Takuya Y
AMAUCHI*, Toshiaki M
IKAMI*, Kimiyoshi M
IYATA**, Toshiya N
AKAGUCHI***and Norimichi T
SUMURA*要 旨 高ダイナミックレンジ(High Dynamic Range, HDR)画像は,通常の画像よりもはるかに広い輝度範囲を記録した画像で, 通常の画像よりも高精細な画像処理が可能であり,デジタル画像処理の中間処理やコンピュータグラフィックスで広く用 いられるようになった.しかし,一般的に使用されているディスプレイの再現階調は狭く,HDR 画像を直接表示すること はできない.HDR 画像を通常のディスプレイに表示するには,階調を圧縮するトーンマッピングと呼ばれる処理が必要で ある.これに対して,我々は観察者の注視情報に応じて画像の見えを明瞭にするトーンマッピング手法を提案してきた. さらに,画素値の高い領域注視時のパラメータ推定を改善した.しかし,これらの手法は従来の手法との比較評価が行わ れていない.そこで,本論文では,注視情報を用いたトーンマッピング手法の有効性を検証するため,画像の好ましさの 観点から,注視情報を用いたトーンマッピング手法と従来手法の比較実験を行った.
Abstract Tone mapping operators are designed to reproduce the appearance of the High Dynamic Range image onto limited dynamic range displays. The goal of tone mapping operators is to reduce the dynamic range of the High Dynamic Range image while preserving the visual appearance. For this purpose, a number of tone mapping operators have been proposed based on Human Visual System and Traditional Photographic Techniques, and they have been compared and ranked in the last decade. Recently, some researchers have proposed gaze based tone mapping operators by integrating observer’s gaze information in tone mapping. Using gaze information in designing tone mapping operators has many potentials over traditional tone mapping operators, However, gaze based tone mapping operators have not yet been evaluated. In this paper, we evaluate gaze based tone mapping operators. Experimental results show that gaze based tone mapping operators outperforms the conventional technique.
キーワード:HDR 画像,トーンマッピング,主観評価,視線計測
Key words: High dynamic range image, Tone mapping, Subjective evaluation, Eye tracking
1. 緒言
実世界は暗闇での星の光から太陽の直接光まで幅広い輝度 範囲を持っている.JPEG などに代表される従来の画像では 自然界の幅広い輝度範囲を記録するには,階調数が少なく高 精度に記録することができない.一方,High Dynamic Range (HDR)画像は,そのような輝度範囲を豊かに記録すること ができる画像のことである.HDR 画像は,JPEG などの従来 の画像形式より高精細な画像処理ができるということから, 近年コンピュータグラフィックスや医用画像処理,リモート センシングなど様々な分野で欠かせないものになっている 1). しかし,一般に普及している LCD ディスプレイなどの出力 デバイスの再現階調には制限があり,HDR 画像を直接表示す ることができない.そこで,出力デバイスの階調に合わせて HDR画像の階調を圧縮するトーンマッピングと呼ばれる処 理が研究されている. Reinhardらはゾーンシステムや覆い焼き,焼き込みなどの 伝統的な写真現像技術を基にしたトーンマッピング手法を提 案した 2).Pattanaik らは視細胞の光応答モデルにより人間の 時間的順応を再現し,動画像に適用できる手法を提案した 3).
平成 23 年 8 月 4 日受付 平成 23 年 12 月 12 日受理 Received 4th, August 2011, Accepted 12th, December 2011 *千葉大学大学院融合科学研究科 〒 263-8522 千葉市稲毛区弥生町 1-33
Graduate School of Advanced Integration Science, Chiba University, 1-33, Yayoi-cho, Inage-ku, Chiba-shi, Chiba 263-8522, Japan **国立歴史民俗博物館研究部 〒 285-8502 千葉県佐倉市城内町 117
Research Department, National Museum of Japanese History, 117, Jonai-cho, Sakura-shi, Chiba 285-8502, Japan ***千葉大学大学院工学研究科 〒 263-8522 千葉市稲毛区弥生町 1-33
Kuangらは人間の色の見えを再現するため,色順応を考慮し たトーンマッピング手法を提案した 4).Fig. 1 に示されるよ うに,トーンマッピング手法は HDR 画像の見えや印象に大 きく関係するため,重要な研究課題となっている. これに対し,Mikami らは観察者の視線情報を用いて HDR 画像の階調を変調させるトーンマッピング手法を提案した 5).
