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アクセス制御機能付DNSの実装と評価

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Academic year: 2021

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(1)社団法人 情報処理学会 研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 2004−DPS−117 (17) 2004−CSEC− 24 (17) 2004/3/4. アクセス制御機能付 DNS の実装と評価 馬場 達也. 日下 貴義. 山岡 正輝. 松田 栄之. 株式会社 NTT データ 技術開発本部 〒104-0033 東京都中央区新川 1-21-2 茅場町タワー E-mail: あらまし. {babatt, kusakat, yamaokam, matsudasg}@nttdata.co.jp. DNS(Domain Name System)は、インターネットにおいて、ホスト名から IP アドレスへの変換を行うという重要. な役割を担っているが、そのセキュリティ対策は十分であるとはいえない。これまでに、DNS にセキュリティ機能を加えるた めの拡張が議論されてきたが、DNS のデータに対するアクセス制御の仕組みはまだ十分に実現されていない。そこで、著者ら は、DNS の問い合わせ元をネームサーバ側で認証し、その認証結果に基づいてリソースレコードの内容を返却するか否かを決 定するアクセス制御機能付 DNS を提案してきた。本稿では、アクセス制御機能付 DNS を実装し、主に処理性能について評価し た結果を報告する。 キーワード. DNS,アクセス制御,ネームサーバ,セキュリティ. Implementation and Estimation of a Domain Name System with Access Control Tatsuya BABA, Takayoshi KUSAKA, Masaki YAMAOKA, and Shigeyuki MATSUDA Research and Development Headquarters, NTT Data Corporation Kayabacho Tower, 1-21-2, Shinkawa, Chuo-ku, Tokyo, 104-0033 Japan E-mail: Abstract. {babatt, kusakat, yamaokam, matsudasg}@nttdata.co.jp. DNS (Domain Name System) plays an important role in the Internet. It provides the mechanism for translating internet domain. names for network hosts into IP addresses. As the Internet has grown to become a business infrastructure, security extensions to the DNS have been discussed and developed. However, any sort of access control lists or other means to differentiate inquirers are not provided in these extensions. Therefore, the authors have been proposed the access control mechanism for DNS, which authenticates inquirers. In this paper, we show the development of the DNS with access control and the estimation results. Keyword DNS, Access Control, Name Server, Security 施すことにより、データの改ざんを防ぐことを可能と. 1. は じ め に DNS( Domain Name System)[1, 2]は 、イ ン タ ー ネ ッ. し て い る 。ま た 、TSIG お よ び SIG(0)で は 、ネ ッ ト ワ ー. ト に お い て 、ホ ス ト 名 を IP ア ド レ ス に 変 換 す る 名 前 解. ク 上 を 流 れ る DNS メ ッ セ ー ジ に MAC ( Message. 決と呼ばれる重要な機能を提供しているだけでなく、. Authentication Code)や デ ジ タ ル 署 名 を 付 加 す る こ と に. メール配送やサービス検索などにも利用されており、. よ っ て 、ネ ッ ト ワ ー ク 上 で の DNS メ ッ セ ー ジ の 改 ざ ん. インターネットのインフラともいうべき重要なシステ. や 、送 信 者 の な り す ま し を 防 ぐ こ と を 可 能 と し て い る 。. ムとなっている。しかし、インターネットは、元来、. し か し 、DNS へ の 問 い 合 わ せ に 対 す る ア ク セ ス 制 御. 研究者間の通信基盤として発展してきたという経緯も. の機能は、これらの技術では提供されていない。これ. あ り 、DNS に お け る セ キ ュ リ テ ィ 対 策 は 十 分 で あ る と. は 、DNS の デ ー タ は 公 開 さ れ る べ き も の と い う 考 え の. はいえない。. 下で設計されてきたため、アクセス制御に対するユー. DNS に お け る セ キ ュ リ テ ィ 対 策 と し て は 、こ れ ま で. ザの要求はあるものの、議論の対象外とされてきたた. に 、 DNSSEC ( DNS Security Extensions ) [3] や TSIG. め で あ る 。 し か し 、 ホ ス ト に ア ク セ ス す る 前 の DNS. ( Transaction Signature)[4]、SIG(0)[5]な ど が 提 案 さ れ. の名前解決の段階でアクセス制御を行うことができれ. て き た 。DNSSEC で は 、DNS の デ ー タ で あ る リ ソ ー ス. ば、従来のホストやファイアウォールでのアクセス制. レコードに対して、公開鍵暗号技術を使用して署名を. 御に加えて、さらにセキュリティを高めることができ. −99−.

