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砂丘畑地土壌呼吸とその変動要因

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(1)

鳥取大砂丘研幸礎(Bull Sand Dune Res lnst,Tottori Univ)18,1-8 1979

砂丘畑地上壌呼吸 とその変動要因

津 野 幸 人

*・

鎌 田 康 秀

*

SOil Respiration and Other Factors Affecting

it in Sand lDune Soil

Yukindo TSUNO・ and Yasuhide KAMATA事

Summary

Sand dune soil was sampled frolxl a farmer's field and froln the

experirnental fields of the Sand Dune Research lnstitute on 6th June,1977.Thc

former soil 、

vas found to contain much organic matter, such as anilnal

manure,the mixing in of stra、 v or other sawdust year by year,and the latter soil Mras cultivated without organic matter during a period of about 20 years.

The soil samples were packed in bottles of 1000 1nl volume and placed under the conditions of a 30° C temperature,and、vith constant water content、vhich

was adiusted tO the same amount of sampling time throughout the

experirnental period of ll days 「Γhe soil respiration was measured by an infra‐red C02 gaS analyzer four tirnes during the experirnrntal period. Some

of the soil samples、 vere treated in various Mrays,thereby changing the water

content and temperature

The soil respiration of sand dune soil 、vas strongly influenced by the

moisture ratio,water amount/dry sOil in%,and Was decreased to 26%by a

lo、v temperature of 6°

C The relation between moisture ratio and soil

respiration could be expressed as exponential throughout O-100/。

of the

moisture ratio.So the organicinatter rich― soil of farmer's field in sund dune maintained a high moisture ratio,that the soil respiration、 vas shown as a high

rate.

At 6%of moiSture ratio,the soil respiration was estimated as O.2 gC02/1n2/

h as a minilnum rate The humus consumption in the summer season,

therefore,耶′as about 100 kg/10a/mOnth under aerobic condition of the soil

C02 COnCentrations in the atomosphere in the sand dune soil、 vere belo、v10/。, otherewise,the loam soil was l.8%as a maXimum value for sample soil *砂丘利 用研 究施 設乾 地生 態 部 門

(2)

1.緒

津 野 幸 人 土壌呼吸 とは

,土

壌 表面 か ら大気 中にC02が放 出 され る現象 を指 し

,こ

のC02は主 として地 中で有機 物 が微生物 に よつて分解 され る ときに生 ず る もので あ って

,他

に植物 の根

,地

中動物 な ど土壊 中に生活 す る生物 の呼吸 による もの も含 んでい る。従 って, 土壌 呼吸 は土壊 の性 質 に よ り

,ま

た環境 条件 によっ てはなはだ し く異 な り

,土

壌微生物 の生活 に影響 す るあ らゆ る条件 によって変化 す る。各種 の上壊 につ い て

,そ

の土 壊 呼 吸 を測 定 したLundegardhの 報 告°1こよればその量 は最高

2g/∬

/hく らいで,草原 や畑地 で は

01∼

05gの

値 が報告 され ている。他方, Watter und Haberは 簡単 な装 置°を用 いて広範囲

に ドイツ

,オ

ー ス トリアの各地 の上壊 呼吸 を測定 し た結果働を示 し

,そ

の多 くは

001∼

10gで

あ る こ と よ り Lundegagttrdhの 値 は大 きす ぎる こ とを指 摘 している。 この ことよ り,土 壊 呼吸の値 は測定条件, 方法 に よって大 き く変 わ る こ とが予想 され るのであ るが

,両

者 の測定値 の傾 向か らい えば腐植 に富 む土 壌 か らは C02の 放 出が多 く

,腐

値 の乏 しい砂丘 土壊 か らはその放 出が少 ない こ とが うかが える。 一般 に砂丘畑土壊 は腐植 の消耗 が はげ し く

,腐

植 の蓄積 は少 ない。 しか し

,砂

丘畑 にお ける堆肥 な ど の有機物施用の増収効果 はたか く

,地

力維持 の うえ か らも有機物 の連続施用が望 まれ るのであ るが、近 年の傾 向 として有機物 の施 用量 は著 るし く減少 して い る。砂丘の農業地帯 を概観す る と

