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【講義4-4】精神障害の地域移行について

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(1)

厚生労働省 社会・援護局

障害保健福祉部 精神・障害保健課

(2)

精神保健医療福祉の現状について

(3)

精神疾患の患者数

(医療機関にかかっている患者)

32.9

34.1

34.5

35.3

33.3

32.3

185.2

170

223.9

267.5

290

287.8

0

50

100

150

200

250

300

350

H8年

H11年

H14年

H17年

H20年

H23年

(万人)

外来患者数

入院患者数

資料:患者調査

※H23年の調査では宮城県の一部と福島県を除いている

258.4

302.8

204.1

218.1

323.3

320.1

3

(4)

0

5

10

15

20

25

30

35

S52

S62

H8

H11

H14

H17

H20

H23

(単位:万人)

75歳以上

65~74歳

55~64歳

45~54歳

35~44歳

25~34歳

0~24歳

29%

精神病床入院患者の年齢分布

33%

38%

43%

48%

50%

資料:患者調査

※H23年の調査では宮城県の一部と福島県を除いている ※入院患者の内、 不詳のものは 除いている

4

(5)

精神病床の平均在院日数の推移

496 490 492

486

471 468

455

441

424

406

390

377 374

364

349

338

327

320 318 313

307 301 298

292

280

300

320

340

360

380

400

420

440

460

480

500

H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24

資料:病院報告

在院日数

(単位:日)

※平均在院日数

=

年間在院患者延数

½×(年間新入院患者数+年間退院患者数)

5

(6)

資料:平成23年精神・障害保健課調より推計

H22に

退院した

1年以上入院者

4.9万人

(+0.2万人)

H16:4.7万人

H23の1年以上入院者数

:20.0万人

(-2.6万人)

H16:22.6万人

1年以上 3ヶ月以上 1年未満 3ヶ月未満

H22の新規入院者

:40.2万人

(+4.6万人)

H15:35.6万人

精神病床における患者の動態の年次推移

6

H22の新規入院者

のうち、3か月以上

入院する者

:16.8万人

(+1.6万人)

H15:15.2万人

H22の新規入院者

のうち、1年以上

入院する者

:5.0万人

(+0.1万人)

H15:4.9万人

H22の 新規入院者 のうち 3か月以上1年未満 で退院した者 11.9万人 (+1.6万人) H15:10.3万人 H22の 新規入院者 のうち 3か月未満で 退院した者 23.4万人 (+3万人) H15:20.4万人

新規入院者の88%

(7)

1年以上入院している精神障害者の疾患別分類

(精神病床以外の入院患者も含)

31.1

41.8

47.5

44.4

45.3

8.8

8.7

7.8

6.7

6.2

167.7

157.7

152.2

141.2

130.9

9.9

9.9

9.9

10.9

10.9

14.6

13

12.6

12.2

12.5

0

50

100

150

200

250

H11

H14

H17

H20

H23

その他の精神及び行動の 障害 気分障害 統合失調症圏 精神作用物質使用による 精神及び行動の障害 認知症

資料:患者調査

23.2万人

単位:千人

23.1万人

23.0万人

20.6万人

21.5万人

※H23年の調査では宮城県の一部と福島県を除いている

7

(8)

精神病床に

1年以上入院している患者の年齢分布

7.7

6.2

4.9

3.9

17.4

15.4

13.4

11.9

50.4

36.8

27.3

22.5

60.8

64.5

59.2

53.4

49.7

52.4

52.5

48.8

36.3

42.7

46.7

51

0

50

100

150

200

250

H14

H17

H20

H23

不詳

75歳以上

65~74歳

55~64歳

45~54歳

35~44歳

25~34歳

0~24歳

資料:患者調査

22.3万人

単位:千人

22.0万人

20.5万人

19.3万人

38.3%

51.8%

1年以上入院患者数は減っているが、高齢者の割合は増加

※H23年の調査では宮城県の一部と福島県を除いている

8

(9)

1年以上精神病床に入院している精神疾患患者

~年齢、疾患別分類~

5.0 (10.6%)

23.3

47.3%)

3.2

9.9

90.0%)

18.8

88.7%)

43.2

84.4%)

73.9%)

34.8

18.7

37.9%)

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

0~24歳

25~34歳 35~44歳 45~54歳 55~64歳 65~74歳 75歳以上

その他の精神及び行動の障

気分障害

統合失調症圏

精神作用物質使用による精

神及び行動の障害

認知症

資料:平成23年患者調査

※H23年の調査では宮城県の一部と福島県を除いている ※上記集計は、不詳は除いている

0.8

3.6

11

21.2

51.2

47.1

49.3

単位:千人

9

(10)

24.0%

8.5%

11.3%

34.9%

19.9%

1.4%

入院期間:1年~5年

71.4%

4.8%

5.5%

13.5%

3.4%

1.2%

入院期間:1年未満

8.7%

8.8%

5.6%

48.6%

27.6%

0.7%

入院期間:5年以上

精神科病院からの退院者の状況

28,004名

2,751名

1,350名

平成23年度精神・障害保健課調べ

家庭復帰等

が約

70%

転院・院内転科と

死亡で約

55%

転院・院内転科と

死亡で約

75%

10

(11)

在院期間

1年以上の退院患者の転帰(推計値)

精神・障害保健課調べ

19,728 17,508 16,512 13,872 14,172 12,852 13,836 12,048 10,524 9,600 10,080 9,336 6,648 5,796 5,472 6,408 6,300 6,720 7,572 4,092 4,200 4,392 4,284 4,236 3,516 3,336 3,720 4,044 4,632 17,700 18,024 17,592 21,852 19,128 20,172 20,064 18,852 18,432 21,036 20,016 19,380 8,196 7,812 7,920 7,416 7,620 7,872 8,424 7,956 8,844 8,688 9,792 11,040 912 612 372 480 588 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 人/年 その他 死亡 転院・院内転科 高齢者福祉施設 GH・CH・ 社会復帰施設等 社会復帰施設等 家庭復帰など 52,272 49,140 47,496 49,548 47,220 47,616 49,896 47,376 45,948 47,808 48,696 49,212

630調査の数値(各年6月1か月間の数値)を基に、年間数を推計。

11

(12)

死亡退院者数の推移(推計値)

630調査の数値(各年6月1か月間の数値)を基に、年間数を推計。

(精神・障害保健課調べ)

