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-1- Keyword;排出事業者責任 感染性廃棄物 廃棄物教育 感染性廃棄物容器に入れてはいけない廃 棄物 廃棄物の分類 感染と感染性廃棄物の ABC 第110 回 Ⅲ.排出事業者責任の実際 5 適正処理のための廃棄物教育 1 確実な廃棄物教育を - 個人の教育不足が罪となる? 廃棄物適正処理のための処理計画・管理体制について解説しております。 処理計画を第 108 回で、管理体制については、前回、第 109 回で、診療によって地域 住民の健康維持と疾患の診断と治療、治癒率の向上などを目標として、これらを通じて、 CSR(社会貢献)の向上を目的とした管理体制の構築を目指しました。

これらの達成の方法として、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Action cycle/計 画 ( P lan) し 、 実 行 ( D o) し 、 結 果 を チ ェ ッ ク し ( C heck) 、 改 善 し

(Action) 、 次 の 計 画 に 活 か し ま す 。 こ こ で 調 整 も 含 め 、 次 の 計 画 に 活 か す と い う 管 理 の 方 法 を ご 紹 介 し ま し た 。 ♦ 第 107 回 で 解 説 の 排 出 事 業 者 責 任 A 大 項 目 7、B 中項 目 16、 C 小 項 目 25 罰 則 付 ・ 記 入 用 自 己 評 価 表 は 、 コ ラ ム 欄 ト ッ プ ペ ー ジ に 一 括 掲 載 し ま し た 。 廃 棄 物 に お け る 教 育 の 必 要 性 今回は、廃棄物、特に感染性廃棄物の適正処理の前提であり、基礎となる感染性廃棄物 に関する教育の課題です。 感染性廃棄物は、特異な分野です。ある意味では、医療自体が他の分野から見れば、特 殊であり、その中から排出される血液他体液などの湿性生体物質、臓器・病理組織などの 他に、血液などの付着した保健医療材料など種々の材質、性状も異なっています。

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-2- 一方医療では、医療法、医師法、健康保険法という馴染んでいる法律に、廃棄物処理法 という異なった概念の法体系が入ってきた訳です。この状況で、廃棄物に関する教育がな ぜ必要かを考えてみますと具体的な現状の課題として、次の3つの事項が挙げられます。 廃棄物適正処理の上で重要な3点 廃棄物適正処理の上で、重要なものを3点挙げるとすると、図1を参考に見ていただけ ればお分かりいただけます。 現状の感染性廃棄物の適正処理としては、以下の①、②で挙げられる廃棄物処理法に基 づいたA、Bの初期段階の事項、これに継続段階の事項、Cがあります。 通常では、この3点までが排出事業者責任として考えられていました。しかし図 1で 挙げられているDも重要な排出事業者責任であり、ここでは、医療機関が処理業者に対し て針刺し事故を起こす原因を作ってしまう、あるいは、感染性廃棄物として受けた廃棄物 を運搬中、中間処理業者での保管中、処理中などの火災、爆発などの原因を作ってしまう などの事故が考えられます。これは個人の罪として、刑法の対象になるので、別途取り上 げ、3点の後で解説します。 ① 医療機関を不法投棄や不適正処理から守るため 廃棄物処理法でいう排出事業者責任を理解し、身につける必要があります。廃棄物に関 する落ち度で、日常診療の努力で築き上げた医療機関のCSR(社会貢献)を落とすこと がないようにするためにも廃棄物処理法の委託に関しての教育が必要です。 特に初期事項のA、Bの分野をまずは学ぶことです。Aは廃棄物処理法の基本的理念の 汚染者負担の原則であり、排出事業者責任は、この考え方に端を発しているといえます。 Bは、先の経緯により、廃棄物処理が委託に頼らざるを得なくなり、それを適正に行うた めのルールで、委託基準という法規定を理解する必要があります。 ② 継続事項としてのマニフェストの管理 廃棄物処理法関連としては、Cの分野であるマニフェスト(正式には産業廃棄物管理 票;産業廃棄物、特別管理産業廃棄物等に適用)の交付と管理が挙げられます。この機能 を理解することは、それほど難しいことではありません。処理業者任せにすることなく、 交付はあくまで排出事業者である医療機関ということを十分認識して欲しいです。 マニフェストは、①と共に医療機関を不法投棄から身を守るための唯一の方法といえま す。これを処理業者任せにするということは、身を守ることを放棄するに等しいです。 ①、②については、数項目の理解であり、初期事項として、優良処理業者の選択、契約 などと繋がっていきます。すでに処理業者が決まり、現在委託処理を依頼している医療機 関が 99%以上と考えられますが、ぜひ正しい法令を学んだ上で、見直しすることをお薦 めします。 ③ 廃棄物の分類・分別/WDSの課題 Dの分野は、廃棄物処理法には規定されていない排出事業者責任の内容も含まれていま す。まず廃棄物処理法に規定されているものから説明しますと、中間処理方法を含めた、 Bの委託の一部にも関わるWDS(Waste Data Sheet/廃棄物内容データシート)の作 成があります。これは廃棄物を排出する医療機関のみしか作成できないもので、重要な排 出事業者責任といえます。まさに委託するには、医療機関から排出する廃棄物について