,有

機物 の施 用 量 の多 い地域 は収量水準 が高 か く

,そ

うでない地域 は低 い とい う明瞭 な傾 向が察知 され

,砂

丘畑 にお け る有機物 の意義 を明 らか にす るこ、とは重要である。 砂丘畑 の上壌呼吸 に及 ばす環境条件 を明 らか に し, ` 同時 に有機物 の消費量 を推定 す るために以下 の実験 を行 ない

,若

千 の知 見 を得 たので

,こ

こに報告す る 次第で あ る。

2.実

験材料 お よび方法 地力維持 のため に多量 の有機tplを施 し

,安

定 した 高収量 をあげてい る鳥取 県東伯郡大栄町の砂丘畑土 壊 と黒 ボ ク土壊 を採取 し

,こ

れ と比較 す るため に, 有機 物 施 用 が ほ とん どな され て い な い本 研 究 施 設 鎌 田 康 秀 (砂丘研

)の

回場 お よび同施設 内未墾地砂丘 か らも 実験材料 を採取 した。採土 日は1977年 6月 7日 であ り

,採

土量 は 1点 約2 kgであ った。各点 とも畦の肩 か ら0∼20cmの 深 さの 上 を上 層 土 と して

,さ

らに 20∼40cmの上 を下層土 として採取 し

,水

分変化 のな い よ うに ビニール袋 に入れて実験室 へ持 ち帰 った。 なお

,採

取 日前 にお ける降雨 は 6月 2日 に砂丘

173

mm,大

栄町附近 で14 0mmあ り

,そ

の後採取 日まで曇 天 で あ つたので

,か

んが いはな され ていない。 土壊 資料 は室 内 において

,直

ちにイ ンスタン ト・ コー ヒーの空 ビンに詰 め

,開

口 した ままで種 々の実 験条件下 においた。 ビンは大小2種を用 い

,前

者 は 直径8 cm容量1100ml,後者 は直径6 5mm容 量500mlで あ って

,用

いた土量 は1200g(大ビン

)と

600g(小

ビン

)で

あ る。 そ して

,実

験 当初 の重量 を測定 して お き

,実

験期間中 は毎 日重量 を測定 し

,上

面蒸発 に よる減量分 だ け水 を捕充 し

,当

初 の含 水比 を維持 し た。小 ビンは30°

Cの

恒温器 に入 れ

,採

取 の翌 日か ら 11日後 にわ た り

,上

壌 呼吸 を4回測定 した。大 ビン は低温

,乾

,加

温 な どの処理 を加 わえ

,そ

れ に と もな う土壊 呼吸の変化 を調査 した。 土壌呼吸の測定測法 は, これ らの ビンを処理温度 と等 しい温度 の恒温水槽 に入 れ

,送

気 口 と排 気 口を 有 す るフタで もって開 口部 を閉 じ,毎分0.5ゼ の空気 を送 り,この空気 中のC02濃度 と排気 された C02濃 度 の差 を相対値型赤外線炭酸 ガ ス分析計 で測定 し, これ に通気量 を乗 じて土壊 呼吸量 とした。 さ らに, 土壊気相 中の

C02濃

度 を知 るため,上 記土壊 を径5

cn,長

さ40cmの 硬質塩化 ビニール管 に30cmの 長 さに 詰 め これ を 4日 間

30Cの

恒温器 に入 れ,その後底部 よ り20ゼのN2ガスを除々 に流 し,この ガスを上部 よ り厚 手 の ポ リエ チ レ ン袋 に採 取 してC02濃度 を絶 対値 型赤外線炭酸 ガ ス分析計 で測定 し

,こ

れ よ り土 壊孔隙 内にお けるC02濃度 を計算 した。 C02濃度 の沢1定終 了 日に全土壌 資料 は100°

Cの

電 気乾燥器 に入 れて含 水比 (水分重量

/乾

土重量

)を

求 め,さ らに この資料 の一部 を電気炉 で もって,450° Cに加熱 し,有機物含量 としての灼熱減量 を求 めた。

3,実

験結果 お よび考察 土壌 呼吸 の淑1定に触 れ る前 に

,ま

ず採土畑 の特性

(3)

