建物の 長寿命化を図る改修等を通じて、高齢化に対応したバリアフリー化を進めていきます。
※第4章第5節(P64 参照)
また、高齢者の特性に配慮された住宅の確保を進めていく必要があることから、「高
齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づくサービス付高齢者住宅等の整備におい
て取り組んでいます。
3 介護保険住宅改修の活用
介護保険制度の在宅サービスのひとつとして、介護が必要
な状態となった場合でも、住み慣れた自宅での生活を維持し
ていくことを目的とした「住宅改修費の支給」を行います。
これは、要支援・要介護認定を受けている在宅の人が対象
となるサービスで、担当のケアマネジャーと相談したうえで、
事前に保険者への申請を行うことが必要です。
また、本市では、平成 15 年度から専門性を有する第三者機関に委託し、審査及び 助言等を行うことで、利用者の住環境や身体状況に即した効果的な住宅改修ができる
ような支援に取り組んでいます。
今後も、介護保険制度や市の補助事業における住宅改修が有効に活用されるよう努
めます。
1 安否確認や見守り体制の整備
高齢化の進展により一人暮らし高齢者や認知症高齢者の増加、地域における人間関 係の希薄化の影響等、小地域での相互の見守りが重要となることから、地区社会福祉
協議会、自治会、民生委員・児童委員、福祉協力員、地域ボランティアなど地域団体
での見守りネットワークに加え、地域包括支援センターを中心に専門職の支援が連携
して、見守りや相談、介護支援までを重層的に行える体制を確立していく必要があり
ます。
宮崎市社会福祉協議会においては、地域団体と協力し、各自治会に地域の見守りボ
ランティア福祉協力員の配置や、一人暮らし高齢者世帯、高齢者のみの世帯、障がい
者世帯など、住民の生活状態を必要に応じ適切に把握し、援助を必要とする高齢者等
が地域で安心して暮らすことができるよう、民生委員、児童委員による実態調査をも
とに「見守りネット台帳」を整備し、民生委員、児童委員や福祉協力員による訪問を
通じて、高齢者に安心感を与えられるよう、見守りネットワーク活動を推進しており、
今後も継続して支援に努めます。
2 民間サービス・情報通信技術(ICT)の活用
高齢者が安心して生活するために、地域での見守りは
重要です。しかし、在宅で生活するすべての高齢者を地
域包括支援センターをはじめとする地域の社会資源等の
みで見守っていくには限界があります。
このような状況から、夜間や緊急時に対応することを
目的に、民間のサービス事業者が運営する緊急通報シス
テム事業や認知症高齢者位置検索サービス事業などを取
り入れるとともに、生活支援配食サービス事業などの実施により、支援の必要な独居
高齢者等の安否確認に努めています。
また、情報通信技術(ICT)等を活用することも有効な手法であることから、携
帯電話、IC タグ、センサー、位置情報等を活用した見守り支援など、技術革新の動
向も注視しながら、活用方法について検討を進めていきます。
3 SOSネットワーク
認知症高齢者が徘徊により行方不明となった場合、早期発見・早期保護を目的に対 象者に関する情報を捜索協力していただく団体等に提供し、地域ネットワークによる
徘徊高齢者の捜索活動に取組んでいます。発見後は、地域包括支援センターやサービ
ス提供事業者等の関係機関と連携して、在宅生活の支援に努めています。
今後は、認知症高齢者やその家族が、住み慣れた地域で安全で安心して暮らせるこ
とができるよう、平成 29 年4月現在 93 団体で構成されている「SOSネットワー
クみやざき」との連携強化を図り、認知症高齢者の日常的な見守り体制の強化や認知
症に関して認識を高める啓発活動を推進していきます。
4 要配慮者の災害時避難支援
災害時において、要配慮者の安全を確保するためには、要配慮者それぞれの状況に
応じた的確な支援が必要となります。また、災害が発生した場合の備えとして、「自
らの命は自ら守る」という自助と、「地域の安全は地域のみんなで守る」という共助
の考え方を基本に、行政機関等による「公助」を併せ、平常時からの支援体制を整備
しておくことが重要です。
そこで、本市では、宮崎市地域防災計画に基づき、「宮崎市要配慮者避難支援プラ
ン」を作成し、地域や関係機関と連携し、要配慮者の支援強化に向けて取り組んでい
ます。
まず、要配慮者や支援者への防災意識の普及啓発とともに、自助・共助の充実を図
ることを目的として、「要配慮者防災行動マニュアル」を作成しています。このマニ
ュアルは、要配慮者の災害時に対する日頃の備えと、災害時に要配慮者と支援者が取
