医療事故発生
- 医療安全管理室はどう動いたか -
地方独立行政法人 長崎市立病院機構
長崎市立市民病院
医療連携センター/医療安全管理統括責任者
鬼塚伸也
■病床数 414床
■標榜診療科 33科
■平均在院日数 12.9日
■病床利用率86.4%
H25.9.30現在2014年2月新たな姿に生まれ変わります
・地域医療支援病院 ・災害拠点病院(地域災害医療センター) ・地域がん診療連携拠点病院 ・地域周産期母子医療センター ・臨床研修指定病院長崎市立市民病院
当院の医療安全管理体制
院長 医療安全センター 医療安全管理統括責任者 コンフリクト 対応室 医療安全管理室 医療事故 調査委員会 顧問弁護士 ME 診療科医師 事務 栄養 薬剤部 看護師長 リハビリ 臨床検査 放射線 リスクマネージャー 看護部医療安全 推進委員会 インシデントアクシデント報告 全職員 医療安全管理委員会 転倒 ・ 転落 防止WG リスクマネージャー会議 報告 報告 報告 方針指示 具体的な指示 実践主治医・師長など現場のリーダー ① 救命措置を最優先 ② 直ちに、所属長に報告 ③ 患者・家族対応(病院として組織的に行う) ④ 事故に関与した職員への配慮 ⑤ 現場の保全(医療機器・薬剤など) ⑥ 事実経過の記録(カルテ) ⑦ 報告書作成 医療安全管理者 ① 診療録・看護記録・医療事故報告書の作成等に ついての必要な指示、指導 ② 患者や家族への説明など事故発生時の対応状 況についての確認と必要な指導 ③ 医療事故に関与した職員の精神的サポート ④ヒアリング、時系列表作成
院長
医療安全管理統括責任者 主治医・担当師長 主任診療部長・所属長など 時間外は日・当直医師、 日・当直師長当事者
医療事故調査委員会 ① 医療事故発生の原因究明に関すること ② 医療事故の再発防止に関すること ③ 医療事故への対応に関すること室員
副院長
室員
副院長・看護部長
室員
薬剤部長
室員
臨床工学技士
室員
医療サービス課長
室員
医療サービス課
室員
事務担当
当院の医療安全管理室スタッフ
室員
副室長
室長
医療安全管理統括責任者(医師)
専従医療安全管理者(看護師)
看護師・医療メディエーター
事故の概要
【患者】70代男性。 【診断】右上葉肺癌 【合併症】慢性閉塞性肺疾患(COPD) 【経過】平成25年5月 胸腔鏡下肺葉切除術の予定で手術を開始 した。 右肺動脈の上葉枝(A2b)の結紮、切離を施行する際に、右肺動脈本 幹を損傷し出血をきたした。 直ちに、圧迫止血しながら開胸して、用手的に圧迫止血を続けた。ヘ スパンダー、アルブミン製剤を投与し、さらに濃厚赤血球液(RCC) 輸 血も行った。 しかしながら、出血をコントロールできず、心停止に至り、心マッサー ジなど蘇生を試みたが奏功せず、死亡した。医療安全管理室の動き
事故発生 顧問弁護士へ連絡 警察・市へ連絡 当日 翌日 医療安全管理者へ連絡有り 9:30 手術開始 11:12 肺動脈から出血 12:25 心停止、心マッサージ施行 14:05 死亡確認 ・・・・・・・・・・ 院長、医療安全管理室スタッフ同席し、家族へ謝罪 15:10 手術室退室、病棟帰室 主治医より家族へ事実説明、謝罪 19:45 司法解剖のため長崎大学医学部へ搬送 院長へ報告 16:30 第1回医療事故調査委員会 警察への届出についての説明と同意 報道機関公表に関する説明と同意 13:30 第2回医療事故調査委員会 15:00 記者会見 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13:00 主治医より家族へ説明 医療安全管理室スタッフ、手術室へ。 説明に同席 患者・家族 医療安全管理室 ヒアリング・事実確認・時系列作成 (医療安全管理者) ・委員会用資料・記者会見用資料の作成と準備家族への対応
当日
ご家族へ(真実)説明と謝罪警察届出・報道機関公表に 対する説明と同意 院長、主治医、医療安全管理統括責任者、 医療メディエーター5月
ご家族の自宅を訪問 主治医、医療安全管理統括責任者、 医療メディエーター6月
ご家族の自宅を訪問 主治医、医療メディエーター7月
電話連絡 医療メディエーター8月
電話連絡 医療メディエーター 電話連絡 医療メディエーター 電話連絡 医療メディエーター ご家族と病院にて面談 院長、主治医、医療安全管理統括責任者、 医療メディエーター医療事故調査委員会の役割
事実を確認し、原因を究明する
再発防止策を講じる
公平・正当な評価を行う
委員会の経過・結果の説明責任
※外部委員を入れる
医療事故調査委員会
当日
第1回事故調査委員会 ・事故内容報告 ・対応協議 ・警察への届出決定 ・報道機関への公表決定5月
第2回事故調査委員会 ・記者会見への対応、準備 ・外部委員招聘決定 第3回事故調査委員会 ・経過報告・時系列表の確認・修正 ・顧問弁護士出席8月
第4回事故調査委員会 ・外部委員2名出席 ・原因究明 第5回事故調査委員会 ・前回の委員会の報告 ・今後の対策を協議10月
第6回事故調査委員会 ・再発防止について ・事故調査報告書作成医療事故公表基準
1.目的
長崎市立市民病院(以下「病院」という)において、医療事故
が発生した事実とその対応および公表に関する基準を定め
ることにより、
病院運営の透明性を高め、市民・患者の知る
権利に応えるなどの社会的な責任を果たし、組織的な医療
安全管理体制の推進・強化を図るとともに、他の医療機関
への警鐘をならし、社会全体の医療の安全性向上に資する
ことを目的とする。
(H25年4月1日・適用)3.公表の基準
医療事故等の公表は、以下の場合に行うものとする。
(
1)下記の医療事故レベル4または5に相当する場合で
過失が明らかであると認められた場合
ア 行った医療または管理により、生活に影響する
重大な永続的障害が発生した可能性がある場合(レベル
4)
イ 行った医療または管理が死因となった場合(レベル
5)
(
2)(1)に該当しない医療事故等でも公表することの社会的意義が
大きいと判断される場合
本事例は(
2)に相当
6.公表に際しての患者等からの同意 (1)公表に際しては次に定める旨について書面にて原則として同意を 得るものとする。 ア 患者本人、原則として親族 イ 患者が死亡した場合は原則として親族 ウ 患者が意識不明の場合や判断能力がない場合は原則と して親族 この場合において患者の意識回復した時は、速やかに当 該患者に説明を行い同意を得るよう努める。 (2)同意を得るに当たっては公表するだけでなく、その内容について も、書面で示しながら十分な説明を行うものとする。 (3)同意の有無および説明の内容は記録し、医療事故調査委員会の 書類として保存する。