第
4
節食料消費の動向と食育の推進
我が国の食料消費については、高齢者世帯や共働き世帯の増加を背景に、調理食品や外 食の利用機会が増えています。このような中、国産農林水産物の消費拡大に向け、健全な 食生活の実践を促すとともに、食や農林水産業への理解を醸成するための食育等を推進し ています。以下では、食料消費支出の動向と食育等の取組について記述します。(1)食料消費の動向
ア 我が国における飲食料の最終消費額
(飲食料の最終消費額は、ピークの平成7年に比べ8%減少) 我が国の飲食料の最終消費額は、平成7(1995)年をピークとして減少し、平成23 (2011)年には76兆3千億円となり、平成7(1995)年の83兆1千億円に比べて8%減 少しています(図表1-4-1)。その内訳を見ると、生鮮品等の減少が大きくなっています。 図表1-4-1 飲食料の最終消費額とその内訳 14.0 (28.4%) (24.6%)15.0 (23.3%)16.8 (19.6%)16.3 (17.2%)13.9 (17.0%)13.4 (16.3%)12.5 21.7 (43.9%) 28.3 (46.3%) 34.0 (47.1%) 40.1 (48.2%) (49.6%)40.2 (50.3%)39.4 38.7 (50.7%) 13.7 (27.7%) 17.8 (29.1%) 21.4 (29.6%) 26.8 (32.2%) (33.2%)26.8 25.6 (32.7%) (32.9%)25.1 49.5 61.2 72.2 83.1 80.9 78.4 76.3 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 昭和 55年 (1980) (1985)60 平成 2 (1990) (1995)7 (2000)12 (2005)17 (2011)23 兆円 生鮮品等 加工品 外食 資料:農林水産省「平成23年(2011年)農林漁業及び関連産業を中心とした産業連関表」 注:1)総務省等10府省庁「産業連関表」を基に農林水産省で推計 2)旅館・ホテル、病院等での食事は「外食」に計上するのではなく、使用された食材費を最終消費額として、それぞれ「生鮮品等」と 「加工品」に計上している。 3)加工食品のうち、精殻(精米・精麦等)、食肉(各種肉類)、冷凍魚介類は加工度が低いため、最終消費においては「生鮮品等」とし て取り扱っている。 4)平成17(2005)年以前については、「平成23年産業連関表」の概念等に合わせて再推計した数値 5)( )内は、飲食料の最終消費額に対する割合イ 食料消費支出の動向
(長期的に見た実質の食料消費支出は近年、横ばい) 二人以上の世帯の食料消費支出は、名目で平成4(1992)年の8万2,381円/月をピー クに減少傾向にありましたが、平成23(2011)年から増加に転じ、平成28(2016)年 には7万2,934円/月となりました(図表1-4-2)。一方、物価変動の影響を除いた実質で は、平成23(2011)年まで減少傾向にありましたが、以降は、ほぼ横ばいとなっていま す。 食料消費の動向と食育の推進 第 4 節7.4 7.3 9.1 7.2 6 7 8 9 10 昭和60年 (1985) (1989)平成元 (1993)5 (1997)9 (2001)13 (2005)17 (2009)21 (2013)25 実質 名目 28 (2016) 8.2 6.7 7.2 9.0 0 資料:総務省「家計調査」(全国・二人以上の世帯・用途分類) 注:1)実質は消費者物価指数(食料:平成27(2015)年基準)を用いて物価の上昇・下落の影響を取り除いた数値 2)平成11(1999)年以前は、農林漁家世帯を除く結果 また、世帯が消費する物やサービスの量を示す指標である消費水準指数を見ると、食料 は平成2(1990)年から減少傾向にありましたが、平成23(2011)年以降、ほぼ横ばい となっています(図表1-4-3)。 図表1-4-3 消費水準指数 資料:総務省「家計調査」(全国・二人以上の世帯) 注:1)消費水準指数(世帯人員及び世帯主の年齢分布調整済)とは、月々の1世帯当たりの世帯人員、世帯主の年齢階級別消費支出額を基 準年の世帯分布で加重平均し、30.4日(365日÷12)の額に調整した後、これを消費者物価指数で除して実質化し、平成27 (2015)年を100として指数化したもの 2)農林漁家世帯を除く。 昭和60年 (1985) (1989)平成元 (1993)5 (1997)9 120.0 99.8 95 100 105 110 115 120 125 13 (2001) (2005)17 (2009)21 (2013)25 食料 総合 指数 112.4 28 (2016) 98.4 99.5 0 (近年、エンゲル係数は上昇) 家計の消費支出に占める食料消費支出の割合であるエンゲル係数を見ると、二人以上の 世帯では、昭和60(1985)年以降、消費支出の増加に伴い低下しました(図表1-4-4)。 平成7(1995)年以降は、増減を繰り返しながら、ほぼ23%台で推移してきましたが、 近年は、平成27(2015)年25.0%、平成28(2016)年25.8%と上昇しています。こ 第 1 章
