1 平成29年8月25日 瀬戸市議会議長 三木 雪実 様 都市活力委員会委員長 馬嶋みゆき 都市活力委員会 行政視察報告書 本委員会は行政視察を実施しましたので、下記のとおり報告いたします。 記 1 視察期間・行程 平成29年7月25日(火)~平成29年7月26日(水) 詳細は別紙のとおり 2 視察先 茨城県水戸市 3 視察項目 地域資源を活かしたまちづくりについて 4 視察者及び随行者 委員長 馬嶋 みゆき 副委員長 髙島 淳 委員 水野 良一 宮薗 伸仁 山田 伸夫 島原 治美 三木 雪実 中川 昌也 伊藤 賢二 理事者 交流活力部長 横山 彰 随行者 議会事務局 議事課 長江 敬 5 その他
2 茨城県水戸市 地域資源を活かしたまちづくりについて 1 事業の目的及び経緯 茨城県水戸市は足利市、日田市、備前市と連携し、シリ アル型で申請した「近世日本の教育遺産群-学ぶ心・礼節 の本源-」のストーリ-で平成 27 年度、第 1 号の日本遺産 認定を受けた。現在、観光人口 450 万人(28 年度実績約 375 万人)を目標とし、日本遺産を活用した観光産業・地域の活 性化等に取り組んでいる。 1.日本遺産の活用 他市との連携を図りながら、独自のインバウンド対策や 情報発信を進め、観光振興に役立てている。 2.観光振興政策について 観光用の散策ルートの整備、歴史的まちづくり、レンタ サイクルの充実などを図り、また、外国人観光客の集客 にも力を入れている。 2 事業の概要及び事業費 1.日本遺産の活用 1) 共同申請地との連携と共同の推進事業 ・H27 年からの 3 年間で 9 千万円の国の補助を受け、4 市で連携し、魅力発信事業による取組で情報発信・普 及啓発等の事業に取組むことにより、弘道館などの国 際的な知名度を高めるとともに、郷土愛を醸成するな ど、観光や教育の振興、地域のブランド力の向上を図 る。また、教育遺産の世界遺産登録に向けた機運の醸 成にも繋げている。 2) インバウンドへの取組み H27 年度は下地作りと研究、H28 年度はその活用、 H29 年度は充実、と段階を経て取り組む。 27 年度-多言語観光 PR 動画・国際観光モニタ-ツア -・観光案内所のカテゴリーⅡの認定・翻訳タブレッ ト・案内板多言語化など 28 年度-27 年度の事業に加え、動画を活用したプロモ -ション事業・外国人のまつり体験・多言語化した観 光情報誌制作・DMO 推進など 29 年度-27、28 年度の事業に加え、外国人体験 メニュ-の充実・DMO 組織化・広域連携した取組など。
3 3)観光用まちめぐりルート ・花の名所漫遊バス-祭りに合わせた名所巡りの 無料バス「日本遺産ル-ト」の運行。 ・茨城交通との協働事業「日本遺産「弘道館と偕楽園」」 ツアー造成 ・歴史アドバイザーが案内する日本遺産弘道館と偕楽園 ・みとまちなかチケ得 4)日本遺産を活用した PR ・観光ガイド、観光ボランティア等の人材育成 ・冊子「水戸の日本遺産を歩く」 発行部数 10 万部。市民 PR 冊子として全戸配布。 製作費約320 万円、配布費用約 40 万円。 ・ラッピングバスでの日本遺産PR 首都圏に向かう高速バスにラッピングをして PR。 広告料 702 千円/年、制作料 918 千円/1 回 デザイン料 162 千円/1 回 ・広告宣伝媒体の活用 日本遺産を紹介し知名度の向上を図る。 るるぶ「水戸市」5 万部、観光パンフ 2 万部、 梅まつりパンフ 20 万部等 ・弘道館プロジェクションマッピング 夜間、弘道館正門に投影し観光客や市民に日本遺産 認定をアピ-ル 2.観光振興政策について 1) 観光資源の魅力向上 ・歴史まちづくり事業(歴史・観光ロード整備) 2) 観光連携力 ・散策ル―トづくり 歴史まちづくり散策マップ・城下町マップ幕末版・ まちなか観光マップ・ロマンチックゾ-ンでの複数 ルートや水戸徳川観光ル-ト・弘道館おすすめル- ト・ぶらり散歩道など目的に合わせたル-トを設定。 ・優良タクシ―事業者による観光周遊コ-スについて 平成24 年から開始。10 コースを用意。観光案内・ 接遇・おもてなし研修を受けた乗務員を認定。 認定者数は現在40 名。 ・レンタサイクル H28 年 2 月に水戸駅北口を新たに開設し、3 ヶ所の サイクルスタンドで貸出。「MITO サイクリングおさ
