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東京23区における自転車移動の利便性の評価

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Academic year: 2021

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(1)

中央大学大学院理工学研究科情報工学専攻 修士論文

東京

23

区における自転車移動の利便性の評価 

Experimental study to evaluate bicycle trip as a commuting measure in Tokyo Area

入学年度

2002

学籍番号   

02N8100029F

井  澄

Sumito SHIRAI

指導教員  田口 教授

2004

年 3

(2)

概要

  近年,自転車は環境に対する負荷が低く,健康的であることから,利用者が増加傾向にあ る.しかし交通手段としての位置付けは曖昧なものであり,走行帯ですら,法律による明確 な規定はない.また,自転車に関する研究は駅前放置自転車やレンタサイクルを扱ったもの がある一方で,自転車移動そのものを定量的に扱ったものは少ない.そこで,本研究では,

都市部での自転車移動の所要時間に注目し,定量的な解析を行った.

  まず,東京区部での自転車移動の所要時間を求めた.走行実測より自転車の速度を勾配の 関数として定義した.そして東京区部を対象にMAPPLE10000 から道路データを,数値 地図50mメッシュ(標高)より標高値を抽出し,近傍9点の値を用いて標高値を2次多項式 近似し,その標高値を用いて勾配を計算し,勾配属性を持つ道路ネットワークの作成をした.

定義した自転車の速度関数と作成した道路ネットワークを用いて,自転車の移動時間を計算 した.得られた自転車の移動時間と第4 回東京都市圏パーソントリップ調査抽出した異なる 地域間の自転車の移動時間と比較を行った.

  次に東京23区での地域ごとの自転車移動の特徴を見るために,計算で求めた所要時間より 自転車移動による時間地図を作成した.

  最後に自転車移動と鉄道通勤の所要時間とを比較することにより,自転車移動の有用性を 検証した.また,自転車通勤から鉄道通勤への転換の可能性を探った.平成12年大都市交通 センサスから居住地域と勤務・就学地域と鉄道通勤・通学の所要時間を抽出した.そして居 住地域の重心点と勤務・就学地域の重心点間の自転車移動の時間を計算した.東京区部の通 勤・通学者の1539歳で,自転車の通勤時間が男性は45分以内,女性は30分以内であり,

かつ自転車通勤に転換した場合に 10 分以上短縮する人を自転車通勤への転換の可能性が高 いものとした.自転車通勤から鉄道通勤への転換の可能性が高い者の人数を求め,その人達 が利用していた路線を[7]を用いて計算した.

(3)

目次

1序論... 1

1.1  研究の背景...1

1.2  研究の目的...2

2 東京23区内での自転車の移動の可能性... 3

2.1  都市内での交通手段としての自転車...3

2.1.1  都市内での交通手段としての自転車...3

2.1.2  自転車道の特徴...4

2.2  勾配と自転車の速度の関係...6

2.2.1  自転車速度の実測...6

2.2.2  自転車速度関数の作成...6

2.3  標高値の補間...9

2.3.1  対象地域...9

2.3.2  座標系とメッシュシステム...9

2.3.3  数値地図50mメッシュ(標高)...10

2.3.4  標高値の補間...10

2.3.5  標高値の2次多項式近似... 11

2.3.6  東京の標高図...12

2.4  標高属性を持つ道路ネットワークの作成...14

2.4.1  MAPPLE10000 ...14

2.4.2  道路ネットワークの構築...14

2.4.3  自転車の所要時間の計算...16

2.5  自転車の所要時間の計算結果の検証...20

2.5.1  東京都市圏パーソントリップ調査...20

2.5.2  異なるゾーン間トリップの所要時間の比較...23

2.5.3  ゾーン内トリップの所要時間の比較...30

3 自転車移動による時間地図... 32

3.1  時間地図構成法...32

3.1.1  多次元尺度構成法...32

3.1.2  toblerの方法...33

3.2  自転車移動による時間地図...35

3.2.1  東京区部の代表点の所要時間...35

3.2.2  Toblerの方法を用いた時間時間地図...36

4鉄道通勤から自転車通勤への転換... 40

4.1  自転車通勤の現状...40

4.2  鉄道通勤の現状...44

4.2.1  大都市交通センサス...44

4.2.2  鉄道通勤の現状...45

4.3  鉄道通勤から自転車通勤への転換...48

5 結論... 52

5.1  まとめ...52

5.2  今後の展望...53

(4)

謝辞    54

参考文献 55

(5)

1

章 序論

1.1

研究の背景

  近年,日本では自転車が静かなブームとなっている.自転車といってもその種類や用途 は幅広く,買い物や駅までの交通手段として使われるママチャリと呼ばれる自転車から,

野道や砂利道でも走行可能なレジャーに用いられるマウンテンバイクやタイヤが細く 40[km/h]以上のスピードが出るロードバイクまで様々なものがある.その中でも自宅から 勤務先までの通勤にdoor to doorで自転車を用いる人が増加しているという.

  自転車通勤は健康的であり,環境に対する負荷が低いといったメリットがある.そして 何よりも朝の通勤ラッシュ時の満員電車から逃れられることは大きい.

  日本では都市部で自転車通勤を行う人はまだまだ少ないが,海外に目を向けると自転車 通勤を行う人は多い.自転車先進国としてオランダやドイツが有名である.オランダは標 高が低く,地球温暖化による海面上昇が起きた場合の被害が大きい.そのためオランダは 環境問題に他の国より深く関わってきた.地球温暖化の主な原因は二酸化炭素であり,自 動車による二酸化炭素の排出量は大きい.オランダは都市内の移動手段として自動車から 自転車への転換を積極的に行い,いまでは世界一の自転車大国となっている.オランダの 都市と日本では都市の規模,地形,道路の整備状況など違いは多いが日本の都市での自転 車利用の可能性を探ることは有意義である.

