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行
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城
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概
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要
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北関東地域には民間航空機が就航できる空 港がなく、航空利用者(特に茨城県の航空利用 者)は羽田空港等への長距離アクセスを余儀な くされていた。 そのため、航空自衛隊百里基地(茨城県小美 玉市)において滑走路新設等を行い民間共用化 することにより、北関東地域の航空利用者の利 便性を向上し、地域の発展に資することを目的 に整備し、平成22年3月11日に開港した。 ■経 緯 平成11年度 事業採択 平成12年度 事業着手 平成21年度 供用 →平成26年度 事後評価完了 起工式の地元新聞報道 プロジェクト着手前(平成10年2月) 百里基地 滑走路 ■位置図 茨城新聞 (H17.7.10)整備内容 滑走路新設 2,700m×45m 滑走路改良 2,700m×45m エプロン、誘導路、調整池等 事業期間 平成 12 年度~平成 21 年度 種 別 共用飛行場 事 業 費 215 億円 調整池(南) 調整池(北) 百里基地(自衛隊) 滑走路改良 2,700m× 45m 着陸帯 3,300m×300m 連絡誘導路 165m×4本 取付誘導路 155m×1本 滑走路新設 2,700m× 45m 着陸帯 2,820m×150m エプロン 提供:茨城県(2009.1撮影) ■諸元 百里飛行場の平成22年3月の開港以降、路線 の新設や利用促進により旅客数は増加してお り、これら利用者の空港アクセスにおける時間 短縮・費用低減について効果が得られた。 プロジェクト完了後 開港時の地元新聞報道 茨城新聞 (H22.3.12) 出典:Google 百里飛行場 ターミナル 新設滑走路 百里基地 既設滑走路 <到着機(送迎デッキより)> 百里飛行場利用者数の推移
1.プロジェクトの内容と目的
茨城県を出発及び到着地とする羽田空港の乗降客数は、全国国内線の平成5年から平成9 年までの伸び率1.13倍に対し、1.61倍であり、急激に増加していた(図1)。 一方、北関東地域には民間航空路線が就航できる空港が無く、特に茨城県の航空機利用 客は、羽田空港への長距離のアクセスを余儀なくされていた。 そのため、「百里飛行場民間共用化」事業を推進することにより、当該旅客の空港アクセスに おける時間短縮及び費用低減の実現を図ることがより求められた。 なお、百里飛行場の共用化に伴い、対象となる航空機荷重が増加するため、百里基地で使 用していた滑走路の改良工事が必要となるが、百里基地は首都圏防空の要であり工事中の滑 走路閉鎖ができないことや、共用化による自衛隊航空機運用への影響回避の必要性、加え て、民間航空機の定時制確保の観点から、既設滑走路に平行する新たな滑走路を整備するこ ととした。 図1 乗降客数推移の比較 基地の沿革 昭和13~20年 旧海軍百里ヶ原航空隊飛行場 昭和31年 4月 百里基地建設に着手 昭和41年 7月 百里基地設置 昭和42年 7月 第7航空団司令部、入間基地から百里基地へ移動 昭和50年10月 偵察航空隊編成 共用化に伴う経緯 平成 7年 8月 茨城県が「百里飛行場民間共用化構想」を発表 平成 8年12月 第七次空港整備五箇年計画(後に七箇年計画)への位置づけ 平成11年 4月 空港整備事業調査費が予算化 表1 百里飛行場の事業化までの経緯調整池(南) 調整池(北) エプロン 百里基地(自衛隊) 滑走路新設 2,700m× 45m 着陸帯 2,820m×150m 滑走路改良 2,700m× 45m 着陸帯 3,300m×300m 連絡誘導路 165m×4本 取付誘導路 155m×1本 ■諸元・概要図 百里飛行場は、平成11年度に事業採択され、平成12年度から事業着手、平成22年3月11日に 完成し供用を開始した。 これにより、北関東地域の航空利用者の空港アクセスにおける時間短縮及び費用低減効果が図 られた。 また、北関東地域の観光地へのアクセス性向上による観光消費の増大、地域活性化にも寄与し た。 供用後の百里飛行場 <ロビー>
事業主体
関東地方整備局、東京航空局
事業期間
平成12年度~平成21年度
事 業 費
215億円
種
別
共用飛行場
位
置
茨城県小美玉市
整備内容
滑走路新設 2,700m×45m
滑走路改良 2,700m×45m
エプロン、誘導路、調整池 等