4 んぽマップ」を配布。3 つのル-トを設定。 貸出時間- 9 時~18 時 貸出料 - 大人500 円・子供 300 円 使用自転車-普通自転車(27 台)・子供自転車(9 台)・ タンデム車(2 台)・電動アシスト自転車(10 台) 3) 情報発信力 ①戦略的観光PR 活動の推進 ・SNSの活用(Twitter・Facebook・LINE) ・動画作成-ドロ-ンも使用。短時間動画をネット配信 ・冊子 mitonote の作成 ・各種パンフレット作成-市外出身の方々との協働 おみやげ物パンフ・台湾人向けパンフ・市内の大 学 1 年生(県外出身 70%)向けパンフ等を作成。 ・映画・TV番組などの撮影誘致。 等でブランドイメ-ジの確立にも繋げている。 ②わかりやすい観光案内の推進について ・水戸観光案内所の充実(水戸駅改札となり) カテゴリーⅡの認定 ・観光案内板の整備・改善 ・アプリ「水戸のこと」 店舗・観光・イベント・バスナビ・災害情報等 ・おもてなし活動 -水戸黄門愛好会「水戸黄門漫遊一座」 水戸黄門一行の旅姿で観光客との記念撮影を 行うなど旅の思い出づくりに寄与。 観光 PR やイメージアップに貢献。 -水戸の梅大使 県内外で水戸のPR活動にあたっている。 -市民観光ボランティア「歴史アドバイザー水戸」 現在 70 名で活動。 案内客数29,184 人、案内件数 5,059 件(H28) 3 事業の効果 ・観光客数は日本遺産認定後増加。 H26 年度 H28 年度 観光客数 3,426,000 人 3,744,000 人 外国人宿泊者数 15,421 人 32,743 人 構成文化財の来場者数も増加。特に弘道館ではH26 年度、 61,695 人に対しH28 年度では 95,184 人となり大幅な増加 となった。
5 ・海外からの入れ込み客数については県単位の集計である が認定前と比較して増加。4 県全てが特に東アジア圏か らの訪問者が多いとの分析結果が出ている。 ・TV撮影等の誘致ではア-ティストのプロモ-ションビ デオについて年間 53 本の撮影がされている。 ・花の名所漫遊バスはH28 年度 103 人利用(1 日のみの運行) ・英語対応の出来るスタッフを常時配置している水戸観光 案内所のH28 年度利用者数は 36,497 人。うち、外国人 1,078 人。外国人利用は前年比 153%。 ・レンタサイクル利用状況 H28 年度は 4,289 台。3 ヶ所 のうち、水戸駅の2 ヶ所の利用が多く増加傾向。 日本遺産に認定されてから水戸市は魅力発信やインバウン ド等に対して様々な観光戦略を打ち出し、多くの取組が結 果に繋がっていると考えられる。 4 事業の現時点での課題 及び今後の方向性 日本遺産については 3 年間の補助金のため以後の自立が 課題である。平成 30 年度からは 4 市が捻出している負担 金を活用する必要があり、今後4市の担当者レベルで協 議を進めていく。また日本遺産を認定されてからの観光 客は増加傾向にあるが、東日本大震災による観光客の減 少、自家用車での日帰り観光客が多い現状を踏まえ宿泊 滞在型・通年観光型の実現、外国人観光客の誘致や受け 入れ態勢の充実等による観光交流人口の増加に向けた施 策を戦略的かつ総合的に推進する必要がある。 5 主な質疑・応答 Q 幹事市の役割について A 水戸市が幹事市だが現在は4 市で役割分担している。 総務と経理については水戸市、補助金については備前 市、戦略担当は日田市、魅力等情報発信事業は足利市 としている。 Q 補助金の交付期間(3 年間)以後の予算の確保や事業の 実施計画について A 国の補助金は3カ年。4年目からは各市が捻出してい る負担金を元に運営していくこととなる。今後、4 市の 担当者レベルで協議しながら普及啓発、人材育成など の事業を中心に効果的な取り組みを検討していく必要 がある。