  筆者は自宅から大学まで電車を乗り継いで約30分の時間をかけて通っていた.あるとき サイクリングが趣味であったこともあり,興味半分に自転車で自宅から学校まで通ってみ た.道を迷いながら約45 分で到着した.その日以来,週に2,3回くらい自宅から学校ま での経路を地図で調べて変えながら通学をしていると,最後に約30分で到着する経路を発 見した.もちろん体力がついたことも時間の短縮の一因になっている.

様々な経路を走行するうちに,歩行者が多い駅前や路上駐車の多い通りや坂道を避ける ようになった.それと同時に自転車の走行環境の悪さをつくづく実感した.交通手段とし ての自転車の位置付けは曖昧なものであり,走行帯ですら,法律による明確な規定はない.

(6)

1.2

研究の目的

自転車に関する研究は駅前放置自転車やレンタサイクルなどがあり,その多くは鉄道や バスとの連携を考えており,自転車を端末交通手段としてとらえている.その一方で,自 転車の種類,乗る人や走行場所によって,疲労や速度が大きく異なるため,都市での自転 車移動そのものを定量的に扱ったものは少ない.

本研究では,自転車移動の所要時間に注目し,距離と勾配の関数として所要時間を求め る.得られた所要時間より東京区部の自転車による移動時間地図を作成する.そして計算 で求めた自転車の移動時間と鉄道の移動時間を比較することにより,鉄道通勤と自転車通 勤の代替の可能性を探る.また鉄道通勤から自転車通勤への転換の可能性がある人が,自 転車通勤へ転換した場合に,どれだけ鉄道通勤の混雑が緩和されるか予測する.

(7)

2

東京区部内での自転車移動の可能性

  本章では東京区部を対象として,標高属性を持つ道路ネットワークを作成する.また,

自転車移動における所要時間を勾配と距離の関数で表し,作成したネットワーク上での 自転車移動の所要時間を求める.

2.1

都市内での交通手段としての自転車

2.1.1

都市内での交通手段としての自転車

  人がある出発地からある目的地に移動する際に,所要時間,料金,費用や快適さなど の効用を比較し,最も効用の高い交通手段と経路を選択する.その中で最も考慮される 効用は所要時間であることが多い.本研究でも所要時間に焦点を当てて交通手段として の自転車の利便性を評価する.代表的な交通手段の都市内における移動距離と所要時間 のグラフを図2.1に示す.

0 10 20 30 40 50 60

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 所要時間[分]

歩行:4.8[km/h]

自転車:入出庫4分+15.0[km/h]

自動車:入出庫7分+17.5[km/h]

鉄道:徒歩12分+駅内移動3

+待ち時間2分+32.0[km/h]

移動距離[km]

2.1 都市内の交通手段としての自転車の特徴([1]より抜粋)

(8)

以下に,交通手段別の所要時間を詳しく見ていく.

4.8km/hは人の平均的な歩行速度である.

自転車の旅行速度は15km/hとし,移動時間とは別に自転車の入出庫の時間4分を想 定している.

自動車の旅行速度は17.5km/hとし,移動時間とは別に入出庫の時間7分を想定して いる.平成9年度道路交通センサスの一般交通量調査によれば全国と東京区部での平日 の混雑ピーク時の自動車の旅行速度は表2.1のとおりである.

2.1 東京区部と全国での道路種別ごとの自動車の速度(平日混雑時)

速度[km/h] 

道路種別

  東京区部  全国平均 

国道  16.7 36.7

主要道  17.7 33.7

一般道  17.5 34.5

  速度調査は実走行により,朝または夕方のラッシュ時間帯に行われている.混雑時の東 京区部での自動車の旅行速度は全国平均の約半分の旅行速度となっている.また,都市内 ではラッシュ時間帯外にも慢性的な旅行速度の低下が起こっている.

鉄道の旅行速度は32.0km/hとし,駅内移動に3分,待ち時間に2分,出発地から駅まで と駅から目的地までの歩行時間12分を想定している.32km/hという旅行速度は放射方向 に伸びる鉄道の優等列車のラッシュ時の速度と比較すると遅く,地下鉄の旅行速度と同等 である.また出発地から駅までと駅から目的地までの距離が長い場合にはさらに所要時間 が多くなる.

2.1より都市内では自転車による移動は歩行,自動車,鉄道による移動よりも 1km〜

5kmの移動距離の間で所要時間が少なく,都市内交通としては最も効率的である.

  図2.1では自転車の速度は15km/hと一定になっているが,乗る人や自転車の性能によっ て変化する.また,走行時間,道路の勾配,自動車と歩行者の交通量から自転車の速度は 影響を受ける.本研究では自転車に乗る人を健康な若年男性とし,自転車の種類を十分に 速度が出て,きつい勾配にも対応ができる変速器付きの自転車とする.

2.1.2

自転車道の特徴

  道路の路面状況や勾配は自転車の走行速度に影響を与えるが,自転車が走行する道路 としてどのような道路が適しているか“自転車道路等の設計基準解説[2]”を参考にし て考える.“自転車道路等の設計基準解説”では自転車専用道路の設計基準とその根拠 が述べられている.