(2) ると考えられる。また、年々増加しているサービス妨. れ に よ り 、DNS メ ッ セ ー ジ に 含 ま れ る リ ソ ー ス レ コ ー. 害 攻 撃 ( DoS 攻 撃 ) で は 、 送 信 元 を 偽 造 し た 大 量 の パ. ド だ け で な く 、DNS ヘ ッ ダ も 暗 号 化 さ れ る た め 、返 却. ケットを送りつけることにより、ターゲットのネット. したエラーの種類やリソースレコードの数なども第三. ワークやホストに負荷をかけることを目的としており、. 者に知られないようにすることが可能となる。. このような攻撃はホストやファイアウォールでのアク. ま た 、 TENC で 使 用 す る 暗 号 化 用 の 秘 密 鍵 を AC ク. セ ス 制 御 で は 防 ぐ こ と が で き な い 。し か し 、DNS の 名. ラ イ ア ン ト と AC ネ ー ム サ ー バ と の 間 で 共 有 す る た め. 前 解 決 の 段 階 で 、ア ク セ ス を 許 可 す る ユ ー ザ の み に IP. に 、も と も と は 、TSIG で 使 用 す る 認 証 鍵 を 共 有 す る た. アドレスを開示するようなアクセス制御を行うことが. め に 標 準 化 さ れ た 鍵 交 換 の 仕 組 み で あ る TKEY. できれば、これらの攻撃をある程度防ぐことができる. ( Transaction Key ) [7] を 拡 張 し た も の を 使 用 す る 。. と考えられる。. TKEY で は 、TSIG で 使 用 す る MAC ア ル ゴ リ ズ ム の ID. そ こ で 、著 者 ら は 、DNS に お け る ア ク セ ス 制 御 を 実. を指定することで、生成する認証鍵の種類を相手に通. 現する仕組みとして、アクセス制御対応ネームサーバ. 知する仕様となっている。そこで、このアルゴリズム. ( AC ネ ー ム サ ー バ ) が ア ク セ ス 制 御 対 応 ク ラ イ ア ン. ID に 、TENC で 使 用 す る 共 通 鍵 暗 号 ア ル ゴ リ ズ ム の ID. ト ( AC ク ラ イ ア ン ト ) 上 の ユ ー ザ を SIG(0)の 仕 組 み. を 追 加 す る こ と に よ っ て 、AC ク ラ イ ア ン ト と AC ネ ー. を利用して認証し、その認証結果に従ってアクセス制. ムサーバとの間で暗号化用の秘密鍵を共有することが. 御 を 行 う 方 式 を 提 案 し て い る [6]。本 稿 で は 、提 案 し た. できるようにする。. 方式をプロトタイプとして実装し、主に処理性能につ. TENCおよびSIG(0)を適用後. いて評価した結果を報告する。. 新DNSヘッダ オリジナルのDNSメッセージ. 2. DNS ア ク セ ス 制 御 方 式. アルゴリズムID 鍵IDなど. DNSヘッダ. 最 初 に 、こ れ ま で に 提 案 し た DNS に お け る ア ク セ ス 制御方式について説明する。. 暗号化. データ. 暗号化された DNSメッセージ. 2.1. DNS アクセス制 御 の考 え方. 署名. ( 1) ア ク セ ス 元 の 識 別 お よ び 認 証 本 方 式 で は 、AC ネ ー ム サ ー バ が 、AC ク ラ イ ア ン ト. TENC RR. SIG(0) RR. 図 1 TENC による DNS メッセージの暗 号 化. ま た は AC ク ラ イ ア ン ト 上 の ユ ー ザ を 識 別 お よ び 認 証 す る た め に 、 SIG(0)を 使 用 す る 。 DNS メ ッ セ ー ジ に 付. ( 3) ア ク セ ス 制 御 リ ス ト の 記 述. 加 さ れ る SIG(0)リ ソ ー ス レ コ ー ド ( SIG(0) RR) に は 、. ア ク セ ス 制 御 リ ス ト ( ACL) は 、 同 じ ゾ ー ン を 管 理. 問い合わせ元ユーザが生成したデジタル署名とドメイ. する複数のネームサーバで共有されるように、ゾーン. ン 名 形 式 の 署 名 者 ID が 含 ま れ て い る た め 、 ネ ー ム サ. デ ー タ 内 に TXT レ コ ー ド を 使 用 し て 記 述 す る 。こ れ に. ー バ は 、 署 名 者 ID を 基 に 問 い 合 わ せ 元 ユ ー ザ を 識 別. よ り 、ゾ ー ン 転 送 時 に 自 動 的 に ACL も 転 送 さ れ る よ う. し、署名を検証することでアクセス元を認証すること. に な る 。