また,Yamauchi らは,Mikami らの手法を基に Reinhard らの 手法による中間明度推定を組み込むことで高輝度部注視時の 中間明度推定を改善するトーンマッピング手法を提案した 6). しかし,これらの注視領域情報を用いた手法は,従来のトー ンマッピング手法との比較評価が行われていないため,有効 性の検証が出来ていない.そこで,本論文では従来のトーン マッピング手法と新しく提案された注視情報を用いた手法の 好ましさを一対比較法により尺度化,評価を行い,注視領域 情報を用いたトーンマッピング手法の有効性の検証を行う. 2. HDR 画像とトーンマッピング手法 本章では,HDR 画像の画像フォーマットと本論文で比較す る 3 手法について説明する. HDR画像は,実シーンの幅広い輝度範囲を豊かに記録する ことができる画像で,これを実現するにはビット深度の深い Fig. 1 Image results mapped by various tone mapping operators.
画像フォーマットが必要である.HDR 画像フォーマットの一 つである Radiance RGBE 形式では,RGB それぞれ 8 ビット に,RGB 共通の指数部チャンネル E の 8 ビットを加えること で,HDR 画像表現を実現する.Radiance RGBE 形式におい て,実シーンの輝度に対応した色(Rw, Gw, Bw)は画素値(R, G, B, E)を用いてそれぞれ以下のような形で表現される. (1) Radiance RGBE形式では,指数部によって表現できる階調 数が圧倒的に増え,幅広い輝度範囲を階調豊かに表現するこ とができる. 次に,本論文で比較する 3 種類のトーンマッピング手法に ついて説明する.2.1 節では,伝統的な写真術に基づいた Reinhardらの手法 2)を説明する.2.2 節では観察者の視線を 考慮した Mikami らの手法 5),2.3 節では Mikami らの手法を 修正した Yamauchi らの手法 6)を紹介する.3 種類の手法の 流れを Fig. 2 に示す.Fig. 2 に示すように,3 手法の相違点は, 画素値を正規化するための定数(以下の式で ZVと示すもの) の決め方だけである. 2.1 手法 1(Reinhard et al. 2002 2)) 銀塩写真において撮影者が露出をコントロールするには, 被写体の照度,フィルムの階調特性や現像特性,印画紙の階 調特性を知る必要がある.Adams はネガフィルム,印画紙の 特性と被写体の明暗さから,撮影前に最終的なプリントの階 前テストで用いた標準的な被写体より撮影したい被写体のコ ントラストが大きい場合は,標準現像時間で現像すると印画 紙に上手く再現できない.そのような時はネガフィルムの現 像時間を標準現像時間より短くすることで被写体のコントラ ストを削減することができる.このように,ゾーンシステム は,ネガフィルムの階調特性を撮影シーンに合わせて適切に 変化させることで広いダイナミックレンジの画像をプリント 可能にするシステムである.Reinhard らはこのゾーンシステム の考え方に着目し,デジタル画像の階調表現をモデル化した 2). Reinhardらの手法では,ゾーンシステムのゾーン V を基準 として HDR 画像の画素値をスケーリングする.ゾーン V に 対応する HDR 画像の画素値 ZVは,次式のように画像全体の 画素値の対数平均として表される. (2) ここで,LHDR(x, y)は HDR 画像の画素(x, y)の画素値で,δ は特異点を避けるための項,N は総画素数である. 各画素 LHDR(x, y)は,ゾーン V に対応する HDR 画像の画 素値 Z Vにより正規化される.正規化された画素値 Lnormは次 式により表される. (3) ここで,a はキー値と呼ばれ,画像が主観的に明るい(ハイ キー),暗い(ローキー)ということを決める項であり,通常 は 0.18 に設定される. 正規化された画素値 Lnormは,次式により 0 ~ 1 の範囲に 階調のマッピングが行われる. (4) Eq. 4により,低画素値領域(Lnorm^0)に対しては分母が 1+Lnorml1 となるため Lnorm自身が出力され,画素値の高い 領域(Lnormp1)に対しては分母が 1+Lnorml Lnormとなるため
1が出力される.つまり,Eq. 4 は Fig. 3 に示されるように, 低画素値領域の階調を保ち,画素値の高い領域の階調を圧縮 する効果がある.