砂丘畑地上壊呼吸 とその変動要因 第 表

採土畑 の特性 と有機物施用量 場 所 作 物 収量 水準 t/10a 有 機 物 前 作 物 連作年 土 性 備

考 種 類

施用 時期(日) 大栄町、由良 長 イモ 5--6 ワ ラ牛 糞 3 長 イ モ 砂 土 露 地 栽 培 同 上 長 イモ オガクズ牛糞 3 長 イ モ 大栄町、東園 タバ コ 生 ワ ラ ダイコン 同 上 タバ コ 0.25 生 ワ ラ ダイコン 3 同 上 スイカ オガクズ牛糞 6 鉦︻ 2 4年前造成、トンネル栽培 大栄町、六尾 スイカ

6-7

ワ ラ 牛 糞 6 ダイコン 黒 ボ ク 中型 トンネル栽培 同 上 スイ カ

4-5

ワ ラ牛 糞 3 ダイコン 5 砂 土 露 地 栽 培 砂 丘 研 長 イモ 0 ダイコン l 砂 土 同 上 スイカ 0 カ ンシ ョ l ト ン ネ ル 栽 培 は 土 日 月 7日 か らの前 日数 を第 1表 に よって明 らか に してお こう。大栄町由良 の長 イモ栽培畑 で は

,ワ

ラ牛糞

,オ

ガ クズ牛糞 をそ れ ぞれ

3t/10a施

用 してい るが

,収

量水準 は大 き く異 な り長 イモ12年連作 畑 は5∼

6t/10aの

高位 収 量 であ る。他方

,オ

ガ クズ牛糞 を施 した畑 は4年 前 よ り長 イモ栽培 を始 め

,収

量水準 は

2.8tで

あ る。 大栄 町東 園の タバ コ栽培畑 の2地点 は

,同

一畑 で あ るが地力 む らに よって収量水 準の異 な る場所 を選 ん だ ものであ り,ここで は毎年生 ワラを

07t敷

草 して お り

,当

年 で連作3年目であ る。 同 じ地 区内の スイ カ畑 は栽培初年 目であるが,畑は4年前 に開畑 され, 地力 の向上 に努力 していた。 そのためオガ クズ牛糞 を

6tと

多量 に施 してい る。大栄町六尾 にお ける2 ケ所 のスイカ畑 は黒 ボ ク土壊 であ って

,両

畑 の収量 水準 は異 な る。両畑 ともワラ牛糞 を施 し

,高

収 畑6

t,そ

れ よ りもや ゝ収 量 の低 い畑 で は

3tの

施 用 で あ り

,連

作年 は10年と

5年

で ある。 以上 は大栄 町の ものであ るが

,そ

の多 くは表作 と して連作 をつづ けてい るに もかかわ らず

,収

量水準 は高 かい。 この蔭 には第1表で示 した とう りの有機 質肥料 を多量 に投入 し

,熱

心 に地力維持 が な され て いるこ とが うかが えるのである。 これに比べて砂丘 研 の国場 はほ とん ど有機物 の投入 がみ られず

,後

述 す る とお り土壌 の有機 質含量が著 る し く低 い。収量 水準 において も砂丘研 は大栄 町の高位収穫 畑 の約半 分 で ある。有機質施 用 の多少 が直接収量水準 を支配 す る確証 を ここで は示 す こ とがで きないが, この収 量差 の生 じる原因 について は多面 的 に深 く究明 す る 必 要が あ る と考 え られ る。 つ ぎに

,各

土壌 資料 の上壊 呼吸 を第2表で検討 し よう。まず,長イモが栽培 された畑 についてみ る と、 土壊 呼吸が最 も多 いの は大栄 町の低収畑 で ある。 こ の畑 は第1表の ご と くオガ クズ牛糞 を植付60日前 に

