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つベクトルを 電 流 密 度 と 定 義 する 普 通 は j で 表 す 即 ち j = I である また V L は 高 校 で 習 ったとおり 電 場 ( 電 界 )の 大 きさである 電 場 のベクトルを E とすると 以 上 のことから j=σe が 成 り 立 つ(これをオームの 法 則

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Academic year: 2021

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独自試験対策-要点整理項 電磁気学 作成者:山中 最終更新日 10/6 参考文献 「電磁気学入門」阿部龍蔵著 サイエンス社 「電磁気学」砂川重信著 岩波書店 このシケプリに関する注意 内容は「知識を使う人」、つまり工学部系の人むきです。つまり、これをつくっている人が 内容を完全には理解していない(線積分って…まだやってないし OTL…)ので証明で簡単じ ゃないと思ったところとかはほとんど触れていません。理物にいきたい人等には役に立た ないと思います。悪しからず。あと、この注意を書いている時点ではまだ書いていません が、学期が始まってからこのシケプリを見た人は一回数学ⅠB のシケプリを見て線積分等を 学習すべきかもしれません。高校既習内容は気が向いたら書いて、向かなかったら書きま せん。 9/4 基本的に毎日更新する予定です。 1 電流 1.1 電流のキャリヤー 語句(高校レベルと思われるものは省きます。オレが忘れていたものは入れています。) 荷電粒子(電荷)…電気をもつ粒子 電流のキャリヤー…電気を運ぶもの。電子、正孔(p 型半導体)等。 1 クーロン…1A の電流が流れているとき単位時間当たりに導線の断面を通過する電気量 電気素量(素電荷)…電子ひとつあたりの電気量の絶対値 1.2 オームの法則 まんま。高校レベルなので省く。 1.3 電気密度 電気伝導率 …定義は「抵抗率の逆数」。単位はΩ−1⋅ m−1だが、S ⋅ m−1とかいてS(=Ω−1)をジーメンスと いう。普通はσで表す。σの大きい物質の方がより電気が流れやすい。 電流密度 …オームの法則はV = ρLSIで表されるが、これを変形するとSI=ρLVである。 電流と同じ向き、方向をもち、流れと垂直な平面内の単位面積当たりの電流の大きさをも

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つベクトルを電流密度と定義する。普通はj で表す。即ち 𝐣 =SIである。また、V Lは高校で習 ったとおり電場(電界)の大きさである。電場のベクトルを E とすると以上のことから j=σE が成り立つ(これをオームの法則ということもある)。電場中の電荷が受ける力は高校 で既習なので省略する。 1.4 電力とジュール熱 電力の定義は高校と同じ。

ちなみに交流の電力はV t = V0sin ωt 、I t = I0sin ωtと表すと、

P =1 T V0I0sin2ωt T 0 dt です。(T=2π/ω) 電流実効値、電圧実効値も省きます。忘れた人は各自調べてください。 9/5 1.5 直流回路 キルヒホッフの法則を忘れた人は調べてください。 ホイートストンブリッジも忘れた人は調べてください。線形代数を習った今ならあのやや こしい一次連立方程式も行列式を使って簡単に表すことができる、というだけです。 定常電流…電流が時間に依存しないとき、その電流のこと。 2 電荷と電場 2.1 クーロンの法則 上の法則自体は高校レベルの話で、 F = 1 4πε0 qq′ r2 (但しε0は真空の誘電率でε0 = 107 4πc2) 帯電…正・負の電気を帯びること 電荷…帯電した物体の電気量 摩擦電気…摩擦によって生じる電気 点電荷…大きさの無視できる点状の電荷 2.2 電場 電場を考えるとき、微小電荷δqを電場中に置いたと考えて、電場は置く前と置いた後では 電場は変わらない…などと考える。このときのδqを試電荷という。 ベクトル場…空間の各点である種のベクトルが決まっているときの空間のこと。 9/6

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2.3 ガウスの法則 証明は省く。内部に電荷q がある閉曲面において、Enを面に垂直な電場成分、dS を微小面 積とすると、 ε0 EndS S = q これを使えばいろいろできます。高校レベルの話です。 3 電位と導体 3.1 電位 電位の定義 一般に位置ベクトルr の関数 V(r)があり、電場 E の x,y,z 成分が Ex = −∂V∂x、Ey = −∂V∂y、Ez = −∂V∂z であたえられるとき、V を電位、又は静電ポテンシャルという。つまり、 E = −∇V である。(f = −∇Uを思い出して欲しい。) 電位の不定性 電位は上式が満たされればよい、つまり、電位は積分定数が残る。つまり基準が必要だと いうこと。 9/7 ラプラス方程式 電位V は V = q 4πε0 1 𝐫 − 𝐫′ で与えられるが、ラプラシアン∆=∂x∂22+∂y∂22+∂z∂22を導入すると、 ∆V = 0 が計算によりわかる。この式をラプラス方程式と呼ぶ。 3.2 電位と仕事 等電位面…等しい電位の点を結んだ面。 3.3 導体 静電誘導…導体の電子が内部の電場を0 にするまで動く現象。(高校既出) 誘導電荷…静電誘導で動いた電荷