るべき行動などをまとめており、要配慮者本人や支援者、関係者、関係団体等に配布
しています。
また、要配慮者のなかでも特に災害時の避難に支援が必要となる避難行動要支援者
の名簿を作成し、地域の関係者に名簿情報を提供することにより、地域における避難
支援体制の構築に取り組んでいます。
さらに、指定避難所では避難生活に支障をきたす要配慮者が避難生活を送るため、
社会福祉施設や宿泊施設を福祉避難所として提供してもらうための協定の締結に取 組んでいます。
今後も、避難行動要支援者への避難支援体制の構築や、福祉避難所の拡充・充実な
少子高齢化の進展に伴い、労働人口の減少や社会保障費の増大が見込まれる中、高齢
者の生きがい支援はもちろん、経済活力の維持や労働力確保の観点からも、就業を希望
する高齢者が生涯現役で活躍し続けられるような環境を整えることが求められていま す。
これまで、国においては、高齢者の雇用に関する法律の改正や就業相談窓口の設置な ど、高齢者の一層の活躍に向けた取組みが実施されており、本市においても、その情報 提供や啓発を行ってきました。
高齢者は健康状態や職業経験等の個人差が大きく、その就業ニーズはさまざまである ことから、それぞれの状況に合わせて無理なく働くことができるよう、就業形態を広げ ていくことが重要となります。
本市では臨時的・短期的な就業を希望する高齢者に就業機会を提供できるよう、宮 崎市シルバー人材センターの運営を支援しています。シルバー人材センターでは、草 刈や農作業、家事援助サービスなど、高齢者の希望に応じた就業機会の提供や、就業 分野のさらなる開拓に取り組まれています。
また、元気な高齢者がいる一方で、日常生活上の支援を必要とする高齢者も増えてい
ます。本市では、地域の支え合い体制の充実を図るため、高齢者の家事等の支援を行う
家事援助スタッフを養成しており、元気で働く意欲のある高齢者が
研修を受講し、家事援助スタッフとして登録しています。
今後も、高齢者が長年培ってきた知識や経験を生かし活躍し続け
ることができる環境づくりに努めます。
生涯学習は学校や家庭、社会の中で行われる学習活動だけではなく、スポーツ活動、
文化活動、趣味、レクリエーション活動、ボランティア活動なども含まれ、幅広く多様
であることから、高齢者自身が主体的に選択ができるような体制づくりが重要です。
その一環として、宮崎市公立公民館主催講座では、日々進歩する情報機器の取り扱い
や近年頻発する大規模災害の対策など現代社会に適した講座等も開講し、多様化・高度
化した住民の学習ニーズに沿った学習の機会を提供するとともに、学習成果の活用の機
会を含めた生涯学習支援に努めていきます。
また、高齢者が長い人生の中で培ってきた豊富な知識・経験に加え、講座等で新たに
学んだことを生かし地域社会の課題解決やまちづくり、社会貢献など様々な活動に取り
組んでいただき、高齢者が自ら生きがいを創出することを推進していきます。
第3節 就業支援
高齢者の地域活動への参加は、高齢者自身の生きがいづくりや健康の保持、介護予防 だけでなく、地域の活性化につながるなど多様な意義があります。
本市はこれまで、敬老バスカの交付や、生涯学習、ボランティア、健康づくりなどさ まざまな活動の支援や生きがい支援施設の整備などを通じて、高齢者が地域活動へ参加 する機会の充実に努めてきました。
今後さらに少子高齢化が進展し、平成 37(2025)年には「団塊の世代」が後期高 齢期を迎えるなか、いつまでも住み慣れた地域で暮らすためには、高齢者自身の介護予 防への取組や地域住民が互いに支え合う体制づくりがさらに重要となります。
本市では、元気な高齢者が生活支援の担い手として活動できる居場所を地域に増やす とともに、高齢者の活動の場の創出、住民同士が支え合う地域づくりを目指していきま す。
また、少子高齢化や核家族化などの社会的背景により、高齢者と若者や子どもたちと の関わりが希薄になっている状況が見られます。高齢者が育成者や指導者の一人として 地域の児童館や児童センターの活動に参加したり、子どもたちが老人クラブの活動に参 加することで、お互いに交流を図ることができます。このように、子育て支援の関係団 体と老人クラブをはじめとする地域の団体が連携を深め、世代間交流事業を継続的に展 開していくことで、その貴重な体験や知識、技術を子どもたちに伝え、高齢者にとって も喜びと生きがいが持てるよう活動を支援していきます。
今後も、高齢者が年齢にとらわれることなく、さまざまな活動に参加しやすい環境づ くりに取り組み、地域の一員として互いを尊重し支え合う地域づくりの推進に努めます。