の上昇は、消費支出が、交際費等のその他の消費支出、被服及び履物等を中心に減少する 一方、食料消費支出が増加したことによります。 エンゲル係数は、一般的に低い生活水準の下で高くなるとされています。しかしながら、 近年のエンゲル係数の上昇は、高齢化の進行や共働き世帯の増加などの世帯構造の変化や、 調理食品の利用拡大などの消費の変化等の様々な要因が重なった結果と考えられます。 図表1-4-4 1世帯当たり1か月間の消費支出、食料消費支出、エンゲル係数 0 5 10 15 20 25 30 0 5 10 15 20 25 30 35 昭和60年 (1985) (1989)平成元 (1993)5 (1997)9 (2001)13 (2005)17 (2009)21 (2013)25 万円/月 % 27.0 25.8 25.0 エンゲル係数(右目盛) 食料消費支出 消費支出 28.2 7.3 27.3 7.4 28 (2016) 23.7 資料:総務省「家計調査」(全国・二人以上の世帯・用途分類) 注:平成11(1999)年以前は、農林漁家世帯を除く結果 (夫婦のみ世帯の6割、単身世帯の3割が世帯主65歳以上) 近年、単身世帯、夫婦のみ世帯、ひとり親と子の世帯が増加し、夫婦と子の世帯が減少 しています(図表1-4-5)。また、高齢化の進行を受け、世帯主が65歳以上の世帯の割合 が増加し、平成27(2015)年において、夫婦のみ世帯で58%、単身世帯で34%となり、 今後も増加することが見込まれています。 図表1-4-5 家族類型別世帯数の実績と将来推計 4,390 4,390 4,6784,678 4,906 4,906 5,1845,184 5,333 5,333 5,3055,305 5,2445,244 5,1235,123 4,956 4,956 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 平成7年 (1995) (2000)12 (2005)17 (2010)22 (2015)27 (2020)32 (2025)37 (2030)42 (2035)47 単身世帯 夫婦のみ 世帯 ひとり親と 子の世帯 夫婦と子 の世帯 その他の世帯 万世帯 実績値 推計値 (23) (23) (27)(27) (30)(30) (34)(34) (37)(37) (38)(38) (39)(39) (41)(41) (44) (44) (48)(48) (53)(53) (58) (58) (59)(59) (59)(59) (59)(59) (60)(60) (20) (20) (39) (39) 資料:総務省「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」(2013(平成25)年1月推計) 注:1)国勢調査における「単独世帯」を「単身世帯」と表記 2)平成17(2005)年までは旧家族類型の数値 3)平成22(2010)年、平成27(2015)年の「その他の世帯」には、家族類型不詳世帯、単身世帯の年齢不詳世帯を含む。 4)( )は各家族類型における世帯主が65歳以上の世帯の割合 食料消費の動向と食育の推進 第 4 節
年を比較すると、世帯主が65歳以上の二人以上の世帯においては、生鮮魚介が3.0ポイ ント、米が2.3ポイント低下する一方、調理食品が2.5ポイント、生鮮肉が1.4ポイント 上昇しています(図表1-4-6)。また、世帯主が65歳以上の世帯の調理食品の割合は、平 成12(2000)年には世帯主が30歳代と40歳代の世帯を下回っていましたが、平成28 (2016)年にはこれらの世帯を上回りました。 65歳以上の単身世帯では、世帯主が65歳以上の二人以上の世帯と同様、生鮮魚介と米 が低下し、調理食品と生鮮肉が上昇しています。中でも調理食品の上昇は3.2ポイントと、 世帯主が65歳以上の二人以上の世帯に比べて大きくなっています。 高齢者世帯においては、調理食品を利用する機会が増えており、今後、高齢化が進行す る中、高齢者向けの調理食品の重要性が高まると考えられます。 