16,536

14,952

15,756

14,904

15,996

16,452

18,000

16,512

18,180

18,588

19,620

22,584

8,340

7,140 7,836

7,488

8,376 8,580

9,576

8,556

9,336 9,900 9,828

11,544

8,196

7,812 7,920

7,416 7,620

7,872 8,424 7,956

8,844 8,688

9,792

11,040

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

H12

H13

H14

H15

H16

H17

H18

H19

H20

H21

H22

H23

合計

在院期間

1年未満

在院期間

1年以上

12

(13)

精神保健福祉施策について

(14)

「こころのバリアフリー宣言」の

普及等を通じて精神疾患や精

神障害者に対する国民の理解

を深める

相談支援、就労支援等の施設機 能の強化やサービスの充実を通じ 市町村を中心に地域で安心して暮 らせる体制を整備する

救急、リハビリ、重度などの

機能分化を進めできるだけ早

期に退院を実現できる 体制

を整備する

「入院医療中心から地域生活中心へ」という

精神保健福祉施策の基本的方策の実現

精神保健福祉施策について、「入院医療中心から地域生活中心へ」改革を進めるため、

①国民の理解の深化、②精神医療の改革、③地域生活支援の強化を今後10年間で進める。

・精神医療・福祉に係る人材の育成等の方策を検討するとともに、標準的なケアモデルの開発等を進める

・在宅サービスの充実に向け通院公費負担や福祉サービスの利用者負担の見直しによる給付の重点化等を行う

精神保健医療福祉の改革ビジョンの枠組み

国民の理解の深化

地域生活支援の強化

精神医療の改革

基盤強化の推進等

※上記により、今後10年間で、受入条件が整えば退院可能な者約7万人について、解消を図る。

※平成16年9月

精神保健福祉対策本部(本部長:厚生労働大臣)決定

14

(15)

精神科医療の機能分化と質の向上等に関する検討会

今後の方向性に関する意見の整理(平成24年6月28日)(概要)

在院者 入院日 「重度か つ慢性」 3ヶ月 1年 質の高い 入院医療 退院支援 の充実

退院者

退院患者 の増加 退院 「重度か つ慢性」 退院 長期在院者 1年

退院者

将来 退院患者の 増加

【機能分化を進めた場合の今後の入院患者のイメージ】

○3か月未満について、医師・看護職員は一般病床と同等の配置とし、 精神保健福祉士等の退院支援に関わる従事者の配置を規定する。 ○3か月~1年未満について、医師は現在の精神病床と同等の配置と し、看護職員は3対1の配置を基本としつつ、そのうち一定割合は、精神 保健福祉士等の従事者の配置を可能とする。精神保健福祉士等の退 院支援に関わる従事者の配置を規定する。 ○重度かつ慢性について、調査研究等を通じ患者の基準を明確化し、 明確かつ限定的な取り扱いとする。 ○精神科の入院患者は、「重度かつ慢性」を除き、1年で退院させ、入 院外治療に移行させる仕組みを作る。 ○3か月未満について、医師・看護職員は一般病床と同等の配置とし、 精神保健福祉士等の退院支援に関わる従事者の配置を規定する。 ○3か月~1年未満について、医師は現在の精神病床と同等の配置と し、看護職員は3対1の配置を基本としつつ、そのうち一定割合は、精神 保健福祉士等の従事者の配置を可能とする。精神保健福祉士等の退 院支援に関わる従事者の配置を規定する。 ○重度かつ慢性について、調査研究等を通じ患者の基準を明確化し、 明確かつ限定的な取り扱いとする。 ○精神科の入院患者は、「重度かつ慢性」を除き、1年で退院させ、入 院外治療に移行させる仕組みを作る。 <精神科医療の現状> ○ 新規入院者のうち、約6割は3か月未満で、約9割は1年未満で退院。 一方、1年以上の長期在院者が約20万人(入院者全体の3分の2) ○ 精神病床の人員配置は、医療法施行規則上、一般病床よりも低く設定(医師は3分の1、看護職員は4分の3) <精神病床の今後の方向性> ○ 精神科医療へのニーズの高まりに対応できるよう、精神科入院医療の質の向上のため、精神疾患患者の状態像や特性に応じた精神病床の機能分化を進め る。 ○ 機能分化にあたっては、退院後の地域生活支援を強化するため、アウトリーチ(訪問支援)や外来医療などの入院外医療の充実も推進する。 ○ 機能分化は段階的に行い、人材・財源を効率的に配分するとともに、地域移行をさらに進める。結果として、精神病床は減少する。

以上のように、機能分化を着実に進めていくことにより、今後、精神科医療の中心となる急性期では一般病床と同等の人員配置

とし、早期退院を前提としたより身近で利用しやすい精神科医療とする

< た な 入 院 患 者 > < 在 の 長 期 在 院 者 > 入院外の治療 に移行 ○現在の長期在院者について、地域移行の取組を推進し、外来部門 にも人員の配置が実現可能な方策を講じていくと同時に、地域移行の ための人材育成を推進する。 医師は現在の精神病床の基準よりも少ない配置基準とし、看護職 員、精神保健福祉士、作業療法士、理学療法士、看護補助者(介護 職員)等の多職種で3対1の人員配置基準とする。 さらに、開放的な環境を確保し、外部の支援者との関係を作りやす い環境とすることで、地域生活に近い療養環境にする。 ○現在の長期在院者について、地域移行の取組を推進し、外来部門 にも人員の配置が実現可能な方策を講じていくと同時に、地域移行の ための人材育成を推進する。 医師は現在の精神病床の基準よりも少ない配置基準とし、看護職 員、精神保健福祉士、作業療法士、理学療法士、看護補助者(介護 職員)等の多職種で3対1の人員配置基準とする。 さらに、開放的な環境を確保し、外部の支援者との関係を作りやす い環境とすることで、地域生活に近い療養環境にする。 地域移行 の取組を 推進

15

(16)

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律の概要

(平成25年6月13日成立、同6月19日公布)

