• 検索結果がありません。

現在の西ドイツに於ける犯罪捜査機関としての検事の刑事警察との関係

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "現在の西ドイツに於ける犯罪捜査機関としての検事の刑事警察との関係"

Copied!
20
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

現在 の西 ドイ ツに船 ける犯罪捜査機関 としての

田 和 俊 輔 (昭和62年5月31日受理)

1.検

事 の捜査機 関 としての地位 と権 限― 〔1〕 問題提起 と序文―現時点における西 ドイツの捜査機関としての検事の法律上の地位の定義 と論争 〔2〕 権力分立論からの捜査権分離説 (糸L問訴訟訣別のための検事制度導入沿草を踏 まえての) 〔3〕 警察権濫用か ら刑事人権を保護するための検事の「法の番人性」

(4)実

務上の警察独 自捜査 と主体性が検事の法律上の捜査主体性の形骸化を招来 している事実 と上記の肯定 と否定の見解 〔5〕 警察に対する捜査指揮権の縮小 〔

6)改

革案についての捜査上の個々の問題点

2.結

1)現

在の西 ドイツにおける三命題―①捜査主体は検事か刑事警察か。②検事に対する警察の

第一着手事件即時送付義務の可否

③検事の対警察捜査指揮権と下命権についての学説朔

流 〔

2)ゲ

セルの主張 〔3〕 ロクシンの主張 〔4〕 ペータースの主張 〔5〕 私見

1.検

事の捜査機関 としての地位 と権限

1)問

題提起 と序文―現時点における西 ドイツの捜査機関 としての検事の法律上の地位の定義 と 論争 現時点における西 ドイツの捜査機関 としての検事の法律上の地位については

,な

お未解決で

,刑

検事 の刑事警察 との関係

(2)

88 田

法雑誌1984年第26巻第3・

4号

に発表 した拙稿(°にあるとお り

,1978年

11月 17日

,司

,内

務両大臣 会議設置合 同委員会発表の「検事 と警察間の地位明確 と分割の法律上の新規制 をめ ぐる共通報告 ,,Gesamtbericht zur Klarstenung und tellweisen gesetzlichen Neuregelung desヽ たerhaltnisses von Staatsanwaltschaft und Polizei“ が国会 に提出 され

,警

察の組織上の発展 と技術的装備

,事

上の訓練

,教

育 の進歩 を理 由に,「警察 に独 自捜査 に基づ く決定権 を与 えよ」,「検事の警察 に対 する 直接指揮権 を廃止せ よ」,「警察捜査終結後

,検

事へ事件 を即時 に送付す る義務の廃止」が要求 され た。 この提案 は

,刑

事手続 における検事の地位の変更 に とどまらず

,そ

の実現 は法治国の刑事手続の 根幹 を一変す ることになるとの理 由で

,国

会 に依 て否決 された。その結果

,西

ドイツにおける法律 上の「捜査の主体」 は検事である。(刑事訴訟法160条StrafprOze8ordnung以 下Stpo)。 しか しその 実状 は警察が主導性 を持ち

,そ

の食い違 いを法治国 として どの様 に補正すべ きかはわが国にとって も示唆が大 きい。警察の上記の要求 をその侭 とおす ことは西独の「法の番人性

J概

,仏

の「社会 利益代表」概念

,わ

が「公益の代表者」概念か らも首肯で きない。 この調整点 を何処 に求めるかが 小論の論点である。

(2)権

力分立論か らの捜査権分離説 (4し問訴訟訣別 のための検事制度導入の沿革 を踏 まえての)

ゲセルKarl Heinz GOsselの 解釈 に依 ると,検事 の地位 と権限 についての論争で新 しい局面 を迎 え た。

局面打開のためには

,原

点 に戻 らなければな らない。原点 は,「前世紀 中葉 に検事制度が フランス

か ら導入 された。それ故

,当

然 フランス的な ものであった

?が

,「当時のプロイセンの司法大臣だっ

たウーデン

Uhdenゃ

サ ビィニイVon Savignyに よって法の番人Wachter des Gesetzesと 解釈 された。)

「検事Staatsanwaltschaftが 先ずラインラン トに導入 され,事後 ドイツ連邦全土に拡大 されて行 った のだが

,時

あたか もドイツ連邦 は共通法Gemeingesetzの時代 であ り

,刑

事手続 は共通法 に依 る糸し問

手続InquisitiOnverfahrenが行われていた。J

糸し問手続 の特色 は,裁判機関Judikat eorganが 捜査機関Ermittelul■gsorganを 兼ねるのであるが甲

検事の導入 に依 て

,こ

の捜査手続が三分 され

,狭

義 の捜査機関たる警察 と

,そ

れに続 く広義 の捜査 といえる前手続Vorverfahrenと され

,検

事 を以 て

,

この手続の主催者 とした。 ゲセルに依れば,「モ ンテスキューMontesqueの云 う如 く,権力 を一手 に掌握すれば必ず専制 につ ながるか ら

,各

別の機関に分立 され

,相

互の均衝

,抑

制が計 られなければな らない。 その ことは刑 事手続 において も同様 で伊予審 は,糸し問手続の名残 りであ り,「捜査 にかかわ った裁判機関の官吏が, 捜査印象 をその侭

,判

決担当の裁判機関の同僚 に手渡す ことになる。

?

(3)

現在 の西 ドイツにお ける犯罪捜査機関 としての検事の刑事警察 との関係

89

3)警

察権濫用から刑事人権保護のための検事の「法の番人性」 これでは,「到底公正な判決は望めない甲 として,わ が国の現行法の予断排除に近い見解を示した 上で,「 1848年の検事制度導入がこの要求にこたえたΨとしている。 彼は

,更

,検

事のこの権限を「法の番人性Jに 帰属させているが

,こ

の性質は,「当時

,顔

発 し た警察に依る捜査活動中における人権侵害や職権濫用の排除に役立った

Pと

している。「現代におい ては,この様なことは稀であるが皆無 とはいえない」0として,刑事訴訟法Strafproze8ordnung(StPO) に見 られる公益の代表者性 とそれ故に帰着する非当事者性(1'を示唆 しているのである。 〔4〕 実務上の警察独 自捜査 と主体性が検事の法律上の捜査主体性の形骸化を招来 している事実 と 上記の肯定 と否定の見解

このことが以前の拙稿に云 う如 く

,ペ

ータースKarI Petersゃ

,ロ

クシンCIaus Ro nのいう「被

疑者の人権保護の後見的役割を果していた予審Gerichtlichvoruntersuchungと その手続を主催してい た予審判事Voruntersuchungsrichterの廃止は

,捜

査が事実上

,警

察の手に移った現在

,被

疑者にと つて不幸である」1)や「法律上は

,検

事が捜査の主体であるのにかかわ らず

,警

察が主体的に捜査 し, 捜査終結後

,は

じめて書類 を検事に送るという違法を敢てしてお り

,検

事の捜査権 を有名無実にし ている。これは憂慮すべきことだから

,検

事直属の警察官を持つべ きである」身という学説 と提言を 生んでいるのであるよ働これは

,現

行の裁判所構成法Gerichtsverfassungsgesetz(GVG)152条 に船

,検

事の捜査指揮権の対象が警察官一般から

,特

定警察官になっていることに対応する見解 と考 えてよい。 ゲセルの見解は反対であって,「検事 と警察の関係 もまた権力分立論 を以てし

,検

事 は

,裁

判機関 と捜査機関の中間を結ぶ指令機関Schaltstelleであ り,その両機関 との距離は等間隔であるべきであ る。そうすることに依て

,検

事は捜査業務や前判決業務から解放 され

,警

察の違法捜査 と判決機関 の誤判から人権を護れる。だから「法の番人」なのだ(1°とするのである。 〔5〕 警察に対する捜査指揮権の縮小 ゲセルは更に

,改

革提言 として,「検事は自ら捜査せず

,警

察が捜査 し

,送

付 して来た事件につい てのみ

,起

,不

起訴 を合目的々に決定するだけでよい」0と し

,マ

ックス プランク研究所が「8

人の検事の実務記録から

,軽

微犯罪Begatellと 犯罪の大部分 を占める中間犯罪mittler Kriminaltat

については

,警

察に独 自捜査 させ

,そ

の結果だけを送付 させ

,起

,不

起訴だけ決すればよい。そ の意味では

,検

事 は紙力日工業者である

Jと

しているのを引用 している。但 し

,同

研究所の提言理由 は

,権

力分立でな く

,検

事の捜査能力が多発犯罪のすべてに対応するには限界がある(lωということ

(4)