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導体表面の電場…E =ϵς 0ただしσは電荷の面密度 静電遮蔽…これも高校で既出。導体で囲った空間には、そこに電荷がなければ、電場はな い、ということ。 3.4 コンデンサー 別名蓄電気、キャパシター。高校既出用語は省く。 9/8 3.5 鏡像法 境界条件…構造化学と同様、境界での条件。導体の電位は一様等。 点電荷と導体平面 z ≤ 0がすべて導体の場合を考える。 (0,0,d)に点電荷 q が置かれているとする。z>0 中の点 P における電位を求めることにする。導体表面の電位は一定なのでここを基準にとる。 (0,0,-d)に電荷-q があると仮想する。この電荷を鏡像電荷という。点 P と q,-q の電荷それぞ れとの距離をr,r’とすると点 P での電位 V は V = q 4πε0 1 r− 1 r′ である (ここで境界条件が満たされている)。第二項は r’≠0 なのでラプラス方程式を満たす。 このようにして電位を求める方法を鏡像法という。 4 誘電体 4.1 誘電分極 高校既出。このときでてくる電荷を分極電荷という。絶縁体が誘電分極を起こすので、絶 縁体のことを誘電体ということもある。 4.2 電気双極子 例えばHCl なら誘電分極は H が正、Cl が負の電荷をもつ。このように、わずかに離れた正 負二つの点電荷±q を導入し、このような一組の電荷のペアを電気双極子という。また、電 荷間の距離をl として p=ql で定義される p の大きさをもち、かつ負電荷から正電荷へむか うベクトルを電気双極子モーメントp と定義する。 この双極子の中心を原点とした位置ベクトルr をとると、r での電位は V = 𝐩 ⋅ 𝐫 4πε0r3 電場は 𝐄 𝐫 =4πε1 0r3 3𝐫 𝐩 ⋅ 𝐫 r2 − 𝐩

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と表せる。尚、モーメントは通常のベクトルのように扱える。 9/9 4.3 分極電荷と電気分極 この電気双極子をつかって誘電分極を考えようとする。わかりやすいように、双極子モー メントの向きを高さにとり、双極子を定面積S’、高さ l’、電荷の面密度ς′であるとする。す ると個々のp について 𝐩 = S′l′ς′ 向きはみな同じなので、誘電分極を起こしている高さl、定面積 S の箱の双極子モーメント の大きさはSlς′となる。ここで 𝐏 = 𝐩 単位体積あたり とすると 𝐏 = ς′である。このPを電気分極または分極ベクトルという。この P を使えば、 先の誘電体は上面下面に面密度P の分極電荷が生じている、と言い換えられる。(分極電荷 にたいして本物の電荷を真電荷と呼ぶ。)尚、ここでは表面が電場と並行、または直交とい う特殊な場合を考えたが、任意の誘導体表面に対してその微小表面(平面に近似)の法線が電 場と成す角をθとすればその地点での面密度がPcosθと表せるのは明らか。 一般の場合 一般にp は一様ではない、その場合を考えるのだが、証明は省く。位置 r での双極子モー メントをP とする(P は r の関数) V 𝐑 = 1 4πε0 Pn 𝐑 − 𝐫 dS S − 1 4πε0 div𝐏 𝐑 − 𝐫 dS V である。 上式から誘電体が外部につくる電場はその表面にある面密度 ς′ = P n の分極電荷と、電荷密度 ρ = −div𝐏 の分極電荷からつくられることがわかる。 使った道具を紹介しておく。 語句の定義

∇A のことを divA と書いたり∇・A と書き A の発散といい、、また∇×A のことを rotA と かきA の回転という。

ガウスの定理

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div𝐀dv V = AS ndS が成り立つ。ただし左辺は体積、右辺は表面に関する積分、Anはその点でのA の表面垂直 方向成分(曲面方向から出る方向が正方向)を表す。 ストークスの定理 𝐀 ⋅ d𝐬 C = 𝐧 ⋅ rot𝐀dSS らしい。線積分の定義は数学Ⅰでもみてください。 4.4 誘電率と電束密度 誘電率の定義は高校既出なので省きます。 電束密度 並行板コンデンサーの極板上の電荷面密度をς0とすればε0E = ς0が成り立つ。誘電体を挿入 した場合の真の電荷密度をς、分極電荷をς′とする。すると次式が成り立つ。 ε0E = ς − ς′ が得られる。よってε0E + P = ςが成り立つ。これをベクトル的に拡張して 𝐃 = ε0𝐄 + 𝐏 というベクトルを導入する。このベクトルを電束密度という。通常P は E に比例するので これを𝐏 = χeε0𝐄と表し、χeをその誘電体の電気感受率という。真空ではχe= 0、その他で はχe> 0である。これを使えば𝐃 = ε0 1 + χe 𝐄が得られる。ε = ε0 1 + χe とおけばこのεが その誘電体の誘電率である。これより𝐃 = ε𝐄、εE = ςが導かれる。電束密度の様子は電束線 で表される。 誘電体が存在するときのガウスの法則 閉曲面S を考え、さらにその S が誘電体を一部貫く場合を考える。 ε0 EndS S = (S の中にある電荷の和) を使う。この「電荷」のうち誘電体によるものはS によって切断されたものだけである。S の表面でdS という微小面積をとるとこのような電荷は、一般に D の外向き法線方向の単位 ベクトルをn として、−PndSと書ける。よって S の中にある電荷の内誘電体によるもの = − PndS S ∴ DndS S = S の中にある真の電荷の和 これを元の式と似せて書くと ε EndS S = (S の中にある真の電荷の和)