(9)

自転車道は通勤,通学,買い物等の日常生活に利用される道路の一部として設置され A 種の自転車道とレクリエーションに利用される自転車交通を対象として,専用道 路として設置されることが多いB種の自転車道に分類される.A種とB種の自転車道 の設計速度は表2.2の左の欄の値とし,地形の状況,その他の条件によりやむを得ない 場合には,右の欄の値まで縮小できる.

2.2 設計速度

設計速度[km]

標準 縮小値

A種の自転車道 15 10

B種の自転車道 30 10

  A種の自転車道での走行速度は,通常の走行で1020km/hである.A種の自転車道 の場合は主に市街地内の道路に設置され,沿道からの出入りも多く,その速度は制限さ れてくる.そこで自転車のごく普通の速度である15km/hとなっている.

  自転車道等の設計にあたって,実際に最も問題となるのは縦断勾配(勾配)である.

道路の始点i,終点 の標高値をそれぞれ とし,水平道路延長を とすると勾配

j ei,ej dij gij

ij i j

ij e e d

g =( − ) (2.1)

となる.

ej

高さ 終点j

始点i

ei

dij

2.2 道路の縦断勾配

  勾配が5%を越える坂の斜面は急である.中央大学後楽園キャンパスの前を通る春日 通りの富坂下は急な坂であるが,その勾配は8.9%である.

変速装置付自転車を対象とした場合には,上り勾配についてはある程度急な勾配でも

(10)

よいと思われるが,下り勾配については,急勾配の場合は加速により走行速度が高くな り,危険な状態になる場合もあるので問題がある.

“自転車道路等の設計基準解説”では道路の勾配ごとの制限長は,オランダやドイツ の資料を参考にして,表2.3のように規定されている.

2.3 縦断勾配と制限長

縦断勾配[%] 制限長[m]

5 100 4 200 3 500

  表2.3に掲げる勾配が連続するときは,制限長に達するごとに3%未満の勾配区間を 100m以上設けなければならない.なお立体交差部,橋および高架部の取り付け部等の 自転車道についても,原則としては一般部と同じとするが,地形の状況その他やむを得 ない場合には,12%以下の斜路または25%以下の斜路付き階段とすることができる.

本研究では自転車の速度に影響を与えるものとして,道路の勾配だけを考慮し,歩行 者や自動車の交通量,路面の舗装状況などは考慮しないものとする.

2.2

勾配と自転車の速度の関係

2.2.1

自転車速度の実測

  道路の勾配と自転車の速度の関係を求めるために文京区で走行速度の実測を行った.

計測日時は2003919日の15時過ぎから18時までの約3時間である.自転車の 走行者は23歳,男性であり,普段家から学校までの約1kmの距離を自転車通学してい る.自転車はスパイクタイヤをスリックタイヤに替えた21段変速のマウンテンバイク である.

  坂の勾配が異なる6ヶ所の道路を選択し,自動車の交通量が多い道路では歩道を走行 し,自動車の交通量が少ない道路では車道を走行した.走行した歩道には数人の歩行者 が存在していた.歩行者に衝突しないように安全に走行した.また計測地点より5m 前から走行をした.計測回数は1つの計測地点で基本的に上下3回である.

2.2.2

自転車速度関数の作成

  実験結果を,横軸に勾配g[%],縦軸に自転車の速度v[km/h]をとり,図2.3に示す.

(11)

また自転車の速度を勾配を変数として,1次関数と2次関数に近似した.

  実験結果より,道路の勾配がきつくなると上りの場合は自転車の速度が落ちていく様 子がわかる.また,下りの場合でも5%あたりまでは速度が上昇するが,10%近くにな ると速度が落ちていく.勾配に関しては後述する数値地図50m メッシュ(標高)を用 いたため多少の誤差がある.

0 5 10 15 20 25 30

-15 -10 -5 0 5 10 15

速度[km/h]

2次近似 1次近似

勾配[%]

2.3 道路の勾配と自転車の速度の関係

  この実測結果から自転車の速度を勾配g を変数として自転車の速度v2次関数に近 似すると,

579 20 432 0 0825

0. 2− . + .

= g g

v (R2 =0.646) (2.2)

となる.

また,勾配を変数として自転車の速度v′1次関数に近似すると,

364 17 432

0. + .

′= g

v (R2 =0.322) (2.3)

となる.

  1 次関数に近似した場合よりも 2 次関数に近似した場合の方がR2値が高く,あては まりの度合いがよい.

  走行実験では信号待ちなどの時間を加味していないので,実際の平均移動速度よりも 速い.そこで,式(2.2)では自転車の最高速度が20.58km/h であったが,自転車の最高 速度が15km/hになるように,式(2.2)0.73をかけた.また勾配が10%を越える道路 は走行しないものとし,勾配が下りの場合は自転車の速度を最高速度である15km/h した.以上のようにして求めた式は次のようになる.

( )

) , (

) (

) (

. .

.

10 10

10 0

0 10

0 15 32 0 0

06 0

15

2

<

<

<

⎪⎩

⎪⎨

+

=

g g

g g g

g g

f (2.4)

(12)

時速[km]

0 5 10 15 20

-20 -10 0 10 20

勾配[%]

2.4 自転車速度関数A

  式(2.4)を自転車速度関数Aとする.

  自転車関数Aの勾配の重みを上げ,勾配が10%のとき自転車の速度が0km/hになる ように式を変形すると,以下のようになった.

( )

) , (

) (

) (

. .

.

10 10

10 0

0 10

0 15 52 0 0

098 0

15

2

<

<

<

⎪⎩

⎪⎨

+

′ =

g g

g g g

g g

f (2.5)

0 5 10 15 20

-20 -10 0 10 20

時速[km]

2.5 自転車速度関数B

勾配[%]

  式(2.5)を自転車速度関数Bとする.