輔 ゲセル は,「法の番人 としての検事 は

,自

ら取調 をす るべ きでな く

,検

事の影響 を全 く受 けずに捜 査 した執行機関の合 目的々 な努力の成果 について公訴 を提起する権限が留保 され るだ けだか ら

,下

部機構 に対 する要求 (つま り指揮権)も肯定 されな くなる甲 とする。 しか し

,彼

,捜

査 に更 に上 位の捜査概念 を想定 した如 く,「検事 は番人性 を踏 まえて

,個

々の捜査機関の捜査 を客観的正確度 で 検査 し

,そ

れに依 て

,起

,不

起訴 を決定 した後

,被

告に対する公訴事実 をつかむ様 に努 めなけれ ばならない。 そうす ることに依 てはじめて

,検

事 は刑事手続 において客観的正義 を実現 しようとす る国家意思 を維持す るための国家機関 としての正 しい地位 を保つ。 そのために捜査機関か らも判決 機関か らも距離 をおいて管理 し

,両

者 を結ぶ帯 とな り

,捜

査機関の合 目的性 と裁判所 の正義がろ過 されずに混在するの を防止す るのだ甲 とし,わが国の現行法刑事訴訟法204① の下 における検事の法 律捜査 を想定 しているようである。 しか し

,捜

査 と判決か ら遠 ざかることが何故両者の結合管理機 関になるのか,Vゝわんや両者の上 に立つ調整機関 とな り得 るのか理解 しに くい。彼 はその根拠をす べて「法の番人」性 に帰せ しめて,「『法の番人た る役人』"Wachteramt“ の性質になじむ範囲内にお いてのみ検事 に捜査業務 を与 え

,そ

の他の場合 は犯罪行為の追及 については

,警

察の独立 した業務 とすることで

,理

論 と実務が一致する」9と す るのである。彼 は

,ま

た「共通法時代 の糸し間手続 にお ける発達 と逆 に

,当

時の司法の支配 を欠いた欠点が現代 では

,検

事の管理的捜査権Kontrollierende Ermittlungstatiqkeitに 依 て調整 されている雪°としているから,低次元での捜査権 のかわ りに高次元 の捜査権 こそ検事 には必要 といっていることになる。つ まり実務上 は

,検

事 の捜査 す可 き事件 と警 察の捜査す可 き事件 を分類 した といってよい。 彼 はい う「事実

,検

事が

,そ

れ (捜査

)を

断念 した ことには

,ほ

とん どな らない。 もっ とも検事 自ら着手 した事件で も

,通

常事件であれば

,事

実上

,警

察の優越が明瞭である。 しか し反面

,テ

ロ リス トの暴力事件や重大犯罪Karitalverbrechenに あっては

,検

事 は

,指

,足

型等の不可欠の資料 や犯罪捜査上必要 な犯跡の物理

,化

学的調査のための設備 を占有する警察 に対 して

,つ

ね に命令す る。州刑事警察庁職員Landeskriminaldmter又は連邦刑事警察庁職員Bundeskriminallmterの補助 な しでは検事 は

,

どのような銃か ら

,致

死弾が発射 されたか全 く確認で きないか らである。検事 は また解明に必要な教育や専門知識 を広 く持つわ けでないか ら

,警

察 自体 の捜査権 内の設備 は遅滞 な く検事が閲覧で きる。 また

,そ

の他

,検

事 は経済事犯 については

,証

人尋問や差押 え等

,捜

査 に必 要な権限 を確保 してい ることを着過 してはな らない。Yり として,検事固有の捜査権 を想定 し,これに 対する捜査協力機関 としての刑事警察機構 とその科学的設備 を挙 げ

,検

事が捜査 に当 り

,こ

の使用 権のあることをみ とめてい る。しか し

,検

事の捜査権一般 については依然

,消

極的で,「事実上

,検

事 はその捜査権 か らの撤退 を求め られ るが大勢に影響 はない学りとし,その根拠 として,「検事が捜査 に当 り

,専

門知識 をもつ補助者 を使用 してお り

,そ

れ は形の上 だけは

,検

事局 に編入 されている。 彼等 は全 く検事の資格 を持 たないか らその一部の投入 (差押 え時の文書調査官の様 な

)は

問題が な

(5)

現在の西 ドイツにお ける犯罪捜査機関 としての検事の刑事警察 との関係

91

,検

事の下部機構 の取 り換 えと考 えてよい。 また

,こ

の分野での検事の捜査権 が失 くなって も, 検事 の管理機能 を根底 にした協力業務 は厳然 として必要なのだか ら

,実

質的には何の変更 もない学0 とい う。 また「従来 の検事 の権限の断念 を求 めるものではな く

,む

しろ

,緊

急事件 と

,検

事 の管理 権 の行使 は多 くなる。また捜査行為 は捜査判事 のほかには検事 だけに留保 されているかぎり(例

StPO

100条

1項 ),捜

査行為 は完全 に捜査判事 に委せ

;警

察が着手 した事件の場合 は

,管

理機関の代行者 (つまり警察)の 命令や指揮か ら検事 は独立 させ る様 に努 めなければならない」とした上で

,実

益論 に触れ

,「

現実 には拡大 しつつある理論上 の検事の捜査権 か ら撤退することは

,検

事本来の業務 に 絶大の収穫 をもた らす。 こうすることで

,検

事 は

,わ

ず らわ されずに最大限に合 目的々で経済的な 捜査 に依 て

,警

察の捜査活動の管理的監督 という本来の業務 を獲得できる。」「 それ故

,こ

こで

,警

察が検事 の命令か ら広 く解放 されたい とい う志望 は反対 されなければならない。『検事 た る者が法の 番人性 を発揮できるのは

,検

事 に対 し

,一

切の警察官に対 する客観的絶対命令権 が与 えられ

,全

警 察官がその刑事警察活動 を検事の権威 に従属 させ

,こ

の分野での検事の命令 を受 ける条件 があって 始 めて可能である。』」 とい うサ ビィエイ

V.Savignyの

言葉 を引用 しているV° 〔6〕 改革案 についての捜査上の個々の問題点 ①検事 に対 す る警察の補助官性 とその根拠 とされ る検事 の「法の番人性」(一公益代表者性): 彼 は,検事 と警察の個々の関係 について次の様 にい う。「捜査権 を独立業務 として警察 に委任す るこ とに依て

,検

事 の補助者 としての警察の一部 の名称 は放棄 される。『検事の補助官』という言葉 は以 前か ら警察 に差別的に受 けとれるもの として無用 な緊張 を与 えて来た といわれる。 しか しこれは, た とえ『管理下』として も

,一

,二

の官庁の補助業務 としての独立 した業務活動 を名称づ ける上で, 代替できない。」「 これ に対 し

,組

織的に独立 した犯罪追及の警察 については

,放

棄 されない。検事 の管理の明 白な限界 に関 して

,如

何 なる部分 の警察官が検事の管理下 に活動 し

,そ

の命令 に月叉すべ きか明示 されなければな らない。そのほかの警察は法律上,検事 に対 して職務上の共助義務がある。Y° とした上で

,彼

は更 に検事 に対する警察一般 の服従義務 を強調 し「法の番人 としての検事 は捜査活 動だけでな く

,非

捜査活動の面で も警察 を管理 しなければな らない。そのため全般 的に検事 に対す る警察からの通報 は必要不可欠で

,そ

の遅滞が許 されないのは勿論

,具

体的な下命権賦与 と個々の 捜査行為の代償計画の形 としても必須である。YOと す る。かつて拙稿で,西 ドイツの公益の代表者性 の根拠 として

,StP016∝

2)の「検事 に依 る被疑者 有利 の証拠 の捜査権 限

,StP029α

2)の上訴権 者

Rechtsmittelberechtigteと しての検事が被告の利益のためにも上訴できることをロクシンClaus Roxin

が挙げていることを紹介したが

VD彼

もこの点では同一路線に立ち

,同

じく

StP0160(2)を

根拠に「被

疑者に対する訴訟法上の保護形体の厳守についての検事の管理活動と

,更

に捜査から解放される状

(6)

輔 田 起訴法定主義Legalitatsprinzipの 厳守の点で も警察活動 を監督することは必要 と考 えられる。Y9と も いう。 その根拠 として

,彼

,わ

が国の準起訴手続 の対象 となる様 なケースを想定 しているかの如 く,「役所 に依ては見解 を異 にする様 な個々の事件 にお てその役所の都合 を考 えるような ことがあっ てはな らない とし

,そ

ういうジャンルは警察が合 目的々配慮か ら

,ま

たはそれ以上 に都合上

,違

法 に捜査 しない場合がむ しろ多いのであるが '0そ の ような ことを警察 に許 さないために検事の監督が 必要であるとするのである。次 に

,こ

の様 な場合 には

,告

訴者が特 に法律 に無知 な市民の場合

,受

理 されなか った り

,私

人訴追Pr atklageの場合

,そ

の関係者が警察か ら

,暗

々裡 に責 め られ ること がある」分とい う。 ②検事 に対 する警察の捜査報告義務 :警 察か ら報告 を受 ける権利 については

,彼

,検

事が管 理する上で絶対不可欠 とし,「StP0163aに対する改正車案12番 1条は

,上

の理由で否定 された」 と し,ロ クシンが指摘 した如 く,9現在既 に,警察がStP0163aの 明文の規定 を無視 して,自 主的な独 自 捜査の終結後 は じめて