6 Q マーケティング調査の実施と情報発信をするタ-ゲッ トについて。 A 日本遺産に関するマーケティング調査は特に行ってい ないが、動画「日本遺産紀行」の分析をした。 歴史というジャンルは中高年男性が中心。また「歴女」 の存在があり、水戸ではゲームアプリ「刀剣乱舞」に よる集客が増えている。 Q 認定後の様々な効果と地域の活性化について。 A 来場者数と宿泊者数を指標として把握。伸び率からも 地域の活性化に貢献していると考えている。 Q 観光政策を行うにあたり各課の連携は? A 現在はフットワークを生かし、直接担当が個人的な繋 りで各課の情報を収集したりし連携している状況。 Q 観光客による経済効果は。 A 県の調査によれば、平成 27 年度、日帰りで一人当たり 4400 円、宿泊で 22,860 円の効果があるとされている。 Q おもてなしボランティアの平均年齢は? A 70代が多い。広報誌で周知し面接するがなり手が 不足している。若い人にも担っていただくことが課題。 Q 水戸黄門はキャラクターとして考えられたか? A 現在は考えていないが、テレビ番組での影響は大きい。 水戸黄門漫遊一座がある。 Q 協議会や商工会議所・観光協会等、外部団体とはどれ くらいの頻度で会議を開いているのか。 A 協議会として集まるのは年1 回。市の各団体とは年 2,3 回の打ち合わせを行っている。 Q 協議会 4 市での事業は。 A 4 市で順番に日本遺産の講演会やシンポジウムを行っ ている。 Q日本遺産認定の先輩として、瀬戸市にアドバイスを。 A 現在 2 ヶ月に一度の事務担当者会議を開催し円滑な事 務を行っているが、いかに市長レベル・担当者レベルで
7 集まり情報交換、コミュニケーションが図れるかが課題。 連絡を密にされることが大切と思います。 6 考察 (所感・本市への提言等) 海外への観光博や商談会への参加等を施策に掲げ、H28 年 度には外国人対象の体験型観光の推進・観光情報誌の多言 語化・地域の産業と観光を結びつける「DMO」を推進さ せるなど施策を発展させており、外国人観光客の集客に力 を注いでいるところが印象的であった。また広報戦略「水 戸の魅力発信課」については大変良いネーミングで力を入 れているのがわかる。イメージアップ係を創設しで魅力を 発信しているが、この課では今後の詳細な計画は作らず各 課をヘルプするスタンスを取っているところ、また柔軟な 取り組みが印象的だった。 ・3 年間の補助金の使い道と連携、4 年目からの持続可能な 体制の維持も含め協議を進めていただきたい。 ・どのような層にアピールするのか、ターゲットを明確に 絞ることも大切である。本市も効果的な PR のため早い段階 での絞り込みが必要。 ・観光産業における情報発信については「外部からの視点」 が最も重要な要素となると考える。「瀬戸市の何に魅力を感 じ、何を求めて訪れているのか」といった調査を徹底して 行う必要がある。「見せたいもの」と「見たいものが」一致 するよう考えなければならない。 ・市外の方から、どう見えているのか?外国人や市外の方 の意見も参考に観光客目線で取り組み、媒体をフル活用す ることが必要である。 ・「せとものまつり」や「招き猫まつり」など集客のできる イベントがあることから、これらを活用し PR やリピ‐タ‐ の確保につなげたい。 ・市民が関心を持ち共有するためにも日本遺産がどのよう なものかを子供たちにもわかるように伝える必要がある。 水戸市では冊子を全戸配布している。 ・移動手段として人力車や水戸市のようにレンタル自転車 を活用していくことも観光集客に効果があるのではない
8 か。保管場所の確保や運営面安全対策が課題ではあるが、 賑わい創出のため再度実証実験を実施してはと考える。 ・見せるこのできる回遊ルート、市民が一丸となって観光 政策に取り組むことができる仕組み作りなどなすべきこと が山積していると感じた。 ・毎月定期的に開催するイベント等を行い観光客の呼び込 みを図ることで集客を見込めると思う。 ・楽しめる・感動するような観光環境を整え、体験をキー ワードに展開を進めるべきと感じた。 7 その他 (特記事項等)