 

(13)

2.3

標高値の補間

2.3.1

対象地域

本研究では東京都区部全域を対象地域とする.東京都区部は東西 32.2km,南北

32.2kmに広がり,面積は621km である.荒川の両岸から,沿岸部の江東区,江戸川

区,墨田区,葛飾区へと標高0m地帯が広がっていて,その地域の道路の勾配はなだら かである.また東京都の中心部は山の手と呼ばれ,標高そのものは高くないが,起伏が 多い地形であり,勾配のきつい道路が多い.

2

2.3.2

座標系とメッシュシステム

  地理情報の位置を数値化して表すために,数値地図情報では,経緯度,UTM 座標,

平面直角座標などの座標系が用いられている.座標系で表現される地域を,網の目上の 小区画に区分した等形または等積の区画を地域メッシュという.

  全国を対象にデータ整備を行う場合,断裂のない座標系で表せることから,位置は経 緯度座標で表され,地域メッシュとして標準地域メッシュが使用されている.標準地域 メッシュは全国的な規模で数値地図情報を整備する場合に広く採用され,一定間隔の経 緯線によって地域を分割する方法の一つである.以下の4つの階層的な地域区画で分割 が可能となっている.

(1)1次地域区画(1次メッシュ)

全国の地域を1°毎の経線と40′毎の緯線によって縦横に分割したもの.メッシュコ ードは,区画南端の経度を1.5倍した 2桁の数字と,西端経度から100を引いた2 の数字とを緯度,経度の順に組み合わせた数字として定義されている.

(2)2次地域区画(2次メッシュ)

1次地域区画の縦横をそれぞれ8等分したもの.メッシュコードは,1次メッシュ コードを8 等分した区画に,経線方向については南から,緯線方向については西から,

それぞれ0から7までの数値を付け,これを緯度方向,経度方向の順に組み合わせた2 桁の数字として定義されている.

(3)第3次地域区画(3次メッシュ)

2次地域区画の縦横をそれぞれ10等分したものであり,ほぼ1km2である.

(14)

(4)分割地域メッシュおよび統合地域メッシュ

3次地域区画を経線及び緯線方向に2等分,4等分または8等分したものである.

2.3.3

数値地図

50m

メッシュ

(

標高

)

東京都区部の標高値を求めるために国土地理院刊行の数値地図 50m メッシュ(標高) を用いた.数値地図50mメッシュ(標高)は国土地理院が刊行している25千分1 形図に描かれている等高線を計測してベクトルデータを作成し,それから計算によって 求めた数値標高モデルデータである.2次メッシュを経度方向および緯度方向に200 分して得られる各区画の中心点の標高値が 1m 単位で記録されている.また海部には,

-9999が記録されている.標高点間隔は緯度方向で1.5″,経度方向で2.25″となって

いる.

  2点間の距離が大きくなる場合には大圏距離を求める必要があるが,日本国内の任意 2点間の距離を求める場合,地球が日本付近で半径R6370[km]の球体と近似して,

以下のような簡単な計算式で求めることができる.

2点の経緯度を, および とすると,地球の中心より見た 2点間の角度

(ラジアン)

) ,

1 φ122) δは,

)) cos(

cos cos sin

(sin

cos 1 ϕ1 φ2 φ1 φ2 λ1 λ2

δ = ⋅ + ⋅ ⋅ − (2.6)

である.2点間の距離 は,L δ

R

L= (2.7)

となる.

  2次メッシュは,それぞれ1枚の125,000の地形図の範囲に合致し,同じ経度間隔 で区切られた地形図でも南の図葉ほど東西間の辺長距離が大きくなっている.式2.7 用いて 3 次メッシュ 533946 東京首部の南北距離と東西距離を求めた.南北距離は 9242.77m,東西距離は11307.55mである.50mメッシュの南北距離は46.21m東西距 離は56.54mである.

2.3.4

標高値の補間

  50mメッシュを経度方向に 3分割,2 分割して,図2.6に示すような経度0.75″,

緯度 0.75″のメッシュに分割したものの中心点間隔を本研究で用いる道路ネットワー クの座標の最小単位とする.

各メッシュの中心点の標高値を与える方法として以下の2つが挙げられる.

・  最近隣法:最も近くにある格子点を見つけその標高値を採用する方法

・  補間法  :近くにある複数の格子点の標高値から補間する方法 補間法は最近隣法に比べて滑らかな標高値を得ることができる.

(15)

0.75″

2.6 本研究で用いるメッシュ

2.25″

0.75″

1.5

2.3.5

標高値の

2

次多項式近似

  通例,地図標高上の任意の点

(

x,y

)

における標高値zは位置座標

( )

x,y の関数

であると考えられる.しかし,実際には標高データは測定地点でしか与えられない.地 図上の多くの点において,それらの点の近傍の地形を良く表すような2階微分可能な関 を作ることによって,任意の点

( )

x y

f z= ,

(

x y

f ,

) ( )

x,y の標高を得ることができる.この時,最 2乗近似等の近似操作が必要である.

  地表の位置座標

(

xi,yi

)

における標高(測定値等)をzi

(

i=1,K,N

)

とする.着目点 の近傍における を最小二乗法で

(

x0,y0

) (

x y

f ,

)

z =  f

(

a,b,c,d,e,f

)

= 

( )

2

(

0

)(

0

) (

0

)

2

0 2

1 2

1a xx +b xx yy + c yy

    +d

(

xx0

) (

+e y y0

)

+ f (2.8)

で近似し,測定されていない各地図座標上の標高値で式(1)を“なるべく良く満たす”

ようにパラメータ

{

a,b,c,d,e,f

}

を決定することを考える.