,事

件 を検事 に送付 している実状 を非難 して次のようにいっている。「 もし警 察が自分の捜査 に基づいて

,捜

査終結後 に初 めて,その結果だけを検事 に送 るのであれ ば

,検

事 は, 警察に対す る管理機能 をもはや行使 で きず

,事

実上

,警

察捜査の結果 を法律上

,形

式的に起訴のた めの準備 をす るだけの純然たる文書カロエ官庁AktenbearbeitungsbehOrdeに 堕落 して しまう。だか ら 検事 は警察が刑法 に触れ る事実関係の告訴 を受 けた ら直ちに

,報

告 を受 ける可 きで

,そ

うでなけれ ば,刑事告訴の処理 に当っての警察活動 と,それに依 て起訴法定主義の厳守 を管理で きない。す。とす る。また事件処理の実績 について も,ベンデッシュWendischの統計 を引用 し,「彼の統計 では

,警

に依て軽微事件Begatellと 中間犯罪mittler Kttminaltatが 合法的に担当 され

,StP0170条

に依 て通

常の例 として検事 の指揮権Leitulagsbefugnisの 行使 な しに処理 された説明は,単に実状 を述べている だけで,この捜査 の評価の法律の尺度 も正当性 について も何等触れていない。写9と注 目すべ き見解 を 示 している。彼 はまた この様 な提言 を

,い

わば検事 のお為 ごか しの警察利益のす り替 え とも受 け と れる批判 を してお り

,原

則 と例外の峻別 を訴 えている。いわ く「犯罪の増加 と検事 の著 しい人手不 足 を根拠 に してい るに過 ぎない。検事 に とって

,法

律的に固定 された範囲内に船 てのみ

,つ

まり, 軽微犯罪の範囲にお て,例外的に迅速な通報 を受 けることが放棄 を認められてもいいか もしれない」0 とするのである。 ③検事の警察に対する下命権 :ゲセルはいう,「下命権の与えられない管理を検事が効果的に行 使することは不可能である。検事の管理権 は同時に刑事手続法Strafverfahrensrechtに 属 し,州法の 規整の及ばない刑事追行警察strafverfolgend Polizeiに対する下命権も肯定 されるより検事 は警察に 比較 して事実上の犯罪知識は乏しく,また場合に依ては統率力におても経験が乏しいが,ボルフ

WOlf

は,『検事 に

,検

事本来の業務 として,と くに警察の捜査の合法性 と正当性のための管理権が準備 さ れ形成 されるべ きである。J9との所説 も引用 し,「検事 は彼 に指定 された管理的監督の範囲で自分の

(7)

現在の西 ドイツにお ける犯罪捜査機関 としての検事の刑事警察 との関係 命令権 を完全有意義 に占有すべ きであって

,た

とえよ りす ぐれた刑事設備が付加 され ることがあっ て も

,こ

の理 は変 らない。

Jと

い う。 ただ下命権 は管理機能が必要 とす る以上 に及ぶ ことを否定するのがゲセルの特色であって,「た と え具体的な警察官 に対 する具体的な命令が放棄 され得ない としても

,そ

の命令 は既 に具体的に管理 されている捜査 に従事 している警察官に対 してのみ有効である。」としなが ら「 もし

,あ

る警察官に とつて

,指

定 された捜査活動が合 目的々でない と思 えた り

,告

訴 を受理 しようとしない場合 は

,場

合 に依ては

,個

別命令 の方法で この警察官に対する管理権 の即刻の干渉で

,決

定的な時間的ロスを 避 ける必要がある。」9と して,わが刑事訴訟法194条①項 の立法根拠の様 な発想がみ られるのである。 ただ検事の管理権 を裏面か ら確保 した様 に「警察 は刑事追行活動 に関 しては

,常

に検事の管理下 に あるので,警 察官庁の組織OrganisatiOnskOmpetenzと 人事権PersOnalhOheitに 対 して許 されない千 渉はみ とめ られない。 この点 は リュプレヒ トRupprechtと 見解 を異にする。Υ°「ただ し捜査活動のた めに指定 された警察官が未だない うちは

,そ

の時々 に応 じた警察業務 に対する充分 な命令がなされ て し/かるべ きである。rう また更 に重大 な提言 として,「検事 はその管理義務 を維持す るために

,警

察 が捜査活動 に着手 しようとしなかった り

,又

は事実上 の正当性や法律上問題 のない実現性 を警察捜 査の結果を慮って捜査活動に着手できない事件に対 して

,補

充的見地から

,自

分の捜査権 を行使す る」動として,ゎ が国の刑事訴訟法191条①

,検

察庁法

6条

の補充捜査の概念を強調 している。彼の見 解は

,こ

の限 りで

,検

事の捜査後見的性格をうたい

,法

の番人性 と公益代表者性を強 く出している が

,政

治疑獄事件や公害事件に対 し

,準

司法官憲的に行動できる示唆を与えてお り

,正

にぺ‐ター ス

KarI Petersの

い う行 政 目 的 構 造 刑 事 追 行 官 庁

Verwaltungsma8ig aufgebaute

StrafverfOlgungsbehOrdeプラス司法官庁」ustizbehordeF9ロクシンのいう執行部Exekut eならず第 二者機関dritte Gewaltな らず両者か ら独立 した司法機関Organ der Rechtspflegざ 40説に合致 し

,ゲ

セル既述の中間司令所Schaltstelleの様な第二次的権力分立論の所産であることが肯定されるのであ る。「それ故

,検

事の捜査活動のこれ迄の着手権 は放棄されていない制「現在の組織構造は検事にそ の警察に対する直接の番人機能を困難にしている

!OJと

いう一見矛盾 した結論をゲセルは出してい るのである。 この矛盾 の打 開 につ いてゲセル は次 の様 に云 う。 ①検事 と警察の平行性 「第一に刑事警察 と検事の広範な平行性 (検事の待機業務 との

)を

やめるべきである。だから, 一つの組織は潜在的行為者の頭文字に依 らず

,経

済事犯や少年事件の様な固有領域において既に実 施 されている様 に実態に依 るべきである。その際

,勿

,検

事構造の一面的な変更ではなく

,む

し ろ警察 と検事の面で時宜に応 じた連繋がなされてしかるべきである。それは

,時

宜に応 じた組織の 一体化は従来の相互共助以上に密接なものとなることで

,可

能であるをつJ

(8)

輔 和 ②検事 と警察の構造 と業務 の合体化の困難性 「 この新 しい組織構造 はさらに検事が少 くとも組織の一体化の内部で

,警

察の初動か ら裁判手続 に至 る迄

,捜

査 を可能 な限 り完全 に監督 することを確保 しなければな らない。 そうすれば個々の検 事の仕事量や関与度が高め られ る意味がある丈でな く

,法

廷勤務割 り振 りの偶然が立会検事が誰で あったかに依て正確 な事実認識 を難 しくするとい う前後不素通な状態(私見 によれ ば

,わ

が刑訴315 条の開廷後裁判官が変 った ときの公判手続更新 という必要措置が検事交替 の場合 にも考 え られ ると している様 に見 え

,こ

の点 にも前述 したゲセル

,ロ

クシンが検事 を裁判官 に準ずる司法官庁 と想定 している根拠が肯定で きるのであるが)が回避で きる。また こうすることで半J決の質 と判決 に対する 警察の立場同様判決の質が高め られる事 は明 白である。ただ し

,警

察 は

,不

当な無罪判決があると, それ も (第一審判決の場合

)起

訴状 を見落 した り (担当検事局の回避すべ き投入 に依 る

)不

完全な 捜査業務 (私見 に依れば

,

この様 な批判 はわが国においては絶無で

,む

しろその反対 に検事 に依 る 法律捜査の必要性 が再審無罪事件毎 に強調 されている現状 であるが

)に

因 り

,警

察の捜査活動全部 が無umsOnstに 帰す ると

,繰

返 し苦情 を述べ るか らである。しか しなが ら現在の実状 においては(お

よそ大多数の事件 においてであるが

)中

級警察官Beamte des mittleren P01lzeidienstesは

,そ

の尋 問調書 に依 り

,そ

の他

,彼

の捜査活動のすべてに依 て

)刑

事追行の経過 と結果に (検事が その管理 権 を現実に維持 している事件 を度外視 して)決 定 を下 している。」

9(つ

ま り

,実

状 は逆 で

,警

察 は検 事 に責任 を転嫁 してい るというのがゲセルの論 旨であろう。) 「 こうい う警察官達 に老練 な刑事裁判官が訴訟指揮 を欠いていることは日常で

,か

つ悲 しむべ き 実状である。だか らこそ訴訟手続の当初か らの正 しい転轍 を欠いた決定的な法律見解のあることが 全 く視野 にないことが

,き

わめて

,ひ

んぱんに警告 されている子

9だ

か ら

,不

当な無罪判決のあった 多 くの刑事手続や不当な有罪判決

,ま

たはそれが両者の場合 は正義の不備 に帰す るのである。f° ③業務上の合体化 を仮定 しての検事の再教育 の必要性 新 しい組織上の編成のためには事実上の教育が必要である。警察 との協力のために検事 に卒業試 験のある犯罪知識の課程が設 けられなければな らない。 ④検事仕事量の軽減施策 検事の負担過重 を防 ぐためには,必要不可欠な定員増 と共 に軽微犯(500ドイツマルク迄の損害の様 な)の分野では検事のサイドでは起訴便宜主義Opporturitatsprinzipの拡大 を考慮できればと考 える。甲)

