1-012 土木学会中部支部研究発表会 (2015.3)
補剛材形状の違う
2
種類の実物大制震ダンパーの性能評価試験
愛 知 工 業 大 学 学 生 会 員
愛 知 工 業 大 学 正 会 員
JFEスチール(株)スチーノレ研究所 土木・建築研究部
JFEシピル(株) システム建築事業部 設計部
1.はじめに
1995年兵庫県南部地震によって鋼橋の耐震設計は
根本から見直しが行われ, 2002年道路橋示方書改訂で
は,地域被災後の早期復旧の観点から主構造の損傷を
極力小さくし,地震後に取り替えまたは補修が容易な
部材に対してのみ損傷を生じさせる「制震Jが「商標
性 能Jの定義に加えられた 1)
銅橋の時指輪強を行う際に取り付けられている制震装
置には,商珠オとして適用が容易であることから制震ダン
パーに分類される座屈拘束ブ、レースがあげられる.座屈
拘束プレースは適切に配置することにより高いエネルギ
ー吸収性能を発揮し,主構造に生じる作用力を抑えるこ
とができ,商標性能を向上させることが可能となる.
これまでの研究で公称値の安全率の妥当性 2),変形
性能および累積塑性ひずみの限界値の検討や低サイク
ル疲労特性が明らかにされてきたしかし近年,南海
トラフなど当時想定されていた地震より大規模な地震
が予測されている.そのため制震ダンパーは高軸力化
傾向にある.
そこで本研究では,補剛材の形状の違う 2種類の実
物大の供試体を用いて実験を行い,想定される巨大地
震により生じる軸力に対応可能な性能を有しているか
を検証することを目的とする.
2
.
実験概要
2.1 供試体
供試体は十字型プレース 2体,二重鋼管ブレース 2
体の計4体とし,補剛材の形状(軸材の局部座屈に対す
る補剛力)をパラメータとしている.軸材の径厚比・幅
厚比は,試設計構造における設計断面とほぼ同等とし,
鋼種はSN490およびSTK490としている.供試体の概
要を表-1に,供試体形状を図-1および2に示す.
2
.
2
載荷方法
載荷装置(図
-3)
は 4400kNアクチュエータ(圧縮
4400kN,引張 2200世..r)X4台と両端載荷梁からなる自
己反力フレームとし,その中心に供試体をセットする.
0
飯田
鈴 木
植 木
宮川
仁
田
問
自
明
智
森
卓
和
載荷は,
4
台のアクチュエータを同期させた静的変位
制御とする.載荷形態は漸増載荷とし,軸力材の降
伏ひずみ相当から士0.50 %,土0.75%,土1.00%, :t
1.50%と4波ずつ繰返し入力を行う.その後:t2.00%,
土2.50%と2波ずつ繰返し,最終的に:t3.∞%に遣する
か,または荷重が低下するまで載荷を続ける.
仮置
材
力
軸
一 ス
一 レ
一 ブ
側 諸
4
一 十
一 図
1IJ(l()
図
-2
二重鋼管フレース
十字型ブレース 二重鋼管ブレース
供試体名
H490-1.9 H490-2.6 P490-1.3 P490・1.8
断面 288x160x32 288x160x32 W241.8x17.9q>241.8x 17.9
材翰
力
中事事比 9 9 13.5 13.5
鋼種 8N490 8N490 8TK490 8TK490
設計軸力
4326 4092
(沿。
留酒
ロ
268x19t 口268x28t q>267.4x8.Otq>267.4x9.3t
鋼種 8N490 SN490 8TK400 8TK400
補
剛
管
欄享比 14.1 10.2 33.4 28.8
補司1め 1.93 2.61 1.29 1.72
-23
-29
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(e)十字型ブレース(補剛力1.9)
土木学会中部支部研究発表会 (2015.3)
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H ・800
-4_00 -2.00 0.00 2.00 4.00
ひずみ e(%)
(b)十字型ブレース(補剛力 2.6)
iσmax=500N/mm2
つ
;
(
f
)
十字型ブレース(補間JI力2.6)
函
-5
詰験後供試体状現
3.実験結果
実験により得られた各供試体の応力一ひずみの履歴
曲隷を臨-4に示す.引張額11を正とし,圧縮領.uを負と
し続軸に応力σ(N/mm2),横軸にひずみε(%)をとっ
ている.試験後のプレースの状態を図-5に示す.
図より,いずれも,最大荷重が約 8MJ'呼,土3.0%
(P4拘置1.8は::t2.0%) の衡亙しに対して,二重鋼管プレ
ース(P49ωでは途中で耐力が低下することなく安定した
履歴曲線を描き,高いエネルギー吸収性能を示した.ま
た,十字型プレース(H490)では,ひずみ 3.0%の7回目の
ループで若干の耐力の低下が現れたが二重鋼管ブレース
同様に十分なエネルギー吸収
t
生能を示した.各供試体は
すべて圧縮担.IJの履歴が若干ではあるが引張側よりも大き
な値となっている.これは圧縮時にプレース材が局部産
屈を起こすことにより補剛管と欄虫し,その開に生じた
摩擦力により補剛管が軸力の一部を負担したことによる
ものと考えられる.ただし,圧縮到の耐力上昇I訴守 l割
程度に納まっており,実用上問題ないレベルと言える.
試験後に軸材を確認したところ,十字型ブレース
(H490)では軸材とリブの溶接部を起点とした亀裂が
確認されたが,破断には至っていない.二重鋼管プレ
ース(P490)試験体には亀裂は見られなかった.
4
.
まとめ
いずれのブレース形状に対しても,高軸力下で十分
なエネルギー吸収性能を示すことが確認できた今回,
補剛力によるエネルギ}吸収性能の差は見られなかっ
たため,従来設計(補開力の小さい側の設計)でも十
分な性能を有することが確認できた.
参考文献:
1)(社)日本道路協会:道路矯示方書・問解説 V耐
震設計編, 2012.3
2
)
佐藤崇,宇佐美勉:座屈拘束プレースの性能実験一
全体座屈防止条件の検討,名城大学理工学部研究
報告,No.48, 2008年.
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