Title
Chemopreventive effects of organosulfur compounds or others on
2amino1methyl6phenylimidazo [4, 5b] pyridine (PhIP)
-induced mammary carcinogenesis 1) Lack of inhibitory effect of
benzyl isothiocyanate on 2-amino-1-methyl-6-phenylimidazo [4,
5-b] pyridin (PhIP) -induced mammary carcinogenesis in rats 2)
Inhibitory Effects of Diallyl Disulfide or Aspirin on
2-Amino-1-methyl-6-phenylimidazo [4, 5-b] pyridine-induced Mammary
Carcinogenesis in Rats( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
酒々井, 夏子
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第359号
Issue Date
1998-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14742
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氏名 (本籍) 学位の種頬 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 酒々井 夏 子(岐阜県)
博
士(医学)
甲第 359号
平成10 年 3 月 25 日学位規則第4粂第1項該当
Chemopreventiveeffects oforganosu(fur compounds or others
on2-amino-1-m8thyl-6-Phenylimid8ZO[4,5-b]pyrjdine(PhJP)-induced
m8mm8ry C8rCinogonosis
l)Lack ofinhibitory effect of benzy)isothiocyanate
on2-amino-1-methyト6-PhenyIimidazo[4,5-b]pyridihe(PhlP)-induced
mammary carcinogenesisin r8tS
2)lnhibitory Effects of DiallylDisulfideorAspirin
on2-Amino-1-methyト6-PhenyIimidazo[4,5-b]pyridine-induced Mammary Carcinogenesisin Rats (主査)教授 森 秀 樹 (副査)教授 高 見 剛 教授 森 脇 久 隆 論文内容の要旨 環境因子のうち,食生活習慣がヒトの癌発生に最も関与していると考えられている。加熱調理された食肉中で 様々なbeterocyclicaminesが同定され,それらが軋大腸.乳腺などの臓器に発癌性を持つことが知られてい る。2-Amino-1-methyl-6-phenylimidazo[4,5-b]pyridine(PhIP)は強い変異原性を示すheterocyclic amine であり,ラットの大腸および乳腺に発癌性を持つ。疫学的にも加熱した食肉の摂取により乳癌の危険が増加する ことが指摘されており,PbIPがヒト乳癌発生に強く関与していると考えられている。一方,癌の化学予防とい う概念が提唱されているが,PbIP誘発乳癌に対する化学予防物質は,まだあまり知られていない。 PbIPによる雌ラット乳癌誘発には長期間の投与が必要であった。今回,基礎食を高脂肪食としPhIPを胃内強 制投与することにより,短期間での癌発生を試みた。また,この実験モデルを用いて,含硫化合物 (organosulfurcompounds)であるbenzylisothiocyanate(BITC),dial1yldisulfide(DAD)や非ステロイド 性抗炎症剤のaspirin,Ornithinedecarboxylase阻害剤のDレa-difluoromethylornithine(DFMO)を発癌のini tiation期に投与し,PhIP誘発乳癌に対する抑制効果の有無を検討した。 研究材料と方法 実験1)6適齢の雌SDラット125匹を4群に分けて以下の処置を行った。第1群(31匹),第2群(32匹)はcorn oilに溶解したPhIP(100mg/kg体重)を7週齢から16日間にわたり8回の胃内強制投与を行った。第3,4群(各3