<国際線航空機> 提供:茨城県(平成21年1月撮影)つ く ば 鹿 嶋 水 戸 百 里 飛 行 場 羽 田 空 港 約110分 50分短縮 約60分 25分短縮 約85分 25分短縮 約65分 約110分 約90分 つ く ば 国際線資料:空港管理状況調書 国内線資料:航空輸送統計年報 96 238 308 287 375 8 107 55 99 100 104 計8 計203 計293 計408 計387 計479 0 100 200 300 400 500 2009 2010 2011 2012 2013 2014 (千人) (年度) 旅客数 国際線 国内線 16 25 113 9 8 15 146 148 114 114 72 85 144 148 148 8 107 55 99 100 104 計8 計203 計293 計408 計387 計479 0 100 200 300 400 500 2009 2010 2011 2012 2013 2014 (千人) (年度) 路線別旅客数 上海 ソウル 神⼾ 新千歳 名古屋 福岡 那覇
2.プロジェクトの効果
本プロジェクトの実施による平成22年3月の百里飛行場開港以降、旅客数は着実に増加し ており、北関東地域の羽田空港利用者が、百里飛行場を利用することにより、空港アクセス時 間が短縮された。(図2) (図3) 今後、東関東自動車道水戸線(潮来~鉾田)の整備により、空港アクセス時間の更なる短 縮が見込まれる。(図4) a)空港アクセス時間短縮及び費用低減
1)種々の定量的効果
図3 各地と空港へのアクセス時間 平成25年度のアンケート調査によると、国際線旅客の約55%が空港直行バスを利用し ていることが分かった。(表2) 図4 東関東自動車道 整備状況 出典:常総国道事務所HP 図2 百里飛行場利用者数推移 また、マイカー利用客向けとして、ターミナルビル前面および臨時の併せて約2,600 台分の無料駐車場があり、ターミナルビルと駐車場とのアクセスが良く、駐車日数の制 限等がないため、普段から利用者が多く、特にGWやお盆、年末年始は満車となるな ど、マイカーでのアクセスの利便性向上、費用の低減につながっている。 加えて、公共交通機関でのアクセス手段として、JR石岡駅、JR水戸駅、つくばエクスプ レスつくば駅、東京駅から空港へのアクセスバスが運行している。このうち、空港-東京 駅間については、航空機利用者は500円(それ以外は1,000円)で利用できる。 (注:2014年は推定値)Skymark 神⼾経由便 (機材:B737-800) Skymark 直⾏便 春秋航空 国際線 (機材:A320) 新千歳 2便/⽇ 神⼾ 2便/⽇ 110分 240分 80分 85分 百里飛行場 上海 8便/週 190分 那覇 1便/⽇ 福岡 2便/⽇ ⽶⼦ 1便/⽇ 225分 <空港アクセスバス> 交通手段 割合(%) 1 空港直行バス 54.2 2 乗用車 18.9 3 乗用車(駐車場利用) 13.6 資料:平成25年度国際旅客動態調査 出典:茨城空港利用促進協議会HP 表2 国際線のアクセス手段 百里飛行場整備 北関東の航空利用者 北関東の航空利用者 整備なし 時間短縮・費用低減額 45億円/年(平成26年度) 図6 整備による時間短縮・費用低減効果 図5 定期便就航状況(2015.1.1現在)
百里飛行場供用後は 茨城県周辺の観光地 へのアクセスが向上
現在
整備前
2)その他の効果
a )観光地へのアクセス性向上による観光消費の増大
国内路線就航先から北関東地域の観光地へのアクセス性が向上したことで、北関東地域の促 進及び観光消費の増大が図られ、茨城県内の入込客は増加傾向にある。 (図7) 上海路線においては、年間約10万人(平成25年度)の利用があり、平成26年10月からは6便/ 週から8便/週に増便した。アジアを中心とした国際路線の誘致に取り組み、チャーター便の誘致の 他、上海路線を中心に北関東地域とアジアとの活発な交流が期待できる。 図7 百里飛行場の供用による観光地へのアクセス性向上 出典:茨城空港利用促進等協議会HPb ) プロジェクトへの投資効果
本プロジェクトに要する用地費、建設費、再投資費等の費用(C(Cost))に対する投資効果として は、航空旅客の空港アクセス時間短縮及び費用低減効果、空港管理者等への経済効果を便益 (B(Benefit))に計上し、この費用便益比(B/C)の関係を投資効果として分析した。 この結果、本プロジェクトのB/Cは2.6となり、投資コスト以上の便益を地域にもたらしていることに なる。 ■プロジェクトの投資効果の分析 費用便益比(B/C)= = = 2.6 供用後50年間の時間短縮・費用低減便益+残存価値 建設費+供用後50年間の維持管理費 1,328億円 507億円 経済的内部収益率(EIRR)= 14.1%b )空港関連産業による雇用拡大効果
茨城県地域開発プロジェクトの1つとして、百里飛 行場の東側に隣接する工業団地「茨城空港テクノ パーク」。 百里飛行場開港に併せ、臨空型という特性を活 かした新たな産業拠点として、雇用拡大、優良企業 の誘致を図っている。 <茨城空港テクノパークイメージ> 出典: 茨城県開発公社HPc )地元住民の賑わい施設