図表1-4-6 1世帯当たりの食料消費支出に占める費目別割合(平成12(2000)年と平成28(2016)年の比較) 2.4 2.4 4.8 4.8 9.0 9.0 5.1 5.1 15.3 15.3 15.6 15.6 12.0 12.00 10 20 1.8 1.8 2.8 2.8 6.5 6.5 7.3 7.3 12.2 12.211.411.4 23.1 23.1 0 8 16 24米 生鮮 魚介 生鮮 野菜 生鮮肉 調理 食品 外食 外食 % 28 (2016)28 (2016) 平成12年 (2000) 2.3 2.3 3.3 3.3 6.9 6.9 8.5 8.5 12.7 12.7 11.511.5 18.9 18.9 0 10 20 2.4 2.4 4.5 4.5 7.6 7.6 8.5 8.5 13.6 13.6 10.510.5 10.5 10.5 17.7 17.7 0 10 20 3.0 3.0 6.5 6.5 9.6 9.6 7.7 7.7 13.0 13.0 10.7 10.7 0 10 20 生鮮 魚介 生鮮 野菜 生鮮肉 調理 食品 米 % 外食 生鮮 魚介 生鮮 野菜 生鮮肉 調理 食品 米 % 外食 生鮮 魚介 生鮮 野菜 生鮮肉 調理 食品 米 % 外食 生鮮 魚介 生鮮 野菜 生鮮肉 調理 食品 米 % (二人以上の世帯:世帯主が30歳代) (二人以上の世帯:世帯主が65歳以上) (単身世帯:世帯主が65歳以上) (二人以上の世帯:世帯主が40歳代) (二人以上の世帯:世帯主が50歳代) 資料:総務省「家計調査」(全国・二人以上の世帯・単身世帯・用途分類)、「単身世帯収支調査」 注:1)外食について、二人以上の世帯では学校給食と賄い費、単身世帯では賄い費を除いた数値 2)緑色は平成12(2000)年、オレンジ色は平成28(2016)年の数値 (外食や調理食品の利用機会が多い共働き世帯) 共働き世帯は増加しており、平成28(2016)年の共働き世帯比率は57%1となってい ます。共働き世帯のうち、妻の勤め先収入が1か月当たり8万円以上の世帯の食料消費支 出は、夫のみ有業世帯に比べて多く、平成28(2016)年において、その差は5,483円/ 月となっています(図表1-4-7)。また、妻の勤め先収入が1か月当たり8万円以上の世帯 1 総務省「労働力調査」。夫が就業者かつ夫婦のいる世帯全体に占める、夫が就業者かつ妻が非農林業の雇用者である世帯の割合 第 1 章
における食料消費支出に占める費目別の割合を見ると、夫のみ有業世帯に比べて、外食が 3.1ポイント、調理食品が1.6ポイント高く、生鮮食品は3.3ポイント低くなっています (図表1-4-8)。共働き世帯は、家事の時間が限られるなどの理由により、調理にかけられ る時間が少ないため、外食や調理食品の利用機会が多く、生鮮食品の購入が少なくなって いると考えられます。今後、共働き世帯が増加する中、外食や調理食品の利用機会が多く なることが見込まれるため、長期的には食料消費支出が増加する要因になると考えられま す。 図表1-4-7 共働き世帯の1世帯当たりの食料消費支出 8.1 8.1 8.08.0 7.9 7.9 7.87.8 8.1 8.1 7.8 7.9 7.8 7.4 7.4 7.2 7.2 7.27.2 7.17.1 7.2 7.4 7.2 7.3 7.2 6.5 7.0 7.5 8.0 8.5 平成20年 (2008) (2010)22 (2012)24 (2014)26 (2016)28 万円/月 0 夫のみ有業世帯 共働き世帯 資料:総務省「家計調査」(全国・二人以上の世帯・用途分類) 注:1)消費者物価指数(食料:平成27(2015)年基準)を用いて物価の上昇・下落の影響を取り除いた数値 2)共働き世帯は、妻の勤め先収入8万円/月以上の世帯 図表1-4-8 共働き世帯の1世帯当たりの食料消費支出に占める費目別割合 20.8 21.1 18.1 18.0 16 18 20 22 24 平成20年 (2008) (2012)24 (2016)28 % 0 (外食) (生鮮食品) 12.4 13.4 10.8 11.8 7 9 11 13 15 平成20年 (2008) (2012)24 (2016)28 % (調理食品) 夫のみ有業世帯 共働き世帯 共働き世帯 夫のみ有業世帯 夫のみ有業世帯 共働き世帯 0 23.4 22.3 25.8 25.6 20 22 24 26 28 平成20年 (2008) (2012)24 (2016)28 % 0 資料:総務省「家計調査」(全国・二人以上の世帯・用途分類) 注:1)生鮮食品は、生鮮魚介、生鮮肉、牛乳、卵、生鮮野菜、生鮮果物の合計。外食は学校給食と賄い費を除いた数値 2)共働き世帯は、妻の勤め先収入8万円/月以上の世帯
ウ 食に対する志向
