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目次 1 はじめに 1 2 三芳町について 位置 2.2 交通 2.3 人口 2.4 財政 2.5 産業 2.6 スポーツ 3 オリンピック パラリンピックについて オリンピック パラリンピックとは 3.2 オリンピック パラリンピック事前キャンプ地誘致に期待される効果 3.

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オリンピック・パラリンピックを契機とした効果活用

提言書

平成

29 年 3 月

政策研究所「オリンピック・パラリンピックを契機とした効果活用」

プロジェクトチーム

山田 豊(市民研究員) 渡邉 恵(市民研究員)

明田 清孝(市民研究員)

島田 高志(政策推進室)

丸野 寿子(政策推進室) 齋藤 未来(政策推進室)

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目 次

1 はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2 三芳町について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 2.1 位置 2.2 交通 2.3 人口 2.4 財政 2.5 産業 2.6 スポーツ 3 オリンピック・パラリンピックについて ・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 3.1 オリンピック・パラリンピックとは 3.2 オリンピック・パラリンピック事前キャンプ地誘致に期待される効果 3.3 ホストタウンの仕組み 4 誘致について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 4.1 課題と視点 4.2 これまでの町の取組 4.3 政策研究所における取組 5 オリンピック・パラリンピックにむけて ・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 5.1 スポーツ・文化芸術を通じたひとづくり・まちづくり 5.2 シティプロモーションによる町の魅力発信 5.3 2020 年を契機とした仕事づくり 6 まとめに代えて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25

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1 1 はじめに 今日、少子高齢化や都市部への人口集中、地域への愛着の希薄化などへの対策として、 多くの自治体がシティプロモーションに力を入れており、自治体間競争が活発化してい る。そのような中、2020 年、オリンピック・パラリンピックが 56 年ぶりに東京で開催 されることとなった。オリンピック・パラリンピックは世界中から一流のアスリートや 人々が集まる世界的なスポーツの祭典であり、その注目度や波及効果は大きく、東京オ リンピック・パラリンピックに関する自治体間競争もすでに始まっている。その東京オ リンピック・パラリンピックの波及効果を町としても逃さず、人々の記憶に残し、そし て、より活気溢れるまちづくりのために、どのように活かしレガシーを創出するのか、 今年度、政策研究所において検討してきた結果を、ここに提言書としてまとめる。

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2 2 三芳町について 2.1 位置 三芳町は首都圏からおよそ 30 ㎞に位置する。埼玉県の南西部、武蔵野台地の北東部 にあたり、関東ローム層におおわれた平坦な台地である。面積は 15.33 ㎢で東に志木 市・富士見市、南東に新座市、南西に所沢市、北にふじみ野市・川越市といった大きな 市と隣接している。 2.2 交通 町内を南北に国道 254 号線(川越街道)及び関越自動車道が通り、関越自動車道の三 芳 PA 内に三芳スマート IC が併設されており、下り線(新潟方面)の入り口、上り線(東 京方面)の出口がある。上り線の「パサール三芳」は、地元の人も買い物に行け、平日 は1万人、休日は2万人の利用がある。また、平成 30 年度(2019 年)には、スマート IC の東京方面入口および新潟方面出口の追加による「フル IC 化」が予定されている。 町内に鉄道の駅はないが、町の東部境界至近に東武東上線鶴瀬駅、みずほ台駅がある。 2.3 人口 三芳町の人口の推移を国勢調査で見ると、昭和 40 年代の高度成長期に首都圏のベッ ドタウンとして爆発的に増加した。昭和 40 年(1965 年)には約 6,000 人であった人口 が昭和 50 年(1975 年)には約 24,000 人まで増加し、三芳町の人口は 10 年間で約4倍 にまでなった。その後、平成2年(1990 年)以降はほぼ横ばいとなったものの、平成 12 年(2000 年)以降は一転して増加傾向に転じた。しかし、平成 27 年度の国勢調査に おいて、微減ではあるが初めて減少し、38,456 人となっている。 児童・生徒数については、平成 23 年度(2011 年)では 3,338 人であり、平成 27 年 (2015 年)5月 1 日現在で 3,310 人。ほぼ横ばいの状態が続いている。1 高齢者人口割合については、平成 23 年(2011 年)に 8,195 人、高齢化率 20.9%であ る 65 歳以上人口は、平成 30 年に(2018 年)11,035 人、高齢化率 24.1%と緩やかに増 加していくと予想されている。2 2.4 財政 三芳町を取り巻く環境は、少子高齢化、人口減少社会進行のほか、行政ニーズの多様 化などにより厳しいものとなっている。地方交付税の不交付団体であるため、財政健全 団体としての印象が強いが、慢性的に財政が硬直化しており、今後においても少子高齢 化等に伴う歳入の減少と扶助費の増加といった構造や新施設の稼働に伴うランニング 1「平成 27 年度教育要覧三芳教育」より 2「三芳町高齢者福祉計画・第5期介護保険事業計画」より

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3 コストの経常経費の増加が見込まれる。また、広域ごみ処理施設等建設事業費等の大規 模事業の元金償還が始まったことによる公債費の増加により、厳しい財政状況が見込ま れる。 2.5 産業 第3次産業就業者が全体の 66.3%を占め、依然増加傾向にある。 第1次産業就業者は全体の 3.5%であり、周辺市と比較しても高い数値となっている。 就業者のうち 48.7%を上富地区が、21.5%を北永井地区が占めている。 三富開拓地割遺跡(埼玉県指定文化財)を有し、伝統的に農業が盛んな町であり、「富 の川越いも」をはじめ、数多くの野菜を栽培・出荷している。 昼夜間人口比率は、県内市町村で最も高い 1.1 を超える水準である。住んでいる人よ りも通勤・通学者が多く「人が働きにくる町」としても成長し、農・商・工のバランス のとれた町として発展している。 2.6 スポーツ 三芳町には、総合運動公園をはじめ、テニスコート 10 面、弓道場、総合体育館には 最新マシンを用意したフィットネスルーム、バレーボールコート3面分の広々としたア リーナ、落ち着いた雰囲気の武道場、エアロビクス・ダンスに対応した多目的室などが ある。 また、町内には大崎電気工業があり、ハンドボール界初の実業団チーム「大崎 OSOL」 が活躍している。このチームは、全国大会で通算 46 回の優勝を誇る日本を代表するク ラブチームとなっている。さらに、町内には、学校法人大乗淑徳学園が経営する淑徳大 学の埼玉キャンパスがあり、女子のソフトボール部、柔道部や卓球部などが強化クラブ として活躍している。

