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エコドライブ 1) による温暖化対策の推進

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Academic year: 2021

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エコドライブ 1) による温暖化対策の推進

-産学官連携モデル事業への取組み-

調査研究科 小谷野 眞司

1 はじめに

都内の二酸化炭素の排出量の約2割が自動車から排出されており、その削減対策の一つ としてエコドライブは有効な手法と考えられている。エコドライブは、大規模事業者を中 心に取り組みが活発化してきているものの、小規模事業者や個人ドライバーの取り組みは、

未だ十分とはいえない。

本研究は、個々のドライバーを対象にカーナビゲーション(以下「カーナビ」という。)

を活用したエコドライブの支援・評価ツールの開発を行うもので、環境省による「産学官 連携による環境技術開発基盤整備モデル事業」に参画した取り組みである。

このモデル事業の紹介とともに、今回取り組んでいる「エコドライブ支援・評価システ ム」の開発状況について報告する。

2 モデル事業について

環境省は、平成 18 年 3 月の中央環境審議会答申「環境研究・環境技術開発の推進戦略に ついて」等を受け、地方環境研究所が中核となり、地域社会と連携した環境研究・技術開 発等の推進、地方環境研究所の体制及び機能の強化などを図り、地域の住民及び環境政策 上のニーズを背景とした産学官連携を推進することとした。そして、全国的な産学官連携 を促進させるため、先ずは、過去に産学官連携の実績がある地方環境研究所を対象とした モデル事業を開始した。

このモデル事業は、平成 19 年度からの 4 カ年の事業であり、今年度は当研究所を含めて 4地域からの提案研究が選定されている。このモデル事業では、その目的に照らし、研究 の推進を通じた産学官の連携の手法等を広めることも求められており、モデル事業の中で 得られた産学官連携のノウハウや留意点・課題等を抽出・整理し、産官学連携マニュアル をとりまとめるとともに、シンポジウム等を開催しモデル事業の成果等を広く紹介するこ ととしている。

3 本研究の体制

当研究所では、これまでに計測・蓄積した 数多くの車両データ等に基づき、エコドライ ブを客観的、定量的に評価する手法を研究し てきた。今回、この評価手法をベースに個々 のドライバーのエコドライブの取り組みを支 援するツールとして「エコドライブ支援・評 価システム」の開発を行うものである。本シ ステムは、なるべく多くのドライバーに利用

川崎市公害研究所 中央大学

(交通計画研究室)

支援方法等に 関する知見

東京都環境局 普及・促進の ための施策

パイ オニアナビコム

(カーナビメーカー)

システム開発 等のノウハウ

東京都環境科学研究所

(全体取りまとめ、評価手法等の開発)

実走行による 検証

図1 研究・開発の体制

(2)

してもらえるように、近年急速に普及してきたカーナビにその機能を組み入れ、広く普及を図 ることを目指している。

このため本研究では、図1に示すように、カーナビのシステム開発等のノウハウを有するカ ーナビメーカーを含め、それぞれの分野における技術、ノウハウ等を有する産学官の連携体制 により開発を進めている。また、本システムの検証等については、行政としてエコドライブの 推進に積極的に取り組んでいる川崎市(川崎市公害研究所)とも共同して実施することとした。

4 開発状況

(1) システム開発のコンセプト

本システムの開発に当たっては、「ドライバーのモチベーションを高め、楽しみながらエコ ドライブを継続的に実践できるシステム」を目指している。具体的には、以下のコンセプト等 を掲げ、開発に取り組んでいる。

ア 運転の点数化:エコドライブの実践効果が容易・客観的に把握できる。

イ 他者等との比較:車両や走行ルート等が異なっても共通の尺度で評価できる。

ウ アドバイス機能:運転の改善点等の具体的なアドバイスを行う。

エ 簡易なシステム:カーナビに既に取り込まれている情報(車速データ等)のみで評価する。

(2) システムの主な特徴

本システムの主な特徴は、以下の通りである。

ア 運転の点数化

これまでの研究結果から、走行時の速度データをトリップセグメント2)毎に「アイドリン グ」、「加速」、「定速」、「減速」の4つの走行状態に分類し、これらの走行状態毎に燃料消費 量を推計することにより、実際の燃料消費量を精度良く推計出来ることが分かっている。本 システムでは、この推計手法をベースに、カーナビに取り込まれている車速データから計算 した推計燃費を指標として、運転の点数化