(調理食品を利用したい意向が広がる傾向) 平成28(2016)年に株式会社日本政策金融公庫が実施した調理時間に対する考え方の アンケート調査によると、「今より減らしたい/もう少し減らしたい」が20歳代から50 歳代の女性では5割、20歳代と30歳代の男性、70歳代の女性では4割となっています (図表1-4-9)。 食料消費の動向と食育の推進 第 4 節資料:株式会社日本政策金融公庫「消費者動向調査」(平成28(2016)年9月公表)を基に農林水産省で作成 注:1)全国の20歳代から70歳代の男女2千人を対象として実施したインターネット調査 2)「基本的に調理しない」者以外の者に対する質問 36.0 54.4 36.4 53.5 33.8 47.6 23.4 51.6 20.8 34.8 23.4 36.5 49.0 29.8 44.1 32.7 51.5 42.7 56.8 37.1 54.7 56.1 60.6 54.7 15.0 15.8 19.5 13.8 14.6 9.7 19.8 11.3 24.5 9.1 16.0 8.8 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳代 今よりもう少し/もっと 時間をかけたい 今より減らす必要がない 今より減らしたい/ もう少し減らしたい また、食の志向に関するアンケート調査 によると、簡便化志向が高まる傾向にあり ます(図表1-4-10)。これらのことから、 調理食品を利用したい意向が広がる傾向に あることがうかがえます。 さらに、家族で食べるために、市販の弁 当や総菜などの調理済み食品を購入する理 由を聞いたアンケート調査によると、20 歳から50歳代の女性の半数以上が「調理 する時間がない」と回答しています(図表 1-4-11)。一方、60歳以上では、他の年代 に比べて「調理する時間がない」が少な く、「自分が作れないものが食べられる」、 「少量で買える」が多くなっています。 図表1-4-10 食に対する簡便化志向 資料:株式会社日本政策金融公庫「消費者動向調査」を基に農林水 産省で作成 注:1)全国の20歳代から70歳代の男女2千人を対象として実 施したインターネット調査 2)健康志向、経済性志向、簡便化志向、安全志向、手作り 志向、国産志向、美食志向から2つまで回答 25.9 26.9 28.0 25.4 26.5 26.1 26.0 27.9 31.2 31.6 30.2 22 24 26 28 30 32 34 平成24年 1月 (2012)7月 7月 7月 7月 7月 25 1月 (2013) 26 1月 (2014) 27 1月 (2015) 28 1月 (2016) 29 1月 (2017) % 0 第 1 章
図表1-4-11 家族で食べるために、市販の弁当や総菜などの調理済み食品を購入する理由 資料:農林水産省「食育に関する意識調査」(平成28(2016)年11月実施) 注:1)全国の20歳以上の3千人を対象とした調査員による個別訪問面接方式による調査(有効回収数1,874人、当該設問の回答総数 男性 460、女性519) 2)複数回答 3)調理済み食品には、冷凍食品やレトルト食品は含まない。 4)調査項目の上位7位までを掲載。その他の項目は「おいしい」、「栄養バランスに配慮できる」 男性 女性 12 9 13 8 11 17 37 28 18 17 20 24 37 38 25 22 26 28 65 60 57 0 10 20 30 40 50 60 70 20から 30歳代 40から 50歳代 60歳 以上 % 作る手間が省ける 自分が作れないもの が食べられる 食事の品数を 増やしたい 後片付けの手間が 省ける 16 52 33 23 32 27 27 40 47 59 21 17 17 21 14 19 24 26 60 67 15 0 10 20 30 40 50 60 70 % 調理する時間がない 少量で買える 自分で作るより価格が安い (国産農産物を用いた総菜へのニーズ) 独立行政法人農畜産業振興機構が実施した野菜を使った総菜の消費動向に関するアン ケート調査によると、今後、購入したい総菜のタイプは「国産の食材のみを使用した総 菜」が4割となっており、国産農産物を用いた総菜へのニーズがあることがうかがえます (図表1-4-12)。 図表1-4-12 今後購入したいと思う「野菜を使った総菜・出来合いの調理品」 18.3 23.5 29.7 39.1 48.5 54.1 60.5 0 10 20 30 40 50 60 70 出来立ての総菜 少量で複数の種類がセットされた総菜 添加物を使用していない総菜 国産の食材のみを使用した総菜 栄養バランスのとれた総菜 家庭では作りづらい総菜 野菜が多く含まれた総菜 % 資料:独立行政法人農畜産業振興機構「惣菜の消費動向調査」(平成28(2016)年3月実施) 注:1)全国の20歳から70歳の男女1,500人を対象としたインターネットによるアンケート調査 2)複数回答 また、総菜・すし・弁当で最終的に消費されている国産農畜産物の割合を金額ベースで 推計すると、米が最も多く、平成23(2011)年から平成25(2013)年にかけていずれ の品目においても、徐々に増加しています(図表1-4-13)。 食料消費の動向と食育の推進 第 4 節