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4 3 オリンピック・パラリンピックについて 3.1 オリンピック・パラリンピックとは オリンピック・パラリンピックとは、4年に一度開催される世界的なスポーツの祭典 で、スポーツを通じた人間育成と世界平和を究極の目的としている。 オリンピックの歴史は、紀元前 776 年に古代ギリシャのオリンピアン地方で行われた 「オリンピア祭典競技」まで遡り、もともとは神々を崇める体育や芸術の競技祭だった と言われている。393 年の第 293 回祭典まで、およそ 1200 年に渡り開催されていたが、 長い歴史の中で開催されなくなっていった。 最後のオリンピアン祭典競技から約 1500 年後の 1894 年、フランスの教育者がパリ国 際会議において「オリンピックの復興」を提唱し、2年後の 1896 年、ギリシャのアテ ネで第1回オリンピック競技大会が開催された。日本においては、1909 年に日本人が アジア初となる IOC 委員に就任し、1912 年にスウェーデンのストックホルムで開催さ れた第5回オリンピック競技大会に2名の選手が陸上競技で参加を果たし、また、1964 年にはアジア地域で初めて東京が開催都市となり、93 の国や地域から 5,133 人が参加 し 20 競技 163 種目が行われた。平成 28 年(2016 年)には第 31 回オリンピック競技大 会がブラジル・リオデジャネイロで開催され、206 の国や地域から 11,000 人以上が参 加し、競技数も 28 競技 306 種目へと拡大され、今日では全世界が注目する「スポーツ」 と「文化」の一大祭典となっている。 パラリンピックの起源は、1948 年のロンドンオリンピックの開会式と同日にイギリ スのストーク・マンデビル病院で行われた、ストーク・マンデビル競技大会とされてお り、戦争で負傷した兵士たちのリハビリテーションとして「手術よりもスポーツを」の 理念で始められたものと言われている。パラリンピックは 1960 年にローマで第1回が 開催され 1964 年に東京で第2回が開催された。平成 28 年(2016 年)には第 15 回パラ リンピックが開催され、159 の国や地域から 4,342 人が参加した。参加しているのは、 「先天的に障がいがある方」や「事故などで障がいを負った方」だけでなく、原点の理 念のとおり、戦場から帰還した負傷兵が現在でも数多く参加している。 オリンピック・パラリンピックの精神は、「スポーツを通じて心身を向上させ、文化・ 国籍などさまざまな違いを乗り越え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって、平 和でよりよい世界の実現に貢献すること」とされている。そして、近年では「スポーツ」、 「文化」だけではなく「環境」が加わり世界中の人々が環境問題について考える機会に もなっている。 また、オリンピック・パラリンピックは世界中のアスリートと開催国の人々が交流す る機会でもある。各国の選手団は、時差や気候への順応によるコンディションの調整や パフォーマンスの維持・向上を図る目的において、大会期間前に任意で事前キャンプを 行う。この事前キャンプは、

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5 ①一つの選手団でまとまってキャンプを実施する場合 ②競技団体や種目ごとに実施をする場合 ③開催国以外でキャンプを実施し大会直前に入国する場合 など、規模や実施方法は様々となっているが、平成 31 年(2020 年)の東京オリンピッ ク・パラリンピックでは、日本国内で 200 を超える国や団体が事前キャンプを行うと予 想されている。 その際、事前キャンプを誘致した自治体は、選手との触れ合いなどを通じた国際交流、 青少年育成や地域の活性化、経済及び広報への波及などの効果を期待することができる。 オリンピック・パラリンピックが東京で開催するのは 56 年ぶりとなり、次回の開催は いつになるかわからない。三芳町においても、この貴重な機会に、町の子どもたちが、 ホンモノのスポーツ競技に触れ、海外選手との交流を通じて各国の文化への理解を深め、 また、三芳町を世界に発信する機会となるよう事前キャンプ地誘致に取り組んでいく。 3.2 オリンピック・パラリンピック事前キャンプ地誘致における波及効果 前述されているとおり、オリンピック・パラリンピックは世界中の人々が交流する場 となる。各国の選手だけではなく、開催国の文化や人々にも世界中から注目が集まる。 そのため、大会期間中はもちろん、大会開催前から様々な波及効果が期待できる。そし て、競技の開催都市ではない自治体は、事前キャンプ地誘致を行うことで、このオリン ピック・パラリンピックの波及効果を得ることができる。ここでは、事前キャンプ地誘 致に期待できる波及効果について述べる。 3.2.1 コミュニティ意識の醸成 ロンドンオリンピック・パラリンピックの際には、「地元にスポーツ選手が来た」こ とで町に対する誇りや愛着が強まったり、スポーツ自体への関心も高まったりという効 果があったとの報告がある。単に事前キャンプ地としての受け入れだけでなく、公開練 習や海外選手との交流会などの国際交流を行い、その際、マチぐるみのおもてなしなど の活動によって、地域住民が子どもから大人まで一体感を得ることが出来れば、コミュ ニティ意識の醸成を図ることに繋がる。スタジアムやテレビで観戦するだけではなく、 直接、オリンピック・パラリンピックという一大イベントに関わりを持ち、普段知るこ とのできない側面を知ることで貴重な体験にもなる。特に、オリンピック・パラリンピ ックの自国開催は 56 年ぶりであるように、多くの人にとっては2度と経験できない体 験であり、記憶に残る経験となるであろうことから、三芳町への愛着やコミュニティ意 識の醸成といった効果が期待できる。 3.2.2 経済効果 直接効果として期待できるのが、選手団が地元のスポーツ施設を利活用することによ

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6 る施設利用収益、スポーツ用品販売事業の伸びや関連サービス事業の活性化などによる 経済効果である。また、選手団とともに地域一体となってスポーツ振興事業(スポーツ イベント等)を開催することで、町外からの集客も期待ができる。特に、平成 30 年度 (2019 年)には三芳スマート IC のフル化も予定されていることから、広範囲からの集 客も見込める。一般的に、これらの経済効果は、大規模なスポーツ施設があることや、 スポーツで町おこしをするような場所で大きく期待できるものであるが、オリンピッ ク・パラリンピックというこの機会においては、三芳町でも、小規模ではあるがスポー ツ関連施設の活用やスポーツ振興イベントを行うことでの効果があると考えられる。 3.2.3 シティプロモーション 上記2つのオリンピック・パラリンピックの波及効果を最大限に活かすため、もっと も重要なものとしてシティプロモーションが挙げられる。 事前キャンプ地誘致を対外的に広報することで、知名度の向上や三芳町のアピールに 繋がる。経済効果としても述べた地域一体型のスポーツ振興事業をメディアにアピール することで三芳町の名前を多くの方に知ってもらう機会となり、うまく広報することで 町外から多くの来客も見込める。また、選手に特産品のさつまいもやお茶、町内で採れ た野菜を使った料理を提供したり、町内の観光案内をするなどし、それをSNSなどで 発信することでも大きな宣伝効果が期待できる。 オリンピック・パラリンピックの出場選手や町外の多くの方に地元を紹介し知っても らうという経験は地域の人々にとっての誇りにもなる。単に事前キャンプ地誘致をする だけでなく、開催都市の東京から近い場所でありながら残る自然や田舎的な風景、また、 循環型農業などの伝統を知ってもらうきっかけとし、住んでみたくなるような、企業が 進出してみたくなるような魅力的な町をアピールすること、また、事前キャンプ地誘致 をきっかけに地域住民の愛着や結びつきが強まることが、将来的には人口減少の歯止め にも繋がっていくと考えられる。そのため、このシティプロモーションを積極的に行い、 オリンピック・パラリンピックが終わった後も残るレガシーを作り上げていくことが大 切である。 3.2.4 教育効果 その他にも、事前キャンプを誘致することで以下のような教育効果が期待できる。 (1)グローバル社会への意識 急速なグローバル化が進む今日において、早い段階で外国の文化や人々と触れ合う機 会を持つことは、貴重な経験となる。事前キャンプ地誘致において、海外選手との交流 会などの国際交流で、海外の選手団と直接触れ合う機会を持つことは、外国の文化や語 学を学び興味を持つきっかけとなったり、将来の可能性を広げたりする。また、他国を