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となる。 真電荷の電荷密度をρ、閉曲面S 内の領域を V とすれば DS ndS= ρVV とかける。また、 ガウスの定理より div𝐃dv V = DS ndS ∴ div𝐃 = ρ 電場に対する境界条件 導出は省きます。 二つの誘電体がありそれぞれの誘電率、境界面での境界に垂直な電場成分、平行な電場成 分をε1, ε2, E1n, E2n, E1t, E2tとすると、ε1E1n = ε2E2nかつE1t = E2tが満たされる。 これは、例えば光の屈折を考えるとすんなりいくかもしれません。 9/10 最近証明が難しく、本当に省略していいのかわからなくなってきました。。いや、しかし線 積分まで入ってきてこんなの試験に出るわけない、と信じているので、まぁ、理物に行き たい人なら自習しているでしょうし、大丈夫かな、という心境です。あと、これは全教科 にいえることですが、演習書はすべきです。で、今回は「夏休み」たるものがなく駒場祭 もあるので、相当いい計画を立てねば試験前に焦ることになると思います。おそらく正月 休みがポイントとなると思いますが、そのころまでには問題集一冊くらい挙げてポイント 集たるものを作成しようと思っています。 4.5 電場のエネルギー 電場のエネルギー…電場が蓄えているエネルギー。例えばコンデンサーが蓄えているエネ ルギーは1 2CV 2でした。おぼえていますか? 電場のエネルギー密度…まんま。電場のエネルギーをそのエネルギーが蓄えられている体 積でわれば良い。コンデンサーなら、誘電率をεとすれば、1 2εE 2=𝐄⋅𝐃 2 である。ここではE、 D ともに一定の場合を考えているが、E、D が位置によって変わる場合の電場のエネルギー 密度は 𝐄 ⋅ 𝐃 2 dV V と表される。 電場のエネルギーと力 コンデンサーの電場のエネルギーだが、これは極版間の距離 x で変わる、つまりコンデン サーの電場エネルギーはポテンシャルエネルギーとなる。よってそれをx で偏微分すれば x で極板に働く力が求められる。

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5 静磁場 時間的に変化しない磁場のこと。 5.1 磁石と磁場 磁極…N 極や S 極のこと。 磁荷…N 極に正の磁荷、S 極に負の磁荷が存在すると考える。すると電荷の式の様々な公式 が流用できる。 力 F = 1 4πμ0 qmqm′ r2 ただしqmは磁荷を示し、μ0 = 4π × 10−7N/A2とする。また、磁荷の単位をWb とし、Wb=J/A である。μ0を真空の透磁率という。 磁場 F=qmH となるとき、この H を磁場の強さ、磁場という。単位は A/m である。 磁力線 電気力線のようなもの。 r’の点に磁荷qmがあるとき場所r における H 𝐇 = qm 4πμ0 𝐫 − 𝐫′ 𝐫 − 𝐫′ 3 磁位 r での磁位をVm(𝐫)とすれば 𝐇 = −∇Vm(𝐫) である。よって、 Vm 𝐫 = qm 4πμ0 1 𝐫 − 𝐫′ また、 𝐇 ⋅ d𝐬B A = Vm 𝐀 − Vm(𝐁) ガウスの法則 μ0 HndS S = (S の中にある磁荷の和) 5.2 磁気双極子と磁荷 まだしばらく流用が続きます。 磁気双極子…いままで磁荷を考えてきたが、真電荷にあたるものはない。すべて双極子で ある。 磁気モーメント

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m=qml で定義される m の大きさをもち、負から正への向きをもつベクトル m を磁気モー メントという。単位はWb・m である。 原点に双極子があるときの磁位は、また流用して、 V =4πμ𝐦 ⋅ 𝐫 0r3 磁場は 𝐇 = 1 4πμ0r3 3𝐫 𝐦 ⋅ 𝐫 r2 − 𝐦 磁気モーメントの微視的な意味 ここから新しいです。 量子力学によると電子などの粒子のスピンに伴い磁気モーメントが生じる。これはその粒 子に特有である。例えば電子の場合、その磁気モーメントを記述する定数としてボーア磁 子があり、これは mB = eh 4πm である。ボーア磁子を用いると磁気モーメントの大きさは m = μ0mB となる。 磁場中の磁気双極子 電場のところでいっていなかったが、U = −𝐩 ⋅ 𝐄であるので、流用するとU = −𝐦 ⋅ 𝐇である。 磁化 これも流用。 𝐌 = 𝐦 単位体積あたり で定義するM を磁化または磁気分極という。ただし M/μ0を磁化と定義することもある。 電気分極と同様、分極磁荷の面密度ς′mは ς′m = Mn(𝐌の表面に対する法線方向成分) である。一般的には磁性体が外部につくる磁場はその表面にある面密度の分極磁荷と、磁 性体内の磁荷密度ρ = −div𝐌の分極磁荷からつくられる。 磁性体の種類 大部分の物質では外部から磁場を作用させないと磁化は0 で、磁場が十分小さいとき 𝐌 = χmμ0𝐇 と書き、χmをその物質の磁化率、あるいは磁気感受率という。χmは正の値も負の値もとる。 正の物質を常磁性体、負の物質を反磁性体という。 外部から磁場をかけなくても磁化が自然に発生しているような物質を強磁性体といい、そ の磁化を自発磁化という。