2.結

1)現

在の西 ドイツにおける三命題

①捜査主体は検事か刑事警察か

②対検事

,警

察第一

着手事件即時送付義務の可否

③検事の対警察捜査指揮権 と下命権についての学説潮流

(9)

現在の西 ドイツにお ける犯罪捜査機関 としての検事の刑事警察 との関係

95

以上概観すると

,現

在の西 ドイツでは

,1978年

の改革原案が国会で否決された以後 も

,①

「検事 ん彬巳罪捜査の主体である(StP0160条)」②警察に依る犯罪捜査の遅滞なき検事への送付義務 (StP0163 条(2))」 ③「をE罪捜査に当って警察に対する検事の下命権の堅持 (StP0161条

)の

三原則 は法律上不 変 である。問題提起 に対する解答 と考えられる提案が数多 くなされ

,現

,改

革学説 としては

,ゲ

セル

,ペ

ータース

,ロ

クシンが顕著である。 〔2〕 ゲセルの主張

①検事 は個々の犯罪捜査か ら撤退すべきである。②個々の犯罪捜査から 撤退する替 りに

,監

督捜査権 を持ち,そ の実現のために

,警

察に対する下命権は絶対 に必要である。 ③下命権はStP0161条 が

GVG152条

の「補助官」"Hilfsbeamte“の言葉に結びついて

,警

察が これを 「差別的刺激的」小言葉 として受け取って

,改

革案の報告の一因になったのだが

,上

記の理由で問題 ` にならない。

1,2の

虫張根拠 として,「権力分立論」を挙げ

,検

事は執行機関たる国家機関 とし

,捜

査機関 (警察

)と

判決機関 (裁判所

)の

中間に位する指令所,,Schaltstelle“と想定 し

,そ

うすること で

,捜

査機関の恣意に依 る違法乃至不当処分か ら被害刑事人権を護ることができる。その事例は, 職権濫用に依 る違法捜査 と

,職

権不行使 に依 る不捜査である。後者は

,微

,合

目的配慮 に依る場 合が多いと

,警

察は説明するが

,起

訴法定主義をとる以上

,そ

れでは

,当

事者の納得が得 られない 点が挙げられ,ま たSchaltstelle化することで対裁判機関関係では

,誤

判から刑事人権 を護 り得ると する。 彼 は

,こ

の根拠 を古 く

,サ

ビイエイ

,ウ

ーデンの検事「法の番人」説 に求め

,職

権濫用 も誤判 も 「法の番人」 に依 て制約 され

,排

除せ られ る可 きもの とする。 彼 に依 ると,「検事」なるものは糸し間訴訟が

,捜

査機関が裁判機関であるという弊害 を避 けるため に

,フ

ランスか ら19世紀 中葉 に ドイツに導入 されたので

,そ

の沿革が既 に権力分割 である。 その権 力の中か ら更 に捜査 と公訴 を分離することに依 て

,前

述の様 に

,警

察 と裁判所 に対 す る等間隔の指 令所 となって

,前

者の した捜査事件の中か ら

,公

判維持可能 なものを選別することで

,フ

ィルター の役割 を果 し

,違

法判決の回避 をす るか ら,「法の番人性」│こ適 う。だか らこそ

,警

察 の捜査送付義 務は必要

,③

の警察への下命は必要。そうでないと

,捜

査の管理は書類加工だけになって不能

,そ

れは「監督その ものを不能にする。現実に検事の管理の下に警察の捜査は行われてお り

,検

事の捜 査のために

,必

要な専門知識を持つ技官を使 っているし

,重

要犯罪やテロ事件や経済犯罪などは, 検事が排他的に捜査 しているから

,個

々の捜査権を検事が放棄 して

,現

実は何等変 らない。むしろ, 「管理捜査権」を行使することで「法の番人」 としての国家機関の実を挙げることができる」 とし た上で

,注

目すべ き見解を示 している。それは

,現

行 StP0160条(2),296条(2)の被疑者利益証拠の捜 査

,被

疑者利益の上訴に見 られる「公益の代表者性」か らではな く「法の番人」性 に徹することで, 検事の非当事者性 を維持できるとしていることで

,フ

ランスとは違いフランスか ら検事が導入され たこ はいっても

,フ

ランスでは ドイツが拶F斥した「予審

Jを

維持 し

,予

審判事は捜査機関

,か

つブF

(10)

輔 現行犯

,重

罪について は

,そ

の主体であ り

,裁

判機関が捜査 を行 なっている現実

,そ

れ も後見的な 立場で行われ

,検

事 は現行犯

,軽

罪 についての主体

,公

訴官ではあって も

,当

事者である。公益の 代表者性 は

,私

訴が広 汎に認め られてい るため

,二

本立起訴 という形 をとってお り

,こ

の点で検事 は

,民

衆 との共同代表訴訟当事者 という立場 にあ り 'り その故 に「公益の代表者」といわれ るが

,当

事者であ り

,そ

のため に

,被

告に有利 な証拠の捜査義務 は負わないよりの2しか し対警察関係 は

,

ドイ ツ と根本的 に異 り

,単

なる検事の補佐官

,補

助者 ではな く,ド イツの刑事警察Kriminalpolizeiに

当す る司法警察police iudiciaireその ものが

,上

訴法院検事長(prOcureur genenalの 監督下 に

,大

容 裁半」所grande instance検 事局の共和国検事 (prOcureur de la Rё pubique)の 指揮下 (direction)

に運用 され (C.P.P12,13),治罪法(Code d'instructiOn criminelle以 C.IC.とぃ ぅ

)下

では

,検

(ministOre public),予 審半」事 (juge d'instruction)共 に高級司法警察官 とされていたが (C.I.C

22,63)そ

れでは予審判事が上訴法院検事長の隷下に置かれる不合理か ら

,(C.IoC.9,279.57)現

行刑事訴訟法下では

,検

事予審判事共 に司法警察官の枠か ら外 されたが

,司

法警察官の指揮及びそ の行為 のすべてがで きる (C.P.P,41,Ord.23 dOc.1938)こ とに改め られたいきさつがある。 これ等 の点か ら見 る限 り

,ゲ

セルのいうようにフランスか ら承継 され

,そ

の影響 を強 く受 けた とは言いな が ら

,そ

の受 け取 り方 は,「公益の代表者性」と「法の番人性」ゲセルは

,共

通法時代 の糸L問訴訟か らの脱皮 として,フ ラ ンス検事導入 をとらえ

,裁

判機関 に依 る捜査が一機関に依 る権力集中 と断 じ, この分割 を更 に捜査 と公訴の分割 に発展せ しむべ し

,

との論 旨に立 つが

,そ

れでいて

,な

お管理捜 査権 なる概念 を捜査,裁判両機関 に対する監督作用 として肯定 し,その根拠 をプロイセ ンに定着 した 「法の番人性国家機 関

Jと

いう概念 に帰属せ しめた ことは

,フ

ランスの予審 と予審判事 の関係 にお いてど う説明するのか

,ま

,個

別捜査の否定 と管理捜査間の「ひずみ」

,警

,裁

判両機関 に対 す る「監督」作用 は,「権力分立」に違反 しないか

,個

別捜査の否定 は

,フ

ランスの検事 に依 る司法警 察その ものの運営 をどう説明す るか等の問題が残 る。 (3〕 ロクシンの主張

この問題に対 して

,ロ

クシン

,ペ

ータースの最近の論旨は

,明

快な解 答を与 えている。前項で紹介 した如 く,ロ クシンは

,①

検事 は明文 どお り

,犯

罪捜査の主体である。 ②改革素案に盛 られた様な警察に依 る検事への捜査不送致

,第

一次自手的着手 と主体的独自捜査の 終結後

,そ

の結果だけを検事に送付 しているのは

,飽

く迄

,事

実上のことで

,現

実に捜査の実体が 警察に傾 いているに過 ぎない。 この実体が既に法律違反であり

,法

律違反が実体だか らといって, 法律をそれに合わせるのは本未顛倒である。③検事は「手のない頭」だからDの 3「手」をな くして は捜査はできない。捜査 しなければ公訴はできない。命令権 とその裏付けたる「補助官」"Hllfsbeamte“ たる地位 を「差別的」「刺激的」と受け取っての否定論であるとするならば