こ の TXT レ コ ー ド で は 、以 下 の よ う に 、 「 ACL」. が で き る 。SIG(0)で は 、通 常 は 、署 名 者 ID と し て FQDN. という文字に続いて、対象となるリソースレコードの. ( Fully Qualified Domain Name)で 記 述 さ れ た ホ ス ト 名. タ イ プ 、 識 別 子 ( SIG(0) RR の 署 名 者 ID で 使 用 す る. を 使 用 す る が 、 ユ ー ザ ID を 「 baba._user.example.com」. FQDN) を 記 述 す る こ と で 、 ア ク セ ス を 許 可 す る ホ ス. のように表記することで、リソースレコードへのアク. トまたはユーザをリソースレコード毎に記述する。. セスをユーザ単位で制御できるようにする。 www ( 2) デ ー タ の 機 密 性 確 保 DNS メ ッ セ ー ジ を 暗 号 化 す る た め の 仕 組 み と し て 、. IN. A. 192.168.0.30. IN. TXT. “ACL A baba._user.example.com.”. IN. TXT. “ACL A kusaka._user.example.com.”. 著 者 ら が 新 た に 提 案 し た TENC リ ソ ー ス レ コ ー ド ( TENC RR: Transaction Encryption Resource Record). た だ し 、 DNS の ツ リ ー 構 造 を た ど る た め に 必 要 な. を 使 用 す る 。TENC で は 、オ リ ジ ナ ル の DNS メ ッ セ ー. SOA、NS、SIG、NXT、KEY、DS の 各 リ ソ ー ス レ コ ー. ジ全体を、共通鍵暗号を使用して暗号化し、暗号化し. ドに対してはアクセス制御を行わず、すべての問い合. た メ ッ セ ー ジ を 新 た に 作 成 し た DNS メ ッ セ ー ジ 中 の. わせに対して回答することとする。. TENC RR の デ ー タ 部 に 挿 入 し て 送 信 す る ( 図 1)。 こ. −100−.

(3) 2.2. プロトコルシーケンス. る署名を検証する。署名の検証に成功した場合は、該. ( 1) 通 常 名 前 解 決. 当 す る リ ソ ー ス レ コ ー ド の ACL を 参 照 し 、そ の 署 名 者. AC ク ラ イ ア ン ト は 、 最 初 に ロ ー カ ル ネ ー ム サ ー バ. に対してリソースレコードの内容を返却して良いかど. 経由で通常のクライアントと同様の名前解決処理を行. う か を 判 断 す る 。ア ク セ ス が 許 可 さ れ て い る 場 合 に は 、. う。アクセス先のリソースレコードがアクセス制御さ. 回 答 に AC ネ ー ム サ ー バ の 秘 密 鍵 で 署 名 を 施 し た. れていない場合は、ここで回答が返却される。. SIG(0) RR を 付 加 し た DNS メ ッ セ ー ジ を AC ク ラ イ ア ン ト に 送 信 す る 。AC ク ラ イ ア ン ト で は 、受 信 し た DNS メ ッ セ ー ジ に 付 加 さ れ て い る 署 名 を 、 AC ネ ー ム サ ー. ( 2) ア ク セ ス 先 AC ネ ー ム サ ー バ の 探 索 通常名前解決で回答が得られなかった場合は、アク. バの公開鍵を使用して検証する。. セス制御対応名前解決を行う。アクセス制御対応名前. DNS メ ッ セ ー ジ を 暗 号 化 し な い 場 合 は 、鍵 交 換 フ ェ. 解 決 で は 、AC ク ラ イ ア ン ト は 、AC ネ ー ム サ ー バ に 直. ー ズ は 存 在 せ ず 、 問 い 合 わ せ メ ッ セ ー ジ に SIG(0) RR. 接 問 い 合 わ せ を 発 行 す る た め 、 最 初 に ア ク セ ス 先 AC. を 付 加 し た も の を 、AC ネ ー ム サ ー バ に 直 接 送 信 す る 。. ネームサーバの探索を行う。 ア ク セ ス 先 AC ネ ー ム サ ー バ の 探 索 処 理 は 図 2 の よ NS レ コ ー ド を ロ ー カ ル ネ ー ム サ ー バ 経 由 で 問 い 合 わ せ 、 ゾ ー ン を 管 理 す る AC ネ ー ム サ ー バ の ホ ス ト 名 を 取 得 す る 。 