Title
Matrix metalloproteinases 2 and 9 in oral squamous cell
carcinomas: manifestation and localization of their activity( 内容
の要旨(Summary) )
Author(s)
加藤, 惠三
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第621号
Issue Date
2005-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14525
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。
氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 加 藤 恵 三(愛知県) 博 士(医学) 甲第 621 号 平成17 年 3 月 25 日 学位規則第4条第1項該当 Matrix
metalloproteinases2and9in ora]squamous ce=carcinomas: manifestation and]ocalization of their activity
(主査)教授 柴 田 敏 之 (副査)教授 森 秀 樹 教授 岡 野 幸 雄 論文内容の要旨 はじめに 悪性腫瘍の浸潤・転移の過程において,癌細胞は周囲の細胞外マトリックスを破壊しながら浸潤する。この過 程で細胞外マトリックスを分解する酵素として,matrix metalloproteinase(MMP)があり,このうちMMP-2, 9は基底膜の破壊に関与し,腫瘍の浸潤・転移に大きく関係していることが知られている。これまで組織中の MMPの検索は免疫組織染色,ZymOgraPhyなどで解析されてきたが,MMP活性を組織内に局在した状態で検 索することば困難であった。また,MMPはproform typeとして分泌され,このうちMMP-2はMTl-MMPによ り活性化(active type MMP-2)され細胞外マトリックスを分解するため,活性化されたMMPの組織内局在を 解析することが腫瘍の進展・転移に重要と考えられている。しかしながら,口腔がんにおいては不明な部分が多 いままとなっている。 そこで,今臥 われわれは免疫染色,ZymOgraPhyとともにMMPの発現および活性を組織内にて簡便に測定 可能なFilmin Situ Zymography(FIZ法)を応用して,1:活性型MMP-2の組織内局在,特に腫瘍細胞のみで
のMMPの発現と問質を含んだMMPの発現の検索,2:MMPの活性化の上昇と臨床的因子との相関の検索を行 い,MMPと病変の進展・転移との関連を検討した。
対象および方法
口腔扁平上皮がんの新鮮症例31例の原発巣組織を用いて本研究を行った。腫瘍を切除後-80℃で凍結,包理 (Tissue-Tek OCT compound:Sakura FinetechnicalCo.,Ltd.,Tokyo)し,HE染色,免疫染色(MMP-2,
MMP-9:Santa Cruz Biotechnology,California,USA;MTl-MMP:DaiichiFine Chemical,Toyama,
Japan)を行った。MMP-2,9の活性の検索にはSDS-PAGE zymographyを行い,MMP活性の組織内局在の検 索にはFIZ(FujiPhoto Film Co.,Ltd,Tokyo,Japan)を使用した。
結果
1:MMP-2とMMP-9の免疫染色では,共に腫瘍細胞に陽性率が高かったが明らかな相関関係は認められなかっ
た。
2:免疫染色におけるMTl-MMPの陽性部位はFIZでのMMPの活性部位とほぼ一致していた。
Tl,2とT3,4の間に有意b<0.01)なactivetypeの上昇を認めた。しかし,MMP-9では有意差を認めなかっ た。 4:3と同様にactive/proformのratioを算出してリンパ節転移症例(N(+)群)と転移のない症例(N(-)群)につ いて検討したところ,N(+)群でactive type MMP-2の有意b<0.05)な発現増強を認めた。 5:FIZによる腫瘍組織中のMMP活性を観察したところ,実質のみで発現している症例と,実質+問質で発現し ている症例に分類できた。N(-)群においては問質でのMMPの発現は47.6%であったが,N(+)群では問質 でのMMPの発現が70%と高発現し,問質でのMMPの発現がリンパ節転移に関与することが示唆された。 考察 本研究において免疫組織染色ではMMP-2,MMP-9に特徴的な傾向は示されなかったが,zymOgraphyにて active/proformのratioを算出したところ,aCtive typeのMMP-2が原発巣の大きさに相関して発現が増強され ていた。また,同様にリンパ節転移症例群と転移のない症例群を比較したところ,aCtive type MMP-2の発現 増強と転移とがよく相関していた。これらの結果よりヒトの口腔がん組織では,aCtive type MMP-2が臨床病 態を知る上で重要であると考えられるとともに,aCtive type MMP-2の制御が口腔がんの増殖・転移抑制にお いて重要と考えられた。さらにMMP-2活性化の機序を探るためにactive type MMP-2の発現部位をMTl-MMP存在部位と対比したところ,その部位はほぼ一致しており,口腔がん組織でもMTl-MMPによりMMP-2 が活性化されている可能性が示唆された。一方,FIZ法により腫瘍組織中のMMP活性を観察したところ,実質 のみで活性を示すものと実質+問質で活性を示すものに分類することが可能であり,実質のみで活性を示す群に 比べ,実質+問質の両者で活性を示す群は,リンパ節転移を高い割合で生じていた。このことは,MMP活性を 検討する場合,腫瘍実質のみならず,問質におけるMMP活性も観察する必要のあることを示唆した。また,一今 後この現象を明らかにするために腫瘍問質(緑維芽細胞等)と口腔がん細胞との関連をさらに検討する必要があ ると考えられた。 論文審査の結果の要旨 申請者 加藤恵三は,免疫組織染色法,FIZ法およびzymography法を応用しヒトロ腔がん組織中のMMPに ついて検討した。その結果,口腔がんにおいてactive type MMP-2の存在様式が臨床病態とよく相関し重要で あること,その活性化にMTl-MMPが関与している可能性を示し,口腔がん悪性化進展の抑制においてMMP-2 の制御が重要な因子のひとっとなることを明らかにした。また,腫瘍問質におけるMMPの活性と転移との相関 性を明らかにし,腫瘍実質のみならず,問質におけるMMPの発現様式を検討する必要性を示した。これらの知 見は口腔がんの制御および治療の研究に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌]
Matrix metalloproteinases2and9in oralsquamous cellcarcinomas:manifestation andlocalization Of their activlty
Journalof Cancer Research and Clinicaloncology131,340-346(2005).