,警

察官の一定階級

,一

定範囲のものを一定条件の下で

,検

事直属の刑事警察官 とし

,そ

の他の警察官の共助義務に依て捜 査をさせる可 きであるとし,現実にこれは裁判所基本法

GVG152条

に依て具体化 されている。④検事

(11)

現在の西 ドイツに於 ける犯罪捜査機関 としての検事 の刑事警察 との関係 の法律上の地位 は

,ゲ

セル と違 い

,裁

判機関 とは異なる司法部judikat eであ り,ただ裁判官の様 な 独立性や身分保 障 はな く

,相

互 に下位者が上位者 を代理す る生命下服の関係 にある。だか ら,(わが 国で もいう

)検

事一体 の原則が適用 され (フ ランスの大審裁判所検事局が共和国検事の下 に

,検

事 代理 '° 検事補 に依 て一体 として構成 される意味 とは異 なる),ヒ アラルキーをなす機関であるか ら, ドイツの検事 は司法機関Rechtspflegensorganと 呼 ばれ る,° だか らロクシンのいう国家機関 として は司法官庁justizbehёrdeで

,普

通の行政機関で もなければ

,第

二権 (一裁判所

)で

もな く

,そ

の中

間に立つ独立の司法機関SelbstandigesOrgan des Rechtspflegeで ある。

だか らこそ

,被

疑者

,被

告人 に有利 な捜査

,上

告権 を持 つ公益の代表者である。 それ故刑事訴訟 法上は「非当事者」 なのだ°°の2とするのである。 〔4〕 ペータースの主張

またペータースは① については

,ロ

クシンと同見解。ただ し

,刑

追行使命に関 して

,検

事 は警察 と同質であ り

,検

事 は公訴官た ると共 に二重の性格 を持つ。だか ら, 行 政 目 的 に そ っ て 構 築 さ れ た 刑 事 追 行 機 関

Verwaltungsmaβ

igaufgebaute―

strafverf01gungsbehOrde(警 察 と同 じ刑事手続に従事する)と 同時に

,司

法省 に居て

,裁

判所 にか かわる司法官庁justizbehёrdeで ある。この点

,警

察の組織 と職務が内務省に属す るの とは違 うので ある9た だ②について

,西

ドイツ刑事訴訟法が検事 を捜査の主体 としているのは

,捜

査 は実体捜査 だけでな く

,法

律捜査の吟味 を期待 されてお り

,犯

罪の科学性 は犯罪についての専門知識 を必要 と する度合が増大 し

,そ

の必要度 に応 じて

,現

行の刑事訴訟法が制定 され たため

,捜

査 における比重 が警察 に大 き くかか る結果 にな り

,具

体的には

,警

察が告訴 を受 け付 け

,独

自に主体 的に捜査 し, 終結結果だけを送検 しているのは違法であ り不 当である。警察が合 目的々に捜査 した事件の結果だ けの送付 を受 けて

,公

判 を維持で きる公訴の可否の判断はで きない。立法者が もし

,そ

れで充分, 検事 は結果だけを受 けて公訴提起 だけすればよい と考 えているのならそれは見当違 いだ。だか らこ そ

,②

について検事 は

,警

察捜査の結果 を更 に捜査 しているのだ

,と

した上 で

,③

について この様 に

,捜

査の実体が警察 に移 って しまった現在 に船 て

,予

審が廃止 された ことは不幸である

p予

審 に 依 る捜査

,殊

に被疑者

,証

人 に対する尋間がな くなった ことは

,折

,警

察捜査 に船 ける調書 と,裁 判官調書 に証明能力の差 をつけて も

,予

審 という中間手続 の捜査が省かれてしまっては

,検

事 は予 審の主催者ではないか ら:50予審判事な きあ との中間手続 きの主催者にはな り得 ないξ働しか も警察に 対す るチェックも充分 でない以上

,真

実発見のための実効 は挙 らない というのである。 もっとも, ゲセルは

,

この点 について興味ある提言をしてお り

,検

事が「法の番人」として警察捜査 を管理 し, 裁判の適正 を監督 するためには

,科

学捜査 と犯罪 についての新 しい訓練が検事 に必要であるとする のである。 しか もその訓練 は『卒業』 という到達測定のある『課程』が必要であるとい う伊

9彼

は, また警察幹部が「検事が実態に即 さない捜査 をして

,起

訴 す るか ら

,無

罪判決が下 されることがあ る。 これでは自分達警察の努力 は水泡 に帰する。」とい う不満のあることも,こ の論拠 とす るのであ

(12)

る。ひるが えって

,ペ

ータースは

,現

行法上否定 されている警察の強制処分 Zwangsmittelに 触れ,

フランスである程度認 め られた予備捜査

enquote prehminaire,監

garde a vueに

相 当す る仮

逮捕Vorldufigfestnahmeの 運用が事実上,強制処分規程 を空洞化する危険 を警告 しているのである。 事実,前述の様 に,告訴,告発の受理権 を含 む第一次捜査着手権 を取得 し,捜 査報告規定 を空文化 し, しか も

,現

行法上被疑者尋間に当って

,検

事のそれの場合 には

,弁

護士帯 同権があるのに反 し

,警

察のそれの場合 には

,明

文の規定力単銀)な

:準

用規定 も

,被

疑者の任意退去権規定 も欠いている以 上

,ペ

ータースの指摘 は もっ ともである。ゲセルは

,

これに対 し

,検

事補佐官 としての捜査判事 の 存在で

,捜

査調書 に対 し

,公

判調書の証明力の絶対的優位 をいうがすか前者 は

,強

制処分 を書類上チ ェックするにす ぎず

,現

実 には

,既

述の様 に

,警

察調書がチェックスルーの状態で送検 されている 以上

,少

くとも軽微犯罪や中間犯罪 (犯罪の大部分 を占めていると

,統

計のい う

)等

軽微犯 に対す る起 訴 便 宜 主 義Opportunitatβprinzip)の 被 疑 者 は

,(一

部 の 例 外 を 除 き

),起

訴 法 定 主 義 LegalitatSprinzipを とる西 ドイツにおいて,殆ど被告 とな り,前記の様 な警察の意見がある以上,有 罪 になることになると思われる。 この点

,フ

ランスの予備捜査 (enquOte prOliminaire)(Ord,n° 60 -529 du 4 Juin 1960)C.P,P.75,は

,あ

く迄

,共

和国検事又 は予審判事の着手迄の準備捜査であ り , 検事長の監督 に月艮し(C.P.P.75)その捜査結果 は尋間調書 を含 め

,完

全 に検事又 は予審判事 に引継が れるのであ り

,共

和国検事 のチェックがある(CP,P,77)。 留置 については(C,P,P.65,68,69,72), 「監守」(CP,P.154)°9も またわが刑訴203条①の48時間の警察留置やStP0127条 の仮逮捕Vorlaufig一 festnahmeと は趣 を異 にし

,あ

く迄予審判事のチェックの下 に許可 され る24時間以内の被疑者の身 柄確保であって

,予

審判事 の警察に対す る共助嘱託 (C.P,P.151)に 基づいている。 ひるが えって, ゲセル教授 は裁判所の職権主義 を肯定 し,そ の根拠 として,「判決の基礎 は公判審理でのみ定 まるべ きものであ り

,捜

査機関の調書の証明力 は公判調書 に比べて

,は

るかに低 く公判廷 にお て朗読の対 象 とな り得 る範囲 は制限が加 えられている」ことを指摘 され甲°その点ではペータース教授 と同軌 に 立つもの と思われ る。ただ

,そ

れ故に

,検

事 と警察の捜査権 に転換があって も被疑者

,被

告人の刑 事人権保護の上で大局的な影響がない とされている点が

,そ

れでは不充分 とす るペータース教授 と 逆である。 またゲセル教授 は法律の規定する非 当事者主義 を支持 され

,そ

の見解の下 に検事の非当 事者性 と糸L問性 を肯定 され

,検

事の非当事者性 は「法の番人性」 に帰納 されるか ら

,検

事の「管理 捜査権」(一国家機関 としての対警察

,対

裁判所監督作用

),そ

れにつなが る「警察 に対 す る下命権J の支持。以上 を総合 して「検事」 を「警察 (捜査

)と

裁判所の中間指令所」化 に依 る問題解決 をは かるのに対 し

,ペ

ータース教授 は

,警

察 に依 る非公式捜査 は人権侵害のおそれあ りとして

,そ

の抑 止機関 として「予審判事」 と「予審」 を再評価 してお り

,現

行のフランスの刑事手続 に近 い発想が 見受 けられ る。 またロクシン教授 は現行法上の検事の捜査主体位置 を現実に確立 し

,そ

の手足たる 捕助警察官の確保 に改革の方向を示 した と解 され る。

(13)