3t施

用 してい る。大栄町の同 じ地 区の高収 畑 は植 付80日前 に ワラ牛糞 を

3t施

用 してい るが, ここで はさ して土壊呼吸 は多 くない。有機物 の施用がなさ れて いない砂丘研 の長 イモ畑 で は

,大

栄町の両 畑 よ りも著 る し く土壊 呼吸が少 ない。同様 の傾 向 はスイ カ畑 において も認 め られ

,砂

丘研 の畑 は少 ない。大 栄町で タバ コの栽培 され ていた両畑 は ともに生 フラ を

07t施

用 していたが

,多

収畑 で土壊 呼吸が多 く, 表層 にお ける有機物含量 (灼熱減量 か らみた

)が

多 いのが特徴的である。 大栄 町で スイカ栽培 の黒 ボ ク土壌 の上壊 呼吸 は, 多収畑表層 において著 る し く多い。 これ は多収畑 で ワラ牛糞が

6tと ,低

収畑 の2倍も施 され ていた こ とに よる ものであ ろ う。従 って

,灼

熱減量 も多収畑 上層が多い。 砂丘研 の末耕地砂上 の上壊 呼吸 は非常 に少 な く, 特 に下層土 において はほ とん ど認 め られない。 これ は この上壊 の灼 熱減 量 の少 ない こ と とよ く符合 す る。 また表層土壊 の含水比 の少 ない点 も特微 的で あ

(4)

作物

土壊

大 栄 円丁、高 収 畑 大 栄 田丁、低 収 畑 砂

研 土壌呼吸

合ヵ比

灼熟減量 g/11Xlg 土壊呼吸,02ng/kR/1 合 水 比

%

灼熟減量g/10og 吸 訥

土 Ю 合 水 比

%

灼熱減量g/10og 長 イモ 砂 土 上層 下層 1 0 0 0 6.87 8.38 0.986.19 0.4446.736 0 0 2.56 6.29

0.058

0.066

3 0

カ砂

土幸層

0 5 2 0 7.26 8.43 0.516.18 0.041

0,023

0.150.30 タバ コ

上十層

0.246 0.242 5.534.30 6.055.76 5,747.26 0.595,89 末耕地 砂 層 層 上 下 土

0,030

0.000

2.18

486

0,050

0.010

1,923 0.879 35.51

30.60

0.699

0,765 6.008,31

24.49

22.47

津 野 幸 人 ・ 鎌 田 康 秀 第2表

土壌呼吸 、含水比 および灼熱減量 土 壊 可 り 3 m 8 博\ 届 \ p 注

)3陀

においた場 合の上 壊呼吸 る。 第2表で土壌 呼吸 と土壊 中の有機分含量 との関係 をみ る と

,含

量 の少 ない砂丘研 土壌 よ りも

,含

量 の 多 い大栄 町土壊 において

,概

して土壌 呼吸が多 い傾 向がみ られ るのであ るが

,大

栄 町土壊 に限 ってみれ ば

,必

ず しも有機物含量 と土壌 呼吸 との間 には明瞭 な関係 は見 出 し難 い。 この ことによ り

,土

壌 呼吸が 有機物含量以外 の要因 に支配 され ている こ とが推測 で きるので

,土

壊 資料 の設置条件 を種 々 に変 えて, それ に伴 な う土壌 呼吸 の変化 を検 討 した。第3表は 既述 した大 ビンに大栄 町長 イモ多収畑 の上層土 を詰 めて乾燥