  近傍9点による重みなし 2次多項式近似をおこなう.この近傍 9点はそれぞれのメ ッシュの中心点の標高を扱うため,経度方向の距離をH[],緯度方向の距離をK[] として計算をおこなう.

  まず,近傍9点の標高の番号を図2.8のように配置する.そして,この近傍9点に 対して,

( ) ∑

=

( (

=

= 9

1

2

2 , ; , , , , ,

2 , 1 , , , ,

i

i

i i

i f x y a b c d e f

z f

e d c b a

S

))

(2.9)

(16)

を最小にするようにパラメータ

{

a,b,c,d,e,f

}

を決定する.

3H

4K

K=11.55 H=18.85

t

z7

z4

z8

z2 z0

z6

z1

z9

z3

z5

2.8 近傍9点の標高番号 2.7 標高と道路のノード

  データ行列を

⎥⎥

⎥⎥

⎥⎥

⎥⎥

⎥⎥

⎥⎥

⎢⎢

⎢⎢

⎢⎢

⎢⎢

⎢⎢

⎢⎢

=

1 3 4

9 12

16

1 3 2 9

6 4

1 5 4

25 20

16

1 5 2

25 10

4

1 3 9

3

1 5 25

5

1 4

4 16

1 2

2 4

1

2 2

2 2

2 2

2 2

2 2

2 2

2 2

2 2

2 2

K H K

HK H

K H K

HK H

K H

K HK H

K H

K HK

H

K H

K HK

H

K H

K HK

H

K H

K HK H

K H K

HK H

K H

K HK H

X (2.10)

⎥⎥

⎥⎥

⎥⎥

⎥⎥

⎥⎥

⎥⎥

⎢⎢

⎢⎢

⎢⎢

⎢⎢

⎢⎢

⎢⎢

=

9 8 7 6 5 4 3 2 1

z z z z z z z z z

z

として,式(2.9)を微分して0とおくことにより,正規方程式

z X f a X

X = T

⎥⎥

⎢⎢

Τ M (2.11)

を満たす.これをQR分解を用いて解くことにより,パラメータ

{

a,b,c,d,e,f

}

を決定す

る.6 分割したメッシュのそれぞれの中心点を同様に行い,パラメータ

{ }

決定した.

f e d c b a, , , , ,

2.3.6

東京区部の標高図

  近隣9点で補間した東京区部の標高図を図2.9に示す.青色が海部を表し,黄緑色が 海抜0mを表し,黒色が標高が50mである.また白い部分は0m未満の標高を表して いる.

(17)

標高 0m未満

海部 0m 50m

2.9 補間後の東京区部の標高図

   

a補間前         b補間後

2.10 補間前と補間後の拡大した一部の標高図

(18)

2.3.1 節でも述べたように,図 2.9より,荒川の両岸から,沿岸部の江東区,江戸川 区,墨田区,葛飾区へと標高0m地帯が広がっている.また東京都の中心部は標高その ものは高くないが,起伏が多い地形であることがわかる.

補間前と補間後の拡大した一部の標高図を図 2.10 に示す.補間後の標高図は滑らか になっていることがわかる.

2.4

標高属性を持つ道路ネットワークの作成

2.4.1 MAPPLE10000

  道路ネットワーク構築のため昭文社が発行しているMAPPLE10000から道路中心線 データを抜き出した.MAPPLE10000 のデータ形式はベクタデータとなっており,縮

1/25001/10000 の地図から抜き出した道路や行政界がラインデータで記載され,

建物や街区などがポリゴンデータで記載されている.ベクタ(ベクタデータ)とは線分 の集合体であり,ポリゴンとは閉じた線とその内部である.線分の位置を表す座標とし て経度緯度座標系が用いられている.

本研究では行政界と道路のラインデータを抽出した.行政界と道路にはそれぞれ種別 があり表2.4にその種別を示す.

2.4 行政界と道路の種別

データ名 種別

行政界 都道府県界,都市特別区界 道路 国道,主要道,一般道

  主要道はそのほとんどが片側2車線以上の国道以外の道路であり,環状7号線や目白 通りなどが該当する.MAPPLE10000 には表 2.4 に掲げた行政界と道路の種別以外も 記載されているが,本研究で用いた種別は表2.4のとおりである.

  また道路のラインデータには種別以外に幅員が記載されている.

2.4.2

道路ネットワークの構築

MAPPLE10000 から道路中心線のラインデータを抽出し,総リンク数が902,536,総ノ

ード数が 318,593 の双方向道路ネットワークを作成した.またそれぞれのリンクには道路

種別と幅員を属性として持たせた.作成した道路ネットワークを図2.11に示す.幅員が4m 未満の細街路も含んでいるため湾岸部を除いて道路が密集しているのがわかる.

(19)

2.11 対象地域の道路ネットワーク

2.3節で求めた標高値を道路ネットワークの各ノードに割り振る.海部上にノードが 存在する場合は標高を-1mとした.式2.1を用いて各リンクの勾配を求めた.道路の勾 配が5%以上の道路リンクを図2.12に示す.

  2.3.1 節でも述べたとおり,荒川の両岸から,沿岸部の江東区,江戸川区,墨田区,

葛飾区へと標高0m地帯が広がっていて,その地域の道路の勾配はなだらかなことがわ かる.また東京都の中心から西側は起伏が多い地形であり,勾配のきつい道路が多いこ とがわかる.