Fig. 2 The flow diagram of each tone mapping method.
− + = 0.5 2 128 256 E W R R − + = 0.5 2 128 256 E W G G − + = 0.5 2 128 256 E W B B δ ⎛ ⎞ ⎜ ⎟ = = ⎜ + ⎟ ⎝
∑
⎠ V , 1 exp log( ( , )) global HDR x y Z L L x y N = v ( , ) ( , ) norm a HDR L x y L x y Z = + ( , ) ( , ) 1 ( , ) norm map norm L x y L x y L x y手法 1 は,画像全体を同一の演算子を用いて処理するため, GPUコンピューティングによる実装がしやすく高精細動画 像のトーンマッピングにも利用されている 8).また,トーン マッピング手法の評価研究 9–11)でも手法 1 の有効性が示され ており,手法 1 は従来のトーンマッピング手法の代表的な手 法の一つである. 2.2 手法 2(Mikami et al. 2010 2)) Mikamiらは,手法 1 を基に観察者の視線に応じてトーン マッピングする手法を提案した.手法 2 では,視線計測装置 により観察者のディスプレイ上の注視座標を計測し,注視座 標を中心とした近傍領域の輝度から中間明度に対応する輝度 値を求め,手法 1 に基づいたトーンマッピング処理を行う. これをリアルタイムに処理することで,観察者の視線変化に 応じたトーンマッピングを実現している.手法 2 における ゾーン V に対応する HDR 画像の画素値 ZVは次式で決定され る. (5) 手法 1 では画像全体の対数平均輝度を取っていたのに対し て,手法 2 ではある時点 t での注視領域(GazingArea(t))内 の画素値の対数平均を取ることにより中間明度に対応する輝 度値を推定する.ここで,注視領域の大きさは被験者の視距 離から計算した 4 度視野を一辺とする正方形領域を注視領域 とみなしている.N' は注視領域内の画素の総数である.正規 化,階調のマッピングは手法 1 と同様,Eq. 3,Eq. 4 で行われる.
2.3 手法 3(Yamauchi’s modified gaze based operator) 手法 2 では,Eq. 5 により注視領域内の輝度分布のみから ゾーン V に対応する HDR 画像の画素値 ZVを決定していたた め,HDR 画像の画素値が極めて高い領域を注視した時に見え が著しく低下することがあった(Fig. 4).Yamauchi らは,ZV の決定に画像全体の輝度分布を考慮した上限を設定すること で高輝度部注視時の中間明度推定の改善を試みた. (6) ここで, は Eq. 2 で推定された大局的な輝度分布から求 められた中間明度, (t) は Eq. 5 で推定された局所的な輝 度分布から求められた中間明度である. (t) における注 視領域(GazingArea)は,手法 2 では簡単のため正方領域を 取っていたが,手法 3 では人間の知覚に近づけるため円形領 域を取る.なお,注視領域の大きさは 4 度視野が最適である ことが Yamauchi らの実験により報告されている 6).また,σ は ZVの取り得る範囲の上限を決める定数であり,経験的に σ=2.0 に設定される.この後の処理は手法 1,手法 2 と同じよ うに,Eq. 3 で正規化,Eq. 4 で階調のマッピングが行われる. Fig. 5は手法 2,手法 3 で各画素を注視した時の Zvの値を画 像化した Zvマップで,手法 3 は式(6)により Zvの取り得る値 を制限していることがわかる.これにより,輝度が極めて高 い領域を持つ画像において,手法 3 では Fig. 6 のように見え の低下を防ぐことができる. 3. 主観評価実験 これまで新しいトーンマッピング手法として注視情報を用 いたトーンマッピング手法である手法 2,手法 3 が提案され てきた.しかし,これらの新しい手法は従来のトーンマッピ Fig. 3 The plot of Eq. 4. This equation expands low pixel values and
compresses high pixel values.