,加

,低

温 の処理 を行 なった結果 を示 し た ものであ る。対照 区 (30°

C,含

水比

5,81%)に

比 して乾燥処理 が最 も土壌 呼吸が少 な くなってお り, ついで低温処理 (6°

C)で

あ る。 これ に反 して加湿 処理 は両 区 とも土壌 呼吸 は対照区 よ りも40∼

50%増

加 してい る。 この結果 に よ り上壊 呼吸 は含水比 の影 響 を強 くうけるこ とがわか ったので

,上

壌 を薄 く容 器 内 に敷 き

,ガ

ス交換 に好適 な条件 を与 えて含水比 を変 えてみた。その結果 は第4表の とお りであ って, 通常 の含水比

59%に

比 して乾 燥 区は

26%に

土壊 呼 吸 は低下 し

,他

,加

湿 区 は約

19倍

も増加 した。 第

3, 4表

か ら合水比 と上壌 呼吸 との関係 を作図 す る と第 1図 の とう りである。 すなわち

,土

の厚 み が薄 くガス交換 の容易 な場合 は

,含

水比 に伴 な って 土壊 呼吸の増加率が大 きい ことがわか る。 しか し, 上 の厚 みの大小 にかかわ らず含水比

12%程

度 で飽和 点 に達 してい る。第2表でみ られ る とお り

,砂

上 の 大栄町、長 イモ多収畑、表層砂土、11日後 含

4表

含水比 と

C02発

生量 注) No. 水 % ︿ 凸

C02発

mg/kg/11

%

1 9 , 3 4

0,82

5。

90

1 1,07

16.14

0.055

2.093

4.135

4.025

2.6

100,0

197.6

192.3

)土

量1.Httmつ、30℃ 場合 は最大含水比 が10,4%であ り

,通

常 は これ以下 の値 を とるので

,上

壌 呼吸 は

0∼

lo%の範囲で は含 水比 に対 して指数関数的関係 にあ る と考 えられ る。 そ こで

,第

2表か ら含水比 と土壌 呼吸 との関係 を 上 層

,下

層土 について

,そ

れ ぞれ作成 してみ る と第

2, 3図

の ご とき傾 向が得 られた。上層上 において は

,第

1図 か ら推定 された とお り上壌呼吸 は含水比 と指数関数的関係 にあ るが

,下

層土 で は この関係 が 弱 まっている。上層上 で は土壌微生物 の分解作用 を 受 けやす い形態 の有機物 が多 く

,下

層上 で は易分解 第3表 採土後 の条件 と

C02発

生量 処 理

含 水 比

%

C02発

生 量 mg/1cgna

%

女寸象 乾 燥 低 温 加 温 加 温

80

30

6

30

30

5.81

0.84

5.93

13.08

21.60

874

052

228

356

248

0 0 0 l i

100,0

5. 9

25.9

154.8

142.0

(5)

土 壊 呼 吸 ヨ m o 9 \ 紆 \ ゴ 砂丘畑地土壊呼吸 とその変動要因 5・00 :25g/cr 0 0 4 8 12 16 20 24 含水比

%

第 1図 単位面積 当た りの土量 が異 なる場合の 上壊 呼吸 と含水比 との関係 性有機物 と難分解性有機物 とが混在 し

,そ

れが上壌 の種類 によって異 なるので

,第

3図の ご とき結果 と な ったので はなか ろ うか。第2図よ りみて

,少

な く とも砂丘畑上層土 においては

,含

水比 の多少 に よっ て土壊微生4/」の活動程度 が支配 され ている ことは指 摘 で きよう。 周知 の とお り砂丘 畑土壊 は粘上 に乏 し く保水力が 極端 に悪 い。 しか し

,降

雨 あ るいは散水直後 には一 時 的 に

10%内

外 の含 水比 を保 つ こ とは可 能 で あ る が

,有

機物含量 の乏 しい砂上 で は水 は重力水 とな っ て地下 に滲透 して しまう。本実験 に用いた土壊 資料 はいづれ も乾燥 しす ぎた状態で はな く

,通

常栽培期 間 にみ られ る平均的 な含水比 を保 っていた ことは, 採取時 の気 象条件 よ り推測 で きる。 そ こで

,含

水比 と灼熱減量の関係 をみる と

,第

4図の ご とき傾 向が 認 め られた。大栄 町の上層土 お よび砂丘研 の上

,下

層土 は同図でみ られ る とう り有機物 の少 ない一 つの グルー プに属 し

,大

栄 町下層土 はすべ て有機物 の多 0 2 4 6 8 10 12 含水比

%

第2図 上層上 の上壊 呼吸 と含水比 との関係 注

)灼

熱減量 :○

<1%,02-3%,●

>5%.