(1)精神障害者の医療の提供を確保するための指針の策定

厚生労働大臣が、精神障害者の医療の提供を確保するための指針を定めることとする。

(2)保護者制度の廃止

主に家族がなる保護者には、精神障害者に治療を受けさせる義務等が課されているが、家族の高齢化等に伴い、負担が

大きくなっている等の理由から、保護者に関する規定を削除する。

(3)医療保護入院の見直し

①医療保護入院における保護者の同意要件を外し、家族等(*)のうちのいずれかの者の同意を要件とする。

*配偶者、親権者、扶養義務者、後見人又は保佐人。該当者がいない場合等は、市町村長が同意の判断を行う。

②精神科病院の管理者に、

・医療保護入院者の退院後の生活環境に関する相談及び指導を行う者(精神保健福祉士等)の設置

・地域援助事業者(入院者本人や家族からの相談に応じ必要な情報提供等を行う相談支援事業者等)との連携

・退院促進のための体制整備

を義務付ける。

(4)精神医療審査会に関する見直し

①精神医療審査会の委員として、「精神障害者の保健又は福祉に関し学識経験を有する者」を規定する。

②精神医療審査会に対し、退院等の請求をできる者として、入院者本人とともに、家族等を規定する。

平成26年4月1日(ただし、1.(4) ①については平成28年4月1日)

政府は、施行後3年を目途として、施行の状況並びに精神保健及び精神障害者の福祉を取り巻く環境の変化を勘案し、

医療保護入院における移送及び入院の手続の在り方、医療保護入院者の退院を促進するための措置の在り方、入院中の

処遇、退院等に関する精神障害者の意思決定及び意思の表明の支援の在り方について検討を加え、必要があると認める

ときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずる。

1.概要

2.施行期日

3.検討規定

精神障害者の地域生活への移行を促進するため、精神障害者の医療に関する指針(大臣告示)の策定、

保護者制度の廃止、医療保護入院における入院手続等の見直し等を行う。

16

(17)

良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針(概要)

1.精神病床の機能分化に関する事項

○機能分化は段階的に行い、人材・財源を効率的に配分するとともに、地域移行を更に進める。その結果として、精神病床は減少する。 ○地域の受け皿づくりの在り方や病床を転換することの可否を含む具体的な方策の在り方について精神障害者の意向を踏まえつつ、保健・医療・福祉 に携わる様々な関係者で検討する。 ○急性期に手厚い医療を提供するため、医師、看護職員の配置について一般病床と同等を目指す。 ○入院期間が1年未満で退院できるよう、多職種のチームによる質の高い医療を提供し、退院支援等の取組を推進する。 ○1年以上の長期入院者の地域移行を推進するため、多職種による退院促進に向けた取組を推進する。

2.精神障害者の居宅等における保健医療サービス及び福祉サービスの提供に関する事項

○外来・デイケア等で適切な医療を受けながら地域で生活できるよう、外来医療の提供体制の整備・充実及び地域における医療機関間の連携を推進す る。 ○アウトリーチ(多職種のチームによる訪問支援)を行うことのできる体制を整備し、受療中断者等の地域生活に必要な医療へのアクセスを確保する。 ○在宅の精神障害者の急性増悪等に対応できるよう、精神科救急医療体制を整備する。 ○精神科外来等で身体疾患の治療が必要となった場合、精神科と他の診療科の医療機関の連携が円滑に行われるよう協議会の開催等の取組を推進 する。 ○医療機関及び障害福祉サービス事業を行う者等との連携を推進するとともに、居住支援に関する施策を推進する。

3.医療従事者と精神障害者の保健福祉に関する専門的知識を有する者との連携に関する事項

○精神科医療の質の向上、退院支援、生活支援のため、多職種との適切な連携を確保する。 ○チームで保健医療福祉を担う専門職種その他の精神障害者を支援する人材の育成と質の向上を推進する。

4.その他良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供の確保に関する重要事項

○保健所の有する機能を最大限有効に活用するための方策を、市町村等の他の関係機関の在り方も含めて様々な関係者で検討し、当該検討に基づく 方策を推進する。 ○非自発的入院の場合においても行動の制限は最小の範囲とし、併せて、インフォームドコンセントに努める等精神障害者の人権に最大限配慮して、 その心身の状態に応じた医療を確保する。 ○自殺対策(うつ病等)、依存症等多様な精神疾患・患者像に対応した医療を提供する。 ○精神疾患の予防を図るため、国民の健康の保持増進等の健康づくりの一環として、心の健康づくりのための取組を推進する。 厚生労働省告示第65号(平成26年4月1日適用) ○入院医療中心の精神医療から地域生活を支えるための精神医療の実現に向け、精神障害者に対する保健医療福祉に携わる全ての関係者が目指す べき方向性を定める。

17

(18)

長期入院精神障害者の地域移行

(19)

〔ア〕退院に向けた支援

〔ア-1〕退院に向けた意欲の喚起

・病院スタッフからの働きかけの促進

・外部の支援者等との関わりの確保 等

〔ア-2〕本人の意向に沿った移行支援

・地域移行後の生活準備に向けた支援

・地域移行に向けたステップとしての支援(退院意欲が

喚起されない精神障害者への地域生活に向けた段

階的な支援) 等

〔イ〕地域生活の支援

・居住の場の確保(公営住宅の活用促進等)

・地域生活を支えるサービスの確保(地域生活を支える

医療・福祉サービスの充実) 等

〔ウ〕関係行政機関の役割

都道府県等は、医療機関の地域移行に関する取組が

効果的なものとなるよう助言・支援に努める。

長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策の今後の方向性(概要)

○長期入院精神障害者の地域移行を進めるため、本人に対する支援として、「退院に向けた意欲の喚起(退院支援意欲の喚起を含

む)」「本人の意向に沿った移行支援」「地域生活の支援」を徹底して実施。

○精神医療の質を一般医療と同等に良質かつ適切なものとするため、精神病床を適正化し、将来的に不必要となる病床を削減すると

いった病院の構造改革が必要。

長期入院精神障害者の地域移行及び精神医療の将来像

2.長期入院精神障害者本人に対する支援

○病院は医療を提供する場であり、生活の場であるべきではない。

○入院医療については、精神科救急等地域生活を支えるための医

療等に人員・治療機能を集約することが原則であり、これに向け

た構造改革が必要。(財政的な方策も併せて必要)