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強磁性体の場合M はそれまでにどんな H をかけたかに依存する。このような現象をヒステ リシスという。図を見てほしい。 O→A→B→…という場合を考える。まず T を大きくしていく。A での M の値は飽和(これ 以上T を大きくしても M は大きくならない)である。ここから T を下げると H=0 でも M は 0 でない。この磁化を残留磁化という。これは自発磁化にあたる。M=0 にするためには Hc をかけなければいけない。このH を保磁力という。さらに H を負の方向に大きくしていく と負の方向に飽和する。この過程で描かれる曲線をヒステリシス曲線という。 9/11 反磁場 永久磁石の内部ではH が M と逆向きになり M を打ち消す向きに働く。この磁場を反磁場 という。 ヒステリシス曲線で述べたH は外部の磁場とこの反磁場を加えたものである。M の方向に z 軸をとり、反磁場の z 成分 Hzを HZ= −NM/μ0 と表したとき、比例定数N を反磁場係数という。これは一様に磁気分極を起こしている球 の場合1/3、z 軸方向に十分長い棒の場合磁気分極は無視できるので 0 になる。 例) ヒステリシス曲線と反磁場係数が与えられたとき自発磁化を求めたい。 自発磁化はH=0 のときの磁化である。しかしヒステリシス曲線の H は反磁場加えたもので ある。よって両者の交点こそ自発磁化である。

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5.3 磁束密度 電束密度の拡張版。次の式が成り立つ。 𝐁 = μ𝟎𝐇 + 𝐌 B は磁束密度で D にあたる。単位は N/A・m でこれをテスラ T という。1 ガウス=10-4T と いう単位がよく使われる。 透磁率 μ = 1 + χm μ0 で定義されるミューのこと。1 + χmを比透磁率という。これを用いると𝐁 = μ𝐇となる。 磁性体に対するガウスの法則 B は電気の D に対応する量であるが、磁気の場合、真電荷に相当するものがない。このた め BndS S = S の中にある真の電荷の和 というガウスの法則が成り立つ。磁力線に相当し、磁束密度の様子を記述する線を磁束線 という。磁束線の場合は磁力線のように吸い込み口・湧き出し口はない。また div𝐁 = 0 が成り立つ。 磁場に対する境界条件 電場と同様にB1n= B2nかつH1t = H2t。ただし後者の式は磁場が電流から生じる場合には磁 位が存在しないため成り立たない。 5.4 電流と磁場 電流が磁場から受ける力 磁場中の導線に電流I を流すと、導線の微小部分 ds(向きは電流の向き)が受ける力のベクト ルは 𝐅 = I d𝐬 × 𝐁 である。 ローレンツ力

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導出は省く。 𝐅 = q 𝐯 × 𝐁 電場をE とすると 𝐅 = q 𝐄 + 𝐯 × 𝐁 となる。この力をローレンツ力という。 サイクロトロン運動 高校既出だがポイントと用語だけ。 z 軸方向を向く一様な磁束密度 B の中にある質量 m、電荷 q の荷電粒子の運動。xy 平面方 向の初速度成分をv0としωc = qB/m(サイクロトロン角振動数)とすると、xy 平面方向では半 径v0/ωcの円運動を行うというもの。 ビオ・サバールの法則 位置r で r’にある導線の微小部分 ds が作る磁場d𝐇は d𝐇 = I 4π d𝐬 × 𝐫 − 𝐫’ 𝐫 − 𝐫’ 𝟑 である。ビオ・サバールの法則という。もし考える空間中に磁性体があると、電流による 磁場のため磁性体は磁化され、この磁性体も磁場を生じる。したがって、一般的には磁場 は電流によるものと磁性体によるものとの和として表される。 直線電流の作る磁場 無限につづく直線導線に電流I が流れているとき、そこから距離 r だけ離れた点での磁場は 先の微小量を積分してI/2πr だとわかる。 平行電流間の力 それぞれにI1, I2の電流が流れている距離r の平行導線にかかる力は F = −μ0I1, I2 2πr である。 小さな長方形回路の作る磁場 xy 平面上に中心が原点で面積が4ab(= ∆S)の長方形型の導線があり、上から見て正の向きに 電流I が流れているとすると、座標(x,y,z)での磁場𝐇は 𝐇 =I ∆Sr𝟑 3xzr2 ,3yzr2 ,3z 2 r2 − 1 と表される。 9/14 5.5 アンペールの法則 電流と磁気モーメント

