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消費税にまつわる諸問題とその後の税制の課題

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Academic year: 2021

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消費税にまつわる諸問題とその後の税制の課題

日立ソリューションズ講演会

平成25年10月17日

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話の概要

• 消費税率8%への引上げが決定

• 年内に、軽減税率、インボイス、低所得者対策

(給付措置)などについて結論

• 軽減税率は問題が多い

• 低所得者対策の給付税額控除は、番号が必要

• 抜本的な法人税改革の議論へ

• 法人実効税率引き下げは容易ではない

• 財政再建とのバランスが問われる

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消費税の軽減税率について

(平成25年度自民党税制改正大綱)

○消費税率10%引き上げ時に、軽減税率制度を導入することを

めざす。

○そのため与党税制協議会で・・協議し、本年12月予定の2014

年度与党税制改正決定時までに・・結論を得るものとする。

○協議すべき事項

• 対象、品目、軽減する消費税率、

• 財源の確保

• インボイス制度など区分経理のための制度の整備

• 中小事業者等の事務負担増加、免税事業者が課税選択を

余儀なくされる問題への理解

• その他、軽減税率導入にあたって必要な事項

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価格転嫁と表示の問題

「転嫁対策については、消費税の円滑かつ適

正な転嫁を確保する観点から、独占禁止法・

下請法の特例に係る必要な法制上の措置を

講ずる。」(三党合意)

→2本の特別法

・事業者の立場と消費者の立場

・価格とは何か

・商品ごと個別に転嫁する必要があるのか

・フランス人の考え方

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混乱する価格表示

総額表示

105円(税込み)、105円(本体価格100円)

105円(うち税5円)、105円(本体価格100円、税5円)

外税表示

100円(税抜き)、100円+税

100円(本体)

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軽減税率の問題点

① 制度執行コストの増大等

制度の簡素化、経済に対する中立性、事業者の

事務負担、税務執行コストが増大する。

②再分配政策としての効果

高額所得者にもメリットが及ぶので再分配政策

としての効果は乏しい。逆進性は変わらず。

③ 標準税率の一層の引上げ

軽減税率による減収分だけ標準税率を高く

せざるを得ない。

→「簡素な給付」、さらには「簡素な給付付き税額控除」で

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軽減税率とインボイス

• 生産者A

→ 卸売業者B → 小売業者C

消費税制度は、取引のリング(RING)を「インボイス」により、適正な納税 に向けての「けん制効果」が働くように仕組まれている。 売り手Aも買い手Bも、取引に当たって(売上げも仕入れも)、軽減税率 対象品目かどうか品目ごとに判断する必要が出てくるので、事務負担が 重くなる。 事務負担軽減には、品目ごとに軽減税率適用が判断でき、消費税額が 記載されたインボイスの導入が必須となる。 こえがなければ、売手は低い税率で売ったことにし(納付税額が少なく なる)、買手は高い税率で買ったことにしたい(控除税額が多くなる)ので、 消費税制度のメリットである納税の正確性は担保されなくなる。 中小企業庁の実態調査では、依然4割の事業者が手計算で経理を行って おり、複雑な計算をさけるためには、インボイスが必要。 問題は、インボイスの発給ができない免税事業者の取り扱い。課税選択か。

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-2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 200 未満 200 250 300 350 400 450 500 550 600 650 700 750 800 900 1000 1250 1500 2000 以上 % 年間世帯収入 年間収入に占める租税負担割合(%) 現行制度(税率5%) 税率10%(一律) 食料品軽減(5%) 消費税税額控除(ケース1) 消費税税額控除(ケース2) 出典:「平成21年全国消費実態調査」(総世帯)より推計 ケースⅠ (300万円までの世帯に一人当たり4.5万円給付、減額率は5%) ケースⅡ (210万円までの世帯に一人当たり10万円給付、減額率は15%)

所得階級別消費税負担割合

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諸外国の資料情報制度(個人) 日本 アメリカ イギリス(注3) フランス スウェーデ ン フロー 金融 所得 利子 ×(注1) 配当 ○ ○ ○ ○ ○ 株式譲渡 ○ ○ ○ ○ ○(注4) 事業所得 × × × × × 給与所得 ○ ○ ○ ○ ○ 不動産譲渡 ○ ○ ○ ○ ○(注4) 国内送金、預金の 入出金 × ○ × × 不明 海外送金 ○ ○ × △(注2) 不明 ストック 金融資 産 預貯金 口座開設 × △(注2) × ○ ×(注5) 株式保有 × × ○ × 不動産 × × × × 貴金属 × × × × 海外資産 × ○ ○ ○

出典:OECD “Tax Administration in OECD and Selected Non-OECD Countries: Comparative Information Series”ヒアリングに基づき作成 注1:源泉分離課税、注2:但し、記録保存義務あり。当局から要請があれば開示。