いグルー プに属す るが

,両

グルー プ ともに含水比 は 灼熱減量 (有機物含量

)と

比例 的 な関係 にあ る。特 に明瞭 な事実 は砂丘研土壊 の含水比 は

2-6%の

範 囲 にあ るが

,大

栄 町土壊 のほ とん どは5∼

10%の

範 囲 にあ る。 この原因 は大栄 町土壌 において有機物含 量 が多 く

,保

水′性に富 む ことに よる ものであ る。化 学肥料 の施 用量 は砂丘研

,大

栄 町 ともに鳥取 県 にお ける耕種基準 に近 い ものであ り

,両

者 に大差 が ない に もかかわ らず

,収

量水準 に大差 が あ るの は

,保

水 性 の差異 に基 ず く可能性 も検 討 しな くてはな らぬで あろ う。 つ ま り

,砂

丘研 の場合 が水分不足 にな る頻 度 が高 かいので はないか,とい うことである。聞 き取 り調査 に よれ ば

,長

イモに対 す る大栄 町の スプ リン クー ラー によるかんが い回数 は砂丘研 の場合の

%程

度 であ った。 なお

,大

栄町 にお ける長 イモの生育状 態 をみ る と,地上部 の繁茂度 は砂丘研 よ りも劣 るが, イモの太 り具合 は格段 に良好 であった。 さて

,以

上 の成績 に基 づ いて砂丘畑土壊 にお ける 土 壌 呼 吸 ヨ ] 8 \ 厨 \ す

(6)

津 野 幸 人 第3図 下層上 の上壌呼吸 と含水比 との関係

)灼

熱減量

:o<1%,● >5%.

有機物 の消耗程度 を推測す るわ けであるが

,第

1図 にみ られ る とう り

,含

水比 は同 じで も測定容器 に詰 め る土量 に よって土壌呼吸量 に大差が生 じる。また, 容 器 の放 出面積 の大 小 に よって も C02の 発生 が異 なる こ とが考 えられ るので,単位面積当た り上量(土 の厚み

)と

容器 の水平断面積 を変 えて

,そ

れ らが土

5表

co2発

生条件の検討

放 出 面 積 土 量 暁 m' C02発生量 叫kg/11 C02発生量 m7dm2/h

89.9(10o)

50。

2(56)

33.2(37)

1.11

25.Oo

18.23

2.093(loo)

0.879(42)

0.222(11)

0.231

2.065

0,379

)温

度30℃,( )内 は指数 壌 呼吸量 に及 ぼす影響 を調べ

,そ

の結果 を第5表に かか げた。同表 によれば

,上

の厚 み を変 えた場合の 上壌 呼吸 を上壌 の単位重量当た りで表示すると

,放

出面積 の広 い方が高かい値 を示 す。他方

,放

出面 の 単位面積 当た りで表示 すれば

,土

の厚 みが大である 鎌 田 康 秀 場合が高 い値 を とる。実際の畑地では土中内部 に発 生 した C02は

, 1部

は水 に溶 け

, 1部

は土壊成分 と 化学反応 を生 じて土壊粒子 に吸着 され るが

,大

部分 は拡散 によって地表面か ら大気中へ放 出 される。現 実 には土量

1.lg/ば

とい う畑 はあ り得 ないので,実 際の場面 に近 づ けるためには、 なるべ く土量 の多い 場合 の値 を採用 すべ きでぁる。 それ故 に

,第

1図 の

25g/∬

の値 を採用す るのが妥当であ ろう。 これを 単位面積 当た りで表示 すれ ば

,含

水比

5.8%の

とき 200mg/∬

/hと

な り

,含

水 比 が

lo%と

な れ ば300 mg/1112/hと な る。す る と,冒頭 に あ げ たLunde‐ gardhの成積

9,砂

;200哩

,腐

植質 に富 む砂 土 : 400mgと ほ ぼ同様 の値 とな る。他 方

,Waher und

Haber"は砂丘裸地 の値 を89mgと してい るが,この値 も砂丘地 で は充分考 えられ る妥当な値 である。いま, か りに砂丘地 よ り発生 す るC02量を

200148/m2/h

とし, これが多糖類 を基質 とした土壌微生物の好気 的呼吸 の産物 でぁる とすれ ば,そ して,30°Cと い う 測定条件 も考慮 に入れ ゝば

,夏

期 1ケ 月 に分解 され る有機物 の量 は約901cg/1oooln2で ぁ り(注

,(200g/

1000n42/h×24h×30日)×

o61(換

算係数

)=8784

kg/30日

)こ

れ よ りも含水比 の多い場合 に土壌呼吸 が5割増力日す る とすれ ば132kgと な る。 第6表 土壊気相中の

C02濃

度 と発生量 土 壌

C02%

C02発

m7kg/h,3陀生量 灼 熱 減 量g/1oog 砂 土 (大栄町)