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上式と既出の式𝐇 =4πμ1 0r3 3𝐫 𝐦⋅𝐫 r2 − 𝐦 で m が z 成分のみのベクトルとしたときの式は m = μ0IΔSとおけば完全一致する。既出の式での m の方向は長方形のもので電流の向きに右 ネジを回すときそのネジの進む方向に一致する。一般に、ある曲面状に向きの決まった閉 曲面があるとし、その向きに右ネジを回したときそのネジの進む向きを曲面の向きと呼ぶ。 また、曲面に表と裏があるときには、裏から表へ向かう向きを曲面の向きとする。 ある平面上で面積∆Sの長方形に沿い電流が流れているとき、この面に垂直で上記の向きを もつ単位ベクトルをn とすると電流の作る磁場は先の議論より 𝐦 = μ0I𝐧ΔS の磁場と一致する (m の意味、いえますか?いえない人は以後の理解のためにも尐し復習し た方がいいかもしれません)。 ここで電流I が流れている閉曲線 C’があるとし、磁場 H と電流との関係を考察する。その ためC’を縁とする任意の曲面 S’をとる。証明はそこまでレベル高くないですが省きます。 磁場はなんかボヤっとしていたので任意の点P におけるその電流による磁位Vm P は、P か らS’を見込む立体角をΩPとして、 (立体角の参照→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%8B%E4%BD%93%E8%A7%92) Vm P =I ΩP と書ける。 アンペールの法則 ある向き付き閉曲線C を考える。C からみて C の裏から表へ電流 I が C を貫通している場 合 𝐇 ⋅ d𝐬 C = I が成り立つ。当然表から裏ならI の符号は反転する。貫通しなかったら 𝐇 ⋅ d𝐬 C = 0 である。 ソレノイドの作る磁場 導線を円筒面に沿いらせん状んい一様かつ密に巻いたコイルをソレノイドという。 H = nI は有名。 5.6 磁化電流とアンペールの法則 磁性体の存在を電流に置き換えようという試みが磁化電流である。磁化電流Imは次のよう に表される。

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Im = 𝐌 ⋅ d𝐬μ 0 C ただしM は ds での磁化である。 アンペールの法則の両辺にμ0をかけると 𝐁 ⋅ d𝐬 C = μ0 I + Im = μ0I + 𝐌 ⋅ d𝐬 C 𝐁 = μ𝟎𝐇 + 𝐌を使って 𝐇 ⋅ d𝐬 C = I となる。 6 時間変化する電磁場 電磁場=電場+磁場 6.1 電磁誘導とファラデーの法則 電磁誘導 …高校既習なので省く。 レンツの法則 …電磁誘導によって流れる電流の向きは、その電流の作る磁場が誘導の原因となっている 磁場の変化に逆らうように生じること。 誘電起電力 …電磁誘導によって生じる起電力。 誘導起電力とローレンツ力 略 磁束 コイルに発生する誘電起電力と磁場との関係を定量的に表す法則がファラデーの法則であ る。これを説明するために磁束を導入する。 向きをもつ任意の閉曲線C があるとし、C を縁とする任意の曲面 S を考え、S の裏から表 へと向かう法線方向の単位ベクトルをn とする。磁束密度 B の n 方向の成分をBnとすれば Bn = 𝐁 ⋅ 𝐧がなりたつ。このとき次の表面積分 Φ = BndS S で定義されるΦを導入し曲面 S を貫く磁束という。磁束の単位は Wb である。 9/23 ファラデーの法則

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上図の(a)または(b)で、矢印に沿い C を一周する線積分 V = 𝐄 ⋅ d𝐬 C を考え、このV を誘導起電力と定義する。V とΦの時間変化との間に、 V = −dϕ dt の関係があるというのがファラデーの法則である。これは次のようにも書ける。 𝐄 ⋅ d𝐬 C = − d dt BS ndS 交流発電機の原理 高校既習。 磁束の性質 磁束Φは曲面S の取り方に依存しそうだがそうではない。証明は省く。 6.2 相互誘導と自己誘導 相互誘導 上図のようにコイルC1に電流I1が流れているとする。コイルC2を通る磁場はこの電流に比例 する。よって磁束も電流に比例するのでそれをϕ2 = M21I1と表す。こうするとI1が時間変化 するときコイルC2にはファラデーの法則より次の起電力が起こる。 V2 = − dϕ2 dt = −M21 dI1 dt この現象を相互誘導といい、定数M21をコイル1 からコイル 2 への相互インダクタンスとい う。ここでM21と書いたがこれがC2に電流が流れていてC1に起電力が起こるときも同じ定数 になる。これを相反定理という。この定理の一般的な証明は難しすぎる。

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自己誘導 先程の図をみて明らかなようにI1から起きる磁束線はC1自身も貫いている。これによる磁束 をϕ1とすると ϕ1= L1I1 と書ける。よって自分自身にも起電力が起こる。この現象を自己誘導といい、比例定数L1を 自己インダクタンス、または単純にインダクタンスという。自己インダクタンスは次のよ うな図で表す。 よって誘導電流のところで挙げた図における磁束は最終的にはそれぞれ、 ϕ1 = L1I1+ M12I2 ϕ2 = L2I2+ M21I1 となる。 インダクタンスの単位 V・s/A だが、とくに H(ヘンリー)という。 変圧器の原理 高校既習。結果だけ書いておく。 V2 V1 = I2 I1 時定数 高校の復習が入っていますが言葉が大学生なので一応。 この回路では次の式が成り立つ。 LdI dt+ RI = V 要するに微分方程式である。この式の右辺を0 としたときの解をI1、この式を満たす一つの