現在の西 ドイツにお ける犯罪捜査機関 としての検事の刑事警察 との関係

99

〔5〕 私 見

以上

,要

約す ると

,西

ドイツの現状 は,「検事」について

,国

家代表一公益代表 ―「法の番人」故 に職権主義

,故

に非当事者

,だ

か ら (予審判事的な)糸し問主義 の肯定が「真実発 見の責務」 と符合 し

,そ

の範囲内で積極

,消

極 を とわず違法執行の対象 となっている被疑者

,被

告 人の救済 とい う図式が想定 され る。 その様 に考 えると

,ゲ

セル

,ロ

クシン

,ペ

ータース共 に理念 に お Cは変 らず

,そ

の方法論 にお いて相違があるに過 ぎない ともいえる。 この点

,西

ドイツに「検事」 制度 をもた らした祖法国のフランスでは,「検事」 は

,民

衆訴訟のパー トナー (私訴 との関係 で), 社会利益代表(私人 と国家 を法律上

,対

等の人格 と見 るか ら)甲0当事者主義 と弾劾主義 を とり

,検

事 は当事者であ り

,捜

査段階で予審判事 に依 る強制処分のチェックと採証証拠 に対 す る吟味があるか ら甲ω検事 は前記の公益性 はあるが

,公

訴提起後 は原告性 に終始

,徹

底 し

,被

疑者

,被

告 に対す る「真 実発見」等の名 における保護的活動の責務 はない。 しかし

,捜

査の実力行使機関 としての警察 (西 ドイツ刑事警察

),(フ

ランス司法警察

)が

西 ドイ ツでは検事 の「補佐官」乃至「補助者」であるのに対 し

,フ

ランスでは

,司

法警察 その ものが組織 体 として

,検

事 に依 て管理 され

,運

営 され

,指

揮 され

,そ

の執行の適法性 は常 に予審判事 と共和国 検事 に依てチェックされることで

,当

事者主義の欠陥が予審判事 とい う

,公

の法律専門家 に依 て補 足 され

,被

疑者 と告訴

,告

発者 (私人の場合

)が

共 に保護 されている点 に根本的な相違がある。長 短 は別 として

,治

罪法時代 と旧々刑事訴訟法時代 にフランスに範 をとり

,旧

刑事訴訟法時代 に ドイ ツに範 をとったわが国の検事の地位 は敗戦後

,合

衆国の影響 を受 けた為 に前二者 の折衷 として

,公

益代表

,国

家訴追

,起

訴独 占

,当

事者主義的非当事者

,捜

査主体 は二本立て

,警

察 との間 に上下性 なしとされ

,(事

)一

次捜査 は警察

,送

検後の公判維持可能性確認 目的の為 の捜査 (法律捜査)と 補充捜査 (法律捜査

)は

二次的で

,そ

の責務 は専 ら分業 としての公訴提起

,公

判維持 に絞 られ

,

し か も英米法の私人訴追や大陪審甲

D小

陪審 (審理陪審

)は

一切み とめず

,私

人の司法参加 も排除 とい う大陸法な らず英米法な らず

,本

,訴

訟当事者でない警察の「当事者」主義が強調 されている現 在

,現

時点の酉 ドイツにおける「犯罪捜査機関 としての地位論争」 は

,わ

が国の将来 に大 きな示唆 を与 えるであろう。 注 田和俊輔 :1978年 以降の西 ドイツにお ける検事の地位 と刑事警察の関係考証一祖法国たるフランス,旧刑訴承継 国たるわが国 とのかかわ リー刑法雑誌26巻3・ 4号,昭和60年7月15日,429-451買

Kari Heinz Gδssel, もberlegungen dber die SteHung der Staatsanwaltschaft im rechtsstattlichen Strafverfahren und uber ihr verhaltnis zur Poli2ei,Christian Schё nebOrn,StrafprOzessuale Wiederauf― nahmeproblematik,」

C B

FOhr(Paul siebeck)Tubingen, 1980, S 326 ; Ernst Carsten, Strafrechtliche Abhatadlungen,1left 299,Die Geschichte der Staatsanwaltschaft in Deutschiand bis zur Gegenwart Bresiau, 1932 SS 15-17

(14)

100 田

(3)Gδssel,op―cit,もberlegungen,SS 326-328 i Carsten,Op― cit,S 24 (4)Gёssel,op―cit,もberlegungen,S 327,Carsten,Op― cit,SS 17-18 (5)Gδssel,op―cit,もberlegungen,SS 332-333

(6)G6ssel,op― cit,もberlegungen,S334 (7)G6ssel,op― cit,もberlegungen,S 334 (8)Gδssel,Op―cit,もberlegungen,S336 (9)Gδssel,op―cit,Uberlegungen,S339,341 10 Gёssel,op一cit,もberlegungen,S339

Qり Claus Roxin,Strafverfahrensrecht,18 Auflage,Mdnchen,1983,s.48,S 52 KarI Peters,Strafprozess,Ein

Lehrbuch, Heidelberg, 1985, SS 182-183 (121Karl Peters, op― cit, strafverfahrensrecht, S 533,,[)ie Beseitigung der VOruntersuchung wareク 9/7P斃″λυο〃,wenn sie unter」 ιι縫″カク2PF冴♂/Sta金んρηηα港た力りを

zum

αι鞭 物♂滋ι″ クο′拷♂デ′√θ力ο″β/物″〃″にζ§υ¢均修力″〃 fihren wurde“ (loQηCIaus Roxin, op― cit, Strafverfahrensrecht, 18, S 52 ,,Nach der Kon3eption des Cesetzgebers ど√鍵チr alsO die Lι″″″

g

″♂/ 邑Υ4Prr′″弊 ″♂彦″Z デ″ rFa/Hc2グ ′¢,´ S力4, die nur fur einzeine begrenzte Eraュ ittlungsauftrage dic POlizei

heranzieht r″ ″♂/P拓の,港 ist das Ermittluntts―verfahren weitgehnd in die Hand der POHzei rrうο/gegangen Haufig fuhtt sie dieど,物″rryrηξ♂″dメ体″″〃を und ubersendet ι熔ど ″αr/J力櫂躍 4ゐ肋 力′弱die Akten an die StA, die dann nur noch entscheidt, οう s力 itt yγ/p/P″″¢ゲ″dル′力″ο〃ι/ A″力,電ゼ¢ィカ♂う♂″ιυ〃′つ岱 為r bο″♂″力′た力,weil es die力rdr,z♭¢ヵdrじとた力¢L?テルr27g,9s Eィ糀″r力rttsυ¢7/r2カ″″d tt Fγtte s″′力 Es wird daher

kunftig nOt hrendig sein, an die StA eine Stcう♂″ 力″η″¢/′ζル%ゲ″,′ι?′,,夕修/derart abgeordnen,daβ sie der

alleinigen Иttρλ′″gttζ♂prr″ aes Stttrs,″″α/rab・ ,rη/s形力ιund die Ermittlungsarbeit nach seinen Direktiven unter Zuhilfenahme der librigen POHzeibehδ den unmittelbar in seinem Sinne leiten Kё nnen“

(151 GOssel, op―cit, Uberlegungen,S 337,S 334 (10 G6ssel,op― cit,もberlegungen,S 347

(1, G6ssel,op― cit,3berlegungen,S347 10 G6ssel,op― cit,,むberlegungen,S 348

(19 G6ssel,op― cit,じberlegungen,S349,Eb Schmidt I,Rn 95a.a O(Anm 29);V Savigny iin Volum vOm 17 12.1845 und in dem erwahnten prOmemoria vom23,h4arz 1846,Jewells Zitiert nach Otto,S 36,43a aO

Anm 10

(20 G6ssel,Op― cit,むberiegungen,S 349,VgI Rieβ ,S 197a a O―

Anm 8

oり G6ssel,Op―cit,しberlegungen,S349

(2か Gёssel,Op―cit,むberlegungen,S349

9ひ Gёssel,op―cit,もberlegungen,S350 (20 G6ssel,op― cit, lJberlegungen,S 350 99 Gёssel,Op―cit,しberlegungen,S350

(20 G6ssel,op― cit,もberlegungen,S350 9o Gossel,Op― cit,むberlegungen,S351

(20 Roxin,Op― cit,もberiegungen,Strafverfahrensrecht,S 48 90 Gёssel,op―cit,しberlegungen,S351

輔 俊

(15)

現在の西 ドイツにお ける犯罪捜査機関としての検事の刑事警察との関係

101

0o G6ssel,Op― cit,むberlegungen,S.351 C)Gossel,Op―cit,もberlegungen,S351

0妙 G6ssel,Op―cit,もberlegungen,S351,Kuhimann,DRiZ 76,265,sa.Kurzinger,Private Strafanzeige und

polizeiliche Reaktion 1978,S 236f

1331 G6ssel,Op― cit,しberlegungen,S 351,Roxin,op―cit,Strafverfahrensrecht,18`Auflage,S.52 Peters,Op― cit, Strafprozeβ,SS 182-183