407

053

976

865

0 1 0 0 0。

222

10.351

0.568

7.036

0 2 6 0

932

556

050

505

砂 土 (砂丘研)

0.454

0.625

0.102

0,018

0.127

0.150

黒 ボ ク (大栄町) 1 0 0

843

918

877

1 0 1

467

594

025

35,505

30.595

24.485

さらに

,上

壊 気相 中のC02濃度 を調査 した結果 を 第6表に示 した。砂土 においては土壌呼吸の極端 に 多 い場合 で も約

10%で

あ り,最低 は約

05%で

あ る。 これ に比 して黒 ボ ク土壊 で はC02発生 量 が1 5mg/ kgの場合 に1.8%,0.6mgの 発生量で

09%と

砂丘 土壌 土 壌 呼 吸 ヨ ∞ 8 雨 斥 庁

(7)

砂丘畑地土壌呼吸 とその変動要因 よ りも高 いC02濃度 を示 している。 これ は

,砂

丘 土 壊 の方が 黒 ボ ク土壊 よ りも C02の 拡散 が容 易 な た め と考 え られる。実際の園場 ではこの濃度 にさらに 根 の呼吸 によるC02が加 わ るので,黒ボク土 壊 で はか な り高 いC02濃度 となる ことが予測 され る。RusseH and Appleyardeω の古 いデー ターに よる と地下 6イ ンチ の上 壊 気相 中のC02濃度 は025°/0と され て い るが

,そ

の後

,多

くの研究者 の測定 に よ り

,上

中の 02と C02濃度 は土壊 条件 に よ って異 な る こ とが明 らか とな った。た とえば,BoyntOn and Reutheゴ Iこ

よれば

,微

細構造 の上壊 で は晩秋 よ り初春 にか けて

02%は

,通 常大気 の値 よ りも

1%以

下 の低下 で ある が

,C02濃

度 は大 き く変動 し夏 に は最大12%に も達 してい る。また,Furrら °によればC02濃度 は通常5 ∼

6%を

越 えない ともされ ている。 ただ し

,根

ぐさ れ が生 じる よ うな Persea americanの 果樹 園 で は

242%に

も達 した記録 も報告 され て いる。砂丘 畑 で はガス交換 が良好 なため

,土

壊 呼吸 に作物根 の呼吸 が加 わ った とし′て も,第4表の最高値 に近 い濃度(約

1%)で

経過 す るので はあ るまいか。

4.論

議 砂丘畑土壊 を採取 し, これ を容器 に詰 めて上壌呼 吸 を測定 したのであ るが, この上壊呼吸に最 も強 く 関与 す る要 因 は含 水比 で あ る こ とが明 らか とな っ た。各種 の上壌 を採取 し

,作

物 の無 い状態 で土壊呼 吸 を瀕1定す る と い う実 験 は す で にEpstein and

Kohnke2),Kristensen and Enoch` 上Yamaguchi et

a110,Thomas et a17:に よってな されてお り

,い

づ れ も有機 含 量 と含 水 比 が土 壌 か ら発 生 す るC02量 に重要 な影響 を持 つ ことを指摘 している。砂丘畑土 壌 は一般 の上壌 に比 して含水量 が少 な く

,そ

の ため 微生物 の活動程度 は土壊水分 の多少 に依存 す る とこ ろが大 きい と考 え られ る。 それ故 に水分が与 え られ る と

,通

気性 の良好 な こととあい まって

,有

機物 の 分解速度 は通常土壊 よ りも早 い もの と推定 され る。 さらに

,分

解 した水溶性有機物 は雨水 また はかんが い水 とともに地下 に溶脱 す るため

,圃

場 に残存 す る 有機物 は少 ない。従来 よ り砂丘 畑 に対 す る有機物施 用 は増収効 果 の高 い ことで知 られていたが

,近

年 は 労力不足 と堆肥 材料 の不足 に よって

,有

機物 の施用 量 は著 る し く減少 してい る。 しか し

,優

秀 な成積 を あげてい る砂丘地帯 においては

,家

畜糞 な どを多量 に畑 に投入 してお り

,鳥

取 県大栄町 にみ られ る とう り

,そ

の様 な畑 で は収量水準が高 い (第1表)。 灼熱減量

g/100g

第4図 灼熱減量 と含水比 との関係 注

)○

上層土

,●

下層土, 1印 は砂丘研土壌 砂丘畑 にお ける有機物 の効 果 について は さらに詳 細 な検 討が望 まれ るのであ るが

,第

4図にみ られ る 如 く

,有

機物含量 と含水比 とは密接 な関係 が あ り, 有機物 に富 む畑 で は作物 を早 ばつ害 か ら保護 してい るこ とが推 察 され る。 スプ リンクー ラーかんがいは 畑全面 が一時的 に湿 るので