解(特殊解)をI2とする。その結果 I=I1+ I2も解であることは明らか。I2は定数の場合を考え

ればすぐ求まる。I2=VRである。一方I1は

LdI1

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の解である。I1= Ae−t/τとすると、 −Lτ+ R = 0 ∴ τ =LR である。τは時間の次元をもつ定数でこれを時定数という。 以上より解は、 I = Ae−τt+V R である。A は任意定数である。このように任意定数を含む解を一般解という。A は時刻 0 における条件、初期条件から決められる。 6.3 交流回路 I(LR 回路) 交流回路にコイルやコンデンサーがあったとする。交流電源の電圧V が V = V0cos ωt で与えられるとき、電源に出入りする電流I は一般に I = I0cos ωt − ϕ で表される。φを位相の遅れ、cos ϕを力率という。また Z =V0 I0 は抵抗に相当する量で、インピーダンスという。交流回路を扱う基本的考えは瞬間瞬間に キルヒホッフの法則を適用することである。 LR 回路 時刻t で A の電位が C より V(t)より高いとし、このとき流れる電流を I とすると、 LdI dt+ RI = V(t) となる。解き方は直流回路のときと同じ。ただしI1については直流回路の場合と同じで、急 速に0 に近づくことがわかっているのでここでは 0 として扱う。よって特殊解のみを扱っ ていく。 ここでV(t) = V0cos ωtとすると、

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LdI dt+ RI = V0cos ωt 複素数表示 I は一般に複素数とする。 LdI dt+ RI = V0eiωt となる。複素電流I を実数部分と虚数部分にわけI = Ir+ iIiとおき、オイラーの公式を利用 すると、 LdIr dt + RIr+ i L dIi dt + RIi = V0 cos ωt + i sin ωt なので、もとの複素数の方程式を解けば求めたい方程式は解ける。 I = I eiωt とおく。すると指数部分は約分でき、 R + iωt I = V0 と な る 。 こ の 式 でZ = R + iωtを 複 素 イ ン ピ ー ダ ン ス と い う 。 I =V0 Z で あ る 。 電 流 は I = re V0

Z eiωt となる。ここでZ = Z eiϕとすると(φは偏角)、I = V0 Z cos ωt − ϕ となる。よ ってΦはそのまま位相の遅れとなり、 Z はインピーダンスとなる。このように複素インピ ーダンスからΦ、Z が直ちに計算できる。 複素インピーダンスとキルヒホッフの法則 複素インピーダンスを使えば、コイルの抵抗をiωL とすれば直流回路の合成抵抗の方法が そのまま使える(直流だったら R+iωL、並列だったら逆数が 1/R+1/iωL というかんじ)。 6.4 交流回路Ⅱ(LCR 回路) 今度はコンデンサー(容量 C)を入れてみる。 I =dQdxである。今度立つ方程式は次の通り。

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LdI dt+ RI + Q C= V(t) 時間微分すると、 Ld2I dt2+ R dI dt+ I C= V′ t という二階の微分方程式という。解き方はさっきと同様。 電気振動 まずI1にあたるものを求めよう。 Ld2I dt2+ R dI dt+ I C= 0 I = Aeαtとすると、 Lα2+ Rα +1 C= 0 ここからは力学の過小減衰、臨界減衰、過剰減衰と同じである。このことから気づくだろ うが、交流電源があるときのこの回路は力学でいう強制振動である。過小減衰の場合の結 果だけ示しておくと I = I0e−γtcos ω′t − ϕ ただし、 γ =2LR ω′= 1 LC− R2 4L2 尚、2τγ = 1に注意。 LCR 回路の複素インピーダンス コンデンサーの複素インピーダンスは 1 iωCである。これを使えば直流の法則が使える。 6.5 磁場のエネルギー 先の式を変形して、 LIdI dt+ RI2+ QI C = V(t)I L 2 dI2 dt + RI2+ 1 2C dQ2 dt = V t I L 2 IT2− I02 + RI2dt T 0 + 1 2C QT 2− Q 02 = V t I T 0 dt 右辺は時刻0 から時刻 T までの間に電源がした仕事、左辺第二項はその間に抵抗で発生し たジュール熱である。左辺第三項はコンデンサーのエネルギーの増加分である。よって左 辺第一項はコイルにためられたエネルギーであることが推測できる。つまりL のコイルに I が流れているときエネルギーUmは

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Um = L 2I2 である。運動エネルギーと似ている。 磁場のエネルギー密度 証明略。磁場のエネルギー密度が um = 𝐇 ⋅ 𝐁 2 となる(電場のエネルギー密度との関連に注意)。よって Um = 𝐇 ⋅ 𝐁2 dV V となる。 6.6 マクスウェル・アンペールの法則 アンペールの法則は次のようなものだった。 𝐇 ⋅ d𝐬 C = I しかしこれは定常電流に関する定理であった。ここで変位電流という電流密度に似た量を 導入する。 ∂𝐃 ∂t である。これに本来の電流密度j を加えたものに対してアンペールの法則が成り立つ。つま り、 𝐇 ⋅ d𝐬 C = jn+ ∂D𝐧 ∂t dS S が成り立つ。但しn がついているのは曲面に垂直な成分ということを示す。 一般に電束Ψを次式で定義する。 ψ = DndS S これを使うとdψdt = ∂D𝐧 ∂t dS S がわかるので、 𝐇 ⋅ d𝐬 C = jS ndS+ d dt DS ndS となる。 7 電磁場の基礎方程式 積分形の諸法則 まとめて書くと次の通り。

