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エネルギー事情雑感(PDF)

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Academic year: 2021

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(1)巻頭言 エネルギー事情雑感 関東職業能力開発大学校. 校長. 藤井 信之. 東日本大震災に伴う福島第一原発事故が起こった 2011 年から4年程の間、世界の原油価格は1バレル 100 ドルを超え る原油高止まりであったことを記憶している。一体どこまでガソリン価格は上昇するのだろうと危惧していた。ところ が、9 年後の今年 4 月原油価格がマイナスに転じた。原油を受け取ると同時にお金がもらえる史上初めての事態である。 新コロナウィルス対策(生産活動が停止)の影響で原油が余り、貯蔵タンクが満杯になったためである。 人類のエネルギー事情を考えてみると、その昔は、草木、農業廃棄物などの循環型エネルギーを使用していた。しかし、 事情が急変したのは 18 世紀半ばからの産業革命の時代で、石炭の使用が急速に進んだ。続いて大きな変化が生じた時期 は 1960 年代と言われている。同じ化石燃料である石油が石炭の使用量を超えエネルギー源の主役に躍り出た。ところが 第 4 次中東戦争に端を発した 1973 年の第1次オイルショック、そして 1979 年のイラン革命を起因とした第 2 次オイル ショックが起こり、石油に依存する日本経済の脆弱さを露呈してしまった。当時、我が国はエネルギー源の約 80%を石 油に依存しており、エネルギー政策の変更を余儀なくされる状況に陥った。その結果、発電用エネルギー源として原子力 の利用が進められ、その利点として、安定したエネルギー源の確保、低発電コスト、燃料の備蓄などが挙げられた。具体 的な理由は、ウラン輸出国の政情が安定である、1 年間に使用する発電所1基当たりのウラン燃料が 20~25 トンのため 輸送コストを低く抑えることができる、そして 1 度装荷した燃料は約 3 年間使用可能であるというものであった。因みに 現在の我が国の石油備蓄量は約 200 日分である。 以上のような経緯から発電に関するエネルギー源として、石油、石炭、天然ガスの 3 本柱に原子力が加わった。2011 年 福島第一原発の事故当時、我が国には 54 基の原発があり,アメリカ,フランスに次ぐ3番目の原発保有国であった。当 時の我が国における原子力の発電依存度は約 25%である。 しかしながら、化石燃料にも現在の原子力(ウラン 235)利用にもいずれ終焉を迎える時が来る。資源エネルギー庁の発 表によれば 2016 年末の世界における原油確認埋蔵量は 1 兆 7000 億バレルである。富士山を円錐と仮定し試算すると、 富士山の体積の約 70%にしかならない。前年の使用量で除すると、あと 50 年という数字になった。また、化石燃料を使 用した場合、地球温暖化ガスの排出という大問題が発生する。近年世界のエネルギー価格に大きな影響を及ぼしているシ ェールオイル・ガスや日本近海でも多くの存在が確認されているメタンハイドレートも化石燃料である。 1997 年に締結された京都議定書や 2015 年のパリ協定は、温室効果ガスの排出を規制する世界の取り決めとして、大々 的にマスコミが取り上げてきた。しかしながら、北極の氷山やヒマラヤ山脈の氷河が劇的に減少し続けていることも映像 で伝えている。 ウラン 235 が枯渇する将来を考え、進めていた高速増殖炉計画(もんじゅ)は 2016 年 12 月中止することを日本政府は 決定した。我が国における風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーは全エネルギーの 10%にも満たない。核融 合炉が安全に実用化されるまでの間、今のエネルギー源で何とか次世代の人々に繋ぐしかない状況にある。我々の世代で エネルギー源を使い果たし劣悪な世界環境を残すことだけは避けなければいけないと思う昨今である。.

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