そ し て 、 そ の AC ネ ー ム サ ー バ の ホ ス ト 名 に対する A レコードをさらに問い合わせることにより、. 暗号化アルゴリズムの指定、鍵交換 TKEY+SIG(0) (サーバの秘密鍵で署名) 暗号化された問い合わせ TENC+SIG(0) (クライアントの秘密鍵で署名). ACネームサーバ. ACクライアント. う に な る 。 AC ク ラ イ ア ン ト は 、 ア ク セ ス 先 ゾ ー ン の. 暗号化アルゴリズムの指定、鍵交換 TKEY+SIG(0) (クライアントの秘密鍵で署名). 暗号化された回答 TENC+SIG(0) (サーバの秘密鍵で署名). ア ク セ ス 先 ゾ ー ン を 管 理 し て い る AC ネ ー ム サ ー バ の IP ア ド レ ス を 取 得 す る 。. アクセス先ゾーンを管理する ACネームサーバのホスト名 ACネームサーバのAレコードの 問い合わせ アクセス先ゾーンを管理する ACネームサーバのIPアドレス. 図 3 暗 号 化 を有 効 にした場 合 のプロトコルシーケンス. ローカルネームサーバ. ACクライアント. アクセス先ゾーンのNSレコードの 問い合わせ. 3. ア ク セ ス 制 御 機 能 付 DNS の 実 装 こ れ ま で に 述 べ た AC ネ ー ム サ ー バ お よ び AC ク ラ イアントの機能を、プロトタイプとして実装した。. 3.1. AC ネームサーバの実 装 AC ネ ー ム サ ー バ 機 能 は 、 BIND( BIND 9.2.1) を 改 造 す る こ と で 実 現 し た 。BIND に は 、SIG(0)が 付 加 さ れ. 図 2 AC ネームサーバの探 索 シーケンス. た問い合わせを受信し、検証する機能が実装されてい る が 、 SIG(0)を 付 加 し た 回 答 を 送 出 す る 機 能 は 実 装 さ. ( 3) ア ク セ ス 制 御 対 応 名 前 解 決. れ て い な い 。 こ の た め 、 BIND に 、 回 答 へ の SIG(0)付. ア ク セ ス 先 ゾ ー ン を 管 理 す る AC ネ ー ム サ ー バ の IP. 加処理を追加した。そして、暗号化鍵を生成できるよ. ア ド レ ス を 取 得 し た ら 、AC ク ラ イ ア ン ト は 、AC ネ ー. う に 、 BIND の TKEY 処 理 を 改 造 し 、 さ ら に TENC 処. ムサーバに対して、ローカルネームサーバを介さずに. 理 を 追 加 し た 。 TENC で 使 用 す る 暗 号 化 処 理 は. 直接問い合わせを行う。. OpenSSL 0.9.6b を 利 用 し た 。. DNS メ ッ セ ー ジ を 暗 号 化 す る 場 合 は 、図 3 の よ う に 、. TENC で 必 要 と な る 暗 号 化 ア ル ゴ リ ズ ム や SIG(0)で. 最 初 に AC ク ラ イ ア ン ト と AC ネ ー ム サ ー バ と の 間 で. 必 要 と な る 秘 密 鍵 は 、 BIND の 設 定 フ ァ イ ル で あ る. TKEY に よ る 暗 号 化 用 の 秘 密 鍵 の セ ッ ト ア ッ プ を 行 う 。. named.conf で 指 定 で き る よ う に し た 。. そ し て 、TKEY に よ っ て 生 成 さ れ た 秘 密 鍵 を 使 用 し て 、 DNS メ ッ セ ー ジ を 暗 号 化 し 、 そ の 内 容 を TENC RR に. 3.2. AC クライアントの実 装. 挿 入 し て 送 信 す る 。こ こ で 交 換 さ れ る メ ッ セ ー ジ に は 、. AC ク ラ イ ア ン ト 機 能 は 、 既 存 の ア プ リ ケ ー シ ョ ン. す べ て 、SIG(0) RR を 付 加 し て 認 証 を 行 う 。AC ネ ー ム. を変更することなく、アクセス制御機能を利用できる. サ ー バ で は 、SIG(0) RR の 署 名 者 ID に 対 応 し た 公 開 鍵. よ う に す る た め に 、共 通 ラ イ ブ ラ リ で あ る glibc( glibc. を 使 用 し て 、受 信 し た DNS メ ッ セ ー ジ に 付 加 さ れ て い. 2.3.2) 上 に 実 装 し た 。 ま た 、 TENC で 使 用 す る 暗 号 化. −101−.