○2.に掲げる支援を徹底して実施し、これまで以上に地域移行を

進めることにより、病床は適正化され、将来的に削減。

○急性期等と比べ入院医療の必要性が低い精神障害者が利用す

る病床においては、地域移行支援機能を強化する。

○将来的に不必要となった建物設備や医療法人等として保有する

敷地等の病院資源は、地域移行した精神障害者が退院後の地

域生活を維持・継続するための医療の充実等地域生活支援や

段階的な地域移行のために活用することも可能とする。

<病院資源のグループホームとしての活用について>

○地域移行する際には、地域生活に直接移行することが原則 ○退院に向けた支援を徹底して実施してもなお退院意欲が固まらない人に対しては、本人の権利擁護の観点、精神医療の適正化の観点から、段階 的な移行も含めて、入院医療の場から生活の場に居住の場を移すことが必要。 ○その選択肢の一つとして、病院資源をグループホームとして活用することを可能とするために、障害者権利条約に基づく権利擁護の観点も踏ま え、一定の条件付け(※)を行った上で、病床削減を行った場合に敷地内への設置を認めることとし、必要な現行制度の見直しを行うべきこと、ま た、見直し後の事業を試行的に実施し、運用状況を検証するべきことが多くの構成員の一致した考え方(※※)。 ※「本人の自由意思に基づく選択の自由を担保する」、「外部との自由な交流等を確保しつつ、病院とは明確に区別された環境とする」、「地域移行に向けたステップと しての支援とし、基本的な利用期間を設ける」等 ※※あくまでも居住の場としての活用は否との強い意見があった。

3.病院の構造改革

※長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会 (平成26年7月14日取りまとめ公表)

19

(20)

長期入院精神障害者の地域移行の流れと主な方策

精神科病院

退

㋐-1

退院に向けた意欲の喚起

地域

<主な方策> ○病院スタッフからの働き かけの促進 ・病院スタッフの地域移行に 関する理解の促進 ○外部の支援者等との関わ りの確保 ・ピアサポート、地域の障害 福祉事業者等の更なる活用 ・関係行政機関の役割(都道 府県等による入院患者の実 態把握の促進等) ○その他 ・精神科病院について、社会 に開かれた環境(見舞い、 外出をしやすい環境等)の 整備を推進

<主な方策> ○地域移行後の生活準備 に向けた支援 ・入院中からの精神障害者 保健福祉手帳等の申請等に 向けた支援、退院後に利用 可能な障害福祉サービス、 介護保険サービス等の利用 の検討と準備 ・地域生活を体験する機会 の確保等 ○地域移行に向けたス テップとしての支援 ・実際の地域生活につなが るような生活能力を身につ けるための支援方法の検討 ・退院意欲が喚起されない 精神障害者への地域生活に 向けた段階的な支援 <主な方策> ○居住の場の確保 →生活障害・要介護等の状態にある精 神障害者の受入れに係る課題解消に 向け、検討 ・グループホームの活用 ・公営住宅の活用促進等 ○地域生活を支えるサービスの確保 →医療と福祉の協働による地域生活を 支えるサービスの提供等 ・地域生活を送る上で効果的な外来医療 やデイケア等の在り方についての検討 ・アウトリーチ、訪問看護等の充実 ・地域定着支援、短期入所、生活訓練の 更なる活用 ○その他 ・地域生活を支えるためのサービスや精 神障害者本人及び家族への相談支援に関 し、医療・福祉サービス等が総合的に提 供される方策の検討

必 要 性 が 急 性 期 等 と 比 べ て 低 い 場 合

病院が病床削減できるための構造改革

・国は、都道府県で人材育成の中核となる指導者を養成するための研修を実施 ・都道府県・保健所等は、医療機関の地域移行に関する取組が効果的なものとなるよう助言・支援

関係行政機関の役割

㋐-2

本人の意向に沿った

移行支援

20

(21)

構造改革によって実現される病院の将来像(イメージ)

・福

建物

・急

・回

・デ

・訪

マンパワーや財源等の

地域支援への転用によ

り充実

例:宿泊型自立訓練事業所、 グループホーム

マンパワーや財源等の集

約による体制強化

適正化により将来的に不

必要となった病床

地域移行支援機能を

強化する病床

マンパワーや財源等の集

約による体制強化

例:精神科診療所 (外来・デイケア、アウトリーチ等)

敷地

(将来的に削減)

マンパワー、設備等

患者の地域移行に

よる病床の縮小

21

(22)

検討会取りまとめを踏まえた主な取組

(23)

○ 長期入院精神障害者の地域移行を進める。

○ 新たな長期入院精神障害者が生じることを防ぐ。

○ 精神医療の質を一般医療と同等に良質かつ適切なものとするため、精神病床を適正化し、将来的に不必要となる

病床を削減するといった病院の構造改革が必要。

○ 地域生活を支えるための医療等に人員と治療機能を集約(財政的な方策も必要)。

方向性

②地域移行・病院の構造

改革に係る総合的取組

と効果検証を実施

・平成27年度予算案において、地 域移行及び病院の構造改革に係 る取組を総合的に実施し、その 効果について検証することによ り、精神障害者の地域移行モデ ルを確立し、さらに取組を加速 させるために必要な対策を把握。 ・法令改正により、病院敷地内で のグループホームの設置条件等 について検討の上、試行的に実 施。

・地域移行・病院の構造改

革に係る取組を推進。

・急性期等と比べ入院医療

の必要性が低い精神障害

者が利用する病床におけ

る地域移行支援機能の強

化や、地域生活を支える

ための医療を充実する方

策を検討。

・地域移行の促進に資する

精神医療の取組について、

次期診療報酬改定に向け

た議論の場で検討。

取組方針と当面の主な取組

長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会取りまとめを踏まえた主な取組(概要)

①今年度予算、障害報酬改定、

他制度との連携強化等直ちに

着手できるものについて、着

実に実行・検討

・医療と福祉の連携を推進する中核的人 材育成のためのモデル研修を実施。 ・ピアサポーターの更なる活用に資する よう、その活用状況調査を実施。 ・平成27年度障害報酬改定において、地 域移行支援の初期段階における業務、 グループホームにおける重度障害者支 援等を評価。 ・障害福祉計画と介護保険事業(支援) 計画の調和をはかって策定するよう調 整。

今後検討が必要な事項

平成27年3月障害保健福祉関係主管課長会議提出資料

(24)

*会議メンバー:行政機関(都道府県、市町村等)、医療関係団

体、

精神科病院の地域移行に関わる職員、

地域の事業者、ピアサポーター等

*会議を統括し、それぞれのメニューを調整する「コーディネー

ター」の設置

*各地域の(自立支援)協議会との連携を図る。

○精神科病院の職員に対する研修実施

*行政機関、地域の事業所等が協働し、 精神科病院の職員に向けた研修を実施する。 ・院内研修プログラム立案の支援 ・研修実施の講師派遣

長期入院精神障害者地域移行総合的推進体制検証事業

長期入院精神障害者の地域移行への取組に積極的な地域において、検討会取りまとめで提示された

地域移行方策及び病院の構造改革に係る取組を総合的に実施し、その効果について検証する。

長期入院精神障害者の地域移行への取組に積極的な地域において、検討会取りまとめで提示された

地域移行方策及び病院の構造改革に係る取組を総合的に実施し、その効果について検証する。

○退院して地域生活を送る当事者の体験談を

聞く等の地域移行にむけたプログラムの実施

・退院し地域生活を送る当事者の体験談を聞くプロ グラムの実施 ・地域の事業所を訪問し、活動を体験するプログラ ムの実施 ・高齢入院患者に対する退院支援プログラム の実施

