4 景観形成の方針
景観形成の目標や基本方針を踏まえ、類型別の景観形成の方針は次のとおりである。これらは、 具体の建築行為や開発行為を行う際の設計の指針とすべきものである。 (1) 中心商業地ゾーン 要素 景観形成の方針 形 態 意 匠 ○建築物等は、周辺の景観及び街並みと調和する形態・意匠とする。 ○屋根や屋上建築設備、広告物は、建築物と統一感のある一体的なデザインとする など、軽快なスカイラインを持った景観を形成する。 ○低層部は明るく開放的な意匠とするなど、中心商業地に相応しい景観を形成す る。 ○ショーウインドウの設置や照明による演出などにより、賑わいのある魅力的な景 観を形成する。 ○立体駐車場は、道路その他の公共の場所から望見できない位置に配置する。やむ を得ない場合は、接道部(車の出入り口を除く。)や敷地境界沿いを、ルーバー 等の設置、樹木や生垣等の植裁により、構造物の過半が直接露出しないよう修景 を行う。 ○小河川に面する敷地では、親水空間の確保や小河川に対して開放的な意匠とす る。 建 築 物 ・ 工 作 物 色 彩 ○建築物等の色彩は以下のとおりとする。 色相 彩度 明度 0.1R∼10R 4以下 3以上 0.1YR∼5Y 6以下 3以上 その他 2以下 3以上 ○アクセントカラーは、上表の彩度に6を加えた値を上限とする。 ○広告物は、風格のある景観形成に資するよう配慮する。 緑 化 措 置 等 ○低層部は、適度に壁面後退し、植裁スペースを確保したり、生垣やプランターを 設置するなど、潤いのある景観を創出する。 ○大規模な施設(延床面積が 1000 ㎡を超えるもの「以下同じ」)では、まとまった オープンスペースを確保するなど、賑わいとゆとりのある景観を創出する。また、 当該施設では、シンボルとなる高木を配置するなど、街並みにアクセントをつけ る。 ○後退部分の仕上げは、歩道との連続性に配慮するなど、歩行者空間と一体感のあ る空間を形成する。 ○上述のオープンスペースや後退部分においては、オープンカフェとしての活用等 により賑わいの創出を図る。 注:色彩基準は、日本工業規格(JISZ8721)に基づく色彩の表示方法(マンセル着色系)による。 以下同じ。 ※ただし、木材、漆喰、瓦、金属瓦(銅 板葺等)等の塗装を施さない素材を使 用する場合、又はベンガラなどの地域 性を表す塗装については、この限りで はない。(2) 一般市街地ゾーン 要素 景観形成の方針 形 態 意 匠 ○建築物等は、周辺の景観及び街並みと調和する形態・意匠とする。 ○屋根や屋上建築設備、広告物は、建築物と統一感のある一体的なデザインとする など、軽快なスカイラインを持った景観を形成する。 ○大規模な施設では、配置を工夫したり、適度に分節するなど、圧迫感を軽減させ、 周辺との調和を図る。 ○立体駐車場は、道路その他の公共の場所から望見できない位置に配置する。やむ を得ない場合は、接道部(車の出入り口を除く。)や敷地境界沿いを、ルーバー 等の設置、樹木や生垣等の植裁により、構造物の過半が直接露出しないよう修景 を行う。 ○小河川に面する敷地では、親水空間の確保や小河川に対して開放的な意匠とす る。 建 築 物 ・ 工 作 物 色 彩 ○建築物等の色彩は以下のとおりとする。 色相 彩度 明度 0.1R∼10R 4以下 3以上 0.1YR∼5Y 6以下 3以上 その他 2以下 3以上 ○アクセントカラーは、上表の彩度に6を加えた値を上限とする。 ○広告物は、風格のある景観形成に資するよう配慮する。 緑 化 措 置 等 ○適度に壁面後退し、植裁スペースを確保したり、壁面緑化等、生垣やプランター を設置するなど、潤いのある景観を創出する。 ○塀などは、できる限り自然素材を使用するなど、風格のある街並みに相応しく柔 らかな表情を持った景観を形成する。 ○大規模な施設では、まとまったオープンスペースを確保するなど、開放的な街並 みを形成する。 ○敷地内の緑化を推進する。 ※ただし、木材、漆喰、瓦、金属瓦(銅 板葺等)等の塗装を施さない素材を使 用する場合、又はベンガラなどの地域 性を表す塗装については、この限りで はない。