(4) ま た 、 暗 号 化 を 有 効 に し た 場 合 の AC ネ ー ム サ ー バ の. 処 理 は OpenSSL 0.9.6b を 利 用 し た 。 SIG(0)署 名 の 生 成 に 使 用 す る ユ ー ザ の 秘 密 鍵 は 、 別 のユーザがアクセスできないように、各ユーザのホー. 各フェーズの処理時間とメモリ使用量もあわせて測定 した。. ム デ ィ レ ク ト リ の .sdns デ ィ レ ク ト リ 配 下 に 置 く よ う にした。. 4.2. 評 価 環 境. 3.3. 公 開 鍵 の管 理 方 式. ームサーバには、アクセス制御対応のものと非対応の. 評 価 環 境 を 図 4 に 示 す 。ク ラ イ ア ン ト と sdns.com ネ 本 方 式 で は 、AC ク ラ イ ア ン ト お よ び AC ネ ー ム サ ー. も の を 用 意 し 、 そ れ ぞ れ の ク ラ イ ア ン ト か ら sdns.com. バ 間 で 交 換 さ れ る メ ッ セ ー ジ に 付 加 さ れ る SIG(0)署 名. ネ ー ム サ ー バ の 管 理 す る ”www.sdns.dom”の A レ コ ー ド. を検証するために、相手の公開鍵が必要となる。この. に対して名前解決を行った。この際に、クライアント. 公開鍵は、事前に取得して保持しておいてもよいが、. ユ ー ザ お よ び サ ー バ の 公 開 鍵 は 、そ れ ぞ れ 、home.dom. それでは、スケーラビリティの面で問題となる。そこ. ネ ー ム サ ー バ お よ び sdns.dom ネ ー ム サ ー バ に KEY レ. で 、 本 実 装 で は 、 ク ラ イ ア ン ト ユ ー ザ お よ び AC ネ ー. コードとして登録しておいた。. ム サ ー バ の 公 開 鍵 を あ ら か じ め KEY レ コ ー ド と し て. インターネット側. DNS に 登 録 し て お き 、 SIG(0)署 名 の 検 証 時 に 、 SIG(0). ルート ネームサーバ. に 含 ま れ て い る ID か ら KEY レ コ ー ド を DNS に 問 い 合. dom ネームサーバ. sdns.dom ネームサーバ. わ せ る こ と で 、公 開 鍵 を 動 的 に 取 得 で き る よ う に し た 。. 3.4. AC ネームサーバの探 索 方 式 ア ク セ ス 先 AC ネ ー ム サ ー バ の 探 索 処 理 で は 、AC ク. PWR. 10M100M ACT ACT. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17. 18. 19. 20. 21. 22. 23. 24. UPLINK. COLCOL SWITCH 131415161718192021222324. 10Mbpsシェアドハブ. ラ イ ア ン ト か ら 、 ア ク セ ス 先 ゾ ー ン に 対 す る NS レ コ ー ド を DNS に 問 い 合 わ せ る 。し か し 、実 際 は 、名 前 解 決しようとしているドメイン名から、そのリソースレ コードを管理しているゾーンの名称を割り出すことは. クライアント home.domネームサーバ (ローカルネームサーバ) イントラネット側(home.domドメイン). 難 し い 。 例 え ば 、 www.foo.example.com の A レ コ ー ド は 、foo.example.com ゾ ー ン で 管 理 さ れ て い る の か 、あ る い は 、 example.com ゾ ー ン で 管 理 さ れ て い る の か を. 図 4 評価環境. AC ク ラ イ ア ン ト 側 で 判 別 す る こ と は で き な い 。 そ こ で、本実装では、問い合わせ先ドメイン名のラベルを. 評価に使用したマシンのスペックは表 1 のとおりで. 左 か ら ひ と つ ず つ 削 っ て 、 そ の NS レ コ ー ド を 問 い 合. あ る 。な お 、ル ー ト ネ ー ム サ ー バ 、dom ネ ー ム サ ー バ 、. わ せ る よ う に し た 。つ ま り 、www.foo.example.com の A. home.dom ネ ー ム サ ー バ( ロ ー カ ル ネ ー ム サ ー バ )に は 、. レコードを問い合わせた場合は、最初に、ラベルをひ. 改 造 を 施 し て い な い 、 通 常 の BIND 9.2.1 を 使 用 し た 。. と つ だ け 削 っ た foo.example.com に 対 し て NS レ コ ー ド を問い合わせ、エラーが返ってきた場合は、ラベルを さ ら に ひ と つ 削 っ た example.com に 対 し て NS レ コ ー ドを問い合わせるようにした。. 