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7 学ぶと同時に、自国や三芳町のことも学び知るきっかけとなるなどの教育効果が期待で きる。 (2)スポーツ文化の醸成 近年、携帯やテレビゲームの普及により外で遊ぶ子どもが少なくなったことなどの影 響により、子どもたちの体力低下が問題となっている。また、公共交通網の発達により 歩く時間が少なくなるなど、私たちの体力も低下傾向にある。昭和 60 年代、子どもた ちの体力はピークとなったが、これは、昭和 39 年(1964 年)の東京オリンピック・パ ラリンピックを子ども時代に経験した人たちが、親世代となった時にスポーツ教育の面 に良い効果を発揮したことによるものだという報告もある。そのようなことからも、キ ャンプ地誘致をきっかけに、親子が一緒になってスポーツに興味を持ち、楽しむ文化が 醸成することで、子どもたちや私たちの体力が上昇傾向へと変わることが期待できる。 さらに、スポーツをすることは、体力面だけでなく精神面への健康効果も大きく、心 身の健康増進や健康意識の向上を図り、大人から子どもまで活気あふれる町へと繋がる。 また、主に高齢者の医療費を抑制する効果も見込める。スポーツ自体への関心が高ま ることは、将来のスポーツ振興の事業化に繋がる下地づくりとなり、健康長寿へと繋が る。 ①子どもの頃からスポーツに接することで、健全な肉体と精神を作り出す土壌を育成で きると共に、社会における人間関係を学べる機会を得られる。 ②働く世代や障がい者も気軽に参加できるスポーツプログラムの普及啓発により、健康 的な日常生活の維持が期待でき、スポーツボランティア文化の醸成が見込まれる。 ③地域密着型のスポーツクラブを地域住民が自主的・主体的に運営することで、生涯ス ポーツ社会に貢献すると共に、地域の子どものスポーツ活動の場の提供、家族のふれ あいや世代間交流による子どもの健全育成、地域住民の健康維持・増進など地域社会 の再生が期待される。 ④国際競技力の向上のために、国際大会の開催と共に、競技を目にすることや、多くの 国民に夢や感動を与える事で、スポーツ振興や地域の活性化、国際親善などに大きく 寄与する。 ⑤グローバル化が進む社会において、スポーツを通じて国際的な視野を持つ人材を育成 するためにも、国際交流を通じた海外の異文化への理解、日本人としての日本文化の 理解・海外への文化の普及に繋がる。 ⑥スポーツのルールを通してフェアプレーの精神を知り、またドーピングがフェアプレ ーの精神に反し、競技者自体の体に及ぼす現実的な影響や周りの人に及ぼす精神的な 悪影響を知る機会を得られる。 ⑦トップアスリートの技術的影響や人間的魅力が、地域スポーツの活性化や学校教育の

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8 充実、次世代アスリートの発掘・育成に役立つと共に、トップアスリート本人の引退 後の生活を支える循環社会の創出が見込まれる。 3.3 ホストタウンの仕組み 政府において、2020 年オリンピック・パラリンピック東京大会により多くの選手・ 観客等が来訪することを契機に、地域の活性化等を推進するため、事前キャンプの誘致 等を通じ、大会参加国・地域との人的・経済的・文化的な相互交流を図る地方公共団体 を「ホストタウン」として、全国各地に広げることとしている。 ホストタウンは、「2020 年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック協議大会 の準備及び運営に関する施策の推進を図るための基本方針」(平成 27 年 11 月 27 日閣議 決定)など多くの政府決定において推進することとされており、この推進を通じ、オリ ンピック・パラリンピック開催効果を東京のみならず全国津々浦々まで波及させること が期待されている。 ホストタウンの申請ができるのは地方公共団体で、複数の自治体が連携して申請する ことも可能である。申請には、計画期間中に「大会等に参加するために来日する選手等」 「大会参加国・地域の関係者」「日本人オリンピアン・パラリンピアン」と住民との間 で交流等を行う計画を作成する必要がある。なお、下記のような財政措置もされている。 【ホストタウンの取組みに対する特別交付税措置】 (1)対象団体 (2)対象経費 (3)措置額 ホストタウンとして登録された地方公共団体(二以上の地方公共 団体による連携主体を含む) 住民等と次に掲げる者との交流又は当該交流に伴い行われる取組 であって、スポーツ振興、教育文化の向上及び共生社会の実現を 図ろうとするものに要する経費(大会関係者との交流に関する費 用、その交流に伴い行われる取組みに用売る経費) 対象経費の一般財源合計額の2分の1 【ホストタウンが行う施設改修に係る地方債措置】 (1)対象団体 (2)対象事業 (3)地方債措置 以下の要件をいずれも満たす地方公共団体 ①ホストタウンとして登録されている ②長期的視点から総合的かつ計画的に行われるよう策定する公共 施設等の総合的かつ計画的な管理に関する計画(公共施設等総 合管理計画)を策定している 事前キャンプに活用する既存のスポーツ施設を各競技の国際競技 連盟基準に適合させるために必要不可欠な改修事業(新設は対象 外) 地域活性化事業債(充当率 90%、交付税措置 30%)の対象 平成 28 年 12 月末現在、第三次登録までが終わっており、国内で 138 件、埼玉県内で

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は三郷市(ギリシャ/陸上)、寄居町(ブータン)、さいたま市(オランダ/空手)、埼 玉県・新座市(ブラジル)の4件が登録されている。

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10 4 誘致について 4.1 課題と視点 事前キャンプ地誘致と一概にいっても、各国の選手団のニーズは多様であり、キャン プ実施を検討する上で重視するものが異なる。そのため、三芳町が持つ競技施設、人材 等の資源や、提供可能なサービスレベルを十分検討した上で、誘致国とのすり合わせが 必要となる。ここでは、三芳町が抱える課題と課題に対する視点について述べる。 課題と視点① 練習施設 町が有する練習施設は、三芳町立総合体育館をはじめ、三芳町運動公園、テニスコー ト、多目的広場など様々あるが、いずれも国内競技連盟が認める各競技の IF 基準3は満 たしていない。この IF 基準を満たしていなくても、キャンプ地として手を挙げること はもちろん可能だが、あくまでも、「キャンプの実施に係る一切の決定権は選手団が有 する」ことを念頭に置かなければならない。また、利用時の優先的な予約・確保が必要 となってくるため、住民の利用との調整も課題となる。 そのような中で、スポーツが盛んで練習施設も充実している淑徳大学や、強豪ハンド ボールチームの練習施設がある大崎電気工業などが町内にあるといった強みを活かし、 こういった大学や民間企業に協力を得ることで、十分な練習施設や練習相手としての人 材の確保も可能となるのではと考えられる。 課題と視点② 誘致費用 キャンプ実施に伴う一切の費用は原則として選手団の自己負担となるが、これは「原 則」であり、自治体がその費用(例:宿泊費用や練習施設と宿泊施設間の輸送サービス 等)を負担することも、キャンプ地を選ぶ上での選手団側の判断基準となってくる。多 くの自治体が事前キャンプの誘致に手を挙げている今、サービスに費用をかけてアピー ルをする自治体も数多くある。そのような中、三芳町においては、財政状況が厳しいと いう状況で、どこまでサービスを充実させることができるかが課題となる。 まずは、選手団がキャンプに対して本当に求めているものを見極め、そして、少ない 費用の中でも他の自治体に負けないよう考えていかなければならない。 課題と視点③ 宿泊施設 宿泊施設には、練習施設に近接すること、外国語の対応、食事、また国によっては宗 3 IF 基準…練習施設で必ず備えておくべき要件を満たす施設で、申請を行えば、公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の事前キャンプ候補地ガイド への掲載が可能となる。