(20)

2.12 勾配が5%以上の道路リンク

2.4.3

自転車の所要時間の計算

リンク 間の道路の勾配を ,距離を として,移動にかかる時間であるコスト

) ,

(i j gij dij

cij

( )

ij ij

ij d f g

c = (2.12)

とする.

出発地から目的地までのコスト最小経路のコストを自転車移動の所要時間とする.

Dijkstra法を用いてコスト最小経路を探索した.その際に,自転車の入出庫の時間とし

て所要時間に4分を加える.

  自転車の経路の一例を示す.中央大学理工学部春日キャンパス(中大)と新宿駅南口

(新宿)を往復する最小コストの経路を探索し,所要時間を求めた.

(21)

  まず,自転車の速度を勾配を考慮しないで,15km/hとして中大−新宿間の最短所要 時間経路を探索した.中大−新宿間の最短距離経路を探索すると距離は5.9kmになり,

自転車の速度を15km/hとすると,所要時間は 23 45 秒になる.自転車での移動時 間はこれに4分を加えて 2745 秒になる.自転車の速度を15km/hとした場合の中 大−新宿間の経路を図2.13に示す.また,中大−新宿間の経路の高低図を図2.14に示 す.

2.13 自転車の速度を15km/hとした場合の新宿−中大間の経路

0 10 20 30 40

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 標高[m]

中大からの距離[m]

2.14 自転車の速度を15km/hとした場合の新宿-中大間の高低図

  次に,自転車速度関数A(式2.11)を用いて,中大−新宿間の最短所要時間経路を探 索した.中大から新宿への最短所要時間経路の距離は6.119km2926秒になった.

新宿から中大へ向かう場合は経路が同じで所要時間は2933秒となった.

自転車速度関数Aを用いた場合の中大−新宿間の最短所要時間経路を図2.15に示し,

高低図を図2.16に示す.

  中大の標高は18.9mと新宿の標高は37.3mで新宿の方が18.4m高い.しかし,中大 の近くには勾配がきつい坂がある.勾配を考慮しない場合には中大近くの勾配のきつい 坂を通っていたが,自転車速度関数 A を用いて経路を求めた場合には,通らなくなっ ている.

(22)

2.15 自転車速度関数Aを用いた場合の新宿-中大間の経路

0 10 20 30 40

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 標高[m]

中大からの距離[m]

2.16 自転車速度関数Aを用いた場合の新宿-中大間の高低図

  さらに,自転車速度関数 B(式 2.12)を用いて,中大−新宿間の最短所要時間経路 を探索した.中大から新宿への最短所要時間経路の距離は6.122km,所要時間は30 16秒になった.新宿から中大への最短所要時間経路の距離は6.372km,所要時間は32 37秒になった.

自転車速度関数Bを用いた場合の中大から新宿への最短所要時間経路を図2.17に示 し,高低図を図2.18に示す.また新宿から中大への最短所要時間経路を図2.19に示し,

高低図を図2.20に示す.

  自転車速度関数 B を用いた場合の中大から新宿への最短所要時間経路は自転車速度 関数 A を用いた場合とほとんど変わらないが,新宿から中大への最短所要時間経路は 大きく変わった.

  中大−新宿間以外の経路においても,自転車速度関数 A を用いて,最短所要時間経 路を求めると,15km/hで求めた最短所要時間経路(最短距離経路と同じ)とほとんど 変化がなかった.自転車速度関数Bを用いて,最短所要時間経路を求めると,15km/h で求めた最短所要時間経路と大きく違う経路となった.

 

(23)

出発地 

目的地 

2.17 自転車速度関数Bを用いた場合の新宿-中大間の経路

0 5 10 15 20 25 30 35 40

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000

標高[m]

2.18 自転車速度関数Bを用いた場合の新宿-中大間の高低図

中大からの距離[m]

目的地 

出発地 

2.19 自転車速度関数Bを用いた場合の新宿→中大の経路

0 5 10 15 20 25 30 35 40

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000

2.20 自転車速度関数Bを用いた場合の新宿→中大の高低図

標高[m] 

新宿からの距離[m]

(24)

2.5

自転車所要時間の計算結果の検証

東京区部での自転車の所要時間の計算結果が妥当なものか検証するために,第4回東 京都市圏パーソントリップ調査にある代表手段別ゾーン間所要時間データと2.4節の方 法で求めた自転車の所要時間とを比較した.

2.5.1

東京都市圏パーソントリップ調査

  パーソントリップ調査は“人の一日の動き”全てを把握する調査であり,交通計画,

都市計画を検討・策定するうえでの重要な基礎的情報となっている.トリップ(trip とは人または車両がある目的をもって起点(出発地:Origin)から終点(目的地:

Destination)へ移動する場合に,その一方向の移動を表す概念であり,またその計測

単位である.ある時間帯における特定の起点から特定の終点への移動の交通量を OD

Origin Destination)という.パーソントリップには2種類,リンクトトリップとア ンリンクトトリップがある.

リンクトトリップは出発地から目的地まで目的を持った一連の行動である.リンクト トリップで複数の交通手段を用いた場合に交通手段を1つに代表させる.代表交通手段 とは 1 回のトリップで数種類の交通手段を用いている場合に最も優先度の高い交通手段を 指す.優先順位は、鉄道、バス、自動車、二輪車(バイクと自転車)、徒歩の順となっている.

アンリンクトトリップはそれぞれの出発地から目的地まで目的を達成するための手 段別に分けた行動である.

  リンクトトリップは1つまたは複数のアンリンクトリップから成り立っている.