δ ∈ ⎛ ⎞ ⎜ ⎟ = = ⎜ + ⎟ ′ ⎝
∑
⎠ V , GazingArea( ) 1 ( ) exp log( ( , )) local HDR x y t Z L t L x y N σ σ ⎧ < × ⎪ = ⎨ × ⎪⎩ V ( ) ( )local local global global L t if L t L Z otherwise L global L local L local L
Fig. 4 The result mapped by Method 2. When looking at a high luminance region, image appearance mapped by Method 2 has degraded.
Fig. 5 Zv maps used in Method 2 and Method 3.
Fig. 6 The result mapped by Method 3. When looking at a high luminance region, image appearance mapped by Method 3 has improved.
ング手法との比較評価がなされていない.そこで,本研究で は,トーンマッピング手法の処理結果画像の好ましさを,トー ンマッピング手法の主観的評価にもよく用いられている 9–11) Thurstonの一対比較法により尺度化し,従来手法との比較を 行う.Thurstone の一対比較法では,観察者が一対の画像を 画像全体の好ましさの観点からどちらが好ましいかを二者択 一で選択する.ここで比較する 2 枚の画像は,手法 1,手法 2,手法 3 のいずれかで処理された画像で,このアンケート データから各手法の選択率を計算し,さらに選択率から標準 正規化分布の逆関数を求めることで尺度化を行う. 実験条件の概要を Table 1 に示す. 3.1 実験環境 実験の視環境を Fig. 7 に示す.手法 2,手法 3 では観察者 のディスプレイ上の注視座標が必要なため,ナックイメージ テクノロジー社のアイマークレコーダ EMR-8B を用いて実験 中は常に注視座標を計測する.EMR-8B は光源から赤外線を 角膜と水晶体にあて,プルキンエ像と呼ばれる反射像と瞳孔 の中心との相対距離から注視位置を計測する装置(Fig. 8)で, 9点注視によるキャリブレーションにより,EMR-8B の内部 座標系とディスプレイの座標系の対応を取り,注視座標を計 測する.なお,注視位置検出レートは単眼検出時で 60 Hz で ある.本研究では左眼単眼を常に検出し,EMR-8B から得ら れるディスプレイ上の注視座標から 4 度視野に対応する画素 範囲を決定し,手法 2,手法 3 のトーンマッピングを行う. ここで,4 度視野に対応する画素範囲はディスプレイの画素 ピッチ,ディスプレイと被験者の距離から決定できる.画面 注視座標と画像対 1 組の掲示時間は 45 秒間で,後の考察の ため実験中は 0.25 秒間隔で注視座標履歴を記録した.ただ し,視線が十分に安定するまでの 0.0 ~ 2.5 秒のデータは棄 却したため,注視座標履歴は 2.5 秒~ 45 秒の注視座標データ を用いて作成した.実験は全て暗室環境下で行い,視距離は モニタ画面の高さの 3 倍とした. 3.2 実験手順 実験手順を Fig. 9 に示す.被験者には入室後,視線計測装 置の個人校正を行い,以下のインストラクションを与えた. ・これから画像の好ましさに関する評価を行ってもらいま す. Fig. 7 Experimental condition.