00 G6ssel,op―cit,もberiegungen,S 351,な おPeters,Op― cit,Strafprozeβ ,SS 182-183,,Dic POlizei ftihrt daraufhin die ihr erforderich erscheinenden Ermittelungen durch und ilbersendet die Vorgange an die Staatsanwaltschaft, In derselben ヽVeise verfahrt die POlizei bei von ihr selbst ermittelten strafbaren Handlungen Nach Eingang der polizelichenヽ「Organge pruft die staatsanⅥ ′altschaft,Ob die Ermittelungen vollstandig sind Der an sich der StPO vorschwebende Weg,daβ die VOrgarge z″ηク♂

,ろdナ ο力η¢ど″η夕ヶitι¢′クタ,遇「♂η

ブ♂/sttαtsα″″,rrsひヵp/r υο怒♂!鱈r und vOn dieser dann die ErolitdungsanOrdnungen getroffen werden,力 ,rd″ ″,c,ιどプ′r電力gad¢rzr Die lachtiverschiebung zur PoHzei hin hat sich aus der,,Kraft des Faktischen“ ergeben

Dennoch bleibt bestehen, daβ der stααrspηη,rr を,c・/2 ″″d¢″/ Sr拓り少々を9βοF Pr/2F 力

/

わI?// ,9s βヵ″″rヵι/PFsυ♂G/Pttο″s ist und die VerantM/Ortung fur die verfahrensdurchfithrung nicht nur in Йヮι力〃ic力¢/

Hinsicht,sOndern auch in tatsα θヵ′ゲ♂力¢′打′″dゲθカナ tragt

o9 Gёssel,op―cit,むberlegungen,S.352,In」 usti2 und POlizei(Anm.52),S 22 oo Gbssel,op―cit,もberlegungen,S352

00 Gёssel,op―cit,むberlegungen,S 352 00 Gossel,Op―cit,Oberlegungen,S352

00 GOssel,Op― cit,もberlegungen,&352,Vgl Rupprecht,Die Polizei 1974,270,272 10 G6ssel,op―cit,Uberlegungen,S352,Rupprecht a a O― Anm.147

uり G6ssel,op―cit,もberlegungen,S353 9〕 Gёssel,Op―cit,もberlegungen,S353

13)Peters,op― cit,StrafprOzeβ,S 161 1441 Roxin,Op―cit,Strafverfahrensrecht,S 47

9 G6ssel,op―cit,もberlegungen,S353 日o Gёssel,Op―cit,もberlegungen,S 353 87)G6ssel,Op― cit,むberlegungen,S 353 80 G6ssel,op― cit,もberlegungen,S354

日o Gossel,op― cit,もberlegungen,S.354,Vgl Gbrgen,DRiZ 1976,296,298;Kuhimann,DRiZ 1976,265,267; 16sch,Krirninalistik 1978,547,548f i KOhlaas,S 83a,aO―

Anm.8

1501 Gδ ssel,op―cit,もberlegungen,S 354,Zur Enttauschung der PO12ei,Vgl Sessar in:P01izei und Justiz,S

25, 26 aa O―

Anm 52

6り Gδssel,Op―cit,もberlegungen,S.354,Vgl dazu Hirsch,in:Polizei und Justiz,S 131 aa O―Anm 52,S a

G6ssel,GA 1979,241,243ff

62)フランス汗」事訴訟法Code de PrOcOdure POnale以 下CPP。と略 す1条に依 り,公訴 が, 2条に依 り私訴 が汗U事裁 判所Tribunal rёpresdfに 対 して同一の犯罪行為 に対 して

,各

々独立 に提訴 で きる。Jean―Ciaude SOYER,Dro託

(16)

輔 俊

Penal et Procedure Penale,cinquieme edition,L.G D J France,1977,P395,P,234,221,225,229,な お,」民 登佳人,沢登俊雄,新倉修訳,フランス刑事法 〔刑事訴訟法〕成文堂,昭和57年12月 10日,73頁 検事が社会の 代表者であるが故に特殊な原告当事者であることは

,CPP6③

,84,86,175,82①,185,190な お前出,沢登佳人,

沢登俊雄,新 倉修,′86買,なお,」ean―Claude Soyer,op c■ ,P217→“Lёxpresdon《ministOre public》 possede

un double sens D'une part,cHe dOsigne lё nsemble des magistrats♂/2αttgゐ´α″′ρ dο♂,τtt d'exercer les actiOns

publiques i d'autre part,elle dё signe le magistrat qui,a une audience dё terminё e,reprёsente la sociOtO Le ministOre public est une institution commune a la prOcOdure p6nale et a′ α´Иο♂ぢ″″/♂θゲυケЙ inais sOn r61e est beaucoup plus important en matiOre pOnale,C'est lui qui dOclenche l'actiOn publique,surveille la″ ″α庵元¢と力ι ク拓οCこS夕ιη,4 閉♂拓♂ι t公 υο,ぉ de %♂じο″″S, aSSure l'exёcutionici : la notion de MinistOre publc , le droit du MinistOre public a l'exercice de l'action publique.

1521の

2

ただ し,解 釈論 としては,C,P,P346と458で原告官 として証拠提出 と科罰請求権 を責務 としなが ら,一 般利益

に配慮する任務上,正義の利益に適合すると判断 して

,刑

の言渡よ りもむしろ無罪放免を求めることもできるだ ろうとの説がある。Gaston Stefani,Georges Levasseur,Droit pOnal General et ProcOdure p6nale,Tome Ⅱ,

ProcOdure POnale,Dalloz,1975,P 100

62)の3 Claus Roxin,op―cit,Strafverfahrensrecht,S 50

佃) Jean―claude Soyer, Op―cit,P 218

6り Claus Roxin,op―cit.,Strafverfahrensrecht,S 47,,Dic StA ist eine/fttrヵ ぅ♂ヵδ寇9,die weder der Exekutixe

noch der dritten Ge、valt zuzurechnen ist,sondern als selbstandiges organ der F♂ じ力,輯■989 3WiSchen beiden steht

60の2 Claus Roxin,op― cit,Strafverfahrensrecht,S 48,StP0 16012)と 28Ⅸ2)│こついて

651 PeterS,Op― cit, StrafprOzeβ ,S, 161

1「D61 PeterS,Op―cit,Strafprozeβ,S 533

671 Peters,op一cit,Strafprozeβ,S 533 60 Peters,op― cit,Strafprozeβ,S 533

6け Gёssel,op一cit,もberlegungen,S354

6o Gёssel,op―cit,もberlegungen,S353

60 StP0163a(3)の 検事尋間にはStP0168cが 適用 される旨明文があるが,StP0163a(4)の警察尋間については,そ の旨 の規定がない。

6)Gёssel,Op cit,しberlegungen,S.301305533な お

,検

事が捜査判事 (Erm■tdungsAchter)を して強制処分 を吟味 させ得る点については,Kleinknecht/Meyer,StrafprOzeβ ordnung,Minchen,1983,S,169 調書の証明 力は裁判所 にかかっていることについてはStP0250,251,274,公 判調書以前のものは,公 判調書に依てのみ証明 され,そ れ以外 は,減殺証拠によるだけである (StP0274)。 なお検事の捜査調書Ermittelungsaktが 捜査判事に 提供 されなければならないのは(StP0173(3)),裁 判所は,調書 を見て始めて事実関係 を知 り,検事がその調書を 提出することに依て,裁判所は詳細 に審理できるか らである→Peters,op cit.,Strafprozeβ

,P537

この点, StP0163で は全 く強制処分権ZWangsbefugnる を認められていない警察はStP0127 Ⅱで勾留状Haftbefehl又は強制 収容令状Unterb ngungsbefehiが出されている場合に,仮逮捕 Vorlaufigfestnahme権 を認め られてお り,その 他の場合は裁判所構成法GeAchtsverfassungsgesetz(GVG)152条 で検事の補佐官Hilfsbeamteと してのみ差押え,

(17)

現在の西 ドイツに船 ける犯罪捜査機関 としての検事の刑事警察 との関係 察 は緊急の場合 に限定 されている(StP012711,981,1051,81a,81C)ただその前提 とな る写真撮影,指絞採 取等 は身体的な刑事手続の 目的 として必要 な限 りStP081bで認 め られている→Peters,op cit,S183

6)但

し,沢登佳人教授 は,予備捜査の危険性 を指摘 し,「それが本来予審処分 に含 まれ る範囲 に まで拡大 され るよう になると,予備捜査が予審 の不備 を補 い,その結果予審手続 における諸々の保障 を被疑者か ら奪 うことになると いう理由 によって,ま さに,予備捜査 は個人の 自由に とって危険 だ と思われ る。 この捜査 は,社会の利益 に とっ て も危険 である。事実,以前 には見 られなかった一定の強制的効力 を予備捜査 に もた らした刑事訴訟 法典 の改革 の後で さえ,予備捜査 には真実発見 に とって有用 な形式,たとえば証人の宣誓 といった形式 が脱落 している」 と され る→前掲