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11 図表1 これまでの取組における視察場所 教への対応がなされた不安やストレスを感じさせない環境が求められる。町内にはそも そも宿泊施設が無いため、町内に新たな宿泊施設を確保する、または近隣市町村の宿泊 施設を利用する方法を検討する等の対応をしていく必要がある。 課題と視点④ 大会までの機運醸成 事前キャンプが、住民にとって「ただ海外のスポーツ選手が町内でキャンプをしてい る」という認識だけで終わってしまっては意味がない。住民が一体となって選手団を迎 え、積極的にスポーツ交流や文化交流を図り、東京オリンピック・パラリンピックで盛 り上がることで、地域の活性化に繋がる。そのためには、一過性のものではなく、2020 年まで継続して盛り上げていく仕組み作りが必要となる。 しかしながら、住民同士の繋がりが希薄化したり、町への愛着を持たない住民もいる 中で、より多くの住民が興味を持ち、子どもたちが本物のスポーツや海外の文化に触れ る機会を作っていかなければならない。その方法や予算について、十分に検討する必要 がある。 課題と視点⑤ レガシーの創出 レガシーとは、長期にわたる、特にポジティブな影響のことを指す。つまり、各種施 設やインフラの整備、スポーツ振興等によって生活の利便性が高まるなどの、社会に生 み出される持続的な効果のことである。 財政状況も厳しい中で、三芳町で有形のレガシーを残すことは難しい。だからといっ て、東京オリンピック・パラリンピックの後に何も残さないのではなく、無形のレガシ ーを残すことが必要である。無形のレガシーは目に見えるものではないため難しいもの ではあるが、平成 31 年(2020 年)までの間にレガシーを創出するための事業や政策を 行い、次世代に引き継いでいけるように考えていかなければならない。 4.2 これまでの町の取組 前述されていたホストタウンの申請・登録 への取組みについては、三芳町においても考 えられたところである。しかしながら、ホス トタウンに関する財政措置については、地方 交付税不交付団体の三芳町への効果は限定的 であり(町への特別交付税及び交付税の措置 はない)、登録については急ぐことなく、取組 みを進めて行く中で検討することとなった。 町では、平成 27 年度(2015 年)、まず検討の手始めとして、町内にある大学、企業、 乗馬施設等について訪問した。 視察場所 見学施設 ① 石坂産業 宿泊施設 ② 大崎電気工業 (大崎 OSOL) 体育館 ③ 淑徳大学 体育館、武道館、 グラウンド等 ④ 日 本 乗 馬 倶 楽 部 乗馬場 ⑤ 町有施設 体育館、文化会 館

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12 視察内容について、下記に示す。 ① 石坂産業 廃材処理プラント、リサイクル製品製造会社であり、地産地消の考えで敷地内にく ぬぎの森等を整備し、地元住民に共有した活動が行われている企業である。宿泊候補 地として訪問したところ、交流プラザとして使用されている集会施設の貸し出しも含 め、快くご協力いただけるとのことだった。宿泊施設については、3部屋に 20 名が 宿泊できる施設となっており、小規模な選手団であれば受け入れ可能と考えられる。 農家民泊の制度整備を行い、平成 31 年(2020 年)に向けて実施してはどうかとい うご提言もいただいた。 ②大崎電気工業 先述したが、全日本実業団選手権で 10 連覇を成し遂げている国内ハンドボール強 豪チームをもつ企業である。ハンドボールコート1面分の体育館を有し、空調設備も 導入されている。日本代表選手も多く抱えるチームのため、直前キャンプの際の練習 相手としては選手の不足等が考えられる部分もあるほか、稼働している工場の敷地内 に体育館があることから、セキュリティ問題などの解決が必要となる。 ③淑徳大学埼玉キャンパス 1400 名ほどの学生が通う、町内唯一の大学である。埼玉キャンパスでは、女子の 「ソフトボール部」「卓球部」「柔道部」を強化クラブに指定し、それぞれが優秀な成 績を収めている。 訪問時には、柔道部監督の野瀬氏とお話しさせていただく機会を得、これまでの世 界各国との交流実績や、オリンピック事前キャンプにご協力いただける旨を伺うこと ができた。 ④日本乗馬倶楽部 首都圏内では比較的大きな馬場をもつ、県内では最も東京に近い民間の乗馬クラブ である。現在、馬小屋が埋まってしまっているため、オリンピックを受け入れるとな ると増設等調整が必要となるということだったが、話があった際にはご協力いただけ るということであった。 ⑤町有施設 先述のとおり、総合体育館をはじめ、総合運動公園、テニスコート、多目的広場な どの施設があるものの、多目的施設として建設されている施設がほとんどのため、種 目に特化した場所が好まれる場合や本番に近い施設の雰囲気が好まれる場合、大きさ としては不足する部分もあるかとは思われるが、多目的に利用できることで様々な対 応をしていくことも可能と考えられる。

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13 写真1 視察場所 ① 石坂産業 ② 大崎電気工業 ③ 淑徳大学埼玉キャンパス 宿泊施設 ハンドボールコート 柔道場 ④ 日本乗馬クラブ ⑤ 町有施設 乗馬コース 総合体育館 また、上記視察の他、中学生の海外派遣で交流のあるマレーシアへの誘致活動として、 町長が大使館へ訪問し、駐日マレーシア大使との懇談も行った。 4.3 政策研究所における取組 今年度、政策研究所において市民研究員3名と職員が一体となり計 10 回に渡り会議 を行ってきた。また、Facebook 等の SNS を利用し日頃から情報共有や情報交換をする など密に連携し、限られた時間を有効に利用し、以下の取組を行った。 4.3.1 誘致国の検討 誘致国については、「町と何らかの繋がりを持っている国」について検討を行い、2 か国へのアプローチを行った。 ・マレーシア マレーシアは三芳町の国際交流事業の一環として平成 26 年から中学生の海外派遣事 業を行っている。また、マレーシアからの訪問団の受け入れも行うなど、三芳町と交流 が盛んな国であることから、オリンピック・パラリンピックが終わった後も交流を続け ていくことができると考えられる。 平成 28 年(2016 年)のリオデジャネイロオリンピックでは、8名が出場したバドミ ントンをはじめ、ゴルフやアーチェリーなど、11 競技に 32 名が出場している。