・モニタの左右に異なる方法で処理された2枚の画像が45秒 間表示されます.画像全体を見て,どちらの画像が好まし いか判定してください. ・その後,グレー画像が 15 秒間表示される間にどちらの画 像が好ましかったか解答してください. 提示した HDR 画像は Fig. 10 の 5 種類である.画像の大きさ は長辺が 16 度視野の直径に相当する長さに調整し,表示し た.1 枚の画像につき,「手法 1」対「手法 2」,「手法 1」対 「手法 3」,「手法 2」対「手法 3」の 3 回の評価を行うため,1 人あたり 15 回の評価を行うことになる.ここで,順序効果 を排除するため,2 枚の画像は左右ランダムに表示させた. 各 手法におけるパラメータの設定を Table 2 に示す. 3.3 実験結果 評価画像 5 種類,被験者 10 名で比較した一対比較法によ るアンケート結果を,Thurstone 法により尺度化した結果を Table 3,結果を可視化したものを Fig. 11 に示す.5 つの画像 中 3 つの画像で手法 3 が一番好ましく,1 つの画像で手法 2 が一番好ましいと判断された.また,Welch の T 検定により 各手法の平均値の比較を行った結果を Table 4 に示す.比較 結果から,手法 1 と手法 2 の平均値の間には 5%の有意水準 で差がある.また,手法 1 と手法 3 の平均値の間には 5%の 有意水準で差があることがわかった.注視情報を用いた 2 手 法間に有意差は見られなかったものの,従来のトーンマッピ ング手法に比べて注視情報を用いたトーンマッピング手法は 有効であることが示されたと言える. 3.4 考察 5つの HDR 画像における主観評価実験結果に関して,被験 者の誘目領域の観点から考察する.主観評価において観察者 の注目を得る部分,つまり誘目領域は観察者の画像評価に大 きく影響する.遠藤らは誘目領域外の情報を劣化させても画 像全体の画質には影響を与えないことを示した 12).そのため, 本研究の実験結果にも誘目領域の見えが大きく影響を及ぼし ていると考えられる.5 つの HDR 画像の誘目領域を Table 5 にまとめる.明るく表示されている領域ほど誘目性が高いこ とを示している.ここで,誘目領域の画像は 3.1 節で述べた 被験者の注視座標履歴を用いて次のように作成した.画像を 15×10(もしくは 10×15)の小領域に分割し,注視座標履歴 内の各注視座標データがどの小領域に含まれるかをカウント する.遠藤らにより誘目領域は被験者により変化しないこと が示されている 12)ため,ここでは全被験者の注視座標履歴 を用いて誘目領域を作成した.注視座標データが一番多く含 まれる小領域のカウント数を 1 として正規化することで,0 ~ 1 の誘目領域を作成する.なお,誘目領域は 150 個の小領 Fig. 10 Tested HDR images.
Table 3 Values of Subjective Evaluation.
Image name Method 1 Method 2 Method 3 St. George –0.45534 0.17480 0.28054 People –0.60198 0.00000 0.60198 Falls 0.00000 0.00000 0.00000 Cathedral –0.70772 0.60198 0.10574 Memorial –0.25925 0.08445 0.17480 Mean –0.40486 0.17225 0.23261 Variance 0.07956 0.06293 0.05307
Table 4 Results of Welch’s t-test (Observations are described in Table 3. This table was created by using Excel 2007 Data Analysis Add-in.). Method 1– Method 2 Method 1– Method 3 Method 2– Method 3 Hypothesized Mean Difference 0 0 0 Degrees of freedom 8 8 8 t Stat 3.41856 3.91402 0.39632 P(T<=t) two-tail 0.00911 0.00446 0.70223 t Critical two-tail (α=0.05) 2.306 2.306 2.306 Table 2 Parameters selection of tone mapping operators in the
experiment.
