環境マネジメントシステム
ニコングループでは、環境マネジメントシステムをグルー プ全体に展開しています。環境課題については、CSR委 員会で審議された後、取締役会に報告されます。2017年 3月期は、環境法令の違反に対する罰金、罰金以外の制裁 措置はありませんでした。また、環境影響に関する苦情な どもありませんでした。■
ISO14001認証の活用
ニコングループでは、ISO14001を活用した環境管理を 実施しており、国内外でのISO14001認証の取得を進め ています。2017年3月期には、Nikon Lao Co., Ltd.(ラオス)が認 証を取得しました。これは、工場長のリーダーシップと Nikon (Thailand) Co., Ltd.(タイ)の環境スタッフの協力 により実現したもので、Nikon Lao Co., Ltd.が拠点を構 えるサバンセノ経済特区において最初の取得となります。 また、ニコングループでは、2015年に改訂となった ISO14001:2015の認証を2018年3月期中に取得する ことをめざし、準備を進めています。ISO14001: 2015 には「リスク及び機会への取組み」という要求事項があり、 従来のようにリスクを脅威の面から把握するだけではな く、機会としても考察・検証していくことが求められます。 ニコングループでは、ISO14001のシステムを活用し、 社内外の状況を的確にとらえながら、環境負荷削減に向け た仕組みづくりと、環境経営を推進していきます。
環境推進体制
ニコングループは、環境委員会を中心とした環境管理体制のもと、 自社事業と環境とのかかわりや生物多様性への影響を明確にし、環境に配慮した事業活動を推進しています。 事業環境部会 各事業所における 環境保全活動推進のための グループ全体の計画策定と 実施、評価 製品環境部会 製品、製品包装材の環境適合性 および廃棄処理に関する 調査と対策の策定 物流環境部会 物流および物流梱包の 環境適合性を図るための 具体策の策定 地区環境部会 各事業所における地域環境改善および 地球環境保全活動の促進 環境委員会 (委員長:人事・総務本部長) ●環境管理活動の具体的方針・ 達成基準の策定 ●実施状況の監査 ニコングループの 環境管理活動の統括 経営戦略本部 CSR推進部 人事・総務本部 工務管理部 (環境委員会事務局) サプライチェーン部会 環境を含むサプライチェーン の懸案事項について 組織横断的に審議・決定 取締役会 代表取締役 兼 社長執行役員 CSR委員会 環境管理体制図(2017年6月29日現在)Nikon Lao Co., Ltd.( ラ オス)で掲示しているごみ 分別ポスター
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ニコン環境管理簡易システム
ニコングループでは、環境負荷の小さい国内外の非生産 系事業所に対して、「ニコン環境管理簡易システム(簡易 EMS)」を導入しています。この簡易EMSは、容易に環境 の取り組みを推進できるように、簡単な仕組みとなってお り、2つのレベル(スタンダードとベーシック)があります。 スタンダードは、環境負荷低減の目標を立て、その達成 に向けてPDCAを回しながら活動を改善・強化していきま す。ベーシックは、環境関連の活動と負荷の見える化を行 います。日本国内では対象となる全事業所、海外では規模 の大きな非生産系事業所へのスタンダードの導入が完了し ています。そのほかの事業所においても、ベーシックの導 入による環境パフォーマンスデータの見える化を着実に進 めています。■
内部監査の実施
ニコングループでは、ISO14001への適合性やパフォー マンスの向上などを確認するため、各部会、各部門を対象 とした内部監査を年1回以上、定期的に実施しています。 監査の結果、指摘を受けた部門については、必要な処置を 実施して改善を進めています。また、内部監査の質を維 持・向上させていくため、内部監査員の養成を目的とした 研修を設けており、2017年3月期は、5回(計128名)実 施しました。 このほかにも、国内では、全従業員を対象とした環境関連 法令研修を行っており、2017年3月期は4回(計77名) 実施しました。さらに、各地区環境部会の要請に応じた各 種臨時研修も実施しています。これらの研修は、資格をも つ社内講師が担当しています。 ニコンの環境管理ツール 環境管理ツール ISO14001 簡易EMS(スタンダード)/ Nikon Eco ProgramStandard (NEPS)
簡易EMS(ベーシック)/ Nikon Eco Program Basic
(NEPB) 導入対象となる事業所 一部の非生産系事業所生産系事業所と 比較的規模の大きな 非生産系事業所 非生産系事業所規模の小さな 活動内容 ・環境影響評価 ・順守評価 ・内部監査 ・是正処置 ・予防処置 ・マネジメントレビューなど ○ − − ・環境目標の設定 ・PDCA ○ ○ − ・環境啓発活動 ・環境負荷データの収集 ○ ○ ○
ニコングループ環境マネジメントシステムと環境パフォーマンスデータのバウンダリ(2017年3月期) 会社名 環境パフォーマンスデータの集計区分 環境管理システム (株)ニコン A※2 環境パフォーマンスデータの集計対象 ISO 14001 Ⅰ (株)栃木ニコン (株)黒羽ニコン※1 ティーエヌアイ工業(株) (株)仙台ニコン (株)宮城ニコンプレシジョン (株)栃木ニコンプレシジョン (株)ニコンエンジニアリング 光ガラス(株) Ⅱ (株)ニコンビジネスサービス (株)ニコンスタッフサービス (株)ニコンシステム (株)ニコンイメージングシステムズ (株)ニコンビジョン (株)ニコンテック (株)ニコンインステック (株)ニコンイメージングジャパン ニコン環境管理簡易システム(スタンダード) Ⅲ
Nikon (Thailand) Co., Ltd.