○初めて精神障害者を受け入れる

事業所等へのスーパーバイザーの

派遣

・スーパーバイザーは、行政機関、精神科 病院、精神障害者に対する地域生活支援 を先駆的に行っている事業所の精神保健 福祉士等 ・事業所職員等の研修、問題が生じた場合 の助言等の実施 等

○居住先確保支援

は、取組の例である。

( 仮

)

期待される効果:長期入院患者の地域移行数の増、地域福祉事業者の活動の増、地域で生活する精神障害者のQOLの改善

精神科病院からの退院に向けた支援

○ 退院意欲が喚起されない精神障害者への

地域生活に向けた段階的な支援

地域生活の支援

【新規】平成27年度予算 124,836千円(※社会福祉施設等施設整備費 61,387千円を含む。) 24

(25)

検討会取りまとめにおける記載

検討会取りまとめにおける記載

2.長期入院精神障害者本人に対する支援の具体的方策の方向性 〔ア-1〕退院に向けた意欲の喚起 (2) 外部の支援者等との関わりの確保 ② 地域の障害福祉事業者等の更なる活用 ・退院の意思が明確でない精神障害者に対し、早期に地域移行に向けた支援が図られるよう、障害者総合支援法に基づく地域移行支援の柔 軟な活用について検討する。 〔ア-2〕本人の意向に沿った移行支援 (1) 地域移行後の生活準備に向けた支援 ・入院中の精神障害者に対し退院の意思が明確でない段階から、グループホーム等での地域生活を体験する機会を確保するよう取り組むとと もに、そのような機会に病院スタッフが同行することが促進されるような支援を病院、地域移行支援を行う事業者が行える体制作りを推進す る。 (3) 外部の支援者等との関わりの確保【再掲】 〔ア-1〕(2)の取組を、移行支援においても引き続き実施する。 25

<地域移行支援>

(障害福祉サービスの体験利用等の利用期間の見直し)

○ 利用者の病状や意向、状態に応じて柔軟に障害福祉サービスの体験利用や体験宿泊が行えるよう、障

害福祉サービスの体験利用や体験宿泊の利用期間の制限を廃止する。

<地域移行支援>

(サービス利用の初期段階における評価)

○ サービスの利用に係る初期段階においては、病院等を訪問し、利用者の生活状況の把握等を行うなど、

特にアセスメント等に時間や労力を要することから、こうした業務負担を評価する加算を創設する。

平成27年度障害福祉サービス等報酬改定の概要

平成27年度障害福祉サービス等報酬改定の概要

障害報酬(主な取り組みの例)①

(26)

2.長期入院精神障害者本人に対する支援の具体的方策の方向性 〔イ〕地域生活の支援 (1) 居住の場の確保 ① 障害福祉サービスにおける住まい ・グループホーム(サテライト型住居を含む) ※高齢や重度の精神障害者を受け入れているグループホームに精神保健福祉士、介護福祉士や看護師等の専門職が配置できるよう報酬 上の評価が必要であり、実態調査等を行い基本報酬の見直しの必要性も含めて検討することが必要である。 ※グループホームについての運用を含む防災基準の周知について、消防庁と連携して取り組むことが必要である。 26

検討会取りまとめにおける記載

検討会取りまとめにおける記載

<共同生活援助>

(重度障害者支援加算の算定要件の見直し(介護サービス包括型))

○ 重度障害者に対する支援を強化し、かつ、より適切に評価するため、一部の従業者に対し一定の研修の

受講を課すとともに、事業所全ての利用者ではなく重度障害者に対する支援を評価する加算へと見直すほ

か、重度障害者が1人の事業所についても算定対象とする。

<共同生活援助>

(共同生活援助サービス費の見直し(介護サービス包括型))

○ 重度の障害者に対する支援を強化するため、障害支援区分の高い利用者に係る報酬の充実を図るよう、

基本報酬の見直しを行う。

平成27年度障害福祉サービス等報酬改定の概要

平成27年度障害福祉サービス等報酬改定の概要

障害報酬(主な取り組みの例)②

(27)

2.長期入院精神障害者本人に対する支援の具体的方策の方向性 〔イ〕地域生活の支援 (2) 地域生活を支えるサービスの確保 ② 障害福祉サービス ・長期入院患者で退院直後のため通所による生活訓練を利用することが困難な者等に対して、訪問による生活訓練を活用した地域生活支援 の在り方について研究事業を実施する。 ・本人中心の相談支援を確実に実施できるよう、相談支援専門員の質と量の確保を推進する。 ・現在宿泊型自立訓練では夜間の防災体制や常時の連絡体制の確保について評価されているが、夜間職員の配置といった夜間の対応の評 価について検討する。

検討会取りまとめにおける記載

検討会取りまとめにおける記載

<自立訓練>

(訪問のみによる自立訓練の利用)

○ 引きこもり等の場合や精神科病院に長期入院していた患者が退院した直後の時期には、その特性を踏ま

えると通所による訓練が困難な場合もあること等から、通所による利用を前提としない訪問による訓練のみ

の利用ができるよう算定要件を見直す。

<宿泊型自立訓練>

(夜間支援体制の評価の見直し)

○ 利用者の状況に応じて夜間に職員の配置が必要な場合も考えられることから、夜間防災・緊急時支援体

制加算について、共同生活援助の夜間支援等体制加算の例を参考に見直す。

<計画相談支援>

(支援体制の評価)

○ 事業所の質の担保や相談支援専門員のスキル向上の観点から、サービス等利用計画案等の作成も含

めた計画相談支援・障害児相談支援の提供に当たり、手厚い人員体制や関係機関との連携等により、質

の高い計画相談支援・障害児相談支援が提供されている事業所を評価する加算を創設する。

27

平成27年度障害福祉サービス等報酬改定の概要

平成27年度障害福祉サービス等報酬改定の概要

障害報酬(主な取り組みの例)③

(28)

