70 診断で,左房血栓除去の手術後である.昭和58年 1月 より作業療法〔以下, OT)を行なった, OT初期評価 は,身体機能面では,麻癖等も軽く自発的な動作はス ムースに行なえた.精神面では,自発性が低く,注意 集中力に欠け,動作の手IJ原等のぎこちなさ,姿勢保持 の際筋緊張の克進など,作業を遂行する上での問題点 が掲げられた. 本症例は, OT継 続 期 間 に も 何 度 か 軽 いattackが あったと考えられ, OT中止後より精神的機能が低下 した.身体機能の回復・改善を目標とし,自主性・自 発性を高めることをOTの目標とした.昭和58年 8月 以後は,より一層に精神機能を重視し,指示的または, 支持的な指導を行なった.その結果,既製的に手順を 追いながら行なえる作業は,注意散慢であっても動作 を続けることは可能であるが,想像性を要素とするも のは,動作が不可能で指示,支持しても言葉による返 答をするのみであった. 今回昭和59年4月16日より約3週間計9回に亘って SIを行なった.椅子から自発的に立ち上がれず,体を ゆする,前屈させる.体幹を回旋させる等の重心移動 を行なうと,必要以上に恐怖感を訴えた.これは,重 力不安があるものと考え,動作面と同様にSIの対象と 考えた.訓練として,マット運動・ハンモック等を用 いて行なった. 結果は,歩容・姿勢の改善が自他共に認められた. CT に大脳・小脳の萎縮,前頭葉の梗塞等が認めら れ,運動の発動性・制禦調整の困難さが予測される者 に, SIは有効であると考えられる.今後, SIと自発性 との関連も併せて考察したい. 質問 ( 薬 理 〕 野 本 照 子 1)SI療法の適応できるのは,どのような疾患が最 も適するか. 2) 治療例患者は本療法中薬物療法を続けていたか. 応答 (中央リハビリ〉高橋邦延 1)発達というレベルから人聞をとらえる持Ayves のいう学習障害児だけにとどまらず行えると思う. Ayvesはまた適応行動という場について問題として いるため,このような行動に対しても有効と思われる. 2) カルテにおいては特に記載されていなかった.
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尋常性痩藩より分離したブドウ球菌に関する研 究 (皮膚科〉西村 素 研究対象は昭和57年 5月より昭和58年2月までの聞 の本学学生16名および外来患者39名の計55名で,いず れも種々の程度の尋常性座療の認められた者で、ある. このうち細菌学的検索においてブドウ球菌の得られ たのは47名では76株の検体を分離した.次にアピスタ ブシステムにて菌の同定を行ない, Staphylococcus (St.)aureus 6株, St. epidermidis45株, St. sapro phyticus 1株, St. cohnii 1株, St. hemolyticus type 11 1株, St. hominis type 1 2株, St c.apitis 5株で, 同定不能は15株であった. これら分離菌の抗原性については,患者血清と分離 菌抗原とのゲル内沈降反応を行なったが, Ouchter -loney法で患者血清と St.aureus標準株との沈降帯は 47例中40例 (85%) に認められ,そのうに l本は同一 反応系と考えられ, St. aureusの保有するproteinA 抗原と考えた.また, St. aureusが分離された患者群 5名の血清中 4名では患者株,標準株の各ブドウ球菌 抗原と反応を示さなかった.しかし, St. aureus以外 のブドウ球菌の分離された患者群および正常健康人の Control群では患者株,標準株の各ブドウ球菌抗原と 反応を示した 寒 天 内 拡 散 法 に よ り 患 者 株St. aureusは す べ て protein A保有株であることがわかった. また検出菌と臨床症状の関係においても若干の考察 を加えた.女性ではSt.epidermidisが多く,膿癌から はSt.aureus, St. capitisが高率に検出され, St. aur -eusは10歳代に多く見られ,また重症化に平行して,St. epidermidisの検出率が減少する傾向がみられた. 質問 ( 薬 理 〉 野 本 照 子 ~癒からの分離層に性差があるようにみえました が,その原因について考えられることがあればお示し 下さい. 応答 (皮膚科〉西村 素 男性の症例数が少ないためはっきりしたことは言え ない.もうすこし症例を集めた場合差異はなくなるか もしれない.特にCapatisが男性に多いという原因は はっきりしない. 7.興味ある例外状態を呈した側頭葉てんかんのl 例 (神経精神科)0
加 茂 登 志 子 ・ 平 沢 伸 一 ・ 堀 川 直 史 ・ 柴 田 収 ー 症例はN.すくね.昭和30年4月25日生まれの28歳 の男性.家族歴 4人同胞末子の3男,両親健在 1 女の父.精神科的遺伝負因なし.既往歴 骨盤位,未 熟児で仮死状態で出生.生活史:新宿で生育.母方の 祖母が神道の熱心な信者で,患者の名前も祖母が武内 -1248ー宿禰にあやかつての命名.家族ぐるみの信仰だが,祖 母の死後は遠去かる傾向.農芸高校を一番で卒業後, 都庁へ就職.