(3) 工業地ゾーン 要素 景観形成の方針 形 態 意 匠 ○建築物等は、周辺の景観及び街並みと調和する形態・意匠とする。また、比良・ 比叡の山並みや三上山の眺望に配慮した形態意匠とする。 ○建築設備や広告物は、建築物と統一感のある一体的なデザインとするなど、統一 感のある景観を形成する。 ○建築物は、シンプルなデザインとし、長大な壁面の場合は、適度に分節するなど、 圧迫感を軽減させ、落ち着きがある景観を形成する。 建 築 物 ・ 工 作 物 色 彩 ○建築物等の色彩は以下のとおりとする。 色相 彩度 明度 0.1R∼10R 4以下 3以上 0.1YR∼5Y 6以下 3以上 その他 2以下 3以上 ○アクセントカラーは、上表の彩度に6を加えた値を上限とする。 ○生産施設や倉庫等は、外壁や屋根等の定期的なメンテナンスを行うなど、美観を 維持するとともに、清潔で親しみやすい景観を形成する。 緑 化 措 置 等 ○敷地周辺部には、十分な空地を確保し、緑化を推進するなど、落ち着きと親しみ が感じられる景観を形成する。 ○塀などを設ける場合には、可視性の高いフェンスなどを使用し、敷地内の緑が直 接眺められるようにするなど、開放的な景観を形成する。 ○敷地内には、適切に高木を配置するなど、緑につつまれた落ち着きのある景観を 形成する。 (4) 湖岸景観ゾーン 湖岸景観ゾーンの景観形成方針は、県風景条例に基づく「琵琶湖景観形成地域」における景観形 成基準に準じるものとする。 ただし、建築物及び工作物の色彩については、以下のとおりとする。また、湖岸景観ゾーンの市 街化調整区域内については建築物の高さを 13m以下とする。ただし、公益上やむを得ない場合及び 景観形成上支障がない場合は、景観影響調査を実施した上で、13mを超えることを認めるものとす る。 緑化措置としては、大規模な施設で市街化調整区域内については、緑豊かな景観とするため、敷 地面積の 20%以上を緑化することとする。 ※ただし、木材、漆喰、瓦、金属瓦(銅 板葺等)等の塗装を施さない素材を使 用する場合、又はベンガラなどの地域 性を表す塗装については、この限りで はない。 ○建築物等の色彩は以下のとおりとする。 色相 彩度 明度 0.1R∼10R 4以下 3以上 0.1YR∼5Y 6以下 3以上 その他 2以下 3以上 ○アクセントカラーは、上表の彩度に6を加えた値を上限とする。 ※ただし、木材、漆喰、瓦、金属瓦(銅 板葺等)、等の塗装を施さない素材を 使用する場合、又はベンガラなどの地 域性を表す塗装については、この限り ではない。 ※ただし、木材、漆喰、瓦、金属瓦(銅 板葺等)等の塗装を施さない素材を使 用する場合、又はベンガラなどの地域 性を表す塗装については、この限りで はない。
(5) 田園景観ゾーン 要素 景観形成の方針 形 態 意 匠 ○建築物等は、周辺の景観及び街並みと調和する形態・意匠とする。 ○屋根や屋上建築設備、広告物は、建築物と統一感のある一体的なデザインとする など、軽快なスカイラインを持った景観を形成する。 ○建築物等は、周辺の自然景観と調和した高さとするとともに、比良・比叡の 山並みや三上山の眺望に配慮する。 ○屋根は勾配屋根とするなど、周辺の自然景観や集落景観と調和したデザイン とする。 ○小河川に面する敷地では、親水空間の確保や小河川に対して開放的な意匠とす る。 ○工場等は、工業地ゾーンの景観形成の方針に準ずるものとする。 建 築 物 ・ 工 作 物 色 彩 ○建築物等の色彩は以下のとおりとする。 色相 彩度 明度 0.1R∼10R 4以下 3以上 0.1YR∼5Y 6以下 3以上 その他 2以下 3以上 ○アクセントカラーは、上表の彩度に6を加えた値を上限とする。 ○広告物は、落ち着きのある景観形成に資するよう配慮する。 緑 化 措 置 等 ○生垣による緑化の推進により、潤いとやすらぎのある景観を形成する。 ○塀を設ける場合には、自然素材を使用したり、緑化による修景を行う。 ○敷地内には、適切に高木を配置するなど、緑につつまれた落ち着きのある景観を 形成する。 ○工場等は、工業地ゾーンの景観形成の方針に準ずるものとする。 ○大規模な施設では、緑豊かな景観とするため、敷地面積の 20%以上を緑化する こと。 ※ただし、木材、漆喰、瓦、金属瓦(銅 板葺等)等の塗装を施さない素材を使 用する場合、又はベンガラなどの地域 性を表す塗装については、この限りで はない。