2.長期入院精神障害者本人に対する支援の具体的方策の方向性 〔イ〕地域生活の支援 (1) 居住の場の確保 長期入院精神障害者の地域移行を進める上で、地域生活の基盤となる居住の場を確保することが必要であり、その際、長期入院精神障害 者の過半数が65歳以上の高齢者であることを踏まえると、高齢の精神障害者に配慮した住まいの確保に向けた取組を進めることが特に重 要である。 具体的に、長期入院精神障害者の退院後の居住先としては、次のような居住の場が考えられる。精神障害者が生活障害を持つ場合や要介 護状態にある場合等においても受入れられるよう、それぞれの居住の場ごとに課題の解消を図ることが必要である。 ② 高齢者向け住まい ・特別養護老人ホーム ・養護老人ホーム ・軽費老人ホーム ・認知症高齢者グループホーム ・有料老人ホーム ・サービス付き高齢者向け住宅 ※退院後生活環境相談員は、必要に応じて市町村と連携し、養護老人ホーム、軽費老人ホームの活用による地域移行を促進する。

介護保険との連携(主な取り組みの例)①

検討会取りまとめにおける記載

検討会取りまとめにおける記載

<介護老人福祉施設(地域密着型を含む)>

(障害者生活支援体制加算)

65 歳以前より精神障害を有し、特別なケアが必要と考えられる重度の精神障害者についても、障害者生

活支援体制加算の対象となる障害者に追加するとともに、同加算で配置を評価している「障害者生活支援

員」について、精神障害者に対する生活支援に関し専門性を有する者を新たに追加する。

平成27年度介護報酬改定の概要

平成27年度介護報酬改定の概要

28

(29)

2.長期入院精神障害者本人に対する支援の具体的方策の方向性 〔イ〕地域生活の支援 (1) 居住の場の確保 長期入院精神障害者の地域移行を進める上で、地域生活の基盤となる居住の場を確保することが必要であり、その際、長期入院精神障害 者の過半数が65歳以上の高齢者であることを踏まえると、高齢の精神障害者に配慮した住まいの確保に向けた取組を進めることが特に重 要である。 具体的に、長期入院精神障害者の退院後の居住先としては、次のような居住の場が考えられる。精神障害者が生活障害を持つ場合や要介 護状態にある場合等においても受入れられるよう、それぞれの居住の場ごとに課題の解消を図ることが必要である。 ② 高齢者向け住まい ・特別養護老人ホーム ・養護老人ホーム ・軽費老人ホーム ・認知症高齢者グループホーム ・有料老人ホーム ・サービス付き高齢者向け住宅 ※退院後生活環境相談員は、必要に応じて市町村と連携し、養護老人ホーム、軽費老人ホームの活用による地域移行を促進する。

介護保険との連携(主な取り組みの例)②

検討会取りまとめにおける記載

検討会取りまとめにおける記載

<指定介護老人福祉施設等の特例入所者>

○ 平成

27年4月1日以降の指定介護老人福祉施施設等への入所は、原則要介護3以上の者に限定される

が、「知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さ等が頻

繁に見られる」か否か等を考慮した上で、居宅において日常生活を営むことが困難なことについてやむを得

ない事由があると判定された者については、要介護1又は2の者でも特例的に入所が認められる。

平成27年度介護報酬改定の概要

平成27年度介護報酬改定の概要

29

(30)

(障害福祉計画と介護保険事業(支援)計画との調和規定)

○ 介護保険事業(支援)計画の基本指針において、都道府県障害福祉計画及び市町村障害福祉計画との

調和を図る旨の規定を整備。

検討会取りまとめにおける記載

検討会取りまとめにおける記載

2.長期入院精神障害者本人に対する支援の具体的方策の方向性 〔ア〕退院に向けた支援 〔ア-1〕退院に向けた意欲の喚起 (2) 外部の支援者等との関わりの確保 ③ 関係行政機関の役割 ・都道府県等、市町村により入院中の精神障害者の実態把握を行うことを促進し、都道府県及び市町村において、介護保険事業(支援)計画 を策定するに当たって算出する必要サービス量を見込む際に、入院中の精神障害者のニーズを踏まえたものとするよう取り組む。 〔ウ〕関係行政機関の役割 ○ 都道府県等及び市町村は、必要なサービス量を見込みながら定める医療計画、障害福祉計画、介護保険事業(支援)計画その他の精神障 害者に関連する分野の計画等について、整合性を図るとともに、これらの計画を踏まえながら、PDCAサイクルにより長期入院精神障害者 の地域移行を確実に実行していくための推進体制を構築する。

介護保険との連携(主な取り組みの例)③

介護保険事業(支援)計画の基本指針に係る記載

介護保険事業(支援)計画の基本指針に係る記載

(入院中の精神障害者のニーズの反映)

○ 介護保険事業(支援)計画の基本指針において、サービス量の見込みを定める際の留意点として、精神

科病院からの退院者を地域で受け入れることを踏まえたものとするよう留意することが重要であると規定。

30

(31)

検討会取りまとめにおける記載

検討会取りまとめにおける記載

居住の場の確保(主な取り組みの例)

2.長期入院精神障害者本人に対する支援の具体的方策の方向性 〔イ〕地域生活の支援 (1) 居住の場の確保 ③ その他 a.一般住宅の活用 ・地域の実情を踏まえ、単身の精神障害者の優先入居等、公営住宅の活用を促進する。 ・長期入院精神障害者の退院後の居住先の確保に関し、空室・空家の有効活用のための取組や、高齢者、ひとり親、生活保護受給者、D V被害者等への居住支援策との連携を図る。 ・障害保健福祉担当部局において、退院後生活環境相談員等に精神障害者の居住先の確保に有用な住宅施策について周知を進める。 ・(自立支援)協議会が居住支援協議会(※)と連携し、精神障害者に住宅を提供する際に必要な情報の提供(一般財団法人高齢者住宅財 団による賃貸住宅の家賃債務保証制度の利用を含む。)を貸主に対して行うこと等を通じて、精神障害者の具体的な地域生活の調整を 図る。 ※住宅確保要配慮者(精神障害者含む)の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進に関し必要な措置について協議するために地方公共団 体、宅地建物取引業者、賃貸住宅管理業者及び居住支援団体等により構成される住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進 に関する法律(平成19年法律第112号)に規定する協議会 ・一般住宅への入居希望が実現できるよう、保証人の確保や緊急時等の対応等を推進する。 31