計2リンクト  トリップ 計8アンリンク  トトリップ

自宅 勤務先

徒歩 バス 鉄道 徒歩

徒歩 鉄道 バス 徒歩

自宅

2.21 リンクトトリップとアンリンクトトリップ

(東京都市圏パーソントリップ調査PTデータ利用の手引き[9 ]から抜粋)

平成10年度に行われた第4回東京都市圏パーソントリップ調査(PT調査)は東京,神 奈川,千葉,埼玉,茨城南部を対象地域としている.交通の起点および終点,交通目的,

利用交通手段などのデータである.調査概要を以下に示す

調査時点:平成1010月〜12

(25)

調査日  :土、日、祭日および月、金を除く平日の1日間

調査対象:住民基本台帳をもとに調査対象地域内に居住し,1998101日時点に おいて満年齢5歳以上の人々の中から世帯単位で抽出,選定されている.

調査対象地域外の居住者が調査対象地域内で移動したトリップについ ては把握されていない.東京都市圏全体でみると,調査対象者1,235,883 ()に対し,有効サンプル数は,883,044()であり71.5%の有効回 収率となっている.また,東京都市圏全体の5歳以上人口は32,896,705 人であり,標本率は2.68%である.

調査内容:世帯票・自動車票と個人票がある.世帯票には世帯人数,その他の調査 基本項目や性,年齢,職業,産業,現住所,勤務先・通学先の名称,運 転免許の有無,使用可能自動車の有無および台数等の個人属性項目があ る.自動車票には世帯で所有している自動車や自転車などの台数,自動 車のナンバー,自動車の所有者,調査日1日の走行距離などの自動車属 性項目がある.個人票には出発地(住所,施設など),到着地(住所,

施設など),発時刻,着時刻,トリップの目的,利用交通手段,乗換地 点,トリップ所要分,自動車運転の有無,駐車場所,有料道路利用有無,

利用IC名などのトリップに関する項目がある.

このように調査内容は多くのプライバシーを含む情報なので,世帯票・自動車票と 個人票そのものは一般に公開されていない.そのため世帯票・自動車票と個人票か ら集計したデータが東京都市圏交通計画協議会から貸出しされている.集計データ には現況集計として基礎集計と計画基礎情報集計が記載されている.また複数の将来状 況を設定し,交通量予測を行った将来推計がある.

パーソントリップ調査結果を交通計画策定に適した集計が可能となるよう分類・区 分を設定している.分類・区分の一部を以下に示す.

1)ゾーン

(大ゾーン)

地理的,歴史的な地域のまとまりを考慮しつつ,東京都市圏全域のマクロ的な 分析,検討の単位となるゾーン.

(中ゾーン)

ほぼ市区町村を単位とするが,大都市では数個に分割し,周辺では市町村がい くつかまとまっている場合もある.

(計画基本ゾーン)

小ゾーンを数個集めて構成し,広域における計画単位として,また地域として のまとまりのある交通計画の単位となるゾーンレベル.

(小ゾーン)

夜間人口約15千人を目安とし,地区計画の単位となるゾーンレベル.

(26)

  (2)代表交通手段

代表交通手段は 15区分,7区分,5区分と3種類の区分があるが,本研究では表2.5 ある7区分のデータを用いた.

2.5 代表交通手段7区分

代表交通手段  詳細 

鉄道  鉄道・地下鉄,モノレール・新交通 

バス  路線バス・都電 

自動車  乗用車,軽乗用車,貨物自動車・軽貨物車, 

自家用バス・貸切バス,タクシー・ハイヤー  二輪車  自動二輪車(51cc 以上), 

原動機付自転車(50cc 以下) 

自転車  自転車 

徒歩  徒歩 

その他  船舶,航空機 

(不明)  (不明) 

  (3)目的種類

  目的種類は(1)通勤,(2)通学,(3)自宅→業務,(4)自宅→私事,(5)帰宅,(6)勤務・業務⇔勤 務・業務,(7)その他私事,(不明)の 7区分である.目的種類は発目的と着目的の組み合わ せで決まる.着目的とは 1 つのトリップに着目したときの.その交通の目的である.発目 的は1つのトリップに着目したとき,そのトリップの1つ前の着目的に等しい.

  表2.6に発目的と着目的の組み合わせごとの目的種類を載せた.表2.7の左の欄に調査票 の項目を示し,それぞれの項目に対応する発目的と着目的は右の欄に示した.

2.6 発目的と着目的の組み合わせ目的種類と

    着目的 自宅へ  勤務先へ  業務  通学先へ 買物へ  その他私事  不明 

自宅へ                             

勤務先へ                             

業務                         

通学先へ                         

買物へ                       

その他私事                            

不明                             

発目的

(3)自宅→業務

(1)通勤 (2)通学 (4)自宅→私事

(6)勤務・業務⇔勤務・業務 (5)帰宅

(7)その他私事

不明

(27)

2.7 発目的と着目的

調査票  発目的・着目的 

a.勤務先へ(帰社含む)  勤務先へ 

b.通学先へ(帰校含む)  通学先へ 

c.自宅へ  自宅へ 

d.買い物へ  買い物へ 

e.食事・社交・娯楽へ(日常生活圏) 

f.観光・行楽・レジャーへ(日常生活圏をこえる)  g.その他の私用へ(通院・塾・習い事へ)  h.送迎 

その他私事 

i.販売・配達・仕入れ・購入先へ  j.打ち合わせ・会議・集金・往診へ  k.作業・修理へ 

l.農林漁業作業へ  m.その他の業務へ 

業務 

2.5.2

異なるゾーン間トリップの所要時間の比較

東京区部の出発地ゾーンと目的地ゾーンが異なる 2.2 節の自転車速度関数 ABC 3つを自転車の速度として,2.4節の方法を用いて算出した自転車所要時間とゾーン 間代表交通手段別平均所要時間にある自転車のゾーン間平均所要時間とを比較する.代 表交通手段別ゾーン間平均所要時間は個人票にある代表交通手段が自転車であるトリ ップの所要時間をODごとに集計し,平均を取ったものである.