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𝐃 ⋅ 𝐧dS S = S の中にある真の電荷の和 𝐁 ⋅ 𝐧dS S = 0 𝐄 ⋅ d𝐬 C = − d dt BS ndS 𝐇 ⋅ d𝐬 C = jn+ ∂D𝐧 ∂t dS S これらと𝐃 = ε𝐄, 𝐁 = μ𝐇, 𝐣 = ς𝐄をあわせていく。 マクスウェルの方程式 すでに述べたように1,2 式は div𝐁 = 0 div𝐃 = ρ ともなる。あとの二式を変形すると、 rot 𝐄 +∂𝐁 ∂t = 0 rot 𝐇 − ∂𝐃 ∂t = 𝐣 これらの4式をマクスウェルの方程式という。 連続の方程式と変位電流 証明略。 ∂ρ ∂t+ div𝐣 = 0 が連続の方程式。 ポアソン方程式 ラプラス方程式は ∆V(𝐫) = 0 だったが、これは電荷がないところでの話。電荷があるところではというと、証明略して(個 人的に感動した明快な式なので時間がある方は見てはいかがでしょうか)、 ∆V 𝐫 = −ρ ε となる。これをポアソン方程式という。 7.2 ベクトルポテンシャルと境界条件 磁束密度B に対してはdiv𝐁 = 0が成り立つので、数学的に次の式を満たす適当なベクトル A が存在することがわかる(証明略)。 𝐁 = rot 𝐀 このベクトルA をベクトルポテンシャルという。ランダウゲージというのもある(結局意味 がわからなかった)。 一方静電場の場合、このA を使って

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𝐄 = −∇V −∂𝐀 ∂t とすればよい。このときのV をスカラーポテンシャルという。 ゲージ変換 先に述べたV、A について、χが時間と場所の関数だとすると V′ = V −∂χ ∂t, 𝐀′ = 𝐀 + ∇χ

たるV’と A’からも同じ E と B が出る。V、A から V’、A’へのこの変換をゲージ変換という。 ローレンツ条件 上述のようにV、A は一義的には決まらないが、その間には関係がある。よく使われるのが ローレンツ条件で、 1 c2 ∂V ∂t + div 𝐀 = 0 とする。但し1 c2= εμで c は電磁場の速さである。与えられた V、A が上式を満たさねばゲー ジ変換により満たすように変えれば良い。ε、μが一定の場合これを用いると、 ∆ −c12 ∂ 2 ∂t2 V = − ρ ε、 ∆ − 1 c2 ∂2 ∂t2 𝐀 = −μ𝐣 が導かれる。 境界条件 時間変化する場合でも前出の境界条件が使える。 7.3 電磁場のエネルギー 電場、磁場のエネルギーはすでにみてきたが、今回はマクスウェルの方程式を用いてその 時間変化をみていく。 電場E0が供給する電力 空間中のある領域V をとったとき電場𝐄𝟎が領域V に供給する電力 P は P = 𝐄𝟎⋅ 𝐣dV V 電池の起電力 起電力 𝐄 ⋅ d𝐬 C を考える。静電場ではストークスの定理などを使いこれは恒に 0 になる。そこで電池の起 電力は特別なものとして扱うことにする。電池の起電力は電池内でのみ存在し、外では 0 である。電池の起電力による電場をE0、マクスウェルの方程式に従う電場をE とすると、 𝐣 = ς 𝐄𝟎+ 𝐄 が成り立つ。

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エネルギー保存則 電池が含まれた領域V を考える。上式より𝐄𝟎=ς𝐣− 𝐄たることがわかる。これを先ほどの電 力の式に代入して、 P = j 2 ςdV V − 𝐄 ⋅ 𝐣dVV が電池の領域V に供給する電力だとわかる。これを変形していくと、 P = j 2 ςdV V + dUe dt + dUm dt + div 𝐄 × 𝐇 dVV となる。第1,2,3項はそれぞれジュール熱、電場のエネルギー、磁場のエネルギーに 対応する。 ポインティングベクトル 𝐒 = 𝐄 × 𝐇 のこと。先ほどのP の第 4 項について考えると、保存力には成り得ないので、これは領域 V から外部へ単位時間当たりに流れ出るエネルギーである。このようなエネルギーを放射エ ネルギーという。ポインティングベクトルの話に戻る。第4 項について、 div 𝐄 × 𝐇 dV V = div𝐒dVV = SS ndS となる。このことから、エネルギーはS の方向に移動し、単位時間中に S と垂直な単位断 面積を通過するエネルギーの量がS に等しいことがわかる。 7.4 電磁場 電磁波の分類 c = λf のことを波の基本式という。電磁波は波長で分類される。10-4m 以上の波長をもつ電磁波が 電波。

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z 方向に伝わる電磁波 ε、μは定数、ρ、j はともに 0 として z 方向に伝わる電磁波を考え、E,H は z と t にのみ 依存すると考える。するとE,H の x 成分と y 成分のみを考慮すればいいことがわかる。こ の種の波を横波という。x 成分と y 成分については、 εμ∂2Ex ∂t2 = ∂2E x ∂z2 εμ∂ 2E y ∂t2 = ∂2E y ∂z2 εμ∂2Hx ∂t2 = ∂2H x ∂z2 εμ∂ 2H y ∂t2 = ∂2H y ∂z2 一次元の波動方程式 上式のような型の方程式を偏微分方程式という。同式はz 軸上を c = 1 εμ の速さで伝わる波を表し、そのためこれを一次元の波動方程式という。ξ = t −zc、η = t +zc

(25)