,沢

登佳人,沢登俊雄,新倉修訳,フランス刑事訴訟法211頁。 教授 は更 に『監守』とのつなが りに言及 され,「予備捜査の段階で,聴間 を受 けた者 は『協力 を拒絶す る自由 を事 実上,有していない。」一つま り『監守』に付 され るであ ろうという見込みは,警察や憲兵 に質問 された事項 につ き応答 す るか否かの 自由 は与 え られていない様 な一種 の威嚇的効果 をもた らす」「立法者が予備捜査の過程 で『監 守』とい う処分 を認 めた ことは理解 しがたい。『監守』に付 されている者が このよ うな尋間 を受 けて犯罪事実 を認 める供述 をすることがあ りうる。 そ うであれば,むしろ予審判事が取調べ る方が その者の防禦権 の保 障に とって 望 ましい と思われ る。 に もかかわ らず破棄法院が『予備捜査の場合で さえ,証人 としての被疑者の取調 (故意 に

遅 らされ た嫌疑inculpations tard es)およびその手続 の無効 に関す る刑事訴訟法105条の適用が ない (Crim 17 JuH 1964,J C P 1965H 14028 note P,C.)』 とした ことを批判 する」前掲沢登佳人,沢登俊雄,新倉修訳,フラ

ンス刑事訴訟法214頁 ,なお監守の規制手続違反 を刑事訴訟法典が無効 としないことにつ き,前掲,沢登216買Crim

5 Janvr 1973,aff Friedel,D。 1973,541,note Rouiou de BoubOe,Levasseur,Ann fr dr.Homme,1973,P,324)

なお この点 について予審判事 の捜査権 については,その臨場がある限 り,共和国検事 も,司法警察官 も捜査業務 を

免責 され るが,警察官 に続行 させ ることを好 まなけれ ば自 ら介入捜査が可能で (CPP,72), ソイエSOyerは 次の 様 にい う “Cёst donc le iuge d' instruction, et lui seul (Sil me prё fe`re pas iaisser la PoHce judiciaire

poursuivre ses opOration),qui monera de'sormais lOnquOte."― Jeax―claude Soyer,op=cit,Droit Penal et PrOcedure Penale,P 270 これは,警察の便宜,自主的非公式捜査 は人権侵害 とい う新 たな犯罪 を招来 するおそれが あ る。 それ を防止 す る ためには,予審判事の捜査の方が人権 を消極的に護 る結果 になるという主張で

,弾

効主義や当事者主義 を人権上 必須 とするサイ ドか らは反論が必至 だが,前述ペー ター ス教授 と軌 を― に し,ゲセル教授 も

,仮

逮捕 につ いての 私の質問 に1987年 2月20日付書信 を以 て次の様 に答 えられた。曰 く「警察官が被疑者 を不法 に苦 しめた とい うこ とは ドイツの法廷 で も見出 され る。 しか し,この様 な誤 った負担に対抗す るのが同時 に裁判所 と検事 の任務であ

るJ ,,IlaB POlizeibeamte Beschuldigte hin und、 vieder zu【」nrecht belasten,kommtfre'lich auch in deutschen Gerichtssalen vOr i es ist iedoCh Zugieich Aufgabe des Gerichts und der Staatsanwaltschaft, solchen fellenhttften Belastungen entgegenzuwirkenr「 しか し具体的な利益から被疑者が強制 された嘘や自白をすること はない とはいえず,ただ判決の基礎 は,公判審理 でのみ定 まるか ら実害 はない」"in Deutschland tt das sehr selten der FaH, praktisch nur dann, 、venm sich der Beschuldigte ,こ4/οη 力0″力,9r¢ ,石92杉ヶテ♂ verspricht(et、 va eine

mildere Strafe).Nach der StrafprozeSOrdnung darf zur Grundlage des Urte spruchs nur das Geschehen in der Hauptverhandlung gemacht werden,so daB fehlehrhafte oder g′ /ι″宅ιυ″ηξ¢夕¢G¢st税″″Jds im deutschen Strafverfahren praktttch kehe ROne spielen.“ とされ る。 これは証拠の吟味 とい う最広義 の「捜査」概念 は公判,

つまり裁判所の判断に帰 するとしているわけで,予審 は糸し間の意味で否定 しても,「ドイツは継承法Rezeptionsgesetz

(18)

in Deutschiand vor etwa 500 Jahren∼abgeschaft∼検事 は当事者 ではな く,検事 にみ とめ られ ている糸し問性 も 真実発見 の捜査 をする責 を果すためである。」"∼Deshalb kann die Staatsanwaltschaft gar々 ♂力♂脆 /rFi力 ∫ sr/2/p¢//p力″″s sein und sie ist es auch nicht Aufgrund der auch/Vi/ 力♂

S腕

チsαηωα′rs♂ヵp//ξθ′″″ブ♂″

励?″λ″わηs″,げ″ι ist die Staatsanwaltschaft z″/どη修″酵rFJηg ιヵ/レレ物力//J♂″ クθ″″たカカ′.“とさャ宅て いる。

Gё ssЫ,op cit,もbeJegungen,S354,StP0250の捜査機関の尋問調書の公判廷 における朗読義務 と251,253,

254の例外。

Olivier Duhamel,Jcan― Luc ParOdi,La Constitution de la Cinquieme ROpublique,Presses de la FOndation Nationale des Sciences Pontiques, 1985, P 12,23, 61,75

シヤムボ ンPiere Chambonに 依れば,「予備捜査 は,公式の ものでないか ら,訴訟 の公正 さを保 てない。 それに 反 し,予審判事 の調書 は詳細 な点 に至 る迄

,公

式の ものであ り,厳正 で訴訟の公正 を保 つ。 しか も予審廷 にお け る被告の防禦権 は保障 され,当事者間の証拠合意 が後 日覆 えされ ることもない。 それ は予審が公証 され,非公開 で,かつ記録 が残 され るか らである。だか ら被告の防禦が法律上,完全である以上,判決前 の手続 であ るか らと いって遺洩 はない。予審 は,ガロー教授Garraudの説では「時間がかか り,複雑である とされ るが,予審判事 だけ が行使 で きる強制力 に依 て予審 を提議す る ときの予審 は残 してお く必要がある。Jとい う。「 また警察や憲兵の取 調 では暴力や無法が被疑者の自由を奪 い危胎感 を与 える ことが あ り,逆に司法官の取調 は,その法律上 の位置 と 資質か ら純粋 な心証 を得,疑問点や虚構性や物心両面 で暴力 に依 る疑が残 ることはあ り得 ない。調書 の証引力が 警察,憲兵の取調 に比 べてはるかに優位 に立 つのは このためである。」とす る。以上Piere Chambon,Lejuge d' instructiOn,2° ёdition,Dalloz,1980,PP 46 48 なお この点,ナジヤ リヤンKrikor Na,arianに 依 れば,「捜査 判事 こそ公共 の安寧 と,個人の尊厳 のために 自由へ の侵 害 を排除す る役割 を果 す」としている→Krikor Najarian, L'Autorite de la ChOse iugё e au criminel sur le criminel,Paris Librairie COnOrale De Droit et De Jurisprudence,1973,P 293

「 イギ リスの大 陪審 が18世紀末 に警察権 と訴追権 を持 ち,起訴 の可否 を事前 にかつ詳細 に非公開で捜査 す る機関 として設立 され た」―Piere ChambOn,La Chambre d'accusation,Manuel Dalloz de Droit Usuel,Paris, 1978,P 4

Zusammenfassung

Uber das gegenwartige Verhaltniss zwischen Staatsan覇 ァaltschaft als Verbrechenermittelungsorgan und

Kriminalpolizei ilaa Bundes Repub k

am31,Mai.,1987

Schunsuke TAWA

Auch ab 1978,in der der Entwurf begrundet aコn Bericht das rerhaltnisses zwischen StaatsanM′ altschaft und POlizei nach Bundestag erreichtet, ist der Staatsanwalt,,der Herr im Ernlittelungsverfahren,“ StP0 160 und

ist,,der Staatsanttralt berechtigt durch die Strafverfolgung liber die Polizei,StP0 161 und ist das Gesetz am

StP0 163(2)auch,daβ diC POlizei die Eralittelung Ohne rerzug nach die StaatsanM′altschaft tiber■littein inuβ

,

参照

関連したドキュメント

今回の刑事訴訟法の改正は2003年に始まったが、改正内容が犯罪のコントロー

本章では,現在の中国における障害のある人び

心臓核医学に心機能に関する標準はすべての機能検査の基礎となる重要な観

[r]

Wieland, Recht der Firmentarifverträge, 1998; Bardenhewer, Der Firmentarifvertrag in Europa, Ein Vergleich der Rechtslage in Deutschland, Großbritannien und

本報告書は、日本財団の 2016

本報告書は、日本財団の 2015

 プログラムの内容としては、①各センターからの報 告・組織のあり方 ②被害者支援の原点を考える ③事例 を通して ④最近の法律等 ⑤関係機関との連携