<安心居住政策研究会>

○ 国土交通省が事務局となっている安心居住政策研究会において、高齢者、子育て世帯、障害者の安心な

住まいの確保をテーマに、目指すべき方向性の検討と、今後取り組むべき対策を検討。今後、中間取りまと

めを行う予定。

居住の場の確保に係る取組

居住の場の確保に係る取組

(32)

病院敷地内におけるグループホームのイメージ

○ 病院に長期間入院している障害者のうち、入院医療の必要性が乏しい者については、退院後、自宅や民間アパート、グループホームな

ど直接地域での生活に移行することが原則である。

○ しかし、退院後の生活に不安を持つなどやむを得ずすぐに地域生活に移行できない者も存在する。このため、こうした者が病院の近くで

一定期間外部の日中活動サービス等を利用しながら日常生活を送り、退院後の生活に慣れることによって地域生活へ円滑に移行できる

よう、通過的な居住の場として、一定の要件の下で病院の敷地内にグループホームを設置し地域生活への移行を支援する。(あくまでも

地域移行を支援するための方策の選択肢の1つ)

居住の場

・自宅 ・民間アパート ・グループホーム ・宿泊型自立訓練

相談支援事業所

日中活動事業所等

・就労の場 ・就労移行/継続支援 ・自立訓練 ・デイケア ・生活介護

グループホーム

(病院の建物内・敷地内) 直接地域移行が原則 病院敷地内のグ ループホームは 例外措置 サービス利用で関与 原則日中サービスを利用

32

(33)

病院敷地内におけるグループホームについて

○ 平成26年7月にとりまとめられた「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策の今後の方向性」(長期入院精神障害者の地域移行に向 けた具体的方策に係る検討会取りまとめ)において、入院医療の必要性が低い精神障害者の居住の場の選択肢を増やすという観点から、病院の敷地 内でのグループホームの試行的な実施について指摘がなされた。 ○ このため、精神病床の削減を前提に、障害者権利条約に基づく精神障害者の権利擁護の観点も踏まえつつ、例えば次のような具体的な条件を整備 の上で、それらを全て満たす場合には病院の敷地内でのグル-プホームの設置を認めることとする。 ○ なお、制度施行日から4年後を目途に、3年間の実績を踏まえ、制度の在り方について検討予定。

Ⅰ 利用者及び利用に当たっての条件

Ⅰ 利用者及び利用に当たっての条件

① 利用者本人の自由意思に基づく選択による利用であること。

また、利用に当たっては利用者本人及び病院関係者以外の第三者が関与すること。

② 利用対象者は、原則、現時点で長期入院している精神障害者に限定すること。

③ 利用期間を設けること。

Ⅱ 支援体制や構造上の条件

Ⅱ 支援体制や構造上の条件

④ 利用者のプライバシーが尊重されること。

⑤ 食事や日中活動の場等は利用者本人の自由にすること。

⑥ 外部との面会や外出は利用者本人の自由にすること。

⑦ 居住資源が不足している地域であること。

⑧ 病院が地域から孤立した場所にないこと。

⑨ 構造的に病院から一定の独立性が確保されていること。

⑩ 従業員は、病院の職員と兼務しないこと。

Ⅲ 運営上の条件

Ⅲ 運営上の条件

⑪ 本サービスを利用中も、引き続き地域生活への移

行に向けた支援を実施すること。

⑫ 運営に関して第三者による定期的な評価を受け

ること。

⑬ 時限的な施設とすること。

33

(34)

H27概 算要求 ○地域移行及び病院の構造改革に係る取組を総合 的に実施し、その効果について検証 ○入院中の精神障害者の意思決定及び意思表明に 関するモデル事業を実施 ○市町村における体制整備を推進 省令 改正 ○病院敷地内でのGHの設置条件等について検討の 上、試行的に実施 障害報 酬改定 ○地域移行支援の初期段階における業務の評価を検 討 ○地域移行支援による体験宿泊等の利用日数等の 制限の在り方について検討 ○GHにおける重度障害者支援の評価を検討 診療報 酬改定 ○地域移行の促進に資する精神医療の取組につい て、次期診療報酬改定に向けた議論の場で検討 介護報 酬改定 ○特別養護老人ホームにおける精神障害者の受入れ 促進 障害福 祉計画 ○長期入院精神障害者の減少目標等を設定 ○障害福祉サービスの計画的整備 介護保 険計画 ○介護保険事業(支援)計画の基本指針で、障害福祉 計画との調和規定を明確にする方向で調整。 医療計 画等 ○医療計画の目標の達成状況、地域医療構想(※)、 地域医療介護総合確保基金の今後の検討状況を踏 まえながら地域移行を推進 (※)一般病床と療養病床以外の取扱いについては、今後、地域医療構想策 定ガイドライン等に関する検討会において検討予定 その他 (H26 予算の 対応を 含む) ○退院後生活環境相談員・指導者の研修実施 ○保健所・市町村における精神障害者支援の実態に 関する全国調査の実施 ○生活保護部局、住宅施策担当部局と連携 ○卒後教育について、医師臨床研修の到達目標・評 価に関し、次回見直し(平成32年度適用)に向けて 検討

長期入院精神障害者の地域移行に係る具体的方策の実施スケジュール

H28年度 H27年度 H26年度 H29年度 省令作成→ パブコメ 予算要求 各事業実施 H27改定に向 けた議論 H30年度 第4期障害福祉計画 5月 基本指針 告示 第5期(~H32) 障害福祉計画 第7期(~H32) 介護保険事業 (支援)計画 H27改定に 向けた議論 順次条 例改正 H30改定に 向けた議論 H30改定に 向けた議論 基本指針 告示 第6期介護保険事業(支援)計画 順次実施 主な内容 施行 第7次(~H35) 医療計画(地域医 療構想を含む) 第6次医療計画 10月 事務 連絡発出 地域医療介護総合確保基金 9月 総合 確保方針 告示 総合確保 方針改定 基本指針 基本指針 順次、地域医療構想を策定(医療計画に追記) 地域医療構想ガ イドラインの検討 →策定 基本方針

34

H28改定に向けた議論 H30改定に 向けた議論 介護 報酬 改定 障害 報酬 改定 障害 報酬 改定 介護 報酬 改定 診療 報酬 改定 予定 予定 予定 予定 予定 診療 報酬 改定 予定 社会保障審議会障害者部会(第58回)提出資料

(35)

障害者総合支援法

施行後3年を目途とした見直し

(36)
(37)