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14 昨年度中にトップセールスに 図2 マレーシアの位置 よる大使館訪問も実施して いるところではあるが、バド ミントン以外の競技を当町 にある施設で実施すること は難しく、また、平成 29 年 (2017 年)2月現在において もマレーシア自体が事前キ ャンプの方向性等を示して いないことから、今後も動向 を見守っていくこととなっ た。 ・ガボン共和国 政策研究所の研究員が数年前に仕事の一環でガボン共和国に視察に行った際、ガボン 大使館を経由したことで、大使との繋がりがあった。 平成 28 年(2016 年)のリオデジャネイロオリンピックにおいては柔道、テコンドー など4種目に6名の選手が出場しており、競技、選手団共に三芳町でも十分受け入れら れる規模であること、また、「ガボン共和国」という国は多くの住民にとってもおそら く馴染みのない国であり、ガボン共和国という国を知ること自体が、新鮮で貴重な経験 になるのではと考えた。 研究員よりガボン大使館へ事前キャンプ地誘致に関して訪問をしたい意向を伝えた ところ、まずは文書での依頼と三芳町の概要等の資料を送付して欲しいとのことだった ため、ガボン国駐日大使宛に英文の依頼文と資料を送付した。その後、ガボン大使館に 進捗状況について電話での確認を数回行ったが、多くの自治体から事前キャンプについ ての問い合わせがあり、一件一件対応することが難しいため、まとめて対応したい、ま た、その時には大使館側から連絡をする旨の回 答があったまま、現在まで連絡は無い状況とな っているため、今後は先方の出方を待つ形とな った。 図3 ガボン共和国の位置(アフリカ大陸)

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15 誘致が決まっている他自治体を見ると、過去に国際試合などでのキャンプ受け入れの 実績があったり、キーとなる人物がいたりすることが大きく影響しているようであった。 上記のように、繋がりのある国だからと実際に大使館へのアプローチを行ってみても進 展がほとんどなかったように、多くの自治体から事前キャンプ地誘致の話がある中で選 ばれるには、前述のような決定打が必要であると感じた。そこで、「国」ではなく「競 技」での誘致を検討することとした。 4.3.2 誘致競技の検討 これまでの町の取組において、町内にある大学、企業等に訪問し可能性を探っている。 その中で、特に淑徳大学女子柔道部は北京オリンピックの際、オランダの柔道チームの 事前キャンプを受け入れた実績があり、また、監督の野瀬氏は、国際大会の日本選手団 の監督を務めるなど、世界各国の柔道関係者とのパイプを持っていた。練習施設におけ る課題についても、三芳町立総合体育館の施設で対応できるほか、淑徳大学も十分な広 さの柔道場を有し、強豪クラブでもあることから、直前練習等の相手としても十分であ った。 再び、野瀬氏を訪問しお話をさせていただいたところ、誘致可能性のある国や費用負 担についてのアドバイスをいただくことができた。また、12 月に東京キャンプという 国際キャンプに淑徳大学も参加し、各国との交流を図るため、そこで事前キャンプにつ いての情報を集めていただけるとのことであった。その後、野瀬氏より事前キャンプ地 誘致アプローチのための具体的なお話をいただき、来年度以降も引き続き淑徳大学、野 瀬氏と連携して誘致のための検討を行っていくこととした。 4.3.3 パラリンピックの検討 もう一つ並行して検討を行ったのがパラリンピック競技についてである。 平成 28 年(2016 年)のリオデジャネイロオリンピックでは、町内在住の永田裕幸氏 が、車椅子バスケットボールの日本代表選手として出場したという大きなきっかけもあ るが、パラリンピック競技は、住民にとっても馴染みのない競技が多いため、イベント 等を通じて競技の周知を行ったり、実際に体験してもらったりすることで、課題である 機運醸成にも繋がるのではと考えた。 また、パラリンピック競技に使われる機材は欧州の企業が中心だが、例えば、競技用 義足のカーボンの素材となる炭素繊維は日本企業が世界シェアの7割を占めるように、 日本の技術力も欠かすことのできないものとなっている。そして、国内の中小メーカー も 2020 年のパラリンピックを見据え、新たな技術の開発に力を入れているという。そ のようなことからも、パラリンピック競技に関係する企業が町内にあればアピールにも なるのではと考え、調査を行った。しかし、パラリンピック競技に関連した技術をもつ 企業をみつけることができなかったほか、誘致にあたっては、バリアフリー対応の宿泊

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16 写真2 町内の空き寮、社宅 施設に協力を求める必要があるなど課題があった。しかしながら、機運醸成イベント等 を“あいサポート運動”を推進する福祉のまちづくりの観点からも検討していきたいと 考え、後述の実施イベントの検討と併せ、来年度以降の継続案件とした。 4.3.4 宿泊施設の検討 課題の1つである宿泊施設問題について、町内の空いている社宅や寮を利活用しては どうかと考え、町内3つの物件について調査を行った。 ①郵政宿舎 ②時事通信社 三芳寮 ③イワキ三芳寮 ・規模が大きすぎる ・活用方法未定 ・売却済み ・改修が必要(見学) ・用途制限 ① 郵政宿舎は、三芳町で受け入れ可能な規模の選手団から考えると宿舎が大きすぎ ること、また、日本郵政として今後の活用方法について未定であるとのことだっ たため利活用は困難であった。 ② 時事通信社三芳寮は、大きさとしては適当であったが、自治通信社に問い合わせ を行ったところ、すでに売却済との回答があり、現在の持ち主も不明なため断念 した。 ③ イワキ三芳寮は、株式会社イワキ本社に問い合わせたところ、今後活用する意向 がないため、公的に活用してもらえるのであれば譲りたいとの前向きな回答をい ただいた。建物の状態や内装の確認をするため、株式会社イワキの大塚氏、栗原 氏立ち合いのもと、11 月 18 日に内部見学を行い、建築物用途の制限等の研究を 行った。 写真3 イワキ三芳寮見学 写真4 イワキ三芳寮内部