表 1 評 価 用 マシンのスペック マシン DELL OptiPlex GX260. 4. 評 価. CPU Intel Pentium 4 2.80GHz. メモリ 1024MB. OS Red Hat Linux 9. ま た 、署 名 ア ル ゴ リ ズ ム に は 768 ビ ッ ト の DSA、デ. 実装したプロトタイプを使用して、アクセス制御に. ー タ の 暗 号 化 ア ル ゴ リ ズ ム に は 3DES-CBC 、 DH. 関わる処理時間およびメモリ使用量について測定した。. ( Diffie-Hellman)鍵 に は 768 ビ ッ ト の も の を 使 用 し た 。 本 来 は 、署 名 鍵 お よ び DH 鍵 の 長 さ は 1024 ビ ッ ト 以 上. 4.1. 評 価 方 法. の も の を 使 用 す る べ き で あ る が 、 DNS メ ッ セ ー ジ を. ACL を 除 い た リ ソ ー ス レ コ ー ド 数 お よ び 名 前 解 決. UDP で 送 信 す る 際 の 512 バ イ ト の 限 界 を 超 え て し ま う. を 行 う 対 象 の リ ソ ー ス レ コ ー ド に 対 す る ACL 数 を 変. た め 、こ れ ら の 鍵 の 長 さ を 768 ビ ッ ト と し た 。こ の 512. 化させて名前解決時間を測定した。測定は、暗号化を. バイトの限界は、クライアントとサーバの両方で. 有 効 に し た 場 合 と 無 効 に し た 場 合 に 分 け て 10 回 ず つ. EDNS0 を サ ポ ー ト す る こ と で 解 決 す る こ と が 可 能 で. 行い、最大値および最小値を除いて平均を算出した。. あるが、今回のプロトタイプでは対応していない。. −102−.

(5) が、それ以外の処理には変化が見られなかった。. 4.3. 評 価 結 果 ACL 数 を 5 で 固 定 し 、ACL を 除 い た リ ソ ー ス レ コ ー. 表 3 AC ネームサーバでの処 理 時 間. ド数を変化させた場合の名前解決時間は、図 5 のグラ. 処理内容 処 理 時 間 (秒 ) 通 常 名 前 解 決 フェーズ Aレコード回 答 処 理 0.001~0.003 (アクセス制 御 判 定 処 理 ) (ACL=1~100) ACネームサーバ探 索 フェーズ 0.001 NSレコード回 答 処 理 0.001 Aレコード回 答 処 理 鍵 交 換 フェーズ 0.027 ユーザ公 開 鍵 取 得 処 理 0.002 リクエストSIG(0)検 証 処 理 0.007 DH処 理 および鍵 生 成 処 理 0.002 レスポンスSIG(0)署 名 処 理 アクセス制 御 対 応 名 前 解 決 フェーズ 0.002 クエリSIG(0)検 証 処 理 0.001 クエリ復 号 化 処 理 Aレコード回 答 処 理 0.001~0.003 (アクセス制 御 判 定 処 理 ) (ACL=1~100) 0.001 レスポンス暗 号 化 処 理. フのようになった。リソースレコード数を変化させて も名前解決時間にはほとんど影響がなく、暗号化を無 効 に し て い る 場 合 は 約 0.09 秒 、暗 号 化 を 有 効 に し て い る 場 合 は 約 0.13 秒 で あ っ た 。 0.16 AC ク ラ イ ア ン ト ( 暗 号 化 有 効 ). 名前解決時間(秒). 0.14 0.12. AC ク ラ イ ア ン ト ( 暗 号 化 無 効 ). 0.1 0.08 0.06 0.04. 通常クライアント. 0.02 0 0. 200. 400. 600. 800. 1000. リソースレコード数(ACL数=5). 図 5 リソースレコード数 と名 前 解 決 時 間 の関 係. レスポンスSIG(0)署 名 処 理. 0.002. 計. 0.048~0.052. AC ネ ー ム サ ー バ の メ モ リ 使 用 量 に つ い て は 、 ACL の 数 で は な く 、ACL を 含 ん だ 総 リ ソ ー ス レ コ ー ド 数 が. ま た 、 ACL を 除 い た リ ソ ー ス レ コ ー ド 数 を 50 で 固. 影 響 し た 。ACL を 含 ん だ 総 リ ソ ー ス レ コ ー ド 数 を 変 化. 定 し 、ACL 数 を 変 化 さ せ た 場 合 の 名 前 解 決 時 間 は 、図. させた場合のメモリ使用量の変化は図 7 のようになっ. 6 の グ ラ フ の よ う に な っ た 。 ACL 数 が 増 え る と と も に. た。. 名前解決時間もやや増加したが、同一のアクセス制御. メモ リ使 用 量 (Kbyte). 