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-3- は、その医療機関しか分かりません。感染性廃棄物を受け取る処理業者は、ペール容器に 入れられた中身は分かりません。この中身をあらかじめ知らせるのが、WDSです。 当初産業廃棄物にはありませんでした。特別管理産業廃棄物(感染性廃棄物も含まれま す)が新たに廃棄物処理法の改正でできた時に、委託処理の基準で、産業廃棄物と特別管 理産業廃棄物との大きな違いは、特別管理産業廃棄物のみは、排出を予定している廃棄物 の種類と数量、性状、荷姿、取扱い上注意すべき事項などをまとめたWDS(廃棄物内容 データシート)を委託予定の収集運搬の処理業者と中間処理を行う処理業者に、あらかじ め契約前に文書にて渡すことと規定されております。(廃棄物処理法施行令 6条の6①) このWDSによって、分別なども決まってきます。そしてその分別を考える際には、中 間処理の方法が重要な要素となります。すなわち現状としては、焼却が 90%以上です が、熱による場合には、爆発物などは、同じ容器に入れられません。 これらは、医療機関のCSRの向上という点から見ても、安全・安心の確保に繋がる重 要な要素です。 廃棄物処理法で決まった廃棄物の分類があります。これは、分別を行う基本となり、こ の分類を無視してはできません。この分類と分別については、大変重要です。 廃棄物処理法は、違反があれば医療機関のCSRの失墜に繋がるなどありますが、主と して罰則が課せられるなどの結果となります。しかしこの③の事項は、感染、特に針刺し 事故などの感染予防などの正しい知識を理解し身に付け、実践できること。そして実践と しては、適正な分別と適切な容器の使用など。が挙げられます。

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-4- そして何より重要なことは、先の教育は、医療機関として担当者が最低限の知識を身に 付け、遵法していかなければならない類のものです。 この分類は、基本は法令ですが、直接罰則はありません。分別も同様です。排出事業者 責任としては、考えていない方も多いですが、筆者は、法令事項ではありませんが、排出 事業者責任の 25 項目にも含めてあります。(コラム一覧の最上段を参照してください。) 法令事項ではありませんが、この廃棄物分類と分別の問題は、個人の教育に関わるもの であり、もし個人として教育を十分にせず怠れば、他人を傷つけるなどの事故に繋がり、 直接個人が罰を受ける等の可能性が出てきます。この点は以下で詳述いたします。 個人の教育不足が処理業者側の事故に繋がり、刑事責任が生ずる可能性について 廃棄物の分類における「感染性廃棄物」と「感染性廃棄物以外の特別管理産業廃棄物」 については、すでに環境省のマニュアル改訂の分別の項、本シリーズの 第 97、99 回で解 説しております。今回は、これに加えて、もし分類、あるいは分別についての知識が欠け ていたなどの知識不足、あるいは、うっかりミスなどにより誤ってしまった場合はどうな るかを見てみます。針刺し事故ついては、廃棄物処理法上の規定はありません。従って罰 則事項もありません。しかしもし処理業者が、医療機関から搬出する際、あるいは一時保 管などで容器に接した場面で、容器から注射針が飛び出していて、処理業者が針刺し事故 を起こした場合は、次の表 1に示すように、医療機関、あるいは、担当者個人に、民 事、刑事の責務が生じてきます。

