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日本神経学会の診療ガイドライン:その評価と今後の課題

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Academic year: 2021

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53:1342

<シンポジウム (4)-13-1 >日本神経学会編纂診療ガイドラインの現況と将来展望

日本神経学会の診療ガイドライン:その評価と今後の課題

中山 健夫

1) (臨床神経 2013;53:1342) 診療ガイドラインは「特定の臨床状況のもとで,臨床家と 患者の意思決定を支援する目的で,系統的に作成された文 書」,そして「エビデンスの系統的レビューに基づき,患者 ケアの最適化を目的とする推奨をふくむ文書」(米国医学研 究所 2011)とされている.国内では 1990 年代後半から根拠 に基づく医療(EBM)の考え方をもちいた診療ガイドライ ンの作成が導入され,日本神経学会でも 2002 年~ 2003 年に かけて,パーキンソン病,慢性頭痛,てんかん,ALS,痴呆 性疾患,脳卒中の 6 つの治療ガイドラインを公表した. 診療ガイドラインの役割は意思決定支援であり,その直接 的な拘束力は強くない.カバーする患者の範囲も 60 ~ 95% とされる.しかし専門知識・情報が急速に「古く」なる中, 根拠に基づく診療ガイドラインは,専門家に期待される知識 レベルと新しさを示すものであり,個々の臨床場面での利用 に留まらず,医療者の卒前・卒後教育にも活用できる.患者 の価値観を尊重して,適切な臨床的疑問を発し,それに応え る情報収集・評価を習慣化して,日常診療に反映する,すな わち専門知識を継続的に更新していく技能は,医療者のプロ フェッショナリズムの一つでもある.そのようにしてえた情 報を,理解されやすい形で患者・家族と共有し,必要に応じ

て”shared decision making(共有決定)”をおこなうスタイル は,医療における新たな信頼構築の基盤としても期待される. 日本神経学会は新たに神経疾患の遺伝子診断(2009 年), 多発性硬化症(2010 年)のガイドラインと,認知症疾患(2010 年),てんかん(2010 年),パーキンソン病(2011 年)の改 定版ガイドラインを公表した.このガイドラインに対して, 世界的に広くもちいられている診療ガイドラインの評価ツー ルである“AGREEII”による評価と,学会員(一部抽出)に 対する質問紙調査を実施している.シンポジウムではこれら の評価結果を提示して,本学会の診療ガイドラインの課題と 今後の展望を述べたい. 診療ガイドラインは医療の質を向上させるための特効薬では ない.使い方を誤れば瞬時に両刃の剣に転じる.診療ガイド ラインの法的位置づけ,様々なコミュニケーションの基点と しての新しい可能性など,その意義,役割,そして限界を医 療者と社会一般の人々がどのように共有していくべきか,開 かれたディスカッションを積み重ねていく必要があるだろう. ※本論文に関連し,開示すべき COI 状態にある企業,組織,団体 はいずれも有りません. Abstract

Clinical practice guidelines of the Societas Neurologica Japonica

Takeo Nakayama, M.D., Ph.D.

1)

1)Department of Health Informatics, Kyoto University School of Public Health

(Clin Neurol 2013;53:1342)

 

1)京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野〔〒 606-8501 京都府京都市左京区吉田近衛町〕 (受付日:2013 年 6 月 1 日)

参照

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