対 象 リ ソ ー ス レ コ ー ド に ACL を 100 付 与 し た 場 合 で も 、 暗 号 化 を 無 効 に し て い る 場 合 で 0.10 秒 未 満 、暗 号 化 を 有 効 に し て い る 場 合 で 0.14 秒 未 満 で あ っ た 。. 0.16 AC ク ラ イ ア ン ト ( 暗 号 化 有 効 ). 名前解決時間(秒). 0.14 0.12. AC ク ラ イ ア ン ト ( 暗 号 化 無 効 ). 0.1. 1780 1760 1740 1720 1700 1680 1660 0. 0.08 0.06. 200 400 600 800 総リソースレコード数(ACL含む). 1000. 図 7 総 リソースレコード数 とメモリ使 用 量 の関 係. 0.04 0.02. 通常クライアント. 5. 考 察. 0 0. 20 40 60 80 ACL数(リソースレコード数=50). 100. 5.1. 名 前 解 決 時 間 評 価 結 果 か ら 、 名 前 解 決 時 間 は 、 AC ネ ー ム サ ー バ に登録されているリソースレコード数を増加させても. 図 6 ACL 数 と名 前 解 決 時 間 の関 係. ほ と ん ど 影 響 が な い こ と が わ か っ た 。し か し 、ACL の. ま た 、 暗 号 化 を 有 効 に し た 場 合 の AC ネ ー ム サ ー バ の各フェーズの処理時間の平均は表 3 のようになった。 ACL 数 を 変 化 さ せ た 場 合 は 、通 常 名 前 解 決 フ ェ ー ズ の A レコード回答処理とアクセス制御対応名前解決フェ ーズの A レコード回答処理で処理時間に変化があった. 数を増加させた場合には、名前解決時間がわずかであ る が 増 加 し た 。こ れ は 、ア ク セ ス 元 の ユ ー ザ 名 と ACL 中のユーザ名を比較する処理に時間がかかっているこ とが主な原因である。ただし、暗号化を有効にし、あ る リ ソ ー ス レ コ ー ド に 対 し て 100 の ACL を 付 与 し た 場 合 で も 、名 前 解 決 時 間 は 0.14 秒 未 満 で あ り 、こ の 程 度. −103−.

(6) であれば、名前解決を行う実際のアプリケーションの. バでは、3 クエリ分の処理が余分に生じてしまう。こ. 利用への影響はないと考えられる。. れは、既存のローカルネームサーバが対応できるよう に、アクセス制御対象のリソースレコードに通常問い 合わせを行った場合の回答として、アクセス制御用の. 5.2. AC ネームサーバの性 能 要 件 暗 号 化 を 有 効 に し た 場 合 の AC ネ ー ム サ ー バ で の 処. 専 用 の エ ラ ー コ ー ド で は な く 、 既 存 の 「 Non-Existent. 理 時 間 の 合 計 は 、ACL 数 を 1 か ら 100 ま で 変 化 さ せ た. Domain」エ ラ ー を 返 す よ う に し て い る た め で あ る 。こ. 場 合 で 、0.048~ 0.052 秒 と な っ た 。た だ し 、AC ネ ー ム. れ に よ り 、 AC ク ラ イ ア ン ト は 、 存 在 し な い リ ソ ー ス. サーバのユーザ公開鍵取得処理の中には、外部ネーム. レコードの場合でも、アクセス制御されているリソー. サーバからの返答を待っている時間も含まれているた. スレコードの場合と同様の処理をしてしまう。この問. め 、実 際 に CPU が 動 作 し て い る 時 間 は 、1 ク エ リ あ た. 題 に よ る 影 響 は 小 さ い も の で あ る が 、実 用 化 の 際 に は 、. り 0.024~ 0.028 秒 程 度 で あ る と 考 え ら れ る 。 つ ま り 、. 新たに専用のエラーコードを定義し、ローカルネーム. 今 回 の 評 価 で 使 用 し た ス ペ ッ ク ( Pentium 4 2.80GHz). サーバでアクセス制御用のエラーコードをクライアン. と 同 等 の PC を AC ネ ー ム サ ー バ に 使 用 し た 場 合 は 、. トに転送するようにする必要があると考える。. アクセス制御されているリソースレコードへの問い合 わ せ を 、1 秒 間 に 40 ク エ リ 程 度 処 理 す る こ と が 可 能 と. 6. ま と め DNS の 問 い 合 わ せ 元 を ホ ス ト ま た は ユ ー ザ 単 位 で. な る 。 ま た 、 AC ネ ー ム サ ー バ は 、 通 常 の ゾ ー ン 転 送 で ACL も 同 時 に 転 送 さ れ る 仕 組 み に な っ て い る た め 、. 