(6) 沿道景観軸 要素 景観形成の方針 形 態 意 匠 ○建築物等は、周辺の景観及び街並みと調和する形態・意匠とする。 ○建築設備や外階段、広告物などは、建築物と一体的なデザインとするなど、整然 とした景観を形成する。 ○配置を工夫したり、長大な壁面は避け、建物を分節するなど、周囲の景観に配慮 する。 ○立体駐車場は、道路その他の公共の場所から望見できない位置に配置する。やむ を得ない場合は、接道部(車の出入り口を除く。)や敷地境界沿いを、ルーバー 等の設置、樹木や生垣等の植裁により、構造物の過半が直接露出しないよう修景 を行う。 建 築 物 ・ 工 作 物 色 彩 ○建築物等の色彩は以下のとおりとする。 色相 彩度 明度 0.1R∼5Y 6以下 3以上 その他 2以下 3以上 ○アクセントカラーは、上表の彩度に6を加えた値を上限とする。 ○広告物は、風格のある景観形成に資するよう配慮する。 緑 化 措 置 等 ○道路から後退するなど、ゆとりがあり、街路の広がりが感じられる景観を形成す る。また、後退部分には、植裁スペースを確保したり、生垣やプランターを設置 するなど、潤いのある景観を創出する。さらに、後退部分の仕上げは、歩道との 連続性に配慮するなど、歩行者空間と一体感のある空間を形成する。 ○大規模な施設では、まとまったオープンスペースを確保するなど、ゆとりのある 景観を創出する。また、当該施設では、シンボルとなる高木を配置するなど、街 並みにアクセントをつける。 ○駐車場などは、緑化による修景を行うなど、潤いのある景観を形成する。また、 駐車場は、その出入り口を集約するなど、街並みの連続性と安全な歩行者空間を 確保する。 ※ただし、木材、漆喰、瓦、金属瓦(銅 板葺等)等の塗装を施さない素材を使 用する場合、又はベンガラなどの地域 性を表す塗装については、この限りで はない。
(7) 中山道軸 中山道軸の景観形成方針は、県風景条例に基づく「主要地方道大津能登川長浜線沿道景観形成地 区」における景観形成基準に準じるものとする。 ただし、建築及び工作物の色彩については、以下のとおりとする。 (8) 河川景観軸 要素 景観形成の方針 形 態 意 匠 ○建築物等は、周辺の景観及び街並みと調和する形態・意匠とする。 ○屋根や屋上建築設備、広告物は、建築物と統一感のある一体的なデザインとする など、軽快なスカイラインを持った景観を形成する。 ○建築物等は、周辺の自然景観と調和した高さとするとともに、比良・比叡の 山並みや三上山の眺望に配慮する。 建 築 物 ・ 工 作 物 色 彩 ○建築物等の色彩は以下のとおりとする。 色相 彩度 明度 0.1R∼10R 4以下 3以上 0.1YR∼5Y 6以下 3以上 その他 2以下 3以上 ○アクセントカラーは、上表の彩度に6を加えた値を上限とする。 緑 化 措 置 等 ○塀を設ける場合には、できる限り自然素材を使用するなど、周辺環境と調和した 景観を形成する。 ○生垣やシンボルとなる高木による緑化を進めるなど、緑やオープンスペースと一 体となった景観を形成する。 ○建築物等の色彩は以下のとおりとする。 色相 彩度 明度 0.1R∼7.4R 2以下 3以上 7.5R∼2.5Y 4以下 3以上 2.6Y∼10Y 2以下 3以上 その他 1以下 3以上 ○アクセントカラーは、上表の彩度に6を加えた値を上限とする。 ※ただし、木材、漆喰、瓦、金属瓦(銅 板葺等)、等の塗装を施さない素材を 使用する場合、又はベンガラなどの地 域性を表す塗装については、この限り ではない。 ※ただし、木材、漆喰、瓦、金属瓦(銅 板葺等)等の塗装を施さない素材を使 用する場合、又はベンガラなどの地域 性を表す塗装については、この限りで はない。 ※ただし、木材、漆喰、瓦、金属瓦(銅 板葺等)等の塗装を施さない素材を使 用する場合、又はベンガラなどの地域 性を表す塗装については、この限りで はない。