Parameter Method 1 Method 2 Method 3 Constant term δ 0.003 0.003 0.003
Key value a 0.18 0.18 0.18
Upper limit σ — — 2.0
The diameter of
GazingArea — 4 visual degree 4 visual degree The shape of
域からなるが,Table 5 においては見やすさのため平滑化処理 した画像を用いている. また,Table 6 に Eq. 5 で計算される正規化項 Zv を画像化 した ZVマップを示す.ZVマップの閉領域は,手法 3 で適用 される上限以上の Zv 値を持つ領域を示し,その領域内を注 視した時,手法 3 では Eq. 6 で課せられる上限によって画像 の見えが変化しない. 画像の中で一番の誘目領域は,「St.George」は太陽の部分, 「Cathedral」と「Memorial」は窓の部分であった.これら 3 つ の画像の誘目領域はどれも画素値の高い領域であり,人は画 素 値 の 高 い 領 域 に 目 を 向 け や す い こ と が わ か る. 「St.George」,「Memorial」の画像においては,手法 2 の画素 値が極めて高い領域を見た時の画像の見えを改善した手法 3 の評価が高くなっている.一方,「Cathedral」においては手 法 3 の評価が手法 2 より低かった.これは,「Cathedral」の 画像が全体的に明るく,ZV値が極めて高い局所領域がなかっ たからと考えられる.Table 6 に示される ZVマップは,注視 座標に応じて局所的に変動する ZV値を画像として表したも のである.ここで,ZVマップは ZVの最大値を 1 となるよう に正規化している.つまり,ZVの最大値が画像全体の輝度分 布から得られる に比べて高いほど,正規化により ZV マップの明暗差が大きくなる.「St.George」,「Memorial」の ZVマップの明暗差が大きいのに対して,「Cathedral」は全体 的に明るい領域が大きく,明暗差が小さい.実際,Eq. 2 で推 定 さ れ た 大 局 的 な 輝 度 分 布 か ら 求 め ら れ た 中 間 明 度 と Eq. 5 で推定された局所的な輝度分布から求められ た中間明度 (t) の最大値との比を求めると,Table 6 に示 されるように,他の画像が 3.750 ~ 14.30 なのに対して 「Cathedral」は 2.561 と一番比が小さい.手法 3 は,画像全体 の輝度分布から得られる により,ZV値の最大値が高く なりすぎないように制限し,画像の見えの変化を穏やかにす る手法であるが,「Cathedral」においては ZV値の最大値があ まり高くなかったため,むしろ画像の見えの変化を妨げる方 向に働いてしまったものと考えられる.この結果は Eq. 6 の 上限を決めるパラメータ σ を今回は経験的に σ=2 としている が,その設定が適切でない可能性を示唆している.画像 「People」,「Falls」に関しては,他の 3 つの画像の誘目領域が 画素値の高い領域だったのに対して,人の顔と滝の流れる部 分が一番の誘目領域である.この結果は,画像には誘目性の 高い要素があることを示している. 4. まとめと今後の課題 本研究では,注視情報を用いたトーンマッピング手法と従 来のトーンマッピング手法の主観評価実験を行った.画像全 体の好ましさについて検証したところ,従来手法に比べて注 視領域情報を用いた手法の方が好ましいという結果を得た が,注視領域情報を用いた手法 2 つの間には有意差は見られ なかった.また,画像によって各手法の評価に異なる傾向が 見られることからコンテンツ依存があることがわかった.今 回の評価実験で用いた HDR 画像は 5 パターンと少なく,そ れに対する考察も個別のパターンの分析に留まっている.今 後は,より多くの HDR 画像の主観評価,解析することで,注 視領域情報を用いた手法 2 つの評価やコンテンツに応じた評 価の傾向を探っていく. また,今回評価した注視情報を用いたトーンマッピング手 法のように,観察者の視線情報を画像処理に用いた研究は, 画像に与えた深度情報から注視位置に応じて画像の被写界深 度ボケを再現する研究 13)があるが,視線計測精度の問題か ら近年までほとんど行われてこなかった.現在の 2 次元映像 ディスプレイ技術は,解像度の向上,色再現の向上が行われ ているが,機能的にはほぼ上限に近付いてきていると思われ る.今後は観察者の視線情報を用いた,よりインタラクティ ブな二次元映像のディスプレイシステムを提案することによ り,2 次元映像ディスプレイ技術のさらなる発展が望めるも のと考えられる.
Fig. 11 Evaluation results of paired comparison.
global L global L local L global L
Table 5 HDR scenes overlapped with Saliency maps. The brighter area is highly gazed.
HDR scenes Saliency maps HDR scenes overlapped with Saliency maps
St.George
People
Falls
Cathedral
0.074711 0.51308 6.868 People 0.04852 0.1820 3.750 Falls 0.1008 0.2581 2.561 Cathedral 0.03704 0.1471 3.972 Memorial global L Max(Llocal)
Max(Llocal) /Lglobal
global
L Max(Llocal)
Max(Llocal) /Lglobal
global
L Max(Llocal)
Max(Llocal) /Lglobal
global
L Max(Llocal)
引 用 文 献
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