東京区部内を出発し到着する自転車トリップの総数は3,402,427となっている.OD のゾーン単位は計画基本ゾーンで東京区部は115ゾーンに分割されている.起点と終点 が東京区部内である自転車トリップの計画基本ゾーンごとの発生トリップを図2.22 示した.

自転車の発生トリップ数は足立区と葛飾区を中心とした北東部が多く,最大で

113,167人である.周辺部の発生トリップ数が多く,中心部に行くほど発生トリップ数

は減少していく.千代田区にあるゾーンが数百トリップとなっていて最も少ない.これ は千代田区や中央区などの都心部には居住地が少なく,都心から離れるほど住宅地が多 くなることが大きな原因となっている.

(28)

113,167 発生交通量 [人トリップ/]

0

2.22 計画基本ゾーンごとの自転車発生トリップ数

次に都心から離れたゾーンの代表として葛飾区にあるゾーンから発生する OD をみ る.葛飾区は計画基本ゾーン4つに分けられているがそのうちのひとつのゾーンを対象 とする.対象ゾーンから発生したODが到着するトリップ数をゾーンごとに色分けし,

2.23に示す.

   

OD数[人トリップ/日]

86,687 発生ゾーン

0

2.23 計画基本ゾーンごとの葛飾区のあるゾーンから

発生した自転車トリップが到着する数

(29)

  葛飾区にある対象ゾーンから発生したトリップはそのほとんどがゾーン内トリップ となっている.北東部はひとつのゾーンの面積が大きいという原因もあり,他のゾーン も同様にトリップのほとんどがゾーン内トリップとなっている.

  都心のゾーンの代表として中央区のあるゾーンから発生するODをみる.対象ゾーン から発生したODが到着するトリップ数をゾーンごとに色分けし,図2.24に示す.

 

OD数[人トリップ/日]

480

発生ゾーン

0

2.24 計画基本ゾーンごとの中央区のあるゾーンから

発生した自転車トリップが到着する数

次に中央区にある対象ゾーンから発生したトリップは周辺のゾーンへと広がってい る.都心部はゾーンの面積が狭いため,トリップが周辺のゾーンに広がっている.他の 都心部のゾーンも同様である.

西部と南部に関しては北東部と比べて周囲のゾーンへのトリップ数が比較的多い.

起点と終点が東京区部内である自転車トリップの計画基本ゾーンごとの集中トリッ プを図2.25に示した.色が赤い程トリップ数が多く,最大で113,433人となっており,

色が黄に近づく程トリップ数が減る.自転車発生トリップと自転車集中トリップのゾー ンごとの数は違いがほとんどない.そのことはトリップの大部分をゾーン内トリップが 占めていることからもわかる.

図 2.11  対象地域の道路ネットワーク 2.3 節で求めた標高値を道路ネットワークの各ノードに割り振る. 海部上にノードが 存在する場合は標高を -1m とした.式 2.1 を用いて各リンクの勾配を求めた.道路の勾 配が 5% 以上の道路リンクを図 2.12 に示す.       2.3.1 節でも述べたとおり,荒川の両岸から,沿岸部の江東区,江戸川区,墨田区, 葛飾区へと標高 0m 地帯が広がっていて,その地域の道路の勾配はなだらかなことがわ かる.また東京都の中心から西側は起伏が多い地形であり,勾配
図 2.12  勾配が 5% 以上の道路リンク 2.4.3  自転車の所要時間の計算 リンク 間の道路の勾配を ,距離を として,移動にかかる時間であるコスト を     ),(ij g ij d ijc ij ( )ijijijdfgc=    (2.12)  とする. 出発地から目的地までのコスト最小経路のコストを自転車移動の所要時間とする. Dijkstra 法を用いてコスト最小経路を探索した.その際に,自転車の入出庫の時間とし て所要時間に 4 分を加える.   自転車の経路の一例を示す.中央大学理
図 2.15  自転車速度関数 A を用いた場合の新宿 - 中大間の経路 010203040 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000標高[m]  中大からの距離[m]  図 2.16  自転車速度関数 A を用いた場合の新宿 - 中大間の高低図   さらに,自転車速度関数 B (式 2.12 )を用いて,中大−新宿間の最短所要時間経路 を探索した.中大から新宿への最短所要時間経路の距離は 6.122km ,所要時間は 30 分 16 秒になった.新宿から中大へ
表 2.7  発目的と着目的  調査票  発目的・着目的  a.勤務先へ(帰社含む)  勤務先へ  b.通学先へ(帰校含む)  通学先へ  c.自宅へ  自宅へ  d.買い物へ  買い物へ  e.食事・社交・娯楽へ(日常生活圏)  f.観光・行楽・レジャーへ(日常生活圏をこえる)  g.その他の私用へ(通院・塾・習い事へ)  h.送迎  その他私事  i.販売・配達・仕入れ・購入先へ  j.打ち合わせ・会議・集金・往診へ  k.作業・修理へ  l.農林漁業作業へ  m.その他の業務へ  業務  2.5.2
+2

参照

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