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17 結果、イワキ三芳寮は昭和 40 年代の建築物であり、耐震やアスベストの調査が未調 査であること、雨漏りやゆがみがあり大規模な改修をしなければ活用することは出来な いことが分かった。また、水回りについての整備が必要と考えられ、多額の資金が必要 となることが推察された。さらに、建築物用途の制限については、第二種低層住居専用 地域4であり、宿泊施設のみとしての活用ができないという課題があったため、利活用 は見送ることとなった。 なお、見学の時点においてこの土地の購入要望がイワキ側へされているという話があ り、その後、イワキ三芳寮は売却された。 これらのことから、宿泊施設に関しては、近隣他市の宿泊施設を活用することが、費 用対効果の面からも望ましいものと考えられる。 4.3.5 イベントの検討 機運醸成イベントを行うにあたり課題となったのが、予算の問題であった。そこで、 県の南西部地域振興センターを中心に、南西部地域(和光市、朝霞市、志木市、新座市、 富士見市、ふじみ野市、三芳町)の6市1町が集まり、連携事業を推進する未来会議に おいて題材に上がっていたオリンピック・パラリンピック3年前イベントを活用するこ ととした。南西部地域においては、朝霞市が射撃会場となったり、数多くのオリンピア ン、パラリンピアンがいることからも地域を挙げて機運を醸成していきたいとの考えが あった。 6市1町で行うイベントであるため、会場の場所によっては三芳町の住民が参加しな い可能性やイベント内容によっては三芳町のアピールが出来ない可能性があったため、 三芳会場でイベントを行う案や、ウォークラリー、体験型イベントやトークショーなど 様々な案について話し合い、未来会議において提案を行った。結果、朝霞会場と三芳会 場の2会場で開催する案となり、彩の未来連携予算に案が通れば、来年度、三芳町でイ ベント開催する可能性が出てきた。また、再来年度以降の機運醸成については、今後の 研究課題となった。 4第二種低層住居専用地域…都市計画法による用途制限の一つで、主に低層住宅の良好な住環境 を守るための地域。厳しい規制のかかった用途地域であり、ホテル・旅館としての用途は認めら れていない。

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18 5 オリンピック・パラリンピックにむけて 2020 年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向け、本研究所においても多方面 からの検討を進めてきた。これらの研究成果をもとに、次年度以降、町においては「観 戦するオリンピック・パラリンピックから参加するオリンピック・パラリンピック」を 意識し、シティプロモーションを兼ねつつオリンピック・パラリンピック後を見据えた 「三芳町レガシー構築」の取り組みの展開を実施していただきたい。 具体案として、下記の3つを示す。 1. スポーツを通じたひとづくり・まちづくり 2. シティプロモーションによる町の魅力発信 3. 2020年を契機とした仕事づくり 5.1 スポーツを通じたひとづくり・まちづくり 5.1.1 事前キャンプ地誘致と教育的取組における人材育成 (1)誘致国受入体制の構築と機運醸成 受入態勢構築のためには、それぞれの競技のルールはもちろん、協議会運営の仕組み などを学ぶ機会を設けることも必要となる。運営の仕組みを学んだうえで、運営企画や 運営そのものの体験をしてみるのも良いだろう。また、選手をベストな状態で送り出す 支援体制についても学ぶ機会が設けられると良い。具体的には、トレーナー体験や選手 の健康管理、栄養管理体験等を実施することが考えられる。 さらに、選手が使っている、また、競技で使用されている用具というのは、実は最先 端の科学技術の結晶であったりする。そういった用具についても学んだり、触れたりす る機会があると、2020 年東京オリンピック・パラリンピックへの楽しみは増していく と考えられる。 体験型イベントについては、町が主催者となり、地域の大学、企業等と連携すること で実施する。例えば、淑徳大学の千葉キャンパスでは、千葉市と連携しオリンピック・ パラリンピックに関する様々な取組を行っている。そういったように、当町においても、 町内外の団体等に公募し、その運営を町がサポートする構成が望ましいと考えられる。 住民の参画意識を高めるとともに、運営に係わる役場の負担を軽減することにもなる。 体験型イベントを住民参画型で継続的に実施することで、オリンピック・パラリンピ ックに向けて、住民のムードが高まるとともに、町外からの参加者には、三芳町への親 しみを持ってもらえることが期待される。その状況を、SNS や動画サイトなどで発信す ることで、海外選手団に好感をもってもらうことを目指す。 (2)淑徳大学との連携によるキャンプ地誘致

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19 住民にとってオリンピック・パラリンピックが身近なものとなる手法のひとつが事前 キャンプ地誘致である。事前キャンプ地誘致については、大学として協力していただけ るというお話のあった淑徳大学と、柔道部監督の野瀬氏と引き続き連携しながら、柔道 誘致国やアプローチスケジュールについて検討をしていくことが望ましい。具体的に話 を進めるためには、予算についての検討が必要となる。予算を決めた上で誘致可能な国 を検討するか、誘致可能な国に合わせて予算を組むかなど、方向性を決めつつ検討を進 めていく。 (3)人材育成(教育的取組) スポーツは教育的な観点からも重要な意味を持つものと考えられる。その一方で、社 会経済の変化や少子高齢化等により、スポーツ人口は減少に向かっている傾向が見受け られる。情報多様化の現代において、一昔前に比べスポーツについて様々な知識を得る 機会が多いと思うが、実際に行動する上で指導者や環境が恵まれているとは言い難い面 もあると思われる。 上記を踏まえて、オリンピック・パラリンピック誘致を通じて、「子どもから大人ま で参加できるような、定期的・継続的なイベントプログラム(オリンピアン・パラリン ピアンによる講演会・スポーツ体験型イベント等・国内外を問わないスポーツ交流等)」 の開催を提案したい。 また、スポーツに関する専門的人材及び施設を持った企業や大学等が地域に開かれる ことで、地域スポーツの育成・参加意欲の向上による健康増進を図ると共に、スポーツ を通じた地域コミュニティの活性化を促進すると考えられる。5 (4)トップスポーツを観る・知る スポーツの普及や振興を図り、スポーツを住民にとって身近なものとするためには、 トップアスリートなどの優秀な技術を観たり、経験を知ることはとても有効なことであ る。特に将来三芳町を担う子ども達にとって、影響力は計り知れないものがあるだろう。 5.1.2 障がい者スポーツの活性化とバリアフリーなひと・まちづくり リオデジャネイロパラリンピックの車椅子バスケットボールの代表として出場した 永田裕幸選手が町内に在住していたことから、今年度、パブリックビューイングや講演 会を行うなど、様々な交流を行ってきた。その中で、永田選手から、障がい者スポーツ 5文部科学省の「スポーツ基本計画」の政策課題(①子どものスポーツ機会の充実、②ライフス テージに応じたスポーツ活動推進、③住民が主体的に参加する地域のスポーツ環境の整備、④国 際競技力の向上、⑤オリンピック等の国際競技大会等の誘致・開催等を通じた国際交流・貢献の 推進、⑥ドーピング防止やスポーツ仲裁の推進によるスポーツ界の透明性、公平・公正性の向上、 ⑦スポーツ界における好循環の創出に向けたトップスポーツと地域におけるスポーツとの連 携・協働の推進)の考察による。