算されています。国産農産物を用いた総菜のニーズを踏まえれば、今後、加工・業務用原 料としての国産農産物の供給をこれまで以上に強化することが求められます。 図表1-4-13 国産農畜産物の総菜・すし・弁当での消費割合(金額ベース) 資料:総務省「平成23年(2011年)産業連関表」、平成24(2012)年と平成25(2013)年の経済産業省「延長産業連関表」より農林水 産政策研究所で加工・推計 注:1)各品目の割合は、(総菜・すし・弁当への直接・間接の国産品需要額)÷(国内生産額)で計算 2)米については、精穀を用いた。 3)総菜・すし・弁当とは、日本標準産業分類の細分類「そう(惣)菜製造業」、「すし・弁当・調理パン製造業」のうち、すし・弁当と 「料理品小売業」のうち製造分の生産活動を範囲とする。 8.9 3.0 0.8 2.4 2.4 2.6 9.1 3.1 0.8 2.5 2.5 2.7 9.9 3.4 0.9 2.7 2.8 2.9 0 2 4 6 8 10 12 米 野菜 果実 牛肉 豚肉 鶏肉 平成23年 (2011) 24 (2012) 25 (2013) %
(2)食育の推進と国産農林水産物の消費拡大、「和食」の保護・継承
(食育の推進や官民一体となった国産農林水産物の消費拡大) 高齢化が進行する中で、生活習慣病の予防による健康寿命の延伸や健康な次世代の育成 の観点から、消費者の健全な食生活の実践が求められています。このため、農林水産省で は、ごはんを中心に多様な副食等を組み合わせた日本型食生活2が栄養バランスに優れて いることを分かりやすく周知するとともに、外食、中食、冷凍食品、レトルト食品等も有 効活用しつつ、食事の適切なメニューを自分で構成することや調理技術を身に付けること などの重要性等を伝えることにより、日本型食生活の実践を推進しています。 また、「食」への関心や理解の増進を図るとともに、食生活が自然の恩恵の上に成り立 ち、「食」に関わる人々に支えられていることに対する理解を深めるため、一連の農作業 等の体験の機会を提供する教育ファーム等において幅広い世代に対する農林漁業体験の機 会が提供されています。教育ファームでは、一時的なイベントではなく、生産者の指導を 受けながら、大人も子供も一連の農作業が体験できるサービスが提供されており、農林水 産省は、運営の手引書の提供等を通じて、サービスの向上を推進しています。 さらに、農林水産省では、国産農林水産物の消費拡大の趣旨に賛同する農業者、食品製 造業者、飲食業者、教育機関等が推進パートナーとして参加し、消費拡大に向けた活動を 展開するフード・アクション・ニッポンを推進しています。具体的には、国産農林水産物 1、2 用語の解説3(1)を参照 第 1 章の消費拡大に向けた気運を高める「こくさんたくさん週間」キャンペーンを毎年11月に 実施するとともに、消費拡大に寄与する民間事業者の優れた商品を表彰するフード・アク ション・ニッポン アワードを開催しています。推進パートナー数は、平成29(2017) 年3月末時点で9,553社・団体となっており、農林水産省では、引き続き、推進パート ナーの活動支援や消費者への情報発信等を進めていきます。 (幼少期の子供や子育て世代等への「和食」の普及・継承) 「和食;日本人の伝統的な食文化」1が平成25(2013)年12月にユネスコ無形文化遺産 に登録されました。農林水産省では、和食文化の保護・継承の推進を図るため、一般社団 法人和食文化国民会議などの関係団体等と連携し、啓発活動や「和食」の日(11月24日) における情報発信等を実施しています。 和食文化の保護・継承に当たっては、幼少期の子供や子育て世代等、食習慣の変化を受 け入れやすいライフステージにある者に対し、和食文化に慣れ親しんで、この文化を取り 入れた食生活を促すことが重要です。農林水産省では、小中学校における和食給食の提供 の支援のほか、栄養職員等を対象とした和食の料理人による調理実演会、子育て世代や地 方自治体の保健師を対象とした和食文化に関する講義・調理実演を行いました。 このほか、地域の伝統的な食文化や郷土料理を次の世代に継承するため、全国各地の取 組を事例集として取りまとめ、情報提供を行いました。 1 用語の解説3(1)を参照 食料消費の動向と食育の推進 第 4 節