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-5- これらの事故の起きる原因ついては、2つの点が考えられます。 Ⅰ.針刺し事故 その1つは、従来から感染性廃棄物の法的規制の基となった針刺し事故です。 この原因は、医療機関で処理業者の安全・安心を確保できる形で排出するならば、この ようなことは起きないはずです。 図2の写真にあったようにプラ容器を突き刺すほどの強さで、例えば投げ入れた、強引 に詰め込みすぎた、あるいは注射針をダンボール箱に入れた、ビニール袋に入れたなどの 事例もあります。通常でない行為でなければこのような事態にはなりません。しかし現実 には、起こらないはずの処理業者の針刺し事故は、皆無とはなりません。 幸い、B型肝炎の感染などの報告を聞いたことはありませんが、万が一、注射針が採血 に用いられたもので、その上感染血液であり、処理業者に感染、発症するなどは、起きる はずがないとはいえません。また感染の可能性は十分にあるわけです。 もしそうなるとこの不注意に注射針を入れた医療機関は、不法行為(民法 709 条)、 債務不履行(民法 415 条)など処理業者の健康を侵すようなことに対しての民法上の損 害賠償等を請求されることになります。 そしてもし針刺し事故によって、B型肝炎が発症すれば、その個人は、業務上過失致死 傷罪(刑法 211 条)[5 年以下の懲役若しくは禁錮または 100 万円以下の罰金]を問われ かねないです。 これは注射針の廃棄のしかたと容器の不適切使用の1例であり、廃棄物処理法上では、 規定することが難しいものといえます。針刺しは複数での発生は、あまり考えられませ ん。また針刺し事故の感染のしくみ、防止策等については、感染性廃棄物の感染のところ で詳述します。 当面、採血用の注射針は、安全装置付き注射針を用いることを筆者は最も推奨します。 これにより、医療機関の針刺し事故は減り、針専用容器も用いず、ダンボール箱での廃 棄も可能となり、費用的にも効果は大きい上、処理業者も安全が確保されます。 Ⅱ.分類の違いよっての事故例 - 個人に刑法などの罰則が適用されるケース ① マニュアルの誤りによる混乱 現在、感染性廃棄物関連の廃棄物処理の上で大きな問題としては、廃棄物の分類を無視 した廃棄が行われていることです。 しかしこれには、これを助長する下記マニュアルに大きな誤りがありました。 これは、環境省の「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理アニュアル」に古くから (平成 16 年 3 月改訂版は、この記述を確認。医療廃棄物ガイドラインから、感染性廃棄 物処理マニュアル)感染性廃棄物と同時に発生する非感染性廃棄物は、感染性廃棄物と同 等に処理するなら、一緒に処理できるかの記述がp7 表 3の最下段のただし書き、2行 にあります。 これはどのような点かといえば、p7 表 3の冒頭で、 内で、「感染性廃棄物は、発 生時点において、他の廃棄物と分別して排出する」としています。 ところが、その表 3の解説 2.の終わり2行のただし書きでは、「ただし、感染性廃 棄物と同時に生ずる他の廃棄物を感染性廃棄物と同等の取扱いをする場合は、この限り でない。」 としています。