ISO 14001 Nikon Imaging (China) Co., Ltd.
Nikon Lao Co., Ltd.
Nanjing Nikon Jiangnan Optical Instrument Co., Ltd. Hikari Glass (Changzhou) Optics Co., Ltd.
Ⅳ Nikon Imaging (China) Sales Co., Ltd.
B 現在は環境パフォー マンスデータの 集計対象外 Nikon Metrology UK Ltd. X-Tek Systems Ltd. Ⅴ
Nikon Holdings Europe B.V. 本社ビル(Nikon Europe B.V.、Nikon Instruments Europe B.V.、Nikon GmbH Netherlands branch office含む)
ニコン環境管理簡易システム(スタンダード) Nikon Inc. 本社ビル(Nikon Americas Inc.、Nikon Instruments Inc.を含む)
Nikon Precision Inc. 本社ビル(Nikon Research Corporation of America、Nikon Ventures Corporationを含む) Nikon Precision Korea Ltd.
Nikon Precision Taiwan Ltd.
Ⅰ 国内グループ生産会社/Ⅰ、Ⅱ 国内グループ会社/Ⅲ 海外グループ生産会社/Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ 海外グループ会社 ※1 (株)黒羽ニコンは、2017年2月1日に(株)栃木ニコンと合併。
※2 上記「A」に属する従業員数は連結グループ全体の約8割を占める。「A」には上記以外にも、小規模な特例子会社や構内で業務委託を行っている外注会社の活動により発生するデータが含まれる場合がある。 係数について : 環境アクションプランおよび、それに関連するニコンおよび国内グループ会社のCO2排出量はアクションプラン管理用の固定係数を使用し、それ以外は各年度の実排出係数を使用。
環境負荷や環境リスクの大きさを的確に把握した上で、取 り組みの優先順位をつけ、目標を設定し、環境活動を展開 することが重要だと考えています。 そのため、国内外における電力などのエネルギーや廃棄物、 水など関連する環境データ収集を積極的に進めています。
事業活動における環境とのかかわり
ニコングループでは、持続可能な社会の実現に貢献するた めには、自社の事業活動と環境とのかかわりを明確にし、 INPUT エネルギーなど ■電力359,935MWh ■都市ガス6,174千N㎥ ■液化石油ガス2,694トン ■その他の燃料892KL ■温水/冷水8,165千MJ 水 ■3,820千㎥ 原材料 資材 化学物質 PRTR* 指定物質の大気への排出 ■取扱量66トン▶
研究・開発▼
企画・マーケティング▼
設計▼
調達▼
生産▼
梱包・物流▼
販売・修理・サービス▼
回収・リサイクル OUTPUT CO2排出 ■電力由来188,818トン-CO2 ■都市ガス由来13,855トン-CO2 ■液化石油ガス由来8,079トン-CO2 ■その他の燃料由来2,394トン-CO2 ■温水/冷水由来465トン-CO2 排水 ■3,031千㎥ PRTR指定物質の大気への排出 ■ジクロロペンタフルオロプロパン2トン ■1-ブロモプロパン43トン ■トルエン2トン 廃棄物など ■排出量8,993トン ■最終(埋立)処分量4トン 製品 ニコングループの事業における環境とのかかわり ※ 数値はニコングループ全体のパフォーマンスデータ。ニコン、国内グループ会社、海外グループ生産会社のデータは、P28に記載。 * PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)ニコングループの主な環境負荷(2017年3月期) INPUT ニコン 国内グループ会社(Ⅰ、Ⅱ) 海外グループ生産会社(Ⅲ) 単位 エネルギーなど 電力 161,254 87,109 111,572 MWh 都市ガス 5,128 1,045 0 千Nm3 液化石油ガス 493 2,023 178 トン その他の燃料 9 868 16 kL 温水/冷水 8,165 0 0 千MJ 水 水 1,846 900 1,075 千m3 PRTR指定物質* 取扱量 21 45 − トン OUTPUT ニコン 国内グループ会社(Ⅰ、Ⅱ) 海外グループ生産会社(Ⅲ) 単位 CO2排出 電力 80,627 45,026 63,166 トン- CO2 都市ガス 11,509 2,346 0 トン- CO2 液化石油ガス 1,479 6,066 535 トン- CO2 その他の燃料 22 2,332 41 トン- CO2 温水/冷水 465 0 0 トン- CO2 水 水 1,456 728 847 千m3 PRTR指定物質の大気への排出* 18 29 − トン 廃棄物など 排出量 3,271 3,095 2,627 トン 最終(埋立)処分量 2 2 − トン * 国内グループ会社は、国内グループ生産会社の値。
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環境会計
ニコングループは、環境保全の取り組みを効果的かつ効率 的に推進するため、事業活動における環境保全のためのコ ストとその活動により得られた効果を認識し、定量的に測 定する環境会計に取り組んでいます。環境省「環境会計ガ イドライン(2005年版)」に沿って算出しています。 〈対象〉 ニコンおよび国内グループ生産会社 対象期間:2016年4月1日〜 2017年3月31日 ※減価償却費は費用に計上していない。 ※ 金額は四捨五入しているため、合計表示額が内訳の合計と一 致しない場合がある。生物多様性に対する考え方
ニコングループでは、製品材料の供給を生態系から受け、 事業活動による化学物質やCO2の発生により生態系に負 荷を与えています。一方で、自然観察や研究・教育の場に おいて、製品を通じて生物多様性の保全に貢献できると考 えています。 こうした認識のもと、生物多様性を含む自然環境への影響 に配慮し、地球環境の保全に努めることを明確化した「ニ コン環境管理基本方針」に基づき、生物多様性の保全に向 けた取り組みを実施しています。■
生物多様性保全に向けた取り組み
ニコングループでは、各部門でCO2排出量削減、RoHS 指令※1への対応に代表される有害化学物質削減、ゼロエ ミッション※2などの廃棄物削減を推進しています。これ らの活動は、生物多様性の保全にも貢献すると認識してい ます。また、ニコングループでは、ステークホルダーとの 連携にも取り組んでおり、例えば、国有林の生物多様性復 元計画「赤谷プロジェクト」の調査研究では、寄贈したニコ ンのカメラや双眼鏡などがモニタリングや記録撮影に活用 されています。 さらに、生物多様性保全の推進支援を目的とする電機・電 子4団体※3の生物多様性ワーキンググループにも参加し ています。同ワーキンググループは、2016年12月の COP13(生物多様性条約第13回締約国会議)のサイドイ ベントにおいて、日本の電機・電子業界が実施する、生物 多様性保全に関する活動紹介などを行いました。 環境保全コスト 分類 主な取り組み 投資額 費用額 合計 事業所エリア内 コスト 公害防止コスト 大気汚染防止/水質汚濁防止など 400 897 1,297 地球環境保全コスト 地球温暖化防止/省エネルギーなど 166 268 434 資源循環コスト 廃棄物の処理/資源効率的利用など 1 268 269 上・下流コスト グリーン調達運用、リサイクル対策など ― 78 78 管理活動コスト 環境マネジメントシステム運用など ― 332 332 研究開発コスト 製品省電力設計、研究・開発など 1 72 73 社会活動コスト 社会貢献活動・協賛など ― 26 26 環境損傷対応コスト 土壌修復費用など ― 6 6 その他 ― 0 0 合計 568 1,947 2,515 (単位:百万円) 環境保全対策に伴う経済効果 費目 効果の内容 金額 収益 有価物売却益 33 費用削減 省エネルギーによるエネルギー費用削減 1 資源の効率的利用による費用削減 ― 資源の循環利用による費用削減 ― 合計 34 ※ 環境保全効果は、「ニコングループの主な環境負荷」(P28)に相当します。 (単位:百万円)「赤谷プロジェクト」への支援(P51)