注3:イギリスにおいては、法定資料提出義務者は、税務当局の求めに応じて、法定資料を提出しなければならない。 注4:報告対象はいずれも売却価格である。

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出典:税制調査会 会議資料(2009年10月20日)に基づいて筆者作成 所得把握の精度 把握可能な所得の 範囲 現行の法定資料 (全53種) 番号で名寄せ・突合することで、 より多くの法定資料を正確に 処理できるので、今よりも所得 把握の精度が上がる 法定資料は現行のまま、 番号を導入すると・・・ 把握できる所得情報の種類 が増えることで、今よりも所得 把握の範囲が拡大する。 ただし、番号なしの事務処理 には限度がある。 番号を入れないまま、 法定資料を拡大すると・・・ 番号を導入し、 法定資料も拡大 すると・・・ 番号で名寄せ・突合し、かつ 把握できる所得情報の種類 が増えることで、今よりも所得 把握がより確実になる。 法定資料の 拡大にも 限界はある 番号と所得把握

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法人税改革に向けて

・わが国の法人の「6重苦」→政府のできるのは税負担の軽減→アベノミクス 成長戦略の「本丸」 ・国際比較すると高水準の法人表面実効税率 内訳をみると地方法人2税が高い 一方で地方法人2税は税収偏在・不安定の問題があり従来から改革 にむけて検討されてきた。暫定措置としての地方法人特別税の導入 (年末までに改革案)。 法人税改革と地方税改革を合わせて行うことが必要(政治決断が 必要) ・課題 - 最大の課題は、財源論。 - また、消費税引上げ時に法人税改革(減税)ができるか→世論の理解 が必要。そのためには、内部留保議論をこなす必要あり(所得分配率) - さらなる改革として、社会保険料負担も含めた改革がありうる(ドイツの 改革例)

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17.00 22.00 33.33 15.83 23.71 31.91 25.00 27.89 26.00 2.20 8.84 12.80 13.65 11.93 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 (%) (2012年1月現在) 国 税 地方税 法人所得課税の実効税率の国際比較 上記の実効税率は、法人所得に対する租税負担の一部が損金算入されることを調整した上で、それぞれの税率を合計したものである。 日本の地方税には、地方法人特別税(都道府県により国税として徴収され、一旦国庫に払い込まれた後に、地方法人特別譲与税として都道府県に譲 与される)を含む。また、法人事業税及び地方法人特別税については、外形標準課税の対象となる資本金1億円超の法人に適用される税率を用いて いる。なお、このほか、付加価値割及び資本割が課される。 日本の改正後の実効税率は、平成24年4月1日以後開始する事業年度のものである。なお、復興特別法人税(法人税額に対する10%の付加税)によ り、平成24年度から法人税率(国税の表面税率)は実質的に28.05%となる。 (注)1. 2. 3. 40.69% 40.75% 33.33% 26.00% 24.20% 25.00% 17.00% 35.64% ドイツ (全ドイツ平均) 中国 法人税率:30% 事業税率:3.26% 地方法人特別税 :事業税額×148% 住民税 :法人税額×20.7% 連邦法人税率:35% 州法人税率:8.84% 法人税率:33 1/3% 法人税率:22% 地方所得税 :法人税額×10% 法人税率:25% イギリス アメリカ (カリフォルニア州) 日本 (東京都) 韓国 (ソウル) フランス 法人税率:26% シンガポール 法人税率:17% 法人税率:25.5% 事業税率:3.26% 地方法人特別税 :事業税額×148% 住民税 :法人税額×20.7% 法人税率:15% 連帯付加税 :法人税額×5.5% 営業税率:13.65% 29.48% 23年度 改正前 23年度 改正後

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○ Mirrlees Reviewでは、Horstman and Markuse(1992)等の分析から、以下の4つの段階で、 法人税が国際展開する企業行動に与える影響を整理できる。 ・第1段階:自国で生産・輸出するか、海外で現地生産(直接投資)するかを決定。 ・第2段階:海外で現地生産する場合、どこの国で生産するかを決定。 ・第3段階:投資先を決定の上、どの程度の規模で投資するかを決定。 ・第4段階:どこの国に利益を集中若しくは帰属させるかを決定。 ○意思決定の各段階において参考とする税率は異なってくる。 企 業 輸 出 現地生産 A 国 B 国 C 国 投資先を決定の上、投資水準を決定。 第1段階 直接投資決定 【平均実効税率】 第2段階 立地選択 【平均実効税率】 第3段階 投資水準決定 【限界実効税率】 第4段階 利益の帰属先決定 【表面税率】 どこの国に利益を集中若しくは帰属させるかを決定。 D 国(※) (※)アイルランドやオランダ等の低税率国

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第一項は,法人の租税負担(実行税率、ETR)で、多くの国で安定的な 傾向を示している。課税ベースの拡大を行ったことを示している。 第二項は,全体の付加価値における法人部門の割合(share corporate sector)で、個人から法人へのシフトが進んだことを示している。 第三項は,GDPに占める企業所得の割合(profitability)で2000年代に増加 している。これは、アントレナーシップの発揮が見られたことである。 (“Corporate Tax Policy,Entrepreneurship andIncorporation in the EU” Ruud A. de

Mooij & Gaëtan Nicodème)

法人税のパラドックスが生じるためには、1)課税ベースの拡大と 2)新規起業がおきるような規制緩和・成長戦略が大前提 GDP GDP 経済全体の総営業利益 経済全体の総営業利益 法人企業の総営業利益 法人企業の総営業利益 法人税収 法人税収 * * =

欧州諸国で法人税パラドクスはなぜ生じたか

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参照

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