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-6- この限りでないということは、最初に規定している「分別して排出」しなくても良いと いうことになります。これが多くの医療機関で大きな誤解を生み、危険が生じています。 先に警告いたします。勉強不足で、この誤りに気が付かないと、火災や爆発事故にも繋 がりかねず、この誤った分別あるいは、感染性廃棄物と同等の扱いをすれば良しとして、 一緒に他の廃棄物を入れた者は、先の業務上過失致死傷罪に問われるなどが起こります。 多分診療所などの小規模医療機関のための一文ともいえます。これは、親切に、感染性 廃棄物でないもの(非感染性廃棄物もの)も、もし上位の感染性廃棄物の扱いで廃棄する のなら、一緒にしても良いという、異なった分類のものを一緒にという大きな誤りです。 なぜならば、表2のようにマニュアルでは、今回の改訂で追加の一文を付け加えました が、根本的な誤りの訂正はしておりません。したがって、まだ大きな事故が起きる可能性 の危惧は、払拭できたとはいえません。 このように個人としての罰則を受けないためにも、ぜひ廃棄物の分類、分別等の教育の 必要ということと併せてその重要な内容もこの機会に学んでください。 この点については、本シリーズ第 97 回の最新トピックスのマニュアル平成 29 年 3 月 改訂その 1 として触れました。(改訂は、実際には、平成 29 年 6 月頃公表されました。) 結論からは、改訂として、次の表2の注意喚起文が、次頁 表3の続き、7.として新た に加わり、平成 29 年 3 月のアダモスセミナーで指摘したマニュアルの誤り2点は、20 年 以上無視してきましたが、今回の改訂に含めて根本的ではないが対処したといえます。 本質的な点での間違いは気がついているかどうかまでは、分かりかねますが、内容的に は、大変重要なことで、高く評価されるものです。 ② 廃棄物処理法に基づく廃棄物の分類の理解 - 感染性廃棄物は、独立、混入は禁止 この大きな誤りの伏線は、次頁 表 3 (2)非感染性廃棄物の解説にあります。「医療 行為等に伴って生ずる廃棄物のうち、感染性廃棄物以外の廃棄物」と定義されています。 感染性廃棄物以外の廃棄物は、 と記載されていないもの全てですから、 p8 図 3でみるなら、別色の非感染性廃棄物となります。すなわち感染性廃棄物以外の 部分にある「産業廃棄物」、「感染性廃棄物以外の特別管理産業廃棄物」も該当してきま す。そして「医療行為に伴って生ずる廃棄物」は、医療行為は、主として医療機関で行わ れるもので、医療機関から排出される大部分の廃棄物は該当します。通常医療廃棄物とい われるもので、医療行為としての臨床検査の試薬、標準液、廃液、造影剤など、胃のレン トゲン検査の際のバリウム、注射針、注射器・注射剤等々、抗がん剤、その他抗生物質他 薬剤、病理検査の有機溶剤、消毒用アルコール他引火点 70 度未満廃油など、クロロホル ム、ホルムアルデヒド等が該当、内臓・血液などの感染性廃棄物の種類ではありません。 医療廃棄物全てが感染性廃棄物ではありません。感染性廃棄物と一緒には決してできませ 感染性廃棄物 表 2 マニュアル 第 4 章 医療関係機関等の施設内における感染性廃棄物の処理 追加文 指摘の誤りを認めたが、根本的な分類の解釈違いとはせず、注意喚起を促す一文を追加した に留まった。しかし誤りを認め、分別の徹底を促したことは高く評価できる。 〔平成 29 年月の改訂で追加された新規項目〕 7 排出事業者は、感染性廃棄物を適正に処理する責任があり、処理過程での事故防止のため に、引火性、爆発性のある廃棄物、医療行為等に伴う放射性物質を含む廃棄物、混合による 化学変化や単体でも危険性を有する物質、水銀等の有害物質を含む廃棄物が、感染性廃棄物 容器内に混入しないように分別を徹底しなければならない。