,株

元かんが いに比 して 有機物 の消耗 を速 め る ことが指摘 で きよう。 それ故 に

,有

機質含量 を高 く保 つ措 置が望 まれ るわ けであ る。家畜糞 の施 用 は当面 の措置 として止 むを得 ない が

,上

壊有機質 の確保 の面 か らいえば

,家

畜 糞 は易 分解性 の有機物 であ り,分解 お よび流亡 が はげ しい。 地力維持 の立場 か らすれ ば難分解性 の有機物 の施用 が望 ま し く

,推

肥施 用が困難 とすれ ば飼料作物 の導 入 をはか り

,砂

丘畑 にお ける輸作体 系 を確立 す るの が 当 を得 た方策であ ろ うと考 え られ る。

5.摘

要 砂丘土壌 にお ける有機物消耗 の実態 を明 らか にす るため

,二

三 の実験 をお こな った。地力維持 のため に多量 の有機物 を施用 してい る鳥取県東伯郡大栄町 の砂丘 土壊 と黒 ボ ク土壊 を採取 し

,こ

れ と 'ヒ 較 す る ︲0       8 含 水 比   % 5 6

(8)

ために

,有

機物 の施 用が ほ とん どな されていない鳥 取大学砂丘利用研 究施設 (砂丘研

)の

圃場 か らも実 験材料 を採取 した。 これ らを容器 に入れ各種 条件 下 での炭酸 ガス発生量 を測定 した。

1,土

壊 の合水比 を変化 させ てC02発生量 をみ る と

,乾

燥 によ り著 る し く発生量 は低下 す るが

,含

水 比 を増加 させ る と

,C02発

生 量 は激増 した。 なお, C02発生量 は低温 (6°

C)よ

りも含水比 の影響 を強 く受 けるようであ る。

2,C02の

発生 と土量 との関係 を検 討 した結果,単 位 土壌 重 量 あた りC02発生 量 は放 出面 積 が広 い ほ ど

,単

位土地面積 当た りのC02発生量 はそ こに含 ま れ る土量が多いほ ど

,そ

れ ぞれ発生量が多 い ことが わか った。単位 土地面積 当た りのC02発生量 は大栄 町土壌 で最低

02g/∬

/hと

推定 され,これ か ら算 出す る と,夏 期 1ケ 月 に約100kg/10a内 外 の有機物 が消耗 され る ことになる。

3,有

機物 を運 用 してい る大栄町土壊 と砂丘研 土 壊 との有機物含量 (灼熱減量

)の

差 は顕著 であ り, したが って

,土

壊 か らのC02発生量 に も大差 が あ っ たが

,こ

れ は有機物含量が多 い と含水比 が増加 す る とい う関係 よ りもた らされた ものであ る。大栄町砂 丘土壊 で は上層土

(0∼

20cm)よ りも下層土(20∼ 40

cm)に

多 くの有機物 の蓄積 が認 め られた。

4,砂

丘土壊 と黒 ボ ク土壌 の気相 中にお ける

C02

を測定 した ところ,前者 は

05∼

10%の

範囲であ り, 後 者 は最高

18%を

示 した。 これ は砂丘 上 で C02の 拡散 が良好 であ る ことを示 す ものであ り

,微

生物 の 活動 に根 の呼吸が加 わ った として も

,気

相 中の

C02

濃度 はさほ ど高 い値 を示 さないであ ろう。 6.号

1用

文 献

1. BOynton,D,and W Reuther 1939 Seasomal

variation of oxygen and carbon dioxide in three different orchard soils during 1938 and

津 野 幸 人 ・ 鎌 田 康 秀

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参照

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