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20 の周知や理解について広めたいとのお話があり、「あいサポート運動」を推進する町と しても障がい者スポーツの活性化に協力していくことが望ましいだろう。また、障がい 者スポーツのイベントなどを企画する企業が永田選手のスポンサーとなっており、半日 の車椅子バスケットボール体験会が行えるということであった。 車椅子バスケットボールの体験会を開催することで、障がい者スポーツの周知となり、 車椅子の方の目線を実際に体験することは、障がい者への理解を深めるきっかけとなる。 さらに、パラリンピアンとの交流により、実際の体験談を聞いたり、考え方を知ること で「共助の精神」や「心のバリアフリー」なども学習することができる。 また、体験会で学んだ経験を基に、障がい者の目線に立って町のバリアフリーについ て学び、考えるプログラムを併せて行うのも良いだろう。例えば、町のバリアフリーと なっている施設やトイレについて調査し、バリアフリーマップを作成することで、より バリアフリーについて学ぶことができるとともに、マップを手にした障がい者や高齢者 が事前に情報を得られ、不安を感じることなく出かける助けとなる。 車椅子バスケットボールの体験会を通じて、障がい者スポーツの周知と同時に、無知 や無関心による偏見や差別、また、哀れみや同情の障がい者観を取り除き、自然な配慮 や気軽な声掛けができるような思いやりのある「ひとづくり」と、バリアフリーについ て学び、マップを作成することによる、弱者に優しい「まちづくり」を提案する。 5.1.3 スポーツ人口拡大による活気あるまちづくり オリンピック・パラリンピックをきっかけにスポーツ人口を増やすことで、健康増進 の意識の向上と生活習慣病の予防に繋げることができると考えられる。競技体験型イベ ントやオリンピック・パラリンピックのクイズを解きながら進むウォークラリーなど 人々が楽しみながらスポーツや運動をすることができる環境を提供することで、スポー ツへの興味や機運を高めることができる。町が健康長寿事業として行っている「食べて、 歩いて、健康長寿!」と連携してもよいだろう。 また、体が資本であるオリンピアンを呼び、健康的な食生活や体調管理をするうえで 気を付けている生活習慣やライフバランスなどについての講習会を行うことで、日々の 生活を見直し、健康を意識した生活へと変えるきっかけづくりをすることもできる。特 に、町内には、シドニーオリンピックソフトボール銀メダリストの増渕氏が淑徳大学ソ フトボール部監督であったり、近隣市町村には多くのオリンピアンが所属する朝霞自衛 隊体育学校といった資源が数多くある。そのような地域資源を活用することで、地域住 民の機運醸成になり、スポーツ人口を増加させることで、子どもたちの体力の向上や、 高齢者の医療費の削減も期待できる。また、運動は心の健康にも効果的であることから も、スポーツ人口拡大による心身ともに健康な「活気あるまちづくり」を提案したい。 5.2 シティプロモーションによる町の魅力発信

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21 これらの取組みについては、積極的な情報発信が行われることが望まれる。国の人口 ビジョンでは「平成 20 年(2008 年)に始まった人口減少は、「今後加速度的に進む。」 「人口減少による消費・経済力の低下は、日本経済社会に対して大きな重荷となる。」 との現状認識のもと、「国民の希望を実現し、人口減少に歯止めをかけ、2060 年に1億 人程度の人口を確保する」ことを中長期展望として掲げている。 埼玉県の総人口は 1960 年代から 1990 年(平成2年)にかけ急激に増加し、2005 年 (平成 17 年)に 700 万人を超えるに至った。2010 年(平成 22 年)頃に人口のピーク を迎えるとされていたが引き続き増加し、2015 年(平成 27 年)の国勢調査においては、 約 726 万人となり 0.9%の増となっている。 三芳町においては、2015 年(平成 27 年)の国勢調査において前回の 38,706 人から 38,459 人と初めて減少に転じた。しかし住民基本台帳人口の推移をみると平成 25 年を ピークとしてすでに減少に転じている。 今後、人口減少社会の中、住民には「住み続けたい」、町外の方には「住んでみたい」 三芳町を目指し、東京オリンピック・パラリンピックを契機に一段と加速させていく必 要があると考える。その方法として下記を提案する。 5.2.1 魅力の発信 「都会でもない、田舎でもない、トカイナカの町。」 池袋から最寄り駅まで約 25 分にも関わらず、農業が盛んで、ホタルが舞ったりカブト ムシが住んでいたり、都会で味わうことのできない魅力がたくさんの三芳町の情報を国 内外にも発信し、何度でも繰り返し訪れてもらえるようなホスピタリティの発信と、新 たな三芳の魅力の創造や掘り起こしを、オリンピック・パラリンピックイベント等で積 極的に行う。 5.2.2 世界農業遺産認定に向けた PR 町では、現在、世界農業遺産認定に向けた活動を行っている。 世界農業遺産とは、FAO(国際連合食糧農業機関)が立ち上げたプロジェクトであり、 地域環境を生かした伝統的な農法や、生物多様性が守られた土地利用のシステムを世界 に残すため、平成 14 年(2002 年)に創設された。ユネスコの世界遺産が建物や自然そ のものを登録対象としているのに対して、FAO の世界農業遺産は農業システムを登録対 象とし、持続可能な資源管理・活用の基盤を築くこと目的としている。 町において認定を目指している農法は、セネガル等からの視察もあるなど、世界各国、 水に乏しい地域でも活用可能な手法である6。世界農業遺産として認定されると、国内 6 かつて火山灰に覆われ、水に乏しく、作物が育ちにくい土地であった場所に木を植え、平地林 として育て、その落葉を堆肥として土壌改良を続けてきた農法。現在も都市近郊において、自然 の力を生かした、質の高い農産品の生産を行う。川越市、所沢市、ふじみ野市、三芳町にて申請。

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22 はもちろん世界全体での知名度が高まり、海外を相手とした農産物販売や観光の振興な どが期待されることからも、オリンピック・パラリンピックとの親和性も高いと考えら れる。そのため、お互いが関連するイベント等において双方を PR していくことにより、 相乗効果を発揮していくことが期待できる。 また、訪日外国人の動向が「買い物」などの“モノ”から「自然・景勝地観光」や「自 然体験ツアー・農漁村体験」などを含む“コト”へ変わってきている7。このことから、 現在町で実施されている世界一のいも掘りまつりなどについても、世界農業遺産はもち ろん、オリンピック・パラリンピックと絡めた取組みとしていくことも望ましいと言え る。 5.2.3 スポーツ・文化芸術の参加型プログラムを通じた交流人口の増加 スポーツ体験型イベントをする際に、コピスみよしで竹間沢の車人形といった伝統芸 能の講演をしたり、富の川越いも、狭山茶や伝統の循環型農業で作られた野菜などの食 文化をアピールできるイベントを併せて行うことを提案する。それにより、単にスポー ツのイベントを楽しんでもらうだけでなく、三芳町の文化や魅力を知ってもらい、イベ ント後や東京オリンピック・パラリンピックが終わった後も、三芳町に訪れたいと思っ てもらうことが期待できる。平成 30 年度(2019 年)には三芳スマートインターもフル 化を予定していることからも、県内だけでなく県外からも人を呼び込むしかけを作って おくことで、交流人口が増加し、経済の活性化に繋がる。また、交流人口が増加するこ とにより、芸能、農法や食文化などが広く認知されることは、伝統への活力となり、次 世代へと継承されていく力となるだろう。 5.3 2020 年を契機とした仕事づくり 三芳町は、平成 30 年度に関越自動車道の三芳スマートインターのフル化の完成を予 定しており、フル化による利便性の向上や物流の効率化、企業誘致など効果については 計り知れない可能性があり、多くの企業が進出してくれば、雇用創出による地域活性化 につながると考えられる。 また、オリンピック・パラリンピックを契機として高まるスポーツ参加意欲により町 内で行われるスポーツ大会など高速を利用し、遠方から来る人や、週末に都内から利用 する人も多いため利便性の向上によりスポーツツーリズムにつながり、交流人口の拡大 や地域経済への波及効果が多いに期待できる。 5.3.1 スポーツ振興事業 例えば、施設利用収益である。事前キャンプ地として誘致し、オリンピック・パラリ ンピック代表選手の町有施設利用に関する費用を求めることは難しく、町側で負担する 7 「訪日外国人の消費動向 平成 28 年 10-12 月期 [国土交通省観光庁観光戦略課調査室]」より