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-7- ん。その上、感染性廃棄物は全て焼却が可能ですから、針刺しや液漏れさえ注意するな ら、同一の梱包であっても問題はありません。 しかし、強酸と強アルカリなどは、一緒にすれば、化学変化が起こり、火災の危険があ ります。引火点の低いアルコールなども、感染性廃棄物に混入されていれば、焼却の際 に、爆発が起きます。リチウム電池など感染性廃棄物の中に入れられると、水分により発 火し、火災の原因になります。医療機関から排出される廃棄物は、その中間処理方法によ って分別しなければなりません。これらの事故を未然に防ぐためのものがWDSです。 表 3「感染性廃棄物にその他の非感染性廃棄物を混入して良い」マニュアルの記述 日本のように焼却処理が中心ですと、感染性廃棄物は、全て焼却処理しても問題があり ません。しかし、ここでいう非感染性廃棄物には、「産業廃棄物」や「感染性廃棄物以外 の特別管理産業廃棄物」などが含まれ、その種類によっては、処理の方法は異なりますの で、原則、感染性廃棄物には、他の廃棄物を入れることは、大変危険であることを十分理 解して、認識してください。 廃棄物処理法による廃棄物の分類 この機会に廃棄物には、どのようなものがあるか、分類表を見ていただきたいです。環 境省のマニュアルには、廃棄物は、産業廃棄物と一般廃棄物とに分かれています。 1970(昭和 45)年に汚物などと公衆衛生の向上を目指していた清掃法などの考え方か ら、工業化社会を見据え、新たな廃棄物処理法に全面見直しをしました。 これは公害国会といわれた水俣病などの審議をした年に作られ、汚染者負担の原則の基 本的精神に基づいており、国民(第2条4)も、企業・医療機関(第3条)などの事業者 も、等しく排出者責任が課せられています。排出事業者責任は、事業者のみではありませ ん。法律では、産業廃棄物を法律で6種類、政令で 14 種類と計 20 種類を規定し、責任は 事業者に、そして産業廃棄物以外を一般廃棄物とし、自治体が責任者となっています。 そしてこの後の分類の表示が、1991(平成4)年に、三重大医学部での針刺し事故に端 発し、廃棄物処理法が改正、特別管理産業廃棄物が新たに設置され、その中に感染性廃棄 物が設けられました。この分類は、マニュアルでは、下記表 4のようになっており、分 類からして、すでに感染性廃棄物は、省略されており、間違いを誘っていると思えます。 表 3 第4章 医療関係機関等の施設内における感染性廃棄物の処理 4.1 分別 感染性廃棄物は、発生時点において、他の廃棄物と分別して排出するものとする。 【解説】 1.医療関係機関等から発生する廃棄物は、一般に次のように区分できる。 (1) 感染性廃棄物(医療行為等に伴って生ずる感染性廃棄物) (2) 非感染性廃棄物(医療行為等に伴って生ずる廃棄物のうち感染性廃棄物以外の廃棄物) (3) 上記以外の廃棄物(紙くず、厨芥等) 2.感染性廃棄物は、公衆衛生の保持及び病原微生物の拡散防止の徹底の観点から、 より安 全に配慮した取扱いを要するものであり、このため廃棄物の発生時点において他の廃棄物と 分別するものとする。ただし、感染性廃棄物と同時に生ずる他の廃棄物を感染性廃棄物と 同等の取扱いをする場合は、この限りでない。

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-8- マニュアルには、上記表の次頁にも「医療関係機関等から発生する主な廃棄物」という とんでもない表が先と同様に誤ったまま 20 年間載せられています(表略)。 医療関係機関等から排出される廃棄物は、法に規定する廃棄物の種類に応じて次の通り 分類されるとして、産業廃棄物の分類の廃アルカリに血液検査廃液、廃血液、金属くずに 注射針などが分類され、今回先の分別と同様、これは感染性廃棄物が設置前の、1991 年 医療廃棄物ガイドラインを入手、そこの表であることを確認しました。明らかな誤りであ るにもかかわらず、今回改訂で注を付けたのみです。 (表はp7,8 https://www.env.go.jp/recycle/misc/kansen-manual.pdf) 廃棄物処理法のよる正しい廃棄物の分類表および解釈 - 正しい分別 [環境省;廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル 平成 29 年 3 月改訂版] 表 4

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-9- では、どのようにすれば良いかといえば、表4と図3を比べれば、一目瞭然です。 まず産業廃棄物の中から、爆発性、毒性、感染性、人の健康または生活環境に係る被害 を生ずる性状を有するものとして、特別管理産業廃棄物を抜き出しました。 その分類のしかたは、感染性廃棄物を独立させるというやり方です。ですから筆者は、 特別管理産業廃棄物から感染性廃棄物 を1つ抜き出しました。 その次には、間違えないように、まだ爆発性、毒性を持った感染性廃棄物以外の特別管 理産業廃棄物が残されているわけですから、図の右、感染性廃棄物の下にあるように を設けました。これは、感染性廃棄物以 外であり、爆発性、毒性など、感染性廃棄物より、より危険なものが含まれていると考え られます。ところが正しい分類表を示さず、表3 分別の記述のように感染性廃棄物でな いものでも、感染性廃棄物と同等に扱うなら、一緒にして良いかの解説をしているため に、医療機関では、感染性廃棄物の容器に何の躊躇もなく、 に挙げられているよ うなキシレン、強酸、強アルカリ、特管廃油(引火点 70 度未満)、ヒ素、水銀等、抗がん 剤、臨床検査試薬・標準液、病理有機溶剤等々を入れてしまっているのが現状です。 他には、アルコール類、クロロホルムなど、またマニュアルの感染性廃棄物の判断フロ ー(先出 マニュアル p5)には、検査や治療に用いられたものを含むの記述があるた め、水銀血圧計や体温計、治療器具、パソコン、ボンベ、リチウム乾電池他が感染性廃棄 物の容器に入れられており、処理業者は、困っています。このようなことを繰り返してい れば、いつかは大きな事故が起き、医療機関の担当者は、知識がなかったからということ は、理由にはならず、先の業務上過失死傷罪などの嫌疑で逮捕されてしまいます。 今回と次回で、感染性廃棄物には決して入れてはいけないものの例示をします。 感染性廃棄物 感染性産業廃棄物以外の特別管理産業廃棄物