ターミナルビルを訪れる航空機利用客及び観光客は順調に伸びており、開港から3年後の平成 25年3月7日には来場者300 万人を達成、開港から4年7ヶ月の平成26年10月11日には500万 人を突破している。 平成26年7月31日、空港近隣地に地元小美玉市の地域再生拠点「空のえき そ・ら・ら」がオー プンした。オープン時には,百里飛行場と連携したスタンプラリーが実施されており、空港と共存共栄 を図りながら地域活性化に寄与している。 地元の農畜産物の販売、地元農産物を使用したレストランなどがあり、平成26年11月1には来場 者数が30万人を達成している。 <送迎デッキ> <空のえき・そらら> 出典: 空の駅 そ・ら・らHP <イベント(第2回茨城ご当地キャラグランプリ・キッチンカーグルメフェス> 出典: 茨城空港HP出典: 厚生労働省資料
d ) 防災拠点としての機能
開港1周年当日の平成23年3月 11日の東日本大震災時、百里飛 行場においてはロビーの天井パネル が一部落下する被害が生じた。幸い 人災はなく、滑走路やエプロン等に も被災はなかった。 一方で、羽田・成田空港の閉鎖 時に両空港に着陸予定であった86 機が着陸できなくなり、緊急避難空 港として百里飛行場が2機を受け入 れた。3.プロジェクト実施にあたっての特記事項
1 ) 舗装構成の見直しによる事業費削減
計画段階において、滑走路の路床の設計CBRは2%としていた。 現地工事に着手し、調整池の整備で掘削した土砂が良質土であったため、滑走路等の路床材と して活用することにより、購入砂を3割減らすことができた。 このため、設計CBRの見直し(2%→7%)が可能となり、舗装厚の大幅な削減(195㎝→82㎝) が実現できた。こうした工夫により、約24億円のコスト縮減となった。(図9) 図9 舗装構成の見直し 図8 DMAT活動概要 また震災後においては、災害派遣医療チーム(通称DMAT)の12日間の活動期間に、福岡空港よ りDMAT 27チーム(119人)を受け容れた。(図8) 82 m m 195 m m2 ) 環境影響評価に対する環境保全措置の実施
環境影響評価の道路交通騒音結果において、工事 車両による沿道騒音が環境基準(65dB)を満足しない と予測された地点が1地点(St.E(町道)、昼間、67dB) あった。(図10) そのため、工事中においては、車両の点検・整備励 行、適正速度の遵守、走行ルート・搬入時間の配慮を 実施した。 平成21年度の事後調査の結果、騒音レベルは環境 基準値をわずかに上回ることはあったが、環境保全措 置の徹底により、環境影響をできる限り低減した。 また、開港1年後の平成23年度に環境監視として道 路交通騒音レベルを観測を行ったが、いずれの観測点 も環境基準値以下であった。 図10 道路交通騒音観測値3 ) 希少動物発見による環境影響評価期間の延長
平成10年から百里飛行場周辺におけるオオタカ調査を茨城県が実施し、2つがいについて把握して おり、平成14年度から現地着工の予定で進んでいた。 平成14年2月、事業区域東側森林において新たにオオタカの営巣木が発見されたため、環境省の 「猛禽類保護の進め方」に倣い、2営巣期の現地調査を行ったため、百里飛行場整備期間が当初予定 より約3年延長した。 追加調査の結果、本事業により土地利用が変わるのは、オオタカ最大行動圏の約2.8%であることか ら、オオタカの生息や繁殖活動に及ぼす影響は極めて小さいと判断し、当初予定通り事業着手した。 開港後の1年間、環境監視を東京航空局で実施した。 オオタカについては、3つがいのうち、1つがいの巣上で雛3羽、新たに発見された1つがいの巣上で雛 4羽が確認された。これらの状況から、猛禽類が生息するのに必要な環境は、整備後も保全されている と考えられる。 <オオタカ> 出典:環境省自然環境局 オオタカ識別マニュアル4.プロジェクトによって得られたレッスン
1 ) 現地状況に応じた見直しによるコスト縮減について
本プロジェクトにおける滑走路の舗装構成の見直しにより、コスト縮減が図られた。 現地の状況に応じ、コスト縮減意識を持って、適切な設計を行うことが必要である。2 ) 環境保全対策の実施について
本プロジェクトの工事期間中において、環境基準値を僅かに満足しない予測値であったため、環境保 全措置を実施した。 予測された騒音の想定値に対しては、確実に課題を把握し、環境保全措置を行うことが必要である。3 )希少動物発見による環境影響評価期間の延長について
オオタカ営巣木の発見により、環境省の「猛禽類保護の進め方」に倣い、2営巣期の現地調査を行 ったため、百里飛行場整備期間が当初予定より約3年延長した。 事業予定地の選定段階において、オオタカ等保護すべき動植物の分布状況の情報収集・調査を 確実に行い、事業期間へ影響を与えないような計画とする必要がある。4 ) 利用促進のための取り組み状況
国内外の航空会社に対する新規路線の開設・増便の働きかけのほか、航空機利用者のための様々 な利用促進活動を茨城空港利用促進等協議会により実施中である。 これらの取組みにより、旅客実績は着実に増加している。 出典:茨城空港利用促進等協議会HP <利用促進キャンペーン>【参考資料について】 本プロジェクトの参考資料については、下記の関東地方整備局のウェブページでご参照 いただけます。 参照URL:http://www.ktr.mlit.go.jp/shihon/shihon00000134.html