認証し、認証結果に基づいてリソースレコードへのア. アクセス制御機能に対応したセカンダリネームサーバ. クセス制御を行う方式をプロトタイプとして実装した。. を増やすことで容易に負荷分散を行うことが可能であ. また、プロトタイプを使用して、主に性能面について. る 。 適 用 す る 環 境 の ア ク セ ス 数 に 合 わ せ て 、 AC ネ ー. 評価した結果を報告した。評価の結果、既存の環境や. ム サ ー バ の CPU 性 能 お よ び 台 数 を 調 整 す る こ と で 、本. 性能に大きな影響を与えることなく、本方式が導入可. 方式を問題なく適用することができると考えられる。. 能であることを示すことができた。. AC ネ ー ム サ ー バ が 使 用 す る メ モ リ 量 は 、 通 常 の BIND と 比 較 し て 大 き な 違 い は 見 ら れ な か っ た 。 ACL. 謝辞. を 含 め た 総 リ ソ ー ス レ コ ー ド 数 を 変 化 さ せ た 場 合 は 、1. 本 研 究 は 、 通 信 ・ 放 送 機 構 ( TAO) の 委 託 研 究 テ ー. リ ソ ー ス レ コ ー ド あ た り 90 バ イ ト 程 度 増 加 し た が 、. マ「 次 世 代 DNS に 関 す る 研 究 開 発 」の 一 環 と し て 行 わ. 1000 レ コ ー ド 登 録 し た 場 合 で も 、 メ モ リ 使 用 量 は 2M. れているものである。. バイトにも満たない。このため、メモリ量に関しては. 参. 特に問題ないと考えられる。. 考. 文. 献. [1] P. Mockapetris, "Domain Names – Concepts and. 5.3. 既 存 ネームサーバへの影 響. Facilities", RFC 1034, November 1987.. 本 方 式 で は 、 ル ー ト ネ ー ム サ ー バ や 、jp ネ ー ム サ ー. [2] P. Mockapetris, "Domain Names – Implementation. バ な ど の TLD( Top Level Domain) ネ ー ム サ ー バ へ の 問い合わせは、多くの場合、最初の通常問い合わせ時. and Specification", RFC 1035, November 1987. [3] D. Eastlake 3 r d , "Domain Name System Security. と、サーバ側でのユーザ公開鍵取得時に発生するのみ で 、 AC ネ ー ム サ ー バ 探 索 処 理 な ど で は 、 キ ャ ッ シ ュ が 使 用 さ れ る 。こ の た め 、ル ー ト ネ ー ム サ ー バ や TLD. Extensions", RFC 2535, March 1999. [4] P. Vixie, O. Gudmundsson, D. Eastlake 3 r d , and B. Wellington, "Secret Key Transaction Authenti-. ネームサーバへの影響は少ないと考える。 ま た 、 AC ク ラ イ ア ン ト か ら 、 既 存 の ネ ー ム サ ー バ が管理するリソースレコードに対して名前解決を行っ. cation for DNS (TSIG)", RFC 2845, May 2000. [5] D. Eastlake 3 r d , “DNS Request and Transaction Signatures ( SIG(0)s )", RFC 2931, September. た場合には、通常名前解決フェーズで回答が返される. 2000.. た め 、 本 方 式 に よ る 影 響 は 発 生 し な い 。 し か し 、 AC クライアントから、既存のネームサーバが管理するゾ. [6] 馬 場 , 日 下 , 山 岡 , 松 田 ,“ DNS に お け る ア ク セ ス 制 御 プ ロ ト コ ル の 検 討 ”, 情 報 処 理 学 会 研 究 報. ーンの存在しないリソースレコードに対して名前解決. 告 ,2003-CSEC-20,Vol.2003,No.18,pp.173-178,. しようとした場合は、暗号化有効の場合は鍵交換フェ ーズ、暗号化無効の場合は、アクセス制御対応問い合 わせフェーズまで行われてしまい、既存のネームサー. February 2003. [7] D. Eastlake 3 r d , "Secret Key Establishment for DNS (TKEY RR)", RFC 2930, September 2000.. −104−.

(7)

参照

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