○常時介護を要する障害者等に対する支援の在り方に関する論点整理のための作業チーム

○手話通訳等を行う者の派遣その他の聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思

疎通を図ることに支障がある障害者等に対する支援の在り方に関する論点整理のための

作業チーム

○高齢の障害者に対する支援の在り方に関する論点整理のための作業チーム

障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ

障害者総合支援法の附則における3年後見直し規定等を踏まえ、障害福祉サービスの実態を

把握した上で、その在り方等について検討するための論点整理を行う。

<主な検討項目>

・ 常時介護を要する障害者等に対する支援、障害者等の移動の支援、障害者の就労の支

援その他の障害福祉サービスの在り方

・ 障害支援区分の認定を含めた支給決定の在り方

・ 障害者の意思決定支援の在り方、障害福祉サービスの利用の観点からの成年後見制度

の利用促進の在り方

・ 手話通訳等を行う者の派遣その他の聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意

思疎通を図ることに支障がある障害者等に対する支援の在り方

・ 精神障害者及び高齢の障害者に対する支援の在り方

37

作業チーム

(38)

論点の整理(案)

38

61回社会保障審議会障害者部会 資料3より抜粋

Ⅰ 常時介護を要する障害者等に対する支援について

○ どのような人が「常時介護を要する障害者」であると考えられるか。

○ 「常時介護を要する障害者」のニーズのうち、現行のサービスでは何が不足しており、どのように対応すべきか。

○ 同じ事業の利用者であっても、障害の状態等により支援内容に違いがあることについてどう考えるか。

○ 支援する人材の確保や資質向上の方策・評価についてどう考えるか。

○ パーソナルアシスタンスについて、どう考えるか。

○ パーソナルアシスタンスと重度訪問介護との関係についてどう考えるか。

Ⅱ 障害者等の移動の支援について

○ 個別給付に係る移動支援と地域生活支援事業に係る移動支援の役割分担についてどう考えるか。

○ 個別給付に係る移動支援について、通勤・通学等や入所中・入院中の取扱いをどう考えるか。

Ⅲ 障害者の就労支援について

○ 障害者の就労に関する制度的枠組についてどう考えるか。

○ 就労継続支援(A型及びB型)、就労移行支援の機能やそこでの支援のあり方についてどう考えるか。

○ 就労定着に向けた支援体制についてどう考えるか。

○ 労働施策等の福祉施策以外との連携についてどう考えるか。

Ⅳ 障害支援区分の認定を含めた支給決定の在り方について

○ 支給決定プロセスの在り方をどう考えるか。

○ 障害支援区分の意義・必要性・役割についてどう考えるか。

○ 障害支援区分の認定における障害特性の更なる反映についてどう考えるか。

○ 障害者が地域で必要な介護が受けられるような国庫負担基準の在り方についてどう考えるか。

(39)

論点の整理(案)

39

Ⅴ 障害者の意思決定支援・成年後見制度の利用促進の在り方について

○ 障害者に対する意思決定支援についてどう考えるか。

○ 成年後見制度の利用支援についてどう考えるか。

Ⅵ 手話通訳等を行う者の派遣その他の聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通

を図ることに支障がある障害者等に対する支援の在り方について

○ 意思疎通支援事業の内容・運営についてどう考えるか。

○ 意思疎通支援事業についての財政的措置のあり方についてどう考えるか。

○ 意思疎通支援関係の人材養成についてどう考えるか。

○ 意思疎通支援に係る支援機器の活用、開発普及等についてどう考えるか。

○ 意思疎通支援に関する他施策との連携をどう考えるか。

Ⅶ 精神障害者に対する支援の在り方について

○ 病院から地域に移行するために必要なサービスをどう考えるか。

○ 精神障害者の特徴に応じた地域生活支援の在り方についてどう考えるか。

○ 総合支援法における意思決定支援と、精神保健福祉法附則第8条に規定する「精神科病院に係る入院中の処

遇、退院等に関する精神障害者の意思決定及び意思の表明の支援の在り方」との関係性についてどう整理する

か。

(40)

論点の整理(案)

40

Ⅷ 高齢の障害者に対する支援の在り方について

○ 障害福祉サービスの利用者が介護保険サービスへ移行する際の利用者負担について、どう考えるか。

○ 介護保険給付対象者の国庫負担基準額について、どう考えるか。

○ 介護保険サービス事業所において、65歳以降の障害者が円滑に適切な支援が受けられるようにするため、どの

ような対応が考えられるか。

○ 65歳前までに自立支援給付を受けてこなかった者が65歳以降に自立支援給付を受けることについてどう考える

か。

○ 障害者総合支援法第7条における介護保険優先原則について、どう考えるか。

○ 心身機能が低下した高齢障害者について、障害福祉サービス事業所で十分なケアが行えなくなっていることに

ついて、どのような対応が考えられるか。

○ いわゆる「親亡き後」と言われるような、支援者の高齢化や死亡などの支援機能の喪失後もできるだけ地域にお

いて安心して日常生活を送るために、どのような対応が考えられるか。

Ⅸ 障害児支援について

○ 家族支援や医療的なケアが必要な障害児への支援も含め、障害児支援の在り方についてどう考えるか。

○ 医療的ケアが必要な障害児や重症心身障害児をはじめ、障害児支援の質の向上をどのように図っていくか。

Ⅹ その他の障害福祉サービスの在り方等について

○ 障害者総合支援法の障害者の範囲についてどう考えるか。

○ 既存の障害福祉サービス等について、制度・運用面の見直しが必要な事項をどう考えるか。

○ 障害福祉サービス等の財源の確保を含めた制度の持続可能性についてどう考えるか。

○ 障害福祉サービス等の利用者負担の在り方についてどう考えるか。

○ 都道府県及び市町村が作成する障害福祉計画をより実効性の高いものとするため、どのような方策が有効か。

参照

関連したドキュメント

■詳細については、『環境物品等 の調達に関する基本方針(平成 31年2月)』(P95~96)を参照する こと。

■詳細については、『環境物品等 の調達に関する基本方針(平成 27年2月)』(P90~91)を参照する こと。

 ところで、 2016年の相模原市障害者殺傷事件をきっかけに、 政府

■詳細については、『環境物品等 の調達に関する基本方針(平成 30年2月)』(P93~94)を参照する こと。

継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は、×年4月1日から×年3月 31

・平成29年3月1日以降に行われる医薬品(後発医薬品等)の承認申請

(※1) 「社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会報告書」 (平成 29(2017)年 12 月 15 日)参照。.. (※2)

一方で、平成 24 年(2014)年 11