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-10- 現在医療機関からの感染性廃棄物の容器に多量に混入されたりしていないだけで、この ようなことは頻回に起きています。現実に東京、千葉県、神奈川県他の感染性廃棄物処理 施設で、保管中の感染性廃棄物などから火災、炉内での爆発などすでに起きています。 処理施設での事故の発生を防ぎ、個人としての罪を被ることはないように、また医療機 関のCSRを落とさないためにも、ぜひ廃棄物の知識の研鑽をされるように望みます。 なお、感染性廃棄物の分別で、感染性廃棄物の感染の定義などについてもマニュアルで は曖昧な表現です。これらについても、法的感染性廃棄物の定義と実際の診療時の感染性 廃棄物の見極め方、試薬など特別管理産業廃棄物についての廃棄のしかたと注意事項、感 染性廃棄物のA、B、Cの分野の講習会や参考資料などは、次回以降に教育その2とし て、HPのサイトも付した一覧表を用意し、解説する予定です。 ♦ なお排出事業者責任の遂行の自己チェックにコラム欄トップ頁もご利用ください。 第 110 回 セルフアセスメント 第 110 回の解説の中から設問を用意しました。もしご興味がおありでしたら、お答えく ださい。解答は次回といたします。 1.医療機関から排出される大部分の廃棄物は、通常(① )といわれるもの で、医療行為としての臨床検査の試薬、廃液など、抗がん剤、その他抗生物質他薬剤、 病理検査の有機溶剤、消毒用アルコールなどが(② )。しかし、内臓・血 液などの感染性廃棄物の種類ではありません。医療廃棄物全てが(③ ) ではないので、感染性廃棄物と一緒には決してできません。 第 109 回 解答 1.リスクマネジメントへのアプローチでは、組織としての活動を位置づけることが重要 です。そして、1.(① 担当者 )の決定、2.(② ルール )作成、企業、医療機関各 組織全体に 3.(③ ルール浸透 )が重要なポイントといえます。 [引用・参考文献] 1.厚生省生活衛生局水道環境部産業廃棄物対策室、医療廃棄物処理ガイドライン、1991 2.環境省監修、日本医師会・日本産業廃棄物処理振興センター、平成 20 年度 医療関係 機関等を対象にした特別管理産業廃棄物管理責任者に関する講習会テキスト、第3章 および資料編 原田担当部分、日本医師会・日本産業廃棄物処理振興センター、2008.9 3.環境省大臣官房 廃棄物・リサイクル対策部、廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処 理マニュアル 平成29年3月改訂 https://www.env.go.jp/recycle/misc/kansen-manual.pdf 4.原田 優、医療機関から排出される廃棄物の分別のあり方について(平成24年度助成 研究)、特集第32回研究講演会 有害・医療廃棄物研究会誌 26(1・2),13-36(2014) 5.一社 医療廃棄物適正処理推進機構 アダモス、第2回基礎から分かるアダモス医療廃 棄物適正処理セミナー「法的にみた排出事業者責任と分別の実務」予稿集 2017.3.9 原田 優、知らないとコワイ 排出事業者責任と分別のポイント 芝田麻里、知らないとコワイ廃棄物処理法、社団法人 医療廃棄物適正処理推進機構 6.原田 優、神奈川県資源循環協会 医療廃棄物適正処理講習会資料 知らないとコワイ 排出事業者責任 感染性廃棄物処理の ABC+D 1.やってはいけない分別と容器の使用

参照

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