※1 RoHS指令(Restriction of Hazardous Substances) 電気・電子機器における特定有害物質の使用の制限に関する指令 の略称。 ※2 ゼロエミッション 国連大学が1994年に提唱。産業活動から排出される廃棄物な どを、ほかの産業の資源として活用し、社会全体として廃棄物 ゼロにするという考え方。 ※3 電機・電子4 団体 電機・電子業界における下記4 団体が連携して取り組みを行って いる。 JEMA:一般社団法人日本電機工業会 JEITA:一般社団法人電子情報技術産業協会 CIAJ:一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会 JBMIA:一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会 生態系サービスと事業活動、環境目標などとの関連性 依存度・影響度の高い 生態系サービス 具体例 主な取り組み事項 関連する環境目標、社会貢献活動 供給サービス 木材および木質繊維 製品材料としての紙の使用(取扱説明 書、カタログ、梱包材など) 森林資源の保全(P43) グリーン購入(P43) 事業活動における紙の使用(コピー用 紙など) 淡水 事業活動における水利用 水資源の保護(P44) 調整サービス 大気の質の調節 事業活動における化学物質の排出 有害化学物質の削減等(P46) グリーン調達(P47) 気候の調節 事業活動における温室効果ガスの排出 CO2削減活動(P34) 水の浄化と廃棄物の処理 事業活動における排水、廃棄物の排出 大気・水質汚染防止(P50) 廃棄物削減(P42) 文化的サービス 倫理的価値 教育・研究の場での製品使用 「赤谷プロジェクト」への支援(P51) 社会貢献活動 環境啓発ツールによる教育支援(P51)
ニコン製品に支えられている科学的な森づくり
私たち公益財団法人日本自然保護協会は、赤ちゃんからお年寄りまでが美しく豊かな自然 に囲まれ、笑顔で生活できる社会を目指して活動しているNGOです。 私の担当する「赤谷プロジェクト」では、群馬県みなかみ町にある1万ha(10km四方)の広 大な森林「赤谷の森」で、生物多様性の復元と持続的な地域づくりを目標にした科学的な森 づくりに取り組んでいます。 例えば、この森にくらし、豊かな自然の指標でもある絶滅危惧種“イヌワシ”の生息環境を向 上させるため、イヌワシが狩りをする環境を創出して、その効果を科学的に測定する活動 などを行っています。 この取り組みには、1km以上遠方のイヌワシの個体を識別し、その行動を記録する必要が あり、ニコン製の双眼鏡、フィールドスコープ、デジタルカメラは欠かせません。昨年は、 赤谷の森にくらすイヌワシが7年ぶりに子育てに成功し、その貴重な記録を残すことにも大 変役立ちました。また、子どもたちと行う自然観察会では、小さな水生昆虫や土壌動物が 観察できる携帯実体顕微鏡「ファーブル」も大活躍しています。 公益財団法人 日本自然保護協会 出島 誠一 様Voice
※表紙のイヌワシは、この活動を紹介するパネルなどに活用されています。環境に配慮した製品開発
ニコングループでは、製品の企画・設計段階から環境への影響 を考慮し、環境に配慮した製品の開発に取り組んでいます。■
環境配慮製品開発のプロセス
ニコングループでは、製品のライフサイクル全体における 環境負荷が少ない製品を提供するため、右図の「環境配慮 製品開発フロー」に従い、製品開発をしています。■
ニコン製品アセスメント
ニコングループでは、1995年にニコン製品の特性を十分 に考慮したアセスメントを実施するため「ニコン製品アセス メント」を制定し、状況に合わせて評価項目・基準を改定・強 化しています。製品アセスメントを製品の企画・設計段階か ら試作・量産段階までの間に実施することで、ライフサイク ル全体において環境負荷を低減するよう努めています。 代表機種などの一部製品においては、LCA(ライフ・サイク ル・アセスメント)手法による環境影響評価を行い、ライフ サイクルの各段階におけるCO2排出量を算出しています。 その結果、映像製品は原材料調達段階、FPD・半導体装置 や産業機器製品は使用段階のCO2排出量が多いことから、 それらの段階での改善が重要なポイントととらえています。 また、環境配慮製品の定義や体系の見直しを行い、2017 年度より、環境配慮製品およびスーパー環境配慮製品の創 出に取り組みます。 環境配慮製品開発フロー 環境配慮製品の体系 ニコン環境アクションプラン 製品ごとの環境目標を設定 環境配慮設計の実施 製品アセスメント・ 商品化決定 デザインレビュー (LCA 環境目標の実績確認 手法による環境影響評価) 次機種の目標設定に フィードバックPlan Do Check Act
通常製品 環境配慮製品 スーパー環境配慮製品