という変数を使うとεμ∂2Ex ∂t2 = ∂2E x ∂z2は ∂2E x ∂ξ ∂η= 0 となる。このことから、 Ex = f t − z c + g t + z c とかける。第一項は正の向きに速さc で進む波、第二項は負の向きに速さ c で進む波を表す。 つまり、これらの二つの波の重ね合わせである。 光速と屈折率 真空中の光速c をその媒質での高速 c’でわった数 n = c c′ をその物質の絶対屈折率という。 直線偏波 はっきりと示してないが、Ex等の偏微分方程式の導出にはExとHy、EyとHxが組になった方 程式が出てくる。よって特別な場合として後者の組の成分は 0 であるとし、前者のみを考 える。このような電磁波は電場がx 方向にあるので、それを x 方向の直線偏波(光の場合に は直線偏光)という。この場合 Ex = f t − z c + g t + z c Hy = cε f t − z c + g t + z c となる。 3次元の波動方程式 結果だけ書く。 ∂2𝐄 ∂t2 = c2∆𝐄 ∂2𝐇 ∂t2 = c2∆𝐇 7.5 正弦波 先程はf とか g とか書いていたが、普通は波形が正弦関数でこれを正弦波という。Ex、Hyの 正方向に進む波は Ex = E sin ω t − z c

(26)

Hy = cεE sin ω t − z c とかける。k =ωcを波数と呼ぶ。k =2πλと書ける。 この図からわかるように電磁波の進む向きはポインティングベクトルの向きである。 電磁波の運ぶエネルギー 向きが一致していることからみて、電磁波は進行方向にエネルギーを運ぶ。この場合電場 と磁場は直交しているのでS=ExHyとなる。時間平均S をとると S =cεE 2 2 またはS = E2 2cμ となる。 7.6 電磁波の反射と屈折(垂直入射) ここでは物質1 から物質 2 へ垂直に入射する直線偏波を考える。 Ex = E sin ω t − z c Hy= H sin ω t − z c と表す。先の議論から次の式が導かれる。 E H= μ ε 垂直入射

(27)

上図のような場合を考える。物質1 中での電磁波は次のようになる(「直線偏波」参照)。 E1x= E1sin ω t − z c1 + E1′ sin ω t + z c1 H1y = H1sin ω t − z c1 − H1′ sin ω t + z c1 c1= 1 ε1μ1 E1 H1= E1′ H1′= μ1 ε1 物質2 では次のようになる。 E2x= E2sin ω t − z c2 H2y = H2sin ω t − z c2 c2 = 1 ε2μ2 E2 H2 = μ2 ε2 かつ境界条件より次の式もある。 E1+ E1′ = E2 H1− H1′ = H2 反射係数 E1′ E1 のこと。変形すると、 ε1 μ1− ε2 μ2 ε1 μ1+ ε2 μ2 となる。

(28)

電磁波の運ぶエネルギーは振幅の二乗に比例する(先に示している)。入射波と反射波のエネ ルギー比を反射率R という。 R = ε1 μ1− ε2 μ2 ε1 μ1+ ε2 μ2 2 である。通常はμ1 = μ2 = μ0として良く、さらに絶対屈折率を使うと、 ε1 μ1− ε2 μ2 ε1 μ1+ ε2 μ2 =n1− n2 n1+ n2 R = n1− n2 n1+ n2 2 となる。n1 > n2の場合E1とE1′は同符号であるが、n1 < n2の場合異符号になる。後者の場合 波は反射波となる上位相がπだけずれる。 透過係数 垂直入射の場合、E2/E1は入射波と屈折波の振幅の比を表し、これを透過係数という。 E2/E1=1+E1 ′ E1であるので、 E2 E1 = 2 ε1 μ1 ε1 μ1+ ε2 μ2 が導かれる。これは常に正。屈折波は入射波と同じ位相をもつ。 光学的な疎密と位相変化 屈折率の小さな方の物質を光学的に疎、大きな方を光学的に密という。 7.7 電磁波の反射と屈折(斜めの入射)

(29)

今度は図のような状況を考える。反射の法則(入射角と反射角は等しい)が成り立つ。反射、 屈折の際、入射方向、反射方向、屈折方向、法線のすべては同一平面上にあるというほう そくがあり、その平面を入射面という。

点O での入射波、反射波、屈折波の電場をそれぞれ

𝐄𝟏sin ωt 𝐄′𝟏sin ωt 𝐄𝟐sin ωt

とすると境界条件より、

E1− E′1 cos θ = E2cos φ

ε1 E1+ E′1 sin θ = ε2E2sin φ

一方磁場についてはすべて垂直方向になるので境界条件は H1+ H1′ = H2 また、次の式も成り立つ。 E1 H1= E1′ H1′= μ1 ε1 E2 H2= μ2 ε2 屈折の法則 これらを連立すると、 sin θ sin φ= n n = c1 c2= n2 n1 が得られる。これを屈折の法則といい、n を物質 1 に対する物質 2 の屈折率という。 反射係数 同様に E1′ E1 のこと。今度は E1′ E1 = ε2 μ2cos θ − ε1 μ1cos φ ε1 μ1cos φ + ε2 μ2cos θ となる。μ1= μ2 = μ0と置くと、 E1′ E1= tan θ − φ tan θ + φ となる。ここでθ + φ =π2とすると反射係数は0 になる。この条件を満たす入射角θBをブル ースター角という(高校のころの臨界角)。tan θB = nとなる。 以上、電磁気学秋休み分終了。二学期に入って余裕が出てきたら新しく買う問題集に基づ く続編を書くかもしれません。

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参照

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