(エコドライブ評価指数。以下、評価指数 という。)を図っている(図2は、都内走 行における評価指数と実測燃費の関係の 一例)。

また、カーナビには走行している道路種 別(高速道路/一般道路)や標高などの情 報もあることから、これらの情報を活用し て、走行道路の違いや道路勾配(坂道)な どの影響を考慮し、評価指数を補正するこ とも考えている。

イ 評価の標準化

車の実測燃費は、車両の大きさや性能、また、渋滞路や郊外、高速道など走行するルート 等によっても異なってくる。今回のシステムにおいては、このような車両や走行ルートの違 い等の影響を出来る限り排除(車両や走行ルートの標準化)し、共通の尺度にて評価するこ とを考えている。これにより、自分の運転が他のドライバーと比べてどうなのか(エコドラ イブ度)等を簡便に把握出来るなど、エコドライブへの関心、モチベーションの向上等に繋 がるものと考えている。

ウ 改善点等のアドバイス

今回のシステムでは、評価指数を算出する過程において、前述したように4つの走行状態

評価指数 実測燃費(km/l

走行試験No.

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0

評価指数

実測燃費

図2 評価指数と実測燃費

相関係数

0.96

試験車両:ディーゼル車 最大積載量2t 走行場所:都内幹線道路

(3)

に分けて計算を行っている。こ のため、評価指数が高かった場 合、または、低かった場合、ど のような走行が影響しているの か(例えば、急加速が多いため など。)、を容易に判断すること が可能である。これらの情報等 に基づき、運転の改善点など、

ドライバーに対する具体的なアドバイスを表示する機能を設ける予定である。(図3)

(3) 試作システムの作成

システムの開発に当たっては、

プログラムの修正、改良等を容易 にするため、先ずはパソコンベー スにて試作システムを作成して いる。この際、車速データ等の情 報については、パソコンとのイン ターフェイス機能がある業務用 カーナビを用いて、シリアル通信

(RS-232C)によってカーナビか らパソコンへ取り込んでいる。

(図4)

5 今後の予定

当研究所内のシャシダイナモメータ上での走行試験により、今回試作したシステムの基本的 な動作検証・改良等を行った後、次年度からは、試作システムを実車に搭載して、複数のドラ イバーによる実走行試験を行う予定である。これらの検証、改良を重ね、実用性、実効性のあ る「エコドライブ支援・評価システム」を完成させ、カーナビ実機へのシステムの組み込みに 繋げていきたいと考えている。

6 まとめ

急速に普及してきたカーナビを活用して、実効性の高い「エコドライブの評価・支援システ ム」の開発を行うことによって、エコドライブのより一層の普及・促進を目指している。

また、行政などによるエコドライブの推進策としては、これまでパンフレット等による広 報・啓発活動が中心であったが、本システムの実用化によって、これを活用した講習会の開催、

エコドライブコンテストの実施、エコドライブ認証制度の創設など、支援・推進策の選択肢が 大きく広がるものと期待している。

用 語 説 明 1) エコドライブ

二酸化炭素等を減らすため、環境に配慮して自動車を運転すること。急加速をせず一定速度 の運転に心掛ける等。

2) トリップセグメント

一つのアイドリング区間と一つの走行区間を合せた区間をいう。(車両が停車してアイドリ ングになった状態から車両が発進して次に信号等で一旦停止するまでの間)

エコドライブ 支援・評価システム

運転操作

・今日の運転は、○○点でした。

・前回と比べて○点UPしました。

・エコドライブ度Bランク(上位30%)となりました。

・発進時の加速が大きいです。

・これによって、評価が約○点悪化しました。

よし、もう少しで、目 標(Aランク)達成だ。

図3 ドライバーへの支援等のイメージ

走行速度 走行速度

(道路種別)

(標高情報)

改 善 ループ

インター フェース 支援機能

アイドリング 加 速 定速 減 速 4つの要素 運転特徴の抽出 評価機能

アクセル ブレーキ シフト

ECU

(エンジン・コントロール・ユニット)

運転操作

試作システム

(※最終的には、カーナビ内に組み込む)

エコドライブ の評価支援

図4 エコドライブの評価・支援 試作システム

4つの要素別 に支援・指導 共通の尺度

での評価

画面表示 パソコン パソコン

参照

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