1匹)はcorn oilのみを胃内強制投与した。実験中の食餌は23.5%のcdrn oilを含む高脂肪食を与え,第2.3群で はBITC400ppmを6過齢からPhIP投与1過後まで混餌投与した。過に1度乳腺の触診を行い,実験開始後31過で 動物を屠殺剖検し,乳腺を含む主要臓器について病理組織学的に検索を行った。 実験2)6遇齢の雌SDラット166匹を8群に分けて以下の処置を行った。第1∼4群(第1,2群31匹,第3,4群32 匹)はcornoilに溶解したPhIP(85mg/kg体重)を7適齢から10日間にわたり8回の胃内強制投与を行い.第5∼ 8群(各10匹)はcorn oilのみを胃内強制投与した。食餌は高脂肪食とし,第2,5群にはDAD200ppm.第3.6 群はaspirin400ppm,第4,7群はDFMO400ppmを実験開始より4週間混餌投与した。週に一度の触診をおこな い,実験開始後25過で動物を屠殺剖検.病理組織学的に検索を行った。
ー29-結果と考察 実験1) a)相対的肝重量がPhIP単独投与群とBITC単独投与群で無処置対照群に比べ有意に増加していた。しかし, 屠殺時の剖検では明らかな毒性所見はみられなかった。 b)実験終了後,乳腺腫瘍をPhIP投与群(第1.2群)とBITC単独投与群(第3群)で認め,組織学的には腺病 であった。なお,第3群で一匹に認められた乳腺腫瘍は自然発生腫瘍と考えられた。腺癌の発生率は第1群 (PhIP単独投与)で74.2%.第2群(PbIP+BITC投与)で62.5%,第3群(BITC単独投与)で3.2%であり,ラッ ト1匹あたりの腺癌の発生個数(multiplicity)は第1群で1.71±1.70,第2群で1.91±2.94.第3群で0.03±0.18で あった。第1群の発生率は第2群より軽度減少していたが,有意な差はみられなかった。発生個数も第1群と第2群 の間で,有意な差は認めなかった。 c)乳腺の触診の結果においても.第1群と第2群の間で腫瘍の発生率・潜伏期間に差はみられなかった。 以上より.高脂肪食とPbIP胃内強制投与により,乳癌の高頻度発生がみられ,従来より短期での実験モデル が確立できた。BITC投与はPhIP誘発乳癌に対して,はっきりした抑制効果がなかった。 実験2) a)無処置対照群に比べてDFMO同時投与以外のPhIP投与群で体重減少を,またDAD単独投与群で肝重量の 増加が有意にみられた。しかし.これらすべての群でt 屠殺時の剖検では明らかな毒性所見はみられなかった。 b)実験開始後9過日より第1群(PhIP単独投与)と第4群(PhIP+DFMO投与)で乳腺腫瘍が触診され,第2 群(PhIP+DAD投与)および第3群(PhIP+aspirin投与)ではそれぞれ1ないし2週間,腫瘍の発現が遅れた。 c)乳腺腫瘍は第1∼4群のみで認め,発生率はそれぞれ,67.7,51.6,50.0,62.5%であった。第1群に比べ第2 群と第3群で発生率は低下していたが,有意な差はみられなかった。 d)腫瘍の発生個数は,第1∼4群でそれぞれ2.45±2.61.0.90±1.12,1.37±1.94,1.47±1.70で,第1群に比べ 披検物質投与群にて減少し,DAD投与群,aSPirin投与群では有意に少なかった(P<0.005.P<0.05)。組織型 をみると,線維腺腫,非浸潤乳管癌,浸潤乳管痛がみられた。PhIP単独投与群で浸潤乳管癌の発生個数が2.16 ±2.27であったのに対し,DAD投与群で0.84±0.99と有意に少なかった(P<0.005)。また,PhIP単独投与群で 癌の発生個数が2.32±2.47であったのに対し,DAD投与群で0.90±1.12と有意に少なかった(P<0.01)。 以上 DADおよびaspirinはinitiation期投与によりPhIP誘発乳癌を抑制した。このことよりDAD.aspirinの ヒト乳癌に対する予防の可能性が示唆された。
論文審査の結果の要旨
申請者 酒々井夏子は.高脂肪食・PhIPの胃内強制投与による誘発ラット乳癌の実験モデルを確立し.DAD, aspirinが乳癌に対する化学予防物質として有効である可能性を示した。本研究の成果は,腫瘍病理学の進歩に 少なからず寄与するものと認められる。 [主論文公表誌]Chemopreventive effects of organOSulfur compounds or others on2-amino-1-methyl-6-phenylimidazo[4,
5-b]pyridine(PhIP)-inducedmammary carcinogenesis
l)Lack ofinhibitory effect of benzylisothiocyanate on2-amino-1-methyl-6-phenylimidazo[4,5-b]pyridine(PhIP)-induced mammary carcinogenesisin rats
平成8年8月発行 TheJournalofToxicologicalSciences 21(3):189∼194
2)Inhibitory Effects of DiallylDisulfide or Aspirin
on2-Amino-l-methyl-6-phenylimidazo[4,5-b]pyridine-induced Mammary Carcinogenesisin Rats
平成9年8月発行Jpn.J.Cancer Res.88(8):705∼711