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23 ことになることが予想される。むしろ、占有期間が生じ、受入期間中の施設利用収益は 減少することが見込まれる。 ただし、2002 年に開催された日韓ワールドカップの際に注目を集めた大分の中津江 村(現・日田市)の事例によると、注目を集めたことによるワールドカップ後の利用が 急増している。つまり、その期間に限らずに見れば、トップアスリートが施設を利用す ることにより、施設の継続的な利用による収益を見込むこともできる。 また、様々なイベントによる経済波及効果も期待されるところである。しかしながら、 町内に宿泊施設がないため、大きな経済波及効果は望めないのが実情である。経済波及 効果を生み出すため、今後の国等の動向を見極めながら、民泊制度などの導入を検討し ていくことも一策である。 試算ではあるが、5日間の事前キャンプに関するイベント等を実施したと仮定し、選 手 20 名、イベントのべ参加者数 1100 人、うち宿泊を伴う参加者のべ 100 名での経済波 及効果は、およそ1千万円ともなることが見込まれる。 さらに、特にパラリンピックにおいてとなるが、パラリンピック競技への認識を高め ていくことにより、町内にある様々な企業によるスポーツ機器開発事業の隆盛も期待で きる。 5.3.2 三芳町農業の産業高度化で「しごと」を創る 三芳町は、「富の川越いも」や「美味しい野菜」の産地で、農業産業規模の拡大が可 能なポテンシャル(潜在的能力)を有している。 一方、三芳町の農業従事者は、昨年は1世帯しか増加しておらず、高齢化、混住化な どもあり、産業としての発展、拡大の基盤が弱いと思われる。それらのポテンシャルを 活かすためにも、今までのやり方で三芳の良さや伝統的な「落ち葉堆肥農法」を生かし ながら新たな視点を注入し、それらを含めた総合的かつ高度化を目指した農業を強い産 業に育成すべきである。 その手法として提案するのが、三芳町全域にわたり、効率的に、持続的に生産性を上 げる三芳町版農業 IoT89を取り込むことである。具体的には、温湿度、日射、土壌水分、 多点温度に対応したもの等の環境データや作物の生育情報やデータを収取し、気候変動 要素などを組み入れて IT システムを駆使して、分析やフィードバックを行い大幅な生 8農業IoT・・・・IoT やドローンなどを使い、農業の生産性などを効率化する取り組み。 9国策としての、IoT 奨励 平成 28 年 12 月9日 「地域 IoT 実装推進ロードマップ」及び「ロードマップの実現に向けた第一次提言」の公表 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu06_02000129.html 実証事例 http://image.itmedia.co.jp/l/im/enterprise/articles/1510/15/l_sa_ek05.jpg

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24 産性を高めることであり、データ化やノウハウの知識化によりその知識を応用すること で、高度化が図れる(属人的農業からシステム農業へ)。 そして、高度化により生産性の上がった野菜を利用し新しい事業(例えば、レストラ ン、カフェやパン屋などを開店し、三芳野菜だけを使った商品を提供する)を展開する ことで仕事を創ることができる。オリンピック・パラリンピックで三芳町をアピールす ることで観光に来てもらうだけでなく、三芳町の魅力を知って働きたいと思っている人 を取り込むことができれば、人口減少の歯止めにもなる。また、近年「生産者の見える 化」など食の安全性への意識はどんどん高まっていることからも、三芳町の「安心で安 全」な野菜のポテンシャルをうまく活用し、事業展開していくことが望ましい。 5.3.3 高齢者・障がい者がいきいきと働ける仕事環境づくり 少子高齢化が急速に進行し、今後、労働力人口は人口全体を上回るスピードで減少し、 現在の就業率を前提とすると、日本の就業者数は 2020 年には 2009 年と比較して 433 万人減少すると予測されている。これからは、一人でも多くの人が意欲と能力を活かし て働き、社会を支える一員となることが重要な課題であり、そのためには、高齢者、障 がい者が生き生きと働ける環境をつくり、全員参加型の社会を築いていくことが必要で ある。 三芳町についても、県内1位の昼夜間人口比率であり、事業所数も 1,683 事業所(町 村1位)であることから、「働きにくる町」となっている。しかし、高齢者(65 歳以上) の就業率は 22.5%と県内の平均(23.6%)に届いていない状況である。今後オリンピ ックを契機に全国的に数百万人規模のボランティアを育成することが計画されている。 三芳町もスマートインターのフル化による企業の進出により、高い雇用を見込むことが できる。オリンピック・パラリンピックのボランティア活動などに参加をし、様々な経 験を通じて、働く意欲の向上が促され、高齢者、障がい者も活躍できる人材活用の仕組 みを創ることがオリンピックのレガシーにも通じるものとなるのではと考える。

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25 6 まとめに代えて 約1年にわたり、オリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致で得られる効果や、 今後の取組の方向性などについての検討を進めてきた。町内の団体等との協力により、 町でもいずれかのキャンプが実施されることを願ってやまないが、様々な条件の元、た とえうまくいかなかった場合であっても、この都心から 30km という立地等を生かし、 オリンピック・パラリンピックをきっかけとする施策についても実施していっていただ きたい。 議論の中では、オリンピック・パラリンピックに限らず、まちづくり全般に関する議 論も交わされた。本文中に記した、株式会社イワキの独身寮視察は、空き家を活用した まちづくりの観点からの視察でもあった。また、町の特徴でもある「農業」を生かした 仕事づくりなどについても提案が出てきている。(これらについては、別途、資料編と してまとめたので、ご一読いただきたい。) 2020 年の東京オリンピック・パラリンピックの大会自体が成功することはもちろん、 三芳町が波及効果を逃さずに、町の活性化を図るためには、機運をつくり、まちぐるみ で効果的な取り組みを行っていくことが必要である。我々も、政策研究所という枠組み の、限られたメンバーではあったが、オリンピック・パラリンピックに関することで議 論を交わす中から、様々なまちづくりに関するアイディアが出された。これは、またひ とつのオリンピック・パラリンピックの効果であったかもしれない。住民が自発的に参 加をしようとする気持ちを生み出すこと。オリンピック・パラリンピックにはスポーツ だからこそ伝えられるメッセージがあり、アスリートは何らかの「思い」をもって競技 に取り組んでいる。その思いを伝えることで、人々が自発的に動いていく、そういうム ーブメントを一緒になって作り上げていきたい。 参加する人たちに楽しんでもらうためにも私たちもワクワクしながら考えた楽しい 時間だった。このように、今後は、さらにこのような輪を広げ、多くの住民がオリンピ ック・パラリンピックはもちろん、まちづくりにも関心をもち、また、自らがその担い 手となっていくことが目指されるのではないだろうか。 それは、国内外に認知される「三芳町レガシー」の構築につながってくるはずである。

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